JP5319549B2 - 溶液内捕捉イムノアッセイで使用する非変性細胞溶解試薬 - Google Patents

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Description

本発明は、溶液内捕捉(capture−in−solution)イムノアッセイで使用する非変性細胞溶解試薬に関する。この細胞溶解試薬は、イムノアッセイにおいて使用する捕捉抗体の動物種と同じ動物種に対する免疫グロブリンを含有する疑いのあるサンプルの診断イムノアッセイにおいて有用である。
臨床上関心のある多数のアナライトは細胞により取り込まれ、または試験サンプルの他の成分の1以上と複合体を形成する。したがって、サンプル中に存在するアナライトの量の正確な測定結果を得るためには、アッセイにおける検出のためにアナライトが細胞または他の成分から遊離される条件下、サンプルを処理し、および/またはアッセイを行うことが好ましい。
例えば、タクロリムス、エベロリムス、テムソロリムスおよびシクロスポリンのような免疫抑制薬は移植手術後の器官または組織拒絶、移植片対宿主病およびヒトにおける自己免疫疾患の治療に有効である。免疫抑制薬物療法中、免疫抑制薬の血液濃度レベルのモニターは臨床ケアの重要な態様である。なぜなら、不十分な薬物レベルは移植片(器官または組織)拒絶を招き、過剰レベルは、望ましくない副作用および毒性を招くからである。したがって、薬物レベルを適当な濃度に維持するために薬物投与量が調節されうるよう、免疫抑制薬の血中レベルが測定される。したがって、免疫抑制薬の血中レベルの測定のための診断アッセイは広範な臨床用途を有する。
まず、免疫抑制薬を患者のサンプルのその他の成分から抽出し分離しなければならない。患者のサンプル中の免疫抑制薬の大部分は結合タンパク質のような種々の「担体」分子との複合体中に存在する。シロリムス、タクロリムスおよびシクロスポリンは患者の試料の赤血球中に主に見出され、特異的結合タンパク質(シロリムスおよびタクロリムスの場合にはFKBP、そしてシクロスポリンの場合にはシクロフィリン)と結合している。試料中の全薬物濃度の正確な測定を保証するためには、結合タンパク質に結合した薬物を、好ましくは、定量前に遊離させる。これは、細胞を細胞溶解する界面活性剤および/またはサンプルタンパク質を変性させる有機溶媒を使用し、ついでサンプルタンパク質から薬物を分離することにより対処されている。
薬物は、その抽出後、吸光度または質量分光光度検出を伴うクロマトグラフィーまたはイムノアッセイを含む多数の異なる方法により測定されうる。免疫抑制薬に関するイムノアッセイは種々の形態で利用可能であるが、全ては免疫抑制薬に対する抗体または結合タンパク質(例えば、FKBP)の結合を利用する。一般に用いられるイムノアッセイは、免疫抑制薬への捕捉抗体の結合および残存遊離抗体結合部位への標識免疫抑制薬(例えば、アクリジニウム−シロリムス)の結合、ならびにそれに続く、標識の検出による定量を含むアッセイである。シクロスポリンイムノアッセイのための標準的な形態は、ヤギ抗マウス抗体コート化微粒子に結合したマウス抗シクロスポリンモノクローナル抗体を使用する。
前記アプローチは、典型的には、アッセイ前に結合タンパク質および他の潜在的に阻害性のタンパク質をサンプルから除去する分離工程を要する。例えば、分離工程を行わない場合、免疫抑制薬の濃度を測定するために行うイムノアッセイの成分と抗体とが交差反応しうるが、このアプローチでは、そのような抗体を除去する。特にヒトのサンプルは、アッセイにおける捕捉または検出抗体として使用される、特定の動物種、例えばマウスからの抗体に結合する抗種抗体を含有することがある。インビボ診断法のため又は治療としてのマウスモノクローナル抗体の従前投与の結果として、ヒト血液中に阻害性抗マウス抗体が存在することがある。
発明の概括
本発明は、捕捉抗体を使用するイムノアッセイにおいて使用する試験サンプルを調製する方法を提供する。特定の実施形態においては、試験サンプルには、ヒト血液サンプルが含まれる。方法は、試験サンプルを細胞溶解試薬に接触させて細胞溶解混合物を形成させることを含む。細胞溶解試薬は、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの類似体よりなる群から選ばれるグリコールを含む。典型的な実施形態においては、グリコールは細胞溶解試薬中に約60%から約80%の範囲の濃度で存在する。捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリンが細胞溶解試薬中に含まれ、または細胞溶解混合物に加えられる。ある実施形態においては、免疫グロブリンには、マウス免疫グロブリン、例えば非特異的ポリクローナルマウスIgGが含まれる。典型的な実施形態においては、免疫グロブリンは細胞溶解試薬中に約90μg/mLから110μg/mLの範囲の濃度で存在する。
特定の実施形態においては、細胞溶解試薬は更に、5個以下の炭素を有する少なくとも1種のアルコールを含む。
例示的な実施形態においては、試験サンプルを細胞溶解試薬に約1:2から約1:4の範囲の比で加える。
好ましくは、方法は、細胞溶解混合物を遠心分離することを含まない。ある実施形態においては、方法は、試験サンプルまたは細胞溶解混合物を界面活性剤に接触させることを含まない。別の実施形態においては、方法は、試験サンプルまたは細胞溶解混合物を界面活性剤に接触させることを含む。
イムノアッセイが、試験サンプル中の1以上の結合タンパク質に結合したアナライトを検出する場合、方法は更に、試験サンプルまたは細胞溶解混合物を、結合タンパク質からアナライトを遊離させる物質に接触させることを含みうる。遊離誘発性物質は、例えば、結合タンパク質への結合に関してアナライトと競合しうる。1つの例示的な実施形態においては、アナライトは免疫抑制薬を含み、物質は、異なるが構造的に類似している免疫抑制薬を含む。アナライトが非タンパク質分子である場合、遊離誘発性物質には、その1以上の結合タンパク質を分解するプロテアーゼが含まれうる。
本発明のもう1つの態様は、捕捉抗体を使用するイムノアッセイにおいて使用する細胞溶解試薬混合物である。細胞溶解試薬混合物は、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの類似体よりなる群から選ばれるグリコールを含む。捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリンが細胞溶解試薬混合物中に含まれる。ある実施形態においては、免疫グロブリンには、マウス免疫グロブリン、例えば非特異的ポリクローナルマウスIgGが含まれる。
特定の実施形態においては、混合物は更に、免疫グロブリンに特異的な抗体を含む疑いのある試験サンプルを含む。試験サンプルには、例えば、ヒト血液サンプルが含まれうる。そのような実施形態の変形態様においては、グリコールは(試験サンプルの添加の後)細胞溶解試薬混合物中に約15%から約20%の範囲の濃度で存在し、および/または免疫グロブリンは細胞溶解試薬混合物中に約20μg/mLから30μg/mLの範囲の濃度で存在する。
ある実施形態においては、細胞溶解試薬混合物は更に、5個以下の炭素を有する少なくとも1種のアルコールを含む。細胞溶解試薬混合物は、場合によっては、界面活性剤を含みうる。
本発明はまた、アナライトの存在または濃度を決定するためのイムノアッセイ方法を提供する。方法は、試験サンプルを細胞溶解試薬に接触させて細胞溶解混合物と形成させることを含む。細胞溶解試薬は、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの類似体よりなる群から選ばれるグリコールを含む。典型的な実施形態においては、グリコールは細胞溶解試薬中に約60%から約80%の範囲の濃度で存在する。アナライトに結合する捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリンが細胞溶解試薬中に含まれ、または細胞溶解混合物に加えられる。ある実施形態においては、免疫グロブリンには、マウス免疫グロブリン、例えば非特異的ポリクローナルマウスIgGが含まれる。典型的な実施形態においては、免疫グロブリンは細胞溶解試薬中に約90μg/mLから110μg/mLの範囲の濃度で存在する。
細胞溶解混合物を、捕捉抗体に対する固相固定結合パートナーを含む固相に、および捕捉抗体に接触させる。捕捉抗体は結合パートナーに予め結合していない。接触は、捕捉抗体がアナライトおよび固相固定結合パートナーに結合して捕捉抗体およびアナライトが固相固定免疫複合体を形成するのに適した条件下で行う。
検出用物質が固相固定免疫複合体に結合するのに適した条件下、固相を検出用物質に接触させ、ついでそのような結合の検出を行う。
典型的な実施形態においては、イムノアッセイ方法は競合イムノアッセイを含み、検出用物質は標識アナライトまたは標識アナライト類似体を含み、標識からのシグナルは試験サンプル中のアナライトの濃度に反比例する。
特定の実施形態においては、アナライトには、免疫抑制薬、例えばシロリムス(sirolimus)、タクロリムス(tacrolimus)、エベロリムス(everolimus)、テムソロリムス(temsorolimus)、ゾタロリムス(zotarolimus)、シクロスポリン(cyclosporine)またはこれらの化合物のいずれかの類似体が含まれる。
特定の実施形態においては、細胞溶解試薬は更に、5個以下の炭素を有する少なくとも1種のアルコールを含む。
試験サンプルには、例えばヒト血液サンプルが含まれうる。例示的な実施形態においては、試験サンプルを細胞溶解試薬に約1:2から約1:4の範囲の比で加える。
好ましくは、イムノアッセイ方法は、細胞溶解混合物を遠心分離することを含まない。ある実施形態においては、方法は、試験サンプルまたは細胞溶解混合物を界面活性剤に接触させることを含まない。別の実施形態においては、方法は、試験サンプルまたは細胞溶解混合物を界面活性剤に接触させることを含む。
イムノアッセイが、試験サンプル中の1以上の結合タンパク質に結合したアナライトを検出する場合、方法は更に、試験サンプルまたは細胞溶解混合物を、結合タンパク質からアナライトを遊離させる物質に接触させることを含みうる。遊離誘発性物質は、例えば、結合タンパク質への結合に関してアナライトと競合しうる。1つの例示的な実施形態においては、アナライトは免疫抑制薬を含み、物質は、異なるが構造的に類似している免疫抑制薬を含む。アナライトが非タンパク質分子である場合、遊離誘発性物質には、その1以上の結合タンパク質を分解するプロテアーゼが含まれうる。
本発明のもう1つの態様は、(a)捕捉抗体、(b)エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの類似体よりなる群から選ばれるグリコールを含む細胞溶解試薬、ならびに(c)捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリンを含んでなる試験キットである。場合によっては、試験キットは更に、(d)標識アナライト(例えば、検出のための追跡試薬として使用されるもの)を含む。ある実施形態においては、細胞溶解試薬および免疫グロブリンが組合され、単一の容器内に梱包される。試験キットは更に、捕捉抗体に対する固相固定結合パートナーを含む固相を含有することが可能であり、この場合、固相および捕捉抗体は別々の容器内に梱包される。特定の実施形態においては、試験キットは、少なくとも1つのアナライトを含む対照組成物を含有する。
ある実施形態においては、免疫グロブリンには、マウス免疫グロブリン、例えば非特異的ポリクローナルマウスIgGが含まれる。
特定の実施形態においては、アナライトには、免疫抑制薬、例えばシロリムス、タクロリムス、エベロリムス、テムソロリムス、ゾタロリムス、シクロスポリンまたはこれらの化合物のいずれかの類似体が含まれる。
典型的な実施形態においては、グリコールは細胞溶解試薬中に約60%から約80%の範囲の濃度で存在する。免疫グロブリンは細胞溶解試薬中に約90μg/mLから110μg/mLの範囲の濃度で存在しうる。
