JP5316364B2 - 流体混合装置 - Google Patents

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本発明は、遺伝子分析等に用いられる流体混合装置に関し、特に、マイクロチップとして構成される流体混合装置に関する。
従来、μTAS(Total Analysis System)と称される分野では、ガラスやプラスチック等の基盤(以下「マイクロチップ」と称す)に流路や貯留槽を形成し、その中で試料や試薬等を取り扱うことにより、分析や解析を行っている。分析や解析のためには、マイクロチップの外部から試料や試薬を供給する必要が有る。また、流路や貯留槽に有る試料や試薬に対して、マイクロチップの外部より圧力を加える等の手段によって試料や試薬の流動を制御し、試料や試薬の攪拌や混合の処理を行う。マイクロチップの外部より圧力を供給するため、マイクロチップと、動作制御用圧力の供給装置や試料や試薬の供給装置はチューブ等で接続されている。(特許文献1、特許文献2参照)
図8は、分析や解析の対象となる試料や試薬の第1の液体1aと、第1の液体1aとは異なる第2の液体1bとを混合させる、従来型のマイクロチップの概略図である。図8に示すように、マイクロチップは、第1の液体1aを供給する槽として第1の供給槽2aと、第1の液体1aとは別の第2の液体1bを供給する槽として第2の供給槽2bとを備えている。また、第1の液体1aと第2の液体1bを混合させる槽として混合槽9がマイクロチップに設けられている。さらに、第1の供給槽2aから混合槽9へと第1の液体1aを送液するための第1の混合槽流路3aが設けられており、第1の混合槽流路3aが設けられている位置とは別の位置に、第2の供給槽2bと混合槽9を接続する第2の混合槽流路3bが設けられている。第1の供給槽2a及び第2の供給槽2bは、各々、液体や動作制御用の圧力を供給するために、不図示の液体供給装置や圧力供給装置等にチューブ等で接続されている。
第1の供給槽2a中の第1の液体1aへの圧力を増加させると、第1の液体1aが第1の混合槽流路3aを通過して混合槽9に送液される。第1の液体1aの送液量が混合槽9の許容量を超えた場合や、マイクロチップに振動が与えられた場合には、混合槽9に接続されている第1の混合槽流路3aとは異なる第2の混合槽流路3bを通じて、第2の供給槽2bに第1の液体1aが送液されることになる。第2の供給槽2bには第2の液体1bが供給されているため、第1の液体1aと第2の液体1bとが第2の供給槽2bで混合される。
分析や解析の目的によっては、混合槽9以外の場所で、第1の液体1aと第2の液体1bとが混合されることが許されない場合がある。そこで、第2の混合槽流路3bには、混合槽9に送液された第1の液体1aが第2の混合槽流路3bを通じて第2の供給槽2bに向かう方向の流れを防止する第2のバルブ5bが設けられている。また、第1の混合槽流路3aにも同様に、第2の液体1bが混合槽9から第1の混合槽流路3aを通じて第1の供給槽2aに向かう方向の流れを防止する第1のバルブ5aを備えている。このような第1のバルブ5aと第2のバルブ5bとを各々の混合槽流路に適宜設置することにより、混合槽9以外の場所での第1の液体1aと第2の液体1bとの混合を防止することが出来る。
前述のような、混合槽から供給槽への流れを防止するバルブとして、流動抵抗を活用した受動バルブや、ダイヤフラム等の可撓性材料を用いたバルブが採用されている。
流動抵抗を活用した受動バルブは、流路中に流路断面積を小さくした部分を設けることで、流動抵抗値を非常に大きくし、この流動抵抗値に打ち勝つ圧力で液体を移送したときのみ液体が流れる構造になっている(特許文献3、特許文献4参照)。図8に示す従来のマイクロチップの例において、第1の液体1aが第1の供給槽2aから第1の混合槽流路3aを通じて送液される場合、第1のバルブ5aの流動抵抗値を超える圧力で送液することによって、第1の液体1aは第1のバルブ5aを通過する。
その後、第1の液体1aの圧力は第1のバルブ5aで降下した状態で混合槽9へ送液される。第1の液体1aの送液量が混合槽9の許容量を超えた場合、第1の液体1aは第2の混合槽流路3bを通じて第2の液体1bを供給する第2の供給槽2bに向かって送られる。第2のバルブ5bでの第1の液体1aの圧力が、第2のバルブ5bの流動抵抗値未満であれば、第1の液体1aは第2のバルブ5bで停止する。したがって、第1の液体1aが混合槽9から第2の供給槽2bへ向かって送液されることが防止される。
