JP5324368B2 - 風力発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、風力発電装置に関し、特に回転軸が風向きに対して垂直な垂直軸風車を原動機とする垂直軸型風力発電装置に関する。
風力発電装置の運用時における問題の一つとして、風車のブレードへの着雪氷による悪影響がある。これは、風車のブレード部分に雪や氷が付着し、雪や氷の付着具合のアンバランスによって回転軸の回転動作にブレが生じて回転軸の支持部等が破損したり、雪や氷の重みによってブレード及びそれを支えるアームが変形したりするものである。特に垂直軸型風力発電装置では、水平軸型風力発電装置と比較して、ブレードの面積が風車全体の大きさの割に広くなっているため、ブレード部分への雪や氷の付着による影響を受け易い傾向がある。
このため、ブレードにヒータを取り付け、このヒータでブレードに加温することで、付着している雪や氷を溶かす技術が知られている。また、水平軸型風車において、発電機の熱を吸収させた空気を主軸を通してブレードへ導き、ブレードに付着している雪や氷を溶かす技術も知られている(下記の特許文献1参照)。
特開2005−069082号公報
ところが、ブレードにヒータを取り付けると、ヒータを取り付けない場合と比較して風車が重くなるため、自己起動時のトルクが増加するという問題がある。また、雪や氷の付着が発生する厳寒期以外の時期ではヒータの利用機会がないため、その時期のヒータは、その荷重により種々のエネルギーロスを発生させるだけの無駄な存在となる。そのため、ヒータが設けられた風力発電装置の発電効率の悪さが問題視されやすい。
また、一般的に垂直軸型風力発電装置は水平軸型風力発電装置に比較して回転軸部分が長い上、風車の種類によっては回転軸とブレードの間にアームが存在する場合もあるため、上記特許文献1に記載の技術を垂直軸型風力発電装置に適用することは困難である。
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、垂直軸型風力発電装置において、風車のブレード部分に付着した雪や氷を効率的に取り除くための技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の風力発電装置は、風の方向に対して垂直に設置される回転軸と、この回転軸の軸方向に沿って縦方向に回転軸に取り付けられるブレードとからなる垂直軸風車と、回転軸に連結され回転軸の回転力を電力に変換する発電機とを備えるものであって、ブレードの表面にソーラーセルを取り付け、ソーラーセルによって発電された電力を発電機によって発電された電力と共に当該風力発電装置の外部に出力できると共に、発電機によって発電された電力をソーラーセルに供給してソーラーセルを発熱させることができるように構成されている。そして、ソーラーセル及び発電機によって発電された電力を外部に出力する発電運転状態と、発電機によって発電された電力をソーラーセルに供給してソーラーセルを発熱させる発熱運転状態とを排他的に切り替える切替手段を備える。
このように構成することで、風力発電と太陽光発電による発電効率の高いハイブリッド型の発電システムを実現すると共に、ブレードに取り付けたソーラーセルを発熱体として併用することで、ブレード部分に付着した雪や氷を効率的に取り除くことができる。あるいは、ブレードへの着氷雪が予想される状況で予めソーラーセルにより加温することで、着氷雪を予防することも可能である。
特に、垂直軸風車はブレードの面積が比較的大きいため、ブレードへの着氷雪の影響を受け易いが、発熱体として併用可能なソーラーセルをブレードの表面に取り付けることで着氷雪の問題は解決できるし、広大なブレードの表面積を活かして多くのソーラーセルを取り付ければ、太陽光発電をより効果的に行うことができる。すなわち、垂直軸風車の特徴である広大なブレードは、本発明の風力発電装置にとっては有利な条件である。
また、ソーラーセルを発電体及び発熱体として併用することにより、着雪氷が発生しない時期に発熱体としての使用機会がなければ、代わりに電気エネルギーを生産できるので、ソーラーセル及びその付帯設備による風車の重量増加に起因するエネルギーロスは問題にならない。また、自装置内で風力エネルギーから得た電力を使ってソーラーセルを発熱させることができるので、山上や僻地等の商用電力の確保が困難な場所に風力発電装置を設置する場合にも、ソーラーセルによる氷雪の除去が可能である。
ところで、垂直軸風車のブレードに取り付けたソーラーセルによる発電量をより大きくするには、ソーラーセルにより多くの日照を与えることが肝要である。そのためには、ソーラーセルの取付面を太陽に対してなるべく正対するように配置することが必要である。そこで、請求項2に記載のように、ソーラーセルが取り付けられたブレードを、回転軸を地面に対して垂直に設置した状態で上方よりも下方が回転軸から離れるように取り付けるようにするとよい。このように構成することで、地面に対して垂直な回転軸に対し、ブレードは、上方が狭く下方が広い末広がりの角度を持った傘型になる。よって、ブレードの表面に取り付けられたソーラーセルは、風車上方の太陽に対して正対に近い向きに配置されることになり、太陽光発電の効率が向上する。なお、回転軸に対して傾きを付けてブレードを取り付ける場合、風車の構造強度やエネルギー変換効率に悪影響を与えない程度の傾きにするとよい。
さらに、ソーラーセルによる発電量をより大きくするには、1つのブレードにより多くのソーラーセルを取り付ければよい。そこで、請求項3に記載のように、ソーラーセルをブレードの受風面のうちの一方の面、及び、この一方の面の裏面に相当する他方の面の両方に取り付けるように構成するとよい。
