JP5315175B2 - 魚釣用リール - Google Patents

魚釣用リール Download PDF

Info

Publication number
JP5315175B2
JP5315175B2 JP2009201046A JP2009201046A JP5315175B2 JP 5315175 B2 JP5315175 B2 JP 5315175B2 JP 2009201046 A JP2009201046 A JP 2009201046A JP 2009201046 A JP2009201046 A JP 2009201046A JP 5315175 B2 JP5315175 B2 JP 5315175B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
braking
spool
side plate
left frame
adjustment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009201046A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011050290A (ja
Inventor
雄一 梅沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Globeride Inc
Original Assignee
Globeride Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Globeride Inc filed Critical Globeride Inc
Priority to JP2009201046A priority Critical patent/JP5315175B2/ja
Publication of JP2011050290A publication Critical patent/JP2011050290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5315175B2 publication Critical patent/JP5315175B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、外力に対する回転性能や制動力を良好に維持する魚釣用リールに関する。
例えばキャスティング等の釣糸放出時にスプールの過回転を防止するブレーキ装置として、遠心摩擦ブレーキ装置あるいは磁気ブレーキ装置が従来から設けられている。
例えば特許文献1には、軸受部、磁気ブレーキ装置を装着した保持ケースをフレームにネジ止め固定し、その保持ケースの外側にリール側板を取り付け固定した構造が開示されている。
実開昭61−20170号公報
特許文献1の魚釣用リールでは、リール側板の内側面に保持ケースがネジ止めされて圧接固定されるので、何らかの外力が側板部に作用した際、その外力が保持ケースの軸受部や磁気ブレーキ装置に直接的に加えられてしまう。このため、外力が側板部に作用すると、軸受部の変形や破損等により回転性能に障害が生じたり、磁気ブレーキ装置に障害が生じ易くなる。また、特許文献1の魚釣用リールでは、磁気ブレーキ装置の制動力調節ツマミがリールの側部に対して突出しているので、落下等の外力が加えられることにより制動力調節ツマミや側板部が傷付き易く支障をきたし易い。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、リール本体の側部に外力が加えられても回転性能や制動力等の性能低下を発生し難い魚釣用リールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明の実施形態に係る魚釣用リールは、釣糸を巻回するスプールの両側を軸受部で回転可能に支持する一対のフレームと、前記フレームの一側面に配置され、前記スプールを回転させるハンドルと、前記フレームの他側面に配置され、前記スプールの回転を制動する制動部と、前記軸受部の周囲に配置され、前記制動部の制動力を異なる調整範囲でそれぞれに調整する第1の調整部及び第2の調整部と、前記制動部と間隔を空けて、且つ前記第1の調整部及び前記第2の調整部を含めて前記フレームの他側面を覆うカバー部材と、を備え、前記第1の調整部は、前記カバー部材の下側縁部に開口された第1の操作開口部から一部を露呈し、前記第2の調整部は、前記カバー部材の上面前方に開口された第2の操作開口部から一部を露呈して配置され、外部から、それぞれの前記第1の調整部及び前記第2の調整部の調整操作を行うことを特徴とする。
この発明によれば、リール本体のフレームの一方に制動装置を取り付け、さらにカバー部材を取り付けたとき、カバー部材の内壁部とフレームおよび制動装置との間には、空間が形成される。このため、カバー部材に外力が加えられたとしても、フレームや制動装置に直接的に外力が加えられるのを防止しているので、軸受部や制動機構の性能低下を引き起こし難い。
また、スプールをリール本体に対して着脱する開口部が形成され、制動装置の支持部材を開口部の縁部に係止部を介して着脱可能としたので、制動装置およびスプールのメンテナンス性を向上させることができるだけでなく、リール本体のメンテナンス性も向上させることができる。
また、制動力調整部がカバー部材の内壁部に対向する位置にあるので、すなわち、カバー部材の内壁部に対して空間を形成した状態で制動力調整部が設けられているので、魚釣用リールを保持したときに突出する部分がなく、良好な保持性を有する。
また、制動力調整部が第1調整部と第2調整部とを有し、それぞれ別の調整特性を示すようにしたことによって、制動力を広範囲に調整することができる。
また、カバー部材に制動力調整部を調整するための操作開口部を設けることによって、カバー部材の内壁部と制動装置(制動力調整部)との空間を形成した状態で、制動力の調整をカバー部材の外側から行うことができる。このため、良好な握持保持性を維持できる。
また、制動力調整部がカバー部材の外側から調整可能な操作部を有することによって、カバー部材の内壁部と制動装置(制動力調整部)との空間を形成した状態で、制動力の調整をカバー部材の外側から行うことができる。
