JP5331646B2 - 光通信システム及び通信帯域制御方法 - Google Patents
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Description
REを基幹光ファイバ内に挿入することで、従来のPONより通信距離が延長されるため、遠隔地に存在していた加入者のONUも同じOLTに収容することができるので、OLTの収容数増加が容易になる。すなわちOLTでのONU収容効率が向上する。一方、通信距離延長に伴い、遠隔地にあるONUとOLTとの通信時間(伝送遅延時間)が増えることになる。その結果、ONUからOLTへ送信される信号のS/N比が減衰したり波形が歪んだりするため、OLTでの信号処理に高性能な光信号受信器が必要となる。
すなわち、OLTとONUとを光スプリッタを備えた光ファイバ網で接続した光通信システムの光ファイバ網区間に、OLTと前記複数のONUとの間で送受信する信号を中継するREを備え、OLTとREの双方に、ONUに対して動的に上り信号送信のための帯域を割当てる帯域制御部を備え、複数のONUの要求に基づいてOLTがONU毎に通信可能な時間枠の広さ(送信可能なデータ量)を決定し、REではその情報を参照しつつ、複数のONUの夫々がOLTに信号を送信するタイミングを決定する。複数のONUから送出される上りバースト信号を光ファイバ網で多重し更にREで連続光形態もしくは連続光に近い長周期のバースト信号に再構成してOLTへ転送する構成の光通信システムとしたものである。
REで上り光信号を終端及び再生することにより、PONの特性であるOLTでの集中制御形態を保ったままシステム拡張が可能となる。具体的には、REで光特性を考慮した物理的な信号の処理を、OLTで帯域割当て、ONU管理等の論理的な信号を処理する機能を備えることで、拡張システムにおける信号処理を最適化できる。
図1は、本発明のPONを用いた光アクセス網の構成例を示した網構成図で、PONの集線光ファイバにREを挿入した場合の構成例を示している。
光アクセス網1は、局舎側装置(OLT)10、複数個の加入者装置(ONU)20−1〜20−n、光スプリッタ30、集線光ファイバ70、複数本の支線光ファイバ71−1〜71−n、集線光ファイバ70の途中で70−1と70−2との間に挿入した信号中継装置(RE)10000とからなるPON40において、各ONU20(20−1〜20−n)をそれぞれ加入者網(あるいは、PCや電話等の端末;代表例として加入者網50−1のみ図示)50と接続し、OLT10を上位の通信網であるアクセス網90と接続した網である。OLT10は、PON区間80とアクセス網90の双方に対してインタフェースを備える通信装置で、アクセス網90を介して更に上位の通信網と情報の送受信を行い、該情報をさらにONU20へ転送することにより、情報信号を送受信する装置である。尚、アクセス網90は、IPルータやイーサネット(Ethernet、登録商標で以下同様)スイッチなどで構成されるパケット通信網を用いることが多いが、これ以外の通信網であっても構わない。ONU20は、ユーザの家庭や企業のサイトに設置され、LANもしくは相当のネットワークである加入者網50に接続される形態が一般的である。各加入者網50には、IP電話や既存の電話サービスを提供する電話端末やPC/携帯端末等の情報端末が接続される。PON区間80では、OLT10と各ONU20−1〜20−nとの間で光信号によって通信が行われている。尚、PONでは使用される光信号の波長を、上りλupと下りλdownとをそれぞれ異なる波長にして光ファイバ70と71やスプリッタ30において信号が干渉しないようにしてある。
これらの動作を実現するため、OLT10に保持するDBA−DB1(400)には、ONU毎(運用上は帯域管理単位Alloc−ID毎)の送信許可を与えるデータ量を記録し、RE10000のDBA−DB2(410)には、該データをONUが送信するべき(RE10000が受信可能な)タイミングを決定した通信開始時刻と通信終了時刻(或いは通信開始時刻と通信データ量)とを対応付けて保持する。