固定式のソーラーセルによる太陽光発電の場合、通常、パネルの一方の面でしか日照を受けることができないが、垂直軸風車では、ブレードが回転することで回転軸を基準とする遠心方向のブレード表面、及び内心方向のブレード表面の両面で日照を受けることが可能である。そこで、ブレードの両面にソーラーセルを取り付けることで、風車の回転によってより多くの日照を受けることができ、ソーラーセルによる発電量を大きくできる。
さらに、風車のブレードに取り付けられたソーラーセルにより多くの日照を与えるための工夫として、請求項4に記載のように、太陽光を反射し、その反射光をソーラーセルに対して照射するための反射鏡を備えるようにしてもよい。例えば、風車の回転によって太陽の方向とは正反対を向くソーラーセルに対して反射光を照射するように反射鏡を配置することで、ソーラーセルによる発電量の大幅な向上が見込まれる。また、凹面鏡等によって反射光をある程度収束した状態でソーラーセルへ照射するようにしてもよい。
つぎに、請求項5に記載の風力発電装置は、次のような特徴を有する。すなわち、垂直軸風車には、ソーラーセルが取り付けられているブレードが複数枚存在し、各ブレードに取り付けられているソーラーセルは、ブレード単位のまとまりごとに回路に並列接続されている。このように構成することで、個々のブレードごとにソーラーセルユニットを構成することができ、各ブレードで発電された電力を加算して出力できる。また、ソーラーセルをユニット化することで、風車の設計・製造においてブレードの枚数を変更する等の仕様変更に対応しやすくなる。
ところで、垂直軸風車のブレードにソーラーセルを取り付ける場合、表面形状の変化によりブレード表面における風の流れを妨げないように配慮することが肝要である。特に、ブレードに生じる揚力によって回転力を得る揚力型垂直軸風車の場合、ブレード表面における風の流れを妨げると回転力が低下し易いため、ブレードの表面形状を考慮してソーラーセルを取り付けることが望ましい。
そこで、請求項6に記載のように構成するとよい。すなわち、ソーラーセルは、可撓性を有するシート状のパネルであり、ブレードと、ソーラーセルの外縁の形状に沿った形状を有しソーラーセル受光部に対応する位置に開口を有する枠状部材との間に挟まれ、枠状部材がブレードに固定手段により固定される。このとき、ソーラーセルはブレードの表面の形状に沿ってブレードに取り付けられるようにする。このように、シート状のソーラーセルはそれ自体が薄いため、ブレードの表面に取り付けても風の流れを極力妨げないようにできる。また、ソーラーセルが可撓性を有することで、ブレードの表面が曲面であっても、その曲面に追従して取り付けられるので、風の流れを妨げないようにできる。
また、ソーラーセルの取付に枠状の部材を用いることで、ソーラーセルを枠とブレードとの間に挟み込むようにして取り付けられる。このとき、枠状部材の方をブレードに固定するため、ソーラーセルの着脱が簡単になり、製造時やメンテナンス時の施工性も向上する。
さらに、ブレード表面における風の流れを妨げないような工夫として、請求項7に記載のように、ブレードの表面には、ソーラーセルの取り付け箇所にソーラーセルの外縁形状と合致する形状の凹みを設け、その凹みにソーラーセルを嵌め込むように構成してもよい。このようにすることで、ブレードの表面において、ソーラーセルとブレードとの段差をなくすことができるので、ブレード表面における風の流れを妨げないようにできる。
つぎに、請求項8に記載の風力発電装置は、発電機及びソーラーセルによって発電された電力を蓄電すると共に、蓄電した電力を発熱運転状態のときにソーラーセルに対して供給可能な形態で回路に接続された蓄電池を備えることを特徴とする。このようにすることで、無風状態で発電機から電力を得られない状況であっても、蓄電池からソーラーセルへ電力供給することでブレードにおける着氷雪を除去できる。なお、この蓄電池は、蓄電した電力を外部の負荷へ供給する機能を担うものと併用してもよいし、ソーラーセルへの電力供給専用のものを備えるようにしてもよい。
つぎに、請求項9に記載の風力発電装置は次のような特徴を有する。すなわち、切替手段は、温度を検知する温度センサ、湿度を検知する湿度センサ、降水状態を検知する降水センサ、及びブレード表面の湿潤、着氷雪状態を検知する表面センサの少なくとも何れかのセンサによる検出結果に応じて、発電運転状態と発熱運転状態とを切り替える。
このように構成することで、各種センサからの情報に基づいて、ブレードに着氷雪が発生した状況で対処的に、あるいは、着氷雪が予想される状況で予防的にソーラーセルを発熱運転状態に切り替えることができ、ブレードへの着氷雪の除去あるいは予防が効果的に実行できる。なお、発電運転状態と発熱運転状態との切り替えに用いるセンサとしては、上記各種センサ類のうち、何れか1つを用いるような構成であってもよいし、複数のセンサを用いて各センサからの情報を総合して発電運転状態と発熱運転状態との切り替えの判断を行うような構成であってもよい。
実施形態の風力発電装置の全体構成と制御装置の電力系統を示す図である。 風車側の配線系統を示す図である。 インターロック回路の配線図である。 ブレード表面へのソーラーセルの取り付け方法を示す説明図である。 各ブレード間におけるソーラーセルの配線接続方法を示す説明図である。 ブレードを傘型に取り付けた状態の風車を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[風力発電装置の構成の説明]
実施形態の風力発電装置は、回転軸が風向きに対して垂直な垂直軸風車を原動機とする垂直軸型風力発電装置であり、図1に示すように、風車1、風車1のブレード10表面に取り付けられたソーラーセル2、風車1の回転軸11に連結された発電機3、風車1側と地上側との間で電力や信号を伝達するスリップリング4、風力発電装置を制御するための制御装置5等を備えている。