特定の実施形態においては、細胞溶解試薬は更に、5個以下の炭素を有する少なくとも1種のアルコールを含む。試験キットは、場合によっては、界面活性剤を含みうる。イムノアッセイが、試験サンプル中の1以上の結合タンパク質に結合したアナライトを検出する場合、試験キットは更に、結合タンパク質からアナライトを遊離させる物質を含みうる。遊離誘発性物質は、例えば、結合タンパク質への結合に関してアナライトと競合しうる。1つの例示的な実施形態においては、アナライトは免疫抑制薬を含み、物質は、異なるが構造的に類似している免疫抑制薬を含む。アナライトが非タンパク質分子である場合、遊離誘発性物質には、その1以上の結合タンパク質を分解するプロテアーゼが含まれうる。
典型的な試験キットは、(a)シロリムス、タクロリムス、エベロリムス、テムソロリムス、ゾタロリムス、シクロスポリンまたはこれらの化合物のいずれかの類似体よりなる群から選ばれる少なくとも1つの免疫抑制薬に特異的に結合しうる捕捉抗体、(b)(i)エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの類似体よりなる群から選ばれるグリコールと、(ii)アナライトに結合する捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリンとを含む細胞溶解試薬、(c)捕捉抗体に対する固相固定結合パートナーを含む固相(ここで、固相および捕捉抗体は別々の容器内で提供される。)、ならびに(d)(a)の少なくとも1つの免疫抑制薬を含む対照組成物を含む。他の実施形態においては、試験キットは、場合によっては更に、(e)標識アナライト(例えば、検出のための追跡試薬として使用されるもの)を含む。
図1は、二試薬二工程法(不均一細胞溶解混合物)を用いるシクロスポリンアッセイのためのサンプル調製を例示する流れ図を示す。この方法は、細胞溶解およびシクロスポリンのその結合タンパク質からの遊離、ならびにそれに続く、サンプルタンパク質を取り出すための遠心分離により特徴づけられる。このアプローチにおいては、アッセイは、ヒト抗マウス抗体(HAMA)のような内在性阻害物質による影響を受けない。なぜなら、これらはアッセイ前に除去されるからである。 図2は、二試薬二工程法と共に行われる競合イムノアッセイの概要図である。アッセイは固相として磁気微粒子(μP)を使用する。ヤギ抗マウス抗体(GAM)を、抗シクロスポリンモノクローナル抗体(Mab;捕捉抗体)のための結合パートナーとして微粒子に結合させる。MabはGAMに予め結合している。シクロスポリンアナライト(CsA)を含有するサンプル混合物(図1の方法により得られたもの)を微粒子に、およびNaClを含有する適当なアッセイ特異的希釈剤(ASD)に接触させる。その予め結合している抗シクロスポリンMabはサンプル中のCsAに結合する。洗浄工程後、微粒子を、サンプルCsAにより占拠されていない抗シクロスポリンMab上の部位に結合するアクリジニル化CsA(標識アナライト)よりなる追跡用物質に接触させる。測定されたシグナルはサンプル中のアナライトの濃度に反比例する。 図3は、均一系単一試薬単一工程法を用いるシクロスポリンアッセイのためのサンプル調製を例示する流れ図を示す。このアプローチにおいては、HAMAのような内在性阻害物質が細胞溶解混合物中に存在する。 図4は、溶液内捕捉イムノアッセイを用いて行う競合イムノアッセイの概要図である。アッセイは、結合したヤギ抗マウス抗体(GAM)を伴う磁気微粒子(μP)を固相として使用する。GAMは抗シクロスポリンモノクローナル抗体(Mab;捕捉抗体)のための結合パートナーとして作用するが、MabはGAMに予め結合しておらず、その代わりに、Mab(例えば、200ng/mLのMab)はアッセイ特異的希釈剤(ASD)を介してアッセイ混合物に供給される。細胞溶解混合物(図3の方法により得られたもの)はシクロスポリンアナライト(CsA)およびマウスIgG(HAMAブロッカー)を含有する。この細胞溶解混合物を抗シクロスポリンMab含有アッセイ特異的希釈剤(ASD)および微粒子に接触させる。抗シクロスポリンMabはサンプル中のCsAに結合し、GAM抗体を介して微粒子に結合する。洗浄工程後、微粒子を、サンプルCsAにより占拠されていない抗シクロスポリンMab上の部位に結合するアクリジニル化CsA(標識アナライト)よりなる追跡用物質に接触させる。測定されたシグナルはサンプル中のアナライトの濃度に反比例する。そのようなアッセイは、例えば、自動化ARCHITECT(登録商標)i2000(登録商標)分析装置(Abbott Laboratories,Abbott Park,Illinois)において行われうる。 図5は、100μg/mL マウスIgGの存在下または非存在下に70% エチレングリコールを含む細胞溶解試薬に関して試験したARCHITECT(登録商標)Cyclosporine Assay(Abbott Laboratories,Abbott Park,Illinois)を使用して得たグラフである。横軸:シクロスポリン量(ng/mL)。縦軸:シグナル(相対光単位、すなわちRLU)。記号:(黒塗の菱形)細胞溶解試薬中にエチレングリコールのみ;(黒塗の正方形)細胞溶解試薬中にエチレングリコールおよびマウスIgG。 図6は、30% 蒸留水または30% Tris(pH7.5または8.0)またはTEAバッファー(pH8.0)中に70% エチレングリコール、100μg/mL マウスIgGを含む細胞溶解試薬に関して試験したARCHITECT(登録商標)Cyclosporine Assay(Abbott Laboratories,Abbott Park,Illinois)を使用して得たグラフである。横軸:シクロスポリン量(ng/mL)。縦軸:シグナル(相対光単位、すなわちRLU)。記号:(黒塗の菱形)Trisバッファー,pH8.0;(黒塗の正方形)Trisバッファー,pH7.5;(黒塗の三角形)TEAバッファー,pH8.0;(−x−)水。
詳細な説明
本発明は、後続の分離工程を伴うことなくアッセイされうる均一細胞溶解混合物を得るために試験サンプルと混合されうる非変性細胞溶解試薬に関する。本発明の方法および試薬は、基本的には、後続のイムノアッセイにおいて使用される抗体、例えば捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリンに特異的なサンプル抗体の潜在的阻害を中和する。
細胞溶解試薬は、例えば、シクロスポリンに関する溶液内捕捉イムノアッセイにおける全血の均一前処理において使用されうる。患者の試料中に存在しうるヒト抗マウス抗体(HAMA)からの阻害を軽減または防止するために、細胞溶解試薬中に非特異的マウスIgGを含有させることが可能である。細胞溶解試薬を血液サンプルと混合して、手動または自動化ピペッティング系により容易にピペッティングされうる血液成分の均一混合物を得る。
定義
特許請求の範囲および明細書において用いる用語は、特に示さない限り、以下に記載するとおりに定義される。
本明細書中で用いる「免疫抑制薬」または「免疫抑制剤」は、ラパマイシン(シロリムス)またはシクロスポリン(シクロスポリンAとしても公知である。)と同一の又は類似した化学構造を有する、小分子または抗体に基づく治療用化合物を意味する。ラパマイシンまたはシクロスポリンの任意の公知の又は後に開発される類似体が本明細書において免疫抑制薬とみなされる。好ましい免疫抑制薬には、シロリムス、タクロリムス、エベロリムス、テムソロリムス、ゾタロリムスおよびシクロスポリンが含まれる。タクロリムスおよびシクロスポリンは、インターロイキン2のようなサイトカインの抑制により免疫系のTリンパ球の初期活性化を抑制するカルシニューリンインヒビターである。これとは対照的に、シロリムス、エベロリムスおよびゾタロリムスの一次標的は、特異的細胞周期調節性タンパク質である、ラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)である。mTORの抑制はサイトカイン駆動性Tリンパ球増殖の抑制を招く。
シクロスポリンの化学式を図Aに示す。シロリムス(ラパマイシン)の化学式を式Bに示す。エベロリムス(RAD)の、シロリムスとは構造上異なる部分の化学式を、図Cに示す。
Figure 0005319549
シクロスポリンの多数の誘導体または類似体が製造されている。本発明は、シクロスポリンまたはその類似体のいずれかに関する細胞溶解試薬、細胞溶解方法、アッセイおよびアッセイキットを含む。
ラパマイシンの多数の誘導体または類似体が製造されている。例えば、これらには、ラパマイシンのエステル モノ−およびジ−エステル誘導体(PCT国際出願WO 92/05179)、ラパマイシンの27−オキシム(欧州特許EP 0 467606)、ラパマイシンの42−オキソ類似体(米国特許第5,023,262号)、二環式ラパマイシン(米国特許第5,120,725号)、ラパマイシン二量体(米国特許第5,120,727号)、ラパマイシンのシリルエーテル(米国特許第5,120,842号)ならびにアリールスルホナートおよびスルファマート(米国特許第5,177,203号)の製造が含まれる。ラパマイシンは、最近、その天然に存在するエナンチオマー形態として合成された。(K.C.Nicolaouら,J.Am.Chem.Soc,1993,115,4419−4420;S.L.Schreiber,J.Am.Chem.Soc,1993,115,7906−7907;S.J.Danishefsky,J.Am.Chem.Soc,1993,115,9345−9346)。本発明は、ラパマイシンまたはその類似体のいずれかに関する細胞溶解試薬、細胞溶解方法、アッセイおよびアッセイキットを含む。
ラパマイシンのもう1つの免疫抑制薬類似体は、エス・ツクバエンシス(S.tsukubaensis)の株から単離された、タクロリムスとしても公知のFK−506である。FK−506の化学式は欧州特許EP 0 293 892 B1に公開されている。FK506の類似体には、関連天然物FR−900520およびFR−900523が含まれ、これらは、C−21のそれらのアルキル置換基においてFK506とは異なり、エス・ヒグロスコピクス・ヤクシムナエンシス(S.hygroscopicus yakushimnaensis)から単離された。エス・ツクバエンシス(S.tsukubaensis)により産生されるもう1つの類似体FR−900525は、プロリン基によるピペコリン酸部分の置換においてFK506とは異なる。本発明は、FK506またはその類似体のいずれかに関する細胞溶解試薬、細胞溶解方法、アッセイおよびアッセイキットを含む。テムソロリムスはシロリムスのもう1つのエステル誘導体であり、本発明によりモニターされうる。
ABT−578[40−エピ−(1−テトラゾリル)−ラパマイシン](今日ではゾタロリムスとしてのほうがよく知られている。)は、ラパマイシンから誘導される半合成マクロライドトリエン抗生物質である。ゾタロリムスの構造を図Dに示す。
Figure 0005319549
免疫抑制薬に関して本明細書中で用いる「構造的に類似」なる語は、薬物が少なくとも1つの共通の結合パートナー(例えば、結合タンパク質)に競合的に結合するのに十分な程度に類似した構造を薬物が有することを示す。
「試験サンプル」なる語は、免疫抑制薬アナライトの起源である動物の体の成分、組織または流体を意味する。これらの成分、組織および流体には、ヒトおよび動物の体液、例えば全血、血清、血漿、滑液、脳脊髄液、尿、リンパ液ならびに気道、腸管および尿生殖路の種々の外分泌物、涙、唾液、乳、白血球、骨髄腫など;生物学的流体、例えば細胞培養上清;固定組織試料;ならびに固定細胞試料が含まれる。好ましくは、試験サンプルはヒト末梢血サンプルである。
本明細書中で用いる「抗体」は、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子の断片により実質的にコードされる1以上のポリペプチドよりなるタンパク質を意味する。この用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体およびそれらのフラグメント、ならびに免疫グロブリン遺伝子配列から改変操作された分子を含む。認識されている免疫グロブリン遺伝子には、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロンおよびミュー定常領域遺伝子ならびに種々の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖はカッパまたはラムダとして分類される。重鎖はガンマ、ミュー、アルファ、デルタまたはイプシロンとして分類され、今度はこれが、それぞれ、免疫グロブリンクラスIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEを定める。