第1実施形態に係る、釣竿に魚釣用リールを取り付けた釣具を示し、左手で釣竿および魚釣用リールを保持し、右手でハンドルを保持した状態を示す概略的な上面図。 第1実施形態に係る魚釣用リールのうち、ハンドルが取り付けられた側と反対側から観察した状態を示し、図1中のII−II方向から見た概略図。 第1実施形態に係る魚釣用リールを示し、図2中のIII−III線に沿う概略的な部分横断面図。 第1実施形態に係る魚釣用リールの左フレームから左側板および制動装置を取り外した状態を示す概略図。 第1実施形態に係る魚釣用リールの左フレームから取り外した左側板を示し、(A)は表面側を示す概略図、(B)は裏面側を示す概略図。 (A)は第1実施形態に係る魚釣用リールの左フレームから左側板を取り外した状態を示す概略図、(B)は左フレームから取り外した制動装置を示す概略図。 第1実施形態に係る魚釣用リールの図3中の矢印VIIで示す部分の概略的な拡大図。 第1実施形態に係る魚釣用リールの制動装置の第1調整部を示し、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は図8(A)中の8C−8C線に沿う縦断面図、(D)は図8(A)中の8D−8D線に沿う縦断面図。 第1実施形態に係る魚釣用リールのうち、ハンドルが取り付けられた側と反対側から観察した状態を示し、かつ、左側板及び制動装置の第1調整部を取り外した状態を示す概略図。 第1実施形態に係る魚釣用リールのうち、ハンドルが取り付けられた側と反対側から観察した状態を図9中のX−Xに沿って観察した状態を示す概略図。 第1実施形態に係る魚釣用リールのうち、ハンドルが取り付けられた側と反対側から制動装置の制動部を観察した状態を示し、(A)は第1調整部の内側突状部を図10中の第1の段部に配置した状態を示す概略図、(B)は第1調整部の内側突状部を図10中の第2の段部に配置した状態を示す概略図、(C)は第1調整部の内側突状部を図10中の第3の段部に配置した状態を示す概略図。 第1実施形態に係る魚釣用リールのうち、制動装置の制動部の概略的な横断面を示し、(A)は第1調整部の内側突状部を図10中の第1の段部に配置した状態に対応した図11(A)の12A−12A線に沿う概略図、(B)は第1調整部の内側突状部を図10中の第2の段部に配置した状態に対応した図11(B)の12B−12B線に沿う概略図、(C)は第1調整部の内側突状部を図10中の第3の段部に配置した状態に対応した図11(C)の12C−12C線に沿う概略図。 第1実施形態に係る魚釣用リールの図1および図2中のXIII−XIII線に沿う部分の要部を示し、左手でリールを保持しながら制動力調整部の第2調整部に左手の親指を当てて操作する状態を示す概略的な縦断面図。 第2実施形態に係る魚釣用リールの左フレームから左側板および制動装置を取り外した状態を示す概略図。 (A)は第2実施形態に係る魚釣用リールの左フレームから左側板を取り外した状態を示す概略図、(B)は左フレームから取り外した制動装置を示す概略図。
図1から図13を用いて本発明の第1実施形態による魚釣用リール10について説明する。
図1から図3に示すように、本実施形態の魚釣用リール10は、両軸受型手巻きリールとして形成してある。図1に示すように、ここでは釣り人が左手LHで竿8および魚釣用リール10を保持し、右手RHで魚釣用リール10の右側部のハンドル30を回すように形成されている場合について説明する。もちろん、左手LHでハンドル30を操作するようにハンドル30の配置が逆(左側部)であっても良い。
図1に示すように、魚釣用リール10のリール本体12は、図示しない連結部材等で一体化される左右一対のフレーム14a,14bのそれぞれの外側に、後述するように例えば螺合あるいは嵌合等の手段を適宜に組み合わせて側板16a,16bを取り付けて、全体的に剛性構造のハウジングとして形成されている。そして、魚釣用リール10のリール本体12は、フレーム14a,14b間に配設されたリール取付脚部18を介して釣竿8に固定される。
なお、リール本体12の左右一対のフレーム14a,14bの上側であって、側板16a,16bの間にはサムレスト19が、例えばビス、螺合あるいは嵌合等の手段を適宜に組み合わせて取り付けられている。この実施形態では、サムレスト19の外観はスプール20に巻回された釣糸に親指F1をかけてサミング操作を行うためにリール10の後側が開いた略U字状である。
図4に示すように、釣糸が巻回されるスプール20は、左側板(保護カバー部材)16bおよび後述する制動装置90を取り外した状態で左フレーム14bからリール本体12に対して着脱可能である。左フレーム14bからリール本体12にスプール20が装着されているときには、スプール20は左右のフレーム14a,14b間に配設される。右側板16aは、スプール20を回転駆動させる巻取り駆動部22を支持し、この右側板16aと右フレーム14aとの間に形成された空間内に、この巻取り駆動部22を形成する駆動力伝達系やドラグ系等の各種機構が収容されている。なお、左右は図1中において釣竿8の長手方向に直交する方向を示し、前後は釣竿8の長手方向を示し、上下は図2中の上下に相当する。
図3に示すように、スプール軸26は、第1軸部26aと、第2軸部26bとを同軸上に備え、第2軸部26bはハンドル30側に配設され、第1軸部26aはハンドル30とは反対側(反ハンドル側)でスプール20に装着されスプール20と一体的に回転する。そして、スプール軸26の第1軸部26aと第2軸部26bとの端部(リール本体12の中央側端部)同士を突き合わせた場合、第1軸部26aおよび第2軸部26bは一緒に回転する。
スプール軸26の第2軸部26bは、リール本体12の右フレーム14aに例えばボール軸受28を介して回転自在に支持されている。この第2軸部26bには、ハンドル30の回転を軸受32a,32bに支持されたハンドル軸34、ハンドル軸34に回り止め嵌合されたドラグ機構44を経由してドライブギヤ36を介して回転駆動されるピニオンギヤ38が同軸上に配置されている。
一方、リール本体12の左フレーム14bに着脱可能に装着される制動装置90にはボール軸受(軸受部)94が配設され、スプール20と一体的に回転するスプール軸26の第1軸部26aを回転自在に支持する。
すなわち、スプール軸26は、右フレーム14aに設けられたボール軸受28と制動装置90の軸受部94とにより回転可能に支持されている。
ハンドル軸34には、公知のスタードラグ(ドラグ調整ノブ)42が配設され、ドライブギヤ36には公知のドラグ機構44が配設されているが、これらについては説明を省略する。
ピニオンギヤ38は、公知のクラッチ(伝達機構)48を介して、フレーム14a,14b間に配置したクラッチレバー50と連動しており、このクラッチレバー50を下方に押圧作動することにより、クラッチ48がOFFとなり軸方向に沿って図1中の右側に移動することができる。例えば、クラッチレバー50の操作により、スプール軸26の第2軸部26bの右端部にピニオンギヤ38が嵌合した位置すなわち巻取状態と、スプール軸26の第2軸部26bの右端部からピニオンギヤ38を分離した状態(スプールフリー状態)とすることができる。また、ピニオンギヤ38が分離した状態で、ハンドル30を回転させると、図示しない公知の復帰機構を介して、ピニオンギヤ38がスプール軸26の第2軸部26bの右端部に嵌合して元の状態(巻取状態)に復帰し、スプール軸26の第1軸部26aと一体化されているスプール20が、ピニオンギヤ38と共に一体的に回転する。
スプール20は、軸方向の両側に形成された一対の鍔部20a間に位置する円筒状の胴部20bを有し、スプール軸26の第1軸部26aに一体的に装着され、一対の鍔部20aと釣糸巻回胴部20bの外周面とで形成される環状溝内に釣糸(図示しない)が巻回される。この環状溝の底部を形成する胴部20b上に釣糸(図示しない)を均等に巻回するため、ハンドル30の釣糸巻取り回転に連動して、一対の左右のフレーム14a,14b間を往復動する公知のレベルワインド機構52が配置されている。このレベルワインド機構52は、右側板16a内の駆動部と連動する係合子を左右に移動することにより、ハンドル30の回転操作にともなって、釣糸をスプール20の胴部20b上に均等に巻き取ることができる。
なお、フレーム14a,14b間の前側には、レベルワインド機構52を覆い、釣糸が絡みつくのを防止する前カバー54が固定されている。
