JP5321238B2 - パルス電源 - Google Patents

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本発明は、半導体素子をパルス発生スイッチとするパルス発生回路と、パルス電流で充電されるコンデンサを可飽和リアクトルの磁気スイッチ動作により磁気パルス圧縮したパルス電流を得る磁気パルス圧縮回路とを組み合わせたパルス電源に関し、特にプラズマ応用装置などの低インピーダンスとなる負荷放電管に双極性の高電圧パルスを印加するパルス電源に関する。
半導体素子をパルス発生スイッチとするパルス電源としては、図5に例を示すエキシマレーザ用パルス電源がある(特許文献1参照)。図中、パルス発生回路1は、電力用の初段コンデンサC0を充電器2により初期充電しておき、半導体スイッチIGBT1のオン制御で初段コンデンサC0から可飽和リアクトルSI0を通してパルストランスPTにパルス電流を供給する。可飽和リアクトルSI0は、半導体スイッチIGBT1のオンに遅れて磁気スイッチ動作することで半導体スイッチIGBT1のスイッチング損失を軽減するための磁気アシストである。
磁気パルス圧縮回路3は、パルストランスPTで昇圧したパルス電流でコンデンサC1を高圧充電し、このコンデンサC1の充電電圧で可飽和リアクトルSI1が磁気スイッチ動作することによりコンデンサC1からコンデンサC2への狭幅のパルス電流を発生させてコンデンサC2を高圧充電し、さらにコンデンサC2の充電電圧で可飽和リアクトルSI2が磁気スイッチ動作することによりコンデンサC2からエキシマレーザヘッドになる負荷装置4に狭幅・高電圧のパルス電流を供給する。
可飽和リアクトルSI0〜SI2は、磁気スイッチ動作に備えて磁気飽和方向を初期化するための磁化リセットがなされる。この磁化リセットには、各可飽和リアクトルSI0〜SI2にはリセット巻線を設け、直流電流を供給する。
ここで、負荷4は、エキシマレーザ用とする場合、その等価回路は図6の(a)に示すように、ピーキングコンデンサCpに配線インダクタンスLpと負荷放電管の放電抵抗RLが直列に接続された回路になっており、図6の(b)に示すような振動波形となる低インピーダンス負荷(数Ω)となっている。そのため、負荷4で吸収されなかったエネルギーは反転して磁気パルス圧縮回路3を経てパルス発生回路1側に戻ってくる(キックバックエネルギーと呼ばれる)。この電源に戻ってきたキックバックエネルギーは、パルストランスPTの巻線N1’を介して取り込み、ダイオードD1を通してコンデンサC0に初期充電と同じ極性で充電し、次回のパルス発生時の電気エネルギーとして回生する。また、このときIGBT1はオフしており、PTの巻線N1には電流は流れない。
図7は特許文献2に記載されるパルス電源の構成例を示す。同図は、パルスエネルギーの増大を図りながら回路部品責務を下げ、さらにパルス発生の繰り返し周波数を高めるために、2並列のパルス発生回路1a,1bを設け、これらパルス発生回路を時分割運転し、磁気パルス圧縮回路3a,3bは各パルス電流出力をそれぞれ入力して各パルス電流を磁気パルス圧縮する。また、磁気パルス圧縮回路3a,3bは、可飽和リアクトルSI2a,SI2bに電流回り込み防止用ダイオードD1a,D1bを直列接続して各出力を並列接続し、最終段の磁気パルス圧縮回路3にパルス電流を供給する。
上記の図5や図7のようなパルス電源は、単極性の出力となる。これに対し、プラズマ応用装置としてのDLC(Diamond Like Carbon)成膜装置や半導体成膜装置では、以下に詳細に説明するように、双極性のパルス電源が必要となる場合がある。
DLC膜は、ダイヤモンドのSP3結合とグラファイトのSP2結合の両者を炭素原子の骨格構造としたアモルファス炭素膜であり、高硬度、高耐摩耗性、低摩擦係数、高絶縁性などの特徴を持ち、電気・電子機器や切削工具、金型、自動車部品などに幅広く応用されている。
