JP5317271B2 - 歯周組織再生促進用医薬組成物及び歯周組織再生促進剤 - Google Patents

歯周組織再生促進用医薬組成物及び歯周組織再生促進剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5317271B2
JP5317271B2 JP2008558102A JP2008558102A JP5317271B2 JP 5317271 B2 JP5317271 B2 JP 5317271B2 JP 2008558102 A JP2008558102 A JP 2008558102A JP 2008558102 A JP2008558102 A JP 2008558102A JP 5317271 B2 JP5317271 B2 JP 5317271B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
periodontal tissue
tissue regeneration
functional group
hydrogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008558102A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008099853A1 (ja
Inventor
和夫 永井
済泰 禹
正人 太田
貴之 米澤
俊明 照屋
炳允 車
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from PCT/JP2007/052508 external-priority patent/WO2007091707A1/ja
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2008558102A priority Critical patent/JP5317271B2/ja
Priority claimed from PCT/JP2008/052356 external-priority patent/WO2008099853A1/ja
Publication of JPWO2008099853A1 publication Critical patent/JPWO2008099853A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5317271B2 publication Critical patent/JP5317271B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Description

本発明は、生薬成分由来のβ−カルボリンアルカロイドのうち、下記式(I)又は(II)で表される化合物、これらの類縁体、及びこれらの化合物及び類縁体を含む植物からの抽出物の用途に関する。
(式中、R1は、水素原子、OH,OR’1、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R2は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を表す。ここで、R’1は炭素数1又は2のアルキル基を、R’2は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を、R’3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基をそれぞれ表す。)
(式中、R3は、水素原子、OH、OR’1、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R4は、水素原子、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R5は、水素原子、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R6は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を表す。ここで、R’1は炭素数1又は2のアルキル基を、R’2は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を、また、R’3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基をそれぞれ表す。)。
より詳細には、下記式(III)〜(VII)で表されるβ−カルボリンアルカロイド化合物、又はこれらの類縁体を少なくとも1種以上含有する、歯周組織再生促進用医薬組成物及び歯周組織再生促進剤に関する。ここで、本明細書中、「類縁体」は、上記式(I)〜(VII)で表される化合物の生理学的に許容される塩、水和物及び配糖体を含むものとする。
歯周病は30歳を超えた日本人の80%が罹患する国民病ともいえる病気であるが、かなりひどい状態にならないと痛みを感じない。このため、重篤な疾患となりやすい特徴をもつ病気としてとらえられる。進行した歯周病においては、咀嚼時に生じる痛みや不快感に起因する摂食障害、悪臭を伴う口臭などが生じる結果、栄養状態の不良やコミュニケーション障害などがもたらされる恐れがある。このような場合、歯科による専門的な治療法が施されるが、症状の進行を食い止めることができず抜歯に至ることが多い。一方で、健康な高齢者では残存歯の数が多いことが知られている。
近年では、ヒトだけではなく、柔らかな食物を与えられて家庭内で飼育されているイヌやネコなどのペットにおいても歯周病が蔓延しつつあり、問題視されている。
歯周病に罹患すると、歯周組織を構成するセメント質、歯根膜及び歯槽骨が破壊される。このため、ヒトの歯周病の治療は、従来、歯石や壊死セメント質等の炎症を惹起させる原因物質を除去し、組織の治癒を促すという方法で行われてきた。しかし、この方法では既に破壊されてしまった歯周組織の再生は困難であった。
また、歯周病の治療に際しては、症状の進行を食い止めて抜歯を回避し、栄養状態を良好に保つこと、及びコミュニケーションを支障なく行うことについては、年齢を問わず強い要請がある。とりわけ、高齢者では自らの歯でしっかりと咀嚼して食事を摂ることが、生活の質(Quality of life, 以下、「QOL」ということがある)の低下を防ぐ上で重要であり、骨疾患の予防にもつながる。さらに、歯周病に罹患した場合、ヒト以外の動物では抜歯する以外に方法はなく、このことはペットのQOLを著しく低下させる。
このような問題を解決し、歯を安定して維持するためには、歯周病の予防効果をもつ物質を見出し、実用レベルのものとすることが期待されている。
一方で、歯周病を治療するためには口腔内への治療剤の直接的な投与が不可欠である。このため、骨疾患の治療の場合と同様に、治療効果の高さと安全性の高さとが要求されることになる。
しかし、こうした薬剤は、要望が大きかったにもかかわらず、従来存在しておらず、新たな治療剤が求められていた。
上述した歯周病の治療において、歯周組織の再生を図るために、幾つかの方法が開発されている。その1つは、歯周組織を外科的に切除した後に、吸収性又は非吸収性のメンブレンを用いて歯根膜由来の組織や細胞がセメント質の新生を図り、新しい結合組織性の付着を形成できるようにする、GTR法と呼ばれる方法である。ここで使用するメンブレンは、外科的切除後に創面を覆う速度が最も早い歯肉の結合組織が歯根面に到達することを妨げるという役割を有している。
GTR法は、深い垂直性骨欠損に対して、非常に有効な治療法であるが、外科的手術後に、疼痛や腫脹、歯肉の退縮が生じることがある。また、組織が再生するための空間を確保する上では非吸収性のメンブレンを使用することが好ましいが、その場合には、再度手術を行ってこのメンブレンを取り出さなければならない(非特許文献1参照)。