混合槽から供給槽への流れを防止するバルブに受動バルブを用いた場合、液体の圧力のみでバルブの通過を制御できるため、バルブ開閉の操作のためにマイクロチップの外部からバルブに物理的な力や信号を送る必要がないため、取り扱いが簡易になる利点がある。
また、ダイヤフラム等の可撓性材料を用いたバルブでは、マイクロチップの外部から物理的な力や信号を送り、可撓性材料を変形させることで流路を開閉する。図8に示す従来のマイクロチップの例において、第1の液体1aが第1の供給槽2aから第1の混合槽流路3aを通じて混合槽9に送液される場合、マイクロチップの外部から第1のバルブ5aを開放しておき、第2のバルブ5bを閉止しておく。このことによって、第1の液体1aの送液量が混合槽9の許容量を超えた場合においても、第2のバルブ5bによって第1の液体1aの送液は停止されるため、第1の液体1aの第2の供給槽2bへの送液は防止される。
可撓性材料を用いて混合槽から供給槽への流れを防止するバルブを構成した場合、可撓性材料の変形により流路が物理的に開閉されるため、バルブから液体が漏れる可能性が少なく、液体の制御に高い信頼性を得ることができる(特許文献5、特許文献6参照)。
上記の例では、供給槽中の液体の制御方法として、液体の送液量を制御せずに圧力の制御を行っていると仮定して説明した。圧力の制御以外に、供給槽中の液体の送液量を制御可能なシリンジポンプ等を使って送液量で調整を行うことも可能である。シリンジポンプを用いても、液体の送液量と、流路や供給槽及び混合槽の容量を十分に制御出来ないので、混合槽の許容量を超え、混合槽から供給槽への流れを起こすことが十分考えられる。したがって、シリンジポンプ等を用いて流量を制御する場合においても、バルブが必要となる。
特開2005−345463 特開2007−187616 特開2003−190751 特開2006−142448 特開2003−139660 特開2003−139662
図8で示す従来例のマイクロチップにおいて、受動バルブを用いて混合槽から供給槽への流れを防止するバルブを構成する場合、第1の液体1aの圧力は、第1のバルブ5aの流動抵抗値以上且つ第2のバルブ5bの流動抵抗値未満とされなければならない。すなわち、精度の高い圧力制御が要求され、操作性を低下させるかもしれない。第1の液体1aへの圧力の制御が要求する精度に満たない場合、第1の液体1aの圧力が第1のバルブ5aの流動抵抗値に対し不足する、又は第2のバルブ5bの流動抵抗値に対し超えてしまう可能性がある。すなわち、混合槽9への送液や第2の供給槽2bへの流れの防止が正常に行われず、信頼性を低下させてしまう恐れがある。
可撓性材料を用いて混合槽から供給槽への流れを防止するバルブを構成する場合、マイクロチップの外部から可撓性材料へ力を加える等の外部の機構を設ける必要がある。したがって、外部の機構とマイクロチップとの接続が増加し、取り扱いが煩雑になり、生産性が低下してしまうかもしれない。また、外部の機構を新たに設けているため、その機構の保守点検が新たに要求されるといった課題もある。
そこで、本発明は、混合槽から供給槽への流れを防止するバルブを備えているマイクロチップにおいて、精度の高い圧力制御を用いなくとも、生産性、保守性が低下することなく、操作性、信頼性が向上する流体混合装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、少なくとも2つの液体を混合させる混合槽と、該少なくとも2つの液体ごとに設けられ該各液体を該混合槽へ供給する複数の供給槽と、該供給槽のそれぞれを前記混合槽に接続する混合槽流路とを備えた流体混合装置において、
それぞれの前記混合槽流路に配設されたバルブと、それぞれの前記混合槽流路に接続された分岐流路をさらに有し、
前記分岐流路は、一の前記混合槽流路から他の前記混合槽流路における前記バルブへ接続されており、前記バルブは、前記分岐流路を通った液体から圧力を加えられることで前記混合槽流路を閉じるものであることを特徴とする。
