以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の商品推奨システム1の全体構成を概念的に表すシステム構成図である。
図1において、商品推奨システム1は、いわゆるカラオケにおけるカラオケ利用者である消費者Mの歌唱行動の動向から消費者Mの消費多様性を推測し、その多様性の程度に応じて決定した特定の商品(以下適宜「特定商品」と記載)を各消費者Mに対し推奨するものである。この商品推奨システム1は、カラオケルームKRに設置されたカラオケ装置100とインターネット等のネットワークNWを介し接続されたサーバ200(第2情報端末)を有している。このサーバ200には、ディスプレイ220、キーボード221、及びマウス222が接続されている。
カラオケ装置100は、上記ネットワークNWを介し楽曲配信会社から配信される楽曲データを再生するカラオケ装置本体110と、楽曲データの再生時に歌唱に係る映像を表示する表示装置120と、カラオケ装置本体110に接続され、消費者Mの歌唱の用に供するマイク115とを有している。
上記カラオケ装置本体110とサーバ200とは、上述したようにネットワークNWを介して互いに情報通信可能に接続されており、カラオケルームKRにおいて各消費者Mが各楽曲データを再生させて歌唱した履歴情報である歌唱行動履歴情報が各消費者Mごとにサーバ200に記憶される。また、サーバ200はネットワークNWを介して基地局300にも接続されており、サーバ200より各消費者Mの歌唱行動履歴情報に基づいて推測した消費多様性の程度に対応させて、当該消費者Mに対し出力される特定商品の推奨情報が、基地局300を介して各消費者Mがそれぞれ携帯する携帯端末400に無線通信により送信可能となっている。
携帯端末400(第1情報端末、情報端末)としては、例えば携帯電話等が用いられる。その他にも、例えばPDA(Personal Digital Assistant)等の情報端末を用いてもよい。この携帯端末400は、各種表示を行う液晶ディスプレイ等の表示部401と、消費者Mが各種操作入力を行うための数字キー及び操作ボタンから構成される操作部402と、基地局300と無線通信を介し情報送受信を行うためのアンテナ410とを有している。
図2は、サーバ200及び携帯端末400の機能構成を表すブロック図である。
図2において、サーバ200は、サーバ200全体の制御を行う制御部201と、HDD(Hard Disk Drive)等で構成された記憶部210と、カラオケ装置本体110や基地局300との間でネットワークNWを介して行われる情報通信の制御を行う通信制御部202と、上記ディスプレイ220への映像信号の出力に関する制御を行う出力制御部203と、上記キーボード221やマウス222を介した情報の入力に関する制御を行う入力制御部204とを有している。
記憶部210(記憶手段)は、複数の消費者Mそれぞれによる複数の楽曲データ(商品)に関する上記歌唱行動履歴情報(消費行動履歴情報)と、消費者識別情報としての消費者IDとを、互いに関連付けて記憶した歌唱行動履歴データベース211(消費者データベース)を有している。上記歌唱行動履歴情報には、各消費者Mごとに、各楽曲データについて、カテゴリ(この例では楽曲のジャンル)、品目(この例ではアーティスト)、楽曲名、歌唱回数に関する情報が含まれている(後述の図3参照)。
また記憶部210は、種々の商品をそれぞれ推奨するための推奨情報(例えば商品名、商品内容、価格、外観画像等の商品に関する情報)を記憶した商品データベース212(推奨データベース)と、カラオケルームKRにおける消費者Mの歌唱行動の動向から消費者Mの消費多様性を推測し、その多様性の程度に応じて決定した特定商品を各消費者Mに対し推奨するための商品推奨方法(後述の図11参照)を制御部201に実行させるための商品推奨プログラム等の各種プログラムを記憶するプログラム記憶エリア213とを有している。
制御部201はいわゆるマイクロコンピュータであり、図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、記憶部210の上記プログラム記憶エリア213に記憶された各種プログラムに従って信号処理を行う。
携帯端末400は、上記表示部401、操作部402、及びアンテナ410と、基地局300との間で無線通信を介して行われる情報通信の制御を行う無線通信制御部403と、携帯端末400全体の制御を行う制御部404とを有している。制御部404は、サーバ200よりネットワークNW及び基地局300を介して特定商品の推奨情報を受信すると、当該推奨情報を表示部401に表示させる。
図3は、上記歌唱行動履歴データベース211の記憶内容の一例を表す図である。
図3に示すように、歌唱行動履歴データベース211には、各消費者Mごとに、上記消費者IDと、当該消費者Mが歌唱した複数の楽曲データに関する上記歌唱行動履歴情報とが、互いに関連付けられて記憶されている。歌唱行動履歴情報には、上述したように、各楽曲データごとに、カテゴリ(ジャンル)、品目(アーティスト)、楽曲名、及び歌唱回数に関する情報が含まれている。
サーバ200の制御部201は、特定の消費者Mについて、歌唱行動履歴情報に基づき、当該消費者Mの品目ごとの歌唱回数(総数)、カテゴリ数、及びカテゴリごとの品目数を用いて、特定の消費者Mに関する消費多様性を判定し、この判定した消費多様性の程度に対応させて、当該特定の消費者Mに対して推奨する少なくとも1つの特定商品の推奨数を決定する。ここで推奨数とは、どのようなカテゴリに属するどのような品目の商品をいくつ推奨するかを表す情報であり、商品のカテゴリ数、品目数、及び個数等を含むものである。ここで品目とは、例えば「チョコレート」や「ガム」、「ポテトチップ」等、個別の商品を包含する比較的小さな分類を指すものであり、カテゴリとは、例えば「お菓子」等、上記品目である「チョコレート」、「ガム」、「ポテトチップ」をさらに包含する比較的大きな分類を指すものである。また、上記カテゴリ数及びカテゴリごとの品目数が、特許請求の範囲に記載の商品の分類数に相当する。以下、上記詳細について説明する。
図4は、消費者Mの多様性を判定する際に、特定の消費者Mの歌唱行動履歴情報に含まれる、当該特定の消費者Mの品目(アーティスト)ごとの歌唱回数を補正するための、各品目ごとに予め定められた補正条件の一例を表す図である。なお、この図4に示す品目は前述の図3に対応している。