また、その他の方法として、歯周組織を外科的に切除した後に、エムドゲイン(登録商標)を創面にエムドゲインを塗布する。エムドゲイン(登録商標)はエナメルマトリックスデリバティブを主成分とする、生物由来の製剤である。エムドゲインによる歯周組織再生のメカニズムは、歯周組織の再生に関与する未分化間葉系細胞が歯根面に誘引され、付着・増殖後、セメント質、歯根膜及び歯槽骨を形成する細胞に分化することによるものとされている(非特許文献2参照)。
エムドゲインを用いた方法は、外科的手術後に、疼痛や腫脹、歯肉の退縮はGTR法よりも少なく、手術後のプラークコントロールが容易であり、露出膜が少ないという利点を有する。しかし、蕁麻疹や掻痒皮膚反応等の過敏症や、局所の炎症、口角炎等が、術後の併発症として報告されている。
したがって、外科的な手術をできる限り伴わず、また、過敏症等の原因になりにくい材料を用いる治療法の開発に対する、高い社会的要請がある。
一方で、従来、和漢の生薬やハーブティーとして使用されてきた植物の葉、全草、根、果実等は、安全性の面では問題はないと考えられる。このため、こうした植物の中から、歯周病治療に効果を示す化合物や組成物を見出すことができれば、治療効果と安全性という2つの面のバランスが取れた治療薬等を製造することができると考えられる。
例えば、多くの生薬に含まれているフラボノイドやアルカロイドの中から、こうした活性を有する化合物又は組成物を見出すことができれば、安全性の面における懸念はかなり小さなものとすることができる。また、ハーブティー等として、市場に供給されている植物に含まれるフラボノイドやアルカロイドの場合にも、同じことが言える。
こうしたフラボノイドとしては、例えば、代表的なフラボン類であるアピゲニンを挙げることができる。アルカロイドの中では、インドールアルカロイドがもっとも多くの化合物を含むが、ハルマンアルカロイド等を挙げることができる。こうした化合物には、鎮痙作用、臓器血流増加作用等の他、神経伝達物質の分解を阻止する作用や、鎮静作用等があることが知られている(非特許文献3〜6参照)。
http://www.seikagaku.co.jp/product/dental/ocare /emdo/pdf/0507new.pdf http://www.jgoretex.co.jp/business/medical/index.php 渡辺和夫他、和漢薬学会誌, 2, 268(1985) Dhawn, K., et al. Phytother. Res. 2003, vol. 17(4), pp. 401-403 Dhawn, K., et al. Fitoterapia. 2002, vol. 73(5), pp. 397-399 Wolfman, C., et al., Pharmacol. Biochem. Behav. 1994, vol. 47(1), pp 1-4
本発明は、上記のような状況の下で、完成されたものである。すなわち、本発明の発明者らは、薬理効果の高さと安全性とに留意しつつ、古くから生薬又はハーブティー等として使用されてきた植物に含まれる成分を中心として、歯周組織再生促進作用を有する化合物のスクリーニングを進めた結果、公知の化合物に従来全く知られていなかった活性があることを見出し、本発明を完成したものである。
本明細書において、「歯周組織」という用語は、歯肉、セメント質、歯根、歯根膜、歯根膜靭帯、歯槽突起、支持骨、及び歯槽骨を含むものとする。
スクリーニングの結果、歯周組織再生促進という新たな活性があることが明らかになったのは、生薬由来のβ−カルボリンアルカロイド化合物のうち、下記の一般式で表されるものである。
すなわち、本発明の第一の態様は、下記式(I)で表される化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を有効成分として含有する、歯周組織再生促進用医薬組成物である。
(式中、R1は、水素原子、OH,OR’1、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R2は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を表す。ここで、R’1は炭素数1又は2のアルキル基を、R’2は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を、R’3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基をそれぞれ表す。)
本発明の第二の態様は、下記式(II)で表される化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を有効成分として含有する、歯周組織再生促進用医薬組成物である。
(式中、R3は、水素原子、OH、OR’1、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R4は、水素原子、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R5は、水素原子、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R6は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を表す。ここで、R’1は炭素数1又は2のアルキル基を、R’2は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を、また、R’3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基をそれぞれ表す。)。
ここで、上記式(I)又は(II)で表される化合物のうち、R1は、水素原子、OH、OMe、及びOEtからなる群から選ばれる官能基であり、COR’2は、Me又はEtであり、COOR’3は、水素原子、Me、及びEtからなる群から選ばれる官能基であることが、高い骨芽細胞分化促進作用を有することから好ましい。
上記式(I)で表される化合物は、下記式(III)〜(V)で表されるいずれかの化合物であることが、破骨細胞の分化抑制作用及び骨芽細胞分化促進作用が高いことからさらに好ましい。これらは、ハルミン(Harmine)、ハルモール(Harmol)、又はハルマン(Harmane)と呼ばれる化合物である。
また、上記式(II)で表される化合物は、下記式(VI)又は(VII)で表されるものであることが、破骨細胞の分化抑制作用及び骨芽細胞分化促進作用が高いことからさらに好ましい。これらは、ハルマリン(Harmaline)、又はハルマロール(Harmalol)と呼ばれる化合物である。
以上のハルマリン、ハルマロール、ハルミン、ハルモール及びハルマンを、以下、「ハルミン等」ということがある。
こうした化合物は必要に応じて生理学的に許容される塩、水和物及び配糖体を用いることができるが、特に塩酸塩を使用することが、後述する医薬組成物又は医薬製剤の調製が容易であることから好ましい。
本発明の第三の態様は、下記の(a)〜(d)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の抽出物に含まれる、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものを有効成分として含有する、歯周組織再生促進用医薬組成物である。
(a)トケイソウ科に属する植物の地上部の全草からの抽出物;
(b)ハマビシ科、マツブサ科、及びミカン科に属する植物の果実からの抽出物;
(c)キントラノオ科に属する植物の樹皮からの抽出物;及び、
(d)ヒメハギ科、サトイモ科、及びショウガ科に属する植物の根からの抽出物