上記のとおりの構成によれば、液体が一の混合槽流路を通過して混合槽に送液される前に、分岐流路を通過して他の混合槽流路に具備されているバルブに送液され、バルブを閉止する。したがって、液体が混合槽から他の混合槽流路に向かう流れを防ぐことが出来る。
混合槽から混合槽流路に向かう流れを防ぐバルブは、液体によって物理的に閉止されるため、圧力調整による流動可否を用いた受動バルブに比べ、低い精度の圧力調整で流れを防ぐことが出来、操作性、信頼性が向上する。また、バルブは、流体混合装置内の液体によって開閉されるため、流体混合装置の外部からあらたにバルブを操作する機構を設けなくても良く、マイクロチップと外部機構の接続が簡素になり、生産性、保守性が向上する。
本発明によれば、混合槽から供給槽への流れを防止するバルブを備えているマイクロチップにおいて、精度の高い圧力制御を用いなくとも、生産性、保守性が低下することなく、操作性、信頼性が向上する。
本発明の実施形態におけるマイクロチップの概略図である。 流路選択機構を説明するための概略図である 本発明の実施形態におけるマイクロチップの構成を示す分解斜視図である。 マイクロチップの流路の断面図である FEMを用いて、マイクロチップのシートの変形をシミュレーションしたときの断面図である。 図5において、流路幅を変更してシミュレーションしたときの断面図である。 混合槽流路が3本の場合における本発明の実施の形態を示す概略図である。 従来のマイクロチップの概略図である。
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるマイクロチップ10の概略図である。マイクロチップ10は、分析や解析の対象となる試料や試薬などの第1の液体1aと、第1の液体1aとは異なる第2の液体1bを、混合槽9で混合させるものである。第1の液体1aを混合槽9へ送液した後、第2の液体1bを混合槽9へ送液する。
マイクロチップ10は、第1の液体1aを供給する槽として第1の供給槽2aと、第2の液体1bを供給する槽として第2の供給槽2bとを備えている。さらに、第1の供給槽2aから混合槽9へと第1の液体1aを送液するための第1の混合槽流路3aが設けられており、第1の混合槽流路3aが設けられている位置とは別の位置に、第2の供給槽2bと混合槽9とを接続する第2の混合流路3bが設けられている。第1の供給槽2aは、マイクロチップ10の外部から第1の液体1aを供給する不図示の液体供給装置や、第1の液体1aの圧力を高めるための不図示の圧力供給装置にチューブ等で接続されている。同様に、第2の供給槽2bも圧力供給装置等に接続されている。
また、第1の混合槽流路3aには、混合槽9から第1の供給槽2aへの流れを防止する第1のバルブ5aが配設されており、同様に第2の混合槽流路3bには混合槽9から第2の供給槽2bへの流れを防止する第2のバルブ5bが配設されている。
第1のバルブ5aは、第2のバルブ5bと第2の供給槽2bとの間で第2の混合槽流路3bから分岐されている第2の分岐流路4bに接続されている。第1のバルブ5aは、ダイヤフラム等の可撓性材料によって閉鎖構造となっており、第2の液体1bから圧力を加えられることで第1のバルブ5aは変形し、第1の混合槽流路3aとの連通を閉止する動作を行う。同様に、第2のバルブ5bは、第1のバルブ5aと第1の供給槽2aとの間で第1の混合槽流路3aから分岐されている第1の分岐流路4aに接続されている。第1の液体1aが第2のバルブ5bに流入することによって、第2の混合槽流路3bとの連通を閉止する動作を行う。
さらに、第1の混合槽流路3aと第1の分岐流路4aとの分岐点には、流入する液体の圧力によって通過させる流路を選択する第1の流路選択機構6aが具備されている。同様に、第2の混合槽流路3bと第2の分岐流路4bとの分岐点には第2の流路選択機構6bが具備されている。