スプール20の一対の鍔部20aのうち、一方の鍔部20aには、円筒状の導電体(被制動部)56が固定されている。このため、導電体56は、スプール20と一体回転する。
導電体56は、スプール軸26の第1軸部26aに強固に固定されるボス部56aと、このボス部56aから半径方向外方に延びるディスク状部56bと、このディスク状部56bの外周縁部からハンドル30と反対側に延びる円筒状部56cとを有し、例えばアルミニウムあるいは銅等の非磁性の導電性材料で形成されている。
なお、この導電体56は、円筒状部56cがこのような非磁性の導電性材料で形成されるものであれば、その全体を同一材料で形成することは必ずしも必要なく、例えばボス部56aおよびディスク状部56bをより軽量の樹脂材料等で形成してもよい。また、ボス部56aをスプール軸26の端部の小径部に隣接させて固定することにより、スプール軸26を支える、制動装置90のボール軸受(軸受部)94でボス部56aの軸方向外方への移動を抑制し、導電体56がスプール軸26から脱落するのを防止することも可能である。
図4に示す左フレーム14bに対しては図5(A)および図5(B)に示す左側板16bを着脱可能であり、左フレーム14bに左側板16bを取り付けた状態を図2に示す。
図4に示すように、左フレーム14bは、平面部62と、この平面部62の縁部から外側(反ハンドル側)に延出された下側フランジ部64とを有する。下側フランジ部64は左フレーム14bの下側から後側にかけて連続的に形成されている。平面部62は後ろ側が略円形状で、前側に向かうにつれ次第に細くなっている。
サムレスト19は、左フレーム14bの平面部62に対して例えばネジ65で例えば2箇所に固定されている。1つ目の固定箇所はサムレスト19のうち左フレーム14bに対してハンドル30と反対側に突出した左側縁部19aの下側である。2つ目の固定箇所は、サムレスト19の左側縁部19aの後側であって、下側フランジ部64の後側の端部の近傍である。なお、サムレスト19の後端部の外表面は面取りされ、下側フランジ部64の後側の端部との間の隙間が小さく、下側フランジ部64の後側の端部と、左フレーム14bの下側フランジ部64の後端部との間の境界部分は、指等に対する引っ掛かりなく滑らかに処理されている。
左フレーム14bの平面部62には、スプール20を右フレーム14aとの間に着脱する円形開口部66が形成されている。図6に示すように、円形開口部66の縁部には、円形開口部66を覆うように制動装置90が着脱可能に配置されている。制動装置90は、左フレーム14bの平面部62の円形開口部66の縁部に設けられた複数(例えば3箇所)の保持部68(図4参照)によって左フレーム14bの平面部62に着脱可能に保持される。図4に示す平面部62には、さらにネジ穴68aが形成され、制動装置90の後述する螺合固定部182が着脱可能に螺合される。ここでは、制動装置90の後述する支持部材92の延出部108を適当な位置から上側に回動させることによって、左フレーム14bに対して制動装置90の支持部材92を所定の位置に配置することができるようになっている。したがって、制動装置90は左フレーム14bの平面部62に対して着脱可能であり、制動装置90を取り外した状態でスプール20を着脱可能である。
なお、制動装置90は、左フレーム14bの平面部62及び下側フランジ部64と、サムレスト19の左側縁部19aとによって形成された空間に配置される。
図4に示すように、左フレーム14bの平面部62には、左側板16bの後述する着脱ネジ78が螺合するネジ穴62aが形成されている。このネジ穴62aは左フレーム14bの下側フランジ部64の下側前方縁部64aに近接した位置に形成されている。また、左フレーム14bの平面部62には、左側板16bの後述するピン80(図5(B)参照)が嵌合する孔部62bが形成されている。この孔部62bは左フレーム14bの下側フランジ部64の下側後方縁部64bに近接した位置に形成されている。
図4中において、左フレーム14bの下側フランジ部64の下側前方縁部64aは左上がりの傾斜に形成され、下側後方縁部64bは右上がりの傾斜に形成されている。すなわち、下側前方縁部64aは、釣竿8が装着されるリール取付脚部18に対して前方側に向かうにつれて離れていくようになっている。また、下側後方縁部64bは、リール取付脚部18に対して後方側に向かうにつれて離れていくようになっている。
図5(A)および図5(B)に示す左側板16bは、左フレーム14bを覆うとともに、左フレーム14bから左方に突出した制動装置90を覆う空間を有するカバー部材として形成されている。左側板16bは、左手LHの掌を受ける外面部72と、上側縁部74と、下側縁部76とを一体的に有する。
外面部72は、左フレーム14bに対して左側板16bを装着した状態で外側となり左手LHの掌を受けるように膨出した表面部72aと、左フレーム14bに対向するように内側となり制動装置90を収容する凹状の裏面部(内壁部)72bとを有する。この実施形態における左側板16bの表面部72aは左手LHの掌の母指球周辺に当たる位置が滑らかな膨らみを持った状態に形成されている。左側板16bの裏面部72bは、左フレーム14bおよび左フレーム14bに装着された制動装置90との間に空間を形成する。なお、上側縁部74および下側縁部76は外面部72の表面部72aおよび裏面部72bに滑らかに連続して形成されている。
なお、外面部72には、制動装置90の後述する制動力調整部96bの回動操作部(操作部)184を操作可能に配置する貫通した操作開口部73が形成されている。この構造については後述する。
上側縁部74は、この実施形態ではサムレスト19の左側縁部19aに嵌合する嵌合部として形成され、例えばその後方側で外方に向かって突出する突起部(爪部)74aを有する。そして、上側縁部74はその突起部74aによってサムレスト19の左側縁部19aの下側の所定の位置に嵌合される。左側板16bの上側縁部74とサムレスト19の左側縁部19aとが嵌合された場合、サムレスト19の左側縁部19aと左側板16bの外面部72との間の隙間は小さく、サムレスト19の左側縁部19aと左側板16bの外面部72との間の境界部分は、指等に対する引っ掛かりなく滑らかに処理されている。
下側縁部76のうちスプール軸26よりも前側部76aには、図5(B)に示すように、着脱ネジ78が装着されている。具体的には、着脱ネジ78の頭部78aを回転可能に押さえつつ、プレート86を留めネジ88で固定することにより、着脱ネジ78の頭部78aが左側板16bから脱落を防止した状態で配設されている。着脱ネジ78は、前側部76aの凹部76cを通して頭部(固定操作部)78aの一部が回転操作可能となっている。なお、頭部78aの一部は、前側部76aの外表面に対して突出していても、前側部76aの外表面に対して引き込まれた状態にあっても、操作可能であれば良い。そして、着脱ネジ78のネジ部78bは外面部72の表面部72aに対して離れる側に突出し、左フレーム14bのネジ穴62aに螺合可能である。着脱ネジ78のネジ部78bおよび左フレーム14bのネジ穴62aは左ネジとして形成されている。これは、釣竿8やリール10の操作の際に頭部78aに指が当たっても着脱ネジ78が締まる方向に力を加えるようにするためである。
なお、下側縁部76には、制動装置90の後述する操作突起(操作部)150が操作可能に配設される凹部(操作開口部)76dが形成されている。