すなわち、トケイソウ科に属する植物の地上部の全草から抽出されるか、またはハマビシ科に属する植物の果実もしくはキントラノオ科に属する植物の樹皮から抽出され、上記式(I)〜(VII)のいずれかで表される化合物、これらの生理学的に許容される塩、これらの水和物からなる群から選ばれる1種以上のもの含有する抽出物(以下、単に「トケイソウ科植物からの抽出物」又は「ハマビシ科植物からの抽出物」という。)を含む、歯周組織再生促進用医薬組成物である。ここで、上記各式の官能基に含まれるR1〜R6、及びR’1〜R’3は上述した通りである。
ここで、前記トケイソウ科に属する植物は、南米、東インド、米国東部等に分布する、パッシフローラ・カエルレア(Passiflora caerulea L.、異名:パッシフローラ・ヴィオラケア(P. violacea)、和名:トケイソウ)、パッシフローラ・インカナータ(Passiflora incarnata、和名:チャボトケイソウ)、パッシフローラ・アラーディーP. Allardi(P. x Allardi)、パッシフローラ・アンティオクィエンシス(P. antioquiensis)、パッシフローラ・’コンスタンス・エリオット’(P. Constance Elliot’)、パッシフローラ・カポニー・‘ジョン・イネス’(P. John Innes’)、パッシフローラ・エディリス(P. edulis、和名:クダモノトケイソウ)、パッシフローラ・エクソニエンシス(P. exoniensis)、パッシフローラ・マニカタ(P. manicata)、パッシフローラ・モリッシマ(P. mollissima)、パッシフローラ・クアドラグラリス(P. quadragularis、和名:オオミノトケイソウ)、パッシフローラ・ラケモサ(P. racemosa)、パッシフローラ・サングイネア(P. sanguinea)、及びパッシフローラ・ヴィティフォリア(P. vitifolia)からなる群から選ばれる植物であることが、ハルミン等の含有量が多いことから好ましく、トケイソウ、チャボトケイソウ、及びクダモノトケイソウからなる群から選ばれる植物であることが、流通量が豊富で入手が容易なことからさらに好ましい。
前記ハマビシ科に属する植物は、南アジアから東欧にかけて分布するハマビシ科の多年年草であるハマビシ(Tribulus terrestris L.)、又は、西アジア、北インド、モンゴルの砂漠等に自生するペガナム・ハルマラ(Pegunum harmala L.)(以下、「ハマビシ等」ということがある。)であることが、ハルミン等の含有量が多いことから好ましい。
また、前記マツブサ科に属する植物は、本州の中部以北、北海道、朝鮮半島、中国大陸等に分布するつる性の落葉低木である、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)であることが好ましい。前記ミカン科に属する植物は、中国の長江流域、華南、陝西等に分布する落葉低木である、ゴシュユ(Evodia rutaecarpa)であることが好ましい。これらの果実、又は成熟直前の未成熟果実に、ハルミン等が含有されていることによる。
また、前記キントラノオ科の植物は、アマゾンに自生するバニステリオプシス・カアピ(Banisteriopsis caapi)又はバニステリオプシス・イネブリアンス(Banisteriopsis inebrians)であることが、その樹皮中にハルミン等が比較的多く含有されていることによる。
前記ヒメハギ科に属する植物は、朝鮮半島、中国北部及びシベリアに分布する多年草である、イトヒメハギ(Polygala tenuifolia)であることが、この根に、ハルミン等が比較的多く含有されていることから好ましい。また、前記サトイモ科に属する植物は、日本各地、朝鮮半島、及び中国等に分布する多年草である、カラスビシャク(Pinellia ternata)であることが好ましい。この球茎にハルミン等が比較的多く含有されていることによる。さらに、前記ショウガ科に属する植物は、熱帯アジア原産であり、日本にも古い時代に渡来した多年草である、ショウガ(Zingiber officinale)であることが好ましい。この根茎に、ハルミン等が比較的多く含有されていることによる。
本発明の歯周組織再生促進用医薬組成物には、こうした化合物の中でも、上記式(III)で表されるハルミン(Harmine)、上記式(IV)で表されるハルモール(Harmol)、上記式(V)で表されるハルマン(Harmane)が含有されていることが、破骨細胞の分化抑制作用及び骨芽細胞の分化促進作用を有することから好ましく、ハルミン又はハルモールが含有されていることが、その作用が強く、及び歯周組織再生能が高いことから、さらに好ましい。
また、こうした化合物は必要に応じて生理学的に許容される塩または水和物を使用してもよい。これらの中でも、塩酸塩を使用することが製剤化の面から好ましい。
本発明の第四の態様は、上述した第三の態様の(a)〜(d)に記載の抽出物に含まれる、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものを有効成分として含有する、歯周病の治療剤である。ここで、前記歯周病の治療剤は、歯根の伸張、歯根靭帯の再生を初めとする歯周組織を全体として再生させるものである。


ここで、前記歯周組織再生促進剤中における前記有効成分の含量は、製剤の1用量当たり約1ng〜約10μgであることが好ましく、約5ng〜約5μgであることがより好ましく、約30ng〜約600ngであることが特に好ましい。
上記の濃度未満では十分な歯周組織の再生が行われず、逆に上記の濃度を越えると、毒性が発現することによる。
また、前記歯周組織再生促進剤は、有害な副作用を発現させないという観点からすると、局所に適用できる剤形とすることが好ましい。具体的には、患部に直接投与できる、ゲル剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、軟膏、スプレー剤、液剤等を挙げることができる。これらのうちでも、ゲル剤又は液剤とすることが、歯周組織の再生促進効果が高いことから好ましい。
本発明の医薬製剤を使用すると、骨形成調節因子の発現が誘導されるため、こうした歯周疾患の発症を予防し、又は治癒を促進する上で治療効果が高い。
なお、上述した歯周組織再生促進用医薬製剤は、ヒト及び動物の双方を適用の対象とすることができる。
なお、本発明の医薬組成物又は医薬製剤は、単独で使用してもよく、インプラントや上述したGTR法等の再生医療で用いられる手法と併用することもできる。
図1は、ハルミン含浸アガロースビーズを歯髄に埋入したときの歯根伸長促進、歯周組織の再生促進効果を示す図である。 図2は、ハルミン含浸アガロースビーズを歯髄に埋入したときの歯周組織再生促進因子であるFgf2およびShhの発現誘導効果を示す図である。図2中、AがFgf2、BがShhのmRNAの発現量の相対値を表す。 図3は、ハルミン処理による骨芽細胞の骨形成調節因子の発現誘導効果を示す図である。図3中、AがALP(Alpl)、Bがオステオカルシン(Bglap)、CがRunx2、DがOsterix(Sp7)のmRNAの発現量の相対値を表す。白抜きの棒グラフは対照群、黒塗りの棒グラフはハルミン処理群を表す。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の第一の実施形態に係る歯周組織再生促進剤は、下記式(I)で表される化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を有効成分として含有するものである。