風車1は、回転軸が風向きに対して垂直な垂直軸風車である。なお、本実施例では直線翼垂直軸風車を採用した事例について説明するが、他にも、ダリウス型等の曲線状のブレードを持つ風車や、サボニウス型等の円筒形のブレードを持つ風車についても適用可能である。
風車1は、地面に対して垂直に設置される回転軸11と、回転軸11の周りに縦方向に取り付けられた3枚のブレード10と、各ブレード10を回転軸11に固定するアーム12を備える。なお、回転軸に取り付けられるブレードの数は3枚に限らず、直線翼垂直軸風車であれば3〜5枚程度が一般的である。
ブレード10は、前縁が曲線的で後縁が鋭くとがった流線型の断面形状を持つ直線翼である。このブレード10に働く揚力を駆動力として利用することで回転軸11を中心に風車1が回転する。また、ブレード10には、回転運動の円周における外側の表面(以下、外周面と表記)、及び外周面の裏面に相当する、回転運動の円周における内側の表面(以下、内周面と表記)の両面を覆うように複数のソーラーセル2が取り付けられている。
回転軸11は、ブレード10に働く揚力を駆動力として回転し、その回転力を発電機3のロータへ伝達する。また、回転軸11は中空の円筒状になっており、その内部空間をソーラーセル2へとつながる電力線や制御線の配線スペースとして利用可能である。
アーム12は、ブレード10の内周面を支持してブレード10を回転軸11へ固定する。また、このアーム12には、ブレード10から回転軸11へ至る配線スペースが設けられている。
ソーラーセル2は、可撓性を有するシート状の薄膜ソーラーセルであり、ブレード10の表面形状に沿って取り付けられている。このソーラーセル2は、太陽光エネルギーを電力に変換する太陽光発電を行うだけでなく、逆電圧をかけて電力を供給することで、その電力を消費して発熱する性質を有する。この発熱する性質を利用し、ブレード10を加温するヒータとして用いる。
発電機3は、三相交流発電機であり、風車1の回転軸11に接続されたロータが回転することで三相交流電力の発電を行うものである。風力発電に用いられる発電機としては、誘導発電機(かご型、巻線型)や同期発電機(永久磁石型、電磁石型)等が挙げられる。これらの発電機のうち、どの発電機を採用するかは、風力発電機の電力系統への接続の有無や、接続する負荷の種類・規模、外部電源の有無、メンテナンスの容易性、コスト等の様々な要因を考慮して最適なものが選択される。
スリップリング4は、風車1の回転軸11に対して同心円状に設けられた環状の電路と、静止側に設けられたブラシとを介して風車1(回転側)と、制御装置5(静止側)との間で電力や信号を伝達するための機構であり、ソーラーセル2と制御装置5との間で電力を相互に伝達したり、制御装置5からの制御電流を風車側へ伝達するための電路が接続している。
反射鏡7は、鉢形状の内面を鏡張りにした構造を有し、風車1の周囲に配置されている。この反射鏡7は、内面の鏡により太陽光を反射し、その反射光を風車1のブレード10の表面に取り付けられたソーラーセル2に対して照射するものである。このように、本来であれば風車1に照射されなかった分の日照を反射鏡7によって風車1に照射することで、ソーラーセル2の発電量を向上させるものである。特に、回転する風車1において太陽の方向に正対していない位置にくるブレード10の表面に反射光が当たるように反射鏡7を配置すると効果的である。なお、反射鏡7の鏡面は、平面状であってもよいし、広範囲の太陽光をブレード10に対して集光するような凹面状であってもよい。
制御装置5は、発電機3及びソーラーセル2によって発電した電力を一旦蓄電し、その蓄電した電力を単相交流に変換して外部に出力する電源装置である。さらに、発電機3及びソーラーセル2によって発電した電力を外部へ出力する発電運転と、発電機3によって発電した電力等をソーラーセル2へ供給することでソーラーセル2を発熱させる発熱運転とを切り替える機能を有する。この制御装置5は、正常時には発電運転を行い、図示しない温度センサ等により低温状態が検知されたときに発電運転から発熱運転への切り替えを行うことでブレード10への着氷雪を防止したり、既に付着した氷雪を融解する。
つぎに、制御装置5の詳細な構成について説明する。
制御装置5には、発電機3による発電電力を入力する経路(図1:風力発電入力)と、発電運転時におけるソーラーセル2からの発電電力の入力、及び発熱運転時におけるソーラーセル2への電力供給に兼用される経路(図1:太陽光発電入力/ヒータ電源出力)が設けられている。この風力発電入力及び太陽光発電入力/ヒータ電源出力経路には、その接続先であるパワーコントローラ56の直前にそれぞれ直流コンタクタSW1の接点511,512が設けられている。これらの接点511,512は、接点駆動コイル(SW1)51へ制御電流が通電している状態で閉路(投入)し、非通電時に開路(遮断)するメイク接点である。正常時の発電運転状態においては、接点駆動コイル(SW1)51に制御電流が通電されており、接点511,512は閉路状態になっている。
発電運転時に発電機3及びソーラーセル2によって発電された電力の流れは次の通りである。発電機3により発電された三相交流電力は風力発電入力経路へ入力され、配線用遮断機(MCCB、3極)54を経由して整流器55で直流電力に変換される。そして、変換後の直流電力は、閉路状態の接点511を通ってパワーコントローラ56に入力される。一方、ソーラーセル2によって発電された直流電力は太陽光発電入力/ヒータ電源出力経路へ入力され、閉路状態の接点512を通ってパワーコントローラ56に入力される。
