JP5315282B2 - 受動光網システム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の加入者装置が光伝送回線を共有する光通信システムの構成と運用方法、ならびに、該システムにおける伝送距離の延長や収容加入者数の増加等のシステム拡張に関する。
ブロードバンドを利用する通信の需要が高まり、ユーザ向けアクセス回線はDSL(Digital Subscriber Line)などの電話回線をベースとするアクセス技術に代わり、光ファイバを用いた大容量アクセス回線への移行が進められている。現在、アクセス回線サービスには、回線敷設コスト及び保守管理コストの点からPON(Passive Optical Network)システム(以下、単にPON、あるいは、光受動網システム、もしくは、受動光網システムとも称することがある)が多く利用されている。たとえば、国際電気通信連合ITU-T (International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)での標準化が代表例として挙げられる(非特許文献1〜3)。2006年頃からGPON(Gigabit PON)の、アクセス網への導入が各国で始まっている。
PONは、局舎側装置(以下、OLT;Optial Line Terminalと称する)から、加入者装置(以下、ONU;Optical Network Unitと称する)との間で光信号を光ファイバと光スプリッタを用いて分岐及び多重することによって送受信するシステムである。光ファイバを通過する光信号の減衰量などの制限や、光スプリッタにおける光分岐数によって、OLTとONUとの通信距離にはある一定の限界距離があった。具体例を挙げるとGPONの場合には通信区間が最大20km、分岐数(OLTと接続できるONU数)が最大で64に設定されているものが用いられる。
一般家庭の加入者(通信網ユーザ)がインターネットへアクセスし情報収集や社会生活のための通信を行う機会が増えるにつれ、通信網の整備、とりわけ、加入者を通信網へ接続するアクセス網提供サービスの充実が求められてきている。すなわち、通信網を提供するキャリアは、アクセス回線のユーザ数増加に伴い局毎の収容ユーザ数を増やすための増資を迫られている。ユーザ数を増やすため方法としては、アクセス網に用いるPONそのものを追加導入すること、即ちOLTを追加すること、または、PONシステム毎の収容ユーザ数、即ち収容ONU数を拡張する方法が考えられる。しかし、PONは、帯域制御等複雑なシステムの制御や収容するONUの管理を全てOLTが実施する構成が一般的であり、OLTの方がONUよりも遥かに高価である。また光ファイバを新たに敷設するためのコストは、キャリアにとって大きな支出を生む結果となる。以上から、OLTあたりの収容ONU数を拡大することが望ましい解決方法となる。
一方、アクセス網提供サービスの充実のため、従来よりも高ビットレートでの伝送を行う手段として、ITU−T及びIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)において、それぞれ10GPON(10Gigabit PON)並びに10GEPON(10Gigabit Ethernet PON)と称される次世代PONが検討されている。このような高ビットレート伝送においては、従来のビットレートでの伝送と比較して、光ファイバを通過する際の光信号の減衰や分散の影響が大きくなる。従って、既存PONと同等の通信距離を持つシステムを構築するには、広ダイナミックレンジの受光デバイス、高性能光ファイバ、分散補償機能が必要となる。高ビットレート化により収容ユーザ数を拡大できる可能性があるが、開発コストが増加することが課題となっている。
ITU−T Recommendation G.984.1 ITU−T Recommendation G.984.2 ITU−T Recommendation G.984.3
PON区間を延長する方法の一つとして、OLTの下り信号送信用光レーザに光増幅器を適用して光パワーを増大する手段、若しくはPON区間にReach Extender(RE)と呼ばれる光増幅器(光信号中継装置)を備えることで通信距離を延長する手段がある。
光増幅器を導入することで、従来のPONよりも通信距離が延長される。そのため遠隔地に存在していた加入者のONUも同じOLTに収容することが出来、OLTの収容数増加が容易になる。すなわちOLTでのONU収容効率が向上する。局舎に設置されるOLTに接続されるONUの分布が現在よりも広範囲に渡ることになる。
しかしその一方でこのONU分布の拡大により、OLTからONUへ送出されるべき下り信号の強度が、OLTに対する最近接ONUと最遠隔ONUとで大きく異なり、受光デバイスの受光感度の許容範囲を超過することが問題となる。これは、光信号が個々のONUへ到達するまでの間に通過する光ファイバ距離の違いが従来よりも大きくなるために生じる課題である。更に、複数のスプリッタを含む構成のPONの場合、個々のONUまでに通過するスプリッタ数によってもONUが受信する下り信号の光強度が異なる。一般的に、PON導入コストの点から、全てのONUは同一の性能を備えることが求められている。この条件を前提とすると、OLTとONUとの距離差が拡大することにより、ONU側の受信器には従来のPONよりも大きなダイナミックレンジが必要となる。しかしながら、光受信デバイスの性能を短期間で大幅に向上することは困難である。従って、OLTに近いONUが受信できる信号を遠隔地のONUでは識別できず、逆に遠隔地のONUに対し送信される光信号を近接地のONUが受信した場合に、近接地ONUの受信デバイスが故障する可能性がある。
さらに加えれば、本技術の背景にあるように次世代PONとして10Gbpsをターゲットとする高ビットレート伝送技術の追加導入が近い将来に求められる。この新規PONにおいては、既存のGigaビットレートクラスのPONとの共存が要求されており、OLTとONUとの距離が既存PONと同一であってもPON区間通信ビットレートの異なるシステム構成となるケースが生じ得る。このとき、同一距離にあっても、ビットレートの違いによる光伝送特性の違いによって、ONU側が受信する光強度に無視できない差異が生じる。
本発明の目的は、PONに光増幅器を導入してOLTとONUとの間の通信距離延長や収容ONU数の増加を行う場合であっても、一つ一つの性能が等しいONUにおいて、受光強度超過等による光受信器の故障や、光信号劣化による受信ミスが発生することを抑え、OLTからの下り信号を全ONUが受け取れる方法を提供することである。また望ましくは、従来のPONに具備される機能を大きく変更することなく上記課題の発生を抑えることが出来るPON及びPONの制御方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の光通信システムは、例えばOLT等の加入者収容装置からONU等の加入者装置への下り信号送信に先立ち、加入者収容装置が保持する個々の加入者装置までのレンジング結果を基に、加入者収容装置から加入者装置に対して下り信号の光強度情報を含む信号送信計画を通知しておく構成とした。加入者装置は該事前予告情報に基づき、自らが下り信号を受信すべきタイミングを判断し、その他のタイムスロットで送信される光信号に関しては自装置の光受信器をブロックする。
光通信システムに光増幅器を導入して加入者収容装置と加入者装置との間の通信距離延長や、加入者装置の収容数の増加を行い、光通信区間長及び伝送ビットレートが加入者装置毎に異なる場合であっても、加入者装置に対して加入者収容装置からの信号を受信するタイミングを事前に通知することで、加入者装置の接続場所に依らず、(ビットレート毎に)同一性能の加入者装置を利用して通信できる。これにより加入者装置提供に関わる開発コスト及び加入者装置の配布、メンテナンスに関わる運用コストを低減できる。また、既存のPONと比較すると、加入者収容装置での下り信号送信時のフォーマットに若干の変更を加えるだけで済むため、収容ユーザ数拡大に伴うシステム開発並びに導入等、光アクセス網増強プロジェクト全体のコストアップを低く抑える効果がある。
本発明の一実施例を説明するためのPON拡張方式を示す網構成図である。 本発明の一実施例における下り信号時分割多重伝送の様子を示す信号構成図である。 OLTの構成例を示すブロック構成図である。 OLTの下りフレーム処理部及びPON制御部の一構成例を示す機能構成図である。 ONUの構成例を示すブロック構成図である。 ONUにおける信号の流れを説明するための機能ブロック構成図である。 OLTとONU群20Aの間で行われるレンジング動作の一例を示したシーケンス図である。 OLTとONU群20Bの間で行われるレンジング動作の一例を示したシーケンス図である。 OLTとONU群20Cの間で行われるレンジング動作の一例を示したシーケンス図である。 OLT10のレンジング動作手順の一例を示すフローチャートである。 光強度対応テーブル1064の一構成例である。 下り信号送信計画5150の送信方法の一例を示す信号構成図である。 スーパーフレームが周期的に送信される様子を説明する図である。 スーパーフレームの一構成例を説明する図である。 ONUが保持する下り光強度マップ情報2071の一例である。 下りフレーム処理時の、OLT10における処理手順の一例を示すフローチャートである。 OLT10における、スーパーフレームの生成・送信処理手順の一例を示すフローチャートである。 ONUがスーパーフレームを受信する処理手順の一例を示すフローチャートである。 通常運用中のPONシステム1へ新規ONUを登録する際の手順の一例を示すシーケンス図である。 スーパーフレーム先頭にヘッダ情報を集約する方法による、下りフレーム構成例を示す信号構成図である。
以下、図面を用いて本発明によるPONの構成と動作を、ITU−T勧告G984.3(非特許文献3)で規定されたGPONの構成及びその動作を例として説明する。
GPONを代表例とする従来のPONでは、PONシステム毎に含まれる加入者装置ONUの通信距離分散範囲、即ちOLT10まで最も近い位置にあるONUと、最も遠い位置に設置されるONUとの距離差は20km以内とされてきた。そのため、ONU間の距離分散を考慮せずにOLT10との光通信が可能な範囲において、光モジュールの発信光強度範囲と受光感度範囲が規定されていた。通常のPONでは、光ファイバを一旦敷設した後は、相当の事故等が発生しない限り、該光ファイバを頻繁に張り替えることはない。また、ONU設置箇所についても、一旦設置した後は、引越しや都市再開発等の事情が発生しない限り、PONの設定状況が変更されることはない。従って、通信品質に変更が生じる機会が極めて稀な安定したシステムであるため、既存の装置や光デバイスに変更を加えずにシステムを拡張することが望ましい。
