JP5315175B2 - 魚釣用リール - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、軸受部、磁気ブレーキ装置を装着した保持ケースをフレームにネジ止め固定し、その保持ケースの外側にリール側板を取り付け固定した構造が開示されている。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、リール本体の側部に外力が加えられても回転性能や制動力等の性能低下を発生し難い魚釣用リールを提供することを目的とする。
また、スプールをリール本体に対して着脱する開口部が形成され、制動装置の支持部材を開口部の縁部に係止部を介して着脱可能としたので、制動装置およびスプールのメンテナンス性を向上させることができるだけでなく、リール本体のメンテナンス性も向上させることができる。
また、制動力調整部がカバー部材の内壁部に対向する位置にあるので、すなわち、カバー部材の内壁部に対して空間を形成した状態で制動力調整部が設けられているので、魚釣用リールを保持したときに突出する部分がなく、良好な保持性を有する。
また、制動力調整部が第1調整部と第2調整部とを有し、それぞれ別の調整特性を示すようにしたことによって、制動力を広範囲に調整することができる。
また、カバー部材に制動力調整部を調整するための操作開口部を設けることによって、カバー部材の内壁部と制動装置(制動力調整部)との空間を形成した状態で、制動力の調整をカバー部材の外側から行うことができる。このため、良好な握持保持性を維持できる。
また、制動力調整部がカバー部材の外側から調整可能な操作部を有することによって、カバー部材の内壁部と制動装置(制動力調整部)との空間を形成した状態で、制動力の調整をカバー部材の外側から行うことができる。
図1から図3に示すように、本実施形態の魚釣用リール10は、両軸受型手巻きリールとして形成してある。図1に示すように、ここでは釣り人が左手LHで竿8および魚釣用リール10を保持し、右手RHで魚釣用リール10の右側部のハンドル30を回すように形成されている場合について説明する。もちろん、左手LHでハンドル30を操作するようにハンドル30の配置が逆(左側部)であっても良い。
なお、リール本体12の左右一対のフレーム14a,14bの上側であって、側板16a,16bの間にはサムレスト19が、例えばビス、螺合あるいは嵌合等の手段を適宜に組み合わせて取り付けられている。この実施形態では、サムレスト19の外観はスプール20に巻回された釣糸に親指F1をかけてサミング操作を行うためにリール10の後側が開いた略U字状である。
一方、リール本体12の左フレーム14bに着脱可能に装着される制動装置90にはボール軸受(軸受部)94が配設され、スプール20と一体的に回転するスプール軸26の第1軸部26aを回転自在に支持する。
すなわち、スプール軸26は、右フレーム14aに設けられたボール軸受28と制動装置90の軸受部94とにより回転可能に支持されている。
ピニオンギヤ38は、公知のクラッチ(伝達機構)48を介して、フレーム14a,14b間に配置したクラッチレバー50と連動しており、このクラッチレバー50を下方に押圧作動することにより、クラッチ48がOFFとなり軸方向に沿って図1中の右側に移動することができる。例えば、クラッチレバー50の操作により、スプール軸26の第2軸部26bの右端部にピニオンギヤ38が嵌合した位置すなわち巻取状態と、スプール軸26の第2軸部26bの右端部からピニオンギヤ38を分離した状態(スプールフリー状態)とすることができる。また、ピニオンギヤ38が分離した状態で、ハンドル30を回転させると、図示しない公知の復帰機構を介して、ピニオンギヤ38がスプール軸26の第2軸部26bの右端部に嵌合して元の状態(巻取状態)に復帰し、スプール軸26の第1軸部26aと一体化されているスプール20が、ピニオンギヤ38と共に一体的に回転する。
なお、フレーム14a,14b間の前側には、レベルワインド機構52を覆い、釣糸が絡みつくのを防止する前カバー54が固定されている。
導電体56は、スプール軸26の第1軸部26aに強固に固定されるボス部56aと、このボス部56aから半径方向外方に延びるディスク状部56bと、このディスク状部56bの外周縁部からハンドル30と反対側に延びる円筒状部56cとを有し、例えばアルミニウムあるいは銅等の非磁性の導電性材料で形成されている。
なお、この導電体56は、円筒状部56cがこのような非磁性の導電性材料で形成されるものであれば、その全体を同一材料で形成することは必ずしも必要なく、例えばボス部56aおよびディスク状部56bをより軽量の樹脂材料等で形成してもよい。また、ボス部56aをスプール軸26の端部の小径部に隣接させて固定することにより、スプール軸26を支える、制動装置90のボール軸受(軸受部)94でボス部56aの軸方向外方への移動を抑制し、導電体56がスプール軸26から脱落するのを防止することも可能である。
