JP5315791B2 - 固体高分子型燃料電池用触媒の活性化方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用触媒の活性化方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用触媒の活性化方法及び活性化された固体高分子型燃料電池用触媒に関する。
通常、固体高分子型燃料電池に使用されるガス拡散性の電極は、高分子電解質で被覆された触媒担持カーボンを含有する触媒層と、この触媒層に反応ガスを供給すると共に電子を集電するガス拡散層とからなる。触媒層内には、構成材料となるカーボンの二次粒子間或いは三次粒子間に形成される微少な細孔からなる空隙部が存在し、当該空隙部が反応ガスの拡散流路として機能している。そして、上記の触媒としては、高分子電解質中において安定な白金、白金合金等の貴金属触媒が通常使用されている。
このように、高分子電解質型燃料電池の電極触媒のカソード及びアノード触媒としては、白金又は白金合金等の貴金属をカーボンブラックに担持した触媒が用いられてきた。白金担持カーボンブラックは、塩化白金酸水溶液に、亜硫酸水素ナトリウムを加えた後、過酸化水素水と反応させ、生じた白金コロイドをカーボンブラックに担持させ、洗浄後、必要に応じて熱処理することにより調製するのが一般的である。高分子電解質型燃料電池の電極は、白金担持カーボンブラックを高分子電解質溶液に分散させてインクを調製し、そのインクをカーボンペーパーなどのガス拡散基材に塗布し、乾燥することにより作製される。この2枚の電極で高分子電解質膜を挟み、ホットプレスをすることにより電解質膜−電極接合体(MEA)が組立られる。
白金は高価な貴金属であり、少ない担持量で十分な性能を発揮させることが望まれている。そのため、より少量で触媒活性を高める検討がなされており、例えば、下記特許文献1には、運転中の白金粒子の成長が抑制され、高い耐久性能を有する燃料電池用電極触媒を提供することを目的として、導電性炭素材料、前記導電性炭素材料に担持された、酸性条件下で白金より酸化されにくい金属粒子、および前記金属粒子の外表面を覆う白金からなる電極触媒が開示されている。具体的には、金属粒子として、金、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、チタン、バナジウム、銅、およびマンガンより選ばれた少なくとも一種の金属と白金とからなる合金が例示されている。
一方、酸素(O)を電解還元すると、1電子還元ではスーパーオキシドが生成し、2電子還元では過酸化水素が生成し、4電子還元では水が生成することが知られている。電極として白金や白金系触媒を用いた燃料電池セルスタックでは、何らかの原因で電圧低下が生じると、4電子還元性が低下し、2電子還元性となってしまう。このため、過酸化水素を発生し、MEAの劣化の原因となっていた。
最近、酸素を4電子還元して水を生成させる反応により、高価な白金触媒を必要としない低コスト型の燃料電池触媒の開発が行われている。下記非特許文献1には、カルコゲン元素を有する触媒が4電子還元性に優れていることが開示され、燃料電池への適用も示唆されている。
同様に、下記特許文献2には、白金代替触媒として、少なくとも1種の遷移金属及びカルコゲンからなる電極触媒であって、該遷移金属としてRu、カルコゲンとしてS又はSeからなる電極触媒が開示されている。ここで、Ru:Seのモル比が0.5〜2の範囲であり、且つ(Ru)nSeの化学量論数nが1.5〜2である旨が開示されている。
ところで、下記特許文献3においては、ダイレクトメタノール型燃料電池の一般的なエージング方法が開示されている。具体的には、ダイレクトメタノール型燃料電池等のエージングを要する燃料電池のアノード電極にメタノール水溶液等のアノード媒質を供給し、カソード電極に空気等のカソード媒質を供給して、両電極間に燃料電池の発電時における通電と同じ方向へ強制通電を行って燃料電池のエージングをしている。
特開2002−289208号公報 特表2001−502467号公報 特開2006−40869号公報 Electrochimica Acta,vol.39,No.11/12,pp.1647−1653,1994
特許文献1、2、非特許文献1に記載のような、従来の、(A)貴金属触媒、(B)貴金属−遷移金属合金触媒、及び(C)遷移金属−カルコゲナイド触媒は、いずれも、保管中、運転中に発電性能が劣化するという問題があり、これらの触媒を活性化する方法の開発が望まれていた。又、特許文献3の発明は、ダイレクトメタノール型燃料電池のセル組み立て直後の発電特性が低く不安定であることに対処する初期慣らし運転の短縮に関するもので、その通電方向も燃料電池の発電時における通電と同じ方向であり、触媒層の微細構造に関わる活性化方法ではない。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、燃料電池用触媒を活性化状態にすることで電池性能を向上させることを目的とする。
本発明者は、従来の燃料電池用触媒の性能劣化は、触媒表面の金属が酸化されて酸化物を形成することが原因であることを見出し、燃料電池用触媒に対して特定の活性化処理を行なうことによって、触媒効率を向上させることが可能であることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は、固体高分子型燃料電池用触媒に対して所定電位印加パターンで電位を印加する固体高分子型燃料電池用触媒の活性化方法の発明であって、該電位印加パターンが、(1)初期電位から下限還元電位まで電位降下させる電位降下工程と、(2)該下限還元電位を保持する還元電位保持工程と、(3)該下限還元電位から該初期電位まで電位上昇させる電位上昇工程と、(4)前記(1)電位降下工程と、(2)下限還元電位保持工程と、(3)電位上昇工程とからなる電位印加パターンを、間隔をおいて複数回繰り返す工程とを含むことを特徴とする。