図1は、本発明の形態を説明するためのPON拡張方式を示すPON1の網構成図である。既存の装置並びに光デバイスを可能な限り再利用するため、本実施の形態では、その第1の特徴として、PON1を構成するONUを、OLT10からの距離差が20km以内に収まるようにグループ化して接続する形態とした。具体的には、スプリッタ30の配下に、ONU20をグループ毎に束ねる2段目のスプリッタ31A、31B、31Cを設け、各第2のスプリッタ31A〜31Cに対してONUを接続する。そのため本図では第1のスプリッタ30に加え、第2のスプリッタ31を設置し、個々のONUとスプリッタ31とを接続する光ファイバを75A、75B、75Cとする。また、第2のスプリッタ配下のONUを、通信距離により分類し、それぞれONU群20A、20B、20Cとした構成を示す。各ONU20とスプリッタ31とは、第2支線ファイバ71A〜71Cが接続する。各ONU群20A〜20Cの中には、複数のONUが含まれる。図1には、各グループの代表ONUとして、ONU20A−R,20B−R、20C−Rが図示されている。ここで、個々のONU群内のONU間距離差50000A、50000B、50000Cはそれぞれ20km以内を想定している。
PON1は、各ONU20をそれぞれ加入者網(あるいは、PCや電話等の端末;本図では代表例としてONU20C−Rと接続される加入者網50C−Rのみ図示)50と接続し、更にOLT10を上位の通信網であるアクセス網90と接続したシステムである。ここでOLT10内部の光アンプ11000の代わりにPON区間へ光増幅器を導入する場合でも、例えば各支線網の光ファイバ(図1では光ファイバ75B,75C)毎に光増幅器を導入し、通信事業者がその光増幅器を信号送信先のONU(図1ではONU群20B,20C)に対し適切な光強度の信号を到達するように調整すれば、ONU20はOLT10からどれほど距離が離れていても信号受信に問題は生じない。しかし、光増幅器の設置や保守に関するコストが増大する問題が生じる。よって、実運用上での光増幅器の導入は、基幹網の光ファイバ(図1では光ファイバ70)のみとして、必要最低限に抑えるべきである。光増幅器の配備位置は本発明の本質には影響しないが、以降の実施例では、光増幅器の保守コストを最小限にする図1の形態に基づき説明する。
OLT10は、アクセス網90を介して更に上位の通信網と情報の送受信を行い、該情報をさらにONU20へ転送することにより、情報信号を送受信する装置である。尚、アクセス網90は、IPルータやイーサネット(Ethernet、登録商標で以下同様)スイッチなどで構成されるパケット通信網を用いることが多いが、これ以外の通信網であっても構わない。ONU20は、ユーザの家庭や企業のサイトに設置され、LANもしくは相当のネットワークである加入者網50に接続される形態が一般的である。各加入者網50には、IP電話や既存の電話サービスを提供する電話端末やPC/携帯端末等の情報端末が接続される。PON区間80A〜80Cでは、OLT10と各ONU群20A〜20Cに含まれる個々のONUとの間で光信号によって通信が行われている。尚、PONでは使用される光信号の波長を、上りλupと下りλdownとをそれぞれ異なる波長にして、光ファイバ70、75A〜75Cと71A〜71Cやスプリッタ30、31A〜31Cにおいて信号が干渉しないようにしてある。
OLT10からONU20へ向け発信される下り信号は、光アンプ等で構成される強度制御部11000で増幅又は強度調整され、スプリッタ30及びスプリッタ31A〜31Cで分岐されて、PON1を構成するONU群20A〜20Cに到達する。下り信号についてGPONを例にとると、OLT10からの下り信号は、PON区間80A〜80Cの通信に用いるフレーム(以下、下り基本フレームと称する)を用いて送出される。この下り基本フレームには、GEM(GPON Encapsulation Method)フレームと呼ばれるフレームが収容される。GEMフレームはヘッダとペイロードから構成され、各ヘッダには、個々のGEMフレームの宛先となるONU20を識別するための識別子(以下、Port−IDとも称する)が挿入されている。各ONUは、GEMフレームのヘッダを抽出し、当該フレームの宛先Port−IDが自分自身を指すものであった場合に当該フレームの処理を行い、他のONU20宛てのフレームであった場合は当該フレームを廃棄する。
各ONU20からOLT10へ向かう上り通信には、全てのONU20から同じ波長λupの光信号を用いて電子信号を送出する。上り信号は、下り信号と同様にONU20毎のヘッダとペイロードから構成される可変長のフレームを用い、各上りフレームにはGEMフレームを含む。ONU20は、OLT10において各ONU20からのGEMフレームが識別できるよう、集線光ファイバ70上で個々の上り信号が衝突/干渉しないように、送信タイミングをずらして上り信号を送出する。これらの信号は、集線光ファイバ71A〜71C、75A〜75C、70上でそれぞれ時間分割多重されOLT10に到達する。具体的には、(1)レンジング過程でOLT10から各ONU20A−1〜20C−nCまでの距離を測定した上で信号の遅延量を調整し、(2)OLT10の指示で、各ONU20A−1〜20C−nCに送信待ちのデータ量を申告させ、(3)DBA(Dynamic Bandwidth Assignment;ONU20に対し、上り信号用の通信帯域(タイムスロット)を動的に割当てる機能。動的帯域割当とも称する)機能により、該申告に基づいて各ONU20−1〜20−nの上り信号送信タイミングと送出可能な上り通信データ量を指示し、(4)各ONU20がOLT10から指示されたタイミングで上り通信データを送信する。するとこれらの信号が集線光ファイバ71、75、70上で時間分割多重されOLT10に到達する。信号を受信するOLT10は各ONU20に指示したタイミングを知っているので、多重化された信号から各ONU20の信号を識別して受信フレームの処理を実施する。
上記の上り通信を行うためのシステム動作例を説明する。先ずPON1を立上げる際にOLT10が、個々のONU立ち上げ時のレンジング過程において、ONU20までの往復遅延時間(RTD:Round Trip Delay)を個々に測定し、該測定結果に基づき等価遅延(EqD:Equalization Delay)の値を決定する。EqDは、OLT10のレンジング管理DB500に記憶される。このレンジングは、ITU−T勧告G.984.3で規定されたレンジング方法を用いれば良い。尚、EqDは、既存のPONのEqDと同様に、OLT10に対する個々のONU20からの応答時間がシステム内で同一となるよう設定する。
OLT10のレンジング管理DB500には、EqD情報とPON区間80のRTDを保持しておく。これはOLT10が各ONU20に対して帯域割当てを行った後、該当するONU20からの上り信号を受信する際に、該ONU20からの上り信号を正しく受信できるようにするためである。
図2は、PON1における下り信号時分割多重伝送の様子を示す信号構成図である。同図は、OLT10側からONU20側へ下り信号が送信・多重化される様子を示し、点線の周期がフレーム周期(125マイクロ秒)を示している。更に、補助線351及び352は、光ファイバ通過中に、光信号の強度が徐々に低下していく様子(及びS/N比の悪化、波長分散効果による信号識別レベルの低下)を示している。
一本の集線光ファイバ70へ送出された光信号は、スプリッタ30を通過して各支線光ファイバ75A〜75Cに分岐され、更にスプリッタ31A〜31Cで分岐されて支線光ファイバ71A〜71Cへ分配される。スプリッタ30及び31を通過する際には光強度が低下するが、その低下分を見込んで、対象となるONU20へ到達するために必要な強度でOLT10から送信されている。各ONUは、それぞれ支線光ファイバ71A〜71Cを通じて下り信号を受信する。図中、光信号301−A〜301−Cは、各ONU群20A〜20Cに宛てて送信された下りフレームの送信位置及び送信データサイズを示している。
また、同図では、OLT10がONU20へ送信する光信号の強度に差があることを示している。図中ではONU群20C宛ての受信信号の光の強度が最も強く、次にONU群20B、次いでONU群20Aの順に光の強度が強いことを示している。この光信号の強度の関係は、スプリッタ30透過後の集線光ファイバ70上においても維持されつつ情報が伝達される。尚、下りフレーム処理部1210から強度制御部11000までの処理は、OLT10内部の処理であり、PON区間80での光信号は、各区間における光信号の状態(タイミングと強度)を示している。
下り光信号到達時の動作は、以下のようになる。ONU群20Aでは、光信号301−Aを受信する。ONU群20AはOLT10に対して最も距離が近いグループであり、その他の信号は、ONU群20A宛て信号よりも光強度が高い。そこで、これらの信号(本図では信号301−B、301−C)を、ONU20の強度制御部2311を用いてブロックする。
ONU群20Bにおける下り信号処理は次のようになる。ONU群20A宛ての信号301−Aの光強度は、既にノイズレベル以下に低下しているため有意な信号と見做さない。しかしONU群20C宛ての信号301−Cは未だ十分な強度を保っており、ONU群20BではそれぞれのONUの光受信器を故障から守るため、当該信号301−Cをブロックする。ONU群20Cでは、自グループ宛ての信号以外は全てノイズレベルに埋もれる。従って特にブロック対象となる信号は無い。
図3は、図2のOLT10から各ONU20への下り通信を実現するためのOLT10の構成例を示すブロック構成図である。下り信号は、アクセス網90からSNI(Service Network Interface)と呼ばれるIF1100−1〜1100−nに入力される。尚、アクセス網90にはパケット通信網が多く用いられ、IFには10/100Mbps若しくは1Gbpsのイーサネットインタフェースが用いられることが多いが、本発明ではこの構成に限定されるものではない。受信信号(以下信号をデータもしくはパケットと称することもある)は、下りフレーム処理部1210に転送され、GEMフレームにカプセリングされる。
具体的には、下りフレーム処理部1210はパケットのヘッダに含まれる宛先情報、送信元情報、経路情報を含むフロー識別情報に基づいてパケットのヘッダ情報を解析し、当該受信パケットを転送すべき先のONU20を決定する。下りフレーム処理部1210は、この宛先情報の決定と供に、必要に応じて、当該受信パケットのヘッダ情報の変換や付与を行う。尚、下りフレーム処理部1210には上記宛先決定やヘッダ情報の変換及び付与を含む処理を決定するための下り経路情報DB1211を備え、受信パケットのヘッダ情報として含まれる一つもしくは複数のパラメータをトリガとしてDB1211を参照することで上記処理を行う構成とした。