パワーコントローラ56は、発電機3及びソーラーセル2から入力された発電電力を、蓄電池57の充電に適した電圧・電流に変換して出力し、蓄電池57を充電する。
蓄電池57に蓄電された発電電力は、AC100V出力端子に接続されている外部負荷の電力需要に応じてインバータ58によって蓄電池57から取り出され、単相交流100Vの電力に変換される。インバータ58によって単相交流100Vの電力に変換された発電電力は、配線用遮断機(MCCB、2極)59を経由して、AC100V出力端子から出力され、このAC100V出力端子に接続された外部負荷により消費される。
一方、風力発電入力経路上の整流器55と接点511との間には、凍結防止用パワーコントローラ50へ至る分岐経路が接続しており、この分岐経路上には、直流コンタクタSW2の接点521が設けられている。また、蓄電池57にも凍結防止用パワーコントローラ50へ至る分岐経路が接続しており、この分岐経路上には、直流コンタクタSW2の接点522が設けられている。これらの接点521,522は、接点駆動コイル(SW2)52へ制御電流が通電されている状態で閉路し、非通電時に開路するメイク接点である。
この接点駆動コイル(SW2)52に対しては、インターロック回路(詳細は後述)の働きによって直流コンタクタSW1の接点511,512が共に開路状態で、かつ所定の温度条件を満たす場合(例えば、気温−3℃以下)のみ通電されるようになっている。そして、この接点駆動コイル(SW2)52に通電し接点521,522が共に閉路することで発熱運転状態となる。すなわち、SW1の接点511,512とSW2の接点521,522とは同時に閉路しない構造であり、これにより発電運転と発熱運転とが排他的に切り替わるようになっている。
発熱運転時において発電機3によって発電された電力、及びソーラーセル2に供給される電力の流れは次の通りである。
発電機3により発電された三相交流電力は風力発電入力経路へ入力され、配線用遮断機(MCCB、3極)54を経由して整流器55で直流電力に変換される。そして、変換後の直流電力は、閉路状態の接点521を通って凍結防止用パワーコントローラ50に入力される。このとき、SW1の接点511は開路しているため、発電機3の発電電力は、パワーコントローラ56には供給されない。一方、蓄電池57に蓄電されている電力は、閉路状態の接点を522を通って凍結防止用パワーコントローラ50へ供給される。
凍結防止用パワーコントローラ50は、ソーラーセル2の発熱量を制御するための電力装置であり、発電機3及び蓄電池57から供給される電力をソーラーセル2を発熱させるのに適した直流の電圧・電流に調節し、その調節した電力(ヒータ電源)を太陽光発電入力/ヒータ電源出力経路から出力することでソーラーセル2へ供給する。このとき、SW1の接点512は開路しているため、凍結防止用パワーコントローラ50からの出力がパワーコントローラ56へ流れることはない。
さらに、風力発電装置が外部の商用電力を簡単に得られる環境に設置される場合、凍結防止用パワーコントローラ50に外部の商用電源を接続し、商用電源からの得た電力を変換してソーラーセル2へ供給可能に構成してもよい。このように構成することで、発電機3及び蓄電池57から供給される電力がソーラーセル2の発熱に必要な電力に満たない場合でも、商用電源から供給される電力をソーラーセル2に供給することで不足分の電力を補うことができる。
なお、発熱運転時にソーラーセル2に供給する直流の電圧・電流を調節する機能を省く場合、凍結防止用パワーコントローラ50の構成を簡素化(例えば、シリコン整流器のみ)することもできる。
[風車1側の配線系統の説明]
図2は、風車1側の配線系統を示す図であり、[a]は直流コンタクタSW3の制御電源の伝達にスリップリング4を用いる事例を示す図であり、[b]は直流コンタクタSW3の開閉制御に無線通信を用いる事例を示す図である。なお、この図においては、他の図を含めて共通する構成には同じ符号を付してある。
図2[a]に示すように、風車1の各ブレード10には所定の発電電圧を得るために複数のソーラーセル2を直列接続したソーラーセルユニットと、逆流防止ダイオード23とを直列接続した回路が組み込まれている。この回路は、スリップリング4を介して制御装置5の太陽光発電入力/ヒータ電源出力系統に接続している。なお、図2[a],[b]においては、説明の便宜上、ソーラーセルユニットと逆流防止ダイオード23からなる回路が1セットのみ図示されているが、実際には、風車1が備えるブレード10の枚数に応じて複数の上記回路が太陽光発電入力/ヒータ電源出力系統に並列接続している。
逆流防止ダイオード23の両端には、逆流防止ダイオード23をバイパスするための分岐経路が接続しており、この分岐経路上には直流コンタクタSW3の接点531が設けられている。また、風車1側には、回転軸11を固定部に支持するベアリング等の可動部の凍結を防止するためのスペースヒータ26が設けられている。このスペースヒータ26は、直流コンタクタSW3の接点532を介してソーラーセルユニットと同様に制御装置5の太陽光発電入力/ヒータ電源出力系統に接続している。これらの接点531,532は、接点駆動コイル(SW3)53へ制御電流が通電されている状態で閉路し、非通電時に開路するメイク接点である。この接点駆動コイル(SW3)53に対する制御電源は、スリップリング4を介して制御装置5側のインターロック回路(詳細は後述)から供給されるようになっており、このインターロック回路の働きによって、発熱運転時のみ制御電流が通電される。