図4に示すように、左フレーム14bは、平面部62と、この平面部62の縁部から外側(反ハンドル側)に延出された下側フランジ部64とを有する。下側フランジ部64は左フレーム14bの下側から後側にかけて連続的に形成されている。平面部62は後ろ側が略円形状で、前側に向かうにつれ次第に細くなっている。
外面部72は、左フレーム14bに対して左側板16bを装着した状態で外側となり左手LHの掌を受けるように膨出した表面部72aと、左フレーム14bに対向するように内側となり制動装置90を収容する凹状の裏面部(内壁部)72bとを有する。この実施形態における左側板16bの表面部72aは左手LHの掌の母指球周辺に当たる位置が滑らかな膨らみを持った状態に形成されている。左側板16bの裏面部72bは、左フレーム14bおよび左フレーム14bに装着された制動装置90との間に空間を形成する。なお、上側縁部74および下側縁部76は外面部72の表面部72aおよび裏面部72bに滑らかに連続して形成されている。
なお、外面部72には、制動装置90の後述する制動力調整部96bの回動操作部(操作部)184を操作可能に配置する貫通した操作開口部73が形成されている。この構造については後述する。
なお、下側縁部76には、制動装置90の後述する操作突起(操作部)150が操作可能に配設される凹部(操作開口部)76dが形成されている。
サムレスト19の左側縁部19aに左側板16bの上側縁部74の突起部74aを引っ掛ける。このとき、左フレーム14bのネジ穴62aに対して左側板16bに装着された着脱ネジ78のネジ部78bが当接され、かつ、左フレーム14bの孔部62bに対して左側板16bのピン80が対峙している。この状態で着脱ネジ78の頭部78aを魚釣用リール10の後方に回転させると、左側板16bに装着された着脱ネジ78のネジ部78bが左フレーム14bのネジ穴62aに螺合しつつ、左側板16bのピン80が左フレーム14bの孔部62bに対して嵌合量を増していく。すなわち、下側フランジ部64と下側縁部76との間の隙間が小さくなって左フレーム14bに対して左側板16bが装着される。
このように、左側板16bが左フレーム14bに着脱される際には、左側板16bの上側をサムレスト19の左側縁部19aに引っ掛けて、ヒンジ状に動かして蓋をするようになっているので、制動装置90に触れることなく左側板16bの開閉を行うことができる。
なお、制動力調整部96bは、軸受部94および制動部96aと同じ軸上に設けられた第1調整部(回動操作部)114と、軸受部94および制動部96aとは別の軸上に設けられた第2調整部172とを有する。
制動部96aは、セットプレート112と、内側磁石ホルダ116と、外側磁石ホルダ118とを有する。そして、セットプレート112の外周には、セットプレート112に対して回動可能な第1調整部(回動操作部)114(図8(A)から図8(D)参照)が配設されている。
セットプレート112は、支持部材本体102に一体成形されている。図7に示すように、セットプレート112は、ボール軸受(軸受部)94を収容する支持部材92の中央開口部106と同心状に、スプール軸26側から小径部124aと大径部124bとを順に形成した支持台部124を有する。
支持台部124の小径部124aの内周部には、スプール軸26の第1軸部26aの端部を受けるボール軸受(軸受部)94が配置されている。このボール軸受94の内側に対してスプール軸26の第1軸部26aの端部が挿脱可能である。
支持台部124の大径部124bの内周部には、外側磁石ホルダ118を収容する環状溝128を形成してある。外側磁石ホルダ118は環状溝128に対して摺動可能である。この外側磁石ホルダ118の内周には、内側リング磁石120aに対向した状態で外側リング磁石120bを固定してある。この外側リング磁石120bは導電体56の円筒状部56cと略等しい軸方向寸法を有することが好ましい。
すなわち、支持部材本体102とセットプレート112との間には、内側磁石ホルダ116および外側磁石ホルダ118が配設されている。そして、内側磁石ホルダ116は外側磁石ホルダ118に対して回動可能である。また、内側磁石ホルダ116は外側磁石ホルダ118とともにスプール軸26の軸方向への移動は可能であるが、単独での移動は規制されている。すなわち、内側磁石ホルダ116および外側磁石ホルダ118はスプール軸26の軸方向へは一緒に移動する。
内側リング磁石120aと外側リング磁石120bとの間には、導電体56の円筒状部56cが挿脱可能な環状間隙122が形成されている。制動力調整部96bの後述する回動操作部184により外側磁石ホルダ118の位置を保持したまま、内側磁石ホルダ116を支持台部124の小径部124aに対して摺動させる(回動させる)ことにより、内側磁石ホルダ116の内側リング磁石120aと外側磁石ホルダ118の外側リング磁石120bとの間の磁界を無段階で変化させ、すなわち、微調整することができる。