外面部72の裏面部72b側であって、下側縁部76の後側部76bには、図5(B)に示すように、左フレーム14bの平面部62の孔部62bに嵌合されるピン80が外面部72の表面部72aに対して離れる側に突出形成されている。このため、サムレスト19の左側縁部19aに嵌合する上側縁部74の突起部74aとともに左フレーム14bに対して左側板16bを位置決めすることができる。
この実施形態に係る左側板16bを左フレーム14bに着脱する作用について説明する。ここでは、左フレーム14bに対して左側板16bを取り付ける作用について説明する。なお、左フレーム14bに対して左側板16bを取り外す作用は逆に行えば良いので説明を省略する。
サムレスト19の左側縁部19aに左側板16bの上側縁部74の突起部74aを引っ掛ける。このとき、左フレーム14bのネジ穴62aに対して左側板16bに装着された着脱ネジ78のネジ部78bが当接され、かつ、左フレーム14bの孔部62bに対して左側板16bのピン80が対峙している。この状態で着脱ネジ78の頭部78aを魚釣用リール10の後方に回転させると、左側板16bに装着された着脱ネジ78のネジ部78bが左フレーム14bのネジ穴62aに螺合しつつ、左側板16bのピン80が左フレーム14bの孔部62bに対して嵌合量を増していく。すなわち、下側フランジ部64と下側縁部76との間の隙間が小さくなって左フレーム14bに対して左側板16bが装着される。
このように、左側板16bが左フレーム14bに着脱される際には、左側板16bの上側をサムレスト19の左側縁部19aに引っ掛けて、ヒンジ状に動かして蓋をするようになっているので、制動装置90に触れることなく左側板16bの開閉を行うことができる。
図6(B)に示すように、制動装置90は、左フレーム14bに着脱する際の土台となる支持部材92と、スプール軸26の第1軸部26aを受ける軸受部94(図7参照)と、スプール20の制動部96aおよび制動力調整部96bを有する制動機構96とが一体的に形成されている。すなわち、制動装置90はユニット化されている。そして、本実施形態では、支持部材92には、制動部96aと制動力調整部96bとを有する制動機構96が配設され、制動機構96の制動部96aには、軸受部94が支持されている。
なお、制動力調整部96bは、軸受部94および制動部96aと同じ軸上に設けられた第1調整部(回動操作部)114と、軸受部94および制動部96aとは別の軸上に設けられた第2調整部172とを有する。
図6(B)および図7に示すように、支持部材92は、左フレーム14bの円形開口部66よりも僅かに小さく形成された円盤状の支持部材本体102と、支持部材本体102の外側縁部から外側に延出され、左フレーム14bの円形開口部66の縁部に引っ掛けられる複数(例えば3箇所)の係合部104と、係合部104の内側であって制動機構96の制動部96aが配設される中央開口部106(図7参照)と、支持部材本体102の外側から延出され制動力調整部96bの第2調整部172が配設される延出部108とを一体的に有する。制動機構96は、支持部材本体102のうち、スプール20の導電体56が配設された鍔部20aに対向する面とは反対側の面側に配設されている。
図6(B)に示す円盤状の支持部材本体102は、左フレーム14bの円形開口部66に挿入可能である。そして、支持部材本体102の縁部の係合部104が左フレーム14bの円形開口部66の縁部に引っ掛けられる。この状態で支持部材92の延出部108を上側に向けて回動させると、図6(A)に示すように、左フレーム14bの円形開口部66の縁部の保持部68に対して、支持部材本体102の係合部104が着脱可能に係合される。そして、第2調整部172に設けられた後述する螺合固定部182を左フレーム14bの平面部62のネジ穴68aに螺合することによって、制動装置90を左フレーム14bの所定の位置に位置決め装着することができる。なお、図6(A)および図6(B)に示す螺合固定部182の頭部は工具を用いる必要なく指や硬貨等により簡単に螺合/螺合解除できるようになっている。
なお、左フレーム14bに対して制動装置90を装着した状態では、図3、図7、図13に示すように、左フレーム14bと左側板16bの裏面部72bとの間、制動装置90と左側板16bの裏面部72bとの間はそれぞれ離間され、空間が形成されている。すなわち、制動装置90と左側板16bの裏面部72bとは対向した状態に配置される。このため、制動装置90の各部(制動機構96aおよび制動力調整部96b)が左側板16bの表面部72aに突出することが防止され、良好な保持性を有することとなる。そして、魚釣用リール10が落下等して左側板16bに外力が加えられたとしても、左フレーム14bと左側板16bの裏面部72bとの間、制動装置90と左側板16bの裏面部72bとの間にはそれぞれ空間が形成されているので、外力を緩衝し、制動装置90や左フレーム14bに対して直接的に衝撃を与えることを防止することができる。
図6(B)および図7に示す制動機構96の制動部96aは、スプール20に一体的に設けられた導電体(被制動部)56との間に制動力を付与する。この結果、制動部96aはスプール20に制動力を付与することとなる。
制動部96aは、セットプレート112と、内側磁石ホルダ116と、外側磁石ホルダ118とを有する。そして、セットプレート112の外周には、セットプレート112に対して回動可能な第1調整部(回動操作部)114(図8(A)から図8(D)参照)が配設されている。
セットプレート112は、支持部材本体102に一体成形されている。図7に示すように、セットプレート112は、ボール軸受(軸受部)94を収容する支持部材92の中央開口部106と同心状に、スプール軸26側から小径部124aと大径部124bとを順に形成した支持台部124を有する。
支持台部124の小径部124aの内周部には、スプール軸26の第1軸部26aの端部を受けるボール軸受(軸受部)94が配置されている。このボール軸受94の内側に対してスプール軸26の第1軸部26aの端部が挿脱可能である。
支持台部124の小径部124aの外周部には、内側磁石ホルダ116を収容する環状溝126を形成してある。内側磁石ホルダ116は環状溝126に対して摺動可能である。この内側磁石ホルダ116の外周には、内側リング磁石120aを固定してある。内側リング磁石120aは、導電体56の円筒状部56cと略等しい軸方向寸法を有することが好ましい。
支持台部124の大径部124bの内周部には、外側磁石ホルダ118を収容する環状溝128を形成してある。外側磁石ホルダ118は環状溝128に対して摺動可能である。この外側磁石ホルダ118の内周には、内側リング磁石120aに対向した状態で外側リング磁石120bを固定してある。この外側リング磁石120bは導電体56の円筒状部56cと略等しい軸方向寸法を有することが好ましい。
すなわち、支持部材本体102とセットプレート112との間には、内側磁石ホルダ116および外側磁石ホルダ118が配設されている。そして、内側磁石ホルダ116は外側磁石ホルダ118に対して回動可能である。また、内側磁石ホルダ116は外側磁石ホルダ118とともにスプール軸26の軸方向への移動は可能であるが、単独での移動は規制されている。すなわち、内側磁石ホルダ116および外側磁石ホルダ118はスプール軸26の軸方向へは一緒に移動する。