本発明の固体高分子型燃料電池用触媒の活性化方法によって、触媒表面の金属酸化物が還元され、触媒が有する本来の高活性が得られる。本発明の活性化は、燃料電池を運転する前であっても、運転後で次の運転の前であっても効果的である。
本発明の活性化は、(1)電位降下工程と、(2)還元電位保持工程と、(3)電位上昇工程と、(4)間隔(インターバル)からなる電位印加パターンを複数回繰り返すこと効果的である。
発明の活性化の対象となる固体高分子型燃料電池用触媒としては種々の公知の触媒を用いることができる。これらの固体高分子型燃料電池用触媒の中で、(C)遷移金属−カルコゲナイド触媒が好ましく例示される。
以下、(C)遷移金属−カルコゲナイド触媒を用いた場合についての詳細を示す。
固体高分子型燃料電池用触媒が、(C)遷移金属−カルコゲナイド触媒である場合には、(1)電位降下工程の電位降下挿引速度が0mV/s超且つ50mV/s以下であることが好ましい。電位降下挿引速度が50mV/sを超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらない。
固体高分子型燃料電池用触媒が(C)遷移金属−カルコゲナイド触媒である場合には、前記(1)電位降下工程の下限還元電位が0〜300mVであることが好ましい。下限還元電位が300mVを超えると飛躍的には触媒の活性化は起こらない。
固体高分子型燃料電池用触媒が、(C)遷移金属−カルコゲナイド触媒である場合には、(2)還元電位保持工程の保持時間が0秒超且つ100秒以下であることが好ましい。保持時間が100秒を超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらない。
前記固体高分子型燃料電池用触媒が、(C)遷移金属−カルコゲナイド触媒である場合には、(3)電位上昇工程の電位上昇挿引速度が100mV/s以上であることが好ましい。電位上昇挿引速度が100mV/s未満である飛躍的には触媒の活性化は起こらない。
固体高分子型燃料電池用触媒が、(C)遷移金属−カルコゲナイド触媒である場合には、電位印加パターンを(4)間隔をおいて複数回繰り返す間隔が0秒超且つ50秒以下であることが好ましい。間隔が50秒を超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらない。
体高分子型燃料電池用触媒では、触媒金属粒子表面が反応点となるが、貴な電位下では表面が金属酸化物で覆われており発電性能が劣化している。本発明では、特定の操作により、卑な電位とすることで、触媒金属粒子表面の金属酸化物が還元され、メタル化することで、発電性能が向上する。
本発明の固体高分子型燃料電池の触媒層で担体に担持される触媒金属として、例えば(C)遷移金属−カルコゲナイド触媒が利用可能である。
発明において、遷移金属−カルコゲナイド触媒の基本組成は、導電性担体に少なくとも1種の遷移金属元素と少なくとも1種のカルコゲン元素が担持されたものである。少なくとも1種の遷移金属元素と少なくとも1種のカルコゲン元素は、例えば1種の遷移金属元素を用いる2元系触媒では一般式:MXで表される(ここで、Mは遷移金属元素であり、Xはカルコゲン元素である)。また、2種の遷移金属元素を用いる3元系触媒では一般式:MXで表される(ここで、M及びMは遷移金属元素であり、Xはカルコゲン元素である)。更に3種以上の遷移金属元素を用いた多元系触媒でもよい。
本発明の遷移金属−カルコゲナイド触媒は、遷移金属元素(M、M・・・)が、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、オスニウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)から選択される1種以上であり、カルコゲン元素(X)が、イオウ(S)、セレン(Se)、及びテルル(Te)から選択される1種以上であることが好ましい。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
[(A)貴金属触媒、(B)貴金属−遷移金属合金触媒、及び(C)遷移金属−カルコゲナイド触媒の調製]
(Pt/C触媒の調製)
下記の手順により、白金担持カーボン触媒(Pt/C触媒)を調製した。
1)カーボン(Ketejen Black)2.0gを純水0.2Lに分散させ、スラリーを調製する。
2)スラリーを攪拌しながら、5wt%のヘキサヒドロキソ白金硝酸水溶液を33g(白金換算で1.6g)を滴下する。
3)上記混合液を攪拌する。
4)得られた混合液に、純水1Lを滴下し、混合した後、ろ過する。
5)ろ過後、得られたケーキを更に純水で洗浄する。
6)洗浄後、得られたケーキを1Lの純水に分散させる。
7)得られた混合液にPH9.0となるまで0.01Nのアンモニア溶液を滴下する。
8)更に、上記混合液に3wt%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液を140mL滴下する。
9)上記混合液を十分に攪拌する。
10)得られた混合液をろ過する。
11)ろ過後、得られたケーキを更に純水を用いて洗浄する。
12)洗浄後、得られたケーキを、80℃で48時間加熱して乾燥する。
得られたPt/C触媒のPt担持量は45wt%であった。
(PtCo/C触媒の調製)
下記の手順により、白金コバルト合金担持カーボン触媒(PtCo/C触媒)を調製した。
1)カーボン(Ketejen Black)2.0gを純水0.2Lに分散させ、スラリーを調製する。
