JP2006152995A - 遠心力による翼形状変形垂直軸風車 - Google Patents
遠心力による翼形状変形垂直軸風車 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】垂直軸風車を低速風で起動させると共に、高速風に対し回転速度が過大とならないように制御すること。
【解決手段】抗力型のサボニュウス型半円筒翼に錘を搭載し、錘の遠心加速度が翼本体より大きくなるような質量に設定し、回転速度が高くなると一対の翼の回転半径が縮んで円筒に近づき、さらに高速になると翼が逆トルクを発生するようにする。この抗力型風車と揚力型風車を結合することにより、揚力型風車の起動性を改善しながら、揚力型風車が高効率となる領域では抗力型風車が負荷とならないようにすると共に、過大な風速に対しては逆トルクを発生して回転数を抑制する。基本原理を同じくする抗力型翼を含む。
【選択図】図−1
【解決手段】抗力型のサボニュウス型半円筒翼に錘を搭載し、錘の遠心加速度が翼本体より大きくなるような質量に設定し、回転速度が高くなると一対の翼の回転半径が縮んで円筒に近づき、さらに高速になると翼が逆トルクを発生するようにする。この抗力型風車と揚力型風車を結合することにより、揚力型風車の起動性を改善しながら、揚力型風車が高効率となる領域では抗力型風車が負荷とならないようにすると共に、過大な風速に対しては逆トルクを発生して回転数を抑制する。基本原理を同じくする抗力型翼を含む。
【選択図】図−1
Description
垂直軸風車による発電等有用なエネルギ形態への変換。
垂直軸風車は風向を問わないため風向変動の激しい地域において有用な方式であるとされている。そのうち抗力型に分類されるサボニュウス型は起動性に優れるが、効率は30%を超えない。揚力型に分類されるダリュウス型は理論変換効率の高い方式とされ1926年の発明以降評価は高いが、いずれも実用例は水平軸型に比しはるかに少ない。その理由として効力型では回転軸に極めて強い抗力が働き頑丈な軸を用意する必要があること、及び揚力型では、(a:起動トルクが低風速では極めて低く時には逆となるとされ、自起動できない)、(b:強風となったときに退避させる対策に有効なものが少ない)のなどが挙げられている。
サボニュウス型は風速に対する回転速度が遅く、強風になったときには高速回転する揚力型風車に引きずられて回転速度があがると逆に抵抗となり、出力を減ずることになる。これを避けるためワンウエイクラッチによって抗力型風車を発電機から分離し、高速風のときは揚力型風車のみを働かせるとする「手作り風車ガイド松本、牛山パワー社 1995」の考案もある。
a)低速風でも起動させる。
b)高速風に対し過剰回転速度を抑止し、抗力も削減して回転軸の負担を低減する。
c)揚力型風車の高効率を風速変動の激しい地域でも十分に活用可能とする。
b)高速風に対し過剰回転速度を抑止し、抗力も削減して回転軸の負担を低減する。
c)揚力型風車の高効率を風速変動の激しい地域でも十分に活用可能とする。
遠心ガバナは錘の自重と遠心力の平衡位置が回転数により変化することを利用しているが、同様の原理を導入するものである。遠心力と拮抗する復元力には錘の重力あるいは弾性復元力を適宜採用する。抗力型風車翼は半径方向に移動可能な案内に支持され、遠心力と復原力が平衡する回転半径位置に移動する。一対の翼は互いに位置関係が変化するので風に対する綜合形状を変化させることができる。これにより風速それぞれに対応する好適な特性とすることができる。
図−1は本考案の実施例であって、回転軸から半径方向に伸びる案内棒に抗力型風車の翼一対を移動可能に取り付ける。この例では低回転数において二枚の翼はコイルばねによってストッパに押し付けられ、各々は円弧状でサボニュウス型に分類される形状となる位置にある。翼の延長部に錘部があり、互いに回転軸の反対側にある。
回転数が上ると錘の遠心力が翼の遠心力を上回り、錘の半径位置が遠ざかり、翼の円弧は互いに軸が近づき、全体として円筒形状となる。円筒はトルクを発生せず、揚力型風車と共に回転しても抵抗にならない。円筒はダランベールのパラドックスが説明するように剥離を生じない限り抗力は生じない。実際には剥離を生じ、抗力が加わるが初期の翼形状に比すれば抗力ははるかに少なく、強風に対し軸に加わる力は削減される。所謂退避機構とされるものの多くが発電をあきらめるのに対し、この円筒に近い状態では回転し続け、発電は継続される。この特性は風速変動の著しい環境において他の対策に比べエネルギ利用効率の点で有利となる。
さらに強風となるときは抗力型風車二枚は逆方向のトルクを発生する綜合形状となり、回転速度が危険領域にはいらないような抑制装置となる。
遠心力は回転速度の二乗比例であり、復原弾性体は変位に対し一次比例であると変位と回転速度を所望の関係とすることが難しい場合がある。ヘリカルばねでは巻きピッチを不等とすることで圧縮と共に密着する部分が生じ、残りの自由巻き部分が減ることによって剛性を高めることができる。車両のサスペンションにも用いられるこの不等ピッチばねとすることによって漸硬化型ばねとすることにより回転速度と半径位置を所望の関係とすることができる
以上をまとめると、トルクの高い抗力型風車特徴を活かし、
▲1▼低速風でも大きなトルクを生ずることで起動性を高める。
▲2▼強風となった場合には両翼が近接して円筒に近づくことにより過剰トルクを軽減し、抗力も過大とならない。しかも、少しでも風速が低下すれば翼が開きトルクが回復して回転は持続し、たとえ風速が急激に増大して過速度となれば翼は中心を越えて反対トルクとなって減速させる。従来の強風退避機構の多くがカットアウトと称して回転をほとんど停止させて発電を中止するのに対し有利であり、風速変動著しい地域での綜合発電量をより多く確保できる。
▲1▼低速風でも大きなトルクを生ずることで起動性を高める。
▲2▼強風となった場合には両翼が近接して円筒に近づくことにより過剰トルクを軽減し、抗力も過大とならない。しかも、少しでも風速が低下すれば翼が開きトルクが回復して回転は持続し、たとえ風速が急激に増大して過速度となれば翼は中心を越えて反対トルクとなって減速させる。従来の強風退避機構の多くがカットアウトと称して回転をほとんど停止させて発電を中止するのに対し有利であり、風速変動著しい地域での綜合発電量をより多く確保できる。
また、揚力型との複合型では、
▲3▼抗力型風車には低回転時に受風面積を大きくして起動トルクを大きくし、