この補正条件は、品目特性、すなわちこの場合においては、各アーティストが市場に配信している楽曲データの数に対応して定められている。例えば歌唱回数をカウントする際に、多数の楽曲を配信しているアーティストの曲を10回歌唱した人と、少数の楽曲しか配信していないアーティストの曲を10回歌唱した人とでは、同じ10回の歌唱回数ではあってもその消費者Mの備える消費多様性の度合いは異なる(少数楽曲のアーティストの曲を歌唱する人の方が多様性が大きい)ことから、配信楽曲数が少ないアーティストほど倍率が高く設定されている。なお、この補正条件に関する情報は、記憶部210の適宜の領域に予め記憶されている。
図4に示す例では、補正条件は、「artist3」と「artist4」については1.5倍、「artist5」と「artist6」については2倍、「artist21」については3倍、「artist31」については2倍に設定されている。その他のアーティストについては1倍となる。この補正条件により、消費者Mの品目ごとの歌唱回数は具体的には次のようにして求められる。例えば前述の図3に示す消費者IDが「ID1」である消費者Mについては、「artist1」については補正条件が1倍であることから、楽曲名「music1」及び「music2」についての歌唱回数を加算して6+7=13回、「artist2」についても同様に補正条件が1倍であることから歌唱回数は9回となる。一方、「artist3」及び「artist4」については補正条件が1.5倍であることから、それぞれ歌唱回数は5×1.5=7.5回、10×1.5=15回となる。また「artist5」及び「artist6」については補正条件が2倍であることから、それぞれ歌唱回数は4×2=8回、6×2=12回となる。したがって、「ID1」の消費者Mに固有の標準化した歌唱回数は、上記各アーティストごとの歌唱回数の平均値を取り、(13+9+7.5+15+8+12)/6=10.75回となる。
同様に、消費者IDが「ID2」である消費者Mについては、「artist11〜13」の各アーティストについて補正条件が1倍であることから、それぞれ歌唱回数は2回、4回、2+1=3回となる。したがって、「ID2」の消費者Mに固有の標準化した歌唱回数は、上記各アーティストごとの歌唱回数の平均値を取り、(2+4+3)/3=3回となる。
同様に、消費者IDが「ID3」である消費者Mについては、「artist21」のアーティストについて補正条件が3倍であることから、楽曲名「music21」及び「music22」についての歌唱回数はそれぞれ4×3=12回、4×3=12回となる。したがって、「ID3」の消費者Mに固有の標準化した歌唱回数は、上記歌唱回数の平均値を取り、(12+12)/2=12回となる。
同様に、消費者IDが「ID4」である消費者Mについては、「artist31」のアーティストについて補正条件が2倍であることから、楽曲名「music31〜33」の各楽曲についての歌唱回数はそれぞれ3×2=6回、9×2=18回、9×2=18回となる。したがって、「ID4」の消費者Mに固有の標準化した歌唱回数は、上記歌唱回数の平均値を取り、(6+18+18)/3=14回となる。
なお、以上の例では品目(アーティスト)ごとの補正条件をそのアーティストの配信曲数に対応して決定するようにしたが、これに限らず、例えば各アーティストの個性や種別、楽曲データの価格等、その他の要素を基準にして補正条件を決定してもよい。
図5は、消費者Mの多様性を判定する際に、特定の消費者Mの歌唱行動履歴情報に含まれる、当該特定の消費者Mのカテゴリ(ジャンル)ごとの品目数(アーティスト数)を補正するための、各カテゴリごとに予め定められた補正条件の一例を表す図である。なお、この図5に示すカテゴリは前述の図3に対応している。
この補正条件は、カテゴリ特性、すなわちこの場合においては、各カテゴリにおいて市場に配信されている楽曲データの数に対応して定められている。例えばアーティスト数をカウントする際に、多数の楽曲が配信されている「邦楽ポップス」のカテゴリにおいて10アーティストの楽曲を歌唱した人と、比較的少数の楽曲しか配信されていない「アニメ」や「演歌」のカテゴリにおいて10アーティストの楽曲を歌唱した人とでは、同じ10アーティストではあってもその消費者Mの備える消費多様性の度合いは異なる(配信数が少数であるカテゴリのアーティストの曲を歌唱する人の方が多様性が大きい)ことから、配信楽曲数が少ないカテゴリほど倍率が高く設定されている。なお、この補正条件に関する情報は、記憶部210の適宜の領域に予め記憶されている。
図5に示す例では、補正条件は、「邦楽ポップス」については1倍、「洋楽ロック」については2倍、「アニメ」については3倍、「演歌」については5倍に設定されている。この補正条件により、消費者Mのカテゴリごとの品目数は具体的には次のようにして求められる。例えば前述の図3に示す消費者IDが「ID1」である消費者Mについては、「邦楽ポップス」のカテゴリについてはアーティストは「artist1,2」の2つであり、補正条件が1倍であることから品目数は2×1=2となる。一方、「洋楽ロック」のカテゴリについてはアーティストは「artist3,4」の2つであり、補正条件が2倍であることから品目数は2×2=4となる。また「演歌」のカテゴリについてはアーティストは「artist5,6」の2つであり、補正条件が5倍であることから品目数は2×5=10となる。したがって、「ID1」の消費者Mに固有の標準化した品目数は、上記各カテゴリごとの品目数の平均値を取り、(2+4+10)/3≒5.3となる。
同様に、消費者IDが「ID2」である消費者Mについては、「邦楽ポップス」のカテゴリについてのアーティストは「artist11,12,13」の3つであり、補正条件が1倍であることから品目数は3×1=3となる。したがって、「ID2」の消費者Mに固有の標準化した品目数は、カテゴリが1つであるからそのまま3となる。
同様に、消費者IDが「ID3」である消費者Mについては、「演歌」のカテゴリについてのアーティストは「artist21」の1つであり、補正条件が5倍であることから品目数は1×5=5となる。したがって、「ID3」の消費者Mに固有の標準化した品目数は、カテゴリが1つであるからそのまま5となる。