典型的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は四量体を構成することが公知である。各四量体はポリペプチド鎖の2つの同一ペアから構成され、各ペアは1本の「軽」鎖(約25kD)および1本の「重」鎖(約50から70kD)を有する。各鎖のN末端は、主として抗原認識をもたらす約100から110個以上のアミノ酸の可変領域を定める。「可変軽鎖(VL)」および「可変重鎖(VH)」なる語は、それぞれ、これらの軽鎖および重鎖を意味する。
抗体は、完全な免疫グロブリンとして、または種々のペプチダーゼでの消化により生成した十分に特徴づけられたフラグメントとして存在する。したがって、例えば、ペプシンはヒンジ領域内のジスルフィド架橋より下の抗体を消化してF(ab’)2を産生する。これは、それ自体が、ジスルフィド結合によりVH−CH1に結合した軽鎖であるFabの二量体である。F(ab’)2は穏和な条件下で還元されて、ヒンジ領域内のジスルフィド結合が分解され、それにより、F(ab’)2二量体はFab’単量体に変換される。Fab’単量体は、本質的には、ヒンジ領域の部分を伴うFabである(他の抗体フラグメントの更に詳細な説明には、Fundamental Immunology,W.E.Paul編,Raven Press,N.Y.(1993)を参照されたい)。完全な抗体の消化に関して種々の抗体フラグメントが定義されるが、そのようなFab’フラグメントは化学的に又は組換えDNA法を利用することにより新規に合成されうる、と当業者は理解するであろう。
したがって、本明細書中で用いる「抗体」なる語は、全抗体の修飾により産生される又は組換えDNA法を用いて新規に合成される抗体フラグメントをも含む。好ましい抗体には、一本鎖抗体(単一ポリペプチド鎖として存在する抗体)、より好ましくは、一本鎖Fv抗体(sFvまたはscFv)[ここで、可変重鎖および可変軽鎖が(直接的に又はペプチドリンカーを介して)互いに結合して連続的ポリペプチドを形成している]が含まれる。一本鎖Fv抗体は、直接的に連結された又はペプチドコードリンカーにより連結されたVHおよびVLをコードする配列を含む核酸から発現されうる共有結合したVH−VLヘテロ二量体である(Hustonら,(1988)Proc.Nat.Acad.Sci.USA,85:5879−5883)。VHおよびVLは単一ポリペプチド鎖としてそれぞれに連結されるが、VHドメインおよびVLドメインは非共有的に結合する。scFv抗体および多数の他の構造体は、抗体V領域からの天然で凝集するが化学的に分離される軽および重ポリペプチド鎖を、抗原結合部位構造に実質的に類似した三次元構造に折り畳まれる分子に変換することが、当業者に公知である(例えば、米国特許第5,091,513号、第5,132,405号および第4,956,778号を参照されたい)。
本明細書中で用いる「アナライト」は、試験サンプル中に存在すると疑われうる検出すべき物質を意味する。アナライトは、対応する特異的結合パートナーが天然に存在する又は対応する特異的結合パートナーが製造可能である任意の物質でありうる。したがって、アナライトは、アッセイにおいて1以上の特異的結合パートナーに結合しうる物質である。
本明細書中で用いる「結合パートナー」は、結合ペア(すなわち、分子のペアであって、分子の一方が他方の分子に結合するもの)のメンバーである。特異的に結合する結合パートナーは「特異的結合パートナー」と称される。イムノアッセイにおいて一般に使用される抗原および抗体結合パートナーに加えて、他の特異的結合パートナーには、ビオチンおよびアビジン、炭水化物およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターおよび受容体分子、補因子および酵素、酵素インヒビターおよび酵素などが含まれうる。免疫反応性特異的結合パートナーには、抗原、抗原フラグメント、抗体および抗体フラグメント、モノクローナルおよびポリクローナルの両抗体、ならびにそれらの複合体(組換えDNA法により形成されるものを含む)が含まれる。
「特異的結合」なる語は、本明細書においては、特異的部位における、結合パートナー(例えば、2つのポリペプチド、ポリペプチドおよび核酸分子、または2つの核酸分子)の、他方に対する優先的結合と定義される。「特異的に結合」なる語は、非特異的標的分子(例えば、特異的に認識される部位を欠くランダムに作製された分子)に比べて、標的分子/配列に対する結合優先性(例えば、アフィニティー)が少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも5倍、最も好ましくは少なくとも10または20倍であることを示す。
免疫抑制薬に特異的に結合する抗体は、その免疫抑制薬「に特異的」であると称される。
「捕捉物質」なる語は、本明細書においては、好ましくは特異的に、アナライトに結合する結合パートナーを表すために用いられる。捕捉物質は固相に結合していることが可能であり、あるいは固相に結合することが可能である。本明細書中で用いる、アナライトへの固相固定捕捉物質の結合は、「固相固定」複合体を形成する。
抗体である捕捉物質は「捕捉抗体」と称される。
「標識検出用物質」なる語は、本明細書においては、検出可能な標識で標識されている又はアッセイにおける使用中に、検出可能な標識で標識される、好ましくは特異的に、アナライトに結合する結合パートナーを表すために用いられる。
「検出可能な標識」は、検出可能である部分、または検出可能にされうる部分を含む。
標識検出用物質に関して用いられる「直接標識」は、任意の手段により検出用物質に結合している検出可能な標識である。
標識検出用物質に関して用いられる「間接標識」は、検出用物質に特異的に結合する検出可能な標識である。したがって、間接標識は、検出用物質の部分の特異的結合パートナーである部分を含む。ビオチンおよびアビジンは、例えば、間接的に標識された抗体を得るためにビオチン化抗体を標識アビジンに接触させることにより使用されるそのような部分の具体例である。
本明細書中で用いる「指示試薬」なる語は、検出可能なシグナルを生成するために標識に接触させる任意の物質を意味する。したがって、例えば、通常の酵素標識においては、酵素で標識された抗体を基質(指示試薬)に接触させて、検出可能なシグナル、例えば呈色反応産物を得ることが可能である。
本明細書中で用いるアナライト類似体なる語は、好ましくは特異的に、個々のアナライトに対する結合パートナーに結合する能力を有する任意の化合物を意味する。したがって、アナライト類似体は、アナライトに特異的に結合する抗体に結合しうる。アナライトおよびアナライト類似体を結合パートナー(例えば、抗体)と混合すると、アナライトおよびアナライト類似体は結合パートナーへの結合に関して競合する。
本明細書中で用いる「グリコール類似体」は、2から6個の炭素原子を有する任意のグリコールである。
細胞溶解試薬は、本明細書中で更に詳しく説明されるとおり、細胞を細胞溶解するために使用される試薬である。「細胞溶解試薬混合物」または「細胞溶解混合物」は、細胞溶解試薬を試験サンプルに(またはその逆に)加えることにより生じる混合物である。細胞溶解混合物は、場合によっては、追加的な成分を含む。
細胞溶解混合物は、それが、(手動で又は自動化系を使用して)正確かつ信頼しうるピペッティングを可能にするのに十分な程度に、大きな微粒子を含有しない場合、「均一」であると称される。
I.サンプル採集および加工
本発明の方法は、一般に、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに由来する試験サンプルに関して行われる。
本発明の方法は、関心のあるアナライト(例えば免疫抑制薬)を含有しうる任意のサンプル、例えば血液サンプルを使用して行われうる。
サンプルを任意の標準的な技術により採集し、ついで細胞溶解試薬(これは「前処理試薬」とも称されうる。)に接触させる。一般に、細胞溶解試薬は任意の細胞を細胞溶解し、(例えば、サンプル中に存在する任意の内因性アナライトの結合からのアナライトの遊離を補助することにより)試験サンプル中に存在する任意のアナライトの可溶化を最適に補助する。好ましくは、本発明において使用する細胞溶解試薬は、捕捉抗体の添加またはイムノアッセイの開始の前に沈殿または分離工程を要しない均一混合物である。本明細書に記載されている細胞溶解試薬は、2から6個の炭素原子を有するグリコールを含む。細胞溶解試薬における使用に適したグリコールには、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの類似体ならびにそのようなグリコールの混合物が含まれる。特定の実施形態においては、グリコールは、約60%から約80%の範囲、例えば約65%、約70%または約75%の濃度で細胞溶解試薬中に存在する。典型的な好ましい実施形態においては、細胞溶解試薬中のグリコール濃度は70%である。当業者に容易に理解されるとおり、これらの割合は、細胞溶解混合物を形成させるためにサンプルに加える細胞溶解試薬の量に応じて様々な値となりうる。したがって、より高い又はより低い濃度も用いられうる。
イムノアッセイにおいて使用するサンプルを調製するために、アッセイ抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリンを細胞溶解試薬に含有させ、または細胞溶解混合物に加える。特定の実施形態においては、アッセイは捕捉抗体を使用し、捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリンを細胞溶解試薬に含有させ、または細胞溶解混合物に加える。典型的な実施形態においては、抗体(例えば、捕捉抗体)はマウス抗体であり、免疫グロブリンはマウス免疫グロブリン、例えば非特異的ポリクローナルマウスIgGである。免疫グロブリンは、約90μg/mLから110μg/mLの範囲、例えば約90μg/mL、約100μg/mLまたは約105μg/mLの濃度で細胞溶解試薬中に存在する。典型的な好ましい実施形態においては、免疫グロブリン濃度は100μg/mLである。当業者に容易に理解されるとおり、これらの濃度は、細胞溶解混合物を形成させるためにサンプルに加える細胞溶解試薬の量に応じて様々な値となりうる。したがって、より高い又はより低い濃度も用いられうる。
免疫グロブリンは、溶液の形態の細胞溶解混合物、例えば細胞溶解試薬自体に簡便に供給される。この場合、溶液は、免疫グロブリンが相当に沈殿するのを防ぐのを補助しうるバッファーを含みうる。適当なバッファーには、実施するイムノアッセイを阻害しない生理的バッファーが含まれる。例えば、Tris(トリス)またはトリエタノールアミン(TEA)バッファーが使用されうる。バッファー(およびバッファー溶液を含む、生じる細胞溶解試薬)のpHは、約2.0から約10.0、場合によっては約4.0から約9.0、好ましくは約7.0から約8.5、より一層好ましくは約7.5から約8.0の範囲、または約7.0、約7.5、約8.0または約8.5でありうる。したがって、典型的な細胞溶解試薬は、約70% エチレングリコール、30% TrisまたはTEAおよび100μg/mL ポリクローナルマウスIgGを含みうる。この細胞溶解試薬は、例えば、7mLのエチレングリコールを3mLの100または333mM TrisまたはTEA(pH7.5または8.0)と混合し、ついで100μg/mL ポリクローナルマウスIgGを加えることにより製造されうる。
特定の実施形態においては、5個以下の炭素を有する少なくとも1種のアルコールを細胞溶解試薬に含有させ、または細胞溶解混合物に加える。そのような実施形態の好ましい変形態様においては、細胞溶解試薬はアルコールを含む。本発明における使用に適したアルコールには、例えばメタノール、エタノール、プロパノールおよびそれらの混合物が含まれる。特定の実施形態においては、グリコール対アルコールの比は5:1から約1:5、4:1から約1:4、2:1から約1:2の範囲、または約1:1(容量:容量)である。より厳密な実施形態においては、グリコール対アルコールの比は約4:1から約1:2の範囲である。
