JP5498775B2 - 垂直軸風車 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレードの表面にソーラーセルを備える垂直軸風車に関する。
風力発電に用いられる風車として、ブレードの表面にソーラーセルを貼り付けたり埋め込んだり、ブレードと一体成型したりした垂直軸風車が提案されている(例えば、本願の出願人が先に出願した特許文献1参照)。このような垂直軸風車を原動機として用いることで、風力発電と太陽光発電とを併用する発電能力の高いハイブリッド型の発電システムを実現できる。
特願2009−214797号
ブレード表面にソーラーセルを備える垂直軸風車の場合、風車が回転している状態であれば、太陽がどの方角にあっても各ブレードのソーラーセルの設置面が代わる代わる太陽の方角に向かうようになっている。これにより、日照方向の変化に関わらず、ソーラーセルにより常に安定した発電電力を得ることができる。
一方、風車の回転に必要な風力が得られず風車が停止している状態では、ソーラーセルによる太陽光発電でしか電力を取り出すことができない。しかしながら、風車が停止している状態では、ソーラーセルの設置面を十分に太陽に向けることができず、ソーラーセルの発電能力が十分に活用されない状態が発生し得る。これは、垂直軸風車の各ブレードが回転軸を中心に分散して配置されており、ソーラーセルの設置面が一方向に集中して向いていないためである。また、ソーラーセルの設置面が停止したままでは、ソーラーセルによる受光量が日照方向の変化に左右されてしまうため、安定した発電電力の獲得は望めない。
本願発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、ブレードの表面にソーラーセルを備える垂直軸風車において、風車が回転しない状態であってもブレードの表面に設けられたソーラーセルを最大限に活用して電力を獲得することを可能にした垂直軸風車を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の垂直軸風車は、風の方向に対して垂直に設置される回転軸と、この回転軸の軸方向に沿って縦方向に回転軸に対して支持され、この回転軸を中心にして回転するときの回転軌道の外側の面又は内側の面の少なくとも何れか一方にソーラーセルを備えた複数のブレードとを備えるものであって、さらに、回転軸に対する各ブレードの位置決めを行うことができる位置決め手段を備える。
この位置決め手段は、各ブレードを回転軸に対して固定した状態にて支持する位置決め有効状態と、各ブレードが回転軸に対して水平面方向にそれぞれ回転移動可能になるように各ブレードを回転軸に対して支持する位置決め無効状態とを相互に切り換え可能に構成されている。そして、回転軸の回転が停止しているときに位置決め有効状態から位置決め無効状態に移行することによって、ブレード同士が重ならない程度に近接するように複数のブレードを集合させた集合配置であって、ブレードにおけるソーラーセルの設置面が日照方向に向いた集合配置に移動可能になり、その集合配置の状態において再び位置決め有効状態にすることができるようになっていることを特徴とする。
このような構成によれば、ブレードを一箇所に集めることで各ブレードにおけるソーラーセルの設置面を限られた方向範囲内に集中して向けることができるようになる。これにより、各ブレードが分散して配置されている状態よりも多くのソーラーセルを太陽に向けることができ、風力エネルギの変換を行わない代わりにソーラーセルによる発電量を高められる。したがって、風力が十分でなく垂直軸風車が回転しない状態であっても、ブレードの表面に設けられたソーラーセルを十分に活用して電力を獲得できる。
ところで、ソーラーセルを備えるブレードを移動させる操作は、第一には人力によって行うようにすることが考えられる。人力による移動操作は、垂直軸風車が比較的小規模のものであることや、人が容易に立ち入ることのできる場所に設置されている場合に適している。
一方、ブレードの移動操作を人力によらず自動で行うようにすることも考えられる。具体的には、位置決め無効状態のときに各ブレードを水平面方向にそれぞれ回転移動させるための移動力を付与する駆動機構を位置決め手段が備えるような構成にするとよい(請求項2)。このようになっていると、ブレードの移動操作が容易であり、人力による移動操作が困難な条件においても実施可能である。
さらに、日照方向を検知し、その方向へ自動的にソーラーセルの設置面を向けてブレードを集合させるようになっているとよい。具体的には、現在の日照方向を取得する方向取得手段と、各ブレードにおけるソーラーセルの設置面を方向取得手段により取得した日照方向へ向けるための、複数のブレードの集合位置を特定する位置特定手段と、回転軸の回転が停止している状態で位置決め手段を位置決め有効状態から位置決め無効状態に移行させ、位置特定手段によって特定した集合位置に各ブレードを移動させて集合配置状態にし、その集合配置状態において再び位置決め有効状態にさせる移動制御手段とを更に備えるようにする(請求項3)。
このように構成することで、より多くの日照を受けられる状態、すなわち、発電量が高い状態になる位置に自動的にソーラーセルを集合させることができるようになり、ブレードの移動操作を容易にするだけでなく、発電能力を向上できる。
ところで、太陽の方位は時間と共に刻々と変化するため、太陽に直面する位置にブレードを一旦集合させても、その状態で放置していれば次第にソーラーセルが太陽に直面しなくなり発電量が低下する。そこで、日照方向の変化を追尾するようにブレードの集合位置を調節できるようになっているとよい。具体的には、請求項4に記載のように、複数のブレードが集合配置の状態になっているときに、現在の集合位置に対応する方向と現在の日照方向との偏差が基準値以上となった場合、現在の日照方向に対応する集合位置を再び特定する。そして、位置決め手段を位置決め有効状態から位置決め無効状態に移行させ、その特定した集合位置に各ブレードを移動させて集合配置の状態にし、その集合配置の状態において再び位置決め有効状態にさせる。
このように構成することで、刻々と変化する日照方向を追尾するようにブレードにおけるソーラーセル設置面の方向を変化させることができ、ソーラーセルによる安定した発電能力を発揮できる。
本発明の垂直軸風車では、各ブレードを風車本来の位置に分散配置して風力発電と太陽光発電とを並行する運転形態(以下、ハイブリッド形態とも称する)と、複数のブレードを集合配置にして太陽光発電のみを行う運転形態(以下、太陽光発電専用形態とも称する)とを、状況に応じて切り換えることができる。これら2つの運転形態の切り換えをする判断は、第一に風力発電の実施の可否に基づいて行われると考えられる。つまり、風車の回転に十分な風力が得られる状況ではハイブリッド形態で発電運転を行い、十分な風力が得られない状況では太陽光発電専用形態で発電運転を行うといった具合である。このような切り換え判断は、人為的に行うようにしてもよいし、現在あるいは将来の風速に関する情報に基づいて自動的に判断するようにしてもよい。
後者の場合、具体的には次のように構成するとよい。すなわち、移動制御手段は、当該垂直軸風車による風力エネルギ変換を行うために各ブレードを所定の分散位置に配置して回転軸に対して固定する分散配置と、風力エネルギ変換を止めて太陽光発電だけを行うために各ブレードを集合位置に配置して回転軸に対して固定する集合配置とを相互に切り換え可能に構成されている。そして、風速情報取得手段により取得した風速情報に基づいて、複数のブレードの配置を分散配置の状態にするか、あるいは集合配置の状態にするかを判断し、その判断結果に応じて分散配置と集合配置とを切り換える。