発電運転時には、接点531,532は共に開路しており、ソーラーセルユニット側から太陽光発電入力/ヒータ電源出力系統を経由して制御装置5側へ発電電力が供給される。一方、スペースヒータ26には電力が供給されないので、スペースヒータ26は発熱しない。発電運転から発熱運転に切り替わると接点駆動コイル(SW3)53に通電が開始され、接点531,532が共に閉路する。接点531が閉路することで、ソーラーセルユニットの逆流防止ダイオード23をバイパスする経路が形成される。これにより、太陽光発電入力/ヒータ電源出力系統側からソーラーセルユニットに対して逆電圧をかけることができるようになり、ソーラーセルユニットが発熱する。一方、接点532が閉路することで、太陽光発電入力/ヒータ電源出力系統側からスペースヒータ26に対して電力が供給されるようになり、スペースヒータ26も発熱する。
つぎに、図2[b]に示す事例においては、ソーラーセルユニット、逆流防止ダイオード23、スペースヒータ26、直流コンタクタSW3の接点531,532からなる回路構成は、図2[a]と共通であるが、接点駆動コイル(SW3)53への制御電源の供給方法が異なる。
図2[b]に示すように、接点駆動コイル(SW3)53は、風車1側で接点駆動用無線受信機(RFSW3)53b、直流コンタクタ接点(RFSW3)53c、及び制御電源供給用の電池53dからなる制御用回路に接続されている。接点駆動用無線受信機53bは、風車1の外部に設けられた接点駆動用無線送信機(RFSW3)53aから無線で発信される開閉信号を受信することで、接点53cの開閉操作をするようになっている。すなわち、図2[b]に示す事例では、遠隔操作により接点駆動コイル(SW3)53の作動を制御することができ、スリップリング4を介して制御電源を伝達する必要がない。
発電運転時には接点53cが開放されており、接点駆動コイル(SW3)53には通電されない。この状態においては、接点531,532は共に開路しており、ソーラーセルユニット側から太陽光発電入力/ヒータ電源出力系統を経由して制御装置5側へ発電電力が供給される。一方、スペースヒータ26には電力が供給されないので、スペースヒータ26は発熱しない。発電運転から発熱運転へ切り替わる際、接点駆動用無線送信機53aから閉路操作を指示する信号が発信される。この信号を受信した接点駆動用無線受信機53bが接点53cを閉路することで、接点駆動コイル(SW3)53への通電が開始され、接点531,532が共に閉路する。接点531が閉路することで、ソーラーセルユニットの逆流防止ダイオード23をバイパスする経路が形成される。これにより、太陽光発電入力/ヒータ電源出力系統側からソーラーセルユニットに対して逆電圧をかけることができるようになり、ソーラーセルユニットが発熱する。一方、接点532が閉路することで、太陽光発電入力/ヒータ電源出力系統側からスペースヒータ26に対して電力が供給されるようになり、スペースヒータ26も発熱する。
[インターロック回路の説明]
図3は、制御装置5に組み込まれるインターロック回路の配線図である。なお、図3に示すインターロック回路は、図2[a]に示す風車側配線に対応するものである。また、この図においては、他の図と共通する構成には同じ符号を付してある。
図3に示すように、このインターロック回路には、センサの検出結果に応じて作動する接点駆動コイル(TH1)61と、接点駆動コイル(TH1)61により開閉される接点(TH1)611,612とからなる凍結防止切替部6が組み込まれている。このうち、接点611は、接点駆動コイル(TH1)61が非作動時において閉路し、作動時において開路するブレーク接点であり、接点612は作動時に閉路し、非作動時において開路するメイク接点である。
接点駆動コイル(TH1)61は、発熱運転への切り替えるための要件を満たす場合に作動する。具体的には、温度センサによる検出結果に基づき、所定の温度条件を満たす場合(例えば、気温−3℃以下)になったときに作動する。その他にも、切替スイッチを手動で操作された場合に作動するようになっていてよい。また、手動での切り替えは現地で行うようにしてもよいし、遠隔地から公衆通信網(例えば、インターネットや携帯電話網)等を介した無線あるいは有線通信によって行うようにしてもよい。
インターロック回路には他にも、接点駆動コイル(SW1,SW2)51,52、接点(SW1)513、及び接点(SW2)523が組み込まれており、作動用の電源として直流24Vの制御電源が供給されている。このうち、接点513は、接点駆動コイル(SW1)51に制御電流が通電している状態で開路し、非通電時に閉路するブレーク接点である。一方、接点523は、接点駆動コイル(SW2)52に制御電流がしている状態で閉路し、非通電時に開路するメイク接点である。
発電運転時において、接点駆動コイル(TH1)61は非作動状態なので、接点611が閉路状態で、接点612が開路状態である。このとき、接点駆動コイル(SW1)51が通電状態になるで、図1の接点511,512は共に閉路状態である一方、図3の接点513が開路状態になっている。接点駆動コイル(SW2)52は、接点612,513が共に開路状態なので通電されない。よって、図1の接点521,522、及び図3の接点523は共に開路状態になっている。この状態では、風車1側の接点駆動コイル(SW3)53には通電されないので、図2[a]の接点531,532は共に開路状態になっている。
発電運転から発熱運転へ切り替えは、次のような作動により実現する。発熱運転への切替要件を満たして接点駆動コイル(TH1)61が作動状態になると、接点611が開路すると共に接点612が閉路する。このとき、接点611が開路することで、接点駆動コイル(SW1)51への制御電流が遮断されるので、図1の接点511,512は共に開路する一方、図3の接点513が閉路する。前記のとおり接点612,513が共に閉路することで接点駆動コイル(SW2)52が通電状態になり、図1の接点521,522、及び図3の接点523が共に閉路する。接点523が閉路することで、スリップリング4を介して風車1側の接点駆動コイル(SW3)53に制御電流が供給され、図2[a]の接点531,532が共に閉路する。