(式中、R5は、水素原子、OH,OR’1、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R6は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を表す。ここで、R’1は炭素数1又は2のアルキル基を、R’2は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を、R’3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基をそれぞれ表す。)
ここで、R5は、水素原子、OH、OMe、OEt、COH、COMe、COEt、COOH、COOMe及びCOOEtからなる群から選ばれるいずれかの官能基であることが好ましく、水素原子、OH及びOMeからなる群から選ばれるいずれかの官能基であり、R6は、メチル基又はエチル基であることが好ましく、メチル基であることが、歯周組織再生促進活性が高いことから、さらに好ましい。
上記式(I)で表される化合物としては、下記式(III)で表されるハルミン、下記式(IV)で表されるハルモール、又は下記式(V)で表されるハルマンその他のβ−カルボリンアルカロイドを挙げることができ、これらの3つの化合物のいずれかであることが、歯周組織再生促進活性が高いことから、最も好ましい。
また、こうした化合物は必要に応じて生理学的に許容される塩、水和物及び配糖体を用いることができるが、特に塩酸塩を使用すると、より高い歯周組織再生促進活性という効果が発揮される。
本発明の第二の実施形態に係る歯周組織再生促進剤は、下記式(II)で表される化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を有効成分として含有するものである。
(式中、R1は、水素原子、OH、OR’1、COR’2及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R2は、水素原子、COR’2及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R3は、水素原子、COR’2及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R4は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を表す。ここで、R’1は炭素数1又は2のアルキル基を、R’2は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を、また、R’3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基をそれぞれ表す。)。
ここで、R1は、水素原子、OH、OMe、OEt、COH、COMe、COEt、COOH、COOMe及びCOOEtからなる群から選ばれるいずれかの官能基であることが好ましく、水素原子、OH及びOMeからなる群から選ばれるいずれかの官能基であることが、歯周組織再生促進活性が高いという点からさらに好ましい。
また、R2及びR3は、それぞれ、水素原子、水酸基、及びアルコキシ基からなる群から選ばれるいずれかの官能基であることが好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。R4は、水素原子、COMe及びCOOMeからなる群から選ばれるいずれかの官能基であることが好ましく、水素原子であると、さらに高い歯周組織再生促進活性が発揮される。
上記式(II)で表される化合物としては、下記式(VI)で表されるハルマリン、下記式(VII)で表されるハルマロールその他のβ−カルボリンアルカロイドを挙げることができ、これら2つの化合物のいずれかであることが、歯周組織再生促進活性が高いことから、最も好ましい。
また、生理学的に許容されるこれらの塩、これらの水和物、これらの配糖体は、上述のとおりである。
上述した各種のβ−カルボリンアルカロイド化合物は、単独で本発明の医薬製剤の製造に使用することもでき、必要に応じて2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。また、上述した化合物、これらの生理学的に許容される塩、これらの水和物、及びこれらの配糖体からなる群から選ばれる1種以上を含有する生薬、ハーブティー用の茶葉等を、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
こうした生薬としては使用できるものとしては、例えば、シツリシ、チャボトケイソウ(P. incanata)、クダモノトケイソウ(P. edulis)の地上部全草、特に、葉、蔓、幹の部分、バニステリオプシス・カアピ(B. caapi)、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)、ゴシュユ(Evodia rutaecarpa)、イトヒメハギ(Polygala tenuifolia)、カラスビシャク(Pinellia ternata)、ショウガ(Zingiber officinale)等、上述したものを挙げることができる。
上述した式(I)〜(VII)で表される化合物及びそれらの類縁体の製造方法等は、書きのようにして得ることができる。また、上記のβ−カルボリンアルカロイド化合物、生理学的に許容されるこれらの塩、水和物、及び配糖体も、上述したようにして入手することもできる。
こうした生薬としては、例えば、世界各地の温帯から熱帯にかけて分布するハマビシ科の1年草ハマビシ(Tribulus terrestris)の果実から得られるシツリシを挙げることができる。また、ハーブティー等に用いられているものとしては、南米、東インド、米国東部等に分布するチャボトケイソウ(P. incanata)、クダモノトケイソウ(P. edulis)の地上部全草、特に、葉、蔓、幹の部分を挙げることができる。また、その他のものとして、アマゾンに自生するキントラノオ科に属するバニステリオプシス・カアピ(B. caapi)、マツブサ科に属するチョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)、ミカン科に属するゴシュユ(Evodia rutaecarpa)、ヒメハギ科に属するイトヒメハギ(Polygala tenuifolia)、サトイモ科に属するカラスビシャク(Pinellia ternata)、ショウガ科に属するショウガ(Zingiber officinale)等を挙げることができる。
上述した式(I)〜(VII)で表される化合物及びそれらの類縁体は、公知の方法又はそれに準ずる方法によって製造し、入手してもよく、市販品を購入して使用してもよい。また、上記のβ−カルボリンアルカロイド化合物、生理学的に許容されるこれらの塩、これらの水和物、及びこれらの配糖体は、上述した植物材料から抽出、単離することによって入手することもできる。例えば、トケイソウ、チャボトケイソウ、クダモノトケイソウ等のトケイソウ科に属する植物材料からハルミンを単離する方法の一例を示す。
トケイソウの地上部を採取し、乾燥する。これを粉砕してエタノール、メタノール、酢酸エチル、その他の親水性の高い有機溶媒や水、またはこれらの混合溶媒を用いて抽出する。抽出は0℃〜100℃で5分から24時間行うことが好ましい。得られた抽出液をろ過した後に減圧濃縮により乾固して抽出物を得る。
このように処理して、トケイソウ、チャボトケイソウ、又はクダモノトケイソウ科に属する植物からの抽出物を得ることができる。
また、トケイソウに代えて、ハマビシやバニステリオプシス・カアピの樹皮、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)の果実、ゴシュユ(Evodia rutaecarpa)の未成熟果実、イトヒメハギ(Polygala tenuifolia)の根、カラスビシャク(Pinellia ternata)の球茎、ショウガ(Zingiber officinale)の根茎を用いる場合にも、上述したと同様の手順で抽出することができる。
