JP5324899B2 - 圧縮ねじり加工装置 - Google Patents
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Description
このようにすると、切削屑に圧縮方向の力のみならず回転方向の大きなせん断力が加わるためにせん断変形を起こし、その結果発生する新生面間が固相接合により金属塊になる。
また、中空材を成型する場合には、素材投入型は、外側リングと当該外側リングの内側に配設した内側リングとで構成され、素材を内側リングと外側リングとの間に投入する構造がよい。
これにより、投入された素材(被加工材)にねじり力を加える際に分割金型が相互に摺動回転可能になっているのでねじり力が素材と金型の接触面での摩擦力により低減されるのを少なくする。
また、ねじり機構は、加圧パンチに回転機構を付与する方法のみならず、加圧パンチの先端部に回転可能な回転型を設けて、この回転型を外部から回転駆動してもよい。
さらには、分割金型に回転機構を付加してねじり機構としてもよい。
この場合に素材投入型に投入された素材の上部から加えるねじり方向と下部から加えるねじり方向とが相互に逆回転方向になっている。
さらに、金属片の場合には酸化物等、金属以外の粒子を混合して複合化することもできる。
また、金属塊に圧縮力とねじり力を加え、改質できる。
図1に示した実施例は、円柱状の中実材を成型するための圧縮ねじり加工装置10(以下、単に加工装置と称する。)の模式断面図である。
円筒状の外金型11の底部にベースプレート12をボルト等の締結部材12aにて固定し、その内側にリング状の分割金型1a,1b,1c,・・・1fを重ねて挿入してある。
各分割金型1a,1b,・・・は相互の当接面にて摺動可能になっている。
図1に示した例では分割金型の間に潤滑溝2を形成して、相互の分割金型及び、分割金型の外周面と外金型11の内周面の間に潤滑油が廻り込むようになっている。
また、図1に示した例では分割金型の数は6つであるが、その数は成型する金属材の円柱の高さ及び外径に応じて選定される。
1つの分割金型の図1で高さ方向の厚みは成型する金属柱の半径以下がよい。
外金型11の内側に組み込んだ分割金型が相互に摺動回転可能な状態で上プレート13をボルト13aで当該外金型11に締結固定する。
次に金型の上方側から上パンチ21を臨ませる。
上パンチ21は、ロッド等を介して上側駆動部20に連結されていて、同様に下パンチ31は下側駆動部30に連結されている。
図1に示した実施例では上側駆動部20,下側駆動部30の両方に、f1,f2の圧縮機構と、W1,W2の相互回転方向のねじり機構を備えている。
これにより、金属素材Mには圧縮力f1,f2とねじり力W1,W2とが加えられる。
このときに上方の金属素材はW1の回転力を受けてねじりが発生するが、その回転力は金属素材と分割金型1aの内周面との摩擦力により分割金型1aにも伝達される。
この場合に最も下側の分割金型1fには上方のW1の回転方向とは逆方向の回転力W2が伝達されていることになる。
従来の圧縮ねじり加工装置では図10に示したように、コンテナ111の内周面の摩擦拘束力により金属内部にねじり力が伝達されなかったが図1に示すように、素材投入型をリング状の分割金型1a,1b,・・・にしたことにより、上部と下部とでは逆方向にリングの回転が可能であるために金属素材Mには圧縮力とともにねじり力が充分に伝達される。
この場合には金型を組み立てる際に外金型11の底面にベースプレート12を固定し、分割金型とベアリングボール3とを交互に配置することになる。
この場合には、素材投入型を外側リング41a,41b,・・・と、その内側に配設した内側リング51a,51b,・・・とで構成し、外側リングと内側リングとの間に金属素材Mを投入する。
外側リング41a,41b,・・・は外金型11の内周面に拘束されながら摺動し、内側リング51a,51b,・・・は芯棒11aの外周を摺動する。
上パンチ21aと下パンチ31aとは、金属素材Mの加圧面をドーナツ円盤状にしたおわん形状になっている。