内側リング磁石120aと外側リング磁石120bとの間には、導電体56の円筒状部56cが挿脱可能な環状間隙122が形成されている。制動力調整部96bの後述する回動操作部184により外側磁石ホルダ118の位置を保持したまま、内側磁石ホルダ116を支持台部124の小径部124aに対して摺動させる(回動させる)ことにより、内側磁石ホルダ116の内側リング磁石120aと外側磁石ホルダ118の外側リング磁石120bとの間の磁界を無段階で変化させ、すなわち、微調整することができる。
なお、図8(A)から図8(D)には第1調整部114を示す。図9は制動装置90の制動部96aから第1調整部114を取り外した状態を示す。図10には、図9中のX−X線に沿った方向から観察した状態を示す概略図を示す。
第1調整部114は、図8(A)から図8(D)に示すように、略環状に形成された環状部132と、環状部132の縁部から例えば環状部132の中心軸に略平行に延出された周面部134と、周面部134から環状部132の径方向外方に向かって突出したフランジ部136a,136bとを有する。周面部134は、制動力調整部96bの後述する延出部174を延出するために筒状の一部を切り欠いた状態に形成されている。フランジ部136a,136bは、周面部134のうち環状部132に対する遠位の位置から環状部132の中心軸に対して離れる方向に形成されている。
一方、支持部材本体102には第1調整部114のフランジ部136a,136bを回動可能に保持する1対の保持部140a,140b(図6、図11、図12参照)が形成され、第1調整部114を所定の範囲内で回動可能としている。なお、第1調整部114の中心軸はスプール軸26の中心軸と略一致する。
図8(A)から図8(D)に示すように、周面部134には、環状部132の中心軸に向かって突出する内側突状部138a,138bが形成されている。セットプレート112の大径部124bの環状溝128に摺動可能に配設された外側磁石ホルダ118には、図10に示すように、内側突状部138a,138bが係合される係合溝142が形成されている。この係合溝142は、スプール軸26と平行に形成された軸方向溝144と、軸方向溝144に連続し例えば略螺旋状に形成された螺旋状溝146とを有する。このうち、軸方向溝144は内側突状部138a,138bを外側磁石ホルダ118に着脱する際に用いられる。
そして、第1調整部114の内側突状部138a,138bが外側磁石ホルダ118の係合溝142に係合された状態で、第1調整部114を回動させると、第1調整部114の内側突状部138a,138bは外側磁石ホルダ118の係合溝142の螺旋状溝146をスプール軸26の軸方向に押圧する。すなわち、外側磁石ホルダ118がスプール軸26の軸方向に沿って移動する。図7および図12に示すように、外側磁石ホルダ118と内側磁石ホルダ116とは互いにスプール軸26の軸方向に一体に動く構成となっているため、外側磁石ホルダ118とともに内側磁石ホルダ116もスプール軸26の軸方向に沿って移動する。
図8(A)から図8(C)に示すように、第1調整部114は、環状部132から延出された突出部150aを介して操作突起150を有する。図2および図6(A)に示すように、この操作突起150は、左フレーム14bに左側板16bが装着された状態で、リール10の左側板16bの凹部(開口部)76dを通して下側縁部76から突出するように形成されている。なお、操作突起150は、左側板16bの下側縁部76から突出する突出量は小さく、図1に示す釣竿8および魚釣用リール10を握持保持したときに操作突起150に左手LHが当たらない位置にあるように設定されている。
そして、図11(A)から図11(C)に示すように、セットプレート112に装着された第1調整部114の操作突起150を操作し、第1調整部114をセットプレート112に対して回動させると、図12(A)から図12(C)に示すように、導電体56の円筒状部56cが内側磁石120aと外側磁石120bとの間の環状間隙122に入る量が変更される。すなわち、スプール20に対する制動力を大きく変更することができる。
なお、図11(A)に示す状態は図12(A)に、図11(B)に示す状態は図12(B)に、図11(C)に示す状態は図12(C)にそれぞれ対応する。
この実施形態では、図10に示すように、外側磁石ホルダ118の係合溝142の螺旋状溝146は3つの段部146a,146b,146cを連続して有する。第1段部146aと第2段部146bとの間、第2段部146bと第3段部146cとの間には共に段差(滑らかに連続していない部分)があり、第1調整部114の内側突状部138a,138bが第1段部146aと第2段部146bとの間や第2段部146bと第3段部146cとの間を移動する際にクリック感が得られる。
第1段部146aは軸方向溝144に近接する位置にあり、第1段部146aに内側突状部138a,138bが係合されているとき(図11(A)参照)には、図12(A)に示すように、内側磁石120aおよび外側磁石120bに対する導電体56のディスク状部56bの位置(距離L1)は最も遠い。このため、導電体56の円筒状部56cが磁石120a,120bの間に配設されている量は小さい。
第2段部146bは、第1段部146aと螺旋状溝146の最も奥側の第3段部146cとの間にあり、第2段部146bに内側突状部138a,138bが係合されているとき(図11(B)参照)には、図12(B)に示すように、第1段部146aに内側突状部138a,138bが係合されている状態よりも内側磁石120aおよび外側磁石120bに対する導電体56のディスク状部56bの位置は近い(距離L2<L1)。このため、導電体56の円筒状部56cが磁石120a,120bの間に配設されている量は、第1段部146aに内側突状部138a,138bが係合されている状態よりも大きい。
第3段部146cは螺旋状溝146の最も奥側にあり、第3段部146cに内側突状部138a,138bが係合されているとき(図11(C)参照)には、図12(C)に示すように、第2段部146bに内側突状部138a,138bが係合されている状態よりも内側磁石120aおよび外側磁石120bに対する導電体56のディスク状部56bの位置は近い(距離L3<L2<L1)。このため、導電体56の円筒状部56cが磁石120a,120bの間に配設されている量は、第2段部146bに内側突状部138a,138bが係合されている状態よりも大きい。
すなわち、操作突起150を図11(A)に示す位置から図11(C)に示す位置に向かって回動させると、図12(A)から図12(C)に示すように、円筒状部56cが環状間隙122に入る量が次第に大きくなる。このため、図11(C)および図12(C)に示す位置では、磁石120a,120bにより大きな磁力を受ける。一方、図11(A)および図12(A)に示すように、円筒状部56cが環状間隙122に入る量が小さくなると、磁石120a,120bにより受ける磁力が小さくなる。このように、第1調整部114を操作することによって、スプール20の基準制動力を設定することができる。その基準制動力(抑制力)は第1段部146aに内側突状部138a,138bがある状態から、第2段部146b、第3段部146cと奥側に移動するにつれて大きくなる。