下り信号は、アクセス網90からSNI(Service Network Interface)と称されるIF1100−1〜1100−nに入力される。尚、アクセス網90にはパケット網が多く用いられ、IFに10/100Mbps若しくは1Gbpsのイーサネットインタフェースが用いられることが多いが、本発明ではこの構成に限定されるものではない。受信信号(以下、データもしくはパケットと称することもある)は、下りフレーム処理部1210に転送されパケットのヘッダ情報が解析される。具体的にはパケットのヘッダに含まれる宛先情報、送信元情報、通過経路情報を含むフロー識別情報に基づいて、当該受信パケットを転送すべき宛先のONU20を決定する。この宛先情報の決定と供に、必要に応じて、当該受信パケットのヘッダ情報の変換や付与が行われる。尚、下りフレーム処理部1210には、上記宛先決定やヘッダ情報の変換及び付与を含む処理を決定するための下り経路情報DB1211を備え、受信パケットのヘッダ情報として含まれる一つもしくは複数のパラメータをトリガとしてDB1211を参照することで上記処理を行う構成とした。
ONU20が収容する端末(図示せず)からPONへの上りの信号は、加入者網50からUNI(User Network Interface)と呼ばれるIF2100−1〜2100−nに入力される。尚、加入者50にもLANやパケット網が用いられることが多く、IFには、10/100Mbps若しくは1Gbpsのイーサネットインタフェースが用いられることが多いがこの構成に限定されるものではない。
上り送信制御部2070には、レンジングに基づきRE10000から通知されるEqDの値を記憶するEqD情報DB2072とRE10000が実施したDBAの結果(信号送信開始位置/時刻・タイミングや送信量等)を記憶するDBA情報DB2071を備える。これらのデータベースに記憶された値は、OLT10やRE10000によって送られる上り通信の送信指示に従い、正しいタイミング(RE10000で他のONU20と信号が重ならないように時間分割多重させるタイミング)で情報を送出する際の基準情報として上りフレーム処理部2410に参照され、これに従いフレーム処理部2410から上り信号がOLT10に向け送信される。
本実施例では、RE10000をPON区間80の集線光ファイバ70に挿入する。すなわち、OLT10とRE10000を集線光ファイバ70−1で接続し、RE10000とスプリッタ30とを集線光ファイバ70−2によって接続する構成で、集線光ファイバ70−1を延長してOLT10から遠隔地にあるONU20も収容しても、PONとしての性能を維持するためにRE10000を入れる構成である。
レンジング制御部610は、RE10000とONU20との区間101−1〜101−nについてレンジングを行う部分で、レンジングで測定した各ONU20に対するRTDと、該RTDから求めたEqDを格納するためEqD情報DB510を備える。また、RE10000で受信した信号の先頭位置と受信予定位置(予定時刻)とがずれていれば、当該ONU20に対してEqD設定の変更を通知し、同時にONU20のEqD情報を変更する機能を備える。
RE10000は、OLT10から立上げ信号S210を受信すると、該メッセージを終端し、新規にRE10000が発行するSN要求信号S2121を送出する。これに対してONU20−1は自装置に設定されているSNを含むSN通知信号S2122をRE10000に対して送出する。SNを受信した後、RE10000とOLT10の区間100においてSN照合処理S2131を実施する。
RE10000は、一定期間(S401、S402)を帯域要求収集期間と設定し、その間にONU20より受信した帯域要求(S216−1〜n)纏め、上り信号を再構成して周期的にOLT10へ転送する(S231,S217)。
OLT10は、論理DBA(S501)で、それまでに受信したONU20からの帯域要求(図6:S216、S217)情報に基づき、DBA周期1(論理DBA周期)内で送受信可能な上り帯域を、個々のONU20に対して割当てる。DBA処理1部300において算出した、該ONU20毎のデータ送信量はDBA−DB1(400)に格納され、時刻TL1にDBA情報1(S302)としてRE10000へ通知される。通知S302のフレーム構成例は、後述する。