以上のようにして抽出された抽出物は、そのまま使用することもできるが、必要に応じてさらに精製してハルミンを単離することもできる。例えば、抽出物をシリカゲルクロマトグラフィーによって分画し、さらに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分取してハルミン及びその類縁化合物を得ることができる。
具体的には、前処理をした試料を、SHISEIDO CAPCELLPAK C18 (200 x 4.6 mm i.d., 粒径5μm)を用いて、アイソクラティックな溶離液(メタノール:トリフロロ酢酸:水=60.0:0.1:39.9)を、流速1.0mL/分で分離し、各画分を分取することにより、ハルミン等を得ることができる。
以上のようにして得られた上記式(I)〜(III)で表される化合物、又は生理学的に許容される塩、若しくは水和物は、以下のようにして医薬製剤とすることができる。
ハルミンを単独で医薬製剤とする場合には、上述したように得られた結晶を常法に従って処理し、後述する賦形剤等と混合すればよい。
また、ハルミンと他のβ−カルボリンアルカロイド、とりわけ、ハルマンアルカロイドとを組み合わせて使用する場合には、ハルミン1に対して他のハルマンアルカロイドを0.1〜10の割合として適宜混合し、この混合物をハルミン単独の場合と同様にして医薬製剤とすればよい。
上述した化合物単独、又は二種以上の混合物を有効成分とする医薬製剤としては、局所投与剤とすることが好ましい。ハルミンその他のβ−カルボリンアルカロイドを全身投与すると、濃度によっては、幻覚等の有害な副作用が発現するおそれがあることによる。
具体的には、ゲル剤、カプセル剤、及びマイクロカプセル剤からなる群から選ばれるもの、歯周ポケットや切開部位等の患部に直接塗布する軟膏その他の外用剤、患部に吹き付けるスプレー剤、生体適合性の高い人工骨用の素材に含浸させるための液剤等を挙げることができる。
上記の生体適合性の高い人工骨用の素材としては、例えば、特開2007-031226号に記載の多孔質ヒドロキシアパタイト、特開2003-169845号に記載のスポンジ状多孔質アパタイト・コラーゲン複合体、三リン酸カルシウム(β-tricalcium phosphate、以下、「β−TCP」ということがある。)等を挙げることができる。これらの素材を、歯髄に埋め込むことができる大きさに切断し、上述した液剤を含浸させて、使用することができる。液剤としてゲル又は上記の素材に含浸させると、歯周組織の再生促進効果が高い。
なお、上記の医薬製剤には、硬カプセル剤、軟カプセル剤の双方が含まれ、徐放化製剤も含まれる。
以上のようにして得られた上記式(I)〜(III)で表される化合物、又は生理学的に許容される塩、若しくは水和物は、以下のようにして医薬組成物とすることができる。
ハルミンを単独で医薬製剤とする場合には、上述したように得られた結晶を常法に従って処理し、後述するようにして製造することができる。また、ハルミンと他のβ−カルボリンアルカロイド、とりわけ、ハルマンアルカロイドとを組み合わせて使用する場合には、ハルミン1に対して他のハルマンアルカロイドを0.1〜10の割合として適宜混合し、この混合物をハルミン単独の場合と同様にして医薬製剤とすればよい。
また、本発明の医薬組成物又は医薬製剤は、単独で使用してもよく、インプラントや上述したGTR法等の再生医療で用いられる手法と併用することもできる。GTR法の場合、本発明の液剤を含浸させたメンブランを使用することもできる。
または、本発明の液剤を、例えば、上述した多孔質ヒドロキシアパタイト、スポンジ状多孔質アパタイト・コラーゲン複合体、β−TCP等の小片に含浸させ、これらを歯周組織又は骨の基質とする。インプラントの際に、これらを歯髄部分その他の所望の場所に埋め込むようにすることもできる。
このようにすることにより、歯周組織の再生をより一層促進することが可能となる。
上述した化合物若しくは植物からの抽出物を適当量添加することによって、歯周組織の維持や形成を促進する効果、すなわち、歯周病の予防・治療効果を有する歯磨き粉や練歯磨き、含嗽剤等を製造することができる。
また、上述した化合物若しくは植物からの抽出物を、上記のようなパン、クッキー、ビスケット等や、茶、コーヒー及びココア、清涼飲料、果実飲料その他の非アルコール性飲料、キャンディー(飴)やチョコレートその他の菓子類、チューインガム等に添加して、歯周病予防効果のある機能性食品とすることができる。
また、本発明の組成物を単独で、又は2種以上を混合し、常法に従って、液剤、カプセル剤、及びマイクロカプセル剤からなる群から選ばれる製剤とすることにより、健康食品とすることができる。さらに、これらを添加することによって、歯周病予防効果を有するペット用の飲料やペットフードを調製することができる。ここで、本発明の抽出物や化合物を粉末とする方法は、上述したとおりである。
ハルミンをゲル状の製剤(アガロースビーズ)を製造する場合を例に取って説明する。
ハルミンを所定の濃度となるように所定の緩衝液を用いて希釈し、ハルミン溶液を調製する。また、アガロースビーズをリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、上記のハルミン溶液を所定の量で加えて、所定の時間、所定の温度でインキュベートし、ハルミンをアガロースビーズに吸収させ、ゲル状の製剤とする。
ここで、ハルミンの濃度は、1〜30μM程度とすることができる。また、所定の緩衝液としては、ダルベッコ変法リン酸緩衝生理食塩水(D−PBS、大日本製薬(株)製)等を、また、アガロースビーズとしては、Affi−Gelアガロースビーズ(BioRad社製)を使用することができる。さらに、インキュベート時間と温度は、30〜75分間、20〜37℃の範囲で行うことができる。
上述したような歯周組織再生促進剤を、患者又は患畜に投与する場合には、投与量は、彼らの症状の重篤さ、年齢、体重、及び患部の状態等の諸条件によって異なる。一般的には、局所に投与することが好ましい。
有効成分であるハルミンや他のハルマンアルカロイド化合物の含有量が下限値未満では歯周組織再生促進作用が十分に発揮されない。逆に上限値を越えて添加しても、添加量に見合う効果が発揮されないばかりでなく、投与時に細胞毒性が発揮されることがあり、生体に対して望ましくない副作用を惹起するおそれがあることによる。
上述した本発明の組成物を必要に応じて適宜添加することにより、歯周組織再生促進剤を提供することができる。
次に、本発明の組成物を含有する製剤例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(製剤例1 液剤)
ハルミンを上記の量となるように秤量し、滅菌蒸留水100mLに溶解させ、ガラスアンプルに1mLずつ充填し、凍結乾燥する。これによって、液剤を製造することができる。
(製剤例2 ゲル剤)
製剤例1で製造した液剤用凍結乾燥品3本を、それぞれ滅菌したリン酸緩衝生理食塩水1mLで溶解して合わせ、この中にアガロースビーズを1g入れる。アガロースビーズを約45分間、この溶液中でインキュベートして、ゲル剤とすることができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何等限定されるものではない。
(実施例1)歯周組織再生促進効果の検討
(1−1)試薬等
リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline、以下「PBS」ということがある。)、ダルベッコ変法リン酸緩衝生理食塩水(Dulbecco’s physiological saline、以下「D-PBS」ということがある。)は、大日本製薬(株)より購入した。Affi-Gelアガロースビーズ(アフィゲルヘパリン カタログ番号:15306173)は、BioRad社より購入した。96ウェルマイクロプレート及び100mmφディッシュは、Nunc社(カタログ番号161093、同172958)より購入した。1.5mlエッペンドルフチューブは、エッペンドルフ・ジャパン社より購入した。
