JP5314490B2 - 車両用ラジエータのシール構造 - Google Patents
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Description
入口ヘッダー6から流入した圧縮空気は、各扁平管4aに分岐して通過する際にアウターフィン4bの間を通る冷却風によって冷却され、出口ヘッダー7で合流してインテークマニホールド(図示せず)へ送られる。
これらのファン3では、車両前面の冷却風取入口から冷却風を吸い込み、インタークーラ1およびラジエータ2のそれぞれのコア部4、8を通過させて熱交換を行っていた。
これに対応するために、インタークーラ1の大型化や、コア部4の扁平管4aやアウターフィン4bの改良による熱交換効率の向上などの改良がされている。
図7、図8中の実線矢印は強い風の流れを示し、破線矢印は弱い風の流れを示している。
インタークーラ1とラジエータ2との間にシール部材を設けない従来の装置では、停車時や低速走行時には、図7に示すようにファン3がインタークーラ1、ラジエータ2側からエンジン側に吸い込む冷却風が、車両の走行などにより車両内に導入されて各熱交換器の周辺を流れる走行風よりも強いため、インタークーラ1のコア部4を通過しない走行風がインタークーラ1とラジエータ2との間から吸い込まれてラジエータ2に流れる現象(インタークーラバイパス風)が発生する。
その結果、インタークーラ1を通過する冷却風の量が減少して、インタークーラ1の熱交換性能が低下していた。
その結果、ラジエータ2を通過する冷却風の量が減少して、ラジエータ2の熱交換性能が低下していた。
また、特許文献2には、冷却風の流れ方向に直列に配置されたコンデンサとラジエータのシール構造において、平板の一端を巻回して管状に成形して、この平板部分をシール部材とし、管状部分をコンデンサのヘッダーとしたことで、軽量化や部品点数を削減することができるものが記載されている。
さらに、特許文献3には、軟質樹脂フィルムを幅広環状に形成した(腹巻き状)シール部材によって、直列に配列した第一熱交換器、第二熱交換器、ファンシュラウドの側周を包囲したものが記載されている。
しかし、低速時でも高速時でも登坂走行などの高負荷走行時には、インタークーラ1の入口ヘッダー6の入口パイプ部分6a付近A部では、圧縮空気の温度がラジエータ冷却水の温度(90〜100℃)以上となる。そのため、インタークーラ1を通過して熱せられた冷却風がそのまま風下のラジエータ2へ流れると、ラジエータ2の一部分では冷却水が放熱できないことになり、むしろ冷却風に加熱されて温度が上昇するおそれもあった。
第1の発明は、過給器で圧縮された圧縮空気を流通させるパイプ部分とその先端で大口に形成された拡散部分とをそれぞれ有して対向する入口ヘッダーと出口ヘッダーとの間に、上記入口ヘッダーから上記出口ヘッダーへ上記圧縮空気を通過させるとともに交差方向に流れる冷却風との間で熱交換を行うコア部を配置してなるインタークーラと、このインタークーラの冷却風風下に配列され、エンジンの冷却水と上記冷却風との間で熱交換を行うラジエータと、このラジエータの冷却風風下に配列され、上記冷却風を吸引するファンとを設け、上記インタークーラと上記ラジエータとの間の冷却風通路の周囲をシール部材で包囲して風洞とした車両用ラジエータのシール構造において、上記インタークーラの入口ヘッダーのパイプ部分の風下の範囲にかけて、シール部材を取り除いて通気口を形成したことを特徴とする。
これらの結果、ファンの前面温度やラジエータの冷却水温度を感知して駆動、停止させるタイプのファンでは、稼働時間を減少させることができ、車両の燃費を向上させることができる。
これにより、低速走行高負荷時にはインタークーラを通過していない冷えた空気が通気口から流れ込み、高速走行高負荷時にはインタークーラのパイプ部分付近を通過して特に熱せられた冷却風が通気口より外部に流出するため、ラジエータにおける良好な熱交換性能を得ることができる。
このため、ファンの前面温度やラジエータの冷却水温度を感知して駆動、停止させるタイプのファンでは、稼働時間をさらに減少させることができ、車両の燃費を向上させることができる。
本発明の実施形態においては、図2、図3に示すように、車両の前面からエンジン(図示せず)までの間に、インタークーラ1、ラジエータ2およびファン3が直列に配置されている。
入口ヘッダー6は、圧縮空気を導入する入口パイプ部分6aと、この入口パイプ部分6aの先端をエンドプレート5に略一致する大口に形成した拡散部分6bとからなる。エンジンルームのスペースを考慮して、コア部4に入口ヘッダー6を取り付けた際に、入口パイプ部分6aが風下側を向くように屈曲しておく。
入口ヘッダー6は、拡散部分6bをエンドプレート5に一致させて、溶接またはかしめをすることでコア部4に取り付けられる。
また、コア部8の横方向両端にはサイドプレート10を設けて保護している。
アッパータンク11は、冷却水を導入する冷却水入口パイプ11aと、この冷却水入口パイプ11aの先端をエンドプレート9に略一致する大口に形成した拡散部分11bとからなる。エンジンルームのスペースを考慮して、コア部8にアッパータンク11を取り付けたときに、冷却水入口パイプ11aが風下側を向くように屈曲しておく。