下りフレーム処理部1210は、更に、下りフレーム処理部1210内部で決定されたヘッダ処理内容に従い、当該受信パケットをPON区間80伝送用のフレームフォーマットに変更するフレーム生成機能も備える。一例として、イーサネットの受信パケットをGPONのPON区間80に送信する場合の具体的な処理は、次のようになる。(1)イーサネットパケットのヘッダ情報を抽出し、(2)該ヘッダ情報をトリガとして下りフレーム処理部1210内の下り経路情報DB1211を検索することにより、受信パケットに対するVLANタグ処理(変換、削除、透過、付与など)及びその転送先を決定する。(3)更に、フレーム生成機能にて該当する転送先ONUに設定したPort‐IDを含むGEMヘッダを生成し、(4)当該GEMヘッダを受信パケットに付与して、イーサネットパケットをGEMフレームとしてカプセリングする。スーパーフレーム生成部12107は、各ONU群20A〜20Cからそれぞれ1つずつ合計3つのONUを選択し、これら選択したONU宛のGEMフレームを1つずつ、G−PONの基本フレームである125マイクロ秒フレームに載せるための調整を行う。このようにスーパーフレーム生成部12107で選択されたGEMフレームは、下りフレーム処理部1210から読み出され、E/O処理部1310で電気信号から光信号に変換された後、波長多重分離器(WDM)1500と集線光ファイバ70を介して、ONU20へ送信される。
本発明のOLT10に備えたPON制御部1000は、各ONU20の設定・管理等の制御他、上下双方向の信号伝送制御も含めたPON40全体の制御を行う部分である。本実施の形態では、OLT10が下り光信号の強度制御を実施する。下り信号の光強度制御を実施するため、本実施の形態では、OLT10にPON制御部の一機能として光制御部1090を含む構成とした。光強度対応テーブル1064は、各ONUの識別情報に対応付けて、各ONUに送信する光信号の強度の情報を保持している。光制御部1090は、この光強度対応テーブル1064を参照して、各フレームの宛先であるONUの識別情報に対応する光信号の強度情報を取得し、強度制御部11000に強度情報を通知する。
E/O処理部1310に具備された強度制御部11000は、光制御部1090から通知された強度情報に従って、送信しようとするフレームの宛先であるONU20が属するONU群ごとに、それぞれ異なる光強度で光信号を送信する。この強度制御部11000は光アンプ及び該光アンプの増幅率設定回路(図示せず)により実現され、増幅率設定回路は光制御部1090から通知された強度情報の指示により制御される。一例として、光強度対応テーブル1064は、ONU管理部1060に保持されるレンジング情報(RTDを基に算出される、PON区間の通信距離情報)に基づいて設定できる。
図4は、図3のOLT構成図のうち、下りフレーム処理部1210及びPON制御部1000をさらに詳細に説明するための機能構成図である。下りフレーム処理部1210は、パケットバッファ12101、ヘッダ変換・付与部12102、GEMヘッダ生成部12103、GEMフレーム生成部12104、ヘッダ解析部12105、下り経路情報1211、送信光強度取得部12106、スーパーフレーム生成部12107を含む。PON制御部1000は、ONU管理部1060内にレンジング処理部1063DBA処理部1062、そしてレンジング/DBA情報1061を含む。光強度制御部1090は光増幅率決定部1092と該決定部1092から参照するための光強度対応テーブル1064を含む。
下りフレーム処理部1210に転送された下りパケットは以下の手順により処理される。インタフェース1100にて受信した下りパケットは、一旦パケットバッファ12101に格納され、その後GEMフレーム生成部12104を通じてスーパーフレーム生成部12107を経由し、E/O変換部1310へ転送される。この一連の流れの中で、GEMフレーム生成部12104へパケット情報が通知される前に、下りフレーム処理部1210において(1)ヘッダ情報の解析及び転送方路の決定、(2)下りパケット送信光強度の決定及び下り光強度マップの生成を行う。
処理(1)においては、ヘッダ解析部12105がパケットバッファ12101から受信パケットのヘッダ部を取得し、該ヘッダ部に含まれる宛先情報、送信元情報、経路情報を含むフロー識別情報に基づいて、ヘッダ変換の要否及び変換方法(付与・削除・透過・変換)を決定する。この決定は、ヘッダ解析部12105が、当該パケットのフロー識別情報の一部(例:宛先情報)又は全部を参照し、該情報を下り経路情報DB1211に保持する経路テーブルと照合することにより行う。ここで得たヘッダ変換内容を参照して、GEMヘッダ生成部12103が、該当するGEMフレームヘッダ情報を生成し、GEMフレーム生成部12104へ転送する。
処理(2)では、送信光強度取得部12106がパケットバッファ12101から下りパケットのヘッダ部を取得し、PON制御部1000に備えた光増幅率決定部1092に、ヘッダ情報に含まれるONUの識別情報を渡して、当該下りパケットを送信するための適正な光強度を指定するよう要求する。光増幅率決定部1092は、光強度対応テーブル1064を参照して、当該パケットの宛先ONUに対応する光増幅率もしくは光強度を取得し、これを下りフレーム処理部1210の送信光強度取得部12106へ通知する。尚、光強度対応テーブル1064は、ONU立ち上げ時に実施するレンジング処理を利用した通信距離測定に基づいて、個々のONUとの通信に要する光強度を算出する機能を備える。
ONU管理部1060に含まれるDBA処理部1062は、個々のONU20に対し上り信号(パケット)を送出するタイミングを算出する機能ブロックである。従来のPONで用いる上り信号の帯域割当てのためのDBAと同様であり、ここで算出した帯域割当て状況は、一旦割り当てた上りフレームを受信完了するまで、レンジング/DBA情報DB1061に保持する。
GEMフレーム生成部12104は、GEMヘッダ生成部12103が生成したGEMフレームヘッダ情報と、パケットバッファ12101に格納されているデータ(フレームペイロード)とを結合して下りGEMフレームを生成する。そしてスーパーフレーム生成部12107は、生成されたGEMフレームの中から、ONU群20Aに属するONU宛のGEMフレーム、ONU群20Bに属するONU宛のGEMフレーム、ONU群20Cに属するONU宛のGEMフレームをそれぞれ1つずつ選択し、これら3つのGEMフレームをそれぞれ125マイクロ秒基本フレームに載せ、3つの125マイクロ秒基本フレームを連結してスーパーフレームを生成する。
図5は、PON1のONU20の構成例を示すブロック構成図である。ONU20が収容する端末(図示せず)からPON1への上りの信号は、加入者網50からUNI(User Network Interface)と呼ばれるIF2100−1〜2100−nに入力される。尚、加入者網50にもLANやパケット網が用いられることが多く、IFには、10/100Mbps若しくは1Gbpsのイーサネットインタフェースが用いられることが多いが、本発明ではこの構成に限定されるものではない。
ONU20での下り信号および上り信号を処理する構成と動作は、それぞれ図3及び図4を用いて説明したOLT10の上り信号および下り信号処理の構成と動作に略同様である。下り信号については、ヘッダ解析の結果を基に宛先決定やヘッダ情報の変換及び付与を含む処理を決定するための下り経路情報DB2211を備えた下りフレーム処理部2210がPON区間80から受信したGEMフレームをイーサネットパケットに変換してONU20に接続された端末に出力する。上り信号については、上り経路情報DB2411を備えた上りフレーム処理部2410が端末から受信したイーサネットパケットをGEMフレームに変換してOLT10に向かって出力するものである。
PON制御部2000は、下り受信制御部2070及びONU制御部2060を含む構成とした。ONU制御部2060は、下りフレーム処理部2210にてフレーム処理の結果得られる、下り信号の送信強度スケジュール情報(下り光強度マップ)を下り光強度マップ情報2071に記憶する。ONU制御部2060は、該情報に基づき、自装置の受信すべき適切な光強度の下り信号が送られている間(または、それ以下の光強度の信号が送られている間)は下り信号受信を可能とし、それ以外の場合は光を遮断もしくは減衰するように強度制御部2311を制御する。強度制御部2311の動作詳細については後述する。この他、ONU制御部2060は、OLT10からの指示に従い、ONU20を立上げる場合のパラメータ設定や通信状態管理に用いられ、例えば、受信フレームの解析、装置の保守管理情報の管理、OLT10への通信(返信)要否判定などが本ブロックの処理に含まれる。
図6は、図5のONU構成例における信号の流れを説明するための機能ブロック構成図である。下りフレーム処理部2210は、(1)該フレームが自装置宛てであるか否か、また自装置宛てである場合、(2)該フレームのヘッダ情報を下りフレーム処理部2210のヘッダ解析部22101にて調査する。ここで、下りフレームに含まれる情報は大きく二つのカテゴリに分類される。一つはPON区間制御用の信号でありONU20にて終端すべきもの、他方はユーザデータなどの主信号フレームでありONU20を介してIF2100−1〜2100−nに接続された機器へ転送すべきものである。
前者の代表的動作としてレンジング処理時の信号送受信がある。ヘッダ解析部22101が受信したフレームを解析して、OLT10から当該ONU20宛てのレンジングリクエストであることを検出すると、必要な情報をレンジングリクエスト処理部22102へ転送する。レンジングリクエスト処理部22102は、当該レンジングリクエスト信号を受信した時刻を記録し、更にレンジングリクエストを受信した旨を通知するため内部信号(応答要求通知)を生成し、受信時刻と共にレンジング信号処理部20001に転送する。受信時刻は、レンジングリクエスト受信後35マイクロ秒程度でOLTへ返信することが規定されている。
後者の代表例は下り方向へのユーザデータ転送処理である。ユーザデータはPON下りフレームのペイロード部分に、GEMフレームの形で一つ又は複数含まれる。ヘッダ解析部22101は個々のGEMフレームのヘッダ情報を参照し、該ヘッダ情報のうち自装置(ONU20)宛てであることを示す識別子(以下、Port−IDと称する)がGEMヘッダ内に存在する場合に、当該GEMフレームの処理を行う。具体的には、GEMフレームとして受信した信号をONU20のIF2100−1〜2100−nに接続される機器へ転送するため、ヘッダ処理部22103がデータフォーマットの変更を行う。ヘッダ処理部22103が、GEMヘッダ内のデータについてそれぞれの宛先を示すアドレスフィールド(代表例としてイーサネット宛先アドレスやIP宛先アドレス)を参照し、各データを送出するべきIF2100(具体的にはIFの物理アドレス或いは装置内部で用いるIF識別子など(実装依存))を決定する。このIF決定に際してヘッダ処理部22103は、下り経路情報DB(2211)を参照する。