ここで、第1の流路選択機構6a及び第2の流路選択機構6bの具体的構成について説明する。流路選択機構は、混合槽流路の供給槽側と連絡する流路部分に対応する1つの入力流路と、混合槽流路の混合槽側及び分岐流路と連絡する流路部分に対応する複数の出力流路とを有している。また、流路選択機構は、出力流路にそれぞれの流動抵抗値の異なる受動バルブを具備することによって構成される。図2は流路選択機構の概略図である。図2で示すように、入力流路12は接続部17で出力流路13と出力流路14とに分岐されている。出力流路13にはある所定の流動抵抗値Xを持った受動バルブ15を有している。また、出力流路14には受動バルブ15の流動抵抗値Xよりも大きい流動抵抗値Yを持った受動バルブ16を有している。したがって、接続部17において、入力流路12に送液された液体11の圧力が流動抵抗値Xよりも小さければ、供給液体11は受動バルブ15及び受動バルブ16を通過しない。供給液体11が、流動抵抗値X以上且つ流動抵抗値Y未満の圧力を有していれば、供給液体11は受動バルブ16を通過せず、受動バルブ15の側の通過のみに限定される。さらに供給液体11の圧力を高め、流動抵抗値Y以上の圧力となったとき、受動バルブ15及び受動バルブ16を通過する。
本発明の実施の形態におけるマイクロチップ10に具備されている第1の流路選択機構6aは、入力流路が第1の混合槽流路3aの第1の供給槽2a側に接続されている。また、ある所定の流動抵抗値Xaを持つ受動バルブを有する出力流路が第1の分岐流路4aに接続され、流動抵抗値Xaよりも大きい流動抵抗値Yaを持つ受動バルブを有する出力流路が第1の混合槽流路3aの混合槽9側に接続されている。同様に、第2の流路選択機構6bは、入力流路が第2の混合槽流路3bの第2の供給槽2b側に接続されている。また、ある流動抵抗値Xbを持つ出力流路が第2の分岐流路4bに接続され、流動抵抗値Xbよりも大きな流動抵抗値Ybを持つ出力流路が第2の混合槽流路3bの混合槽9側に接続されている。第1の流路選択機構6aの流動抵抗値Xa及びYaと、第2の流路選択機構6bの流動抵抗値Xb及びYbとの間に大小関係は必要でない。
次に、前述のマイクロチップ10を用いて、混合槽9において第1の液体1aと第2の液体1bとが混合される方法を説明する。
まず、第1の液体1aを第1の供給槽2aから混合槽9に送液する方法を説明する。このとき、第1の供給槽2bにある第2の液体1bの圧力はマイクロチップ10の外部にある圧力供給装置によって高められていないものとする。
マイクロチップ10の外部よりチューブ等で接続された圧力供給装置等の手段によって第1の供給槽2a中の第1の液体1aの圧力を増加させると、第1の液体1aは第1の混合槽流路3aを流動し、第1の流路選択機構6aへ到達する。第1の流路選択機構6aにおいて、第1の液体1aの圧力が流動抵抗値Xa未満の場合、流動抵抗値Ya未満でもあるため、第1の液体1aは第1の流路選択機構6aで滞留する。
続いて圧力供給装置で第1の液体1aの圧力を徐々に高め、第1の流路選択機構6aの流動抵抗値Xa以上且つ流動抵抗値Ya未満に達したとき、第1の液体1aは第1の流路選択機構6aの第1の分岐流路4a側のみ許可され、第2のバルブ5bへ向かう。第1の分岐流路4aに接続されている第2のバルブ5bは、第1の液体1aによって圧力を加えられると第2の混合槽流路3bを閉じる動作を行う。また、第2のバルブ5bは閉鎖構造となっているため、第1の液体1aは第2のバルブ5bで滞留する。
第1の液体1aの圧力による第2のバルブ5bの変形が終了し、第2のバルブ5bが第1の液体1aで飽和状態となってからも、第1の液体1aの圧力がさらに高められると、第1の流路選択機構6aにおいて第1の液体1aの圧力は流動抵抗値Yaに達する。したがって、第1の流路選択機構6aで滞留した第1の液体1aは混合槽9に向かって第1の混合槽流路3a側へ流動を開始し、第1の液体1aは第1の混合槽流路3a上の第1のバルブ5aに到達する。第1のバルブ5aは、第2のバルブ5bと同様に、第2の液体1bの圧力によって第1の混合槽流路3aを閉じる動作をするが、前述の仮定において、第2の液体1bの圧力は高められていないため、第1のバルブ5aは開いている状態である。したがって、第1の液体1aは第1のバルブ5aを通過し、混合槽9に流入する。
第1の液体1aの流入量が混合槽9の許容量を超えた場合や、マイクロチップ10に外部から振動等が与えられた場合には、第1の液体1aは混合槽9から第2の混合槽流路3bに沿って第2の供給槽2bに向かって流れる。その後、第1の液体1aは第2の混合槽流路3bに具備されている第2のバルブ5bへ到達する。前述の、第1の液体1aを混合槽9へ送液する工程において、第1の液体1aの圧力は高められているため、第2のバルブ5bに流入された第1の液体1aは第2のバルブ5bを閉じるように作用している。したがって、第2の混合槽流路3b上の第1の液体1aは第2のバルブ5bで滞留し、第1の液体1aは第2の供給槽2bへ送液されることなく停止する。