上述のとおり、このインターロック回路では、接点駆動コイル(SW1)51への制御電流が遮断されない限り、接点駆動コイル(SW2)52には通電されないようになっており、これにより発電運転と発熱運転とを排他的に切り替えることができ、誤作動を防止できる。
[ソーラーセル2の取付方法の説明]
つぎに、ブレード10表面へのソーラーセル2の取り付け方法について図4に基づき説明する。なお、この図においては、他の図と共通する構成には同じ符号を付してある。
図4[a]は、ソーラーセル2を取り付けたブレード10の正面図である。この図4[a]に示すように、ソーラーセル2はブレード10の表面に一枚ずつマトリクス状に並べて配置されている。そして、ソーラーセル2の固定には、ソーラーセル2の受光面の形状に対応する開口部を有し、かつブレード10の曲面形状に沿える程度の可撓性を有する取付枠24が用いられる。この取付枠24をソーラーセル2の外縁部に当てて、取付枠24がブレード10に密着するようにソーラーセル2をブレード10との間に挟み込むことで、ソーラーセル2はブレード10の曲面形状(例えば、直線翼の場合であればアーチ状)に沿って固定されている。取付枠24は、四隅でリベット25をブレード10に打ち込むことでブレード10に固定されている。なお、ソーラーセル2は、ブレード10の外周面及び内周面の両面において同じ方法で取り付けられている。
図4[b]は、図4[a]の切断面aにおける断面図であり、ブレード10の表面に凹みを設けた事例を示すものである。この図4[b]に示すように、ブレード10の表面にはソーラーセル2の形状と合致する凹みが設けられており、ソーラーセル2はブレード10の表面と面一になるように凹みに嵌め込まれている。そして、その上からソーラーセル2の外縁形状よりやや小さい開口部を有し、枠部分の外縁が凹み部分より大きい取付枠24aにより押さえ込まれている。また、ソーラーセル2が嵌め込まれているブレード10の凹み部分の底にはブレード10の中空部へ通じる配線用の孔が開けられており、この孔を通してソーラーセル2の配線コードをブレード10の中空部へ通すことができる。
一方、図4[c]も図4[a]の切断面aにおける断面図であるが、こちらはブレード10の表面に凹みを設けない事例を示すものである。この図4[c]に示すように、ソーラーセル2はブレード10の表面にそのまま当接するように配置されており、その上からソーラーセル2の外縁形状よりやや小さい開口部と、その開口部の下側にソーラーセル2の形状と一致するスペースとを有する取付枠24bにより押さえ込まれている。また、ブレード10の表面においてソーラーセル2が当接している部分にはブレード10の中空部へ通じる配線用の孔が開けられており、この孔を通してソーラーセル2の配線コードをブレード10の中空部へ通すことができる。
以上のように、ソーラーセル2のブレード10への取り付け方法について二通りの事例について説明したが、図4[b]の事例の方がソーラーセル2がブレード10の表面と面一になっている分、図4[c]の事例に対して空力的に有利である。しかし、図4[c]の事例であっても、ソーラーセル2や、取付枠24bを十分に薄く形成して風の流れを極力妨げないようすれば、空力的な影響を実用上問題にならないレベルにすることもできる。なお、図4[b],[c]の何れの事例においても、ソーラーセル2の配線コードをブレード10の中空部に通す代わりに表面を這わせるようにしてもよい。
[ソーラーセル2の配線接続方法の説明]
つぎに、風車1の各ブレード10間におけるソーラーセル2の配線接続方法を図5に基づいて説明する。なお、この図においては、他の図を含め共通する構成には同じ符号を付してある。
ブレード10には外周面及び内周面の両面にソーラーセル2が取り付けられているが、ブレード10の内周面側にはブレード10を回転軸11へ固定するためのアーム12が接続する都合上、内周面側はソーラーセル2を取付可能なスペースが外周面側よりも狭くなっている。
そのため、本実施形態では、ブレード10の外周面側に取り付けるソーラーセル2の数と、内周面側に取り付けるソーラーセル2の数とが異なることを前提とする。具体的には
ブレード10の外周面側に260枚のソーラーセル2を取り付け、内周面側に130枚のソーラーセルを取り付けることを想定する。各ブレード10に取り付けられているソーラーセル2は、基本的に、ブレード単位のまとまりごとに回路に並列接続されている。ただし、同一面に取り付けられるソーラーセル2同士を直列接続してブレード単位のまとまりとしたソーラーセルユニットを構成する場合、ソーラーセルユニットの直列セル数を外周面側と内周面側とで同じにするか否かでソーラーセルユニット同士の配線方法が異なる。
図5[a]は、3枚のブレード10(A,B,Cと表記)それぞれに、外周面に260枚のソーラーセル2を直列接続したソーラーセルユニット21を1つ配置し、内周面に130枚のソーラーセル2を直列接続したソーラーセルユニット22を1つ配置した場合の配線図である。この事例では、直列260セルからなるソーラーセルユニット21と、直列130セルからなるソーラーセルユニット22とで発電電圧が異なる。そのため、ブレードA,B,Cの外周面側の各ソーラーセルユニット21同士を、それぞれに逆流防止ダイオード23を設けて並列接続した外周面側回路と、内周面側の各ソーラーセルユニット22同士を、それぞれに逆流防止ダイオード23を設けて並列接続した内周面側回路とを分けている。ただし、陰極側の配線を共通としたため、地上(静止)側との間の電力伝達に用いられるスリップリング4の極数は3つになる。
