JP5316627B2 - 波長変換素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、波長変換素子の製造方法に関するものである。
半導体レーザや固体レーザは材料に固有な出射波長をもっており、その波長領域の拡大は応用分野の拡大に直結する。赤外光源は環境計測や医療・バイオで利用されており、自動車の排気ガス検知、レーザイオン化質量分析、果実の糖度分析、歯科治療、非襲侵の血液検査、脳内の血流検査などへの適用が検討されている。
しかし、たとえばルビーレーザ、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザ、炭酸ガスレーザなどの光源は特定の波長の光のみを射出可能である。またチタン・サファイアレーザなどの光源は可変波長であるが650nm〜1100nm付近の波長の光のみを射出可能である。このように、すべての波長域においてレーザ光を得ることはできない。したがって、レーザ光源から射出された特定波長の光を異なる波長の光に変換し得る波長変換素子が望まれる。
従来では、BBO(ホウ酸バリウム)、LBO(ホウ酸リチウム)などのホウ酸系結晶を用いた波長変換素子が周知である。このような波長変換素子においては、結晶の複屈折性を利用した位相整合によって波長変換が行われる。しかし、結晶の複屈折性を利用した波長変換素子では、十分な波長変換効率を得ることが困難である。また、結晶の複屈折性はその結晶に固有の性質であって調整することができないので、複屈折性を利用した波長変換素子は波長選択性などの自由度が低い。
そこで、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)およびIn(インジウム)の少なくともいずれかとN(窒素)とを含み、かつ自発分極を有する化合物半導体結晶を用いた波長変換素子が特開2008−170710号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1では、化合物半導体結晶には自発分極が2次元格子状に周期的に反転させられた分極構造が形成されていて、その分極構造は第1の波長の入射光に対して2次元的に擬似位相整合(QPM:Quasi Phase Matching)条件を満たしている。このため、ホウ酸系結晶の複屈折整合を利用する場合に比べて相互作用長が長く取れるので、高効率な波長変換が可能となる。
また化合物半導体結晶を用いて2次元分極反転構造を形成して、波長変換素子を製造する方法が上記特許文献1に開示されている。具体的には、+c面を有するGaN(窒化ガリウム)基板上に、2次元分極反転構造パターンに対応したマスクパターンを形成する。その後、GaN基板の+c面およびマスクパターン上に、+c軸方向にGaN層を形成する。この場合、GaN基板の+c面上には+c軸方向へGaN層の厚さが増大するように+c領域をエピタキシャル成長させ、マスク層上には−c軸方向へGaN層の厚さが増大するように−c領域をエピタキシャル成長させる。これにより、2次元分極反転構造を形成している。
特開2008−170710号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の波長変換素子では、GaN基板の+c面上に成長したGaN結晶と、マスクパターン上に成長したGaN結晶とでは、結晶性が異なる。波長変換素子の結晶性が異なると、その異なる結晶の界面で光の反射が生じるため、光の透過率が悪くなるという問題があることを本発明者は鋭意研究の結果見い出した。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、透過率を向上できる波長変換素子の製造方法を提供することである。
本発明の波長変換素子の製造方法は、光導波路を有し、光導波路の一方端側から入射した入射光の波長を変換して光導波路の他方端側から出射光を出射させる波長変換素子の製造方法であって、以下の工程を備えている。第1の結晶を成長させる。第1の結晶の表面に規則的に配列した2以上の凸部を形成する。第1の結晶の表面上に、第1の結晶との屈折率の差が実質的にないアモルファス結晶である第2の結晶を成長させる。第2の結晶を成長させる工程では、光導波路に沿って第1および第2の結晶の分極方向が周期的に反転する分極反転構造を形成し、分極反転構造は入射光に対して擬似位相整合条件を満たすように、第1および第2の結晶を形成する。