▲4▼風速が揚力型風車にとって効率の高くなるときにはそのトルクを妨げない形状に変化させ、
▲5▼強風で回転が危険速度に近づくと逆トルクを発生させ回転速度を抑制する形状に変化させる
ことにより風速の変動に対し、より効率の高い風車システムとすることが可能となる。
抗力型風車は補助手段であり、小型とするのでそのトルクのみでは慣性の大きい揚力型風車を起動しがたい場合がある。両者をクラッチ結合として揚力型風車が停止状態にあるときにはクラッチを解放して抗力型風車自体で起動させ、ある程度の回転数に達した後にクラッチを結合させると抗力型風車がそれまでに蓄積した慣性エネルギも揚力型風車に伝えることでより起動性を高めることができる。この方式は「非特許文献1」とは結合条件が異なる。
▲3▼抗力型風車には低回転時に受風面積を大きくして起動トルクを大きくし、
▲4▼風速が揚力型風車にとって効率の高くなるときにはそのトルクを妨げない形状に変化させ、
▲5▼強風で回転が危険速度に近づくと逆トルクを発生させ回転速度を抑制する形状に変化させる
ことにより風速の変動に対し、より効率の高い風車システムとすることが可能となる。
抗力型風車は補助手段であり、小型とするのでそのトルクのみでは慣性の大きい揚力型風車を起動しがたい場合がある。両者をクラッチ結合として揚力型風車が停止状態にあるときにはクラッチを解放して抗力型風車自体で起動させ、ある程度の回転数に達した後にクラッチを結合させると抗力型風車がそれまでに蓄積した慣性エネルギも揚力型風車に伝えることでより起動性を高めることができる。この方式は「非特許文献1」とは結合条件が異なる。
風車の回転翼より広い範囲の風を利用すべく案内板を周辺に配置して風車に集中させることは古来から中近東の垂直軸風車で採用されてきた方法であり、特開平5−240141にも類似の構成が図示されている。このような案内による風集中法を本発明の垂直軸風車にも適用することも可能である。
Claims (8)
- 複数の相似形状翼の表面と裏面の抗力の差によりトルクが発生する抗力型風車であって該風車軸と垂直方向に回転軸からの位置が可変となるように案内されており、該翼と一体の錘を設け、回転軸の回転と共に遠心力の該翼と該錘の差によって該翼の回転軸からの距離が変化することにより回転速度の増加と共に該複数の翼はその中心が互いに近接し、次いで一致し、次いで反対側にずれる機構。
- 「請求項1」において該複数の翼の中心が一致した後、さらに回転速度が上昇したときに翼の相互関係が互いに反対側にずれることにより風圧によるトルクが逆転する構成。
- 垂直軸揚力型風車と抗力型風車を結合した風車機構であって、該抗力型風車翼を「請求項1」とするもの。
- 「請求項1」において該翼の復原力は弾性力によるものであること。
- 「請求項1」において該効力型風車翼の復原トルクが重力と重心までの半径の積であること。
- 「請求項2」において複数の該抗力型風車翼の風に対する綜合形状の変化が、低風速ではサボニュウス型であり、該揚力型風車が高効率となる風速付近では円筒型であり、危険風速に近づくときは該揚力型風車と逆方向のトルクを発生する形態となること。
- 「請求項2」において該復原弾性体は変位に対し復原力が漸硬化型非線形であること。
- 「請求項3」において該揚力型風車と該抗力型風車はクラッチ結合とし該抗力型風車が所定の回転数に達した後に結合させること。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004378064A JP2006152995A (ja) | 2004-11-29 | 2004-11-29 | 遠心力による翼形状変形垂直軸風車 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004378064A JP2006152995A (ja) | 2004-11-29 | 2004-11-29 | 遠心力による翼形状変形垂直軸風車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006152995A true JP2006152995A (ja) | 2006-06-15 |
Family
ID=36631571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004378064A Pending JP2006152995A (ja) | 2004-11-29 | 2004-11-29 | 遠心力による翼形状変形垂直軸風車 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006152995A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011132929A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-07 | Wind-Smile:Kk | 垂直軸風車 |
DE102012014627A1 (de) | 2012-07-17 | 2014-02-06 | Christiane Bareiß Segovia | Konischer Rotor zur Aufladung von Akkumulatoren bei Verkehrsmitteln mit Elektro- und Hybridantrieb |
WO2014083407A1 (en) * | 2012-11-27 | 2014-06-05 | Oztren Industries Pty.Ltd | Wind turbine |
JP2015042871A (ja) * | 2014-08-15 | 2015-03-05 | 義雄 井内田 | 原発に替わる風力発電装置(w4−2型) |
-
2004
- 2004-11-29 JP JP2004378064A patent/JP2006152995A/ja active Pending
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JP2015042871A (ja) * | 2014-08-15 | 2015-03-05 | 義雄 井内田 | 原発に替わる風力発電装置(w4−2型) |
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