このように構成することで、現在又は将来の風速に関する情報に基づき、ハイブリッド形態又は太陽光発電専用形態のうち、より多くの発電電力を獲得できると予想される運転形態を自動的に判断することができようになり、切り換え判断に関する手間を省くことができる。例えば、現在の風速が風力発電に十分なレベルに満たない場合、あるいは近い将来に風速が著しく衰えるとの予報がある場合、ハイブリッド形態から太陽光発電専用形態へと切り換える判断をする。あるいは、太陽光発電専用形態のときに、風速が風力発電に十分なレベルにまで回復した場合、あるいは近い将来に風速が回復するとの予報がある場合、太陽光発電専用形態からハイブリッド形態へと切り換える判断をする。
さらに、風速情報に加えて、現在の日射量あるいは将来の日射量に関する情報を考慮して複数のブレードの配置を分散配置の状態にするか、あるいは集合配置の状態にするかを判断するように構成してもよい(請求項6)。例えば、現在の風速が風力発電に必要とされるレベルに満たない場合、あるいは近い将来に風速が著しく衰えるとの予報がある場合、かつ、太陽光発電に十分な日射量がある場合に、ハイブリッド形態から太陽光発電専用形態へと切り換える判断をする。あるいは、太陽光発電専用形態のときに曇天や雨天になったり日没を迎えた場合、風速の状態に関わらず太陽光発電専用形態からハイブリッド形態へと切り換える判断をしてもよい。このようにすることで、日射量が乏しく太陽光発電のみでは十分な発電電力の獲得が期待できない状態であるにもかかわらず、ハイブリッド形態から太陽光発電専用形態へ移行したり、太陽光発電専用形態をそのまま継続するといった効率の悪い運転を行うことがなく、発電運転の形態を効率的に切り換えできる。
つぎに、請求項7に記載の垂直軸風車は、ブレードが回転軸を中心にして回転するときの円周方向に対する各ブレードのピッチ角をそれぞれ調節できる機構を更に備え、複数のブレードが集合配置になっているときに、各ブレードのピッチ角を変えられるようになっていることを特徴とする。このようになっていると、集合配置となったブレード群全体を日照方向へ向けることができるだけなく、ピッチ角の変更により個々のブレードの向きを水平面方向に微調整して、ブレード単位でソーラーセルの設置面を日照方向へ直面させられるようになる。このような微調整をすることにより、ソーラーセルによる発電量をより高められる。
つぎに、請求項8に記載の垂直軸風車は、各ブレードにおけるソーラーセルの設置面の法線が水平面と上下方向に成す仰角をそれぞれ調節できる機構を更に備え、複数のブレードが集合配置になっているときに、各ブレードにおけるソーラーセルの設置面の仰角を変えられるようになっていることを特徴とする。このようになっていると、太陽の方位だけでなく、高度(仰角)に対してもソーラーセルの設置面を合わせられるようになり、ソーラーセルによる発電量をより高められる。
つぎに、請求項9に記載の垂直軸風車は次のような特徴を有する。位置決め手段は、回転軸を挿通して取り付けられる複数のリング形状の支持部品が回転軸の軸方向に多段になった支持部品群からなる。1つの支持部品1つのブレードのみ支持、かつ、1つのブレードが1ないし複数の支持部品によって支持されるように、各支持部品にアームを介してブレードが接続されている。さらに、各支持部品は、回転軸に対して固定した状態となる位置決め有効状態と、回転軸を軸にして水平面方向のみに回転可能になる位置決め無効状態とを相互に切り換え可能に構成されている。
このように構成することで、一枚ずつ個別にブレードを移動させることができるため、ブレードの移動や、ブレード同士の位置関係の調整が容易になる。また、各ブレードが個別に移動できることで、複数のブレードのうち一部のブレードについては円周の外側の面に設けられたソーラーセルを太陽に向けられる位置に集合させ、残りのブレードを円周の内側の面に設けられたソーラーセルを太陽に向けられる位置に集合させるといった移動操作も可能になる。
さらに、請求項10に記載のように、ブレード同士を連結するための連結手段を各ブレードに備え、この連結手段によって、複数のブレードが集合配置になっているときに隣接するブレード同士を連結できるようにしてもよい。このようにすることで、集合配置になっているときに多少の風でブレードが煽られても、隣り合うブレード同士が衝突して騒音を出したり、ブレードの配置が崩れたりなどといった不都合を防止でき、安定して集合配置を維持できる。
実施形態の風力発電装置の概略構成を示す図である。 位置決め装置12の取付状態を示す説明図である。 ブレード10のピッチ角調節機能に関する説明図である。 ブレード10の仰角調節機能に関する説明図である。 発電運転切換処理の手順を示すフローチャートである。 発電運転切換処理におけるブレードの移動事例を示す説明図である。 連結手段を備えたブレード10の一例を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[風力発電装置の構成の説明]
実施形態の風力発電装置は、回転軸が風向きに対して垂直な垂直軸風車を原動機とする垂直軸型風力発電装置であり、図1に示すように、風車1、風車1のブレード10表面に取り付けられたソーラーセル2、風車1の回転軸11に連結された発電機3、風車1側と地上側との間で電力や制御信号を伝達するスリップリング4、風力発電装置を制御するための制御装置5等を備えている。
風車1は、回転軸が風向きに対して垂直な垂直軸風車である。なお、本実施例では直線翼垂直軸風車を採用した事例について説明するが、他にも、ダリウス型等の曲線状のブレードを持つ風車等についても適用可能である。風車1は、地面に対して垂直に設置される回転軸11と、回転軸11の周りに縦方向に取り付けられた3枚のブレード10と、アーム13を介して各ブレード10を回転軸11に支持し、回転軸11に対する各ブレード10の位置決めをする位置決め装置12等を備える。なお、回転軸11に取り付けられるブレード10の数は3枚に限らず、直線翼垂直軸風車であれば3〜5枚程度が一般的である。
さらに、風車1は、位置決め装置12による位置決め作用を無効にすることで、各ブレード10を回転軸11に対して水平面方向にそれぞれ回転移動させることができるようになっている。これにより、風力エネルギを回転軸11の回転力に変換するために各ブレード10を風車本来の位置に均等に配置した所定の分散配置(図1の左側に示す形態)と、全てのブレード10を互いに接触したり重なったりしない程度に近接させて、各ブレード10におけるソーラーセル2の取付面を一方向に向けて集合させた集合配置(図1の右側に示す形態)とを切り換えることができる。
ブレード10が分散配置になっている風車1では、風力エネルギを回転軸11の回転力に変換して行う風力発電と、各ブレード10が備えるソーラーセル2による太陽光発電とを並行して行うことができる。以下、分散配置の風車1による発電運転の形態をハイブリッド形態とも称する。一方、ブレード10が集合配置になっている風車1では、ブレード10が分散配置になっているときよりも多くのソーラーセル2を同時に日照方向に向けることができる。これにより、風車1による風力エネルギの変換が行えなくなる代わりに、ソーラーセル2による発電量を高められる。以下、集合配置の風車1による発電運転の形態を太陽光発電専用形態とも称する。