本発明の波長変換素子の製造方法によれば、第2の結晶として第1の結晶との屈折率の差が実施的にないアモルファス結晶を第1の結晶上に成長させている。これにより、第1および第2の結晶の屈折率の差は実質的にない。また第1および第2の結晶を用いて分極構造を容易に形成することができる。このため、入射光が光導波路を透過するときに、光導波路における第1および第2の結晶の界面での反射を抑制することができる。したがって、第1および第2の結晶の界面での透過率のロスを低減できるので、透過率を向上した波長変換素子を製造することができる。
本発明の波長変換素子の製造方法によれば、第1および第2の結晶の屈折率の差が実質的にないので、第1および第2の結晶の界面を透過する光の反射を抑制できる。したがって、透過率を向上できる波長変換素子を製造することができる。
本発明の実施の形態1における波長変換素子を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1の変形例における波長変換素子を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における下地基板を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における結晶を成長させた状態を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における結晶を分割する状態を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における結晶を分割して形成した第1の結晶を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における結晶を分割する別の状態を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態3における波長変換素子を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態3におけるアモルファス結晶を成長させた状態を概略的に示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における波長変換素子を概略的に示す斜視図である。始めに、図1を参照して、本実施の形態における波長変換素子10aを説明する。
図1に示すように、本実施の形態における波長変換素子10aは、光導波路13を有している。光導波路13は、光導波路13の一方端13a側から入射した入射光101の波長を変換して光導波路13の他方端13b側から出射光102を出射させる。
波長変換素子10aは、第1の結晶11と、第1の結晶11の屈折率との差が実質的にない第2の結晶12とを備えている。第1および第2の結晶11、12は、単結晶であることが好ましい。
第1および第2の結晶11、12は、光導波路13に沿って分極方向が周期的に反転する分極反転構造を形成している。つまり、分極反転構造を形成した第1および第2の結晶11、12に、光波閉じ込めのための光導波路13を形成している。分極反転構造は、入射光101に対して擬似位相整合条件を満たしている。ここで、擬似位相整合条件とは、非線形光学結晶の伝搬軸に沿って非線形光学係数の符号を周期で反転した構造を設け、非線形分極の波動ベクトルと発生しようとする光波の波動ベクトルとの差を周期構造の波数ベクトルで補償することで位相整合をとる条件である。
分極反転構造を形成する第1および第2の結晶11、12として、たとえば矢印の方向が正極になるようにそれぞれ分極している。つまり、本実施の形態では、第1および第2の結晶11、12の正極の方向が反対である。第1および第2の結晶11、12がAlNの場合には、第1の結晶11の正極である第1の面11aはAl極性面であり、第2の結晶12の正極と反対の面である第2の面12bはN極性面である。
また光導波路13において隣接する第1および第2の結晶11、12を1周期とすると、波長変換素子10aは1周期以上有しており、好ましくは5周期以上有している。
光導波路13を構成し、かつ光導波路13の延びる方向と交差する第1および第2の結晶11、12の界面14には、隙間がないことが好ましい。この界面14は、分極の向きが反転している。一方、光導波路13の延びる方向と平行な方向に沿った第1および第2の結晶11、12の界面15には、隙間があってもよい。
このような第1および第2の結晶11、12の屈折率の差は実質的にない。屈折率の差が実質的にない場合、光導波路13の延びる方向(入射光101の進む方向)と交差する第1および第2の結晶11、12の界面14での光の反射を抑制することができる。このため、光導波路13を透過する入射光101の透過率のロスを低減することができる。屈折率の差が実質的にないとは、たとえば第1および第2の結晶11、12が5周期(つまり、第1および第2の結晶11、12の界面14が9つ)の場合には0.01以下、第1および第2の結晶11、12が10周期の場合には0.001以下である。これらの場合には、波長変換素子10aは、たとえば90%以上の透過率を有する。