そして、ハンドル30を回転させてスプール20を回転させると、スプール20に装着された導電体56には内側リング磁石120aおよび外側リング磁石120bにより形成された環状間隙122における磁界の影響で渦電流が発生する。そして、導電体56の円筒状部56cが磁石120a,120bの間に配設されている量(内側突状部138a,138bが段部146a,146b,146cに係合されている位置)に応じてスプール20の回転抑制力を規定する。したがって、制動装置90の第1調整部114の操作突起150を操作すると、制動効果を大きく変化させて基準制動力を設定できる。
図6(A)から図7および図13に示すように、制動力調整部96bは、第1調整部114とは別に、第2調整部172と、制動部96aの内側磁石ホルダ116から延出された延出部174と、この延出部174の遠位端に固定された連動歯車176とを有する。延出部174と連動歯車176は一体でも良いが、別体とすると組み立て性が良いので別体であることが好ましい。
第2調整部172は、左フレーム14bの平面部62のネジ穴68aに対して螺合固定可能な螺合固定部182と、螺合固定部182の回りを回動可能な回動操作部184とを備えている。回動操作部184は左側板16bの操作開口部73によって外側から操作可能となっており、支持部材92の延出部108に対して脱落を防止した状態で回動可能に支持されている。なお、図示しないリーフスプリングにより、回動操作部184を回動させる際にクリック音を発生させるとともに、適当な力を加えないと回動操作部184が回動しないようになっている。すなわち、回動操作部184の調整位置をズレ難くすることができる。
図6(A)、図6(B)および図13に示すように、回動操作部184は外周部184cの縁部184dに少なくとも凹凸による滑り止めKが形成された例えば円形ダイヤル形状を有する。このような円形ダイヤル形状を有すると、図13に示す親指F1の腹部が外周部184cと側面184eの2面に跨る縁部184dへの押圧となって接触面積を大きく取れ、かつ、親指F1への圧力を広範囲に分散できる。このため、左手LHの親指F1が痛くなり難く、回動操作部184の操作もし易い。また、親指F1を回動操作部184に押し当てた際に凹凸部に指の腹が喰い込むので、操作の際の滑りを防止できる。
なお、凹凸による滑り止めKは回動操作部184の外周部184cの全体や側面184eの全体に形成しても良い。また、回動操作部184の径方向内方の側面184eに目盛り184fや、回動操作部184に対向する保護部材73aに指標部73b等が形成されている。
図6(A)、図6(B)および図13に示すように、回動操作部184の縁部184dの近傍の側面184eには、例えば環状に溝184aが形成されている。このため、指に水分が付着している場合に、その水分を溝184aに逃がすことができ、回動操作部184を滑り難くすることができる。特に、左側板16bにより形成される操作開口部73内に親指F1を押し付けるので、この回動操作部184への親指F1への押し付け力は小さくなり、これらの滑り防止は効果的である。
そして、制動力調整部96bの回動操作部184の外周には回動操作部側歯車184bが形成され、これが連動歯車176に噛み合わせられている。このため、回動操作部184を左フレーム14bに対して例えば図2中のP方向に回動させると、回動操作部側歯車184bを介して連動歯車176をQ方向に回動させる。そして、連動歯車176に連結された延出部174を介して内側磁石ホルダ116が外側磁石ホルダ118に対してR方向に回動する。このため、内側リング磁石120aに対する外側リング磁石120bの相対位置が変化する。これにより、導電体56の円筒状部56cを配置した内側リング磁石120aと外側リング磁石120bとの間に形成される環状間隙122の磁界の強さを微調整することができる。
したがって、制動部96aに設けられた第1調整部114を操作することによって基準制動力(制動効果)を設定し、第2調整部172の回動操作部184を操作することによって設定した基準制動力を微調整することができる。このように、これら第1調整部114および第2調整部172の操作を組み合わせることによって、スプール20に対して広範囲の中から選択される所望の制動力を付与することができる。すなわち、第1調整部114が操作された場合と、第2調整部172が操作された場合とでは、制動力は異なる調整特性を示す。
図1および図2に示すように、左フレーム14bに制動装置90を装着し、さらに左側板16bを装着した状態のとき、左側板16bの操作開口部73には、図13に示すように、左手LHの親指F1が押し当てられる(図1参照)。図5(A)および図5(B)に示すように、左側板16bの操作開口部73は、左側板16bの上方かつ前方側で、上下方向よりも前後方向に長く形成されている。ここでは、操作開口部73は外観が略平行四辺形に形成されている。左フレーム14bに配設された第2調整部172の回動操作部184は操作開口部73を通してその外周部および側部の一部(ここでは図1および図2に示すように回動操作部184の上側)が視認できる状態にある。そして、回動操作部184は、図13中に破線で示す左側板16bの外表面の延長面Sから外方に突出させることなく、この操作開口部73の内側に配置した状態で外部に露出させている。
図13中に破線で示す左側板16bの外表面の延長面Sから回動操作部184までの最短距離は、例えば0mmから5mm程度で、0.5mmから3.0mm程度であればなお好ましい。すなわち、回動操作部184は左側板16bの表面部72aに対して突出しないように露出されている。
なお、延長面Sの形状は、左側板16bの操作開口部73の周囲の形状によって変わる。操作開口部73の周囲がこの実施形態のように曲面の場合、延長面Sも曲面であり、操作開口部73の周囲が平面の場合、延長面Sも平面である。すなわち、図13中、操作開口部73の周囲が曲面であるから、延長面Sを示す破線は曲線である。
そして、左側板16bの外表面の延長面Sから回動操作部184が外方に突出しないことの判断は、リール取付脚部18を水平に配置したときに、操作開口部73の水平方向および上下方向の短寸法方向で判断するものとする。この実施形態では図2に示す操作開口部73の上下方向が前後方向に比べて短寸法方向であるため、延長面S上に図示しない基準線が操作開口部73の上下方向に採られ、その基準線に回動操作部184が触れているか否かで突出しているか否かが判断される。なお、基準線は、操作開口部73の周囲が曲面であるからこの実施形態では曲線である。また、この曲面は操作開口部73の周囲の曲率面が延長した形で定義付けられる。
図1および図13に示すように、左側板16bの操作開口部73の縁部には、左手LHの親指F1を保護したり、左側板16bの操作開口部73から左フレーム14bとの間にゴミが浸入するのを防止するため、例えば環状の保護部材73aが固定されている。この保護部材73aは硬度が低く、摩擦係数が小さい材料としてPTFE、ナイロン、ABS樹脂、アセタール樹脂(POM)などの樹脂材が用いられることが好ましい。
操作開口部73の下側の縁部に配設された保護部材73aは、親指F1を置く部分として操作開口部73の下側縁部から外部に突出した状態に固定されている。操作開口部73の上側の縁部に配設された保護部材73aは、ゴミの侵入を防止するように左側板16bの内周面から回動操作部184に向かって延出されている。
