JP5314447B2 - 鉄道用枕木 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道用枕木に関する。
鉄道用枕木として木製のものに代わり、コンクリート製枕木が現在主流になっている。
しかし、コンクリート製枕木は、コストは安いが、制振性や防音性に問題があるとともに、重量が重く敷設作業性が悪いという問題がある。
一方、コンクリート製枕木に比べ、軽量で、制振性や防音性には優れる繊維状集合体、熱硬化性樹脂と粒状充填材からなる芯材の周囲を繊維補強された熱硬化性発泡体からなる枕木(特許文献1参照)などの複合枕木が提案されているが、このような複合枕木の場合、コストの点で問題があるとともに、コンクリート製のものに比べ、制振性や防音性には優れるものの十分なものではない。
特開2000‐167966号公報
本発明は、上記事情に鑑みて、低コストで、軽量で高い制振性や防音性等の機能を持たすことができる鉄道用枕木を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の鉄道用枕木(以下、「請求項1の枕木」と記す)は、底面構成部と側面構成部と木口面構成部とが繊維補強樹脂で形成され、レールの座面を受けるとともに、レールの締結治具を固定するレール支持部が、前記底面構成部と側面構成部とに接した状態で樹脂成形体で形成されていて、この樹脂成形体以外の部分に、少なくとも枕木上部側が開口した充填用凹部が形成され、この充填用凹部内に多数の固形物が充填されている鉄道用枕木であって、共通の側壁を有して隣接して設けられた複数の充填用凹部が形成され、前記側壁が繊維補強樹脂で形成されているとともに、前記充填用凹部が上から見てハニカム状あるいはグレーチング状に並んでいることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の鉄道用枕木(以下、「請求項2の枕木」と記す)は、底面構成部と側面構成部と木口面構成部とが繊維補強樹脂で形成され、レールの座面を受けるとともに、レールの締結治具を固定するレール支持部が、前記底面構成部と側面構成部とに接した状態で樹脂成形体で形成されていて、この樹脂成形体以外の部分に、少なくとも枕木上部側が開口した充填用凹部が形成され、この充填用凹部内にゲル状樹脂組成物又は吸音用の繊維シートが入れられている鉄道用枕木であって、共通の側壁を有して隣接して設けられた複数の充填用凹部が形成され、前記側壁が繊維補強樹脂で形成されているとともに、前記充填用凹部が上から見てハニカム状あるいはグレーチング状に並んでいることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の鉄道用枕木(以下、「請求項3の枕木」と記す)は、請求項1の枕木において、固形物が、バラスト、珪砂、砂れき、膨張頁岩、樹脂成型体の粉砕片、木材粉砕片の少なくとも一種類であることを特徴としている。

本発明の請求項に記載の鉄道用枕木(以下、「請求項の枕木」と記す)は、請求項1〜請求項のいずれかの枕木において、底面構成部の充填用凹部を下方から臨む位置に水抜き孔が穿設されていることを特徴としている。
本発明の請求項に記載の鉄道用枕木(以下、「請求項の枕木」と記す)は、請求項1〜請求項のいずれかの枕木において、枕木上面側から下面側に貫通するてん充材供給孔を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項に記載の鉄道用枕木(以下、「請求項の枕木」と記す)は、請求項1〜請求項のいずれかの枕木において、側面構成部に充填用凹部に連通する貫通孔を備えていることを特徴としている。
本発明の請求項に記載の鉄道用枕木(以下、「請求項の枕木」と記す)は、請求項1〜請求項のいずれかの枕木において、側面構成部が側面構成部の長手方向に連続する凹溝状部を外面側に備えることを特徴としている。
本発明の請求項に記載の鉄道用枕木(以下、「請求項の枕木」と記す)は、請求項1〜請求項のいずれかの枕木において、充填用凹部内に固体状消火剤が充填されていることを特徴としている。
本発明において繊維補強樹脂に用いられる繊維としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、有機繊維、金属繊維などが挙げられる。また、繊維の形状も特に限定されず、例えば、ロービング、クロス、マット、チョップドストランドなどが挙げられる。
本発明において、繊維補強樹脂に用いられる樹脂としては、特に限定されず、熱硬化性樹脂でも良いし、熱可塑性樹脂でも構わないが、熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア樹脂などが挙げられ、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどが挙げられる。