ブレード10は、前縁が曲線的で後縁が鋭くとがった流線型の断面形状を持つ直線翼である。各ブレード10が分散配置になっているときに、各ブレード10に働く揚力を駆動力として利用することで回転軸11を中心に風車1が回転する。また、ブレード10には、回転運動の円周における外側の表面(以下、外周面と表記)、及び外周面の裏面に相当する、回転運動の円周における内側の表面(以下、内周面と表記)の両面を覆うように複数のソーラーセル2が取り付けられている。また、ブレード10の内周面側には、回転軸11を中心にして回転するときの円周方向に対するピッチ角を変更するためのピッチ角調整機構が設けられている(詳細は後述する)。
回転軸11は、ブレード10に働く揚力を駆動力として回転し、その回転力を発電機3のロータへ伝達する。また、回転軸11は中空の円筒状になっており、その内部空間をソーラーセル2へとつながる電力線や制御線の配線スペースとして利用可能である。また、風車1には、回転軸11の回転を停止するためのブレーキ装置や、停止状態の回転軸11を固定するロック機構(何れも図示なし)が設けられている。さらに、風車1には、回転軸11の絶対位相角を検出するためのロータリエンコーダ(図示なし)が設けられており、回転軸11が停止しているときの絶対位相角の信号が制御装置5内の運転切換制御部50へと送信されるようになっている。なお、ここでいう絶対位相角とは、絶対方位を基準とした回転軸11の位相角を指す。
位置決め装置12は、回転軸11を挿通して取り付けられる複数のリング形状の支持部品であり、1枚のブレード10を上端側と下端側との2箇所でアーム13を介して回転軸11に支持して位置決めをしている。なお、本実施形態の風車1では、全3枚のブレード10に対してそれぞれ2箇所ずつ、合計6つ(上端側3段、下端側3段)の位置決め装置12が、回転軸11の軸方向に取り付けられている。
各位置決め装置12の内部には、図示しない軸受けや、ロック機構、駆動機構、ロータリエンコーダ等が組み込まれている。軸受けは、位置決め装置12に接続されるアーム13やブレード10全体の荷重を回転軸11に接して受け、位置決め装置12を回転軸11に対して水平面方向に回転可能に支持する機械要素である。ロック機構は、位置決め装置12を回転軸11に対して固定した状態に位置決めする位置決め有効状態と、回転軸11に対して位置決め装置12を水平面方向にのみ回転可能にする位置決め無効状態とを切り換える機械要素である。例えば、回転軸11との間で互いに勘合する凹凸部からなる勘合要素の着脱によって固定又は解除をする構成や、回転軸11との間の摩擦力の有無によって固定又は解除する構成が挙げられる。
駆動機構は、位置決め無効状態のときに位置決め装置12を水平面方向に回転させるための回転駆動力を発生するモータや、モータの回転駆動力を伝達するギア等からなる機械要素である。ロータリエンコーダは、回転軸11に対する位置決め装置12の相対位相角を検出するセンサである。なお、ここでいう相対位相角とは、回転軸11を基準とする位置決め装置12の位相角であり、絶対方位とは対応しない相対的な値である。
位置決め装置12は、制御装置5内の運転切換制御部50からの制御信号によってロック機構が解除されると、位置決め有効状態から位置決め無効状態に移行する。そして、位置決め無効状態のときに運転切換制御部50からの制御信号に基づいて駆動機構が作動することで、位置決め装置12が回転軸11を中心に回転する。これにより、位置決め装置12にアーム13を介して接続しているブレード10が回転軸11に対して水平面方向に回転移動する。このとき、ロータリエンコーダによって検出された相対位相角が制御装置5内の運転切換制御部50へとフィードバックされる。ブレード10の移動が完了した後、位置決め装置12のロック機構を再び作用させて位置決め有効状態にすることで、移動後のブレード10がその位置で固定される。
なお、位置決め装置12は、手動操作によりロック機構を解除して人力で直接回転可能に構成されており、これによりブレード10を手動操作により直接移動させることも可能である。
ここで、位置決め装置12の詳しい取付状態について図2に基づいて説明する。図2(a)は、回転軸11に取り付けられている位置決め装置12の側面図であり、図2(b)はその上視図である。なお、この図2では、回転軸11の上端側に取り付けられた3つの位置決め装置12a,12b,12cを示しているが、回転軸11の下端側にも上端側のものと対となる3つの位置決め装置12が、上端側と同様に取り付けられている。
3つの位置決め装置12a,12b,12cには、アーム13a,13b,13cがそれぞれ一本ずつ接続されており、各アーム13a,13b,13cは、それぞれ異なるブレード10の上端側に接続している。各位置決め装置12a,12b,12cは、それぞれ個別に回転可能あり、任意の位相角で位置決めできるようになっている。また、1つのブレード10を支持する上下1対の位置決め装置12を常時同じ位相角を保つようにすることで、ブレード10を垂直に支持できる。
3枚のブレード10をそれぞれ支持する上下3対の位置決め装置12が個別に回転することで、各ブレード10が1枚ずつ個別に回転移動可能になり、かつ、回転軸11に対して任意の位置で固定できるようになっている。これにより、ブレード10の分散配置と集合配置の切り換えが実現する。
図1の説明に戻る。アーム13は、一端側がブレード10の内周面と接続しており、他端側が回転軸11に挿通された位置決め装置12に固定されることで、ブレード10を回転軸11に対して支持している。また、このアーム13の内部には、ブレード10から回転軸11へ至る配線スペースが設けられている。さらに、アーム13は、ブレード10の仰角を変更するための伸縮機能を備えている(詳細は後述する)。
ソーラーセル2は、可撓性を有するシート状の薄膜ソーラーセルであり、ブレード10の表面形状に沿って取り付けられている。このソーラーセル2は、ブレード10の表面に入射する太陽光エネルギを電力に変換する。
発電機3は、三相交流発電機であり、風車1の回転軸11に接続されたロータが回転することで三相交流電力の発電を行うものである。風力発電に用いられる発電機としては、誘導発電機(かご型、巻線型)や同期発電機(永久磁石型、電磁石型)等が挙げられる。これらの発電機のうち、どの発電機を採用するかは、風力発電機の電力系統への接続の有無や、接続する負荷の種類・規模、外部電源の有無、メンテナンスの容易性、コスト等の様々な要因を考慮して最適なものが選択される。
スリップリング4は、風車1の回転軸11に対して同心円状に設けられた環状の電路と、静止側に設けられたブラシとを介して風車1(回転側)と、制御装置5(静止側)との間で電力や信号を伝達するための機構であり、ソーラーセル2と制御装置5との間で電力を相互に伝達したり、制御装置5からの制御信号を風車1側へ伝達するための電路が接続している。このスリップリング4を介して風車1及び制御装置5との間を伝送されるものとしては、発電機3による発電電力や、ソーラーセル2による発電電力、風車1側の各駆動機構を作動させるための駆動電力、風車1側の各駆動機構の作動を制御するための制御信号、風車1側のセンサ類から制御装置5へフィードバックされる制御信号等がある。
制御装置5は、発電機3及びソーラーセル2によって発電した電力を一旦蓄電し、その蓄電した電力を単相交流に変換して外部に出力する電源装置である。さらに、風速や日照等の外部状況に応じて、分散配置の風車1によるハイブリッド形態と、集合配置の風車1による太陽光発電専用形態とを相互に切り換える機能を有する。制御装置5は、風力発電に必要な風速が得られる状況においてはハイブリッド形態による発電運転を行い、風車1の回転に必要な風力が得られない等の所定の条件下においてハイブリッド形態から太陽光発電専用形態への切り換えを行う。
つぎに、制御装置5の詳細な構成について説明する。