同様に、消費者IDが「ID4」である消費者Mについては、「アニメ」のカテゴリについてのアーティストは「artist31」の1つであり、補正条件が3倍であることから品目数は1×3=3となる。したがって、「ID4」の消費者Mに固有の標準化した品目数は、カテゴリが1つであるからそのまま3となる。
図6は、以上のようにして算出した品目ごとの歌唱回数、カテゴリごとの品目数、及びカテゴリ数に基づき、消費者Mが消費多様性の程度に応じた4グループのうちどのグループに属するかを判定する判定基準の一例を表す図である。
図6に示すように、本実施形態では、消費多様性の程度が大きい順にグループ1、グループ2、グループ3、及びグループ4からなる4つのグループが予め設定されている。各消費者Mは、カテゴリ数、カテゴリごとの品目数、及び品目ごとの歌唱回数に応じて上記4グループのいずれかに分類される。図6に示す例では、カテゴリ数、品目数、及び歌唱回数がいずれも比較的多い消費者Mの場合(例えばカテゴリ数が3以上、品目数が5以上、歌唱回数が10以上である場合)には、多様なカテゴリ・品目の楽曲を歌唱する人、すなわち、多種多様な商品を消費する傾向があり消費多様性が大きい人と考えられるため、グループ1に分類される。
一方、カテゴリ数、品目数、及び歌唱回数がいずれも比較的少ない消費者Mの場合(例えばカテゴリ数が1以下、品目数が3以下、歌唱回数が3以下である場合)には、カテゴリ・品目は少ないが、歌唱回数も少ないため、他のカテゴリ・品目の楽曲を歌唱する可能性がやや強い人、すなわち、消費多様性がやや大きい人と考えられるため、グループ2に分類される。また、カテゴリ数は比較的少ないが、品目数及び歌唱回数はいずれも比較的多い消費者Mの場合には(例えばカテゴリ数が1以下、品目数が5以上、歌唱回数が10以上である場合)、同一カテゴリにおける品目は多いが、歌唱回数も多いため、他のカテゴリ・品目の楽曲を歌唱する可能性がやや弱い人、すなわち、消費多様性がやや小さい人と考えられるため、グループ3に分類される。また、カテゴリ数及び品目数は比較的少ないが、歌唱回数が比較的多い消費者Mの場合には(例えばカテゴリ数が1以下、品目数が3以下、歌唱回数が10以上である場合)、同一カテゴリにおける品目が少なく、且つ、歌唱回数が多いため、他のカテゴリ・品目の楽曲を歌唱する可能性が弱い人、すなわち、消費多様性が小さい人と考えられるため、グループ4に分類される。
したがって、例えば前述の図3に示す消費者IDが「ID1」である消費者Mは、前述したように歌唱回数が10.75回、品目数は5.3、カテゴリ数は「邦楽ポップス」、「洋楽ロック」、「演歌」の3つであるため、上記グループ1に属する消費者Mに該当する。一方、消費者IDが「ID2」である消費者Mは、前述したように歌唱回数が3回、品目数は3、カテゴリ数は「邦楽ポップス」のみの1つであるため、上記グループ2に属する消費者Mに該当する。また、消費者IDが「ID3」である消費者Mは、前述したように歌唱回数が12回、品目数は5、カテゴリ数は「演歌」のみの1つであるため、上記グループ3に属する消費者Mに該当する。一方、消費者IDが「ID4」である消費者Mは、前述したように歌唱回数が14回、品目数は3、カテゴリ数は「アニメ」のみの1つであるため、上記グループ4に属する消費者Mに該当する。
なお、上記分類基準は一例であり、システムの使用環境や使用条件等に応じて適宜好ましい基準に変更してもよい。また、上記では消費多様性の程度に応じて消費者Mを4つのグループに分類するようにしたが、グループ数は4に限るものではなく、これ以外のグループ数にしてもよい。また、上記4つのグループが特許請求の範囲に記載の多様性情報に相当し、消費者Mがどのグループに属するかを判定することが、特許請求の範囲に記載の消費多様性に係わる特定の消費者の多様性情報を算出することに相当する。
図7は、上記4つのグループの消費多様性の程度を概念的に表す図である。
図7に示す図においては、縦軸に歌唱回数を取り、横軸に品目数及びカテゴリ数の広がり度合い(縦軸との交点0を中心とする)を取っている。なお、グループ3の横軸方向の幅が1カテゴリの広がりに相当している。この図7に示すように、グループ1は、歌唱回数が多く、且つ、カテゴリ数及び品目数も多くなっており、複数のカテゴリに跨るように横軸方向に広い分布形状となっている。したがって、グループ1に属する消費者Mの消費特性は、偏りが非常に少なく、多様性の程度が大きなものとなっている。一方、グループ2は、カテゴリ数及び品目数が少なく、横軸方向に狭い分布となっているが、歌唱回数についても少ないため、全体としては偏りはやや少なく、多様性の程度がやや大きな分布形状となっている。
グループ3は、カテゴリ数は少ないが品目数は多くなっており、横軸方向にやや広い分布となっているが、歌唱回数が多いため、全体としては偏りがやや多く、多様性の程度がやや小さな分布形状となっている。一方、グループ4は、カテゴリ数及び品目数が共に少なく、且つ、歌唱回数が多くなっているため、偏りが非常に多く、多様性の程度が小さな分布形状となっている。
図8は、上記4つのグループに対応させた、当該消費者Mに対して推奨する推奨商品の品目数及びカテゴリ数に関する設定の一例を表す図である。
図8に示すように、上記4つのグループに応じて当該消費者Mに対して推奨を行う推奨商品の品目数(=商品数)及びカテゴリ数に関する情報が予め設定され、記憶部210の適宜の領域に予め記憶されている。図8に示す例では、消費多様性が大きいと判定されたグループに属する消費者Mに対しては、消費多様性が小さいと判定されたグループに属する消費者Mよりも、特定商品に係わる品目数及びカテゴリ数が多い傾向となるように設定されている。サーバ200の制御部201は、この設定内容に基づいて推奨数を決定する。これにより、多種多様な商品を消費する傾向にあり消費多様性が大きい消費者Mに対して、推奨する特定商品の品目数やカテゴリ数を他の消費者Mよりも多くし、効果的な推奨を行うことができる。
図9は、上記4つのグループに対応させた、当該消費者Mに対して推奨する推奨商品に関する設定の一例を表す図である。