生後5日齢のC57BL/6マウスは、三協ラボラトリーより購入した。また、ホストマウスとしては、三協ラボラトリーより購入した生後10〜15週齢のC57BL/6マウス(雌)を2匹一群として使用した。成体マウスの器官において、腎臓及び前眼房は免疫応答の非常に少ない組織であることが知られていること、及び前記移植培養実験においては特にヌードマウスを用いる必要はないことによる。
(1−2)ハルミン含浸ヘパリン含有吸収性ビーズの調製
ハルミンを含浸させたアガロースビーズを、以下のようにして調製した。ハルミンを10μM(終濃度)の濃度となるように、D-PBSを用いて希釈した。また、上記のアガロースビーズを、PBSを用いて洗浄した。
洗浄後のアガロースビーズ4粒を1.5ml角底エッペンドルフ型チューブに入れ、上記のように調製したハルミン溶液を100μlの量で添加し、室温で45分間、インキュベートすることにより、ハルミンをアガロースビーズに含浸させた。以上のようにして、ハルミン含浸ヘパリン含有吸収性ビーズ(以下、「ハルミン含浸アガロースビーズ」ということがある)を調製した。
また、上記のアガロースビーズ4粒を1.5mlエッペンドルフチューブに入れ、D-PBSを100μlの量で添加してPBS含浸アガロースビーズを調製し、陰性対照に使用した。
(1−3)歯周組織再生促進効果の確認
(1−3−1)歯髄への埋入
歯周組織形成直前の、生後5日齢のC57BL/6マウスを、エーテル麻酔後に断頭屠殺した。下顎を摘出後、下顎第1臼歯を歯小嚢ごと摘出した。上記(5−1)で調製したハルミン含浸アガロースビーズを一粒、摘出歯(下顎第1臼歯)の歯髄に埋入した。
また、陰性対照として、上記のように調製したD-PBS含浸アガロースビーズを一粒、摘出歯(下顎第1臼歯)の歯髄に埋入した。
(1−3−2)移植培養
ハルミン含浸アガロースビーズを埋入した摘出歯、及び、D-PBS含浸アガロースビーズを埋入した摘出歯を、ホストマウスの腎臓皮膜下に移植した。ホストマウスは、12時間点灯、室温25℃の条件下におき、水と飼料は自由に摂取させて3週間飼育した。
上記の摘出歯の移植3週間後、ホストマウスを頸骨脱臼にて屠殺し、腎臓を摘出して、培養後の摘出歯(移植歯)を回収した。回収した培養後の移植歯における歯周組織形成(伸長)および歯根膜、骨を、実体顕微鏡下にて観察し、マイクロCTにて断層撮影後、3D構築した。前記移植培養後の移植歯の観察結果を、図1に示す。
図1中、斜線を付した部分は形成された骨を示す。また、「側面」及び「全体」の3D構築画像中の斜線が付されていない部分、及び「断面」の白い部分は歯を示す。さらに、「断面」の画像中、白い矢印が示す部分が歯根膜領域を示す。
ハルミン含浸アガロースビーズが歯髄に埋入され、歯根伸長が促進された全移植歯サンプル、すなわち、ハルミン含浸アガロースビーズを使用した実験群(図1上段、「ハルミン」と表示した。以下、「ハルミン処理群」ということがある。)では、形成された歯根の周囲に骨の形成が観察された(図1上段の「側面」及び「全体」参照)。このため、これを軟X線写真撮影し、内部に歯根伸長が確認されたかどうかを検討したところ、形成された骨内部の移植歯牙に、歯根の伸長が認められた(図1上段の「断面」参照)。また、形成された歯根と周囲の骨との間には、歯周靭帯様の構造も観察された。一方、D-PBSのみを使用した陰性対照群では、わずかな歯根の伸長と周囲の骨の形成とが観察された(図1下段の「PBS」と表示した群の「側面」、「全体」及び「断面」参照。)。
以上の結果から、ハルミン含浸アガロースビーズを使用した実験群では、陰性対照群と比較して、顕著に歯根の伸長が促進されたことが示され、ハルミンが高い歯周組織再生能を有することが示された。
(実施例2)歯周組織再生促進因子の発現誘導効果の検討
(2−1)mRNA発現解析用サンプル調整
実施例1に示した実験で用いたマウスの腎臓より摘出した移植歯より、ISOGEN(ニッポンジーン社製)を用いてmRNAを抽出した。抽出したmRNAからReverse Transcription System(プロメガ社製)を用いて添付のプロトコールにしたがってcDNAを調製した。
(2−2)歯周組織再生促進因子の発現解析
上記にて調製したサンプル中の歯周組織再生促進因子のmRNAの発現について、SYBR Premix Ex Taq(タカラバイオ社製)PCR用試薬を用い、遺伝子増幅装置ABI7000(Applied Biosystems社製)にて、リアルタイムPCR法で解析した。mRNA量は、β-actinを内在性コントロールとして比較CT法により算出し、コントロールを1としたときの相対値を示した。解析結果を図2に示す。
図2中、Aが、歯周組織再生促進因子であるFgf2(Fibroblast Growth Factor 2)、BがShh(Sonic Hedgehog)のmRNAの発現量の相対値を表す。
図2の結果から、ハルミン処理群において、歯根伸長及び歯周組織形成を促進する作用が見出されているFgf2及びShhの発現が、PBS群と比較して著しく亢進していることが見出された。
(実施例3)骨形成調節因子の発現誘導効果の検討
(3−1)mRNA発現解析用サンプル調整
マウス前骨芽細胞株であるMC3T3-E1細胞を6ウェルディッシュにまきコンフルエントになるまで培養後、ハルミン(10μM)を含む培養液で1日、4日、及び7日間培養した。培養後、ISOGEN(ニッポンジーン社製)を用いてmRNAを抽出した。抽出したmRNAからReverse Transcription System(プロメガ社製)を用いて添付のプロトコールにしたがってcDNAを調製した。
上記にて調製したサンプル中の骨形成調節因子のmRNAの発現について、SYBR Premix Ex Taq(タカラバイオ社製)PCR用試薬を用い、遺伝子増幅装置ABI7000(Applied Biosystems社製)にて、リアルタイムPCR法で解析した。mRNA量はβ-actinを内在性コントロールとして比較CT法により算出し、コントロールの一日目を1としたときの相対値を示した。解析結果を図3に示す。
図3中、Aは、ALP(Alkaline Phosphatase, Liver)を、Bはオステオカルシン(Gamma-Carboxyglutamic Acid Protein, Bone; Bglap)を、CはRunx2(Runt-Related Transcription Factor 2)を、DはOsterix(Transcription Factor Sp7; Sp7)のmRNAの発現量の相対値を、それぞれ表す。白抜きの棒グラフは対照群、黒塗りの棒グラフはハルミン処理群を表す。
図3より、ハルミン処理によって骨芽細胞分化のマーカーとして知られるALP(Alpl)およびオステオカルシン(Bglap)のmRNAの発現が増加していることが観察された。さらに、骨芽細胞分化に重要な転写因子であるRunx2およびOsterix(Sp7)のmRNAが亢進していることも観察された。
これらのmRNAの発現が亢進していることから、骨芽細胞の分化が促進されていることが示された。
以上の結果から、ハルミンを有効成分とする歯周組織形成促進剤は、優れた歯根形成(伸長)促進作用を有し、かつ、形成された歯根を支持する、歯周靭帯や歯槽骨等の周囲組織の形成促進作用をも有していることが示された。したがって、ハルミンを有効成分として含有する歯周組織形成促進剤は、歯根の形成促進、及び、歯根を支持する歯周靭帯や歯槽骨等の周囲組織の形成促進を行う上で、非常に有効であることが示された。
以上より、本発明の歯周組織再生促進剤は、とくに歯周組織の維持や再生促進が望まれる様々な場面において、広く応用の可能性が期待されるものであり、例えば、以下のような用途において、特に有用であると考えられる。