図13に示すように保護部材73aの下側に親指F1を押し当てると、親指F1は下側に向けた力を掛けることとなる。このとき、親指F1が保護部材73aに強く擦れるので、親指F1に負担を掛けるのを防止するため、R形状に丸められている。この保護部材73aは、親指F1が強く擦れるため、未塗装、未メッキ仕上げとすることが好ましい。
そして、釣り人はリール10を左手LHで保持した状態で左側板16bの操作開口部73を通して回動操作部184の上側部分に親指F1を押し当てることができる。このため、上側部分に押し当てた親指F1を操作開口部73の保護部材73aに沿って前後方向に移動させると回動操作部184を回動操作可能である。
以上説明したように、この実施形態による魚釣用リール10は、実釣時や釣り場移動時に魚釣用リール10を落下等させて衝撃(外力)を加えた場合であっても、左側板16bと左フレーム14bとの間、左側板16bと左フレーム14bに装着した制動装置90との間には空間が形成されているので、衝撃を緩衝することができる。すなわち、制動装置90に直接外力が加えられて変形や破損等することが防止されている。このため、軸受部94および制動機構96に支障が生じることが防止される。このように、軸受部94に支障が生じることが防止されていることからハンドル30の回転性能を維持することができるとともに、制動機構96の制動性能を維持することができる。
そして、この実施形態では、第1調整部114および第2調整部172の2つの制動力調整部96bにより、制動機構96の制動力を大きく変更したり、微調整したりすることができる。このため、釣り場の実情に適した幅広い制動力調整が可能となる。一般に、制動機構96に複数の制動力調整部(第1調整部114および第2調整部172)が設けられるとすると、複雑な構造となるので外力に対する性能の障害が生じ易いと言えるが、上述したように、左側板16bと制動装置90との間に空間が形成されることにより、左側板16bに外力が加えられても衝撃を緩衝できるので、そのような性能の障害が生じるのを防止することができる。
また、制動装置90を左フレーム14bに対して工具不要で着脱可能としたので、釣り場などでリール本体12からスプール20を取り外して釣糸を取り替えたりするのを容易に行うことができる。また、左フレーム14bから制動装置90およびスプール20を取り外すことができるので、スプール20、制動装置90およびリール本体12のメンテナンス性を向上させることができる。
また、第1調整部114の操作突起150および第2調整部172の回動操作部184は、釣竿8に魚釣用リール10を取り付けてこれらを握ったときに邪魔になり難い位置に配置している。すなわち、左手LHで釣竿8と魚釣用リール10を保持している際に、第1調整部114の操作突起150および第2調整部172の回動操作部184と左手LHとの間には空間が形成されるので、操作突起150および回動操作部184に左手LHを当てるのを防止でき、意図せず操作突起150および回動操作部184を操作する誤操作を防止できる。また、リール10を左手LHで保持した状態で、左側板16bの表面部72aには突起物がないので、掌に喰い込むことがなく、握持保持性が良く、必要な場合に親指F1や人差し指を動かして操作突起150および回動操作部184に指を掛けることによって、容易に第1調整部114および第2調整部172を操作できる。このため、良好な握持保持性を維持することができる。
なお、この実施形態では、軸受部94と制動機構96とを有する制動装置90を用いる例について説明したが、制動機構96を除去し軸受部94を支持部材92を介して左フレーム14bに対して着脱可能とすることも好ましい。すなわち、支持部材92に軸受部94が配設されたスプール軸支持部が左フレーム14bに対して着脱可能であることも好ましい。
次に、第2実施形態について図14および図15を用いて説明する。この実施形態は第1実施形態の変形例である。ここでは、左フレーム14bに対する制動装置90の固定構造の変形例について説明する。
図14に示すように、左フレーム14bには、例えば孔部62bに隣接した位置(円形開口部66と孔部62bとの間の位置)にネジ穴68bが形成されている。一方、図15(B)に示す制動装置90の支持部材92は、係合部104の代わりにネジ穴104bを有する平板状の突出部(係止部)104aが形成されている。
図15(A)に示すように左フレーム14bに対して制動装置90を固定する場合、制動装置90の支持部材92のネジ穴104bと左フレーム14bのネジ穴68bを合わせ、かつ、制動装置90の螺合固定部182とネジ穴68aとを合わせる。この状態でネジ穴104b,68bにネジ69を挿入して螺合し、かつ、螺合固定部182とネジ穴68aとを螺合する。なお、図15(A)中、ネジ69は頭部が十字穴のネジとして描いているが、螺合固定部182のように硬貨等で螺合/螺合解除可能な形状の頭部とすることも好適である。
このように左フレーム14bに制動装置90を着脱可能としても良い。そして、このような構造とすることによっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
これまで、いくつかの実施形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
14b…左フレーム、16b…左側板、18…リール取付脚部、20…スプール、20a…鍔部、20b…釣糸巻回胴部、26…スプール軸、26a…第1軸部、56…導電体、56a…ボス部、56b…ディスク状部、56c…円筒状部、62…平面部、62a…ネジ穴、62b…孔部、64…下側フランジ部、64a…下側前方縁部、64b…下側後方縁部、65…ネジ、66…円形開口部、68…保持部、68a…ネジ穴、72…外面部、72a…表面部、72b…裏面部、73…操作開口部、90…制動装置、92…支持部材、94…ボール軸受(軸受部)、96…制動機構、96a…制動部、96b…制動力調整部、102…支持部材本体、104…係合部、104b…ネジ穴、104a…突出部、106…中央開口部、108…延出部、112…セットプレート、114…第1調整部、116…内側磁石ホルダ、118…外側磁石ホルダ、120a…内側リング磁石、120b…外側リング磁石、122…環状間隙、124…支持台部、124a…小径部、124b…大径部、126…環状溝、128…環状溝、132…環状部、150…操作突起、150a…突出部、172…第2調整部、174…延出部、176…連動歯車、182…螺合固定部、184…回動操作部、184a…溝、184b…回動操作部側歯車、184c…外周部、184d…縁部、184e…側面。

Claims (1)

  1. 釣糸を巻回するスプールの両側を軸受部で回転可能に支持する一対のフレームと、
    前記フレームの一側面に配置され、前記スプールを回転させるハンドルと、
    前記フレームの他側面に配置され、前記スプールの回転を制動する制動部と、
    前記軸受部の周囲に配置され、前記制動部の制動力を異なる調整範囲でそれぞれに調整する第1の調整部及び第2の調整部と、
    前記制動部と間隔を空けて、且つ前記第1の調整部及び前記第2の調整部を含めて前記フレームの他側面を覆うカバー部材と、を備え、