制御装置5には、発電機3による発電電力を入力する経路(図1:風力発電入力)と、ソーラーセル2による発電電力を入力する経路(図1:太陽光発電入力)がそれぞれ設けられている。これらの風力発電入力及び太陽光発電入力経路は、パワーコントローラ56に接続している。同じく制御装置5には、ブレード10の移動や、ピッチ角及び仰角の調節等に必要な駆動電力を風車1側に出力する経路(図1:駆動電力出力)と、風車1側の各駆動機構との間で制御信号を相互に送受信するための経路(図1:制御信号入出力)がそれぞれ設けられている。これらの駆動電力出力及び制御信号入出力経路は、運転切換制御部50に接続している。
発電機3及びソーラーセル2によって発電された電力の流れは次の通りである。発電機3により発電された三相交流電力は風力発電入力経路を通じて制御装置5へ入力され、配線用遮断機(MCCB、3極)54を経由して整流器55で直流電力に変換される。そして、変換後の直流電力は、パワーコントローラ56に入力される。一方、ソーラーセル2によって発電された直流電力は太陽光発電入力を通じて制御装置5へ入力され、パワーコントローラ56に入力される。
パワーコントローラ56は、発電機3及びソーラーセル2から入力された発電電力を、蓄電池57の充電に適した電圧・電流に変換して出力し、蓄電池57を充電する。
蓄電池57に蓄電された発電電力は、AC100V出力端子に接続されている外部負荷の電力需要に応じてインバータ58によって蓄電池57から取り出され、単相交流100Vの電力に変換される。インバータ58によって単相交流100Vの電力に変換された発電電力は、配線用遮断機(MCCB、2極)59を経由して、AC100V出力端子から出力され、このAC100V出力端子に接続された外部負荷により消費される。
一方、制御装置5が備える運転切換制御部50は、図示しないCPU、RAM、ROM、入出力インタフェース等を備えた電子制御装置である。この運転切換制御部50は、風速や日照等の外部状況に応じて、風車1のブレード10を分散配置にして発電運転を行うハイブリッド形態と、風車1のブレード10を集合配置にして発電運転を行う太陽光発電専用形態との切換判断をする。そして、その判断結果に応じて各ブレード10を移動させたり、ブレード10のピッチ角や仰角を調節する発電運転切換処理を実行する。この発電運転切換処理の詳細な手順については後述する。
運転切換制御部50から風車1側の各駆動機構へ送信される制御信号や、風車1側から運転切換制御部50に対してフィードバックされる制御信号は、制御信号入出力経路及びスリップリング4を介して伝送される。また、発電運転の切り切り換えの際に風車1側で必要となる駆動電力は、蓄電池57から運転切換制御部50を通じて駆動電力出力経路へ出力され、スリップリング4を介して風車1側へ供給される。
なお、風力発電装置が外部の商用電力を簡単に得られる環境に設置される場合、運転切換制御部50に外部の商用電源を接続しておき、発電運転の切り換えの際に商用電源からの得た電力を変換して風車1側へ駆動電力として供給可能に構成してもよい。
日照センサ51は、風車1近傍の日射量や日照方向を検出するためのセンサであり、日射量や日照方向の検出結果は運転切換制御部50へ入力される。風速センサ52は、風車1近傍の風速を計測するためのセンサであり、風速の計測結果は運転切換制御部50へ入力される。
気象情報センタ6は、現在の風速及び日照等に関する気象情報や、将来の風速及び日照等に関する気象予測情報を提供する外部機関である。運転切換制御部50は、公衆通信回線や無線等を介して気象情報センタ6との間で情報通信を行い、風速や日照に関する気象情報又は気象予測情報を取得する。
[ブレード10のピッチ角調節機能の説明]
つぎに、ブレード10のピッチ角調節機能について図3に基づいて説明する。
図3(a),(b),(c)は、ブレード10及びこのブレード10に接続するアーム13の上視図であり、ブレード10のピッチ角がそれぞれ異なる状態を示している。
アーム13の先端部にはピッチ角調節装置14が取り付けられており、ブレード10は、垂直方向の軸141を中心に水平面方向に回転可能になるように、ピッチ角調節装置14によって軸支されている。
ピッチ角調節装置14の内部には、図示しない軸受けや、ロック機構、駆動機構、ロータリエンコーダ等が組み込まれている。軸受けは、ブレード10の荷重を軸141に接して受け、ブレード10をアーム13に対して水平面方向に回転可能に支持する機械要素である。ロック機構は、ブレード10をアーム13に対して固定したロック状態と、アーム13に対して水平面方向にのみ回転可能にしたロック解除状態とを切り換える機械要素である。駆動機構は、ロック解除状態のときにブレード10を水平面方向に回転させるための回転駆動力を発生するモータや、モータの回転駆動力を伝達するギア等からなる機械要素である。ロータリエンコーダは、ブレード10のピッチ角を検出するセンサである。
運転切換制御部50からの制御信号によってピッチ角調節装置14のロックが解除され、駆動機構が作動することで、ブレード10が軸141を中心に回転する。これにより、ブレード10のピッチ角が変化する。このとき、ロータリエンコーダによって検出されたピッチ角の信号が運転切換制御部50へとフィードバックされる。ピッチ角の変更が完了した後、ピッチ角調節装置14のロック機構を再び作用させることでブレード10がその位置で固定される。
具体的には、図3(a)に示すようなピッチ角が中立の状態から、ブレード10を時計回りに回転させることで、図3(b)に示すようにブレード10のピッチ角が上昇する。反対に、ピッチ角が中立の状態からブレード10を反時計回りに回転させることで、図3(c)に示すようにブレード10のピッチ角が下降する。
[ブレード10の仰角調節機能の説明]
つぎに、ブレード10のピッチ角調節機能について図4に基づいて説明する。なお、ここでいう仰角とは、ブレード10におけるソーラーセル2の設置面の法線が水平面と上下方向に成す角を指している。
図4(a),(b)は、ブレード10、回転軸11、位置決め装置12及びアーム13の側面図であり、ブレード10の仰角がそれぞれ異なる状態を示している。なお、この図においては、説明の便宜上、1枚のブレード10及びこのブレード10を支持する上下1組のアーム13のみを図示し、他のブレード10及びアーム13については図示を省略している。ただし、図示を省略した他のブレード10及びアーム13についても、図4に示すものと同様の構成を有するものとする。
ブレード10を支持する上下1対のアーム13のうち、ブレード10の下端側を支持するアームは、中空の鞘管131と、鞘管131に挿入される径のひと回り小さい芯管132との二重構造になっており、鞘管131の回転軸11側の一端は位置決め装置12に接続しており、芯管132のブレード10側の一端はブレード10に付属するピッチ角調節装置14に接続しており、回転軸11側の一端は鞘管131の内に挿入されている。芯管132は、例えば送りねじ機構により鞘管131に対して位置決めされることにより剛性を備えており、さらに、送りねじの回転量に応じて鞘管131からの延出量が調節可能になっている。これによりブレード10の下端側を支持するアーム13を任意の長さに伸縮させることができる。
アーム13の全長を調節するための機械要素としては、前述の送りねじ機構や、送りねじ機構を駆動するための駆動機構、芯管132の延出量を検出するリニアエンコーダ(何れも図示なし)等が挙げられる。これらの機械要素は、例えば位置決め装置12に内蔵してもよいしアーム13に内蔵するようにしてもよい。