DLCの成膜には、例えば、メタンなどの含炭素気体またはグラファイトなどの固体原料に放電などでエネルギーを与えて炭素を含む正イオンを生成させ、このイオンを電界で加速して陰極基板上に供給することにより、基板上にDLC膜を生成させる。この生成手法として、イオンビーム蒸着法やアークイオンプレーティング法、スパッタリング法がある。同様に、半導体成膜装置ではスパッタリング法やCVD法、イオン注入法で半導体の成膜を得ている。
図8はバイポーラ型マグネトロンスパッタ装置の概略図を示す(例えば、非特許文献1参照)。このバイポーラ型では、パルス電源から2つのターゲットにACあるいはパルス電圧を印加する方法として、電圧の半周期毎にターゲットをそれぞれカソードとアノードを入れ替える。同図ではマグネトロン電源MPSの高圧直流出力の極性をパルスユニットPUで交互に切り替えることで、2つのターゲットM1、M2に正負のパルス電圧を印加する。このようなパルス電圧印加方法によれば、ターゲットM1、M2の電位が交互に反転し、スパッタリングにおけるアーキングの発生を防ぐことができる。このアーキングは、直流スパッタリングによってカソード表面絶縁層に電荷が蓄積されることが原因とされ、これを防ぐためにターゲットM1、M2の電位を交互に反転させ、両ターゲットM1、M2の表面に形成された絶縁層上の正電荷を中和させ、次の負電圧印加期間に絶縁層を除去する。
図9は、特許文献3に記載されるDLC成膜装置の回路構成である。この装置に使用されるパルス電源は、負の高電圧パルス発生電源PS(N)、正の高電圧パルス発生電源PS(P)及び干渉防止回路IPCで構成される。
負の高電圧パルス電源PS(N)は真空管スイッチSW1のスイッチ動作により負の高電圧パルスを出力する。正の高電圧パルス電源PS(P)は真空管スイッチSW2のスイッチ動作により正の高電圧パルスを出力する。これら正負パルス出力は干渉防止回路IPCを通してチャンバCH内の成膜処理物TGに交互に印加される。干渉防止回路IPCは、サージ電流をコアCOREと抵抗R1で限流し、さらにパルスのスイッチング時の過度電流をインダクタンスLで限流し、ダイオードDと抵抗R2を介して回生し、干渉を防止している。
特開2001−36173 特開2007−288466 特開2001−207259
平成20年電気学会全国大会、第1分冊、S4(27)〜S4(30)、「スパッタプラズマの課題と今後の展望」、菊地直人、草野英二
前記のように、プラズマ応用装置(DLC成膜装置や半導体成膜装置)に使用されるパルス電源は、パルス発生のスイッチ手段としてサイラトロンや真空管などのギャップスイッチが用いられていたが、他のスイッチ手段として半導体スイッチや磁気スイッチも用いられており、これらの特徴は下記表に示すようになる。
Figure 0005321238
これら特徴から、プラズマ応用装置用のパルス電源として、寿命や安定性、制御性などに優れる半導体スイッチおよび磁気スイッチを併用したパルス電源が好適となる。
しかし、前記の図5や図7に示す半導体スイッチを用いたパルス電源は、単極性のパルス出力になり、双極性のパルスを発生できるものが要求される。すなわち、プラズマ応用装置では、前記の反応性スパッタリングにおいて、絶縁層表面に蓄積した正電荷により局所的な絶縁破壊の発生(アーキングの発生)の問題があり、このアーキングにより発生したパーティクルによって膜質の劣化や電源へのダメージといった問題を引き起こす。このアーキング防止のためには双極性のパルスを発生できるパルス電源が要求される。
双極性のパルスを発生できるパルス電源として、図9に示すように、それぞれが単極性のパルス発生電源になる2台の高電圧パルス発生電源PS(P)、PS(N)を併設し、これらパルス電源から交互にパルスを発生させることが考えられるが、これには正負パルス出力が互いに干渉するのを防止するための干渉防止回路IPC(図9参照)や電流阻止回路(図7のダイオードD1aやD1b)などが必要となる。これら干渉防止回路や電流阻止回路に使用するダイオードや抵抗、リアクトルとしては、耐電圧・電流容量が大きく、従い大型で高価なものになる。また、真空管スイッチを用いることで、安定性が低い、短寿命の問題もある。