ここで、屈折率は、たとえば分光エリプソメータにより400〜800nmの波長での分光エリプソメトリー(偏光解析法)を用いて測定される値である。
本実施の形態における第1および第2の結晶11、12は、表面に規則的に配列した凸部を有する櫛型であり、互いに嵌合されている。つまり、第1および第2の結晶11、12は凸部と凹部とを有しており、第1の結晶11の凸部は第2の結晶11の凹部と嵌合されており、かつ第1の結晶11の凹部は第2の結晶11の凸部と嵌合されている。
また第1および第2の結晶11、12の少なくとも一方は、1×103cm-2以上1×107cm-2未満、好ましくは1×103cm-2以上1×105cm-2未満の転位密度を有している。本実施の形態では、第1および第2の結晶11、12の転位密度が、上記範囲内である。1×107cm-2未満の場合、入射光101のエネルギーの転位での吸収を抑制することができるので、第1および第2の結晶11、12の温度が上昇することを抑制できる。このため、使用による出射光102の強度の低下を抑制することができ、特性を維持できる寿命を向上できる。1×105cm-2未満の場合、入射光101のエネルギーの転位での吸収を効果的に抑制することができる。転位密度は低い方が好ましいが、容易に製造できる観点から、下限値は、1×103cm-2である。
ここで、転位密度は、たとえば溶融KOH(水酸化カリウム)中のエッチングによりできるピットの個数を数えて、単位面積で割るというアルカリ・エッチング法によって測定される値(エッチピット密度:EPD)である。
第1および第2の結晶11、12は、異なる組成であってもよいが、同じ組成であることが好ましい。また、第1および第2の結晶11、12はAlxGa(1-x)N(0.5≦x≦1)よりなることが好ましい。この場合、Alの組成比xが0.5以上1以下の熱伝導率から、上記転位密度とすることにより寿命を向上できるという効果を発現できる。なお、AlxGa(1-x)Nの組成比xは、Alのモル比である。
図2は、本実施の形態の変形例における波長変換素子10bを概略的に示す斜視図である。図2に示すように、第1および第2の結晶11、12において嵌合される側の形状は、のこぎり刃型であってもよい。また、第1および第2の結晶11、12は、櫛型、のこぎり刃型などの形状に特に限定されず、波型などの他の形状であってもよい。
続いて、本実施の形態における波長変換素子の製造方法について説明する。図3は、本実施の形態における下地基板21を概略的に示す斜視図である。図3に示すように、下地基板21を準備する。下地基板21は、主表面21aを有している。主表面21aは、たとえば(001)面(c面)である。
準備する下地基板21は、成長させる結晶22と同じ組成であることが好ましい。また、AlxGa(1-x)N(0.5≦x≦1)よりなる下地基板21を準備することが好ましい。
図4は、本実施の形態における結晶22を成長させた状態を概略的に示す斜視図である。次に、図4に示すように、下地基板21の主表面21a上に、結晶22を成長させる。
下地基板21と同じ組成の結晶22を成長させる場合には、下地基板21と結晶22とは格子不整合などが緩和されているので、転位密度の低い結晶22を成長させることができる。本実施の形態では、成長させる結晶22の転位密度は、好ましくは1×103cm-2以上1×107cm-2未満であり、より好ましくは1×103cm-2以上1×105cm-2未満である。
また、下地基板21の主表面21aに接するように結晶22を成長させている。つまり、下地基板21と結晶22との間にマスク層などが介在していない。これにより、矢印の方向(成長表面)が正極になるように分極している結晶22が得られる。
成長方法は特に限定されず、昇華法、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy:ハイドライド気相成長)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシ)法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相堆積)法などの気相成長法、フラックス法、高窒素圧溶液法などの液相法などを採用することができる。