一方、支持部材本体102には第1調整部114のフランジ部136a,136bを回動可能に保持する1対の保持部140a,140b(図6、図11、図12参照)が形成され、第1調整部114を所定の範囲内で回動可能としている。なお、第1調整部114の中心軸はスプール軸26の中心軸と略一致する。
そして、第1調整部114の内側突状部138a,138bが外側磁石ホルダ118の係合溝142に係合された状態で、第1調整部114を回動させると、第1調整部114の内側突状部138a,138bは外側磁石ホルダ118の係合溝142の螺旋状溝146をスプール軸26の軸方向に押圧する。すなわち、外側磁石ホルダ118がスプール軸26の軸方向に沿って移動する。図7および図12に示すように、外側磁石ホルダ118と内側磁石ホルダ116とは互いにスプール軸26の軸方向に一体に動く構成となっているため、外側磁石ホルダ118とともに内側磁石ホルダ116もスプール軸26の軸方向に沿って移動する。
なお、図11(A)に示す状態は図12(A)に、図11(B)に示す状態は図12(B)に、図11(C)に示す状態は図12(C)にそれぞれ対応する。
第1段部146aは軸方向溝144に近接する位置にあり、第1段部146aに内側突状部138a,138bが係合されているとき(図11(A)参照)には、図12(A)に示すように、内側磁石120aおよび外側磁石120bに対する導電体56のディスク状部56bの位置(距離L1)は最も遠い。このため、導電体56の円筒状部56cが磁石120a,120bの間に配設されている量は小さい。
第2段部146bは、第1段部146aと螺旋状溝146の最も奥側の第3段部146cとの間にあり、第2段部146bに内側突状部138a,138bが係合されているとき(図11(B)参照)には、図12(B)に示すように、第1段部146aに内側突状部138a,138bが係合されている状態よりも内側磁石120aおよび外側磁石120bに対する導電体56のディスク状部56bの位置は近い(距離L2<L1)。このため、導電体56の円筒状部56cが磁石120a,120bの間に配設されている量は、第1段部146aに内側突状部138a,138bが係合されている状態よりも大きい。
第3段部146cは螺旋状溝146の最も奥側にあり、第3段部146cに内側突状部138a,138bが係合されているとき(図11(C)参照)には、図12(C)に示すように、第2段部146bに内側突状部138a,138bが係合されている状態よりも内側磁石120aおよび外側磁石120bに対する導電体56のディスク状部56bの位置は近い(距離L3<L2<L1)。このため、導電体56の円筒状部56cが磁石120a,120bの間に配設されている量は、第2段部146bに内側突状部138a,138bが係合されている状態よりも大きい。
第2調整部172は、左フレーム14bの平面部62のネジ穴68aに対して螺合固定可能な螺合固定部182と、螺合固定部182の回りを回動可能な回動操作部184とを備えている。回動操作部184は左側板16bの操作開口部73によって外側から操作可能となっており、支持部材92の延出部108に対して脱落を防止した状態で回動可能に支持されている。なお、図示しないリーフスプリングにより、回動操作部184を回動させる際にクリック音を発生させるとともに、適当な力を加えないと回動操作部184が回動しないようになっている。すなわち、回動操作部184の調整位置をズレ難くすることができる。
なお、凹凸による滑り止めKは回動操作部184の外周部184cの全体や側面184eの全体に形成しても良い。また、回動操作部184の径方向内方の側面184eに目盛り184fや、回動操作部184に対向する保護部材73aに指標部73b等が形成されている。
そして、制動力調整部96bの回動操作部184の外周には回動操作部側歯車184bが形成され、これが連動歯車176に噛み合わせられている。このため、回動操作部184を左フレーム14bに対して例えば図2中のP方向に回動させると、回動操作部側歯車184bを介して連動歯車176をQ方向に回動させる。そして、連動歯車176に連結された延出部174を介して内側磁石ホルダ116が外側磁石ホルダ118に対してR方向に回動する。このため、内側リング磁石120aに対する外側リング磁石120bの相対位置が変化する。これにより、導電体56の円筒状部56cを配置した内側リング磁石120aと外側リング磁石120bとの間に形成される環状間隙122の磁界の強さを微調整することができる。