また、下りフレーム処理部2210からIF2100への信号転送に際してユーザデータフレームのヘッダ情報を変更又は追加する必要もある。例えばイーサネットフレームに付与されるVLANタグ値の変更やVLANタグの挿入がこれに当たる。そのため、下り経路情報DB(2211)は、フレームの宛先情報と送信先IF識別子との関連付けと共に、そのためのヘッダ情報変換規則も保持している。下り経路情報DB2211に基づき、ヘッダ処理部22103において上記のようにシステム設定に従い必要となるヘッダ処理を行い、外部機器向け下りフレームのヘッダフォーマットを成型する。その後ペイロード処理部22104に於いて、当該フレームのペイロード部に含まれているユーザデータと組合せることで転送用の下りフレームフォーマットを構築し、該フレームをIF2100−1〜2100−nへ転送する。
PON制御部2000にはレンジング信号処理部20001を含む。レンジング信号処理部20001は、レンジングリクエスト処理部22102からの応答要求通知を受信すると、該通知に含まれるレンジングリクエスト受信時刻に基づいてレンジングレスポンスを送出する時刻(実際には装置内クロック数を用いて算出できる)を決定し、レンジングレスポンス生成及び送出指示をレンジングレスポンス生成部24104に対し送出する。通常レンジング処理はONU20立ち上げ時にのみ実施されるが、例えば運用中の上り信号同期異常などの通信障害が検出された場合、再度レンジング処理を実施することもある。その際にはPON制御部2000のレンジング処理部20001から上りフレーム制御部に対し、レンジングレスポンス送信時には上りユーザデータフレーム送出を停止するように通知する。尚、本図では平常運用時の処理を説明しており、通信障害時の制御信号の流れについては図示していない。
上りフレーム処理部2410にはレンジングレスポンス生成部24104を備え、レンジング信号処理部20001からの指示に従いレンジングレスポンスを生成・送出する。このときレンジング信号処理部が指定する時刻にE/O変換部2320へ送出開始するようタイミング制御を行う。
次に、図1の構成においてONU20が下り信号を受信した場合の処理を説明する。ONU20に用いられる受光デバイスは、信号識別可能なS/N比レベル及びデバイス破壊することなく受光可能な光強度上限値が決まっている。O/E部2310及びヘッダ解析部22101に於いて正常に受光され、且つヘッダ認識された下り信号は、該信号がレンジングリクエストでない場合には下りフレーム処理部2210に備えるフレームバッファ(図示せず)に保持され、ヘッダ解析部22101にて該信号のヘッダ情報の解析が行われる。このヘッダ解析処理において、ヘッダ解析部22101が自装置(ONU20)宛ての光強度マップを検出した場合には、当該情報を下り光強度マップ情報DB2071に通知し、該DBに保持する。このときの自装置宛てか否かの判断を行う際に、ヘッダ解析部22101は、下り経路情報DB(2211)を参照する。具体的には、ヘッダ解析部22101は下り信号に含まれるPLOAMフィールド5130(図12)を参照し、そこに自装置と同じONU−IDが格納されている場合は、下り信号送信計画5150に格納されている下り信号の送信計画を下り光強度マップ情報2071に保持する。
下り光強度マップ情報2071には、当該ONU20が下り信号を受信すべきタイミングが、時刻またはクロック(バイト)数で記載されている。ONU制御部2060は下り光強度マップDB2071を参照することにより、O/E部2310に備える強度制御部2311へ下り信号の受光タイミングを指示する。強度制御部2310は該指示に従い強度制御部2311を開閉する。これによってONU20ではO/E部2310の光デバイスの故障や、自装置以外のONU宛てフレームであってS/N比の低い信号を受信した場合の不要な通信異常警報の発行等を防ぐことができる。
次にONU20における上り信号の処理について述べる。IF2100−1〜2100−nで受信した信号は、一旦ONU20内に蓄積された後、OLTから指示される上りフレーム送信タイミングに従いOLT10へ転送される。上り信号を構成するための手順は下り信号の解析と同様に、ヘッダ情報処理とペイロード情報処理に分割される。上り信号として入力された情報は、一旦上りフレーム処理部2410に備えるフレームバッファ(図示せず)に蓄積される。このうちペイロード部分については、ペイロード生成部24102に於いてGEMフレームのペイロードを構成するために透過、分割あるいは結合される。この段階における処理は、OLTから指示される上り信号送出帯域(バイト数へ変換可能)に依存する。
一方ヘッダ情報については2段階の処理を行う。第1段階はIF2100から受信した上り信号のGEMヘッダを構成する処理である。上りフレーム生成部24105は、ONU20の識別子として、予めONU20に割り当てられたPort−IDをGEMヘッダに挿入する。上りフレーム生成部24105は、このPort−IDを決定する際に、上り経路情報DB2411を参照する。また、上りフレームを構成する際には、DBA要求生成部24103がDBAレポートと呼ばれるのぼり帯域要求を作成し、ONU20からOLT10に対してこのDBAレポートを通知する。該情報は上りフレーム生成部24105にて、上りフレームのヘッダ内に格納される。上り帯域要求は、具体的にはONU20内の上り信号送信待ちキューのデータ蓄積量をOLT10へ通知するものであって、これにより該データ量に応じてOLT10からの送信許可を受けるための情報である。上りフレーム生成部24105において上り帯域要求を含む上り信号ヘッダ情報と、ペイロード生成部24102にて生成されるペイロードとを結合して上りフレームを完成する。その後、OLT10からの上り信号送信許可を受信すると、ONU20は当該送信許可に含まれる、上り信号を送信するタイミング情報をを記憶し、このタイミングに従って上りデータをE/O部2320を介して送出する。
図7はPONシステム立ち上がり時にOLTとONU群20Aに属する各ONUの間で行われるレンジング動作を示すためのシーケンス図である。ここでは、非特許文献3にあるように、運用当初はOLT10がONU20までの距離を把握していない状況からの立ち上げ処理を想定し説明する。
OLT10は立ち上がり後、各ONU20に対してレンジングリクエスト信号を送信する。この時、OLT10は各ONU20の配置状況、すなわち各ONU20がどれほどの距離にそれぞれ配置されているかがわからない。そこでOLT10のレンジング処理部1063は、まず最少の光強度LA10000でレンジングリクエスト信号20000−Aを各ONU20へ送信する(S−10000A)。この時、OLT10−ONU20間の距離や伝送損失の影響によって、各ONU20は前述の最少の光信号LA10000で送信されたレンジングリクエスト信号20000−Aを正しく受信できるか、または各ONU20に搭載されているO/E2310の受信感度能力が足らずにエラー信号などで受信不可となる。本実施例ではレンジングリクエスト信号20000−AをONU群20AのONUが受信可能(S−10010A)であり、残りのONU群20B、ONU群20CのそれぞれのONUは受信不可(S−10010B、S−10010C1)とする。
正しく受信できたONU群20AのONUはOLT10に対し、それぞれレンジングレスポンス信号20010−Aを送信する(S−10020A)。レンジングレスポンス信号20010−Aを受け取ったOLT10のPON制御部1000は(S−10030A)、レンジングレスポンス信号20010−Aを送信してきたONU群20AのONUとの間では、光信号強度LA10000で通信可能と判断し、光信号強度LA10000でONU群20Aに属する各ONUまでの往復遅延時間RTDを個々に測定し、該測定結果に基づき等価遅延EqDの値を決定するなど(20020−A)、ITU−T勧告G.984.3に基づいたレンジング処理を実施する。
この時OLT10のレンジング処理部1063は、レンジング処理の結果に基づき、各ONU20までの通信時間を測定する。ここで得た通信時間は、OLT10が管理する絶対時刻を、各ONU20に設定する(20030−A)ために利用できる。本実施例では、OLT10のPON制御部1000が通知するタイミングで、ONU20の強度制御部2311が開閉をするため、OLT10とONU20との間で時刻の同期が取れている必要があり、OLT10からONU20に絶対時刻を通知・設定する。この絶対時刻は、各ONUが後に詳しく説明する光強度マップ内に示す各ONU宛のフレームに関する到達時刻情報を正しく認識するために使用される。これはOLT10側で管理された時刻情報(絶対時刻)から各ONU20が自装置に設定すべき時刻情報を得ることができるため、OLT10からの基本フレーム周期の境界時刻若しくは該当フレームが各ONUへ到着する時刻をONUへ設定することができるためである。この絶対時間の設定には、例えば特開2009−65443号公報に記載された方法を利用できるが、本実施例はこの方法には限られない。
OLT10のPON制御部1000は、それまで通信していたONU群20Aに属する各ONUに対して、通常運用の開始予定時刻から受信動作を開始し、それまでの時間全ての受信信号を遮断もしくは減衰するようONU群20Aに属するONU内の強度制御部2311を設定するように通知する(20040−A、20050−A)。そしてOLT10のレンジング処理部1063は、各ONU20を一意に識別する情報と、レンジング処理の結果得られたOLT10からの距離情報および通信に必要な光強度とを対応付けた光強度対応テーブル1064を、ONU群20Aに属するONUについて一部作成する(S−10040A)。
図8はPONシステム立ち上がり時にOLT10とONU群20Bに属する各ONUの間で行われるレンジング動作を示すためのシーケンス図である。OLT−ONU間の距離や伝送損失の影響によって、図7に示した最少の光信号LA10000で送信されたレンジングリクエスト信号を正しく受信できなかったONU群20B、ONU群20CのONUは、OLT10からのレンジングリクエスト信号を待ち続けている。
前述の光信号LA10000にてレンジング処理や各ONUへの絶対時刻を定義し終えたOLT10は、次に光強度をLA10000より一段上昇させた光強度LA10010に変更し、レンジングリクエスト信号20000−B を再度各ONU20へ送信する(S−10000B )。なお、この処理は、レンジング処理部1063から光増幅率決定部1092に、光強度を一段上昇するよう指示を与え、光増幅率決定部1092が送信光強度取得部12106に送信すべき光信号の強度を通知しても良い。または、レンジング処理部1063からの指示を受けた光強度制御部1090が、直接強度制御部11000に指示を出しても良い。
先ほどレンジング処理を終えているONU群20AのONUは、本来ならば光信号LA10000より一段上昇させた光強度LA10010が到達したために自ONUの光受信機が故障もしくは破壊などの不具合を起こす可能性があったが、OLT10から通常運用の開始予定時刻まで受信信号を全て遮断もしくは減衰するように指示されているので、今回到達する光強度LA10010の信号をブロックして自ONUの光受信機を保護している(20050−A )。その一方、ONU群20CのONUは先ほどと同様に各ONUに搭載されているO/E2310の受信感度能力が足らずにエラー信号などで受信不可となる。