図9に示すように、上記4つのグループに応じて当該消費者Mに対して推奨を行う推奨商品に関する情報が予め設定され、記憶部210の適宜の領域に予め記憶されている。図9に示す例では、多種多様な商品を消費する傾向にあり消費多様性が大きい人は、自分の好みの物に興味を持つだけでなく、自分の嗜好品以外の物に対しても興味を惹かれる可能性が高いと考えられることから、消費多様性が大きいと判定されたグループに属する消費者Mに対しては、消費多様性が小さいと判定されたグループに属する消費者Mよりも、特定商品に占める非嗜好品の割合が高い傾向となるように設定されている。サーバ200の制御部201は、この設定内容に基づいて推奨数を決定する。
また図9に示す例では、多種多様な商品を消費する傾向にあり消費多様性が大きい人は、巷で最近流行している流行品はもちろんのこと、それ以外の非流行品に対しても興味を惹かれる可能性が高いと考えられることから、消費多様性が大きいと判定されたグループに属する消費者Mに対しては、消費多様性が小さいと判定されたグループに属する消費者Mよりも、特定商品に占める非流行品の割合が高い傾向となるように設定されている。サーバ200の制御部201は、この設定内容に基づいて推奨数を決定する。
また図9に示す例では、多種多様な商品を消費する傾向にあり消費多様性が大きい人は、巷で最近販売開始されたばかりの新製品はもちろんのこと、それ以外の旧製品に対しても引き続き興味を持っている可能性が高いと考えられることから、消費多様性が大きいと判定されたグループに属する消費者Mに対しては、消費多様性が小さいと判定されたグループに属する消費者Mよりも、特定商品に占める旧製品の割合が高い傾向となるように設定されている。サーバ200の制御部201は、この設定内容に基づいて推奨数を決定する。
図10は、サーバ200の制御部201が以上の設定内容に基づき決定した推奨数の一例を表す図である。
図10(a)は、特定の消費者Mの嗜好傾向を表すグラフであり、縦軸に嗜好度、横軸に品目を取っている。この例では、説明を簡易とするために、嗜好度の高い順から各品目が品目1,2,3・・・の順番に並んでおり、且つ、6つの品目ずつ1カテゴリに分類され、嗜好度の高い順から各カテゴリがカテゴリ1,2,3・・・の順番に並んでいる。そして、嗜好度が例えば0.3以上の品目を嗜好品、嗜好度が0.3未満の品目を非嗜好品であるものとする。なお、この特定の消費者Mの嗜好品であるか非嗜好品であるかに関する嗜好分類情報は、当該消費者Mの消費者IDに対応付けて記憶部210の適宜の領域(例えば歌唱行動履歴データベース211や商品データベース212等)に蓄積されている。
図10(b)は、上記の場合において、サーバ200の制御部201によって決定された推奨数の一例を表している。なお、この図10(b)中の細線で描かれた各四角形は上記図10(a)中の各品目に対応しており、太線で描かれた各四角形は上記図10(a)中の各カテゴリに対応している。前述したように、グループ1の推奨品目数は6、カテゴリ数は3、嗜好品:非嗜好品の比率は2:1に設定されるため、嗜好品数は4、非嗜好品数は2となる。したがって、グループ1に属する消費者Mに対しては、図10(b)に示すように、嗜好度の高い順から3つのカテゴリ1,2,3に亘るように、且つ、嗜好品数が4、非嗜好品数が2となるように、品目が決定される(図において決定された品目に対応する四角については斜線を付している)。
一方、グループ2の推奨品目数は4、カテゴリ数は2、嗜好品:非嗜好品の比率は3:1に設定されるため、嗜好品数は3、非嗜好品数は1となる。したがって、グループ2に属する消費者Mに対しては、図10(b)に示すように、嗜好度の高い順から2つのカテゴリ1,2に亘るように、且つ、嗜好品数が3、非嗜好品数が1となるように、品目が決定される。
また、グループ3の推奨品目数は4、カテゴリ数は1、嗜好品:非嗜好品の比率は嗜好品のみに設定されるため、嗜好品数は4、非嗜好品数は0となる。したがって、グループ3に属する消費者Mに対しては、図10(b)に示すように、嗜好度の高い順から1つのカテゴリ1のみに亘るように、且つ、嗜好品数が4、非嗜好品数が0となるように、品目が決定される。
また、グループ4の推奨品目数は2、カテゴリ数は1、嗜好品:非嗜好品の比率は嗜好品のみに設定されるため、嗜好品数は2、非嗜好品数は0となる。したがって、グループ4に属する消費者Mに対しては、図10(b)に示すように、嗜好度の高い順から1つのカテゴリ1のみに亘るように、且つ、嗜好品数が2、非嗜好品数が0となるように、品目が決定される。
以上のようにして品目を決定することにより、図10(b)に示すように、消費多様性の大きいグループほど、偏りのない多様な品目が選択される。そして、決定された品目の中から適宜の商品が選択され、当該商品の推奨情報が商品データベース212から取得されて、消費者Mの携帯端末400に対し出力される。
なお、以上は図10(a)に示す特定の消費者Mの嗜好分類情報を用いて推奨数を決定する場合を一例として説明したが、各商品が流行品であるか非流行品であるか、あるいは、各商品が新製品であるか旧製品であるかに関する分類情報を用いて、前述の図9に示す流行品:非流行品の比率、及び新製品:旧製品の比率の設定に基づき、推奨数を決定する場合も同様の手順で行われる。なお、上記分類情報は、各商品について最初に市場に投入されてから所定時間範囲内の全販売総数に対応付けて記憶部210の適宜の領域(例えば歌唱行動履歴データベース211や商品データベース212等)に蓄積されている。
図11は、サーバ200の制御部201が実行する制御内容を表すフローチャートである。このフローは、例えばサーバ200においてサーバ管理者(商品推奨者)がキーボード221やマウス222を用いて処理開始指令を操作入力した際に開始される(START位置)。
ステップS5では、制御部201は、消費者Mの消費者IDの特定を指示する操作入力に基づいて、記憶部210に格納された歌唱行動履歴データベース211にアクセスし、商品推奨対象となる消費者Mの消費者IDを特定する。
ステップS10では、制御部201は、上記ステップS5で特定した消費者IDの歌唱行動履歴情報に含まれる、カテゴリ数、各カテゴリ(ジャンル)ごとの品目数(アーティスト数)、及び各品目(アーティスト)ごとの歌唱回数を取得する。
ステップS15では、制御部201は、歌唱行動履歴情報中の1つの品目を選択し、当該品目についての歌唱回数を、各品目ごとに予め定められた補正条件(前述の図4参照)にしたがって補正する。