2)スラリーを攪拌しながら、5wt%のヘキサヒドロキソ白金硝酸水溶液を33g(白金換算で1.6g)を滴下する。
3)上記混合液を攪拌する。
4)得られた混合液に、純水1Lを滴下し、混合した後、ろ過する。
5)ろ過後、得られたケーキを更に純水で洗浄する。
6)洗浄後、得られたケーキを1Lの純水に分散させる。
7)硝酸コバルト1.5g(Coを0.16g含む)を純水40gに溶解させる。
8)6)の混合液に7)の硝酸コバルト水溶液を滴下する。
9)得られた混合液にPH9.0となるまで0.01Nのアンモニア溶液を滴下する。
10)得られた混合液に、純水1Lを滴下し、混合した後、ろ過する。
11)ろ過後、得られたケーキを更に純水で洗浄する。
12)洗浄後、得られたケーキを、真空雰囲気下100℃で24時間加熱して乾燥する。
13)乾燥させた粉末を、水素ガス雰囲気下700℃で2時間熱処理を行う。
14)更に、アルゴン雰囲気下800℃で5時間熱処理を行う。
得られたPtCo/C触媒の組成比はPt:Co=5:1であり、PtCo担持量は45wt%であった。
(RuMoS/C触媒の調製)
下記の手順により、遷移金属−カルコゲナイド担持カーボン触媒(RuMoS/C触媒)を調製した。
1)キシレンを不活性ガスを用いて脱気する。
2)1600mgのルテニウムカルボニルと、250mgのモリブデンカルボニルと、250mgのイオウ粉末を1)のキシレン中に投入する。
3)上記混合液を攪拌する。
4)攪拌後、不活性ガス雰囲気下において140℃で20時間、還流を行う。
5)室温まで冷却を行う。
6)得られた混合液をろ過する。
7)アセトンで洗浄する。
8)自然乾燥後、100℃で24時間真空乾燥する。
9)得られた粉末を、真空下350℃で2時間の熱処理を行う。
得られたRuMoS/C触媒の組成比はRu:Mo:S=5:1:5であり、RuMoS担持量は60wt%であった。
[触媒評価方法]
3電極式の回転ディスク評価装置にて電気化学評価を行った。図1に、本発明の触媒活性化の標準パターンを示す。
1)OCV状態から発電状態の電位まで電位を制御する。
2)発電状態の電位で10秒間保持する。後半の1秒間の電位の平均値を『制御前の初期性能値』とする。
3)任意の電位降下挿引速度で任意の電位(下限還元電位)まで電位を下げる。
4)下限還元電位に任意の時間保持したあと、任意の電位上昇挿引速度で発電状態まで電位を上げる。
5)発電状態の電位で再度10秒間保持する。後半の1秒間の電位の平均値を『制御後の性能値』とする。
6)開回路(OCV)状態とする。
本発明では、酸素還元電流値gain=『制御後の性能値』/『制御前の初期性能値』と定義した。
[遷移金属−カルコゲナイド触媒の活性化]
上記RuMoS/C触媒に対して、図1のパターンで活性化を行った。下限還元電位は100mVとした。
図2に、電位降下挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図2の結果より、最適な電位降下工程の電位降下挿引速度は0〜50mV/sであり、電位降下挿引速度が50mV/sを超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。
図3に、電位降下工程の下限還元電位を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図3の結果より、最適な電位降下工程の下限還元電位は0〜300mVであり、下限還元電位が300mVを超えると飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。なお、0mV以下では、逆反応が起こり、カソード極で水素が発生するため、0mV以下には制御しない。
図4に、還元電位保持工程の保持時間を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図4の結果より、最適な還元電位保持工程の保持時間は0〜100秒であり、保持時間が100秒を超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。下限還元電位で長く保持すると、電池効率と耐久性が悪くなるため、保持時間は最良の酸素還元電流gainが得られる最小の時間とするのが良い。
図5に、電位上昇工程の電位上昇挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図5の結果より、最適な電位上昇工程の電位上昇挿引速度は100mV/s以上であり、電位上昇挿引速度が100mV/s未満では飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。電位上昇挿引速度が大き過ぎると、オーバーシュートにより触媒が酸化し性能が低下する。このため、最良の酸素還元電流gainが得られる最小の電位上昇挿引速度とするのが良い。
図6に、電位印加パターンを間隔をおいて複数回繰り返す場合の間隔を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図6の結果より、最適な間隔は0〜50秒であり、間隔が50秒を超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。
[貴金属触媒の活性化]
上記Pt/C触媒に対して、図1のパターンで活性化を行った。下限還元電位は600mVとした。
図7に、電位降下挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図7の結果より、最適な電位降下工程の電位降下挿引速度は0〜100mV/sであり、電位降下挿引速度が100mV/sを超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。