また、上記繊維補強樹脂中には、必要に応じて、例えば、ガラスチョップ繊維、FRP粉砕片、珪砂、フライアッシュ、炭酸カルシウム、膨張頁岩、樹脂ペレットなどの固体充填材を混合していても構わない。
底面構成部、側面構成部および木口面構成部の厚さは、特に限定されないが、薄すぎると、枕木としての強度に問題がでるおそれがあり、厚すぎると、コストダウンの効果が少なくなるので、3mm以上50mm以下が望ましい。
レール支持部の形状及び大きさは、レールの座面及び締結治具を支持できる大きさであれば、特に問わない。
レール支持部は、特に限定されないが、枕木としての一体性を出す為に、底面構成部および側壁構成部と接しており、かつ、接着されていることが望ましい。
レール支持部としては、レールの座面及び締結治具を支持できれば、特に限定されないが、例えば、繊維状集合体や粒状の充填材と熱硬化性樹脂とから形成されることが好ましい。
また、レール支持部を、繊維状集合体や粒状の充填材と熱硬化性樹脂とから形成する場合、圧縮強度が十分でなくなるおそれがあるため、その密度を密度0. 5g/cm3 以上とすることが好ましい。そして、レール支持部を、繊維状集合体や粒状の充填材と熱硬化性樹脂とから形成する場合、少ないと圧縮や締結の疲労強度が弱くなり、多すぎても圧縮強度が弱くなるおそれがあるため、熱硬化性樹脂の配合比率を、重量比率で20%以上70%以下とすることが好ましい。
また、本発明の鉄道用枕木は、レールが、一般的に軌間側に1:40の傾斜で傾いていて設置されるため、レール支持部のレールの座面を受ける部分を、予め軌間側に傾いた状態に形成しても構わない。
また、本発明の鉄道用枕木は、レール支持部に、レールの締結用の治具や治具を固定するための雌ねじが一体化されていても構わない。この治具や雌ねじは、枕木成型時に同時に一体化されても良いし、後加工で一体化しても構わない。
なお、上記レール支持部を構成する熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、たとえば、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
上記レール支持部を構成する繊維状集合体とは、例えば、ガラスウール、ロックウール、長繊維不織布、フェルト、バルキー糸などの、ランダムに長繊維が集結したものが広く含まれるものであり、繊維の材質としてはガラス繊維、炭素繊維、合成有機繊維、天然繊維、鉱物繊維が挙げられ、ガラスウール、ロックウールが好適である。
充填用凹部の大きさ、形状及び数は、特に限定されないが、軽量化を図るため、総容積ができるだけ大きくなるように設けることが好ましい。
しかし、1つの充填用凹部をあまり大きくしすぎると、強度的に問題が出るおそれがあるため、共通の側壁を有して隣接して設けられた複数の充填用凹部を備え、前記側壁が繊維補強樹脂で形成されているようにすることが好ましく、充填用凹部が上から見てハニカム状あるいはグレーチング状に並んでいることがより好ましい。
なお、ハニカム状とは、正六角形の開口が規則正しく並んでいるだけでなく、細長い六角形や一部、五角形や四角形や円や楕円が混じっても構わない。また、グレーチング状とは、正方形の開口が規則正しく並んでいるだけでなく、長方形や一部、五角形や四角形や円や楕円が混じっても構わない。
また、充填用凹部が上から見てハニカム状あるいはグレーチング状に並んでいる構成とした場合、上記充填用凹部の大きさは、特に限定されないが、最大長が30mm以上500mm以下のものが望ましい。すなわち、充填用凹部の大きさが小さすぎると成形が困難となり、大きすぎると、強度的に問題がでるおそれがあるとともに、枕木の所定の大きさに収まらなくなるおそれがある。
充填用凹部の側壁の厚さは、特に限定されないが、薄すぎると、枕木全体の強度が低下する為、3mm以上が望ましい。
充填用凹部の垂直方向の高さは、特に限定されないが、枕木としての一体性を出す為には、充填用凹部の下端が、底面構成部と接していて、接着されていることが望ましい。
さらに、底面構成部の充填用凹部を下方から臨む位置には、請求項8の枕木のように、雨水などの水分を抜くために水抜き孔を穿設しておくことが好ましい。
水抜き孔の大きさは、特に限定されないが、小さすぎると、詰まってしまうおそれがあり、大きすぎると、底面の強度が低くなるおそれがあるので、最大径が3mm以上50mm以下が望ましい。又、穴の形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、六角形、四角形などが挙げられる。
水抜き孔の数は、特に限定されないが、各充填用凹部が、底面構成部と接していて、接着されている場合、水を抜く為という性質上、充填用凹部ごとに、少なくとも1つ以上設けることが望ましい。