図4(a)に示すような仰角が中立の状態から、運転切換制御部50からの制御信号によって送りねじの駆動機構が伸長方向に作動することで、芯管132が鞘管131から突出する方向へ移動して下端側のアーム13が伸長する。これにより、ブレード10の上端側を支持するアーム13とピッチ角調節装置14との接続箇所を支点にして、ブレード10の下端側が芯管132に押されてせり出す。その結果、図4(b)に示すように、ブレード10の仰角が上昇する。このとき、リニアエンコーダによって検出された芯管132の延出量の信号が運転切換制御部50へとフィードバックされる。運転切換制御部50は、リニアエンコーダによって検出された芯管132の延出量に基づいてブレード10の仰角を算出する。仰角が所定の変更位置に達すると、送りねじの駆動機構が停止され、ブレード10の仰角がその位置で固定される。
なお、ブレード10の仰角が変化するのに伴い、ブレード10側のピッチ角調節装置14とアーム13との接続角度も変化するため、ピッチ角調節装置14に対してアーム13の端部を上下方向に回転自在に取り付けるようにするとよい。
あるいは、ブレード10の下端側を支持するアーム13を伸長させる代わりに、ブレード10の上端側を支持するアーム13の方を回転軸11の方向へ収縮させることによってブレード10の仰角を変更するようにしてもよい。また、上端側のアーム13を収縮させると共に、下端側のアーム13を伸長させるような構成であってもよい。
あるいは、アーム13を伸縮させる代わりに、アーム13全体を軸方向に平行移動させることでブレード10の仰角を変更するような構成であってもよい。その場合、アーム13の延長先が回転軸11と干渉しないように、アーム13の取り付け位置を回転軸11からずらすように構成するとよい。また、アーム13に関節を持たせ、その関節部分でアーム13を屈曲させることによって全長を変化させ、ブレード10の仰角を変更するような構成であってもよい。
[発電運転切換処理の説明]
つぎに、制御装置5の運転切換制御部50が実行する発電運転切換処理の詳細な手順について、図5のフローチャート及び図6の説明図に基づき説明する。この処理は、風車1の各ブレード10を分散配置にしてハイブリッド形態の発電運転をしているときに開始される。
運転切換制御部50は、まず、ハイブリッド形態で発電運転をしている状態において、運転形態をハイブリッド形態から太陽光発電専用形態へ切り換えるための所定の切換条件を満たしたか否かを判定する(S100)。S100における切換条件の判定は、日照センサ51、風速センサ52、又は気象情報センタ6等から取得した各種情報を分析し、風速及び日照が切換条件に合致するか否かを判断することにより行う。
具体的には、風速センサ52により計測した現在の風速が風力発電に必要とされるレベルに満たないといった風速に関する条件と、日照センサ51による計測結果により風車1の近傍において太陽光発電に十分な日射量が計測されているといった日照に関する条件とが両立することで、ハイブリッド形態から太陽光発電専用形態へ切り換えるように判断するような構成とすることが考えられる。また、気象情報センタ6から、風速が衰えた状態が今後も継続するとの予報を受信したことを上記切換条件に加えてもよい。
あるいは、風速に関する条件として、気象情報センタ6から近い将来に風速が著しく衰えるとの予報を受信した場合、太陽光発電に十分な日射量が計測されていることを条件に予備的に太陽光発電専用形態へ切り換えるように判断するような構成であってもよい。
また、現在の風速が風力発電に必要とされるレベルに満たないといった条件下において、太陽光発電に十分な日射量が計測されていなくても、気象情報センタ6から近い将来に十分な日射量が得られるとの予報を受信した場合に、予備的に太陽光発電専用形態へ切り換えるように判断するような構成であってもよい。
なお、風力発電装置の管理者によって、運転形態をハイブリッド形態から太陽光発電専用形態へ切り換える操作指示が運転切換制御部50に対して直接入力された場合には、無条件にハイブリッド形態から太陽光発電専用形態へ切り換える構成であってもよい。
S100でハイブリッド形態から太陽光発電専用形態へ切り換えるための切換条件を満たしていないと判定した場合(S100:N0)、S100の処理を繰り返す。このとき、ハイブリッド形態での発電運転は継続したままである。一方、ハイブリッド形態から太陽光発電専用形態へ切り換えるための切換条件を満たしたと判定した場合(S100:YES)、風車1が回転中であればブレーキ装置によってこれを停止させ、停止後、ロック機構によって回転軸11を固定する(S110)。
つぎに、風車1の設置場所における日照方向の方位角及び仰角を取得する(S120)。日照方向は、例えば日照センサ51によって最大の日射量が得られる方向を特定することで得られる。あるいは、太陽の方位及び仰角は、観測点の緯度、経度及び観測日時のパラメータが既知であれば、周知の計算式によって算出することも可能である。よって、日照センサ51の代わりに計算によって日照方向を特定してもよい。
S120で日照方向を取得した後、その日照方向へ向けて各ブレード10を集合させるための、それぞれの移動先の位置を算出する(S130)。ここで、各ブレード10の外周面側が向いている絶対方位は、位置決め装置12のロータリエンコーダにより検出された回転軸11に対する相対位相角と、ピッチ角調節装置14のロータリエンコーダにより検出されたピッチ角と、回転軸11のロータリエンコーダにより検出された回転軸11の絶対位相角との合算により特定できる。よって、日照方向の方位とブレード10の現在の絶対方位とを比較することにより、ブレード10の外周面側を日照方向に対面させるための移動先に対応する相対位相角を算出する。
例えば、3枚のブレード10のうち、移動前の絶対方位が日照方向の方位に最も近いブレード10を、3枚のブレードによる集合配置の中央に配置するものとする。この場合、中央に配置されるブレード10の絶対方位が日照方向の方位に対して完全に正対する位置に対応する相対位相角を算出する。残りの2枚のブレード10については、移動先が特定した中央のブレード10の両側にそれぞれ配置するものとする。この場合、ブレード10同士が接触したり重なったりしない程度に互いに近接するように、中央のブレード10に割り当てられた相対位相角に対してそれぞれ所定の位相差をつけた相対位相角を算出する。
各ブレード10の移動先に対応した相対位相角を算出した後、各ブレード10を支持している位置決め装置12に対してロック機構を解除する制御信号を送信し、位置決め装置12を位置決め無効状態に移行させる(S140)。そして、各ブレード10を支持している位置決め装置12に対して駆動機構を作動させる制御信号を送信し、各位置決め装置14の回転軸11に対する相対位相角がそれぞれの移動先の相対位相角に合致するところまで各位置決め装置14を回転させ、各ブレード10を日照方向に対向する集合配置に移動させる(S150)。各ブレード10の移動が完了した後、各ブレード10を支持している位置決め装置12に対してロック機構を作用させる制御信号を送信し、位置決め装置12を位置決め有効状態に移行させる(S160)。
ここで、上述のS120〜S160の処理によるブレード10の移動制御の具体例を図6に基づいて説明する。図6(a)は、ブレード10を分散配置にした風車1の上視図である。分散配置の状態においては、3枚のブレード10a,10b,10cは、回転軸11の周囲に約120°間隔でそれぞれ固定されている。また、各ブレード10a,10b,10cのピッチ角及び仰角はそれぞれ中立の位置に固定されている。このときの日照方向は図面上の右斜め上方、すなわち南西の方位から入射しているものと仮定する。