十分な量の第1の液体1aを混合槽9に送液した後、第1の液体1aの圧力を低下させていき、送液を終了する。第1の液体1aの圧力が第1の流路選択機構6aの流動抵抗値Xa以上且つ流動抵抗値Ya未満まで低下すると、第1の流路選択機構6aは第1の混合槽流路3aへの送液は停止するが、第1の分岐流路4aへの送液は継続される。すなわち、第2の混合槽流路3b上の第2のバルブ5bを閉め続けていることになる。さらに第1の液体1aの圧力を低下させ、第1の流路選択機構6aの流動抵抗値Xa以下の圧力に第1の液体1aの圧力がなると、第1の分岐流路4aへの送液も停止され、第2のバルブ5bは第2の混合槽流路3bを開く方向へ動作する。以上によって、第1の液体1aの混合槽9への送液が完了する。
もし、混合槽9の許容量と同量の第1の液体1aが混合槽9に溜まっていた場合、ここでは詳しくは説明しないが別の手段によって、混合槽9の第1の液体1aを一部廃棄し、第1の液体1aとは異なる第2の液体1bが流入できる容量を確保する。
次に、第2の液体1bを混合槽9へ送る。第1の液体1aを混合槽9へ送液する手順と同様に行うことによって、第2の液体1b、または第1の液体1aと第2の液体1bの混合液が混合槽9から第1の供給槽2aへ送られることなく、第2の液体1bを混合槽9へ送ることができる。すなわち、第2の液体1bの圧力が、第2の流路選択機構6bの流動抵抗値Xb以上且つ流動抵抗値Yb未満となったところで、第2の液体1bは第2の分岐流路4bを通って第1のバルブ5aへ送られ、第1のバルブ5aは第1の混合槽流路3aを閉止する。
その後、さらに第2の液体1bの圧力を高めることによって第2の流路選択機構6bの流動抵抗値Ybを超え、混合槽9へ向かって第2の混合槽流路3bを通って第2のバルブ5bへ第2の液体1bが送られる。第2のバルブ5bは第2のバルブ5bに流入された第1の液体1aの圧力によって閉じられる構造を持っている。第1の液体1aの送液を終了したときに第1の液体1aの圧力は低下しているので、第2のバルブ5bは開いている状態である。したがって、第2の液体1bは第2のバルブ5bを通過し、混合槽9に送液される。このときに、混合槽9に送液された第2の液体1bは、はじめて第1の液体1aと混合される。
混合後、さらに第2の液体1bが混合槽9に送液され、混合槽9の許容量を超えた場合、第2の液体1bまたは第2の液体1bと第1の液体1aとの混合液は第1の混合槽流路3aに沿って第1の供給槽2aに向かう。第1の混合槽流路3a上の第1のバルブ5aは、閉止されているために、混合液は第1のバルブ5aで停止する。
十分な量の第2の液体1bが混合槽9に送液した後、第2の液体1bの圧力を低下させていき、送液を終了する。
以上のように、本発明の実施の形態を用いることにより、第1の供給槽2a中の第1の液体1aへの圧力供給と、第2の供給槽2b中の第2の液体1bへの圧力供給により、混合槽9において第1の液体1aと第2の液体1bとが混合される。また、本発明の実施の形態では、第1の液体1a及び第2の液体1bの圧力を高めることによって混合槽から供給槽への流れを防止するバルブが物理的に閉止される。したがって、従来の、混合槽から供給槽への流れを防止するバルブに受動バルブを用いた場合に必要となる、送液される液体の圧力をバルブの流動抵抗値の上下限範囲に制御するという、精度の高い圧力制御は要求されない。
また、本発明の実施の形態では、混合槽から供給槽への流れを防止するバルブは、マイクロチップを流れる第1の液体1a及び第2の液体1bの圧力によって開閉されるため、バルブを開閉するために外部からの操作を要求しない。したがって、マイクロチップの外部にバルブ操作用の機構を設ける必要が無く、マイクロチップとの接続が煩雑にならない。また、新たな機構が外部に設けられないため、保守点検が新たに要求されることもない。
本発明の実施の形態を用いることにより、混合槽から供給槽への流れを防止するバルブを備えているマイクロチップにおいて、精度の高い圧力制御を用いなくとも、生産性、保守性が低下することなく、操作性、信頼性が向上する流体混合装置が提供される。