(1)歯科領域において、上述した剤形とすることにより、ヒト及び動物の歯周組織の維持や再生を促進することができる。
(2)食品用として、特定の食品や飲料等に微量添加することにより、歯周病予防効果のあるガムや飴作成に応用できる。
(3)ペット関連製品として、飼料等に微量添加することにより、歯周病予防効果のあるペットフード等の作成に応用できる。
本発明によれば、本発明の化合物(I)〜(VII)、生理学的に許容されるこれらの塩、これらの水和物、これらの配糖体及びこれらを含む抽出物からなる群から選ばれる1種以上を含む医薬組成物及び医薬製剤は、医薬及び食品の分野において有用である。

Claims (12)

  1. 下記式(I)で表される化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を有効成分として含有する歯周組織再生促進用医薬組成物。
    (式中、R1は、水素原子、OH,OR’1、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R2は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を表す。ここで、R’1は炭素数1又は2のアルキル基を、R’2は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を、R’3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基をそれぞれ表す。)
  2. 1は、水素原子、OH、OMe及びOEtからなる群から選ばれる官能基であり、R’ 2 は、Me又はEtであり、R’ 3 は、水素原子、Me及びEtからなる群から選ばれる官能基である、ことを特徴とする請求項1に記載の歯周組織再生促進用医薬組成物。
  3. 下記式(III)〜(V)で表される化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を有効成分として含有する、請求項1又は2に記載の歯周組織再生促進用医薬組成物。
  4. 下記式(II)で表される化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を有効成分として含有する、歯周組織再生促進用医薬組成物。
    (式中、R3は、水素原子、OH、OR’1、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R4は、水素原子、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R5は、水素原子、COR’2、及びCOOR’3からなる群から選ばれる官能基を表し、R6は、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を表す。ここで、R’1は炭素数1又は2のアルキル基を、R’2は、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基を、また、R’3は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状及び環状のアルキル基からなる群から選ばれる官能基をそれぞれ表す。)。
  5. 1は、水素原子、OH、OMe及びOEtからなる群から選ばれる官能基であり、R’ 2 は、Me又はEtであり、R’ 3 は、水素原子、Me及びEtからなる群から選ばれる官能基である、ことを特徴とする請求項4に記載の歯周組織再生促進用医薬組成物。
  6. 下記式(VI)又は(VII)で表される化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものを有効成分として含有する、請求項4又は5に記載の歯周組織再生促進用医薬組成物。
  7. 下記の(a)〜(d)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の抽出物に含まれる、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、これらの生理学的に許容される塩、及びこれらの水和物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものを有効成分として含有する、歯周組織再生促進用医薬組成物:
    (a)トケイソウ科に属する植物の地上部の全草からの抽出物
    (b)ハマビシ科、マツブサ科、及びミカン科に属する植物の果実からの抽出物
    (c)キントラノオ科に属する植物の樹皮からの抽出物;及び、
    (d)ヒメハギ科、サトイモ科、及びショウガ科に属する植物の根からの抽出物。
  8. 前記トケイソウ科に属する植物が、トケイソウ(Passiflora caerulea L.)、チャボトケイソウ(Passiflora incarnata)、及びクダモノトケイソウ(Passiflora edulis)からなる群から選ばれるいずれかの植物であることを特徴とする、請求項7に記載の歯周組織再生促進用医薬組成物。
  9. 前記ハマビシ科に属する植物が、ハマビシ(Tribulus terrestris L.)又はペガナム・ハルマラ(Pegunum harmala L.)であり、前記マツブサ科に属する植物がチョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)であり、及び前記ミカン科に属する植物がゴシュユ(Evodia rutaecarpa)であることを特徴とする、請求項7に記載の歯周組織再生促進用医薬組成物。
  10. 前記キントラノオ科に属する植物が、バニステリオプシス・カアピ(Banisteriopsis caapi)又はバニステリオプシス・イネブリアンス(Banisteriopsis inebrians)であることを特徴とする、請求項7に記載の歯周組織再生促進用医薬組成物。
  11. 前記ヒメハギ科に属する植物がイトヒメハギ(Polygala tenuifolia)であり、前記サトイモ科に属する植物がカラスビシャク(Pinellia ternata)であり、前記ショウガ科に属する植物がショウガ(Zingiber officinale)であることを特徴とする、請求項7に記載の歯周組織再生促進用医薬組成物。
  12. 請求項7〜11のいずれかに記載の組成物を含有する、歯周組織再生促進用医薬製剤。
JP2008558102A 2007-02-13 2008-02-13 歯周組織再生促進用医薬組成物及び歯周組織再生促進剤 Active JP5317271B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008558102A JP5317271B2 (ja) 2007-02-13 2008-02-13 歯周組織再生促進用医薬組成物及び歯周組織再生促進剤

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2007/052508 WO2007091707A1 (ja) 2006-02-10 2007-02-13 骨疾患の予防及び/又は治療用医薬組成物、その組成物を含有する機能性食品、健康食品及び医薬製剤、並びに歯根-歯周組織形成促進剤
JPPCT/JP2007/052508 2007-02-13
PCT/JP2008/052356 WO2008099853A1 (ja) 2007-02-13 2008-02-13 歯周組織再生促進用医薬組成物及び歯周組織再生促進剤