図5は、本実施の形態における結晶22を分割する状態を概略的に示す斜視図である。図6は、本実施の形態における結晶22を分割して形成した第1の結晶11を概略的に示す斜視図である。次に、図5および図6に示すように、結晶22を分極が互いに反転するように2以上に分割することにより、第1の結晶11と第2の結晶12とを形成する。1つの結晶22から第1および第2の結晶11、12を形成しているので、第1および第2の結晶11、12の組成および屈折率は同じである。
また、転位密度の低い結晶22を用いた場合には、好ましくは1×103cm-2以上1×107cm-2未満であり、より好ましくは1×103cm-2以上1×105cm-2未満である第1および第2の結晶11、12を形成することができる。
本実施の形態では、図5に示すように、成長表面(主表面22a)が櫛型になるように、成長方向に沿って分割している。つまり、結晶22の主表面22aから見て櫛型になるように第1および第2の結晶11、12に分割している。
このように分割すると、結晶22の主表面22aは、第1の結晶11の第1の面11aおよび第2の結晶12の第2の面12bを形成する。結晶22の主表面22aと反対側の裏面22bは、第1の結晶の第2の面11bおよび第2の結晶12の第1の面12aを形成する。
分割する方法は特に限定されないが、レーザ、ワイヤソーなどを用いることができる。レーザにより分割する場合には、加工精度を向上できる点で有利である。ワイヤソーを用いる場合には、コストを低減できる点で有利である。
これにより、図6に示すように、第2の面11bから第1の面11aに向けた方向が正極である第1の結晶11を形成できる。また第1の面12aから第2の面12bに向けた方向が正極である第2の結晶12を形成できる。
図7は、本実施の形態における結晶22を分割する別の状態を概略的に示す斜視図である。図7に示すように、成長表面(主表面22a)と交差する面(成長方向に沿った方向の面)が櫛型になるように、成長方向に沿って結晶22を分割して、第1および第2の結晶11、12を形成してもよい。
また、結晶22を分割する形状は図5および図7に示す櫛形に限定されない。図2に示すように、一方の面がのこぎり刃形状になるように結晶22を分割してもよい。この場合は、加工が非常に容易である点で有利である。
次に、第1および第2の結晶11、12の少なくとも一方の表面をエッチングする。これにより、第1および第2の結晶11、12の少なくとも一方の表面の分極をより確実に形成することができる。エッチングは、ウエットエッチング、ドライエッチングのいずれであってもよい。
たとえば第1および第2の結晶11、12がAlNの場合、ウエットエッチングとしてKOHでエッチングすると、N元素のエッチングレートはAl元素のエッチングレートよりも速いので、Al元素が終端の面を容易に形成することができる。またドライエッチングとしてRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)をすると、一方面をマスクとして、他方面にAl元素が終端の面を容易に形成することができる。なお、このエッチングをする工程は省略されてもよい。
次に、第1および第2の結晶11、12の少なくとも一方の表面を研磨する。研磨をした表面は、分極をより確実に形成することができる。研磨する方法は特に限定されないが、たとえばCMP研磨(Chemical Mechanical Planarization:化学機械研磨)などを採用できる。なお、この研磨する工程は省略されてもよい。また、エッチングをする工程および研磨する工程のいずれか一方のみ実施してもよく、両方実施してもよい。両方実施する場合には、エッチングをする工程の前に研磨する工程を実施してもよい。
次に、光導波路13に沿って第1および第2の結晶11、12の分極方向が周期的に反転する分極反転構造を形成し、分極反転構造は入射光101に対して擬似位相整合条件を満たすように、第1および第2の結晶11、12を貼り合わせる。
具体的には、図5または図7のように分割した第1および第2の結晶11、12の一方のみを180°反転させ、櫛型の面を互いに対向させる。この状態で、第1および第2の結晶11、12を嵌合する。本実施の形態では、第1および第2の結晶11、12が櫛型またはのこぎり刃型であるので、第1の結晶11の凸部と第2の結晶12の凹部とを(第1の結晶11の凹部と第2の結晶12の凸部とを)互いに嵌め込む。その後、第1および第2の結晶11、12の界面14の隙間がなくなるように、アニールなどを行ってもよい。
以上より、図1または図2に示すように、光導波路13に沿って分極方向が周期的に反転する分極反転構造を形成し、分極反転構造は入射光101に対して擬似位相整合条件を満たした波長変換素子10a、10bを製造することができる。