図1におけるマイクロチップ10では、第1の分岐流路4aと第2の分岐流路4bとが交差している。この様な流路を容易に実現する方法としては、図3に示すように、複数のシートを張り合わせることによって実現される。図3は、交差する流路の形態を示す分解斜視図である。図3において、マイクロチップ10はダイヤフラム等の可撓性材料で構成されたシート18、19、20が、シート18の上にシート19、シート19の上にシート20といった形で積層されることによって構成されている。各シートと隣接するシートとには接着される部分と接着されない部分とに分けられている。図3において、網状模様が掛けられている部分が隣接するシートと接着されない部分であり、接着されない部分に液体は流入可能となる。すなわち、液体の流れる流路、液体を貯留する槽、流路を閉止するバルブ等は、シート同士が接着されない部分が、シート同士が接着される部分に囲まれることによって形成される。
シート18上に具備されている供給槽、混合槽流路、流路選択機構、混合槽の各構成は、図1に示した概略図の各構成と同様であるため、それらに関する説明は省略する。シート19には混合槽流路3a、3bを閉止するバルブ5a、5bが具備されている。
第1の流路選択機構6aから分岐されている第1の分岐流路4aの、第1の流路選択機構6aに接続されている側とは逆の一端では、中央のシート19に第1の穴7aが切り抜かれており、シート19上に液体が流れる構造になっている。すなわち、穴7aはスルーホールとして機能する。また、シート19には第1の穴7aと第2のバルブ5bとを接続する第1の分岐流路8aが具備されており、第1の液体1aは、第1の流路選択機構6aから分岐流路4a、穴7a、分岐流路8aを経て第2のバルブ5bに到達する。同様に、第2の液体1bは第2の流路選択機構6bから分岐流路4b、穴7b、分岐流路8bを経て第1の混合槽流路3aを閉止する第1のバルブ5aへ到達する。以上のような構成とすることで、図1で示すような第1の分岐流路4aと第2の分岐流路4bが交差するマイクロチップが実現される。
なお、前述のマイクロチップ10における3枚のシートのうち、上記のメカニズムが動作するのであれば、可撓性でない材料を一部に使用することも可能である。例えば、シート20を可撓性でないシートを使用することも可能である。
ここで、図2における流路選択機構中の受動バルブ15及び受動バルブ16の具体的構成を説明する。
図4は、マイクロチップの流路における断面図である。図4に示すマイクロチップ21は、可撓性材料からなるシート22の上に同じく可撓性材料からなるシート23が積層されて構成されている。シート22とシート23が接着されていない部分が流路34となっており、マイクロチップ21の外部より液体を導入して圧力を保っている状態を示している。図5は、FEM(有限要素法)を用いて、シート22の変形をシミュレーションしたときの断面図である。マイクロチップ21の流路幅Lを500[μm]、マイクロチップ21の厚さを200[μm]とし、液体を封入して圧力を印加しときのシート22またはシート23の変形を、FEM(有限要素法)を用いてシミュレーションした。シート22とシート23の変形は上下対称で同じなので、図5にはシート22のみを示している。また、図6は、図5と同様、FEMを用いてシート22の変形をシミュレーションしたときの断面図である。図6においては、流路幅Lを1000[μm]としている。流路の幅L以外の条件は図5で示したものと同じ条件時でシミュレーションしている。図5及び図6を比較すると、流路24中の液体の印加圧力が同じにもかかわらず、流路幅Lの狭い図5の方が、流路幅Lの広い図6に対して変形が少ない。つまり、流路幅Lが狭い方が、可撓性材料の変形量が小さく、流路断面積が小さくなり、流動抵抗が大きくなっていることがわかる。このようにして、流路の途中に狭隘部を具備することによって、狭隘部の前後での流路の流動抵抗を様々に決定することが出来る。
図2において、流体選択機構の受動バルブ15及び受動バルブ16は前述した原理を用いて流動抵抗値を設定することができる。受動バルブ16での流路を、受動バルブ15での流路に比べ、狭くすることによって、受動バルブ16の流動抵抗値Yは、受動バルブ15の流動抵抗値Xよりも大きくなる。