図5[b]は、ブレードA,B,Cそれぞれに、外周面に直列セル数が130のソーラーセルユニット22を2つ配置し、内周面に外周面側と同じソーラーセルユニット22を1つ配置した場合の配線図である。この事例では、各ブレードA,B,Cの両面共に直列セル数が130ソーラーセルユニット22が用いられており、ブレードA,B,Cの全ての面で発電電圧が同じになる。よって、ブレードA,B,Cの各ソーラーセルユニット22同士を、それぞれに逆流防止ダイオード23を設けて同一回路に並列接続してある。この場合、地上(静止)側との間の電力伝達に用いられるスリップリング4の極数は2つである。
[太陽光発電の発電効率を向上するための工夫]
つぎに、風車1の各ブレード10に取り付けられたソーラーセル2による太陽光発電の発電効率を向上するための工夫について、図6に基づいて説明する。なお、この図においては、他の図と共通する構成には同じ符号を付してある。
図6に示す事例では、ブレード10を回転軸11に固定する各アームのうち、上段側のアーム12aを下段のアーム12bよりも短くすることで、ブレード10を傾けた状態で回転軸11に固定してある。これにより、3枚のブレード10の外観が末広がりの傘型をなしている。
このようにすることで、ブレード10の表面に取り付けられたソーラーセル2は、風車1上方の太陽に対して正対に近い向きに配置されることになり、太陽光発電の効率が向上する。なお、回転軸11に対して傾きを付けてブレード10を取り付ける場合、風車1の構造強度や風力エネルギー変換効率に悪影響を与えない程度の傾き(例えば、10〜15°程度)にするとよい。
[効果]
上記実施形態の風力発電装置によれば、次のような効果を奏する。
垂直軸風車のブレード10の表面にソーラーセル2を取り付けたことで、風力発電と太陽光発電によるハイブリッド型発電システムを実現できる。従来の固定型のソーラーパネルによる太陽光発電は、太陽の動きに追従できないため日中を通して安定的な発電電力を得ることが難しいという問題があった。これに対し、本発明では、垂直軸型の風車1のブレード10の表面にソーラーセル2を取り付けたことで、風車1の回転により常に360°全方向にソーラーセルを対面させることができるため、太陽の向きの変化による発電電力の低下は無視でき、日中を通して安定的な発電電力を得ることができる。また、風車1が停止している場合でも、それぞれ異なる方向を向いた複数のブレード10の何れかで日照を受けて発電できる。
ブレード10表面のソーラーセル2を発熱体として併用可能とすることで、風車1のブレード部分に付着した雪や氷を効率的に除去できる。あるいは、ブレード10への着氷雪が予想される状況で予めソーラーセル2により加温することで、着氷雪を予防することもできる。
ブレード10への着雪氷が発生しない時期にソーラーセルを発熱体として使用する機会がなければ、ソーラーセル2で電気エネルギーを生産できるので、ソーラーセル2及びその付帯設備による風車1の重量増加に起因するエネルギーロスは問題にならない。また、風力発電により得た電力を使ってソーラーセル2を発熱させるので、山上や僻地等の商用電力の確保が困難な場所でも着氷雪の除去が可能である。
垂直軸風車では、ブレードが回転することで外周面及び内周面の両面で日照を受けることが可能である。そこで、ブレード10の両面にソーラーセルを取り付けることで、より多くの日照を受けることができ、太陽光発電の発電量を大きくできる。
風車1の周りに反射光をソーラーセル2に対して照射する反射鏡7を配置することで、ソーラーセル2による発電効率を向上できる。特に、風車1の回転によって太陽の方向とは正反対を向くソーラーセルに対して反射光を照射するように反射鏡7を配置することで、発電量の大幅な向上が見込まれる。
各ブレード10に取り付けられているソーラーセル2をブレード単位で直列接続にしたソーラーセルユニットを逆流防止ダイオード23を通して並列接続することで、各ブレード10で発電された電力を加算して出力できる。また、ソーラーセル2をユニット化することで、風車の設計・製造においてブレードの枚数を変更する等の仕様変更に対応しやすくなる。
可撓性を有するシート状のソーラーセル2を用いて、これをブレード10の表面形状に沿って取り付けることで、ブレード10表面における風の流れを極力妨げないようにできる。また、ブレード10表面に凹みを設け、その凹みにソーラーセル2を嵌め込むようにして取り付けることで、ソーラーセル2とブレード10との段差をなくすことができ、ブレード10表面における風の流れを妨げないようにできる。
発熱運転時に蓄電池57からの電力供給を可能とすることで、無風状態で発電機から電力を得られない状況であっても、蓄電池57からソーラーセル2へ電力供給することでブレード10の着氷雪を除去できる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、極寒地等に風力発電装置を設置する場合を想定し、着氷雪の除去能力を増強する目的としてブレードの表面にソーラーセルに加えてヒータを取り付けてもよい。その場合、通常の発電運転時おいてヒータによる重量増が完全にロスになるが、ソーラーセルによる太陽光発電でヒータの重量増によるロスを帳消しにできる。