細胞溶解混合物は、任意の選択した量のサンプルを細胞溶解試薬に接触させるための任意の望ましい温度で、任意の混合技術により形成されうる。サンプルを、サンプル中の細胞を細胞溶解し均一混合物を得るために十分な容量の細胞溶解試薬に接触させる。前記のとおりに約70% エチレングリコール、30% TrisまたはTEAおよび100μg/mL ポリクローナルマウスIgGを含む典型的な細胞溶解試薬の場合、サンプルを細胞溶解試薬に約1:3(容量:容量)の範囲の比で加えることが可能である。用いられうる他のサンプル:細胞溶解試薬の容量比には、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5もしくは約1:10(容量:容量)または細胞溶解試薬組成に応じてこれらの値をエンドポイントとして含む任意の範囲が含まれる。
例えば、約100μLから約600μLの血液サンプルを約50μLから約1200μLの細胞溶解試薬と約5分間まで混合することが可能である。ある実施形態においては、100μLの血液サンプルを300μLの細胞溶解試薬と混合し、5から10秒間激しくボルテックスすることにより、細胞溶解混合物を形成させる。好ましい実施形態においては、細胞溶解は室温で1分以内に完了する。
特定の実施形態においては、細胞溶解試薬混合物(すなわち、サンプルの添加後)のグリコール濃度は約15%から約20%の範囲であり、加えられる免疫グロブリンの濃度は約20μg/mLから30μg/mLの範囲である。
本発明の細胞溶解試薬は、加えられる界面活性剤を何ら伴わずに使用されうる。しかし、ある実施形態においては、所望により、1以上の界面活性が加えられうる。界面活性剤は、典型的には、細胞溶解試薬の存在下で発泡しない。したがって、本発明に従い調製された細胞溶解混合物は、界面活性剤が含まれるかどうかには無関係に、自動化ピペッティングに適している。界面活性剤は、イムノアッセイを意図した細胞溶解混合物中に含まれる場合、好ましくは、その免疫化学を阻害しない濃度で存在する。適当な界面活性剤には、CHAPS、デオキシコラートおよび非イオン界面活性剤、例えばサポニンが含まれる。界面活性剤は、約0.01%から0.1%の範囲、より好ましくは約0.1%の濃度で使用されうる。
アナライトが試験サンプル中の1以上の結合タンパク質に結合している特定の実施形態においては、方法は更に、アナライトを結合タンパク質から遊離させる物質と試験サンプルを接触させることを含みうる。所望により、この物質は細胞溶解試薬中に含まれうる。物質は、例えば、結合タンパク質への結合に関してアナライトと競合するものでありうる。物質は、一般に、行うアッセイの結果にそれが影響を及ぼさないように選択される。したがって、例えば、アッセイがイムノアッセイである場合、物質は、典型的には、関連抗体が交差反応しないものである。アナライトが免疫抑制薬である場合、物質は、異なるが構造的に類似した免疫抑制薬でありうる。例えば、シロリムスおよびタクロリムスは共にFKBPに結合し、この理由により、シロリムスは、タクロリムスをFKBPから遊離させるため(およびその逆のため)に使用されうる。任意の後続のイムノアッセイは、一般に、シロリムスとタクロリムスとを識別する抗体を使用する。
アナライトが非タンパク質分子である場合、アナライトを結合タンパク質から遊離するためにプロテアーゼが使用されうる。方法において使用されるプロテアーゼは、結合タンパク質を分解することによりアッセイ用のアナライトを遊離しうる、ならびに行うアッセイの感度および精度に悪影響を及ぼすことなく不活性化されうるものであるべきである。用いる不活性化方法により不活性化され得ない他の混入酵素を伴わない酵素を得るように留意すべきである。そうでなければ、いずれかの残留タンパク質分解活性が、後続のイムノアッセイにおいて使用される抗体を分解しうるであろう。典型的なプロテアーゼには、プロテイナーゼK、スブチリシン、ジスパーゼ、サーモリシン、トリプシン、フィシン、ブロメラインおよびそれらの組合せが含まれる。
プロテイナーゼK(Sigma Chemical Co.,St.Louis,Mo.)は、熱(65℃以上)により及び特異的プロテアーゼインヒビター、例えばフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF,Boehringer Mannheim,Indianapolis,Ind.)またはジイソプロピルフルオロホスファート(DFP,Calbiochem,La Jolla,Calif.)により不活性化されうる非特異的Ca依存性プロテアーゼである。スブチリシン(Sigma)は、酸性pHまたは特異的プロテアーゼインヒビター、例えばPMSF、DFPもしくはアプロチニンにより阻害されうるが、それは同様に、熱(55℃以上)により不活性化されうる非特異的Ca依存性プロテアーゼである。
ジスパーゼ(Boehringer MannheimまたはSigmaまたはCalbiochem)およびサーモリシン(SigmaまたはBoehringer Mannheim)は、例えば約5mMの濃度のEDTAにより不活性化されうるCa依存性メタロプロテアーゼである。プロテアーゼとしてジスパーゼおよびサーモリシンを組合せて使用する場合、タンパク質分解は、好ましくは、亜鉛塩、例えば約40mMのZnSOの存在下、例えば約5mMの濃度のEDTAのような2価陽イオンキレート剤の添加により不活性化される。
トリプシン(Worthington Biochemical Corp.,Freehold,NJ.)はリシンまたはアルギニン残基のカルボキシル側において特異的にタンパク質を切断し、熱(90℃以上)により阻害されることが可能であり、あるいはアプロチニン(かつてはBayer,West Haven,CTによりTrasylol(登録商標)として販売されていたアプロチニン注射剤;Calbiochem,La Jolla,CAおよび他の販売業者から尚も入手可能なインヒビター)、ロイペプチン(Sigma−Aldrich,St.Louis,MOまたはBoehringer Mannheim)、PMSF、またはダイズ、ライマメもしくは卵白由来の特異的トリプシンインヒビター(WorthingtonまたはSigma−Aldrich)を含む多数の物質により特異的に阻害されることが可能である。フィシンは、例えば約2mMの濃度のHgClにより不活性化されうるチオールプロテアーゼである。ブロメラインもチオールプロテアーゼであり、ブロメラインインヒビター(Sigma−Aldrich)により不活性化されうる。
特定の実施形態においては、プロテアーゼの濃度は、約30分以内、好ましくは約20分以内に結合タンパク質を分解するのに十分な程度に高いが、酵素の効率的な不活性化を可能にするのに十分な程度に低い。したがって、プロテアーゼの濃度は、好ましくは、約0.5から2.0単位/mLの範囲、より好ましくは約1単位/mLである。
細胞溶解および結合タンパク質からの遊離の後、適用可能な場合には、サンプルを遠心分離する必要性を伴うことなく溶液内捕捉イムノアッセイを用いて、アナライトを測定することが可能である。
II.イムノアッセイ
A.総論
本発明のイムノアッセイは、試験サンプル中のアナライトの定性的特定および/または定量のために用いられうる。これらの方法は、例えば、免疫抑制薬、例えばラパマイシン(シロリムス)、タクロリムス、エベロリムス、テムソロリムス、ゾタロリムス、シクロスポリンおよびこれらの化合物のいずれかの類似体のイムノアッセイに適用可能である。そのようなイムノアッセイは、前記のとおり、細胞溶解試薬を試験サンプルと混合して細胞溶解混合物を形成させることにより行われうる。細胞溶解混合物を、アナライトに特異的な少なくとも1つの抗体と、存在する場合のアナライトへの抗体の結合に適した条件下で接触させて、アッセイ混合物を形成させ、ついでアナライトへの抗体の結合を検出する。
好ましい実施形態においては、溶液内捕捉イムノアッセイを用いる。この形態は、検出すべきアナライトに、好ましくは特異的に結合する捕捉抗体を利用する。この形態においては、細胞溶解混合物を捕捉抗体と、および捕捉抗体に対する固相固定結合パートナーを含む固相に接触させる。捕捉抗体は結合パートナーに予め結合していない。これらの3つの成分(細胞溶解混合物、捕捉抗体、および固定結合パートナーを伴う固相)の接触はアッセイ混合物を与え、サンプル中に存在するアナライトに及び固相固定結合パートナーに捕捉抗体が結合して捕捉抗体およびアナライトが固相固定免疫複合体を形成するのに適した条件下、実質的に同時に又はいずれかの順序で行われうる。好ましい実施形態においては、捕捉抗体は、固相をその固定された結合パートナーと共に含むアッセイ成分とは別のアッセイ成分として供給される。例えば、捕捉抗体はアッセイ希釈剤中で供給されうる。特定の実施形態においては、アッセイ希釈剤中の捕捉抗体の濃度は、一般には、外因性免疫グロブリン(例えば、ポリクローナルマウスIgG)が捕捉抗体に対してモル過剰でアッセイ混合物中に存在するような濃度である。加えられた免疫グロブリンは、固相固定結合パートナーへの結合に関して捕捉抗体と幾らか競合するであろう。この効果を相殺するために、固相固定結合パートナーの濃度を、例えば約2倍、約3倍、約4倍または約5倍増加させることが可能である。
特定の実施形態においては、捕捉抗体とアナライトとを含む固相固定免疫複合体の形成の後、アッセイ混合物の非特異的結合成分を除去する又はその濃度を減少させるための洗浄工程を行う。
アナライトの検出のために、検出用物質が固相固定免疫複合体に、好ましくは特異的に結合するのに適した条件下、固相を検出用物質に接触させる。当業者により理解されるとおり、捕捉抗体はアナライトに特異的に結合することが可能であり、あるいは検出用物質は(例えば、結合アナライトを介して、または捕捉抗体上の未占拠位置を介して、またはそれらの両方により)免疫複合体に特異的に結合することが可能である。ある実施形態においては、バックグラウンドシグナルを減少させるために、追加的な洗浄工程を、例えば高塩濃度下で行う。検出用物質の結合を測定して、試験サンプル中のアナライトの存在または濃度の指標を得る。
ある実施形態においては、約0.4Mを超える塩濃度(例えば、約0.5Mから約5.0M)の存在下、細胞溶解混合物を抗体に接触させることにより、アッセイ感度の増加が達成されうる。特定の実施形態においては、塩濃度は約4.0M以下(例えば、約0.5Mから約4.0M)である。典型的な実施形態においては、塩濃度は約2.0M(例えば、約1.5Mから約2.5M、特に、約1.8M、約1.9M、約2.0M、約2.1Mまたは約2.2M)である。適当な塩は、例えば、以下の陰イオンのいずれかを含みうる:フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、チオシアナート、アセタート、シトラートおよびビスルファート。特定の実施形態においては、塩は、1価陰イオン、例えばフルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、チオシアナートおよびアセタートを含む。好ましい実施形態においては、塩は、クロリド、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム)の塩化物(クロリド)塩を含む。一般に、使用する塩はアッセイ条件下で可溶性である。塩化ナトリウムはほとんどの条件下で高溶解性であり、したがって、本発明の多種多様なイムノアッセイにおいてアッセイ感度を増加させるために簡便に使用されうる。
塩は任意の簡便な様態でアッセイ混合物に供給されることが可能であり、細胞溶解混合物と抗体との接触の前に存在することが可能であり、あるいは接触の後に加えられることが可能である。特定の実施形態においては、塩は、水に加えて1以上の他の成分(例えば、バッファー)を場合によっては含みうるアッセイ希釈剤中で供給される。アッセイ希釈剤中の塩濃度は、所望の最終塩濃度およびアッセイ混合物に加えられる希釈剤の量によって様々となろう。例えば、約4.0Mの塩濃度を有するアッセイ希釈剤を等容量のアッセイ混合物に加えて、約2.0の最終塩濃度を得ることが可能であろう。
B.抗体