また、本実施例において、液体の圧力を徐々に高めるとして説明したが、供給槽と混合槽流路との間に流動抵抗を大きくした障害物を具備することによって、液体の圧力を徐々に高める作用を備えることも出来る。
図1で示した本発明の実施の形態では、混合槽流路が2つの場合を示したが、混合槽流路が3つ以上の場合でも同様に実現することが出来る。図7は、混合槽流路が3つの場合の本発明の実施の形態である。図7で符号が付されている構成要素は、図1に示したような本発明の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
1a、2b 液体
2a、2b 供給槽
3a、3b 混合槽流路
4a、4b 分岐流路
5a、5b バルブ
6a、6b 流路選択機構
7a、7b 穴
8a、8b 分岐流路
9 混合槽
10 マイクロチップ
11 液体
12 入力流路
13、14 出力流路
15、16 受動バルブ
17 分岐点
18、19、20 シート
21 マイクロチップ
22、23 シート
24 流路
L 流路幅

Claims (7)

  1. 少なくとも2つの液体を混合させる混合槽と、該少なくとも2つの液体ごとに設けられ該各液体を該混合槽へ供給する複数の供給槽と、該供給槽のそれぞれを前記混合槽に接続する混合槽流路とを備えた流体混合装置において、
    それぞれの前記混合槽流路に配設されたバルブと、それぞれの前記混合槽流路に接続された分岐流路をさらに有し、
    前記分岐流路は、一の前記混合槽流路から他の前記混合槽流路における前記バルブへ接続されており、前記バルブは、前記分岐流路を通った液体から圧力を加えられることで前記混合槽流路を閉じるものであることを特徴とする流体混合装置。
  2. 少なくとも2つの液体を混合させる混合槽と、該少なくとも2つの液体ごとに設けられ該各液体を該混合槽へ供給する複数の供給槽と、該供給槽のそれぞれを前記混合槽に接続する混合槽流路とを備えた流体混合装置において、
    それぞれの前記混合槽流路に配設されたバルブと、それぞれの前記混合槽流路に接続された分岐流路と、前記分岐流路と前記混合槽流路の接続部に設けられた流路選択機構と、をさらに有し、
    前記分岐流路は、一の前記混合槽流路における前記流路選択機構から他の前記混合槽流路における前記バルブへ接続されており、
    前記流路選択機構は、前記供給槽からの供給液体が所定の圧力に達しないときは該供給液体の流れを前記分岐流路の方向に限定し、該供給液体が該所定の圧力を超えたとき前記供給液体の流れを前記混合槽の方向にも許可し、前記バルブは、前記分岐流路を通った液体から圧力を加えられることで前記混合槽流路を閉じるものであることを特徴とする流体混合装置。
  3. 前記流路選択機構は、前記混合槽流路の前記供給槽側と連絡する流路部分に対応する1つの入力流路と、前記分岐流路に対して連絡する流路部分と前記混合槽流路の前記混合槽側と連絡する流路部分とに対応する少なくとも2つの出力流路を有し、前記出力流路はそれぞれ異なる流動抵抗を備えていることを特徴とする請求項2に記載の流体混合装置。
  4. 前記出力流路はそれぞれ異なる流路幅で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の流体混合装置。
  5. 流体混合装置は少なくとも2つのシートを互いに貼り合わせて構成されており、前記流路選択機構の前記入力流路及び前記出力流路は、前記シート同士が接着されない部分によって構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の流体混合装置。
  6. 前記流路選択機構は、少なくとも1つの可撓性材料を用いて構成されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の流体混合装置。
  7. 流体混合装置は少なくとも3つのシートを互いに張り合わせて構成されており、該3つのシートのうちの中央のシートに切り抜かれている部分をスルーホールとして具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体混合装置。
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