ステップS20では、制御部201は、上記ステップS15による歌唱回数の補正処理が、歌唱行動履歴情報に含まれる全品目について終了したか否かを判定する。全品目について終了していない場合には、判定が満たされずに上記ステップS15に戻り、次の品目を選択して同様の手順を繰り返す。一方、全品目について終了した場合には、判定が満たされてステップS25に移る。
ステップS25では、制御部201は、歌唱行動履歴情報中の1つのカテゴリを選択し、当該カテゴリについての品目数を、各カテゴリごとに予め定められた補正条件(前述の図5参照)にしたがって補正する。
ステップS30では、制御部201は、上記ステップS25による品目数の補正処理が、歌唱行動履歴情報に含まれる全カテゴリについて終了したか否かを判定する。全カテゴリについて終了していない場合には、判定が満たされずに上記ステップS25に戻り、次のカテゴリを選択して同様の手順を繰り返す。一方、全カテゴリについて終了した場合には、判定が満たされてステップS35に移る。
ステップS35では、制御部201は、記憶部210より消費多様性の程度に応じた4グループの情報を読み出し、上記ステップS15及びステップS25において補正した品目ごとの歌唱回数、カテゴリごとの品目数、及びカテゴリ数に基づき、当該消費者Mが4グループのうちどのグループに属するかを判定する(前述の図6参照)。
ステップS40では、制御部201は、記憶部210より4つのグループに応じて設定された推奨商品の品目数に関する設定情報を読み出し、当該設定内容に基づき、品目数を決定する(前述の図8参照)。すなわち、前述したように、消費多様性が大きいと判定されたグループに属する消費者Mに対しては、消費多様性が小さいと判定されたグループに属する消費者Mよりも、特定商品に係わる品目数が多い傾向となるように決定する。
ステップS45では、上記ステップS40と同様に、制御部201は、記憶部210より4つのグループに応じて設定された推奨商品のカテゴリ数に関する設定情報を読み出し、当該設定内容に基づき、カテゴリ数を決定する(前述の図8参照)。すなわち、前述したように、消費多様性が大きいと判定されたグループに属する消費者Mに対しては、消費多様性が小さいと判定されたグループに属する消費者Mよりも、特定商品に係わるカテゴリ数が多い傾向となるように決定する。
ステップS50では、制御部201は、記憶部210より4つのグループに応じて設定された推奨商品に関する設定情報を読み出し、当該設定内容に基づき、推奨数(どのようなカテゴリに属するどのような品目の商品をいくつ推奨するか)を決定する(前述の図9及び図10参照)。すなわち、前述したように、消費多様性が大きいと判定されたグループに属する消費者Mに対しては、消費多様性が小さいと判定されたグループに属する消費者Mよりも、特定商品に占める非嗜好品の割合、非流行品の割合、及び旧製品の割合が高い傾向となるように決定する。
ステップS55では、制御部201は、上記ステップS50で決定した推奨内容に基づいて、特定商品の推奨情報を商品データベース212より取得し、その推奨情報を該当する消費者Mの携帯端末400に対し出力する。これにより、消費者Mの携帯端末400の表示部401には受信した推奨情報が表示される。以上により、このフローを終了する。
上記において、ステップS5は、特許請求の範囲に記載の消費者を特定する第1手順に相当し、ステップS10、ステップS15、ステップS20、ステップS25、ステップS30、及びステップS35は、消費行動履歴情報に基づき、当該消費者が消費した商品の、総数、又は商品の分類数の少なくともいずれかを用いて、特定の消費者に関する消費多様性を判定する第2手順に相当し、ステップS40、ステップS45、及びステップS50は、特定の消費者に対して推奨する少なくとも1つの特定商品の推奨数を決定する第3手順に相当し、ステップS55は、特定の消費者の第1情報端末に対し推奨情報を出力する第4手順に相当する。また、上記第2手順に相当するステップS10、ステップS15、ステップS20、ステップS25、ステップS30、及びステップS35のうち、ステップS15、ステップS20、ステップS25、ステップS30、及びステップS35は、消費多様性に係わる特定の消費者の多様性情報を算出する多様性情報算出手順に相当する。
以上説明した実施形態においては、サーバ200の記憶部210の歌唱行動履歴データベース211に、複数の消費者Mによる楽曲データの歌唱に係わる歌唱行動履歴情報が、予め格納されている。商品推奨者によりサーバ200のキーボード221又はマウス222が操作されると、制御部201は、上記歌唱行動履歴データベース211にアクセスし、上記操作入力に応じて消費者IDにより特定の消費者Mを特定する。その後、当該特定の消費者Mが歌唱した全楽曲データについての、歌唱回数、品目数、及びカテゴリ数を用いて、特定の消費者Mに関する消費多様性を判定する。そして、その判定した消費多様性の程度に対応させて、当該消費者Mに対し推奨する特定商品の推奨数を決定する。その後、その推奨する特定商品を当該特定の消費者Mの携帯端末400へと出力する。
これにより、多種多様な商品を消費する傾向にある人(例えば、流行や新製品にすぐ飛びつくタイプの人、自分の嗜好品以外のものも興味を持ってみるタイプの人等)には比較的バラエティーに富んだいろいろな商品を推奨し、限定された範囲の商品を消費する傾向にある人(例えば、流行や新製品にとらわれず自分の好みの物だけに限定的に興味を持つタイプの人等)には比較的狭い範囲に限定して商品を推奨することができる。この結果、各消費者Mの消費感性に合致した、効果的な推奨を行うことができる。
また、本実施形態では特に、記憶部210に、各アーティストや各ジャンルの特性に応じて予め定められた補正条件を記憶している。すなわち、例えば歌唱回数をカウントする際に、多数の楽曲を配信しているアーティストの曲を10回歌唱した人と、少数の楽曲しか配信していないアーティストの曲を10回歌唱した人とでは、同じ10回の歌唱回数ではあってもその消費者Mの備える消費多様性の度合いは異なる(少数楽曲のアーティストの曲を歌唱する人の方が多様性が大きい)。また、例えばアーティスト数をカウントする際に、多数の楽曲が配信されている「邦楽ポップス」のカテゴリにおいて10アーティストの楽曲を歌唱した人と、比較的少数の楽曲しか配信されていない「アニメ」や「演歌」のカテゴリにおいて10アーティストの楽曲を歌唱した人とでは、同じ10アーティストではあってもその消費者Mの備える消費多様性の度合いは異なる(配信数が少数であるカテゴリのアーティストの曲を歌唱する人の方が多様性が大きい)。このように、品目やカテゴリの種別や個性等の特性が異なれば、同一の歌唱回数、品目数であっても、消費多様性として評価すべき度合いが異なる。