図6(a)に示す状況では、3枚のブレード10a,10b,10cのうち、ブレード10aの外周面が日照方向の方位に最も近い位置にある。そこで、ブレード10aの外周面が日照方向の方位に対して完全に正対する位置にくるように、ブレード10aの相対位相角が設定される。ブレード10b,10cは、ブレード10aの左側と右側にそれぞれ配置される。このとき、ブレード10同士が接触したり重なったりしない程度に互いに近接させるため、ブレード10b,10cには、中央に位置するブレード10aに割り当てられた相対位相角に対して所定の位相差をつけた相対位相角が設定される。
図6(b)は、日照方向に対してそれぞれ設定された移動先に各ブレード10a,10b,10cを移動させて集合配置にした風車1の上視図である。この事例では、ブレード10aを中心にして各ブレード10の外周面が日照方向へ向くようになっている。ただし、この時点では、中央のブレード10aの両脇に位置するブレード10b,10cの方位は、日照方向に対して放射状に向いており、若干の誤差がある。また、現時点では、各ブレード10a,10b,10cの仰角は中立位置(鉛直)のままであるため、日照方向の高度(仰角)に対応していない。これらの方位及び仰角の誤差の補正は、ブレード10のピッチ角及び仰角の調節によって修正できる。
図5のフローチャート説明に戻る。S160までの処理によって各ブレード10を集合配置に移動させた後、各ブレード10について、日照方向に対する方位及び仰角の誤差を修正するためのピッチ角と仰角を算出する(S170)。ブレード10の日照方向に対する方位の誤差は、位置決め装置12の相対位相角、ブレード10のピッチ角、及び回転軸11の絶対位相角の合算により特定されるブレード10の絶対方位と、日照方向の方位との比較によって特定できる。よって、この方位の誤差を打ち消すように、各ブレード10における修正後のピッチ角を設定する。また、ブレード10の日照方向に対する高度の誤差は、アーム13の伸縮を検出するリニアエンコーダからの検出信号に基づいて特定されるブレード10の仰角と、日照方向の仰角との比較によって特定できる。よって、この仰角の誤差を打ち消す方向に、各ブレード10における修正後の仰角ピッチ角を設定する。
各ブレード10に対する修正後のピッチ角及び仰角を算出した後、それに従って各ブレード10のピッチ角及び仰角を調節する(S180)。ここでは、ブレード10に設けられたピッチ角調節装置14に対してロック機構の解除及び駆動機構を作動させる制御信号を送信し、そのブレード10に割り当てられた修正後のピッチ角に合致するところまでピッチ角を変更させる。ブレード10のピッチ角の調節が完了した後、ピッチ角調節装置14のロック機構を再び作用させる制御信号を送信し、ブレード10を固定する。
また、ブレード10の下端側に接続するアーム13の送りねじの駆動機構を伸長方向に作動させる制御信号を送信して下端側のアーム13を伸長させ、そのブレード10に割り当てられた修正後の仰角に合致するか、あるいは仰角の調節範囲の限界に達するところまで仰角を変更させる。
ブレード10のピッチ角及び仰角の調節が終了することで、太陽光発電専用形態への切り換えが完了する。
ここで、上述のS170,S180の処理によってブレード10のピッチ角及び仰角の調節する具体例を図6に基づいて説明する。
図6(b)に示す状況では、中央のブレード10aの両脇に位置するブレード10b,10cの方位は、日照方向に対して若干の誤差がある。また、各ブレード10a,10b,10cの仰角は中立位置であり、日照方向の仰角に対応していない。そこで、各ブレード10a,10b,10cについて、日照方向に合わせてそれぞれピッチ角及び仰角を調節する。例えば、ブレード10aについて、方位は日照方向に完全に正対しているのでピッチ角の修正をする必要はなく、仰角の誤差を修正するために仰角を上昇させるだけでよい。また、ブレード10bについて、方位が日照方向に対して左側(東側)にずれているので、ピッチ角を上昇させて方位の誤差を修正すると共に、仰角の誤差を修正するために仰角を上昇させる。また、ブレード10cについて、方位が日照方向に対して右下側(北西側)にずれているので、ピッチ角を下降させて方位の誤差を修正すると共に、仰角の誤差を修正するために仰角を上昇させる。
図6(c)は、日照方向に対して各ブレード10a,10b,10cのピッチ角及び仰角を修正した状態の風車1の上視図である。ピッチ角及び仰角の修正後においては、各ブレード10a,10b,10cの外周面が日照方向に対して正対するようになっている。
図5のフローチャート説明に戻る。太陽光発電専用形態への切り換えが完了した後、運転形態を太陽光発電専用形態からハイブリッド形態へ切り換えるための所定の切換条件を満たしたか否かを判定する(S190)。S190における切換条件の判定は、日照センサ51、風速センサ52、又は気象情報センタ6等から取得した各種情報を分析し、風速及び日照が切換条件に合致するか否かを判断することにより行う。
具体的には、風速センサ52により計測した現在の風速が風力発電に必要とされるレベルまで回復したことを条件に太陽光発電専用形態からハイブリッド形態へ切り換えるように判断するような構成とすることが考えられる。また、気象情報センタ6から十分な風速が得られる状態が今後も継続するとの予報を受信したことを上記切換条件に加えてもよい。
あるいは、風速に関する条件として、気象情報センタ6から近い将来に風速が回復するとの予報を受信した場合、ハイブリッド形態へ切り換えるように判断するような構成であってもよい。また、太陽光発電専用形態のとき、曇天や雨天になったことを検知したり日没時刻を迎えた場合、風速の状態に関わらずハイブリッド形態へ切り換えるように判断するような構成であってもよい。
なお、風力発電装置の管理者によって、運転形態を太陽光発電専用形態からハイブリッド形態へ切り換える操作指示が運転切換制御部50に対して直接入力された場合は、無条件でハイブリッド形態へ切り換える構成であってもよい。
S190で太陽光発電専用形態からハイブリッド形態へ切り換えるための切換条件を満たしていないと判定した場合(S190:N0)、ブレード10の外周面が向いている方位と、現在の日照方向の方位との偏差を算出する(S200)。そして、その算出した偏差が基準値以上であるか否かを判定する(S210)。ここで、ブレード10の方位と日照方向との偏差が基準値に達していない場合(S210:NO)、S190の処理へ戻る。
一方、ブレード10の方位と日照方向との偏差が基準値以上である場合(S210:YES)、S130の処理へ移行し、現在の日照方向の方位に対応する各ブレード10の相対位相角を再計算する。以降、S140〜S180の処理では、再計算した各ブレード10の相対位相角に応じて各ブレード10の位置を修正すると共に、現在の日照方向に合わせてピッチ角及び仰角の修正を行う。このように、太陽光発電専用形態のときは、刻々と変化する日照方向を追跡するように各ブレード10の位置を修正しながら発電運転を継続する。
一方、S190で太陽光発電専用形態からハイブリッド形態へ切り換えるための切換条件を満たしたと判定した場合(S190:YES)、まず、各ブレード10の各ブレード10のピッチ角及び仰角を中立位置に戻す(S220)。ここでは、ブレード10に設けられたピッチ角調節装置14に対してロック機構の解除及び駆動機構を作動させる制御信号を送信し、ピッチ角が中立位置に戻るまでピッチ角を変更させる。ピッチ角の変更が完了した後、ピッチ角調節装置14のロック機構を再び作用させる制御信号を送信し、ブレード10を固定する。また、ブレード10の下端側に接続するアーム13の送りねじの駆動機構を収縮方向に作動させる制御信号を送信して下端側のアーム13を収縮させ、仰角が中立位置に戻るまで仰角を変更させる。