しかしONU群20BのONUは、光強度LA10010で送信された信号で初めてレンジングリクエスト信号20000−B を認識できたので、OLT10との間でレンジング処理や絶対時刻情報の設定を行う。この時の処理内容は、前述の光強度LA10000で行われたOLT10と各ONU20間の処理と同じなので省略する。その後、OLT10のPON制御部1000は、通常運用の開始予定時刻までの間に全ての受信信号を遮断もしくは減衰するようONU群20Bに属するONU20内の強度制御部2311を設定するように通知する(20040−B )。そしてレンジング処理部1063は、光強度対応テーブル1064を、ONU群20Aに属するONUについて一部作成する(S−10040B)。
図9は、図7と図8で示したONU群20A及び20Bへのレンジング処理が完了した後に行われる、ONU群20Cに対するレンジング処理の手順を示す。光強度LA10010で図8に示す処理を終えたOLT10は更に一段高い光強度LA10020でレンジングリクエスト信号を送信して、レンジングレスポンス信号を返信したONU群20Cとの間で前述と同様の処理を行う。この時も自ONUにとって光強度LA10020の信号が強すぎるONU群20A、ONU群20Bは、OLT10からの指示で受信信号を遮断もしくは減衰しているため、自ONUの光受信機の故障もしくは破壊などの不具合が発生しない。こうしてOLT10が徐々に光信号の強度を上昇させながらレンジング処理や絶対時間の通知を行うことで、OLT10は配下の全ONU20のレンジング処理や絶対時刻の設定を実施することができ、最終的にOLT10や全ONU20は通常運用に移行する(S−10060−OLT、S−10060−A、S−10060−B、S−10060−C)。
一連のレンジング処理が終わると、OLT10のレンジング処理部は、各ONU群20について作成した光強度対応テーブル1064を統合して、一つのテーブルにまとめる(S−10050)。
通常運用開始時刻として、OLT10が各光レベルの信号が最初に到達する時刻を各ONU20にそれぞれ指定していると、全ONU20は運用開始直後に到達する下りフレームからエラーや障害を起こすことなく、受信可能となる。この通常運用開始時刻とは、例えば後述する図14を例にすると、図14のスーパーフレーム5104が運用開始後に初めて送信されるとすれば、ONU群20Aに対して5000、ONU群20Bに対して5001、ONU群20Cに対して5002である。
また、本実施例では通信ビットレートとして現在のGPONの通信ビットレートである2.5Gbpsを想定している。しかし、OLT10が通信ビットレート2.5Gbps/10Gbps両者に対応可能で、配下のONU20には通信ビットレート2.5Gbps対応のONUや通信ビットレート10Gbps対応のONUが混在するようなシステムであれば、上述の光レベル毎の処理動作を通信ビットレート2.5Gbpsで行った後に、該動作を通信ビットレート10Gbpsで行えばよい。具体的にはまず、図7に示す処理を光強度LA10000、通信ビットレート2.5Gbpsで実施した後に、通信ビットレート10Gbpsへ変更して再度実施する。通信ビットレートの高いシステムにおいては、低ビットレートのシステムよりも光伝送特性上、光ファイバ上での信号減衰及び波長分散が激しいため、OLT10からはより高強度で発振する必要があるためである。例えば2.5Gbpsと10Gbpsで同一距離の伝送を行う場合、送信側と受信側との光強度差は理論上16倍程度異なる。そのため、2.5Gbps対応ONUを先ず起動することで、光強度LA10000で対応可能な通信ビットレート2.5Gbps対応のONUと通信ビットレート10Gbps対応のONUを通常運用まで移行できる。その後は、配下の全ONU20が通信ビットレート2.5Gbps対応だった時と同様に光強度を光強度LA10000→光強度LA10010→光強度LA10020と変更して前述の処理を行えばよい。ここでは次世代規格GPONを通信ビットレート10Gbpsと述べたが、これは一例であり、次世代規格GPONの通信ビットレートを10Gbpsに限定しているわけではない。あくまで通信ビットレートの異なるPONシステムの混在収容時の一つのモデルとして述べたものである。
本実施例ではOLT10が徐々に下り信号送信時の光強度を上げ、接続距離の近いONU20から遠いONU20へ順にレンジングを行うが、このときOLT10が、或る距離のONU群に対するレンジング処理完了を認識する方法には大きく二通りがある。一つは、ONU接続時(ユーザ宛てONU配布時)に予め設定しておくシリアルナンバー(SN)リストをOLT10内部に保持しておき、OLT10が、接続距離別に用意した該リストのSNに該当するONUの立上げがすべて完了したか否かを参照する方法である。さらにもう一つは、OLT10が定期的に一通りの立上げ処理を実施し、新規に接続されたONU20が存在するか否かをポーリングにより知る方法である。この方法ではOLT10が、例えばONU群20AからONU群20Cまでの立上げにおいて、各群につき一つのONUずつを対象として少しずつSN番号(この場合、OLT10はSNリストを事前には分かっていない)を変えて全SN番号(既接続ONU分を除く)につき順にポーリングをかける。或いはOLT10が、ONU群20Aについて全SNのポーリングを完了したら、ONU群20Bの調査に移るという方法でも良い。
図10は、図7〜図9のシーケンスにおけるOLT10の動作手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおいて、ステップS−10000AからS1003が図7に対応している。同様に、ステップS−10000BからS1006が図8に、ステップS−10000BからS1009が図9のシーケンス処理に対応する。より詳細には、ステップS1002は図7のS−10000Aからレンジングレスポンス信号受信S−10030Aを受信する迄の時間内にOLT10が実行する確認処理である。S1002の結果、レンジングレスポンスを正しく受信できたことが確認できると、OLT10は20020−AからS−10040Aに至る一連のONU設定処理を行う。この一連の処理を、本図では纏めてステップS1003として記載している。
図8及び図9との対応についても同様である。ステップS1005は図8のS−10000Bからレンジングレスポンス信号受信S−10030Bを受信する迄の時間内にOLT10が実行する確認処理であり、更にS1002の結果、レンジングレスポンスを正しく受信できたことが確認できると、OLT10は20020−BからS−10040Bに至る一連のONU設定処理を行う。図9との対応についても同様であるため説明を割愛する。
以上のように、OLT10に近いONU群20A、20B、20Cの順で立上げ処理を行い、OLT10から最も遠い位置にあるONU群に対するレンジング処理を終えた段階で本フローを完了する。本図のステップS1010は、ONU群20Cの次に遠い位置にあるONU群へのレンジング処理開始のための処理である。そして、最遠距離にあるONU群へのレンジング処理はステップS1011からS1013に相当する。その後OLT10はレンジング処理終了確認をし、各ONU20はOLT10から指定された運用開始時刻まで待機する(S1014)。
この待機中に、OLT10は各ONU20に、スーパーフレームの送信周期を通知する(S1015)。本実施例のスーパーフレームは、ONU群20A用、ONU群20B用、そしてONU群20C用の125マイクロ秒基本フレームをそれぞれ1つずつ含む、これら基本フレームを3つ連結した合計375マイクロ秒の長さのフレームである。スーパーフレーム周期とは、OLT10がこのスーパーフレームを定期的に送出する時間間隔のことである。各ONU20は、スーパーフレーム周期を知っていれば、運用開始時刻になり最初のスーパーフレームを受信した後で、次にどのタイミングでスーパーフレームを受信するかを知ることができる。スーパーフレーム周期は、スーパーフレームの長さよりも長ければ任意に設定できる。なお、OLT10からONU20にスーパーフレーム周期を通知するタイミングは、各ONU20が待機している時に限られず、通常運用の開始前であればいつでも良い。各ONU20は、通知された運用開始時刻ならびにスーパーフレーム周期を、下り光強度マップ情報2071に格納しておく。
ONU10や各OLT20は、運用開始時刻になると、それぞれ運用を開始する(S1016)。なお、OLT10は、ONU群20Aの運用開始時刻として、全てのONU20に対するレンジング処理が終わった後の時刻を設定する必要がある。例えばOLT10が、ONU20からのレンジングレスポンス信号を受信しなくなるまで光信号の強度を段階的に強めながらレンジング処理を行う場合など、いつレンジング処理が終了して運用を開始できるのか、あらかじめOLT10が把握していないような場合も想定できる。このような場合は、一連のレンジング処理を開始する時刻とONU群20Aの運用開始時刻との間に十分な時間を設けておくなどして、レンジング処理の途中でONU群20Aの運用開始時刻とならないように工夫しても良い。
図11は、図7から図9に示したONU20立ち上げ処理の結果、OLT10内で生成及び保持する光強度対応テーブル1064の構成例を示す。本図は図7から図9で述べたレンジング処理の結果、ステップS−10050(図9)にてOLTが作成するテーブルであり、OLT10内のレンジング/DBA1061に保持される。テーブル情報には、個々のONUの識別子であるONU−ID30000と、各ONU20に関するOLT10からの距離情報30010と、通信に必要な光強度30020とが対応付けて保持される。前述のように、レンジング処理部1063は、各光強度で行ったレンジングの完了時毎に光強度対応テーブル1064を作成する(S−10040A、S−10040B、S−10040C)。レンジング処理部1063は、最後にそれらを統合することで全ONUについてのテーブル情報を作成可能である(S−10050)。また、前述した通信ビットレートが異なるPONシステムの混在収容時には、各光強度でのテーブル作成時に通信中の通信ビットレート情報30030を追加すればよい。
このテーブル情報から、例えば、最初に行った光強度LA10000でレンジング処理を行ったONUは、今後通常運用でも光強度LA10000にて下りフレーム送信すれば良いことや、光強度をLA10010まで上昇させてレンジング処理をおこなったONUには今後通常運用でも光強度LA10010にて下りフレーム送信すれば良いことが分かる。