続いて、波長変換素子10a、10bの動作について説明する。まず、波長変換素子10a、10bの光導波路13の一方端13aから入射光101を入射させる。この入射光101は、第1および第2の結晶11、12の界面14に垂直に入射させることが好ましい。この入射光101は、光導波路13の他方端13bに向けて光導波路13を透過する。このとき、光導波路13において擬似位相整合条件を満たした分極反転構造を有する第1および第2の結晶11、12で、入射光101の位相が変換される。そして、光導波路13の他方端13bから波長が変換された出射光102が出射される。これにより、特定波長の入射光101を、異なる波長の出射光102に変換することができる。
以上説明したように、本実施の形態における波長変換素子10a、10bは、光導波路13を有し、光導波路13の一方端13a側から入射した入射光101の波長を変換して光導波路13の他方端13b側から出射光102を出射させる波長変換素子であり、第1の結晶11と、第1の結晶11の屈折率との差が実質的にない第2の結晶12とを備えている。第1および第2の結晶11、12は、光導波路13に沿って分極方向が周期的に反転する分極反転構造を形成し、分極反転構造は入射光101に対して擬似位相整合条件を満たしている。
本実施の形態における波長変換素子10a、10bの製造方法は、結晶22を成長させる工程と、結晶22を分極が互いに反転するように2以上に分割することにより第1の結晶11と第2の結晶12とを形成する工程と、光導波路13に沿って第1および第2の結晶11、12の分極方向が周期的に反転する分極反転構造を形成し、分極反転構造は入射光101に対して擬似位相整合条件を満たすように、第1および第2の結晶11、12を嵌合する工程とを備えている。
本実施の形態における波長変換素子10a、10bおよびその製造方法によれば、1つの結晶22から第1および第2の結晶11、12を分割することにより形成している。このため、第1および第2の結晶11、12の屈折率は同じである。この第1および第2の結晶11、12を嵌合して分極反転構造を形成しているので、入射光101が光導波路13を透過するときに、光導波路13における第1および第2の結晶11、12の界面14での反射を抑制することができる。したがって、第1および第2の結晶11、12の界面14での透過率のロスを低減できるので、光導波路13の一方端13aから入射する入射光101の強度に対する他方端13bから出射する出射光102の強度で表される透過率を向上した波長変換素子10a、10bを製造することができる。
また、第1および第2の結晶11、12を結晶22から分割し、一方を反転して嵌合することで、波長変換素子10a、10bを製造することができる。このため、たとえばAlxGa(1-x)N(0.5≦x≦1)よりなる第1および第2の結晶11、12を用いた波長変換素子10a、10bを容易に製造することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態における波長変換素子は、図1または図2に示す実施の形態1の波長変換素子10a、10bとほぼ同様である。また、第1の結晶11のみ極性を有しており、第2の結晶12は極性を有していなくてもよい。
続いて、本実施の形態における波長変換素子10a、10bの製造方法について説明する。本実施の形態の波長変換素子10a、10bの製造方法は、基本的には実施の形態1と同様の構成を備えているが、第1の結晶11を形成した結晶22から形成した第2の結晶12を用いていない点において異なる。
具体的には、実施の形態1と同様に、下地基板21を準備する。次に、実施の形態1と同様に、第1の結晶12(結晶22)を成長させる。
次に、第1の結晶11との屈折率の差が実質的にない第2の結晶12を準備する。本実施の形態では、図6に示す第1の結晶11を形成し、第1の結晶11と分極反転構造を形成できる第2の結晶12を準備する。
第2の結晶12を準備する方法として、たとえば、図5または図7に示すように第1および第2の結晶11、12を複数形成することにより、第1の結晶11を形成した結晶22と別の結晶22から形成された第2の結晶12を準備する。あるいは、極性を有さないように結晶22を成長させ、第1の結晶11と嵌合するような形状に加工して、第2の結晶12を準備してもよい。なお、第1および第2の結晶11、12は実質的に同じ組成であるので、屈折率の差は実質的にない。
この場合、結晶22は同じ組成の下地基板21上に形成されているので、同じ結晶22から第1および第2の結晶11、12を形成していなくても、第1および第2の結晶11、12の転位密度を1×103cm-2以上1×107cm-2未満に低減することができる。