請求項の枕木において、てん充材供給孔は、てん充材を枕木直下のバラスト製道床内に供給することができるとともに、枕木自体の機能を阻害しなければ、その位置、大きさは特に限定されないが、大きさは、直径10mm〜30mm程度とすることが好ましく、枕木の長手方向に略均等に設けられていることが好ましい。因みに、枕木の底面積が4000cm2とするとともに、1つのてん充材供給孔の大きさを直径10mm〜30mm程度としたとき、てん充材供給孔の個数は、5〜160個程度とすることが好ましい。
なお、充填用凹部においては、てん充材供給孔と水抜き孔を兼用としても構わない。また、レール支持部のレール締結部の近傍には、垂直にてん充材供給孔を設けることが困難であるので、てん充材供給孔を傾斜させて形成するようにしても構わない。
てん充材としては、てん充材供給孔からバラスト製の道床内にうまく浸透し、その後バラストを固めて、列車の振動荷重でバラストが細粒化や側面流動を起こして、軌道が不安定になる事を防ぐことができれば、特に限定されないが、例えば、CA(コンクリート アスファルト)モルタル、ポリエステルが好ましい。
固形物は、列車が発生する音を枕木の表面で反射させてしまい、騒音が大きくなるのをより効率よく防止するために充填用凹部内に充填されるもので、このような固形物としては、特に限定されないが、例えば、請求項2の枕木のように、バラスト、珪砂、砂れき、膨張頁岩、樹脂成型体の粉砕片、木材粉砕片のいずれかを単独で、あるいは複数混合して用いることができる。また、樹脂成型体の粉砕片を用いるようにしても構わない。
固形物の大きさとしては、特に限定されないが、小さすぎるとポーラスな状態にしにくく、大きすぎると充填の効果がないため、最大径で5mm以上70mm以下のものを用いることが好ましい。
なお、固形物は、固められていても構わないし、固められていなくても構わない。
固める場合、熱硬化性樹脂やコンクリート、あるいは、ゲル状の樹脂を用いて固めることが考えられる。粒状固形物は、全量を固めていても構わないし、一部だけ、例えば、飛散しないように、枕木の上部側のみ固めていても構わない。
請求項の枕木において、ゲル状樹脂組成物は、吸音性を付与するために充填用凹部内に入れられるもので、このようなゲル状樹脂組成物として、特に限定されないが、例えば、変性ウレタン樹脂系ゲル(住化バイエルウレタン社製ポリオール0610、MDI スミジュールPF、1.4‐ブタンジオール)、スライム(ポリビニルアルコール、水、硼砂からなる)等が挙げられる。
また、ゲル状樹脂組成物としては、特に限定されないが、例えば、粘弾性のtanδが、0.05以上が好ましい。すなわち、tanδが0.05未満であると、目的とする振動減衰効果が十分得られないそれがある。
ゲル状樹脂組成物には、必要に応じて、例えば、珪砂、樹脂切削粉、バーミキュライト、フライアッシュ、炭酸カルシウム、チョップドガラス繊維、ゴムチップなどの充填材を混合しても構わない。
また、請求項2の枕木において、繊維シートは、吸音性を付与するために充填用凹部内に入れられるもので、このような繊維シートとしては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、綿繊維、合成樹脂繊維、カーボン繊維などの織布や不織布が挙げられ、グラスウールなどの予め接着剤で繊維同士がある程度連結されたものでも構わない。
さらに、上記繊維シートは、上記固形物の下側に敷いたり、固形物と固形物との間に介在させたり、固形物の上に敷くなどして固形物とともに充填用凹部に入れられるようにしても構わない。
請求項の枕木において、貫通孔は、例えば、枕木をコンクリートスラブの上に配置して使用される場合などのように、枕木の側面がバラストやコンクリートに埋め込まれていずむき出しにして使用され、充填用凹部にポーラス状の吸音性を有する固形物を充填した場合において、吸音性能を向上させる目的で設けられる。
すなわち、枕木の側面に貫通孔を設けて充填用凹部の上部開口とつなげることにより、吸音する面積を増加させて、吸音性能を向上させることができる。
上記貫通孔の形状、大きさ及び位置は、特に限定されないが、大きさ(開口率)は、充填用凹部を臨む側壁構成部の面積の0.2%以上10%以下の大きさとすることが好ましい。すなわち、貫通孔が小さすぎると吸音の効果が小さく、大きすぎると、側壁構成部の強度が低下し、枕木構造を保持する機能が低下するとともに、充填用凹部内に充填する固形物によるが、粒状体や繊維を配置する場合、これらがこぼれてしまうおそれがある。
なお、こぼれないように貫通孔を目の粗いネットやフィルターなどで覆うようにしても構わない。
貫通孔の位置は、枕木をコンクリートスラブに固定する場合、枕木の下方が、コンクリートスラブ内に埋め込まれることが多いため、枕木の上端近傍に設けることが好ましい。