これにより、粉末を圧縮ねじり成型したり中空材の改質加工に適用できる。
金属素材の底面は、回転型34に拘束される。
回転型34は、駆動軸32の駆動ギヤ32aと歯合した従動ギヤ33にて回転することで下側から金属素材Mにねじり力を加える例である。
上パンチにはf1の圧縮力のみの機構を与え、回転型24が駆動ギヤ23aと歯合した従動ギヤ部24aにて回転するとともに下方向にスライドする構造になっている。
図6は、図5の構造を中空材用の加工装置に適用した実施例を示し、この場合に固定型36はドーナツ状に形成され、パンチ25は円筒状であり、円筒状のパンチに沿って回転型26が回転するようになっている。
ベースプレート12に回転摺動可能に回転型37をベアリングボール37aを介して取り付けてある。
内側リング151a,151b,・・・はシャフト11aに組み込み、外側リング141a,141b・・・はボール4を介して積み重ね、ベースプレート12と上プレート13とで摺動連結してある。
図8(a)は、下側の外側リング62の上面にボール溝を形成する際に金属素材側の隙間d1を小さくし、外側の隙間d2を大きくした例であり、図8(b)は内側の隙間d3を段差状にして、金属素材Mが隙間d3に廻り込むのを防止した例である。
図8(c)は、下側の外側リング62の上面を凹部断面62aにし、上側の外側リング61の下面に凸部61aを設けることで、素材投入型を容易に組み込みやすくした例である。
ベース部12と上プレート13の間に相互に回転自在になるように分割金型1a〜1g,1h〜1nがベアリングボール3を介して積み重ねられている。
各分割金型は外周部に歯部を有するギヤ歯車状になっていて、駆動機構側と歯合している。
図9(b)に図9(a)のA視図を示すように、駆動部20aの駆動ギヤ70と伝達ギヤ80,90の一方に歯合し、伝達ギヤ80と90は歯合している。
図9(a)では紙面手前の伝達ギヤ90の連結軸92に固定した各ギア91a〜91gと分割金型1a〜1gとギヤ連結し、紙面奥側の伝達ギヤ80の連結軸82に固定した各ギヤ81h〜81nと分割金型1h〜1nとギヤ連結している。
これにより、上側半分の分割金型1a〜1gと下割半分の分割金型1h〜1nの回転方向が逆になり、金属素材Mにねじり力が働く。
また、分割金型の外径を除変することで各分割金型の回転速度も除変可能になる。
なお、本実施例では圧縮力は上パンチ21と下パンチ31とにて加える例になっている。
2 潤滑溝
10 圧縮ねじり加工装置
11 外金型
12 ベースプレート
13 上プレート
20 上側駆動部
21 上パンチ
22 圧縮機構
30 下側駆動部
31 下パンチ
32 駆動軸
41a,41b 外側リング
51a,51b 内側リング
Claims (2)
- 素材に圧縮力及びねじり力を加える圧縮ねじり加工装置であって、
素材投入型と、投入された素材に圧縮力を加える圧縮機構と、投入された素材にねじり力を加えるねじり機構とを備え、
素材投入型は4つ以上のリング状分割金型を相互に摺動回転可能に重ねてあり、
圧縮機構は素材投入型に投入された素材を上下の両方から加圧する加圧パンチであり、
ねじり機構は加圧パンチに回転機構を有するもの、加圧パンチの先端部に回転可能な回転型を有するもの、及び分割金型に回転機構を有するもののうちいずれかであり、
素材投入型に投入された素材の上部から加えるねじり方向と下部から加えるねじり方向とが相互に逆回転方向であることを特徴とする圧縮ねじり加工装置。 - 前記素材投入型は外側リングからなる分割金型と、当該外側リングの内側に配設した内側リングとからなる分割金型とで構成され、素材を内側リングと外側リングとの間に投入するものであり、
前記外側リング及び内側リングが4つ以上からなり、
外側リング同士及び内側リング同士がそれぞれ相互に摺動回転可能に重ねてあることを特徴とする請求項1記載の圧縮ねじり加工装置。
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