試験サンプル中のアナライトの定性的または定量的検出のためのイムノアッセイにおいては、アナライトに結合する少なくとも1つの抗体を、アナライトを含有する疑いのある細胞溶解混合物に接触させて、抗体−アナライト免疫複合体を形成させる。免疫抑制薬を検出するために、その特定の薬物に結合する任意の適当な抗体を本発明のイムノアッセイにおいて使用することが可能である。ラパマイシン(シロリムス)、タクロリムス、ゾタロリムス、シクロスポリンおよびエベロリムスのそれぞれに対する抗体は当技術分野で公知であり、および/または商業的に入手可能であり、これらのいずれもが使用可能である。シロリムスを測定するためのAbbott Laboratoriesの商業的に入手可能なIMx(登録商標)Sirolimusアッセイ(Abbott Laboratories,Abbott Park,IL)またはAbbott Laboratoriesにより販売されている任意の他のSirolimusアッセイキット(例えば、異なる市販の自動化形態上で使用するためのもの)の成分であるモノクローナル抗体を使用することが好ましい。
免疫抑制薬に特異的な抗体を製造するための典型的なプロトコールは以下のとおりである。雌RBf/Dnjマウスに薬物−27−CMO−破傷風トキソイド免疫原の3回の毎月の追加抗原(ブースト)の投与を行い、ついで第4月に、薬物−42−HS−破傷風トキソイド調製物での免疫化を行う。7ヵ月後、融合の3日前に、薬物−27−CMO−破傷風トキソイド免疫原を使用して、脾臓内融合前追加抗原を動物に投与する。ついで脾B細胞を単離し、SP2/0骨髄腫との標準的なポリエチレングリコール(PEG)融合において使用する。10から14日後、マイクロタイターEIAにおいて、コンフルエント培養を抗薬物活性に関してスクリーニングし、ついで限界希釈クローニング技術を用いて、陽性培養をクローニングする。得られたクローンを単離し、IMDM w/FBS(Invitrogen Corp.,Carlsbad,CA)組織培養培地内で規模拡大し、分泌された抗体を、プロテインAを使用してアフィニティー精製する。薬物としてシロリムスを使用して得られた典型的な好ましい抗体は、シロリムス、エベロリムスおよびゾタロリムスに関するイムノアッセイにおいて使用されうる。
タクロリムスに関するイムノアッセイにおいて使用する典型的な好ましい抗体はM.Kobayashiら,“A Highly Sensitive Method to Assay FK−506 Levels in Plasma”,“FK−506 A Potential Breakthrough in Immunosuppression”のp.23−29,A Transplantation Proceedings Reprint,Supplement 6,Vol.XIX,October,1987,T.Starzl,L.MakowkaおよびS.Todo編,Grune & Stratton,Inc.(Philadelphia,PA.)発行に記載されている。
シクロスポリンに関するイムノアッセイにおいて使用する典型的な好ましい抗体は、シクロスポリンを測定するためのAbbott Laboratoriesの商業的に入手可能なTDx and AxSym(登録商標)シクロスポリンアッセイの成分であるモノクローナル抗体である。
C.検出
ついで任意の適当な技術を用いて、抗体−アナライト免疫複合体を検出することが可能である。例えば、抗体−アナライト複合体の存在を検出するために、検出可能な標識で抗体を標識することが可能である。個々の標識の選択は決定的に重要なものではないが、選択される標識は、単独で又は1以上の追加的物質と共に、検出可能なシグナルを生成しうるものでなければならない。
したがって、有用な検出可能な標識、抗体へのそれらの結合および検出技術は当技術分野で公知である。当技術分野で公知の任意の検出可能な標識が使用されうる。例えば、検出可能な標識は、放射能標識、例えばH、125I、35S、14C、32P、33P;酵素標識、例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリペルオキシダーゼ、グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼなど;化学発光標識、例えばアクリジニウム誘導体、ルミノール、イソルミノール、チオエステル、スルホンアミド、フェナントリジニウムエステルなど;蛍光標識、例えばフルオレセイン(5−フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、3’6−カルボキシフルオレセイン、5(6)−カルボキシフルオレセイン、6−ヘキサクロロ−フルオレセイン、6−テトラクロロフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナートなど)、ローダミン、フィコビリタンパク質、R−フィコエリトリン、量子ドット(硫化亜鉛−キャップ化カドミウムセレニド)、熱標識または免疫−ポリメラーゼ連鎖反応標識でありうる。標識、標識法および標識の検出の手引きは、PolakおよびVan Noorden,Introduction to lmmuno cytochemistry,2nd ed.,Springer Verlag,N.Y.(1997)ならびにHaugland,Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemi(1996)(これは、Molecular Probes,Inc.,Eugene,Oregonにより公開されている一体となった手引書およびカタログである。)(それらのそれぞれを参照により本明細書に組み入れることとする。)において見出される。本発明で使用する好ましい標識は、化学発光標識、例えばアクリジニウム−9−カルボキサミドである。更なる詳細はMattingly,P.G.およびAdamczyk,M.(2002)Chemiluminescent N−sulfonylacridinium−9−carboxamides and their application in clinical assays,in Luminescence Biotechnology:Instruments and Applications(Dyke,K.V.編)pp77−105,CRC Press,Boca Ratonにおいて見出されうる。
検出可能な標識は、直接的に又はカップリング剤を介して、アナライト、アナライト類似体または抗体に結合させることが可能である。使用されうるカップリング剤の一例として、EDAC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)が挙げられ、これはSigma−Aldrich(St.Louis,MO)から商業的に入手可能である。使用されうる他のカップリング剤は当技術分野で公知である。検出可能な標識を抗体に結合させるための方法は当技術分野で公知である。また、抗体への検出可能な標識のカップリングを促進する末端基を既に含有する多数の検出可能な標識が購入可能または合成可能であり、それらとしては例えば、N10−(3−スルホプロピル)−N−(3−カルボキシプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキサミド(CPSP−アクリジニウムエステルとしても公知である。)またはN10−(3−スルホプロピル)−N−(3−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキサミド(SPSP−アクリジニウムエステルとしても公知である。)が挙げられる。
あるいは、検出可能な標識を有しアナライトに結合する第2抗体を細胞溶解混合物に加え、それを使用して、抗体−アナライト複合体の存在を検出することが可能である。この実施形態においては、任意の適当な検出可能な標識が使用されうる。
D.典型的な形態
本発明のイムノアッセイは、当技術分野で公知の任意の形態、例えばサンドイッチ形態、競合阻害形態(フォワード(前方向)またはリバース(逆方向)競合阻害アッセイを含む)または蛍光偏光形態(これらに限定されるものではない)を用いて行われうる。好ましい実施形態においては、形態は、前記の溶液内捕捉アプローチに適したものである。後記の典型的な形態は免疫抑制薬のアッセイに関して記載されている。しかし、当業者に理解されるとおり、記載されている形態は任意のアナライトに適用可能である。
免疫抑制薬の定量的検出のためのイムノアッセイ、例えば、好ましいサンドイッチ型の形態においては、細胞溶解混合物中の薬物を分離し定量するために少なくとも2つの抗体を使用する。より詳しくは、それらの少なくとも2つの抗体は、薬物の、異なる部分に結合して、「サンドイッチ」と称される免疫複合体を形成する。一般に、試験サンプル中の免疫抑制薬を捕捉するために1以上の抗体が使用されることが可能であり(これらの抗体は、しばしば、「捕捉」抗体と称される。)、検出可能(すなわち定量可能)な標識をサンドイッチに結合させるために1以上の抗体が使用される(これらの抗体は、しばしば、「検出用」抗体と称される。)。サンドイッチアッセイにおいては、薬物に結合する両方の抗体は、アッセイにおけるいずれかの他の抗体の、そのそれぞれの結合部位への結合によっては、損なわれないことが好ましい。言い換えると、免疫抑制薬を含有する疑いのある細胞溶解混合物に接触させる1以上の一次抗体が、二次または後続抗体により認識される結合部位の全部または一部に結合して、その1以上の二次または後続抗体の、薬物への結合能を阻害することがないよう、抗体は選択されるべきである。サンドイッチアッセイにおいては、抗体、好ましくは、少なくとも1つの捕捉抗体は、細胞溶解混合物において予想される薬物の最大量に対してモル過剰量で使用される。例えば、固相含有溶液1mL当たり約5μg/mLから約1mg/mLの抗体が使用されうる。
1つの実施形態においては、少なくとも1つの第1(一次)捕捉抗体は、試験サンプルからの第1抗体−薬物複合体の分離を促進する固体支持体に結合されうる。本発明のイムノアッセイにおいて使用される固体支持体または「固相」は決定的に重要なものではなく、当業者により選択されうる。本明細書中で用いる固相または固体支持体は、不溶性である又は後続の反応により不溶性にされうる任意の物質を意味する。有用な固相または固体支持体は当業者に公知であり、反応トレイのウェルの壁、試験管、ポリスチレンビーズ、磁気ビーズ、ニトロセルロース片、膜、微粒子、例えばラテックス粒子、ヒツジ(または他の動物)の赤血球およびDuracytes(登録商標)(Abbott Laboratories,Abbott Park,Ill.の登録商標)(これは、ピルビン酸アルデヒドおよびホルムアルデヒドにより「固定」された赤血球である。)などを包含する。固相上にペプチドを固定化するための適当な方法には、イオン相互作用、疎水性相互作用、共有結合相互作用などが含まれる。固相は、捕捉物質を誘引し固定化するその固有の能力に関して選択されうる。あるいは、固相は、捕捉物質を誘引し固定化する能力を有する追加的な受容体を含みうる。追加的な受容体には、捕捉物質自体とは反対に荷電した物質、または捕捉物質に結合した荷電物質とは反対に荷電した荷電物質が含まれうる。さらにもう1つの態様として、受容体は、特異的結合反応により捕捉物質を固定化する能力を有する、固相上に固定化(結合)された任意の特異的結合パートナーでありうる。受容体分子は、アッセイの実施前またはアッセイの実施中に、固相物質への捕捉物質の間接的結合を可能にする。
ウェル、チューブ(管)またはビーズの形態の高分子材料からなる固体支持体を含む(それらに限定されるものではない)、当技術分野で公知の任意の固体支持体が使用されうる。抗体は、吸着により、または化学カップリング剤を使用する共有結合により、または当技術分野で公知の他の手段により、固体支持体に結合されうる。ただし、そのような結合は、薬物への抗体の結合能を阻害しないものでなければならない。さらに、必要に応じて、固体支持体は、抗体上の種々の官能基との反応性を可能にするよう誘導体化されうる。そのような誘導体化は、あるカップリング剤、例えば無水マレイン酸、N−ヒドロキシスクシンイミドおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(これらに限定されるものではない)の使用を要する。