請求項の枕木において、凹溝状部は、コンクリートスラブに枕木を埋め込んだ場合、枕木にアップリフトがかかったときに枕木が浮き上がらないために設けられ、溝の深さは、特に限定されないが、5mm以上30mm以下が好ましい。すなわち、溝が浅すぎると浮き上がり防止効果が低く、大きすぎると、枕木の性能が低下する。
請求項の枕木において、固体状消火剤としては、特に限定されないが、例えば、列車火災が発生した場合、火災によって生じる熱により消火剤から消火性の気体が発生して消火することができるものが好ましい。
上記のように、消火性の気体が発生する消火剤としては、特に限定されないが、例えば、炭酸水素ナトリウムや硫酸銅5水和物や硫酸カルシウムの水和物などが挙げられる。
また、消火剤は、単独で充填用凹部内に充填されても構わないし、バラスト、珪砂、砂れき、膨張頁岩、樹脂成型体の粉砕片、木材粉砕片、ゲル状樹脂組成物、繊維シート等と混合状態で充填用凹部内に充填されても構わない。消火剤やその混合物の形状は、特に限定されないが、通常時の空気中の水分等で劣化しないように、防湿剤として金属石鹸やシリコーンオイルを混合して粒状にしたものが挙げられる。
また、本発明の枕木においては、制振性を付与するために、底面構成部材の下面の少なくとも一部に底面構成部材より弾性率が低い材料からなる層が積層してもよい。
底面構成部材より弾性率が低い材料からなる層(以下、「弾性体層」と記す)を構成する弾性体としては、特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂系エラストマー、オレフィン樹脂系エラストマー、アクリル樹脂系エラストマー、シリコーン樹脂系エラストマー、天然ゴムなどが挙げられ、弾性体のチップを樹脂で固めたものでも構わない。弾性体のチップを固める樹脂は、熱硬化性樹脂でも良いし、熱可塑性樹脂でも構わない。又、それらの素材が繊維で補強されていても構わないし、固形充填材が混合されていても構わない。
弾性体層が配置されている位置は、特に限定されないが、一般的にレール座面の下方に最も荷重がかかり、その荷重が、枕木の下部構造に伝わるので、少なくともレール座面の下方に配置されていることが望ましい。
弾性体層を構成する弾性体の厚さや柔らかさは、特に限定されないが、たわみが大きすぎると、列車の走行の安定性が損なわれる為、例えば、枕木に垂直荷重が10トン掛かったときにたわみが10mm以下であるように弾性体層を設けることが望ましい。又、たわみが小さすぎると、振動低減の効果が小さすぎるので、その時のたわみが0.5mm以上であることが望ましい。
さらに、本発明の枕木においては、載荷荷重により耐えることができるように、枕木の長手方向に平行に補強繊維が配向している構成としてもよい。
枕木の長手方向に平行な補強繊維の成分の量は、特に問わないが、補強繊維の重量が樹脂100重量部に対して50重量部以上とすることが好ましい。すなわち、補強繊維の量が少なすぎると、十分な補強効果を得られないおそれがある。
また、本発明の枕木においては、充填用凹部内に必要に応じてポーラス状の成型体を充填するようにしても構わない。
ポーラス状の成型体とは、特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂やフェノール樹脂からなる連通発泡体などが挙げられる。連通発泡体の場合、その発泡倍率は、低すぎると、空隙が少なく、吸音効果が低くなるので、望ましくは、2倍発泡以上である。
なお、鉄道用枕木の必要な基本機能は、列車の荷重を枕木の下部構造(バラストやコンクリート)に分散して伝えること、その際に発生する圧縮応力や、特に下部構造がバラストの場合に発生する曲げ応力に耐える強度を有すること、レールを締結する治具を固定して、レールを保持する強度を有すること、レール間の距離を保持することが出来ることがある。したがって、これらの機能を有していれば、特に枕木の形状は、特に限定されない。
以上のように、請求項1の枕木は、底面構成部と側面構成部と木口面構成部とが繊維補強樹脂で形成され、レールの座面を受けるとともに、レールの締結治具を固定するレール支持部が、前記底面構成部と側面構成部とに接した状態で樹脂成形体で形成されていて、この樹脂成形体以外の部分に、少なくとも枕木上部側が開口した充填用凹部が形成され、この充填用凹部内に多数の固形物が充填されている鉄道用枕木であって、共通の側壁を有して隣接して設けられた複数の充填用凹部が形成され、前記側壁が繊維補強樹脂で形成されているとともに、前記充填用凹部が上から見てハニカム状あるいはグレーチング状に並んでいるので、中実のものに比べ、低コスト化を図ることができるとともに、充填用凹部に充填された多数の固形物による制振効果及び固形物間に生じる隙間での吸音効果によって、防音性や制振性が優れた枕木とすることができる。しかも、コンクリート製のものに比べ、軽量化を図ることができる。