図8に、電位降下工程の下限還元電位を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図8の結果より、最適な電位降下工程の下限還元電位は75〜675mVであり、下限還元電位が675mVを超えると飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。なお、0mV以下では、逆反応が起こり、カソード極で水素が発生するため、0mV以下には制御しない。
図9に、還元電位保持工程の保持時間を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図9の結果より、最適な還元電位保持工程の保持時間は0〜60秒であり、保持時間が60秒を超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。下限還元電位で長く保持すると、電池効率と耐久性が悪くなるため、保持時間は最良の酸素還元電流gainが得られる最小の時間とするのが良い。
図10に、電位上昇工程の電位上昇挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図10の結果より、最適な電位上昇工程の電位上昇挿引速度は300mV/s以上であり、電位上昇挿引速度が300mV/s未満では飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。電位上昇挿引速度が大き過ぎると、オーバーシュートにより触媒が酸化し性能が低下する。このため、最良の酸素還元電流gainが得られる最小の電位上昇挿引速度とするのが良い。
図11に、電位印加パターンを間隔をおいて複数回繰り返す場合の間隔を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図11の結果より、最適な間隔は0〜120秒であり、間隔が120秒を超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。
図12に、電位上昇工程中の後半部に電位上昇速度を低くしたなまし工程を前記電位印加パターンに設けた場合の、なまし工程の電位上昇挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図12の結果より、最適ななまし工程の電位上昇挿引速度は0〜50mV/sであり、なまし工程の電位上昇挿引速度が50mV/sを超えると飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。
[貴金属−遷移金属合金触媒の活性化]
上記PtCo/C触媒に対して、図1のパターンで活性化を行った。下限還元電位は600mVとした。
図13に、電位降下挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図13の結果より、最適な電位降下工程の電位降下挿引速度は0〜50mV/sであり、電位降下挿引速度が50mV/sを超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。
図14に、電位降下工程の下限還元電位を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図14の結果より、最適な電位降下工程の下限還元電位は0〜750mVであり、下限還元電位が750mVを超えると飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。なお、0mV以下では、逆反応が起こり、カソード極で水素が発生するため、0mV以下には制御しない。
図15に、還元電位保持工程の保持時間を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図15の結果より、最適な還元電位保持工程の保持時間は0〜16秒であり、保持時間が16秒を超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。下限還元電位で長く保持すると、電池効率と耐久性が悪くなるため、保持時間は最良の酸素還元電流gainが得られる最小の時間とするのが良い。
図16に、電位上昇工程の電位上昇挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図16の結果より、最適な電位上昇工程の電位上昇挿引速度は400mV/s以上であり、電位上昇挿引速度が400mV/s未満では飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。電位上昇挿引速度が大き過ぎると、オーバーシュートにより触媒が酸化し性能が低下する。このため、最良の酸素還元電流gainが得られる最小の電位上昇挿引速度とするのが良い。
図17に、電位印加パターンを間隔をおいて複数回繰り返す場合の間隔を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。図17の結果より、最適な間隔は0〜240秒であり、間隔が240秒を超えても飛躍的には触媒の活性化は起こらないことが分かる。
本発明により各種燃料電池用触媒が活性化される。これにより、燃料電池の普及に貢献する。