    前記第1の調整部は、前記カバー部材の下側縁部に開口された第1の操作開口部から一部を露呈し、前記第2の調整部は、前記カバー部材の上面前方に開口された第2の操作開口部から一部を露呈して配置され、外部から、それぞれの前記第1の調整部及び前記第2の調整部の調整操作を行うことを特徴とする魚釣用リール。
JP2009201046A 2009-08-31 2009-08-31 魚釣用リール Active JP5315175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009201046A JP5315175B2 (ja) 2009-08-31 2009-08-31 魚釣用リール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009201046A JP5315175B2 (ja) 2009-08-31 2009-08-31 魚釣用リール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011050290A JP2011050290A (ja) 2011-03-17
JP5315175B2 true JP5315175B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=43939972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009201046A Active JP5315175B2 (ja) 2009-08-31 2009-08-31 魚釣用リール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5315175B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108967378A (zh) * 2017-06-05 2018-12-11 株式会社岛野 钓用绕线轮

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5470225B2 (ja) * 2010-11-26 2014-04-16 グローブライド株式会社 魚釣用リール
JP5641624B2 (ja) * 2013-07-30 2014-12-17 グローブライド株式会社 魚釣用電動リール
JP6677947B1 (ja) * 2018-12-13 2020-04-08 株式会社Ixa ベイトリール、ベイトリールに用いられる電磁ブレーキおよびベイトリール用スプール

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5896785U (ja) * 1981-12-25 1983-07-01 株式会社シマノ 両軸受リ−ル
JPS592643A (ja) * 1982-06-25 1984-01-09 ダイワ精工株式会社 魚釣用両軸受型リ−ルのバツクラツシユ防止装置
JPS6137779U (ja) * 1984-08-10 1986-03-08 ダイワ精工株式会社 魚釣用両軸受型リ−ルのバツクラツシユ防止装置
JP3100216B2 (ja) * 1991-07-18 2000-10-16 株式会社シマノ 釣り用リールのブレーキ機構
JP2536099Y2 (ja) * 1992-11-13 1997-05-21 ダイワ精工株式会社 魚釣用リールのバックラッシュ防止装置
JP2002125544A (ja) * 2000-10-25 2002-05-08 Shimano Inc 両軸受リールのスプール制動装置
JP4785499B2 (ja) * 2005-11-15 2011-10-05 株式会社シマノ 両軸受リールのスプール制動装置
JP2009027975A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Daiwa Seiko Inc 魚釣用リール

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108967378A (zh) * 2017-06-05 2018-12-11 株式会社岛野 钓用绕线轮

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011050290A (ja) 2011-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7370821B2 (en) Spool assembly for a dual bearing reel
US7163167B2 (en) One way clutch for spinning reel
KR102230789B1 (ko) 양 베어링 릴
KR101010970B1 (ko) 양 베어링 릴의 클러치 조작 부재
JP5315175B2 (ja) 魚釣用リール
EP2119349A1 (en) Reverse prevention mechanism for lever drag reel
US20090127367A1 (en) Fishing reel
USRE47184E1 (en) Fishing reel with improved line management and control system and clicker mechanism
TWI600604B (zh) Double-bearing reel reel brake device and dual-bearing reel
US6409113B1 (en) Dual-bearing reel body
TW200800012A (en) Connection member of fishing reel
JP2009044990A (ja) 両軸受リールのキャストコントロール機構
CN104115797B (zh) 双轴承绕线轮
KR20150146382A (ko) 양 베어링 릴 및 양 베어링 릴의 클러치 기구
JP5470225B2 (ja) 魚釣用リール
US6464158B1 (en) Dual-bearing reel handle attachment structure
JP2014212739A5 (ja)
KR101311421B1 (ko) 편 베어링 릴
US20240090483A1 (en) Fly fishing reel with brake assembly and methods
JP2011072266A (ja) 魚釣用リール
CN100563435C (zh) 旋压式绕线轮的发声机构
JP2011010579A (ja) 魚釣用リール
TWI624224B (zh) Double bearing reel reel brake device and double bearing reel
JPH0555875U (ja) 魚釣用リ−ル
KR102057049B1 (ko) 낚시용 릴의 스풀 착탈 기구

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130708

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5315175

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250