本実施形態はこのような事情に対応し、上述したように、記憶部210に、各アーティストや各ジャンルの特性に応じて予め定められた補正条件を記憶している。そして、歌唱行動履歴情報に含まれる特定消費者Mが歌唱した品目(アーティスト)ごとの歌唱回数及び品目数(アーティスト数)を、上記補正条件を用いて補正・集計する。これにより、消費者Mの備える消費多様性の度合いを、上記のような特性の影響を除去し標準化した形の多様性情報として算出することができる。この結果、さらに確実に各消費者Mの消費感性に合致した効果的な推奨を行うことができる。
また、本実施形態では特に、多種多様な商品を消費する傾向にあり消費多様性が大きい人は、自分の好みの物に興味を持つだけでなく、自分の嗜好品以外の物に対しても興味を惹かれる可能性が高いことから、そのような消費者Mに対しては、推奨する特定商品のうちの非嗜好品の割合を他の消費者Mよりも高めにする。これにより、さらに確実に各消費者Mの消費感性に合致した効果的な推奨を行うことができる。
また、本実施形態では特に、多種多様な商品を消費する傾向にあり消費多様性が大きい人は、巷で最近流行している流行品はもちろんのこと、それ以外の非流行品に対しても興味を惹かれる可能性が高い、あるいは、巷で最近販売開始されたばかりの新製品はもちろんのこと、それ以外の旧製品に対しても引き続き興味を持っている可能性が高いことから、そのような消費者Mに対しては、推奨する特定商品のうちの非流行品又は旧製品の割合を他の消費者Mよりも高めにする。これにより、さらに確実に各消費者Mの消費感性に合致した効果的な推奨を行うことができる。
また、本実施形態では特に、多種多様な商品を消費する傾向にあり消費多様性が大きい消費者Mに対して、推奨する特定商品の品目数やカテゴリ数を他の消費者Mよりも多くする。この結果、嗜好品のみならず非嗜好品もある割合で含めて推奨したり、流行品のみならず非流行品もある割合で含めて推奨したり、新製品のみならず旧製品もある割合で含めて推奨したり、等を容易に行えるので、さらに確実に各消費者Mの消費感性に合致した効果的な推奨を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(1)消費行動履歴に基づいて推奨数を決定する場合
上記実施形態では、カラオケにおける消費者Mの歌唱行動の動向から消費者Mの消費多様性を推測し、その多様性の程度に応じて消費者Mに対する推奨数を決定する例を説明したが、これに限られず、消費者の実際の消費行動(物品商品の購入や、ホテルに泊まったり遊園地で遊ぶ等のサービスの提供を受けることを含む)の動向からの消費多様性を推測し、その多様性に応じて消費者Mに対する推奨数を決定するようにしてもよい。
図12は、本変形例のサーバ200及び携帯端末400の機能構成を表すブロック図であり、前述の図2に対応する図である。図2と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
本変形例のサーバ200の記憶部210は、複数の消費者Mそれぞれによる複数の商品に係わる消費行動履歴情報と消費者IDとを、互いに関連付けて記憶した消費行動履歴データベース214(消費者データベース)を有している。上記消費行動履歴情報には、当該消費者Mが購入(消費)した商品の、品名、購入数、品目、及びカテゴリが含まれている(後述の図13参照)。各消費者Mが購入した上記商品に関する情報は、例えばクレジット会社等から供給される。上記以外のシステム構成については前述した実施形態と同様である。
図13は、上記消費行動履歴データベース214の記憶内容の一例を表す図である。
図13に示すように、消費行動履歴データベース214には、各消費者Mごとに、上記消費者IDと、当該消費者Mが購入した複数の商品に関する上記消費行動履歴情報とが、互いに関連付けられて記憶されている。消費行動履歴情報には、上述したように、各商品ごとに、カテゴリ、品目、品名、及び購入数に関する情報が含まれている。ここで、前述したように、商品に係わる品目とは個別の商品を包含する比較的小さな分類を指し、商品に係わるカテゴリとは上記品目をさらに包含する比較的大きな分類を指すものである。例えば、「お菓子」のカテゴリには「チョコレート」や「ガム」等の品目が含まれ、「家電」のカテゴリには「扇風機」や「エアコン」等の品目が含まれる。
サーバ200の制御部201は、特定の消費者Mについて、消費行動履歴情報に基づき、当該消費者Mの品目ごとの購入数(総数)、カテゴリごとの品目数、及びカテゴリ数に関する消費多様性を判定し、この判定した消費多様性の程度に対応させて、当該特定の消費者Mに対して推奨する少なくとも1つの特定商品の推奨数(どのようなラインナップの商品をいくつ推奨するか)を決定する。以下、この詳細について説明する。
なお、本変形例においても、上記カテゴリごとの品目数及びカテゴリ数が、特許請求の範囲に記載の商品の分類数に相当する。
図14は、消費者Mの多様性を判定する際に、特定の消費者Mの消費行動履歴情報に含まれる、当該特定の消費者Mの品目ごとの購入数を補正するための、各カテゴリごとに予め定められた補正条件の一例を表す図である。なお、この図14に示す品目は前述の図13に対応している。
この補正条件は、カテゴリ特性、すなわちこの場合においては、各カテゴリに属する商品の平均的な価格に対応して定められている。例えば購入数をカウントする際に、比較的価格の高い家電製品を1台購入した人と、比較的価格の低いお菓子を1つ購入した人とでは、同じ1個の購入数ではあってもその消費者Mの備える消費多様性の度合いは異なることから、一例として価格が高い品目ほど倍率を高く設定している。なお、この補正条件に関する情報は、記憶部210の適宜の領域に予め記憶されている。