また、検出用抗体による接近を可能にするのに十分な多孔度および抗原に結合する適当な表面アフィニティーを有する任意の適当な多孔性物質を固相が含みうることも、本発明の範囲内である。微孔性構造体が一般に好ましいが、水和状態でゲル構造を有する物質も使用されうる。そのような有用な固体支持体には、ニトロセルロースおよびナイロンが含まれるが、これらに限定されるものではない。本明細書に記載されているそのような多孔性固体支持体は、好ましくは、約0.01から0.5mm、好ましくは約0.1mmの厚さのシートの形態であると想定される。孔のサイズは広い範囲内で様々となりうるが、好ましくは、約0.025から15ミクロン、特に、約0.15から15ミクロンである。そのような支持体の表面は、支持体への抗原または抗体の共有結合を引き起こす化学的加工により活性化されうる。しかし、一般には、疎水性力による多孔性物質上の吸着により、抗原または抗体の不可逆的結合が得られる。
免疫抑制薬を含有する疑いのある又はそれを含有する細胞溶解混合物を少なくとも1つの第1捕捉抗体に接触させた後、得られたアッセイ混合物をインキュベートして、第1捕捉抗体(または複数の抗体)−薬物複合体を形成させる。インキュベーションは、約4.5から約10.0のpHを含む任意の適当なpHで、約2℃から約45℃の温度を含む任意の適当な温度で、少なくとも1分間から約18時間の適当な時間、好ましくは約4から20分間、最も好ましくは約17から19分間にわたって行われうる。
検出用物質の添加および標識複合体の形成の後、複合体中の標識の量を、当技術分野で公知の技術を用いて定量する。例えば、酵素標識を使用する場合には、標識複合体を、定量可能な反応(例えば、発色)を引き起こす標識に対する基質と反応させる。標識が放射能標識である場合には、シンチレーションカウンターを使用して標識を定量する。標識が蛍光標識である場合には、1つの色(これは「励起波長」として公知である。)の光で標識を刺激し、刺激に応答して標識により放出された別の色(これは「発光波長」として公知である。)を検出することにより、標識を定量する。標識が化学発光標識である場合には、可視的に又はルミノメーター、X線フィルム、高速写真フィルム、CCDカメラなどを使用して発光を検出することにより、標識を定量する。複合体中の標識の量が定量されたら、例えば既知濃度の免疫抑制薬の系列希釈を用いて作成された標準曲線を使用して、試験サンプル中の薬物の濃度が決定されうる。薬物の系列希釈を用いる代わりに、重量分析、質量分析および当技術分野で公知の他の技術により、標準曲線が作成されうる。
好ましいフォワード競合形態においては、既知濃度の標識薬物またはその類似体のアリコートを使用して、抗体に対する結合に関して、試験サンプル中に存在する薬物と競合させる。フォワード競合アッセイにおいては、固定化抗体を、試験サンプルおよび標識された薬物またはその薬物類似体と連続的または同時に接触させることが可能である。薬物または薬物類似体は、前記の検出可能な標識を含む任意の適当な検出可能な標識で標識されうる。このアッセイにおいては、捕捉抗体は、本明細書において既に記載されている技術を用いて固体支持体上に固定化されうる。あるいは、捕捉抗体は、例えば微粒子のような固体支持体上に固定化された例えば抗種抗体のような抗体に結合されうる。
標識された薬物または薬物類似体、細胞溶解混合物および抗体を、サンドイッチアッセイ形態に関して前記で説明したのと同様の条件下でインキュベートする。ついで2つの異なるタイプの抗体−薬物複合体が生成される。具体的には、生成した抗体−薬物複合体のうちの一方は、検出可能な標識を含有し、もう一方の抗体−薬物複合体は、検出可能な標識を含有しない。検出可能な標識の定量の前に、抗体−薬物複合体をアッセイ混合物の残部から分離することが可能であるが、分離する必要はない。ついで、抗体−薬物複合体をアッセイ混合物の残部から分離するかどうかには無関係に、抗体−薬物複合体中の検出可能な標識の量が定量される。ついで、抗体−薬物複合体中の検出可能な標識の量を標準曲線と比較することにより、試験サンプル中の薬物の濃度が決定されうる。標準曲線は、既知濃度の薬物の系列希釈の利用、質量分析、重量分析および当技術分野で公知の他の技術により作成されうる。
抗体−薬物複合体は、抗体を固体支持体(例えば、サンドイッチアッセイ形態に関して前記で説明した固体支持体)に結合させ、ついで固体支持体との接触からのアッセイ混合物の残部を除去することにより、アッセイ混合物から分離されうる。
リバース競合アッセイにおいては、固定化された免疫抑制薬またはその類似体を、細胞溶解混合物および少なくとも1つの標識抗体と連続的または同時に接触させることが可能である。抗体は、前記の検出可能な標識を含む任意の適当な検出可能な標識で標識されうる。薬物または薬物類似体は、固体支持体(例えば、サンドイッチアッセイ形態に関して前記で説明した固体支持体)に結合されうる。
固定化された薬物または薬物類似体、細胞溶解混合物および少なくとも1つの標識抗体を、サンドイッチアッセイ形態に関して前記で説明したのと同様の条件下でインキュベートする。ついで2つの異なるタイプの抗体−薬物複合体が生成される。具体的には、生成した抗体−薬物複合体のうちの一方は固定化されており、検出可能な標識を含有し、もう一方の抗体−薬物複合体は固定化されておらず、検出可能な標識を含有する。未固定化抗体−薬物複合体およびアッセイ混合物の残部を、当技術分野で公知の技術、例えば洗浄により、固定化抗体−薬物複合体の面前から除去する。未固定化抗体−薬物複合体を除去したら、ついで固定化抗体−薬物複合体中の検出可能な標識の量を定量する。ついで、抗体−薬物複合体中の検出可能な標識の量を標準曲線と比較することにより、試験サンプル中の薬物の濃度が決定されうる。標準曲線は、既知濃度の薬物の系列希釈の利用、質量分析、重量分析および当技術分野で公知の他の技術により作成されうる。
溶液内捕捉アッセイにおいては、可溶性抗体を細胞溶解混合物および少なくとも1つの固定化特異的抗体と連続的または同時に接触させることが可能である。特異的抗体は、固体支持体(例えば、サンドイッチアッセイ形態に関して前記で説明した固体支持体)に結合されうる。
固定化特異的抗体、細胞溶解混合物および少なくとも1つの可溶性抗体を、サンドイッチアッセイ形態に関して前記で説明したのと同様の条件下でインキュベートする。ついで2つの異なるタイプの抗体−薬物複合体が生成される。具体的には、生成した抗体−薬物複合体のうちの一方は固定化されており、もう一方の抗体−薬物複合体は固定化されていない。未固定化抗体−薬物複合体およびアッセイ混合物の残部を、当技術分野で公知の技術、例えば洗浄により、固定化抗体−薬物複合体の面前から除去する。未固定化抗体−薬物複合体を除去したら、標識された薬物を固定化抗体−薬物複合体に加え、前記と同様の条件下でインキュベートする。未結合標識薬を、当技術分野で公知の技術、例えば洗浄により、固定化抗体−薬物−標識薬物複合体の面前から除去する。未結合標識薬物を除去したら、ついで固定化抗体−薬物−標識薬物複合体中の検出可能な標識の量を定量する。ついで、抗体−薬物複合体中の検出可能な標識の量を標準曲線と比較することにより、試験サンプル中の薬物の濃度が決定されうる。標準曲線は、既知濃度の薬物の系列希釈の利用、質量分析、重量分析および当技術分野で公知の他の技術により作成されうる。
イムノアッセイのための走査型プローブ顕微鏡検査法(scanning probe microscopy)(SPM)の利用も、本発明のイムノアッセイ法が容易に適合化されうる技術である。SPM、特に原子間力顕微鏡検査法においては、捕捉物質を、走査に適した表面を有する固相に固定する。捕捉物質は、例えばプラスチックまたは金属表面に吸着されうる。あるいは、捕捉物質は、当業者に公知の方法により、例えば誘導体化プラスチック、金属、ケイ素またはガラスに共有結合されうる。捕捉物質の結合の後、細胞溶解混合物を固相に接触させ、走査型プローブ顕微鏡を使用して、固相−固定複合体を検出し定量する。SPMの利用は、イムノアッセイ系において典型的に使用される標識の必要性を排除する。そのような系はU.S.App.No.662,147(それを参照により本明細書に組み入れることとする。)に記載されている。この形態は、捕捉物質の代わりに捕捉物質に対する結合パートナーを使用することにより、溶液内捕捉イムノアッセイに使用されうる。この場合、捕捉物質は、アッセイ中に結合パートナーを介して、固相に結合される。
本発明のイムノアッセイは、MicroElectroMechanical System(MEMS)を用いることによっても行われうる。MEMSは、機械的、光学的および流体的要素をエレクトロニクスと組合せて対象アナライトの簡便な検出を可能にする、シリコン上に組込まれた顕微鏡的構造体である。本発明における使用に適した典型的なMEMS装置は、プロチベリス(Protiveris)マルチカンチレバー・アレイである。このアレイは、特別に設計されたシリコン・ミクロカンチレバーの化学−機械的動作、およびそれに続く、ミクロカンチレバーの偏向の光学的検出に基づくものである。一方の面が結合パートナーでコートされている場合、ミクロカンチレバーは、それが、相補体分子を含有する溶液にさらされると、曲がるであろう。この曲がりは、曲げ事象による表面エネルギーの変化により引き起こされる。曲がり(偏向)の度合の光学的検出は、ミクロカンチレバーに結合した相補的分子の量の測定を可能にする。
他の実施形態においては、本発明のイムノアッセイは、電気化学的検出を用いて行われる。電気化学的検出のための基本的方法はHeinemanらにより記載されている。これは、一次抗体(Ab、ラット抗マウスIgG)の固定化、ならびにそれに続く、抗原(Ag、マウスIgG)、酵素標識に結合した二次抗体(AP−Ab、ラット抗マウスIgGおよびアルカリホスファターゼ)およびp−アミノフェニルホスファート(PAPP)を含有する一連の溶液への曝露を含んでいた。APはPAPPをp−アミノフェノール(PAP;「R」は、還元型を酸化型PAP(キノンイミン)から区別することを意図したものである。)に変換し、これは、APが最適活性を示すpH9.0において酸素および水の還元を阻害しない電位において電気化学的に可逆的である。フェノール(その前駆体フェニルホスファートは酵素基質としてしばしば使用される。)とは異なり、PAPは電極汚損を引き起こさない。PAPは空気および光酸化を受けるが、これらは小規模および短い時間枠においては容易に避けられる。20μLから360μLの範囲のPAPP容量を使用する微量電気化学的イムノアッセイにおいて達成された、PAPに関するピコモルの検出限界およびIgGに関するフェトグラムの検出限界が、既に報告されている。電気学的検出を用いるキャピラリーイムノアッセイにおいては、これまでに報告されている最低検出限界は、70μLの容量および30分または25分のアッセイ時間を用いた場合、マウスIgGの3000分子である。
種々の電気化学的検出系が米国特許第7,045,364号(2006年5月16日付け発行;これを参照により本明細書に組み入れることとする。)、第7,045,310号(2006年5月16日付け発行;これを参照により本明細書に組み入れることとする。)、第6,887,714号(2005年5月3日付け発行;これを参照により本明細書に組み入れることとする。)、第6,682,648号(2004年1月27日付け発行;これを参照により本明細書に組み入れることとする。)、第6,670,115号(2003年12月30日付け発行;これを参照により本明細書に組み入れることとする。)に記載されている。
例えば1つの試験サンプル中の複数のアナライトを同時にアッセイするのに有用な特定の実施形態においては、固相は、複数の異なる捕捉物質またはそれに対する結合パートナーを含みうる。
多重(マルチプレックス)形態は、各標識が特定のアナライトの検出のために使用される複数の標識を使用することが可能であるが、これが必要なわけではない。例えば、複数の捕捉物質または結合パートナー、例えば抗体が、特異性に基づいて、異なる既知位置において固相に固定される場合、複数の標識を使用することなく、複数の異なるアナライトが検出されうる。各位置における捕捉物質/結合パートナーの特異性が既知であるため、個々の位置におけるシグナルの検出は、その位置に結合したアナライトの存在と関連づけられうる。この形態の例には、それぞれチャネルまたはキャピラリーに沿った異なる位置に異なる捕捉物質/結合パートナーを含有するマイクロフルイディック(microfluidic)装置およびキャピラリーアレイ、ならびに典型的には固体支持体の表面上のスポット(「標的要素」)のマトリックス内に配置された異なる捕捉物質/結合パートナーを含有するマイクロアレイが含まれる。特定の実施形態においては、それぞれの異なる捕捉物質/結合パートナーは、異なる電極に固定されることが可能であり、それは、例えば、固体支持体の表面上、マイクロフルイディック装置のチャネル内またはキャピラリー内に形成されうる。