つぎに、各ブレード10を支持している位置決め装置12に対してロック機構を解除する制御信号を送信し、位置決め装置12を位置決め無効状態に移行させる(S230)。そして、各ブレード10を支持している位置決め装置12に対して駆動機構を作動させる制御信号を送信し、各位置決め装置14の回転軸11に対する相対位相角が分散配置に対応する所定の相対位相角に合致するところまで各位置決め装置14を回転させ、各ブレード10を分散配置に移動させる(S240)。各ブレード10の移動が完了した後、各ブレード10を支持している位置決め装置12に対してロック機構を作用させる制御信号を送信し、位置決め装置12を位置決め有効状態に移行させると共に、回転軸11を固定しているロック機構を解除して回転軸11を回転可能な状態にする(S250)。
各ブレード10が分散配置に戻り、回転軸11を固定しているロック機構の解除されることで、ハイブリッド形態への切り換えが完了する。S250の処理が完了した後S100の処理へ戻る。
[効果]
上記実施形態の風力発電装置によれば、次のような効果を奏する。
(1)風車1に設けられた各ブレード10を一箇所に集めることで、各ブレード10におけるソーラーセル2の設置面を限られた方向範囲内に集中して向けることができるようになる。これにより、各ブレード10が分散して配置されている状態よりも多くのソーラーセル2を日照方向に対面させることができ、ソーラーセル2による発電量を高められる。したがって、風力が十分でなく風車1が回転しない状態であっても、ブレード10の表面に設けられたソーラーセル2を十分に活用して電力を獲得できる。
(2)日照方向を取得し、その方向へ自動的にソーラーセル2の設置面を向けてブレード10を集合させるようにしたことで、より多くの日照を受けられる状態、すなわち、発電量が高い状態になる位置に自動的にブレード10を集合させることができるようになる。これにより、ブレード10の移動操作を容易にするだけでなく、発電能力を簡単に向上できる。
(3)刻々と変化する日照方向を自動的に追尾するように、ブレード10の集合位置を随時修正するようにしたことで、常に最適な状態で日照を受けられるようになり、ソーラーセル2による安定した発電能力を発揮できる。
(4)現在や将来の風速及び日照に関する情報を取得し、その情報に応じて最適な発電運転の形態を判断するようにしたことで、発電運転の切り換えを効率的に行うことができる。
(5)各ブレード10を集合配置にしたときに、各ブレード10のピッチ角及び仰角を日照方向に合わせて微調整できるようにしたことで、ソーラーセルによる発電量をより高められる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、ハイブリッド形態と太陽光発電専用形態との切換判断や、ブレード10の集合位置の特定、ブレード10の移動等を全て自動で行うような構成となっている。これに対して、発電運転の形態の切り換えに関する全ての操作を人力で行うような構成にしてもよい。その場合、風力発電装置の構造を単純化及び軽量化できる。
例えば、風車1側においてブレード10を回転軸11に支持する位置決め装置12は、軸受けやロック機構を備えればよく、自動制御に必要な駆動機構やロータリエンコーダ等は不要になる。また、ブレード10のピッチ角や仰角を調節する機能を付与する場合でも、自動制御に必要な駆動機構やエンコーダ等は不要になる。さらに、制御装置5においては、運転切換制御部50や日照センサ51、風速センサ52等は不要になる。また、風車1と制御装置5との間で駆動電力や制御信号を伝送するための配線も不要となり、これに伴いスリップリング4を単純化及び小型化できる。
発電運転の形態の切り換えに関する操作を全て人力で賄う構成の場合、風車1が比較的小規模のものであることや、人が容易に立ち入ることのできる場所に設置されていること等、切換操作を人が行えるようにするために設置条件にある程度の制限が課せられる。しかし、これらの設置条件を満たすのであれば、構造の単純化や軽量化によるコストメリットが高く、実用性は十分にある。
さらに、ブレード10同士を連結するための連結手段を各ブレード10に備え、この連結手段によって、複数のブレード10が集合配置になっているときに隣接するブレード10同士を連結できるようにしてもよい。その具体的な手法の一例を図7に示す。
図7(a)は、連結部材151,152を取り付けた状態のブレード10の上視図であり、図7(b)は、その側面図(中間部省略)である。これらの図に示すように、ブレード10の上端面及び下端面上には、山型に屈曲した細板状の2つの連結部材151,152がそれぞれ固定されている。このうち、ブレード10の前端側に取り付けられた連結部材151は、山型の頂点が前端側に向けられ、両端部がブレード10の外周面側と内周面側にそれぞれ突出するようになっている。一方、ブレード10の後端側に取り付けられた連結部材152は、山型の頂点が後端側に向けられ、両端部がブレード10の外周面側と内周面側にそれぞれ突出するようになっている。
そして、図7(c)は、各ブレード10に取り付けた連結部材151,152によって、隣接するブレード10同士を連結した状態を示している。この図のようにブレード10同士を連結する手順は次のとおりである。
集合配置において図面上左側に位置するブレード10bについて、まず、ブレード10bのピッチ角を十分に上げた状態で、ブレード10bの後端部を右側に隣接するブレード10aの裏側(内周面側)へと所定量だけ潜り込ませる。そして、その状態からブレード10bのピッチ角を下げていくことで、ブレード10bの後端側に取り付けてある連結部材152bの谷折側と、ブレード10aの前端側に取り付けてある連結部材151aの谷折側とが互いに噛合うように係合させる。この状態からさらに10bのピッチ角を下げていくことで、互いに係合した連結部材151a,152bをガイドにして、ブレード10a,10bが接近し、最後にはブレード10bの後端部とブレード10aの前端部が当接する。これで、ブレード10bとブレード10aとの連結が完了する。
一方、集合配置において図面上右側に位置するブレード10cについて、まず、ブレード10cのピッチ角を十分に下げた状態で、ブレード10cの前端部を左側に隣接するブレード10aの裏側(内周面側)へと所定量だけ潜り込ませる。そして、その状態からブレード10cのピッチ角を上げていくことで、ブレード10cの前端側に取り付けてある連結部材151cの谷折側と、ブレード10aの後端側に取り付けてある連結部材152aの谷折側とが互いに噛合うように係合させる。この状態からさらに10bのピッチ角を下げていくことで、互いに係合した151c,152aをガイドにして、ブレード10a,10cが接近し、最後にはブレード10cの前端部とブレード10aの後端部が当接する。これで、ブレード10cとブレード10aとの連結が完了する。
図10(c)に示す状態では、ブレード10aの裏側からブレード10b,10cがそれぞれブレード10aを押し上げる形で連結している。この状態からブレード10bのピッチを上げ、ブレード10cのピッチを下げる方向にそれぞれ駆動力を与え、ブレード10aに対して適度な押圧力を加えることで、ブレード10間の摩擦力や係合する連結部材151,152同士の摩擦力が増大し、連結をより強固にすることができる。
なお、図7に示す連結方法は一例であり、ブレード10同士を連結する方法はこれに限らない。例えば、ブレード10の外周面及び内周面における前端側及び後端側付近に、他のブレード10と互いに嵌合する凹凸パターンを形成し、隣接するブレード10同士でこの凹凸パターンを嵌合させることによって連結を行うような構成であってもよい。この場合、ブレード10表面に形成する凹凸パターンは、ブレード10の空力特性に悪影響を与えない配置や規模にすることが肝要である。