上記実施形態では制御装置5において発電運転と発熱運転とを切り替える条件として、温度条件(例えば、気温−3℃以下)を採用した事例を説明した。あるいは、温度条件として、気温以外にブレードの表面温度を監視するような構成であってもよい。また、温度センサ以外にも、湿度を検知する湿度センサ、降水状態を検知する降水センサ、ブレード表面の湿潤・着氷雪状態を検知する表面センサ等を用いて、各種センサからの情報に基づき、対処的あるいは予防的に発電運転から発熱運転に切り替えるような構成であってもよい。また、上記各種センサ類のうち、何れか1つを用いるような構成であってもよいし、複数のセンサを用いて各センサからの情報を総合して切り替えの判断を行うような構成であってもよい。
1…風車、2…ソーラーセル、3…発電機、4…スリップリング、5…制御装置、6…凍結防止切替部、7…反射鏡、10…ブレード、11…回転軸、12,12a,12b…アーム、21…ソーラーセルユニット(直列260セル)、22…ソーラーセルユニット(直列130セル)、23…逆流防止ダイオード、24,24a,24b…取付枠、25…リベット、26…スペースヒータ、50…凍結防止用パワーコントローラ、51…接点駆動コイル(SW1)、511,512,513…直流コンタクタ接点(SW1)、52…接点駆動コイル(SW2)、521,522,523…直流コンタクタ接点(SW2)、53…接点駆動コイル(SW3)、531,532…直流コンタクタ接点(SW3)、53a…接点駆動用無線送信機(RFSW3)、53b…接点駆動用無線受信機(RFSW3)、53c…直流コンタクタ接点(RFSW3)、53d…電池、54,59…配線用遮断機(MCCB)、55…整流器、56…パワーコントローラ、57…蓄電池、58…インバータ、61…接点駆動コイル(TH1)、611,612…TH1接点。

Claims (9)

  1. 風の方向に対して垂直に設置される回転軸と、この回転軸の軸方向に沿って縦方向に前記回転軸に取り付けられるブレードとからなる垂直軸風車と、前記回転軸に連結され前記回転軸の回転力を電力に変換する発電機とを備える風力発電装置において、
    前記ブレードの表面にソーラーセルを取り付け、前記ソーラーセルによって発電された電力を前記発電機によって発電された電力と共に当該風力発電装置の外部に出力できると共に、前記発電機によって発電された電力を前記ソーラーセルに供給して前記ソーラーセルを発熱させることができるように構成されており、
    前記ソーラーセル及び前記発電機によって発電された電力を外部に出力する発電運転状態と、前記発電機によって発電された電力を前記ソーラーセルに供給して前記ソーラーセルを発熱させる発熱運転状態とを排他的に切り替える切替手段を備えること
    を特徴とする風力発電装置。
  2. 請求項1に記載の風力発電装置において、
    前記ソーラーセルが取り付けられたブレードは、前記回転軸を地面に対して垂直に設置した状態で上方よりも下方が前記回転軸から離れるように取り付けられていること
    を特徴とする風力発電装置。
  3. 請求項1又は請求項2の記載の風力発電装置において、
    前記ソーラーセルは、前記ブレードの受風面のうちの一方の面、及び、この一方の面の裏面に相当する他方の面の両方に取り付けられていること
    を特徴とする風力発電装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の風力発電装置において、
    太陽光を反射し、その反射光を前記ソーラーセルに対して照射するための反射鏡を更に備えること
    を特徴とする風力発電装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の風力発電装置において、
    前記垂直軸風車には、前記ソーラーセルが取り付けられている前記ブレードが複数枚存在し、
    各ブレードに取り付けられている前記ソーラーセルは、前記ブレード単位のまとまりごとに回路に並列接続されていること
    を特徴とする風力発電装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の風力発電装置において、
    前記ソーラーセルは、可撓性を有するシート状のパネルであり、前記ブレードと、前記ソーラーセルの外縁の形状に沿った形状を有し前記ソーラーセル受光部に対応する位置に開口を有する枠状部材との間に挟まれ、前記枠状部材が前記ブレードに固定手段により固定されることによって、前記ブレードの表面の形状に沿って前記ブレードに取り付けられていること
    を特徴とする風力発電装置。
  7. 請求項6に記載の風力発電装置において、
    前記ブレードの表面には、前記ソーラーセルの取り付け箇所に前記ソーラーセルの外縁形状と合致する形状の凹みが設けられており、前記ソーラーセルは、その凹みに嵌め込まれていること
    を特徴とする風力発電装置。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の風力発電装置において、
    蓄電池を更に備え、
    前記蓄電池は、前記発電機及び前記ソーラーセルによって発電された電力を蓄電すると共に、蓄電した電力を前記発熱運転状態のときに前記ソーラーセルに対して供給可能な形態で前記風力発電装置の回路に接続されていること
    を特徴とする風力発電装置。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の風力発電装置において、
    前記切替手段は、温度を検知する温度センサ、湿度を検知する湿度センサ、降水状態を検知する降水センサ、及び前記ブレード表面の湿潤、着氷雪状態を検知する表面センサの少なくとも何れかのセンサによる検出結果に応じて、前記発電運転状態と前記発熱運転状態とを切り替えること
    を特徴とする風力発電装置。
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