III.試験キット
本発明はまた、アナライトに関して試験サンプルをアッセイするための試験キットを提供する。本発明の試験キットは、本発明の1以上のイムノアッセイを実施するのに有用な1以上の試薬を含む。試験キットは、一般に、試薬を1以上の別々の組成物として又は場合によっては試薬の混和性が許容する場合には混合物として収容する1以上の容器を伴うパッケージを含む。試験キットはまた、使用者の立場から望ましい可能性がある他の物質、例えばバッファー、希釈剤、標準および/またはサンプルの加工、洗浄もしくは任意の他のアッセイ工程の実施において有用な任意の他の物質を含みうる。
特定の実施形態においては、本発明の試験キットは、(a)捕捉抗体、(b)エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの類似体よりなる群から選ばれるグリコールを含む細胞溶解試薬、ならびに(c)捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリンを含みうる。ある実施形態においては、試験キットにおいて提供される免疫グロブリンは、マウス免疫グロブリン、例えば非特異的ポリクローナルマウスIgGである。細胞溶解試薬および免疫グロブリンは、場合によっては、組合され、単一の容器内に梱包(包装)される。試験キットは更に、捕捉抗体に対する固相固定結合パートナーを含む固相を含有しうる。固相および捕捉抗体は、同じ又は別々の容器内に梱包される。所望により、試験キットは、アッセイされるアナライトを含む対照組成物をも含有しうる。
免疫抑制薬に関するイムノアッセイを行うのに有用な典型的な実施形態においては、捕捉抗体は、ラパマイシン(シロリムス)、タクロリムス、エベロリムス、テムソロリムス、ゾタロリムス、シクロスポリンまたはこれらの化合物のいずれかの類似体に特異的でありうる。
ある実施形態においては、細胞溶解試薬は、グリコールを約60%から約80%の範囲の濃度で含む。特定の実施形態においては、免疫グロブリンは細胞溶解試薬中に約90μg/mLから110μg/mLの範囲の濃度で存在する。細胞溶解試薬は、場合によっては、5個以下の炭素を有する少なくとも1種のアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノールまたはこれらのアルコールのいずれかの混合物を含みうる。そのような実施形態の変形態様においては、グリコール対アルコールの比は、約4:1から約1:4の範囲、より厳密には、約4:1から約1:2の範囲でありうる。
特定の実施形態においては、本発明の試験キットは、1以上の界面活性剤および/または試験サンプル中の1以上の結合タンパク質からアナライトを遊離させる物質を含みうる。適当な界面活性剤には、前記のとおり、非イオン界面活性剤、例えばCHAPS、デオキシコラートおよび非イオン界面活性剤、例えばサポニンが含まれる。適当な遊離誘発性物質には、前記のとおり、1以上の結合タンパク質への結合に関してアナライトと競合する物質、および結合タンパク質を分解し非タンパク質アナライトを遊離させるために使用されうるプロテアーゼが含まれる。典型的なプロテアーゼには、プロテイナーゼK、スブチリシン、ジスパーゼ、サーモリシン、トリプシン、フィシン、ブロメラインおよびそれらの組合せが含まれる。本発明のキットにおいて提供されるいずれの界面活性剤またはプロテアーゼも、前記のとおりの適当な濃度で成分を含有する細胞溶解混合物の生成を促進する様態で提供されるべきである。
サンドイッチイムノアッセイまたは競合イムノアッセイを行うためにそのようなキットを使用する場合、キットは更に、標識された検出用物質(例えば、標識された抗アナライト抗体または標識されたアナライト類似体)を含みうる。ある実施形態においては、試験キットは、少なくとも1つの直接標識、例えばアクリジニウム−9−カルボキサミドを含む。本発明の試験キットは少なくとも1つの間接標識をも含みうる。使用される標識が、一般に、検出可能なシグナルを生成するために指示試薬を要する場合、試験キットは、好ましくは、1以上の適当な指示試薬を含む。
本発明の試験キットは、好ましくは、本発明のイムノアッセイの1以上を行うための説明を含む。本発明のキットに含まれる説明は梱包(包装)材に添付されることが可能であり、あるいはパッケージ挿入物として含まれることが可能である。説明は、典型的には、書かれた又は印刷された資料であるが、それらはそのようなものには限定されない。そのような説明を記憶しそれらを最終消費者に伝達しうる任意の媒体が本発明で想定される。そのような媒体には、電子記憶媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学的媒体(例えば、CD ROM)などが含まれるが、それらに限定されるものではない。本明細書中で用いる「説明」なる語は、説明を提供するインターネットサイトのアドレスを含みうる。
もちろん、言うまでもなく、本明細書中の典型的な形態はいずれも、および本発明のアッセイまたはキットはいずれも、例えば米国特許第5,089,424号および第5,006,309号に記載されている、ならびに例えばAbbott Laboratoriesの ARCHITECT(登録商標)、AxSYM(登録商標)、IMX(登録商標)、ABBOTT PRISM(登録商標)およびQuantum IIプラットフォームおよび他のプラットフォームを含む(これらに限定されるものではない)Abbott Laboratories(Abbott Park,IL)により商業的に販売されている自動化および半自動化系(微粒子を含む固相が存在するものを含む)における使用のために適合化または最適化されうる。
また、本発明のアッセイおよびキットは、場合によっては、Abbott LaboratoriesのPoint of Care(i−STAT(登録商標))電気化学的イムノアッセイ系を含むポイント・オブ・ケア・アッセイ系に適合化または最適化されうる。単一用途試験装置におけるイムノセンサーならびにその製造および操作方法が、例えば米国特許第5,063,081号ならびに公開米国特許出願20030170881、20040018577、20050054078および20060160164(これに関するそれらの教示を参照により本明細書に組み入れることとする。)に記載されている。
(実施例)
以下の実施例は、特許請求されている本発明を例示するために記載されており、本発明を限定するものではない。
均一系溶液内捕捉:細胞溶解試薬におけるマウスIgGの校正曲線効果
この実施例は、シクロスポリンに関する自動化イムノアッセイにおける細胞溶解試薬中のマウスIgGの添加の効果を例示する。
ARCHITECT(登録商標)シクロスポリンアッセイ(均一系の構想段階のアッセイ,Abbott Laboratories,Abbott Park,IL)をこれらの研究に用いた。ARCHITECTアッセイにおいて使用される抗CsAモノクローナル抗体はヤギ抗マウス(GAM)コート化磁性微粒子上に固定化されるが、その他の点では、Abbott TDxおよびAxSYM(登録商標)アッセイ(Abbott Laboratories,Abbott Park,Illinois)における可溶性形態において使用されるのと同じ抗体である。可溶性マウス抗CsA抗体をGAM微粒子に直接的に加えると、抗体媒介性結合により非共有結合が生じる。GAM粒子は当業者により製造可能である。校正されたシクロスポリン標準を細胞溶解全血希釈剤(IMx(登録商標) Tacrolimus II Blood Diluent,Abbott Laboratories,Abbott Park,IL)中で調製した。
ARCHITECT(登録商標)シクロスポリンアッセイにおいては、(典型的にはアッセイ後に)サンプルにより生成された光(シグナル)の量が相対光単位(RLU)として測定される。RLUは、ARCHITECT(登録商標)系および他の装置において用いられる光学的測定の単位の表示である。RLUなる語は、ある量のシグナル生成標準(例えば、アクリジニウム標準)に対する光子数の関係に由来する。各光学モジュールは1組の標準(例えば、アクリジニウム標準)で校正される。化学発光反応が生じると、光が放出され、光子が或る時間(例えば、3秒間)にわたって測定される。光電子増倍管(PMT)は、計数された光子をデジタルシグナルに変換し、ついでこれは、処理のために回路構成素子に送られる。光学回路構成素子はPMTからのデジタルシグナルをアナログシグナルに変換し、これは、計数された光子に比例し、そしてこれは、存在するシグナル生成分子(例えば、アクリジニウム)の量に比例する。ついでこのアナログシグナルは更に、RLU値を与えるように処理される。この関係は、光学モジュールの校正のための標準を与える(ここで、異なる標準は、それらに割り当てられたRLU値を有する。)ことが確認された。したがって、RLU単位自体は任意単位であるが、それは或る量の標準(例えば、アクリジニウム)に比例する(すなわち、比例的である。)。
初期研究は、マウスIgGを細胞溶解試薬に加えた場合のシクロスポリン校正曲線の形状に対する効果を評価した。これらの研究の結果を図5に示す。
図5から理解されうるとおり、細胞溶解試薬中に70% エチレングリコールのみが存在する場合には、エチレングリコールと共に100μg/mL マウスIgGをインキュベートした場合ほど良好ではない結合曲線(低感度)が得られた。これらの結果は、マウスIgGが、エチレングリコールと共に細胞溶解試薬に含まれている場合に、シクロスポリン校正曲線の改善をもたらしうることを証明している。
均一系溶液内捕捉:HAMA阻害の軽減に対する細胞溶解試薬におけるマウスIgGの効果
この実施例は、単一工程均一系サンプル前処理を用いる溶液内捕捉アッセイにおけるヒト抗マウス抗体(「HAMA」)阻害の予防に関する、細胞溶解試薬におけるマウスIgGの添加の効果を例示する。
これらの研究のために、ARCHITECT(登録商標)シクロスポリンアッセイにおける細胞溶解試薬へのマウスIgGの添加の影響を、移植患者の試料において存在しうるHAMA阻害の潜在的遮断に関して調べた。ARCHITECT(登録商標)均一系溶液内捕捉シクロスポリンアッセイ形態は以下の3つのアッセイ試薬を使用する:(1)抗シクロスポリンモノクローナル抗体を含有するアッセイ特異的希釈剤、(2)ヤギ抗マウス免疫グロブリン(「GAM」)コート化磁性微粒子よりなる微粒子試薬、および(3)検出用のアクリジニウム結合シクロスポリン追跡試薬。いくつかの患者試料におけるHAMAの存在による潜在的アッセイ阻害を予防するために、マウスIgGをμg/mLからmg/mLの濃度でアッセイ試薬に加える。しかし、溶液内捕捉アッセイにおけるアッセイ特異的希釈剤または微粒子試薬への過剰のマウスIgGの添加は、特異的抗シクロスポリンモノクローナル抗体に対するマウスIgGの比が1000以上となりうるため、有意なシグナル減少を招くであろう。したがって、患者試料中に存在しうるHAMAが過剰のマウスIgGによる結合により束縛され特異的シグナル生成に影響を及ぼし得ないよう、細胞溶解試薬に非特異的ポリクローナルマウスIgGを添加する可能性を検討した。(1)HAMAに結合するのに十分なマウスIgGが存在するよう、および(2)GAMコート化微粒子上の結合部位に関してマウスIgGがマウス抗シクロスポリンモノクローナル抗体と競合し過ぎないよう、細胞溶解試薬に加えるマウスIgGの量と、微粒子をコートするGAM抗体の量とを釣り合わせる必要があるであろう。GAM微粒子捕捉抗体への特異的マウス抗シクロスポリン抗体の結合の遮断に対するマウスIgGの影響を抑えるための試みにおいて、微粒子をコートするGAMの量の増加と共に、HAMAの遮断に有効なIgGの量の減少を追求した。