請求項の枕木は、底面構成部と側面構成部と木口面構成部とが繊維補強樹脂で形成され、レールの座面を受けるとともに、レールの締結治具を固定するレール支持部が、前記底面構成部と側面構成部とに接した状態で樹脂成形体で形成されていて、この樹脂成形体以外の部分に、少なくとも枕木上部側が開口した充填用凹部が形成され、この充填用凹部内にゲル状樹脂組成物又は吸音用の繊維シートが入れられているので、ゲル状樹脂組成物又は吸音用の繊維シートによってレールを伝わる振動音が吸音されて静かな軌道とすることができる。
しかも、請求項1および請求項2の枕木は、共通の側壁を有して隣接して設けられた複数の充填用凹部を備え、前記側壁が繊維補強樹脂で形成されている構成、および、充填用凹部が上から見てハニカム状あるいはグレーチング状に並んでいる構成とすることによって、軽量化を図りながら充填用凹部及び枕木自体の強度を高めることができる。
また、請求項の枕木のように、底面構成部の充填用凹部を下方から臨む位置に水抜き孔が穿設されている構成とすれば、充填用凹部内に雨水がたまらない。
また、請求項の枕木のように、枕木上面側から下面側に貫通するてん充材供給孔を備えている構成とすれば、バラスト製の道床上に枕木を設置し、枕木上方からてん充材供給孔を介して枕木直下にてん充材を供給して枕木直下のバラストを固めることができる。
すなわち、道床を構成するバラスト全体を固めても構わないが、本来列車の荷重を受けて、バラストが沈み込むのを防ぐ必要がある箇所は、枕木の下部のみであり、枕木の間にてん充材を撒くことは、不経済である。したがって、上記のように、てん充材供給孔を介して枕木直下にてん充材を供給して枕木直下のバラストのみを固めれば、てん充材の使用量を少なくできコストダウンを図ることができる。
また、てん充材を道床内に供給後、充填用凹部にバラスト、珪砂、砂れき、膨張頁岩、樹脂成型体の粉砕片、木材粉砕片、ゲル状樹脂組成物、繊維シート等を充填するようにすれば、枕木に所望の機能を付与することができる。
また、請求項の枕木のように、側面構成部に筒状部に連通する貫通孔を備えている構成とすれば、バラスト、珪砂、砂れき、膨張頁岩、樹脂成型体の粉砕片、木材粉砕片、ゲル状樹脂組成物、繊維シート等を筒状部内に充填した場合において、吸音性能を向上させることができる。
請求項の枕木のように、側面構成部が側面構成部の長手方向に連続する凹溝状部を外面側に備える構成とすれば、コンクリートスラブに枕木を埋め込んだ場合、枕木にアップリフトがかかったときに枕木が浮き上がらないようにすることができる。
請求項の枕木のように、少なくともレール支持部と木口面構成部との間に充填用凹部を有し、この充填用凹部内に固体状消火剤が充填されている構成とすれば、列車火災等の際に枕木の類焼を防ぐことができるとともに、消火剤として火災によって生じる熱により消火剤から消火性の気体が発生して消火することができるものを用いた場合、発生する気体によって列車の火災を消火することも可能となる。
本発明にかかる鉄道用枕木の第1の実施の形態であって、その長手方向の中央で切断した状態の平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図2のC−C線断面図である。 図2のD−D線断面図である。 本発明にかかる鉄道用枕木の第2の実施の形態であって、その長手方向の中央で切断した状態の平面図である。 図6のE−E線断面図である。 図6のF−F線断面図である。 本発明にかかる鉄道用枕木の第3の実施の形態であって、その長手方向の中央で切断した状態の平面図である。 図9のG−G線断面図である。 図9のH−H線断面図である。 本発明にかかる鉄道用枕木の第4の実施の形態であって、その概略斜視図である。 図13の枕木のコンクリートスラブに埋設状態の断面図である。 本発明にかかる鉄道用枕木の第5の実施の形態であって、その概略斜視図である。 図14の断面図である。 本発明にかかる鉄道用枕木の第6の実施の形態であって、その長手方向の中央で切断した状態の平面図である。 図16のI−I線断面図である。 図16のJ−J線断面図である。 本発明にかかる鉄道用枕木の第7の実施の形態であって、その長手方向の中央で切断した状態の平面図である。 図19のK−K線断面図である。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図5は、本発明にかかる鉄道用枕木の第1の実施の形態をあらわしている。
図1〜図5に示すように、この枕木1aは、枕木本体部2aと、レール支持部3aと、充填用凹部4a、4bと、固形物である多数の砂れき5と、弾性層6とを備えている。なお、図1は枕木1aを枕木1aの長手方向中心線11で切断した状態をあらわし、枕木1aは中心線11を挟んで対称形状になっている。