本発明の目的は、半導体素子および磁気スイッチをスイッチ手段として負荷放電管に安定した双極性のパルスを印加でき、しかも干渉防止回路や電流阻止回路を不要にすると共にキックバックエネルギーの回生ができるパルス電源を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、パルス発生回路と磁気パルス圧縮回路で構成する2台のパルス電源を使用し、両パルス電源の出力電圧の極性を逆にした構成とし、両パルス発生回路の時分割運転でそれぞれパルス電流を発生し、負荷に双極性のパルス電流を出力するようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
(1)予備充電される初段コンデンサから半導体スイッチによる放電でパルス電流を発生するパルス発生回路と、前記パルス電流で充電されるコンデンサを可飽和リアクトルの磁気スイッチ動作により磁気パルス圧縮したパルス電流を得る磁気パルス圧縮回路とを組み合わせたパルス電源において、
前記パルス発生回路および前記磁気パルス圧縮回路は2台構成で、片方の出力回路にパルストランスを接続してそれぞれ出力電圧の極性を逆にした構成とし、各パルス発生回路の時分割運転でそれぞれパルス電流を発生し、負荷に双極性のパルス電流を出力することを特徴とするパルス電源。
以上のとおり、本発明によれば、パルス発生回路と磁気パルス圧縮回路で構成する2台のパルス電源を使用し、両パルス電源の出力電圧の極性を逆にした構成とし、両パルス発生回路の時分割運転でそれぞれパルス電流を発生し、負荷に双極性のパルス電流を出力するようにしたため、半導体素子および磁気スイッチをスイッチ手段として負荷放電管に安定した双極性のパルスを印加でき、しかも干渉防止回路や電流阻止回路を不要にすると共にキックバックエネルギーの回生ができる
具体的には、
・プラズマ応用装置の負荷放電電極に、双極性のパルスを印加できる。
・プラズマ応用装置の負荷放電電極で、アーキングの発生をなくし、膜質の劣化や電源へのダメージといった問題が解決する。
・パルス電源間の干渉防止回路や電流阻止回路が不要になる。
・負荷で吸収されない余剰エネルギーが初段コンデンサC0に回生できる。
・パルス電源が半導体スイッチと磁気圧縮回路で構成されるため、高電圧・大電流の急峻なパルスを高繰り返しで安定供給できる。
・1つのパルス電源とそのパルス電源のパルストランス以降の極性を逆にしたパルス電源の2台で構成できるため、パルス電源の製作が容易である(パルス電源内部の改造のみで対応できる)。
・1種類のパルス電源を2台使って構成できるため、パルス電源の製作が容易である(パルス電源外部の改造のみで対応できる)。
・片方のパルス電源の出力部にパルストランスを入れることにより、出力電圧を容易に変化させることができる。
実施形態1を示すパルス電源の構成図。 実施形態1の動作説明図。 実施形態2を示すパルス電源の構成図。 実施形態2の動作説明図。 従来のエキシマレーザ用パルス電源の回路図。 図5の等価回路図。 従来のパルス電源の構成例。 従来のバイポーラ型マグネトロンスパッタ装置の概略図。 従来のDLC成膜装置の回路構成図。
(実施形態1)
図1は、本実施形態を示すパルス電源の構成図であり、プラズマ応用装置などの低インピーダンスとなる負荷放電管に双極性の高電圧パルスを印加できるパルス電源としている。
同図において、パルス発生回路11a,11bと充電器12a,12bおよび磁気パルス圧縮回路13a,13bは2台構成で、それぞれ出力パルス電圧の極性が逆になる回路構成とし、各パルス発生回路11a,11bの交互運転でそれぞれパルス電流を発生し、負荷14に双極性のパルス電流を出力する。