典型的な実験の結果を表1に示す。各反応は、アッセイ特異的希釈剤に捕捉抗体として加えた200ng/mL マウス抗シクロスポリンMab、125μg/mL GAMまたは200μg/mL GAMでコートされた微粒子および100μg/mLのポリクローナルマウスIgG(細胞溶解試薬中)を使用して、75μLのサンプル容量(215μLの全反応容量)中で行った。この実施例においては、マウス抗シクロスポリンMabに対するポリクローナルマウスIgGの比は500である。
HAMA(Bioreclamation Inc.,Hicksville,New York)を10または100μg/mLの最終濃度で、低(90ng/mL CsA)、中(250ng/mL)および高(900ng/mL)シクロスポリン全血対照中にスパイク(spike)した。アナライトの希釈に関して補正するために、HAMAに対して同様の容量のシクロスポリン対照中にリン酸緩衝食塩水をスパイクした。
Figure 0005319549
表1から理解されうるとおり、125μg/mLまたは200μg/mLの量のGAMは、許容されうるシクロスポリンアッセイ結果をもたらした。これらの結果は、マウスIgGが、エチレングリコールと共に細胞溶解試薬中に含まれる場合に、10μg/mLまでのHAMAを遮断することによりシクロスポリンアッセイの結果の改善をもたらしうることを証明している。
均一系溶液内捕捉:細胞溶解試薬におけるバッファーの効果
この実施例は、シクロスポリンに関する自動化イムノアッセイにおける細胞溶解試薬へのバッファーの添加の効果を例示する。
一般的に言えば、抗体の性能(例えば、抗体結合)に対するバッファーの効果は抗体のpIに左右される。ポリクローナルマウスIgGのようなポリクローナル抗体の場合、pIの計算は不可能である。しかし、水のみに溶解したそのようなIgGが最終的に溶液から析出する限りにおいて、少なくともポリクローナルマウスIgGの長期安定性のためにはバッファーが必要であるらしい。
典型的な実験の結果を図6に示す。各反応は、アッセイ特異的希釈剤に捕捉抗体として加えた200ng/mL 抗シクロスポリンMab、およびウシ血清アルブミン希釈剤中に存在する125μg/mLの量のGAMでコートされた微粒子を使用して、35μLのサンプル容量(167μLの全反応容量)中で行った。本明細書に記載されているとおり、ARCHITECT(登録商標)アッセイにおいて使用される抗シクロスポリンモノクローナル抗体はGAMコート化磁性微粒子上に固定化されるが、その他の点では、Abbott TDxおよびABBOTT AxSYM(登録商標)アッセイ(Abbott Laboratories,Abbott Park,Illinois)における可溶性形態において使用されるのと同じ抗体である。細胞溶解試薬は、30% 蒸留水または30% Tris(pH7.5または8.0)もしくはTEAバッファー(pH8.0)中に70% エチレングリコール、100μg/mL マウスIgGを含むものであった。
図6から理解されうるとおり、ポリクローナルマウスIgGを含有する細胞溶解試薬中の約7.0から約8.0のpHにおいて、TrisおよびTEAバッファーは共に、許容されうるシクロスポリン校正曲線の生成をもたらした。また、TEA緩衝細胞溶解試薬の精査は、室温で2週間の保存の後に、マウスIgGの析出(沈殿)を視覚的に確認しなかった。
本明細書に記載されている実施例および実施形態は単なる例示を目的としたものであり、それを考慮して種々の修飾または変更が当業者に示唆され、本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれると理解される。
また、共通に所有されている同時係属出願米国仮出願番号60/882,732(2006年12月29日付け出願)の全体を、全血中の分子または薬物の検出のための診断試験についてのその教示に関して、明示的に、参照により本明細書に組み入れることとする。
共通に所有されている同時係属出願米国非仮出願番号11/618,495(2006年12月29日付け出願)の全体を、非変性細胞溶解試薬についてのその教示に関して、明示的に、参照により本明細書に組み入れることとする。
共通に所有されている同時係属出願米国仮出願番号60/882,863(2006年12月29日付け出願)の全体を、免疫抑制薬に関する改良アッセイについてのその教示に関して、明示的に、参照により本明細書に組み入れることとする。
共通に所有されている同時係属出願米国非仮出願番号11/490,624(2006年7月21日付け出願)の全体を、抽出試薬組成物についてのその教示に関して、明示的に、参照により本明細書に組み入れることとする。
また、本明細書中に引用されている全ての他の刊行物、特許および特許出願の全体を全ての目的において参照により本明細書に組み入れることとする。

Claims (38)

  1. アナライトの存在または濃度を決定するためのイムノアッセイ方法であって、 (a)試験サンプルを細胞溶解試薬に接触させて、細胞溶解混合物を形成させる工程と、ここで、細胞溶解試薬は、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの類似体よりなる群から選ばれるグリコールを含み、アナライトに結合する捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリンが細胞溶解試薬中に含まれるか、または細胞溶解混合物に加えられ
    (b)細胞溶解混合物を、捕捉抗体に対する固相固定結合パートナーを含む固相に、および捕捉抗体に接触させる工程と、ここで、捕捉抗体は結合パートナーに予め結合しておらず、接触は、捕捉抗体がアナライトおよび固相固定結合パートナーに結合して捕捉抗体およびアナライトが固相固定免疫複合体を形成するのに適した条件下で行われ、前記免疫グロブリンは固相固定結合パートナーとの結合について捕捉抗体と競合する
    (c)検出用物質が固相固定免疫複合体に結合するのに適した条件下、固相を検出用物質に接触させる工程と、
    (d)固相固定免疫複合体への検出用物質の結合を検出する工程と
    を含む、イムノアッセイ方法。
  2. イムノアッセイ方法が競合イムノアッセイを含み、検出用物質が標識アナライトまたは標識アナライト類似体を含み、ならびに標識からのシグナルが試験サンプル中のアナライトの濃度に反比例する、請求項1の方法。
  3. アナライトが免疫抑制薬を含む、請求項1または2の方法。
  4. 免疫抑制薬が、シロリムス、タクロリムス、エベロリムス、テムソロリムス、ゾタロリムス、シクロスポリンおよびこれらの化合物のいずれかの類似体よりなる群から選ばれる、請求項3の方法。
  5. 試験サンプルがヒト血液サンプルを含む、請求項3または4の方法。
  6. 免疫グロブリンがマウス免疫グロブリンである、請求項1の方法。
  7. マウス免疫グロブリンが非特異的ポリクローナルマウスIgGを含む、請求項6の方法。
  8. グリコールが細胞溶解試薬中に60%から80%の範囲の濃度で存在する、請求項1の方法。
  9. 免疫グロブリンが細胞溶解試薬中に90μg/mLから110μg/mLの範囲の濃度で存在する、請求項1の方法。
  10. 試験サンプルを細胞溶解試薬に1:2から1:4の範囲の比で加える、請求項1の方法。
  11. 方法が、細胞溶解混合物を遠心分離することを含まない、請求項1の方法。
  12. 細胞溶解試薬が更に、5個以下の炭素を有する少なくとも1種のアルコールを含む、請求項1の方法。
  13. 細胞溶解試薬が更に、7.0から8.0の範囲のpHのバッファーを含む、請求項1の方法。
  14. 方法が、試験サンプルまたは細胞溶解混合物を界面活性剤に接触させることを含まない、請求項1の方法。
  15. 方法が、試験サンプルまたは細胞溶解混合物を界面活性剤に接触させることを含む、請求項1の方法。
  16. アッセイが、試験サンプル中の1以上の結合タンパク質に結合したアナライトを検出し、方法が更に、試験サンプルまたは細胞溶解混合物を、前記の1以上の結合タンパク質からアナライトを遊離させる物質に接触させることを含む、請求項1から15のいずれかの方法。
  17. 物質が前記の1以上の結合タンパク質への結合に関してアナライトと競合する、請求項16の方法。
  18. アナライトが免疫抑制薬を含み、ならびに物質が、異なるが構造的に類似している免疫抑制薬を含む、請求項17の方法。
  19. アナライトが非タンパク質分子を含み、ならびに物質が、前記の1以上の結合タンパク質を分解するプロテアーゼを含む、請求項17の方法。
  20. (a)アナライトに特異的に結合することができる捕捉抗体、
    (b)エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの類似体よりなる群から選ばれるグリコールを含む細胞溶解試薬、
    (c)捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリン、ならびに
    (d)捕捉抗体に対する固相固定結合パートナーを含む固相、ここで、前記免疫グロブリンは固相固定結合パートナーとの結合について捕捉抗体と競合する、
    を含んでなる、イムノアッセイにおいて使用する試験キット。
  21. 細胞溶解試薬および免疫グロブリンが組合され、単一の容器内に梱包される、請求項20の試験キット。
  22. 相および捕捉抗体が別々の容器内に梱包される、請求項20の試験キット。
  23. 免疫グロブリンがマウス免疫グロブリンである、請求項20の試験キット。
  24. マウス免疫グロブリンが非特異的ポリクローナルマウスIgGを含む、請求項20の試験キット。
  25. アナライトが免疫抑制薬を含む、請求項20の試験キット。
  26. 免疫抑制薬が、シロリムス、タクロリムス、エベロリムス、テムソロリムス、ゾタロリムス、シクロスポリンおよびこれらの化合物のいずれかの類似体よりなる群から選ばれる、請求項25の試験キット。
  27. (a)の少なくとも1つのアナライトを含む対照組成物を更に含む、請求項20の試験キット。
  28. グリコールが細胞溶解試薬中に60%から80%の範囲の濃度で存在する、請求項20の試験キット。
  29. 免疫グロブリンが細胞溶解試薬中に90μg/mLから110μg/mLの範囲の濃度で存在する、請求項21の試験キット。
  30. 細胞溶解試薬が更に、5個以下の炭素を有する少なくとも1種のアルコールを含む、請求項20の試験キット。
  31. 細胞溶解試薬が更に、7.0から8.0の範囲のpHのバッファーを含む、請求項20の試験キット。
  32. 更に界面活性剤を含む、請求項20から31のいずれかの試験キット。
  33. 試験キットが更に、試験サンプル中の1以上の結合タンパク質からアナライトを遊離させる物質を含む、請求項20から31のいずれかの試験キット。
  34. 物質が前記の1以上の結合タンパク質への結合に関してアナライトと競合する、請求項33の試験キット。
  35. アナライトが免疫抑制薬を含み、ならびに物質が、異なるが構造的に類似している免疫抑制薬を含む、請求項34の試験キット。
  36. 物質が、前記の1以上の結合タンパク質を分解するプロテアーゼを含む、請求項33の試験キット。
  37. (a)シロリムス、タクロリムス、エベロリムス、テムソロリムス、ゾタロリムスおよびシクロスポリンよりなる群から選ばれる少なくとも1つの免疫抑制薬に特異的に結合しうる捕捉抗体、
    (b)エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの類似体よりなる群から選ばれるグリコール、および
    アナライトに結合する捕捉抗体の動物種と同じ動物種の免疫グロブリン
    とを含む細胞溶解試薬、
    (c)捕捉抗体に対する固相固定結合パートナーを含む固相、ここで、前記免疫グロブリンは固相固定結合パートナーとの結合について捕捉抗体と競合し、固相および捕捉抗体は別々の容器内で提供されるならびに
    (d)(a)の少なくとも1つの免疫抑制薬を含む対照組成物
    を含んでなる試験キット。
  38. 少なくとも1つの免疫抑制薬がシクロスポリンを含む、請求項37の試験キット。
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