そして、枕木本体部2aは、底面構成部21と側面構成部22と木口面構成部23とを備えている。
底面構成部21は、例えば、弾性率11000MPaの、ガラス繊維ロービングで補強されたウレタン樹脂で形成されていて、そのバラスト上に載置した場合に安定がよいように、長手方向の中央部が両端部に比べ、上方に上がっている。
側面構成部22は、図1、図3、図4に示すように、例えば、上端部22aが弾性率11000MPaの、ガラス繊維ロービングで補強されたウレタン樹脂で形成され、それ以外の部分22bが弾性率5000MPaの、ガラス繊維マットで補強されたウレタン樹脂で形成され、下端が底面構成部21に接着一体化されている。
木口面構成部23は、例えば、弾性率5000MPaの、ガラス繊維マットで補強されたウレタン樹脂で形成され、下端が底面構成部21に接着一体化され、側面が側面構成部22に接着一体化されている。
レール支持部3aは、例えば、弾性率2000MPaの、充填材とチョップドストランドとが分散されたウレタン樹脂で形成された成形体であって、下端が底面構成部21に接着一体化され、側面が側面構成部22に接着一体化され、図示していないが、レールの座面を受けるとともに、レールの締結治具を固定できるようになっている。
レール支持部3aの上面は、軌間側に1:40の割合で傾斜しており、また、図示していないが、線ばね式の締結治具のショルダーと呼ばれる金具が、一体化されている。ショルダーとレール支持部3aとは、レール支持部3aで用いられているウレタン樹脂によって接着されている。
充填用凹部4aは、木口面構成部23とレール支持部3aとの間に形成され、充填用凹部4bはレール支持部3aとレール支持部3aとの間に形成されている。
砂れき5は、例えば、最大径で30mm以上60mm以下の大きさをしていて充填用凹部4a、4b内にポーラスな状態で充填されている。
弾性層6は、例えば、弾性率0.8MPaの、ウレタン樹脂系エラストマー、オレフィン樹脂系エラストマー、アクリル樹脂系エラストマー、シリコーン樹脂系エラストマー、天然ゴムなどの軟質樹脂に固形充填材が混合されたものからなり、枕木本体部2aを成形後、枕木本体部2aを成形型内にセットし、弾性層6となる樹脂組成物を枕木本体部2aの底面構成部21の下面に沿うように射出充填することによって形成されている。
また、図示していないが、底面構成部21及び弾性層6の充填用凹部4a、4bを臨む部分には、充填用凹部4aと枕木外部とを連通する水抜き孔が穿設されている。
この枕木1aは、上記のように、充填用凹部4a、4bを構成してあるので、中実の繊維強化樹脂製枕木に比べ、低コストで製造することができるとともに、充填用凹部4a、4bに砂れき5がポーラスな状態で充填されているので、砂れき5間に生じる隙間によってレールから伝わる列車の振動音等を吸音し、防音性に優れたものとしている。また、コンクリート製の枕木に比べ軽量である。
なお、図示省略するが、枕木1aの充填用凹部4a、4b内には、ゲル状樹脂組成物又は吸音用の繊維シートのみが入れられて、粒状固形物は入れられない場合もよく、この場合も、ゲル状樹脂組成物又は吸音用の繊維シートにより吸音効果を発揮できる。
図6〜図8は、本発明にかかる鉄道用枕木の第2の実施の形態をあらわしている。
図6〜図8に示すように、この枕木1bは、枕木本体部2bと、レール支持部3b、3cと、充填用凹部4c、4d、4eとを備えている。なお、図6は枕木1bを枕木1bの長手方向中心線11で切断した状態をあらわし、枕木1bは中心線11を挟んで対称形状になっている。
枕木本体部2bは、底面構成部24と側面構成部25と木口面構成部26とを備えている。
底面構成部24と側面構成部25と木口面構成部26とは、それぞれ、例えば、弾性率8000MPaの、ガラス繊維ロービングで補強されたウレタン樹脂で形成されている。
レール支持部3bは、例えば、弾性率2000MPaの、充填材とチョップドストランドとが分散されたウレタン樹脂で形成された平面視台形をした柱状の成形体であって、下端が底面構成部24に接着一体化されているとともに、その側面が側面構成部25及び後述する隔壁31に接着されている。
レール支持部3cは、例えば、弾性率2000MPaの、充填材とチョップドストランドとが分散されたウレタン樹脂で形成された平面視六角形をした柱状の成形体であって、下端が底面構成部24に接着一体化されているとともに、側面構成部25及び後述する隔壁31に接着されている。
充填用凹部4c、4d、4eは、ハニカム状に複数形成されていて、隣接する充填用凹部4c(4d、4e)と充填用凹部4c(4d、4e)とは、レール支持部3bとレール支持部3cとの間に設けられた隔壁31と同様にして形成された側壁41を共有するように設けられている。