次に、実施の形態1と同様に、光導波路13に沿って第1および第2の結晶11、12の分極方向が周期的に反転する分極反転構造を形成し、分極反転構造は入射光101に対して擬似位相整合条件を満たすように、第1および第2の結晶11、12を嵌合する。これにより、本実施の形態の波長変換素子10a、10bを製造することができる。
以上説明したように、本実施の形態における波長変換素子10a、10bの製造方法によれば、第1の結晶11を準備する工程と、第1の結晶11の屈折率との差が実質的にない第2の結晶12を準備する工程とを備え、屈折率の差が実質的にない第1および第2の結晶11、12を嵌合させることにより分極反転構造を形成している。このため、他の結晶22から第1および第2の結晶11、12を形成した場合であっても、入射光101が光導波路13を透過するときに、光導波路13における第1および第2の結晶11、12の界面14での反射を抑制することができる。したがって、第1および第2の結晶11、12の界面14での透過率のロスを低減できるので、透過率を向上した波長変換素子10a、10bを製造することができる。
特に、第1の結晶11のみ分極させて、第2の結晶12を他の材料で形成して、第1の結晶11と第2の結晶12とを嵌合させると、容易に波長変換素子10a、10bを製造できるので、有利である。
(実施の形態3)
図8は、本実施の形態における波長変換素子を概略的に示す斜視図である。図8に示すように、本実施の形態における波長変換素子10dは、基本的には図1に示す実施の形態1の波長変換素子10aと同様の構成を備えているが、第2の結晶がアモルファス結晶16である点において異なる。アモルファス結晶16の屈折率は、第1の結晶11の屈折率と実質的に差がなく、400〜800nmの波長での第1の結晶11の屈折率との差が0.001以上0.1以下であることが好ましい。
本実施の形態では、第1の結晶11は単結晶であることが好ましく、また1×103cm-2以上1×107cm-2未満の転位密度を有していることが好ましい。
この第1の結晶11の表面(第1の面11a)には、図6および図8に示すように、規則的に配列した2以上の凸部11cと凹部とが形成されている。この2以上の凸部11cは、光導波路13の延びる方向(入射光101が光導波路13を透過する方向)と交差する方向に向けて同様の形状で突出している。図8に示すように、凸部11cにおいて光導波路13の壁面を構成する部分の幅W11は、所定の大きさ以上であることが好ましい。所定の大きさとは、たとえば26μm以上である。また、凸部において突出している角度θ11は、90°近傍であることが好ましい。
アモルファス結晶16は、第1の結晶11と同様の凸部と凹部とを有している。アモルファス結晶16の凹部は第1の結晶11の凸部11cと接合されており、かつアモルファス結晶16の凸部は第1の結晶11の凹部と接合されている。
続いて、本実施の形態における波長変換素子の製造方法について説明する。まず、実施の形態1と同様に、下地基板21を準備する。次に、下地基板21上に、第1の結晶11を成長させる。次に、第1の結晶11の表面に規則的に配列した2以上の凸部を形成する。これらの工程では、たとえば実施の形態1と同様に、下地基板21上に結晶22を成長し、結晶22から規則的に配列した2以上の凸部を有するように第1の結晶11を分割する。これにより、図6に示すような第1の結晶11を形成することができる。
図9は、本実施の形態におけるアモルファス結晶16を成長させた状態を概略的に示す断面図である。次に、図9に示すように、第1の結晶11の表面上に、第1の結晶11との屈折率の差が実質的にないアモルファス結晶16である第2の結晶を成長させる。この工程では、光導波路13に沿って第1および第2の結晶11、16の分極方向が周期的に反転する分極反転構造を形成し、分極反転構造は入射光101に対して擬似位相整合条件を満たすように、第1および第2の結晶11、16を形成する。
本実施の形態では、第1の結晶11と同じ組成のアモルファス結晶16である第2の結晶を成長させる。これにより、第1の結晶11の屈折率との差が実質的にないアモルファス結晶16を成長することができる。特に、特に、400〜800nmの波長での第1の結晶の屈折率との差が0.001以上0.1以下であるようにアモルファス結晶16を成長させることが好ましい。なお、アモルファス結晶16を成長させる方法は特に限定されない。
アモルファス結晶16を成長させると、第1の結晶11とアモルファス結晶16との極性が反対方向になる。このため、分極反転構造を容易に形成することができる。これにより、図8に示す波長変換素子10dを製造することができる。