パルス発生回路11a,11bおよび磁気パルス圧縮回路13a,13bの具体的な回路構成は、例えば図5に示すものと同様の構成にされ、キックバックエネルギーの回生機能も備える。ただし、パルス発生回路11a,11bのパルストランスPT1aとPT1bの出力極性は互いに逆にし、磁気パルス圧縮回路13a,13bの可飽和リアクトルSI1a、SI2aとSI1b、SI2bの初期磁化方向(→で示す)も逆にする。なお、ピーキングコンデンサCpは負荷14の構成によっては不要のものもあり、この場合は直接に負荷放電管を接続する。
図1の構成によるパルス電源で、負荷(負荷放電電極)14に双極性の高電圧パルスを印加するための動作を図2で説明する。
基本動作は、2台のパルス電源を交互に運転し、負荷放電電極に正負双極性のパルス電圧を印加し、放電を起こす。交互運転のタイミングは、図示していないが制御回路による充電指令とパルス発生回路の半導体スイッチのゲートトリガで任意のタイミングに出力する。なお、交互運転のタイミングは、等間隔でも良いし、正負パルスが近接していても良い。ただし、正パルス発生後、磁化リセット動作中に負パルス発生など近すぎると問題がある。また、各パルス電源の出力電圧も任意に設定できる。すなわち、正負パルスの波高値が多少違っていても良い。
(A)図2の上側のパルス電源の動作
(初期条件)充電器12aでパルス発生回路11a内の初段コンデンサC0(図5参照)を一定電圧まで充電しておく。各可飽和リアクトルSI1a,SI2aを初期磁化状態(図中の矢印の方向)に磁化する。同様に、パルス発生回路11a内の可飽和リアクトルSI0(図5参照)を初期磁化状態に磁化しておく。
(電流i11および電流i11’)パルス発生回路11aでパルスを発生し、パルストランスPT1aが図示の方向でトランス動作し、コンデンサC1aを負に充電する。
(電流i12)可飽和リアクトルSI1aが飽和し、コンデンサC1aからC2aにエネルギー転送される。
(電流i13)可飽和リアクトルSI2aが飽和し、コンデンサC2aからCpにエネルギー転送される。このとき、図2の下側のパルス電源へはほとんど電流が流れない。すなわち、コンデンサCpの電圧により可飽和リアクトルSI2bも磁化しようとするが、可飽和リアクトルSI2bが飽和する時間に達する前にコンデンサCpから負荷放電電極14に放電が起き、可飽和リアクトルSI2bが非飽和状態を維持し、可飽和リアクトルSI2b側への電流をブロックする。結果的に、可飽和リアクトルSI2bは初期磁化方向と逆の方向に少し磁化される。
(電流i14)負荷放電電極14で放電が起こり、コンデンサCpの負の電圧が極性反転して正に充電される。
(電流i15)コンデンサCpからC2aにエネルギー転送される。このとき、図2の下側のパルス電源へは電流が流れない。すなわち、上記電流i13の一部の微小電流で可飽和リアクトルSI2bが非飽和領域に磁化されており、電流をブロックする。
(電流i16)コンデンサC2aからC1aにエネルギー転送される。
(電流i17およびi17’)パルス発生回路11a内の回生回路(図5参照)によりコンデンサC0に初期充電極性で回生される。
(B)図2の下側のパルス電源の動作
(初期条件)充電器12bでパルス発生回路11bの初段コンデンサC0(図5参照)を一定電圧まで充電しておく。各可飽和リアクトルSI1b,SI2bを初期磁化状態(図中の矢印の方向)に磁化する。同様に、パルス発生回路11b内の可飽和リアクトルSI0(図5参照)を初期磁化状態に磁化しておく。
(電流i21およびi21’)パルス発生回路11bでパルスを発生し、パルストランスPT1bが図示の方向でトランス動作し、コンデンサC1bを正に充電する。
(電流i22)可飽和リアクトルSI1bが飽和し、コンデンサC1bからC2bにエネルギー転送される。