図12は、図1の光アクセスシステムにおいて、図2に示す下り可変強度信号の送受信を実現するための下り光強度マップの構成例を示す信号構成図である。光受信デバイスの故障を回避するため、また、信号受光対象でないONUからの無用なエラーメッセージ発行を回避するために、OLT10から個々のONU20へ下り信号の送信タイミングを下り光強度マップによって通知する。この通知は全てのONU20が運用開始前に予め知っておくべき情報である。例えばONU群20C向けに発信される下り信号データの送信タイミングを、ONU群20Aも把握しておく必要がある。また逆に、ONU群20A向けに発信される下り信号S107の送信タイミングをONU群20Cも把握しておかなければならない。即ち、下りフレームの下り光強度マップについては、全てのONU20がその内容を把握できるよう設計する必要がある。
図12では、そのための一構成例を示す。GPON(ITU−T勧告G.984.3(非特許文献3))を例にとると、OLT10から各ONU20宛の信号の先頭には、先頭を識別するためのフレーム同期パターン90000と、監視・保守・制御情報を送信するPLOAM(Physical Layer Operation, Administration and Management)フィールド5130と、各ONUの信号送信タイミングを指示するグラント指示領域90010と呼ばれるヘッダ(オーバヘッドと称されることもある)とが各ONU宛に時分割多重化されたデータ5120(ペイロードとも称されることもある)に付加されて構成されている。本実施例でOLT10は、PLOAMフィールドに各ONU20の光信号の受信タイミング情報を載せる。
図12(B)では、制御フレーム識別子5131には、当該PLOAMメッセージが“光強度情報”を含む独自規定メッセージであることを示す識別子を含む。識別子は、例えばベンダ独自で使用できる空きIDを用いれば良く、ここでは例として“11000000”としている。PLOAM内のメッセージフィールド5132には、当該下りフレームヘッダの先頭を受信した時刻、図14では符号5000で示される時点、に対し、該ONU20が受信すべき下りフレームが到着するまでの時間を含んだ下り信号送信計画5150を挿入する。下り信号送信計画部12107がこの下り信号送信計画5150を作成する。
なお本実施例では、スーパーフレームの長さが固定であり、その中に含まれる各ONU群用の基本フレーム長も125マイクロ秒で固定であるため、ONU群20A向けの受信開始時刻5152はゼロ、ONU群20B向けの受信開始時刻5152は125マイクロ秒もしくはそれに相当するバイト数、ONU群20C向けの受信開始時刻5152は250マイクロ秒もしくはそのバイト数と固定で決まっている。よって、本実施例の場合、例えばOLT10がONU群20A〜20Cに属する各ONUにスーパーフレーム周期を通知するとき(S1015)に、ONU群20Aに属するONUはゼロ、ONU群20Bに属するONUは125マイクロ秒、ONU群20Cに属するONUは250マイクロ秒と、スーパーフレーム内における基本フレームの受信開始時刻を通知しておけば、OLT10はスーパーフレームを送信するたびにヘッダに下り信号送信計画5132を搭載する必要は無い。同様に、各ONU群20A〜20Cに属するONUの受信終了時刻5163も固定であり、ONU群20Aに属するONUは125マイクロ秒、ONU群20Bに属するONUは250マイクロ秒、ONU群20Cに属するONUは375マイクロ秒である。
ここで示した例に含む光強度情報5161、5171、5181は、実は省略することもできる。下り信号の宛先となるONU20へ、データを送る際に採用するべき適切な光強度はOLT10が把握しており、ONU20側では、自装置(ONU)において受信すべきタイミングのみ分かれば十分である。
また、ここで述べた各ONU20向けの信号受信開始時刻5152−12や受信終了時刻5153−13には、図7〜図9のレンジング処理においてOLT10から各ONU20に設定した絶対時刻に基づく時刻が格納されている。つまりOLT10と各ONU20は共通の時間情報を用いて、フレーム処理に代表される各種処理を実施する。また、OLT10と各ONU20が互いに基準となる時刻を前述の絶対時刻で共有すれば、後の時刻情報を必要とする処理に関しては、基準となった時刻からの相対的な時刻情報で処理を行っても構わない。
図13は、図1のPON1において図2に示す下り可変強度信号の送受信を実現するための下りフレーム構成例を示す信号構成図である。本図では、図1に示すように距離別のONU群が3グループ(20A、20B,20C)構成される状況を想定している。
本図では各ONU群に対し送信する下りフレームの送信強度を、PON基本周期に従い125マイクロ秒基本フレームを単位として段階的に変更する方法を示す。即ちOLT10は、本図に示した3つの125マイクロ秒フレーム5101、5102、5103を連結してなるフレーム5104を常に一セットとして下り信号を送出する。ONU20側では125マイクロ秒の基本フレーム毎に標準的なフレーム同期処理を実施すると共に、3つの基本フレームを単位とする連結フレームの開始位置に相当する、連結フレーム内第1フレームを識別する。この開始位置とは、図13では時刻5000で示された時点である。以下、本実施例における3つの連結フレームをスーパーフレーム5104と称する。
図14では、スーパーフレーム5104の1周期が3基本フレームに相当する場合を図示している。スーパーフレーム5104とは、基本周期フレーム5101、5102、5103を複数個束ねることにより、更に長周期でのフレームとして一連のフレーム形態を定義する手段である。
一つの125マイクロ秒基本フレーム(5101、5102、又は5103)毎に送信強度が異なるため、ONU20側での受信可否は該基本フレーム毎に決まる。このため、例えばONU群20Bに属するONUは、真ん中の強度で送信される基本フレーム5102のヘッダ開始位置である符号5001で示される時点を識別する必要がある。各ONU20は、自身が受信すべき基本フレームの開始タイミングを、スーパーフレーム内における当該基本フレームの相対的な位置、即ち到着順序により判断する。具体的には、前述のとおり、OLT10と各ONU20は絶対時刻で同期が取れており、各ONU20はOLT10からスーパーフレーム周期5106をあらかじめ通知されているため、各ONU20は、運用開始時刻(図13の5000の時点)にスーパーフレーム周期を加算していくことで、次回以降のスーパーフレーム5104の受信時刻(図13の5010や5020)を知ることができる。各ONU20は、各スーパーフレーム5104の受信開始時刻が分かれば、その時刻に基本フレーム周期125マイクロ秒の倍数を加算することで、自装置の属するONU群20A〜20Cがそれぞれ基本フレームを受信すべきタイミングを知ることができる。
このように、各光レベルのフレームがPON基本周期に従い125μ秒のフレーム長が固定された基本フレーム5101、5102、5103であり、スーパーフレーム5104が光強度の順(PA→PB→PC)に前述の基本フレームを組み合わせることで定義されているため、各ONU20は自身が受信できる光レベルのフレームがどのタイミングで到達するのかを知ることができる。つまり、ヘッダ5110A、5110B、5110Cにそれぞれ内蔵されている各ONU群20向けの下り信号送信計画5150が、各ONU群20へ一定周期で到達するため、各ONU20は受信すべきヘッダがいずれのタイミングでOLT10から送信されてくるかを把握することができる。
このように本実施例は、OLT10から各ONU20へ下り信号を送信する際に、基本周期である125マイクロ秒フレームを複数個束ねるスーパーフレーム周期(本図では時刻5000〜5100)を導入することが特徴である。スーパーフレーム5104を形成することにより、基本フレーム毎の処理には既存技術を適用できるため125マイクロ秒の基本フレーム構成を変更する場合に比べ、開発コストを低減できる。またOLT10がスーパーフレームの始点、つまり運用開始時刻5000と周期5106をあらかじめ通知しておき、さらにスーパーフレーム5104内における受信フレーム位置を125マイクロ秒単位でONU20に通知することにより、従来のPON規定をベースとする下りフレーム送受信が可能となる。
スーパーフレームの中での受光フレーム相対位置、つまりスーパーフレーム5104の開始位置5000から数えて何番目の基本フレームを終端すべきか、については、例えば、以下の方法で設定する。ONU20立ち上げ時、個々のONUがいずれのONU群(20A〜20C)に属するかは、例えば該ONU20を接続する第2スプリッタ31A〜31Cの位置(OLT10からの距離)を予め決めておけば、オペレータ自身が予め一定の精度で認識可能である。このため、オペレータがあらかじめ各ONU20にスーパーフレーム内におけるフレームの受信開始位置を設定しても良い。もしくは、OLT10のPON制御部が光強度対応テーブル1064を参照して、同じ光強度で下り信号を送信する一群のONU20に対し、スーパーフレーム内におけるフレームの受信開始位置として同じ時刻を通知しても良い。この場合ONU20は、
ONU20は、スーパーフレーム受信開始時刻5000、スーパーフレーム内基本フレームの開始時刻5001、5002を認識し、自装置が受信すべき基本フレームの到着時刻に合わせて下り信号の強度制御部2311を、光信号受信可能状態にする。各フレームのヘッダ情報が到着するタイミングは125マイクロ秒周期の開始直後であり、下りスーパーフレーム周期の中でのヘッダ情報が送信される信号強度送信順序が予め分かっている(且つ、125マイクロ秒フレーム長は固定である(フレームのヘッダ部分とペイロード部分との長さは変化し得るが、合計長は変わらない))ため、全てのONUは、初期設定時のスーパーフレーム周期及びその境界時刻以外の特別な設定を行うことなく制御情報を受信できる。
ここまでの説明で述べたように、図14ではヘッダ情報5110およびそれに含まれる下り信号送信計画5150を伝達するための光強度とペイロード部分を伝達するための光強度が等しいフレームを、125マイクロ秒基本フレーム長ごとに送信する構成例を示した。この場合は、必ずしもONU20毎に光強度情報5161、5171、5181を通知することなく下り信号の送受信が可能となる。ONU20は上記スーパーフレーム5104の開始点5000を基点とし、スーパーフレーム内の基本フレーム単位に強度の異なる下り光信号について、受信光強度制御部2311を制御し受信とブロックを繰り返す。
本実施例では、PLOAMメッセージのONU−ID7001を該下り信号送信計画5150の指示対象ONU識別子とする。つまり、ONU群20Aに属するONUのうち、1つのスーパーフレーム5104に含まれる基本フレーム5101を使用できるONUは1台である。同様に基本フレーム5102を使用できるのはONU群20Bに属する1台のONUであり、基本フレーム5103を使用できるのはONU郡20Cに属する1台のONUである。言い換えると、本実施例では、1つのスーパーフレームで各ONU群20A〜20Cに含まれるそれぞれ1台ずつのONUに下り信号を送信する。