本発明の触媒活性化の標準パターンを示す。 RuMoS/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位降下挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 RuMoS/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位降下工程の下限還元電位を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 RuMoS/C触媒に対して活性化を行った場合の、還元電位保持工程の保持時間を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 RuMoS/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位上昇工程の電位上昇挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 RuMoS/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位印加パターンを間隔をおいて複数回繰り返す場合の間隔を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 Pt/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位降下挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 Pt/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位降下工程の下限還元電位を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 Pt/C触媒に対して活性化を行った場合の、還元電位保持工程の保持時間を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 Pt/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位上昇工程の電位上昇挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 Pt/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位印加パターンを間隔をおいて複数回繰り返す場合の間隔を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 Pt/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位上昇工程中の後半部に電位上昇速度を低くしたなまし工程を前記電位印加パターンに設けた場合の、なまし工程の電位上昇挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 PtCo/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位降下挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 PtCo/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位降下工程の下限還元電位を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 PtCo/C触媒に対して活性化を行った場合の、還元電位保持工程の保持時間を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 PtCo/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位上昇工程の電位上昇挿引速度を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。 PtCo/C触媒に対して活性化を行った場合の、電位印加パターンを間隔をおいて複数回繰り返す場合の間隔を変化させた際の酸素還元電流gainを示す。

Claims (4)

  1. 固体高分子型燃料電池用の一般式:MXで表される(ここで、M及びMは遷移金属元素であり、Xはカルコゲン元素である)遷移金属−カルコゲナイド触媒に対して所定電位印加パターンで電位を印加する固体高分子型燃料電池用触媒の活性化方法であって、該電位印加パターンが、(1)初期電位から0〜300mVの下限還元電位まで、0mV/s超且つ50mV/s以下の電位降下挿引速度で電位降下させる電位降下工程と、(2)該下限還元電位を保持する下限還元電位保持工程と、(3)該下限還元電位から該初期電位まで電位上昇させる電位上昇工程と、(4)前記(1)電位降下工程と、(2)下限還元電位保持工程と、(3)電位上昇工程とからなる電位印加パターンを、間隔をおいて複数回繰り返す工程とを含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用触媒の活性化方法。
  2. 前記固体高分子型燃料電池用触媒が、遷移金属−カルコゲナイド触媒であって、前記(2)下限還元電位保持工程の保持時間が0秒超且つ100秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用触媒の活性化方法。
  3. 前記固体高分子型燃料電池用触媒が、遷移金属−カルコゲナイド触媒であって、前記(3)電位上昇工程の電位上昇挿引速度が100mV/s以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池用触媒の活性化方法。
  4. 前記電位印加パターンを(4)間隔をおいて複数回繰り返す間隔が0秒超且つ50秒以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用触媒の活性化方法。
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