アッパータンク11は、拡散部分11bをエンドプレート9に一致させて、溶接またはかしめをすることでコア部8に取り付けられる。
また、ラジエータ2両側のサイドプレート10からは、ラジエータ2を車両に搭載するための一対の車両取付ブラケット15もそれぞれ側方に突設されている。
このファン3が回転することにより、車両の前側に設けられた冷却風取入口から外気を取り入れ、インタークーラ1のコア部4、ラジエータ2のコア部8を通過してエンジン側へと流れる冷却風を発生させる。
シール部材17には、使用環境によって、各種ゴム製のもの、樹脂製のもの、金属製のものなどを使用することができる。特に耐久性が必要な環境では金属製のプレートを用いるのが望ましい。
通気口18の位置は、入口パイプ部分6aの位置および入口パイプ部分6aによって高温になる位置に合わせて変更してよく、例えば、入口パイプ部分6aがラジエータ2の上部や下部に形成される場合にはその風下側に通気口18を形成し、また、入口パイプ部分6aがラジエータ2の角部に形成される場合には角部のシール部材17を縦横に亘って取り除いて形成しても良い。
このとき、冷却風の冷却に必要な分しかインタークーラバイパス風が発生しないため、インタークーラ1の熱交換効率を低下させることがない。
このとき、冷却風の放熱に必要な分しかラジエータバイパス風が発生しないため、冷却風の不足によりラジエータ2の熱交換効率を低下させることがない。
また、比較例として、インタークーラ1とラジエータ2の間の冷却風通路の全周をシール部材17で囲んだ場合(図9、図10)において、ラジエータ2前面の冷却風温度を測定した。
これに対して、本発明の実施形態では、最も高温になる上記入口パイプ部分6aの風下付近でも、高負荷走行時の冷却風温度が82℃に抑えられた。
別形態は、図4、図5に示すように、通気口18を75〜100℃で作動する可動シール19で塞いだことを特徴とする。
可動シール19には、例えば75〜100℃の間の所定の温度で作動するバイメタルなどの金属を使用する。
可動シール19は、図4のようにラジエータ2のサイドプレート10に一端を取り付け、または図5のようにインタークーラ1の入口ヘッダー6に一端を取り付けて、通気口18を隙間なく覆うようにし、その他の部分は拘束せずに自由に変形できるようにする。
負荷が少ない走行状態ではインタークーラ1の圧縮空気の温度が低く、インタークーラ1のコア部4を通過した冷却風の温度も75℃未満になっており、可動シール19は作動せず、他のシール部材17と同様に可動シール19によって通気口18が密閉される(図4(a)、図5(a))。
このため、インタークーラ1を通過した冷却風の全量がラジエータ2へ流れ、一定した十分な風量で低温域での熱交換効率が高まる。
このため、上記実施形態と同様に、低速走行高負荷時にはインタークーラ1を通過していない冷えた空気が通気口18から流れ込み(インタークーラバイパス風)、高速走行高負荷時にはインタークーラ1の入口パイプ部分6a付近を通過して特に熱せられた冷却風が通気口より外部に流出するため(ラジエータバイパス風)、ラジエータ2における良好な熱交換性能を得ることができる。
2 ラジエータ
3 ファン
4 コア部
4a 扁平管
4b アウターフィン
5 エンドプレート
6 入口ヘッダー
6a パイプ部分
6b 拡散部分
7 出口ヘッダー
7a パイプ部分
7b 合流部分
8 コア部
8a 扁平管
8b アウターフィン
9 エンドプレート
10 サイドプレート
11 アッパータンク
11a 冷却水入口パイプ
11b 拡散部分
12 ロアタンク
12a 冷却水出口パイプ
12b 合流部分
13 インタークーラブラケット
14 被保持部
15 車両取付ブラケット
16 ファンシュラウド
17 シール部材
18 通気口
19 可動シール
Claims (2)
- 過給器で圧縮された圧縮空気を流通させるパイプ部分とその先端で大口に形成された拡散部分とをそれぞれ有して対向する入口ヘッダーと出口ヘッダーとの間に、上記入口ヘッダーから上記出口ヘッダーへ上記圧縮空気を通過させるとともに交差方向に流れる冷却風との間で熱交換を行うコア部を配置してなるインタークーラと、
このインタークーラの冷却風風下に配列され、エンジンの冷却水と上記冷却風との間で熱交換を行うラジエータと、
このラジエータの冷却風風下に配列され、上記冷却風を吸引するファンとを設け、
上記インタークーラと上記ラジエータとの間の冷却風通路の周囲をシール部材で包囲して風洞とした車両用ラジエータのシール構造において、
上記インタークーラの入口ヘッダーのパイプ部分の風下の範囲にかけて、シール部材を取り除いて通気口を形成したことを特徴とする車両用ラジエータのシール構造。 - 上記通気口を、上記冷却風通路の温度によって、高温下では開放される可動シールで塞いだことを特徴とする請求項1記載の車両用ラジエータのシール構造。
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