図14に示す実施例では、ヘッダ情報5110A、5110B、5110Cを受信開始する時刻(5000、5001、5002)が、スーパーフレームの開始位置である5000の時点から125マイクロ秒、250マイクロ秒と一定周期であるため下り信号送信計画をPONシステム運用中に動的に変更する必要性が殆ど無い。運用中に新規ONU群を追加する時は、新規ONUのレンジングを含む立上げ処理のため、一定時間はシステムの運用を止める必要がある。従って新規ONUの立上げを完了すると同時に、既存ONUに対して上述の図14の運用に必要なパラメータを再通知すれば良い。下り信号送信計画の受信開始時刻(及び受信終了時刻)を用いて当該スーパーフレームにおけるペイロード開始時刻を示しても良く、該光強度マップを参照しなくても良い。オペレータもしくはOLT10が、スーパーフレーム内における基本フレームの受信開始位置をあらかじめONU20に設定・通知する場合には、ONU20はこの情報を下り光強度マップ情報2071に格納する。
図15は下り光強度マップ情報2071の一例であり、ここではONU群20Bに属するONU向けの情報を例示している。運用開始時刻1400は、OLT10がONU20に図8の20040−Bの処理にて通知する情報である。スーパーフレーム周期1401は、OLT10がONU20に図10のS1015の処理にて通知する情報である。受信開始時刻1402ならびに受信終了時刻はそれぞれ、1つのスーパーフレーム5104内にてONU20が基本フレーム5102の受信を開始ならびに終了する時刻であり、運用開始前にオペレータやOLT10から予め設定もしくは通知されているか、スーパーフレーム5104を受信するたびに、PLOAMフィールド5130Bを参照して下り信号送信計画5150に含まれる受信開始時刻5162ならびに受信終了時刻5163から得られる情報である。
図16は、OLT10の処理の概要を図示したフローチャートである。OLT10のレンジング処理部1063は、各ONU群20A〜20Cに対し図7〜図9に示すレンジング処理を実施し(1200)、レンジングに用いた光信号強度を光強度対応テーブル1064に記録する(1201)。そしてOLT10の下りフレーム処理部1210は、スーパーフレームの送信周期を各ONU20に通知して(1202)、運用開始時刻になると(1203)、スーパーフレームを生成して各ONUに向けて送信する(1204)。この後、OLT10はスーパーフレーム周期毎に(1205)、ONUに向けてスーパーフレームを送信する。
図17は、図16における処理1204を細分化したフローチャートである。OLT10のスーパーフレーム生成部12107は、をGEMフレーム生成部12104が生成した各ONU宛の下りGEMフレームの量を確認し(1300)、これから作成・送信するスーパーフレームにて下りデータを送信するONUを、各ONU群20A〜20Cごとに1台ずつ選定する(1301)。ここでスーパーフレーム生成部12107は、例えば各ONU群ごとに、下りデータ量が最も多いONUを優先的に選択するなどすれば良い。
下りフレーム処理部1210のスーパーフレーム生成部12107は、選択した3つのONU宛GEMフレームを用いて、3つの125マイクロ秒長の基本フレームを作成し(1302)、さらにこれら3つの基本フレームを連結してスーパーフレーム5104を作成する(1303)。このとき、各基本フレームのONU−ID7001には、各ONU群ごとに選択したONUのONU−IDが格納される。最後に、スーパーフレーム周期になると、スーパーフレーム生成部12107はE/O1310にスーパーフレーム5104を渡して、各基本フレームごとに送信光のレベルを変えて送信するよう指示する。このときスーパーフレーム生成部12107は、送信光強度取得部12106を介して光強度対応テーブル1064から取得した、各基本フレームすなわち各ONU群ごとに適した光強度をE/O1310に指示する。E/O1310は指示されたとおり、基本フレーム毎に段階的に強度を変えながら、スーパーフレーム5104を送信する(1304)。
図18は、ONU20の処理の概要を図示したフローチャートである。ONU20のレンジングリクエスト処理部22102やレンジング信号処理部20001、レンジングレスポンス生成部24104は図7〜図9に記載された一連のレンジング処理を実行する(1700)。この時、前述のようにONU20はOLT10との間で絶対時刻による時刻同期を取る。そしてONU20の下りフレーム処理部2210は、OLT10からスーパーフレーム周期を通知されると(1701)、下り強度マップ情報2071に当該周期を格納する。また、図18には図示されていないが、OLT10から運用開始時刻も通知されるので、下りフレーム処理部2210は当該時刻も同様に下り強度マップ情報2071に格納する。そして、O/E2310に備わる強度制御部2311により、光ファイバ71からの光信号を遮断もしくは減衰する(1702)。
ONU制御部2060は下り光強度マップ情報2071に登録された運用開始時刻1400が到来したかどうかを監視しており(1703)、運用開始時刻になると、強度制御部1703が光ファイバ71からの光信号を通過させるように制御する(1704)。ヘッダ解析部22101はスーパーフレーム5104に含まれる基本フレームのヘッダ5110を参照し、ONU−ID7001が自装置のものと同じかどうか判定する(1705)。異なる場合、今回のスーパーフレーム5104には、自装置の属するONU群の、他のONU宛のフレームが送信されているため、ONU制御部2060は強度制御部2311により光信号を遮断もしくは減衰する(1709)。
ONU−IDが同じだった場合、今回のスーパーフレーム5104は自装置宛のフレームを含んでいる。ONU制御部2060は受信した基本フレームの下り信号送信計画5150に含まれる受信開始時刻5152を参照し、受信時刻になったかどうかを判定する(1705)。なお、ONU群20Aに属するONUは、すぐにフレームを受信できるためこの条件分岐でYesとなり、受信終了時刻5153までの間、自装置宛のGEMフレームを受信する(1708)。他のONU群20Bや20Cに属するONUではNoとなるので、ONU制御部2060は受信開始時刻5152になるまで強度制御部2311を閉じて待機する(1706)。
ONU制御部2060は、受信開始時刻5152になると、強度制御部2311が光信号を通過させるよう設定し(1707)、受信終了時刻5153までの間GEMフレームを受信する(1708)。受信終了時刻となると、ONU制御部2060は強度制御部2311を閉じて(1709)、次のスーパーフレーム周期の開始時刻となるまで待機する(1710)。そして次のスーパーフレーム周期が来たとき、ONU制御部2060は、下り光拒度マップ2071に格納された受信開始時刻1402まで待機する(1712)。本実施例では、ONU群20Aに属するONUの場合、この受信開始時刻1402はゼロである。ONU群20Bに属するONUでは125マイクロ秒であり、ONU群20Cに属するONUでは250マイクロ秒である。
次に、図19を用いて通常運用中のPON1へ新規ONU20を登録する際の手順を説明する。ここで、通常運用中の全ONUをONU20−normal、新規登録するONUをONU20−newとする。まずOLT10からONU20−normalへ通常運用を一時停止通知するための一時停止信号40000を送信する(S−60000)。一時停止信号40000を受け取ったONU20−normalは(S−60010)、信号内の通常運用再起動時刻を読み取り、通常運用再起動時刻まで全ての受信信号を遮断もしくは減衰するようにO/E2310の強度制御部2311を制御する(S−60020)。この信号を受信することによって、各ONU20−normalは、これからONU20−newに対して行うレンジング処理などの通常運用前の処理に起こる可能性のある、光強度の違いによるエラー受信やONUの光受信機の破壊や故障を防ぐことができる。また、後にONU20−newが送信するレンジングレスポンス信号40020などの上り信号とONU20−normalが送信する通常運用時の上り信号の衝突も回避できる。一時停止信号40000は例えば、通常の下りフレーム内の光強度マップ5150−1〜5150−K内に次回受信開始時刻情報として通常運用再起動時刻を割り当てることで通知できる。なお、通常運用再起動時刻は、OLT10からONU20−newに、様々な強さの光信号でレンジング処理を試みて、レンジング処理が終了するのに十分な時間を考慮して決定する。
一時停止信号40000を送信した後、立ち上げ可能の旨の連絡を受けた設置業者もしくはユーザがONU20−newを起動させる(S−60030)。その後、OLT10がONU20−newに対し、図7〜図9の立上げ同様に、光強度や通信ビットレートを調整しながらレンジングリクエスト信号40010を送信してONU20−newからのレンジングレスポンス信号40020を待つ(S−60040)。この時、予め設置場所や該当ONUの距離情報や通信ビットレートなどが把握していれば、オペレータがOLT10に対して、送信するレンジングリクエスト信号40010の光強度や通信ビットレートを指定するように送信するように指示をしてもよい。レンジングリクエスト信号40010を受け取ったONU20−new(S−60050)はOLT10へレンジングレスポンス信号40020を送信する(S−60060)。
レンジングレスポンス信号40020を受け取ったOLT10(S−60070)は送信したレンジングリクエスト信号40010の光強度と通信ビットレートにて図7〜図9の説明にて記載した通常運用までの処理(40030、40040、40050)をONU20−newとの間で行う。その後ONU20−newは、OLT10から通知された通常運用再開時刻まで全ての受信信号を遮断もしくは減衰するようにO/E2310を制御して待機する(S−60080)。この時の処理内容は図7〜図9の説明にて記載した内容と重複するので、省略する。この際、図11で示したテーブル情報にもONU20−newの情報が追加され、その後の下りフレーム生成や下り信号送信計画の作成に用いられる(S−60090)。通常運用再開時刻になると、以後、OLT10、ONU20−normal、ONU20−newが通常運用を再開する(S−60100−OLT、S−60100−ONU)。
図20は、ヘッダ情報をスーパーフレームの先頭位置に集約する第2の実施例である。以下、ONU群20Aに属する一つのONUをONU20A、同様にONU群20Bに属する一つのONUをONU20B、ONU群20Cに属する一つのONUをONU20Cと記載して説明する。