上記隔壁31および側壁41は、例えば、弾性率8000MPaの、ガラス繊維ロービングで補強されたウレタン樹脂で形成され、その下端が底面構成部24に接着されている。
図6及び図8に示すように、底面構成部24の各充填用凹部4c、4d、4e内を臨む位置には、水抜き孔7が穿設されている。
この枕木1bは、例えば、箱型をした型内に補強繊維としてのガラスロービングを箱の底面、側面、木口面に沿って配置するとともに、側面用のガラスロービングに平行に隔壁31および側壁41用に3枚のガラスロービングを等間隔に配置し、各充填用凹部4c、4d、4e形状をした入れ子型及びレール支持部3b、3cとなる樹脂成形体を側面用ガラスロービングと隔壁31および側壁41用ガラスロービングとの間、あるいは、隔壁31および側壁41用ガラスロービングと隔壁31および側壁41用ガラスロービングとの間にセットしたのち、型内にウレタン樹脂組成物を注入してウレタン樹脂組成物が硬化後に入れ子型を取り除き、最後に底面構成部に水抜き孔7を穿設することによって製造することができる。
また、この枕木1bは、そのまま枕木として使用できるが、充填用凹部4c、4d、4e内に第1の実施の形態のように、砂れきなどの粒状固形物を充填して防音性に優れた枕木としたり、充填用凹部4c、4d、4e内にゲル状樹脂組成物を充填して制振性に優れた枕木としたりすることもできる。
図9〜図11は、本発明にかかる鉄道用枕木の第3の実施の形態をあらわしている。
図9〜図11に示すように、この枕木1cは、枕木本体部2cと、レール支持部3dと、充填用凹部4fとを備えている。なお、図1は枕木1cを枕木1cの長手方向中心線11で切断した状態をあらわし、枕木1cは中心線11を挟んで対称形状になっている。
枕木本体部2cは、底面構成部27と側面構成部28と木口面構成部29とを備えている。
底面構成部27と側面構成部28と木口面構成部29とは、それぞれ、例えば、弾性率8000MPaの、ガラス繊維ロービングで補強されたウレタン樹脂で形成されている。
レール支持部3dは、例えば、弾性率2000MPaの、充填材とチョップドストランドとが分散されたウレタン樹脂で形成された平面視長方形をした柱状の成形体であって、下端が底面構成部27に接着一体化されているとともに、その側面が側面構成部28及び後述する隔壁32に接着されている。
充填用凹部4fは、グレーチング状に複数形成されていて、隣接する充填用凹部4fと充填用凹部4fとは、レール支持部3dとレール支持部3dとの間に設けられた隔壁32と同様にして形成された側壁42を共有するように設けられている。
上記隔壁32および側壁42は、例えば、弾性率8000MPaの、ガラス繊維ロービングで補強されたウレタン樹脂で形成され、その下端が底面構成部27に接着されている。
図9及び図11に示すように、底面構成部27の各充填用凹部4f内を臨む位置には、水抜き孔7が穿設されている。
そして、この枕木1cも第2の実施の形態と同様にそのまま枕木として使用できるが、充填用凹部4f内に第1の実施の形態のように、砂れきなどの粒状固形物を充填して防音性に優れた枕木としたり、充填用凹部4f内にゲル状樹脂組成物を充填して制振性に優れた枕木としたりすることもできる。
図12及び図13は、本発明にかかる鉄道用枕木の第4の実施の形態をあらわしている。
図12及び図13に示すように、この枕木1dは、側面構成部28aが、外壁面側にその長手方向に連続する凹溝状部28bを備えるとともに、木口面構成部29aも凹溝状部28bに連続する凹溝状部29bを備える以外は、上記枕木1aの枕木本体2aの構成を備えている。なお、図12及び図13中、3aはレール支持部、31は隔壁、4aは充填用凹部である。
この枕木1dは、上記のようになっているので、図13に示すように、枕木1dをコンクリートスラブ8a内に埋設すれば、枕木1dにアップリフトがかかったときに枕木1dが浮き上がらないようにすることができる。
図14及び図15は、本発明にかかる鉄道用枕木の第5の実施の形態をあらわしている。
図14及び図15に示すように、この枕木1eは、側面構成部28cの充填用凹部4aを臨む部分に貫通孔28dを設けた以外は、上記枕木1aと同様になっている。なお、図12及び図13中、3aはレール支持部、31は隔壁である。
この枕木1eは、貫通孔28dを備えているので、ポーラス状の吸音性を有する固形物を充填用凹部4a内に充填すると、吸音性能を向上させることができる。
図16〜図18は、本発明にかかる鉄道用枕木の第6の実施の形態をあらわしている。
図16〜図18に示すように、この枕木1fは、水抜き孔7に代えて、充填用凹部4fの底及びレール支持部3dに枕木1fの上下方向に貫通するてん充材供給孔7aが穿設されている以外は、上記枕木1cと同様になっている。