図13中に破線で示す左側板16bの外表面の延長面Sから回動操作部184までの最短距離は、例えば0mmから5mm程度で、0.5mmから3.0mm程度であればなお好ましい。すなわち、回動操作部184は左側板16bの表面部72aに対して突出しないように露出されている。
そして、左側板16bの外表面の延長面Sから回動操作部184が外方に突出しないことの判断は、リール取付脚部18を水平に配置したときに、操作開口部73の水平方向および上下方向の短寸法方向で判断するものとする。この実施形態では図2に示す操作開口部73の上下方向が前後方向に比べて短寸法方向であるため、延長面S上に図示しない基準線が操作開口部73の上下方向に採られ、その基準線に回動操作部184が触れているか否かで突出しているか否かが判断される。なお、基準線は、操作開口部73の周囲が曲面であるからこの実施形態では曲線である。また、この曲面は操作開口部73の周囲の曲率面が延長した形で定義付けられる。
操作開口部73の下側の縁部に配設された保護部材73aは、親指F1を置く部分として操作開口部73の下側縁部から外部に突出した状態に固定されている。操作開口部73の上側の縁部に配設された保護部材73aは、ゴミの侵入を防止するように左側板16bの内周面から回動操作部184に向かって延出されている。
図13に示すように保護部材73aの下側に親指F1を押し当てると、親指F1は下側に向けた力を掛けることとなる。このとき、親指F1が保護部材73aに強く擦れるので、親指F1に負担を掛けるのを防止するため、R形状に丸められている。この保護部材73aは、親指F1が強く擦れるため、未塗装、未メッキ仕上げとすることが好ましい。
そして、この実施形態では、第1調整部114および第2調整部172の2つの制動力調整部96bにより、制動機構96の制動力を大きく変更したり、微調整したりすることができる。このため、釣り場の実情に適した幅広い制動力調整が可能となる。一般に、制動機構96に複数の制動力調整部(第1調整部114および第2調整部172)が設けられるとすると、複雑な構造となるので外力に対する性能の障害が生じ易いと言えるが、上述したように、左側板16bと制動装置90との間に空間が形成されることにより、左側板16bに外力が加えられても衝撃を緩衝できるので、そのような性能の障害が生じるのを防止することができる。
また、第1調整部114の操作突起150および第2調整部172の回動操作部184は、釣竿8に魚釣用リール10を取り付けてこれらを握ったときに邪魔になり難い位置に配置している。すなわち、左手LHで釣竿8と魚釣用リール10を保持している際に、第1調整部114の操作突起150および第2調整部172の回動操作部184と左手LHとの間には空間が形成されるので、操作突起150および回動操作部184に左手LHを当てるのを防止でき、意図せず操作突起150および回動操作部184を操作する誤操作を防止できる。また、リール10を左手LHで保持した状態で、左側板16bの表面部72aには突起物がないので、掌に喰い込むことがなく、握持保持性が良く、必要な場合に親指F1や人差し指を動かして操作突起150および回動操作部184に指を掛けることによって、容易に第1調整部114および第2調整部172を操作できる。このため、良好な握持保持性を維持することができる。
図14に示すように、左フレーム14bには、例えば孔部62bに隣接した位置(円形開口部66と孔部62bとの間の位置)にネジ穴68bが形成されている。一方、図15(B)に示す制動装置90の支持部材92は、係合部104の代わりにネジ穴104bを有する平板状の突出部(係止部)104aが形成されている。
このように左フレーム14bに制動装置90を着脱可能としても良い。そして、このような構造とすることによっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
Claims (1)
- 釣糸を巻回するスプールの両側を軸受部で回転可能に支持する一対のフレームと、
前記フレームの一側面に配置され、前記スプールを回転させるハンドルと、
前記フレームの他側面に配置され、前記スプールの回転を制動する制動部と、
前記軸受部の周囲に配置され、前記制動部の制動力を異なる調整範囲でそれぞれに調整する第1の調整部及び第2の調整部と、
前記制動部と間隔を空けて、且つ前記第1の調整部及び前記第2の調整部を含めて前記フレームの他側面を覆うカバー部材と、を備え、
前記第1の調整部は、前記カバー部材の下側縁部に開口された第1の操作開口部から一部を露呈し、前記第2の調整部は、前記カバー部材の上面前方に開口された第2の操作開口部から一部を露呈して配置され、外部から、それぞれの前記第1の調整部及び前記第2の調整部の調整操作を行うことを特徴とする魚釣用リール。
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