(電流i23)可飽和リアクトルSI2bが飽和し、コンデンサC2bからCpにエネルギー転送される。このとき、図2の上側のパルス電源へはほとんど電流が流れない。すなわち、コンデンサCpの電圧により可飽和リアクトルSI2aも磁化しようとするが、可飽和リアクトルSI2aが飽和する時間に達する前にコンデンサCpから負荷放電電極14に放電が起き、可飽和リアクトルSI2aが非飽和状態を維持し、可飽和リアクトルSI2a側への電流をブロックする。結果的に、可飽和リアクトルSI2aは初期磁化方向と逆の方向に少し磁化される。
(電流i24)負荷放電電極14で放電が起こり、コンデンサCpの正の電圧が極性反転して負に充電される。
(電流i25)コンデンサCpからC2bにエネルギー転送される。このとき、図2の上側のパルス電源へは電流が流れない。すなわち、上記電流i23の一部の微小電流で可飽和リアクトルSI2aが非飽和領域に磁化されており、電流をブロックする。
(電流i26)コンデンサC2bからC1bにエネルギー転送される。
(電流i27およびi27’)パルス発生回路11b内の回生回路(図5参照)によりコンデンサC0に初期充電極性で回生される。
したがって、本実施形態によれば、
・プラズマ応用装置の負荷放電電極に、双極性のパルスを印加できる。
・プラズマ応用装置の負荷放電電極で、アーキングの発生をなくし、膜質の劣化や電源へのダメージといった問題が解決する。
・パルス電源間の干渉防止回路や電流阻止回路が不要になる。
・負荷で吸収されない余剰エネルギーが初段コンデンサC0に回生できる。
・パルス電源が半導体スイッチと磁気圧縮回路で構成されるため、高電圧・大電流の急峻なパルスを高繰り返しで安定供給できる。
・1つのパルス電源とそのパルス電源のパルストランス以降の極性を逆にしたパルス電源の2台で構成できるため、パルス電源の製作が容易である(パルス電源内部の改造のみで対応できる)。
(実施形態2)
図3は、本実施形態を示すパルス電源の構成図であり、図1と異なる部分は2台のパルス電源のうち、片方のパルス電源は出力をそのままコンデンサCpに接続し、もう片方のパルス電源は出力にパルストランス回路16を介してコンデンサCpに接続した構成とする。
2台のパルス電源の極性はどちらでも良い。ここでは2台とも負極性出力とする(同じ電源回路構成)。パルストランス回路16のPT2は、パルストランスがない電源の極性と逆の極性で出力する巻線構成とする。コンデンサCpは負荷14の構成によっては不要のものもあり、この場合は直接に負荷放電管を接続する。
図3の構成によるパルス電源で、負荷(負荷放電電極)14に双極性の高電圧パルスを印加するための動作を図4で説明する。
基本動作は、2台のパルス電源を交互に運転し、負荷放電電極に正負双極性のパルス電圧を印加し、放電を起こす。交互運転のタイミングは、図示していないが制御回路による充電指令とパルス発生回路の半導体スイッチのゲートトリガで任意のタイミングに出力する。なお、交互運転のタイミングは等間隔でも良いし、正負パルスが近接していても良い。ただし、正パルス発生後、磁化リセット動作中に負パルス発生など近すぎると問題がある。また、各パルス電源の出力電圧も任意に設定できる。すなわち、正負パルスの波高値が多少違っていても良い。
(A)図4の上側のパルス電源の動作
(初期条件)充電器12aでパルス発生回路11a内の初段コンデンサC0(図5参照)を一定電圧まで充電しておく。各可飽和リアクトルSI1a,SI2aを初期磁化状態(図中の矢印の方向)に磁化する。同様に、パルス発生回路11a内の可飽和リアクトルSI0(図5参照)を初期磁化状態に磁化しておく。
(電流i11およびi11’)パルス発生回路11aでパルスを発生し、パルストランスPT1aが図示の方向でトランス動作し、コンデンサC1aを負に充電する。
(電流i12)可飽和リアクトルSI1aが飽和し、コンデンサC1aからC2aにエネルギー転送される。
(電流i13)可飽和リアクトルSI2aが飽和し、コンデンサC2aからCpにエネルギー転送される。このとき、図4の下側のパルス電源へはほとんど電流が流れない。すなわち、可飽和リアクトルSI2bが非飽和で電流をブロックする。このとき、可飽和リアクトルSI2bは初期磁化方向と逆の方向に少し磁化される。