本実施例のスーパーフレーム5105は、3つのONU群20A、20B、20Cそれぞれにつき1つずつのONUに対するヘッダ5110とペイロード5120を含むよう構成され、フレーム長は125マイクロ秒の3倍の375マイクロ秒フレームである。ヘッダ部5110とペイロード部5120は、それぞれに或る光強度で送信されるヘッダ及びペイロードを含む。複数の光強度信号をスーパーフレーム5105で多重して送信する場合には、本図に示すように、ヘッダ部とペイロード部共に光強度の低い順に送信する。低い順にすることで、OLT10から近い距離にあるONU20が間違って早いタイミングで光信号を受光しても、当該ONU20の受光部が故障しないようにするためである。
図20の実施例では、全光強度について下り信号のヘッダ5110を送信完了した後にペイロード5120を送信するため、ヘッダ部もペイロード部も図に示すような階段状の光強度構成となる。本図(A)において光強度を段階的に変化させている理由の一つに、急激な強度変化に伴う受信デバイス故障の危険性を最小限に留める目的がある。ヘッダ部の長さは必ずしも125マイクロ秒の基本フレーム長の整数倍である必要は無いが、本図ではスーパーフレーム5105の全体長は基本フレームの整数倍として構成する。この構成方法を採用すると、既存PONにおける最小フレーム構成単位は125マイクロ秒フレームであるため、既存製品からの設計変更が容易であるというメリットがある。
図20の構成例では、下りフレームヘッダ5110は、ONU20A向けヘッダ情報5110A、ONU20B向けヘッダ情報5110B、ONU20C向けヘッダ情報5110Cを含む構成とする。それぞれのヘッダ情報には各ONU20向けの下り信号送信計画5150A、5150B、5150Cを含む。例えばヘッダ5110Aは、ONU群20Aに属する複数のONUにて受信が可能なレベルの光信号で送信される。そしてONU群20Aに属する複数のONUは、受信したヘッダ5110Aの中のONU−ID7001を参照し、自装置宛の信号と識別した1台のONU20Aが、ヘッダを処理しペイロードを受信する。ここで、自装置宛ではなかった、ONU群20Aに属する他のONUは、次のスーパーフレーム周期まで強度制御部2311により受信光を遮断もしくは減衰する。
図20(B)は、ONU20側で下り信号の処理を行うための、下り信号送信計画5150における各パラメータ設定方法を示す。下りスーパーフレーム5105において、例えばONU20A宛ての有効情報は、フレームヘッダ5110Aとデータ部5120Aである。図20(A)のフレーム構成例に示すように、ヘッダ部5110(A)とGEMフレームが格納されるデータ部5241Aの開始時刻との間に一定の隙間5520ができる。この隙間5520に転送される情報はONU20Bに通知されるヘッダ5110BおよびONU20Cに対し通知されるヘッダ5110Cである。これらONU20Bや20C宛のヘッダ情報は、ONU20Aで受信するには光強度が大き過ぎ、受信した場合にはONU20Aの受光デバイスを破壊する怖れがある。従ってONU20Aでは、ONU20B又はONU20Cに対し通知されるヘッダ情報に対しては、受信光強度制御部2311にて光信号を遮断もしくは減衰する必要がある。
上記のようにONU20Aが、遮断区間5210B及び5210Cを経て正しくデータ5241Aを受信するため、本実施例では遮断区間5210B及び5210Cを、ONU20A向けの追加ヘッダ領域5520と定義する。この追加ヘッダ領域5520が終了する時刻から、ONU20Aが自装置向けペイロード(GEMフレーム)の受信を開始できるようにするため、以下の工夫をする。まず、本実施例のヘッダ部5210A、5210B、5210Cの長さを一定とする。これにより、各ONU群におけるヘッダの受信時刻の間隔が一定となるためである。即ち、スーパーフレーム5200のフレーム長を常時一定にしておき、実施例1で説明したように個々のONU20を立ち上げた際に、時刻情報と最初に受信するスーパーフレーム(ヘッダ部5510、5610、又は5710)の到着タイミング(つまり通常運用開始時刻)、及びスーパーフレーム長を通知する。
これにより、たとえばONU群20Aの各ONUは、スーパーフレーム周期で強度制御部2311を開放し、ヘッダを受信する。そして自宛のヘッダと認識したONU20Aは、下り信号送信計画5150で指定される受信開始時刻5162(図20(A)における5003の時点)まで強度制御部2311を閉じておく。ONU20は受信開始時刻5162から受信終了時刻5163(図20(A)における5004の時点)までの期間、強度制御部2311を再び開放してペイロードを受信し、その後次のスーパーフレーム周期まで強度制御部2311を閉じておく。
以上、ONU群20Aの場合を例に本実施例の信号構成方法及び動作を説明した。ONU群20Bについても動作原理は同じである。ヘッダ部5210Bの開始位置がONU群20A向けヘッダの終了位置であり、データ部5241Bの開始位置がONU群20Aのデータ部5120Aの終了位置となる。従って、ONU20Bが追加ヘッダ5720として考慮すべきはONU群20C向けヘッダ区間5210とONU群20A向けデータ区間5241Aである。ONU20Bはヘッダ5210Bを読み込んだ後、図20(A)の符号5004で示される時点まで強度制御部2311を閉じ、符号5004の時点から5005の時点まで強度制御部2311を再び開放してペイロード5241Bを受信する。受信後、ONU20Bは次のスーパーフレーム周期まで強度制御部2311を閉じる。
ONU群20Cに関しても同様であるが、ONU群20CはOLT10から最遠のONU群となるため、自装置宛ての下りフレーム以外の部分は光遮断をするまでもなく、単純に無視しておくことも可能である。これは、ONU群20Cの場合、光デバイスへの影響を考える必要が無い為である。例えばONU20Cは、ヘッダ5150Cに含まれる受信開始位置5152と受信終了位置5153の間以外で光レベルの弱い、ノイズなのか信号なのか判別できない光を受信しても、LOS/LOF(Loss of Signal/Frame)警報を発行しない設定とする等すれば、光レベルの弱いONU群20Aあて、もしくはONU群20Bあての信号を無視することができる。
それぞれのONU群が各群宛てヘッダの開始位置からヘッダ情報を取得するため、ここではITU−T勧告G.984.3(非特許文献3)で規定される下り信号同期パターン(PSyncフィールド;0xB6AB31E0)を各ヘッダ5210A、5210B、5210Cの先頭位置にそれぞれ配する構成とした。これによって、予め決められたヘッダ長であることと合わせ、各ONU群は、指定されたスーパーフレーム周期毎にヘッダ5210を受信し、そこで指定されたタイミングでペイロード5120を受信できる。
10 OLT
20 ONU
11000 強度制御部(OLT)
2311 強度制御部(ONU)
1210 下りフレーム処理部(OLT)
2210 下りフレーム処理部(ONU)
1000 PON制御部(OLT)
2000 PON制御部(ONU)
1064 光強度対応テーブル
2411 下り光強度マップ情報
5101 ONU群20A用の基本フレーム
5102 ONU群20B用の基本フレーム
5103 ONU群20C用の基本フレーム
5104 スーパーフレーム

Claims (5)

  1. 複数の加入者装置と、前記加入者装置とスプリッタを介して光ファイバで接続される加入者収容装置とを含む通信システムであって、
    前記加入者収容装置は、
    前記光ファイバを介して光信号を送信する送信器と、
    前記送信器から出力される光信号の強度を変化させる第1の強度制御部と、
    前記複数の加入者装置との通信距離をそれぞれ測定するとともに、それぞれの前記加入者装置が受信できる光信号の強度を測定する制御部と、
    前記制御部の測定結果に基づいて、第1の強度の光信号を受信できる前記加入者装置の第1の群に向けて光信号を送信するときは、前記第1の強度制御部に前記第1の強度の光信号を出力するよう指示し、第2の強度の光信号を受信できる前記加入者装置の第2の群に向けて光信号を送信するときは、前記第1の強度制御部に前記第2の強度の光信号を出力するよう指示するフレーム処理部と、を有し、
    前記加入者装置は、
    前記光ファイバを介して光信号を受信する受信器と、
    前記受信器に入力される光信号の強度を変化させる第2の強度制御部と、
    前記第2の強度制御部を制御する制御部と、を有し、
    前記加入者収容装置の前記フレーム処理部は、前記第1の群に属する加入者装置に前記第1の強度の光信号を受信するタイミングを、前記第2の群に属する加入者装置に前記第2の強度の光信号を受信するタイミングを、それぞれ通知し、
    前記加入者装置の前記制御部は、前記加入者収容装置から通知されたタイミングに従って、前記第2の強度制御部が前記受信器に出力する光信号の強度を調整することを特徴とする通信システム。
  2. 請求項1に記載の通信システムにおいて、
    前記第1の強度は前記第2の強度よりも弱く、
    前記第1の群に属する前記加入者装置の前記制御部は、前記加入者収容装置から通知された前記第1の強度の光信号を受信するタイミングに、前記第2の強度制御部に光信号を通過させて前記受信器で受信できるようにし、当該タイミング以外では前記第2の強度制御部に光信号を遮断もしくは減衰させることを特徴とする通信システム。
  3. 請求項1に記載の通信システムにおいて、
    前記通信システムはGPONシステムであり、前記加入者装置はONU、前記加入者収容装置はOLTであり、
    前記加入者収容装置のフレーム処理部は、第1の基本フレームに前記第1の群に属するいずれか1つの加入者装置宛のデータを載せ、第2の基本フレームに前記第2の群に属するいずれか1つの加入者装置宛のデータを載せ、前記第1の基本フレームと前記第2の基本フレームを連結した連結フレームを周期的に前記加入者装置に送信し、
    前記加入者装置の制御部は、前記連結フレームの送信周期と、前記連結フレーム内における、自装置が受信すべき基本フレームの位置情報に応じて、前記第2の強度制御部を制御することを特徴とする通信システム。
  4. 請求項3に記載の通信システムにおいて、
    前記加入者収容装置から前記加入者装置に通知する前記第1の強度の光信号を受信するタイミングは、前記連結フレーム内における、前記第1の基本フレームの位置情報であり、
    前記加入者収容装置から前記加入者装置に通知する前記第2の強度の光信号を受信するタイミングは、前記連結フレーム内における、前記第2の基本フレームの位置情報であることを特徴とする通信システム。
  5. 請求項4に記載の通信システムにおいて、
    前記加入者収容装置の前記フレーム処理部は、
    前記第1の基本フレームの位置情報を、前記第1の基本フレームのPLOAMフィールドに格納し、
    前記第2の基本フレームの位置情報を、前記第2の基本フレームのPLOAMフィールドに格納することを特徴とする通信システム。
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