JP2008558102A JP5317271B2 (ja) 2007-02-13 2008-02-13 歯周組織再生促進用医薬組成物及び歯周組織再生促進剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008099853A1 JPWO2008099853A1 (ja) 2010-05-27
JP5317271B2 true JP5317271B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=49596006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008558102A Active JP5317271B2 (ja) 2007-02-13 2008-02-13 歯周組織再生促進用医薬組成物及び歯周組織再生促進剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5317271B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62148426A (ja) * 1985-12-23 1987-07-02 Rooto Seiyaku Kk 歯周病治療剤
JP2002104986A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 抗歯周病剤
JP2005053837A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Kao Corp 吸収性骨疾患予防治療剤

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62148426A (ja) * 1985-12-23 1987-07-02 Rooto Seiyaku Kk 歯周病治療剤
JP2002104986A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 抗歯周病剤
JP2005053837A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Kao Corp 吸収性骨疾患予防治療剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2008099853A1 (ja) 2010-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5080284B2 (ja) 骨疾患の予防及び/又は治療用医薬組成物、その組成物を含有する機能性食品、健康食品及び医薬製剤、並びに歯根−歯周組織形成促進剤
JP5667358B2 (ja) 柑橘類果皮の麹菌発酵組成物
KR101704589B1 (ko) 후박 추출물 및 신이 추출물의 혼합물을 유효성분으로 함유하는 치주조직 성장 촉진용 및 치주염 예방 또는 치료용 약학적 조성물
JP5523663B2 (ja) 歯根−歯周組織形成促進用医薬組成物
KR100457970B1 (ko) 경조직 재생 및 증식 효과를 가지는 황칠 추출물, 황칠분획물 및 이를 함유한 약학 조성물
Sari et al. Inhibiting the growth of periopathogenic bacteria and accelerating bone repair processes by using robusta coffee bean extract
JP5317271B2 (ja) 歯周組織再生促進用医薬組成物及び歯周組織再生促進剤
Soekobagiono et al. Effects of moringa oleifera leaf extract combined with DFBBX on type-1 collagen expressed by osteoblasts in the tooth extraction sockets of Cavia cobaya
KR20190135652A (ko) 접골공진단을 포함하는 골 관련 질환의 예방 및 치료용 조성물
ES2203585T3 (es) Procedimiento de extraccion mediante un disolvente de compuestos activos de la achicoria.
JPWO2012035770A1 (ja) グリコーゲンを含有する骨形成促進剤
JP2005263681A (ja) 象牙質形成覆髄剤
KR20080081393A (ko) 광곽향, 해바라기, 육계 추출액을 함유하는 모발 성장촉진용 조성물
KR20170051926A (ko) 붉은토끼풀(red clover, Trifolium pratense) 유래 Biochanin-A를 유효성분으로 하는 퇴행성관절염 예방 기능성 식품 조성물
RU2785189C1 (ru) Способ лечения рецессии десны с использованием мультипотентных мезенхимальных стволовых клеток
JP2015071623A (ja) オレウロペインおよびその分解物を含有する歯周組織健康維持剤
KR100407557B1 (ko) 어성초 추출물을 포함하는 경조직 재생촉진제 조성물
US20100130622A1 (en) Pharmaceutical preparation for preventing and/or treating periodontal disease, agent for oral hygiene comprising thereof, and food comprising thereof
Baban et al. Effects of oral supplementation of pomegranate peel extract on some serum biochemical parameters related with bone in rabbit
KR102674369B1 (ko) 구강질환 원인균에 대한 항균 활성을 갖는 천연 약재 추출물을 유효성분으로 하는 구강용 패치
KR102314369B1 (ko) 4-페닐부티르산을 포함하는 상아질 재생 촉진용 조성물
CN102770148B (zh) 用于骨和软骨修复的方法和组合物
Saravanan et al. Evaluation of cytotoxic activity of Chrysopogon zizanioides mouthwash—An in vitro study
KR100407556B1 (ko) 영지 추출물을 포함하는 경조직 재생촉진제 조성물
KR102710619B1 (ko) 로즈마리 추출물을 포함하는 임플란트 주위염 개선용 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110207

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130516

TRDD Decision of grant or rejection written
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20130605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130612

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20130703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5317271

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250