図14に示す例では、補正条件は、「お菓子」のカテゴリについては1倍、「書籍」のカテゴリについては5倍、「家電」のカテゴリについては20倍、「車」のカテゴリについては50倍に設定されている。この補正条件により、消費者Mの品目ごとの購入数は具体的には次のようにして求められる。例えば前述の図13に示す消費者IDが「ID1」である消費者Mについては、品目「チョコレート」については「お菓子」のカテゴリであるため補正条件が1倍となり、品名「article1」及び「article2」についての購入数を加算して2+3=5個、品目「ガム」についても同様に補正条件が1倍であることから購入数は4個となる。一方、品目「エアコン」及び「扇風機」については「家電」のカテゴリであるため補正条件が20倍であることから、それぞれ購入数は1×20=20個、1×20=20個となる。また品目「国産車」については「車」のカテゴリであるため補正条件が50倍であることから、購入数は1×50=50個となる。したがって、「ID1」の消費者Mに固有の標準化した購入数は、上記各品目ごとの購入数の平均値を取り、(5+4+20+20+50)/5=19.8個となる。
同様に、消費者IDが「ID2」である消費者Mについては、品目「ポテトチップ」、「チョコレート」、及び「ガム」のいずれも「お菓子」のカテゴリであるため補正条件は1倍となり、それぞれ購入数は2個、3個、5個となる。したがって、「ID2」の消費者Mに固有の標準化した購入数は、上記各品目ごとの購入数の平均値を取り、(2+3+5)/3≒3.3個となる。
同様に、消費者IDが「ID3」である消費者Mについては、品目「液晶テレビ」は「家電」のカテゴリであるため補正条件は20倍となり、購入数は1×20=20個となる。したがって、「ID3」の消費者Mに固有の標準化した購入数は20個となる。
同様に、消費者IDが「ID4」である消費者Mについては、品目「コミック」は「書籍」のカテゴリであるため補正条件は5倍となり、品名「article31」及び「article32」についての購入数はそれぞれ3×5=15個、4×5=20個となり、購入数はこれらを加算して35個となる。したがって、「ID4」の消費者Mに固有の標準化した購入数は35個となる。
なお、以上の例ではカテゴリごとの購入数の補正条件をそのカテゴリに属する商品の平均的な価格に対応して決定するようにしたが、これに限らず、例えば各カテゴリや各品目の個性や種別、消耗品か非消耗品等、その他の要素を基準にして補正条件を決定してもよい。
図15は、消費者Mの多様性を判定する際に、特定の消費者Mの消費行動履歴情報に含まれる、当該特定の消費者Mのカテゴリごとの品目数を補正するための、各カテゴリごとに予め定められた補正条件の一例を表す図である。なお、この図15に示すカテゴリは前述の図13に対応している。
この補正条件は、カテゴリ特性、すなわちこの場合においては、各カテゴリにおいて市場に投入されている品目の数に対応して定められている。例えば品目数をカウントする際に、自動車を国産車と外車の2台購入した人と書籍を和書と洋書の2冊購入した人とでは、同じ2品目の購入ではあっても、その消費者の備える消費多様性の度合いは異なる(自動車を2台購入する人の方が多様性が大きい)ことから、市場に投入されている品目数が少ないカテゴリほど倍率が高く設定されている。なお、この補正条件に関する情報は、記憶部210の適宜の領域に予め記憶されている。
図15に示す例では、補正条件は、「お菓子」のカテゴリについては1倍、「書籍」のカテゴリについては2倍、「家電」のカテゴリについては5倍、「車」のカテゴリについては10倍に設定されている。この補正条件により、消費者Mのカテゴリごとの品目数は具体的には次のようにして求められる。例えば前述の図13に示す消費者IDが「ID1」である消費者Mについては、「お菓子」のカテゴリについては品目は「チョコレート」と「ガム」の2つであり、補正条件が1倍であることから品目数は2×1=2となる。一方、「家電」のカテゴリについては品目は「エアコン」と「扇風機」の2つであり、補正条件が5倍であることから品目数は2×5=10となる。また「車」のカテゴリについては品目は「国産車」の1つであり、補正条件が10倍であることから品目数は1×10=10となる。したがって、「ID1」の消費者Mに固有の標準化した品目数は、上記各カテゴリごとの品目数の平均値を取り、(2+10+10)/3≒7.3となる。
同様に、消費者IDが「ID2」である消費者Mについては、「お菓子」のカテゴリについての品目は「ポテトチップ」、「チョコレート」、「ガム」の3つであり、補正条件が1倍であることから品目数は3×1=3となる。したがって、「ID2」の消費者Mに固有の標準化した品目数は、カテゴリが1つであるからそのまま3となる。
同様に、消費者IDが「ID3」である消費者Mについては、「家電」のカテゴリについての品目は「液晶テレビ」の1つであり、補正条件が5倍であることから品目数は1×5=5となる。したがって、「ID3」の消費者Mに固有の標準化した品目数は、カテゴリが1つであるからそのまま5となる。
同様に、消費者IDが「ID4」である消費者Mについては、「書籍」のカテゴリについての品目は「コミック」の1つであり、補正条件が2倍であることから品目数は1×2=2となる。したがって、「ID4」の消費者Mに固有の標準化した品目数は、カテゴリが1つであるからそのまま2となる。
図16は、以上のようにして算出した品目ごとの購入数、カテゴリごとの品目数、及びカテゴリ数に基づき、消費者Mが消費多様性の程度に応じた4グループのうちどのグループに属するかを判定する判定基準の一例を表す図である。
本変形例においても、前述の実施形態と同様に、消費多様性の程度が大きい順にグループ1、グループ2、グループ3、及びグループ4からなる4つのグループが予め設定されている。各消費者Mは、カテゴリ数、カテゴリごとの品目数、及び品目ごとの購入数に応じて上記4グループのいずれかに分類される。図16に示す例では、カテゴリ数、品目数、及び購入数がいずれも比較的多い消費者Mの場合(例えばカテゴリ数が3以上、品目数が5以上、購入数が10以上である場合)には、多様なカテゴリ・品目の商品を購入する人、すなわち、多種多様な商品を消費する傾向があり消費多様性が大きい人と考えられるため、グループ1に分類される。