以上説明したように、本実施の形態における波長変換素子10dの製造方法によれば、第2の結晶として第1の結晶11との屈折率の差が実施的にないアモルファス結晶16を第1の結晶11上に成長させている。これにより、第1の結晶11と第2の結晶であるアモルファス結晶16との屈折率の差は実質的にない。また第1の結晶11およびアモルファス結晶16を用いて分極構造を容易に形成することができる。このため、入射光101が光導波路13を透過するときに、光導波路13における第1の結晶11とアモルファス結晶16との界面での反射を抑制することができる。したがって、第1の結晶11およびアモルファス結晶16の界面での透過率のロスを低減できるので、透過率を向上した波長変換素子10dを製造することができる。
本実施例では、結晶22を分極が互いに反転するように2以上に分割することにより、第1の結晶11および第2の結晶12を形成する工程を備えることの効果について調べた。
(本発明例1および2)
本発明例1および2の波長変換素子は、基本的には実施の形態1にしたがって製造した。具体的には、まず、本発明例1および2の下地基板21として、主表面22aが(001)面であるAlN単結晶基板およびAl0.5Ga0.5N単結晶基板をそれぞれ準備した。
次に、下地基板21上に、下地基板21と同じ組成の結晶22を昇華法により成長させた。その後、結晶22の表面にCMP研磨を施した。
次に、図7に示すように、結晶22を分極が互いに反転するように2以上に分割して、櫛型の第1の結晶11と第2の結晶12とを形成した。第1および第2の結晶11、12は、それぞれ38個形成した。なお、第1および第2の結晶11、12の凸部において光導波路13の壁面を構成する部分の幅(第1の結晶11の場合、図16における幅W11)は、26.6μmとした。
また得られた第1および第2の結晶11、12の転位密度を、KOH−NaOH(水酸化ナトリウム)を用いた溶融アルカリ・エッチング法によりそれぞれ測定した。その結果、本発明例1および2の第1および第2の結晶11、12の転位密度は1×103cm-2であった。
次に、第1および第2の結晶11、12を交互に38周期嵌合した。これにより、図1に示すように、光導波路13に沿って第1および第2の結晶11、12の分極方向が周期的に反転する分極反転構造を形成し、分極反転構造は入射光101に対して擬似位相整合条件を満たしていた。これにより、本発明例1および2の波長変換素子10aを製造した。
(評価結果)
本発明例1、2の波長変換素子について、入射光として波長が1064nmのNd−YAGレーザー(ネオジウム・ヤグレーザー)を、第1および第2の結晶11、12の界面14に垂直になるように光導波路13に入射した。その結果、532nmの波長の出射光102が出射された。
以上より、本発明例1および2では、同じ結晶22から第1および第2の結晶11、12を形成しているので、第1および第2の結晶11、12の屈折率は同じであった。このため、本発明例1および2の波長変換素子では、入射した入射光101を光導波路13で透過させて、波長が変換された出射光102として取り出すことができたことを確認した。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、各実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10a,10b,10d 波長変換素子、11 第1の結晶、11a,12a 第1の面、11b,12b 第2の面、11c 凸部、12 第2の結晶、13 光導波路、13a 一方端、13b 他方端、14,15 界面、16 アモルファス結晶、21 下地基板、21a,22a 主表面、22 結晶、22b 裏面、23 マスク層、101 入射光、102 出射光、W11 幅、θ11 角度。

Claims (1)

  1. 光導波路を有し、前記光導波路の一方端側から入射した入射光の波長を変換して前記光導波路の他方端側から出射光を出射させる波長変換素子の製造方法であって、
    第1の結晶を成長させる工程と、
    前記第1の結晶の表面に規則的に配列した2以上の凸部を形成する工程と、
    前記第1の結晶の前記表面上に、前記第1の結晶の屈折率との差が実質的にないアモルファス結晶である第2の結晶を成長させる工程とを備え、
    前記第2の結晶を成長させる工程では、前記光導波路に沿って前記第1および第2の結晶の分極方向が周期的に反転する分極反転構造を形成し、前記分極反転構造は前記入射光に対して擬似位相整合条件を満たすように、前記第1および第2の結晶を形成する、波長変換素子の製造方法。
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