あるいは、ブレード10に格納式や折りたたみ式の挟持機構あるいは連結器を搭載するような構成も考えられる。この場合、集合配置のときのみ挟持機構や連結器をブレード10の外部に展開し、これにより隣接するブレード10を挟持したり、連結器同士を接続することで連結を行うようにすればよい。挟持機構や連結器を格納式や折りたたみ式にすることで、ブレード10を風車として用いる際には風力変換に不要な装置は内部に格納したり折りたたんでしまえばよく、ブレード10の空力特性に悪影響を与える心配がない。
1…風車、2…ソーラーセル、3…発電機、4…スリップリング、5…制御装置、6…情報センタ、10…ブレード、11…回転軸、12…位置決め装置、13…アーム、131…鞘管、132…芯管、14…ピッチ角調節装置、141…軸、151,152…連結部材、50…運転切換制御部、51…日照センサ、52…風速センサ、54,59…配線用遮断機(MCCB)、55…整流器、56…パワーコントローラ、57…蓄電池、58…インバータ。

Claims (10)

  1. 風の方向に対して垂直に設置される回転軸と、この回転軸の軸方向に沿って縦方向に前記回転軸に対して支持され、この回転軸を中心にして回転するときの回転軌道の外側の面又は内側の面の少なくとも何れか一方にソーラーセルを備えた複数のブレードとを備える垂直軸風車において、
    前記回転軸に対する前記各ブレードの位置決めを行うことができる位置決め手段を備え、
    前記位置決め手段は、
    前記各ブレードを前記回転軸に対して固定した状態にて支持する位置決め有効状態と、前記各ブレードが前記回転軸に対して水平面方向にそれぞれ回転移動可能になるように前記各ブレードを前記回転軸に対して支持する位置決め無効状態とを相互に切り換え可能に構成されており、
    前記回転軸の回転が停止しているときに位置決め有効状態から位置決め無効状態に移行することによって、前記ブレード同士が重ならない程度に近接するように前記複数のブレードを集合させた集合配置であって、前記ブレードにおけるソーラーセルの設置面が日照方向に向いた集合配置に移動可能になり、その集合配置の状態において再び位置決め有効状態にすることができるようになっていること
    を特徴とする垂直軸風車。
  2. 請求項1に記載の垂直軸風車において、
    前記位置決め手段は、
    位置決め無効状態のときに前記各ブレードを水平面方向にそれぞれ回転移動させるための移動力を付与する駆動機構を備えていること
    を特徴とする垂直軸風車。
  3. 請求項2に記載の垂直軸風車において、
    現在の日照方向を取得する方向取得手段と、
    前記各ブレードにおけるソーラーセルの設置面を前記方向取得手段により取得した日照方向へ向けるための、前記複数のブレードの集合位置を特定する位置特定手段と、
    前記回転軸の回転が停止している状態で前記位置決め手段を位置決め有効状態から位置決め無効状態に移行させ、前記位置特定手段によって特定した集合位置に前記各ブレードを移動させて集合配置状態にし、その集合配置状態において再び位置決め有効状態にさせる移動制御手段とを更に備えること
    を特徴とする垂直軸風車。
  4. 請求項3に記載の垂直軸風車において、
    前記複数のブレードが集合配置の状態になっているときに、現在の集合位置に対応する方向と現在の日照方向との偏差が基準値以上となった場合、現在の日照方向に対応する集合位置を再び特定し、前記位置決め手段を位置決め有効状態から位置決め無効状態に移行させ、その特定した集合位置に前記各ブレードを移動させて集合配置の状態にし、その集合配置の状態において再び位置決め有効状態にさせる追尾制御手段を更に備えること
    を特徴とする垂直軸風車。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の垂直軸風車において、
    現在の風速又は将来の風速に関する風速情報を取得する風速情報取得手段を更に備え、
    前記移動制御手段は、
    当該垂直軸風車による風力エネルギ変換を行うために前記各ブレードを所定の分散位置に配置して前記回転軸に対して固定する分散配置と、風力エネルギ変換を止めて太陽光発電だけを行うために前記各ブレードを集合位置に配置して前記回転軸に対して固定する集合配置とを相互に切り換え可能に構成されており、
    前記風速情報取得手段により取得した風速情報に基づいて、前記複数のブレードの配置を前記分散配置の状態にするか、あるいは前記集合配置の状態にするかを判断し、その判断結果に応じて前記分散配置と前記集合配置とを切り換えること
    を特徴とする垂直軸風車。
  6. 請求項5に記載の垂直軸風車において、
    現在の日射量又は将来の日射量に関する日射量情報を取得する日射量情報取得手段を更に備え、
    前記移動制御手段は、前記風速情報に加え、更に前記日射量情報取得手段により取得した日射量情報も考慮して、前記複数のブレードの配置を前記分散配置の状態にするか、あるいは前記集合配置の状態にするかを判断すること
    を特徴とする垂直軸風車。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の垂直軸風車において、
    前記ブレードが前記回転軸を中心にして回転するときの円周方向に対する前記各ブレードのピッチ角をそれぞれ調節できる機構を更に備え、
    前記複数のブレードが集合配置になっているときに、前記各ブレードのピッチ角を変えられるようになっていること
    を特徴とする垂直軸風車。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の垂直軸風車において、
    前記各ブレードにおけるソーラーセルの設置面の法線が水平面と上下方向に成す仰角をそれぞれ調節できる機構を更に備え、
    前記複数のブレードが集合配置になっているときに、前記各ブレードにおけるソーラーセルの設置面の仰角を変えられるようになっていること
    を特徴とする垂直軸風車。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の垂直軸風車において、
    前記位置決め手段は、前記回転軸を挿通して取り付けられる複数のリング形状の支持部品が前記回転軸の軸方向に多段になった支持部品群からなり、
    1つの前記支持部品1つの前記ブレードのみ支持、かつ、1つの前記ブレードが1ないし複数の前記支持部品によって支持されるように、前記各支持部品にアームを介して前記ブレードが接続されており
    さらに、前記各支持部品は、前記回転軸に対して固定した状態となる位置決め有効状態と、前記回転軸を軸にして水平面方向のみに回転可能になる位置決め無効状態とを相互に切り換え可能に構成されていること
    を特徴とする垂直軸風車。
  10. 請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載の垂直軸風車において、
    前記各ブレードは、前記ブレード同士を連結するための連結手段を更に備えており、
    前記複数のブレードが集合配置になっているときに、前記連結手段によって隣接するブレード同士を連結できるようになっていること
    を特徴とする垂直軸風車。
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