OLT10が一定周期のDBA情報1通知期間913(DBA周期1(S300)に相当)で、各ONU20からOLT10に送信可能なデータ量をRE10000に通知する。この通知には、既存PONが備えたOAM(PLOAM)の構成を利用した。具体的には、ITU−T勧告G.984.3で規定の信号(図9:3100)を応用した構成で、ONU20からの上り信号を時分割多重制御する下り信号フレーム3100に含まれるUS BWmapフィールド(図9:1500)を用いて送信許可データ量の通知を行う。もちろん、その他の技術、例えばイーサネットOAM標準(ITU−T勧告Y.1731)に規定されるVSM(Vendor Specific Message)フレーム、を用いても構わない。
ここで用いる信号は、RE10000の導入前にOLT10とONU20との間で用いていた信号を応用した信号で、ITU−T勧告G.984.3の下りフレームフォーマットに準拠した信号を用いる。具体的には、下りフレームヘッダに含まれるUS BWmapと呼ばれるフィールド1500を用いる。本フィールドは、一つ以上の帯域指示情報(Access情報)1500−1〜1500−Nから構成される。帯域指示フィールド1500−1〜1500−Nは、それぞれ一つのONUに対応したAlloc−ID1510に対し、送信許可を与え送信タイミングを指示するため、送信開始時刻SStart(1530)と送信終了時刻SStop(1540)を含む。Flags1520及びCRC1550も勧告G984.3記載の信号である。
上り信号送信タイムスロットは、G−PONの場合125μ秒周期若しくはDBA処理周期を基準とした一定周期13000−1で運用されている。各ONU20−1〜20−nからそれぞれ支線光ファイバ71−1〜nを介して送信されたGEMフレームは、スプリッタ30を通過して一本の集線光ファイバ70−2に時分割光多重される。本図(A)は、物理DBAで決定された送信タイミング(図10のDB410参照)で各ONUからのバースト状のGEMフレームが多重化されている様子を示しており、ONU20−1、20−2、20−4から送信されたデータの送信位置及び送信データサイズを示している。また、同図では、RE10000がONU20から受信する個々のGEMフレームの光信号強度が、ONU20からの距離差によって異なる様子も示している。個々のGEMフレームにはONU毎のヘッダ情報19091、19101、19201が各々のデータを入れたペイロード19090,19100,19200の前に付加されている。更に、個々のGEMフレーム間は、送受信器の稼動条件(起動/消光に要する時間)や信号同士の重なりを回避するためのガードタイム19000−1及び19000−2が設けられる。尚、G−PONでは、ガードタイムは32ビット以上とすることが定められている。
上りバースト信号(GEMフレーム)19050の構成はITU−T勧告G984.3で規定されているので、以下では簡単にその構成を説明する。先ず、GEMフレームは大きく分けるとペイロード19100とヘッダ19101とからなり、ヘッダ領域19101の前部にPLOuフィールド21010が設けられている。このPLOuフィールド21010は、プリアンブルとデリミタ領域19211とONU−ID等を含むその他ヘッダ21200とから成っている。更に、PLOuフィールド21010の前方にはガードタイム19000−1が設けられている。ヘッダ19101は、PLOAMフィールド21000が入る。尚、ONU20に対して指示される送信開始時刻は、PLOAMフィールドの開始位置1100を示す。本フィールド21000には。ONU−ID19111,メッセージID19112、PLOAMメッセージ本体19113、PLOAMフィールドの誤り検出を行うCRC19114が含まれる。更に、上りフレームには上り帯域要求を挿入するためのフィールドDBRu21115を含む。更にその他上りヘッダ21116を備える。
30・・・スプリッタ、 40・・・PON、 50・・・加入者網、
70・・・集線光ファイバ、 71・・・支線光ファイバ、 90・・・アクセス網、