一方、カテゴリ数、品目数、及び購入数がいずれも比較的少ない消費者Mの場合(例えばカテゴリ数が1以下、品目数が3以下、購入数が5以下である場合)には、カテゴリ・品目は少ないが、購入数も少ないため、他のカテゴリ・品目の商品を購入する可能性がやや強い人、すなわち、消費多様性がやや大きい人と考えられるため、グループ2に分類される。また、カテゴリ数は比較的少ないが、品目数及び購入数はいずれも比較的多い消費者Mの場合には(例えばカテゴリ数が1以下、品目数が5以上、購入数が10以上である場合)、同一カテゴリにおける品目は多いが、購入数も多いため、他のカテゴリ・品目の商品を購入する可能性がやや弱い人、すなわち、消費多様性がやや小さい人と考えられるため、グループ3に分類される。また、カテゴリ数及び品目数は比較的少ないが、購入数が比較的多い消費者Mの場合には(例えばカテゴリ数が1以下、品目数が3以下、購入数が10以上である場合)、同一カテゴリにおける品目が少なく、且つ、購入数が多いため、他のカテゴリ・品目の商品を購入する可能性が弱い人、すなわち、消費多様性が小さい人と考えられるため、グループ4に分類される。
したがって、例えば前述の図13に示す消費者IDが「ID1」である消費者Mは、前述したように購入数が19.8個、品目数は7.3、カテゴリ数は「お菓子」、「家電」、「車」の3つであるため、上記グループ1に属する消費者Mに該当する。一方、消費者IDが「ID2」である消費者Mは、前述したように購入数が3.3個、品目数は3、カテゴリ数は「お菓子」のみの1つであるため、上記グループ2に属する消費者Mに該当する。また、消費者IDが「ID3」である消費者Mは、前述したように購入数が20個、品目数は5、カテゴリ数は「家電」のみの1つであるため、上記グループ3に属する消費者Mに該当する。一方、消費者IDが「ID4」である消費者Mは、前述したように購入数が35個、品目数は2、カテゴリ数は「書籍」のみの1つであるため、上記グループ4に属する消費者Mに該当する。
なお、上記分類基準は一例であり、システムの使用環境や使用条件等に応じて適宜好ましい基準に変更してもよい。また、上記4つのグループが特許請求の範囲に記載の多様性情報に相当し、消費者Mがどのグループに属するかを判定することが、特許請求の範囲に記載の消費多様性に係わる特定の消費者の多様性情報を算出することに相当する。
その後の手順については前述の実施形態と同様である。すなわち、制御部201は、消費者Mが上記4グループのうちどのグループに属するかを判定し、判定された所属グループに応じて品目数及びカテゴリ数を決定する。さらに、判定された所属グループに応じて推奨数を決定する。その後、決定した推奨内容に基づいて、特定商品の推奨情報を商品データベース212より取得し、その推奨情報を該当する消費者Mの携帯端末400に対し出力する。これにより、消費者Mの携帯端末400の表示部401には受信した推奨情報が表示される。
以上説明した変形例においては、サーバ200の記憶部210の消費行動履歴データベース214に、複数の消費者Mによる商品の消費の消費行動履歴情報が、予め格納されている。商品推奨者が上記消費行動履歴データベース214にアクセスすることにより、サーバ200の制御部201が、特定の消費者Mが消費した全商品についての、購入数、品目数、カテゴリ数に関する消費多様性を判定する。そして、その判定した消費多様性の程度に対応させて、当該消費者Mに対し推奨する特定商品の推奨数を決定する。その後、その推奨する特定商品を当該特定の消費者Mの携帯情報400へと出力する。
これにより、多種多様な商品を消費する傾向にある人(例えば、流行や新製品にすぐ飛びつくタイプの人、自分の嗜好品以外の物も興味を持ってみるタイプの人等)には比較的バラエティーに富んだいろいろな商品を推奨し、限定された範囲の商品を消費する傾向にある人(例えば、流行や新製品にとらわれず自分の好みの物だけに限定的に興味を持つタイプの人等)には比較的狭い範囲に限定して商品を推奨することができる。この結果、各消費者Mの消費感性に合致した、効果的な推奨を行うことができる。
(2)消費多様性の判定に用いる情報のバリエーション
上記実施形態では、特定の消費者Mの楽曲データごとの歌唱回数、カテゴリ数、及びカテゴリごとの品目数の3つの情報を用いて消費多様性を判定するようにしたが、これに限られない。すなわち、消費者Mの多様性の判定に用いる情報としては、楽曲データの歌唱回数(あるいは商品の購入数)、カテゴリ数、及びカテゴリごとの品目数のうち少なくとも1つを用いればよく、上記実施形態のように3つの情報を全て含む必要はない。
図17は、上記3つの情報のうち、品目数と歌唱回数の2つの情報を用いて消費多様性を判定する場合の判定基準の一例を表す図である。なお、この図17に示すグループ番号は前述の図6に対応している。
この図17に示す例では、品目数及び歌唱回数がいずれも比較的多い消費者Mの場合には、前述したように消費多様性が大きいと考えられるため、グループ1に分類される。一方、品目数及び歌唱回数がいずれも比較的少ない消費者Mの場合には、前述したように消費多様性がやや大きい人と考えられるため、グループ2に分類される。また、品目数は比較的少ないが歌唱回数が比較的多い消費者Mの場合には、前述したように消費多様性が小さい人と考えられるため、グループ4に分類される。このように、品目数と歌唱回数の2つの情報を用いた場合には、消費者Mを前述のグループ1,2,4に対応した3つのグループに分類することができる。その後の手順については前述の実施形態と同様である。
一方、図18は、上記3つの情報のうち、カテゴリ数と品目数の2つの情報を用いて消費多様性を判定する場合の判定基準の一例を表す図である。なお、この図17に示すグループ番号も前述の図6に対応している。
この図18に示す例では、カテゴリ数及び品目数がいずれも比較的多い消費者Mの場合には、前述したように消費多様性が大きいと考えられるため、グループ1に分類される。一方、カテゴリ数及び品目数がいずれも比較的少ない消費者Mの場合には、前述したように消費多様性がやや大きい人と考えられるため、グループ2に分類される。また、カテゴリ数は比較的少ないが、品目数は比較的多い消費者Mの場合には、前述したように消費多様性がやや小さい人と考えられるため、グループ3に分類される。このように、カテゴリ数と品目数の2つの情報を用いた場合には、消費者Mを前述のグループ1,2,3に対応した3つのグループに分類することができる。その後の手順については前述の実施形態と同様である。
なお、以上において、図1、図2、図12の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。また、図11に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。