(電流i14)負荷放電電極14で放電が起こり、コンデンサCpの負の電圧が極性反転して正に充電される。
(電流i15)コンデンサCpからC2aにエネルギー転送される。このとき、図4の下側のパルス電源へは電流が流れない。すなわち、上記電流i13の一部の微小電流で可飽和リアクトルSI2bが非飽和領域に磁化されており、電流をブロックする。
(電流i16)コンデンサC2aからC1aにエネルギー転送される。
(電流i17およびi17’)パルス発生回路11a内の回生回路(図5参照)によりコンデンサC0に初期充電極性で回生される。
(B)図4の下側のパルス電源の動作
(初期条件)充電器12bでパルス発生回路11bの初段コンデンサC0(図5参照)を一定電圧まで充電しておく。各可飽和リアクトルSI1b,SI2bを初期磁化状態(図中の矢印の方向)に磁化する。同様に、パルス発生回路11b内の可飽和リアクトルSI0(図5参照)を初期磁化状態に磁化しておく。
(電流i21およびi21’)パルス発生回路11bでパルス発生し、パルストランスPT1bが図示の方向でトランス動作し、コンデンサC1bを負に充電する。
(電流i22)可飽和リアクトルSI1bが飽和し、コンデンサC1bからC2bにエネルギー転送される。
(電流i23)可飽和リアクトルSI2bが飽和し、コンデンサC2bからCpにエネルギー転送される。このとき、パルストランスPT2がトランス動作する。このとき、図4の上側のパルス電源へはほとんど電流が流れない。すなわち、可飽和リアクトルSI2aが非飽和で電流をブロックする。このとき、可飽和リアクトルSI2aは初期磁化方向と逆の方向に少し磁化される。
(電流i24)負荷放電電極14で放電が起こり、コンデンサCpの正の電圧が極性反転して負に充電される。
(電流i25)コンデンサCpからC2bにエネルギー転送される。このとき、パルストランスPT2がトランス動作する。このとき、図4の上側のパルス電源へは電流が流れない。すなわち、上記電流i23の一部の微小電流で可飽和リアクトルSI2aが非飽和領域に磁化されており、電流をブロックする。
(電流i26)コンデンサC2bからC1bにエネルギー転送される。
(電流i27およびi27’)パルス発生回路11b内の回生回路(図5参照)によりコンデンサC0に初期充電極性で回生される。
したがって、本実施形態によれば、実施形態1の効果に加えて、
・1種類のパルス電源を2台使って構成できるため、パルス電源の製作が容易である(パルス電源外部の改造のみで対応できる)。
・片方のパルス電源の出力部にパルストランスを入れることにより、出力電圧を容易に変化させることができる。
1、11a、11b パルス発生回路
2、12a、12b 充電器
3、13a、13b 磁気パルス圧縮回路
4、14 負荷
5 磁化リセット回路
16 パルストランス回路
PT、PT1a、PT1b、PT2 パルストランス
C0,C1,C2,C1a、C1b、C2a、C2b コンデンサ
Cp ピーキングコンデンサ
SI0,SI1,SI2,SI1a、SI1b、SI2a,SI2b 可飽和リアクトル

Claims (1)

  1. 予備充電される初段コンデンサから半導体スイッチによる放電でパルス電流を発生するパルス発生回路と、前記パルス電流で充電されるコンデンサを可飽和リアクトルの磁気スイッチ動作により磁気パルス圧縮したパルス電流を得る磁気パルス圧縮回路とを組み合わせたパルス電源において、
    前記パルス発生回路および前記磁気パルス圧縮回路は2台構成で、片方の出力回路にパルストランスを接続してそれぞれ出力電圧の極性を逆にした構成とし、各パルス発生回路の時分割運転でそれぞれパルス電流を発生し、負荷に双極性のパルス電流を出力することを特徴とするパルス電源。
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