300,310・・・DBA処理部、 610・・・レンンジング処理部
20000・・・上り光信号(連続)。
Claims (9)
- 親局と複数の子局とを光スプリッタを備えた光ファイバ網で接続した光通信システムにおいて、
前記光ファイバ網に前記親局と前記複数の子局との間で信号を送受信する中継器を備え、
前記親局は、前記複数の子局からの上り信号の送信要求に基づき、第1の周期で各子局が送信する上り信号の第1のデータ量を決定する第1の帯域制御部を備え、
前記中継器は、該中継器と前記複数の子局の夫々との間の伝送距離もしくは伝送時間を測定する距離測定部と、該複数の子局からの上り信号の送信要求および前記第1のデータ量に基づき、第2の周期で各子局が送信する上り信号の第2のデータ量と送信タイミングを決定する第2の帯域制御部とを備え、
前記中継器は、前記複数の子局から受信した上り信号で前記第1の帯域制御部が決定したデータ量の上り信号を構成し、当該構成した上り信号を前記親局に送信することを特徴とする光通信システム。 - 上記中継器は、上りフレーム処理部を備え、上記第2の帯域制御部が決定したタイミングで上記複数の子局の夫々からの上り信号を受信すると、該複数の上り信号を纏めた上記第1の周期の連続信号に変換して上記親局に送信することを特徴とするの請求項1記載の光通信システム。
- 上記連続信号に含まれる上り信号のデータ量は上記第1の帯域制御で決定したデータ量で、上記第2の帯域制御部が複数回の上記記第2の周期で決定したデータ量の総和のデータ量であることを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
- 上記中継器で上記複数の子局の夫々から受信する上り信号の光強度は各々が異なる強度であり、上記フレーム処理部での変換後に上記親局に出力する上り連続信号の光強度は一定であることを特徴とする請求項2に記載の光通信システム。
- 上記中継器で上記複数の子局の夫々から受信する上り信号はヘッダ部とデータを含むペイロード部からなるバースト信号で、上記フレーム処理部は、前記バースト信号の前記ヘッダの所定領域と前記バースト信号間の領域を削除して前記変換を実施することを特徴とする請求項2に記載の光通信システム。
- 親局と複数の子局とを光スプリッタを備えた光ファイバ網で接続し、該光ファイバ網に前記親局と前記複数の子局との間で信号を送受信する中継器を備える構成の光通信システムの通信帯域制御方法であって、
前記親局が前記複数の子局からの上り信号の送信要求を前記中継器を介して受信すると、該送信要求に基づき第1の周期で各子局が送信する上り信号の第1のデータ量を決定して該中継器に通知し、
前記中継器は、該中継器と前記複数の子局の夫々との間の伝送距離もしくは伝送時間を測定しておき、該複数の子局からの上り信号の送信要求および前記第1のデータ量に基づき、第2の周期で各子局が送信する上り信号の第2のデータ量と送信タイミングを決定して該複数の子局の夫々に通知し、
前記複数の子局の夫々は、前記送信タイミングで前記第2のデータ量の上り信号を前記中継器に送信し、
前記中継器は、前記複数の子局から受信した上り信号で前記親局が決定したデータ量の上り信号を構成して前記親局へ送信することを特徴とする通信帯域制御方法。 - 上記中継器は、該中継器が決定したタイミングで上記複数の子局の夫々からの上り信号を受信すると、該複数の上り信号を纏めた上記第1の周期の連続信号に変換して上記親局に送信することを特徴とする請求項6記載の通信帯域制御方法。
- 上記連続信号に含まれる上り信号のデータ量は上記親局で決定したデータ量で、上記中継器が複数回の上記記第2の周期で決定したデータ量の総和のデータ量であることを特徴とする請求項7に記載の通信帯域制御方法。
- 上記中継器で上記複数の子局の夫々から受信する上り信号はヘッダ部とデータを含むペイロード部からなるバースト信号で、前記バースト信号の前記ヘッダの所定領域と前記バースト信号間の領域を削除して前記変換を実施することを特徴とする請求項7に記載の通信帯域制御方法。
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