この枕木1fは、てん充材供給孔7aを備えているので、図18に示すように、バラスト81を基礎(図示せず)上に敷設した道床8b上に、枕木1fを設置したのち、てん充材供給孔7aから図18に2点鎖線で示すように、てん充材9を供給し、枕木1fの直下のバラスト81を固めるようにすれば、レール直下部のバラストが細粒化や側面流動などで減少するのを防止することができる。
すなわち、バラストが細粒化や側面流動などが起きると、レール直下部の枕木下面とバラストに隙間が開いて、列車の荷重が掛かると、枕木1fの中央部が上方に凸に曲がるように応力が発生し、レールが沈み込む列車走行による騒音、振動及び軌道の狂い等が生じる。したがって、上記のように、バラスト81を固めるようにすれば、道床8bの補修回数を低減することができる。
しかも、バラスト81が細粒化や側面流動によりレール及び枕木が沈み込むのを防ぐ必要がある枕木の下部のみをてん充材9によって固めることができるので、てん充材9の使用量が少なくて済み、経済的である。
図19及び図20は、本発明にかかる鉄道用枕木の第7の実施の形態をあらわしている。
図19及び図20に示すように、この枕木1gは、充填用凹部4aの底に吸音性の繊維シート50を敷くとともに、固形物としての砂れき5に代えてバラスト5aを繊維シート50の上に充填した以外は、上記第1の実施の形態の枕木1aと同様になっている。
この枕木1gは、上記のように、枕木1aと同様に充填用凹部4a、4bを構成してあるので、中実の繊維強化樹脂製枕木に比べ、低コストで製造することができるとともに、充填用凹部4a、4bにバラスト5aがポーラスな状態で充填されているので、バラスト5a間に生じる隙間によってレールから伝わる列車の振動音等を吸音し、防音性に優れたものとしている。しかも、繊維シート50も充填用凹部4a、4bに入れられており、両者が組み合わされることで大きな吸音性を得られより振動音などを低減できる。また、コンクリート製の枕木に比べ軽量である。
また、図示省略するが、枕木の充填用凹部内には、バラスト5aのみ入れられる(即ち、繊維シートは入れられない)場合もよく、この場合も、バラスト5aにより吸音効果を発揮できる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、充填用凹部の側壁およびレール支持部の隔壁が底面構成部に接着されていたが、接着されていなくても構わない。
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g 枕木
2a,2b,2c 枕木本体部
21,24,27 底面構成部
22,25,28,28a,28c 側面構成部
23,26,29,29a 木口面構成部
28b 凹溝状部
28d 貫通孔
3a,3b,3c,3d レール支持部
31,32 隔壁
4a,4b,4c,4d,4e,4f 充填用凹部
41,42 側壁
5 砂れき(粒状固形物)
5a バラスト(粒状固形物)
6 弾性層
7 水抜き孔
7a てん充材供給孔
8a コンクリートスラブ
8b 道床
81 バラスト
9 てん充材
50 繊維シート

Claims (8)

  1. 底面構成部と側面構成部と木口面構成部とが繊維補強樹脂で形成され、レールの座面を受けるとともに、レールの締結治具を固定するレール支持部が、前記底面構成部と側面構成部とに接した状態で樹脂成形体で形成されていて、この樹脂成形体以外の部分に、少なくとも枕木上部側が開口した充填用凹部が形成され、この充填用凹部内に多数の固形物が充填されている鉄道用枕木であって、
    共通の側壁を有して隣接して設けられた複数の充填用凹部が形成され、前記側壁が繊維補強樹脂で形成されているとともに、前記充填用凹部が上から見てハニカム状あるいはグレーチング状に並んでいることを特徴とする鉄道用枕木。
  2. 底面構成部と側面構成部と木口面構成部とが繊維補強樹脂で形成され、レールの座面を受けるとともに、レールの締結治具を固定するレール支持部が、前記底面構成部と側面構成部とに接した状態で樹脂成形体で形成されていて、この樹脂成形体以外の部分に、少なくとも枕木上部側が開口した充填用凹部が形成され、この充填用凹部内にゲル状樹脂組成物又は吸音用の繊維シートが入れられている鉄道用枕木であって、
    共通の側壁を有して隣接して設けられた複数の充填用凹部が形成され、前記側壁が繊維補強樹脂で形成されているとともに、前記充填用凹部が上から見てハニカム状あるいはグレーチング状に並んでいることを特徴とする鉄道用枕木。
  3. 前記固形物は、バラスト、珪砂、砂れき、膨張頁岩、樹脂成型体の粉砕片、木材粉砕片の少なくとも一種類である請求項1記載の鉄道用枕木。
  4. 底面構成部の充填用凹部を下方から臨む位置に水抜き孔が穿設されている請求項1〜請求項のいずれかに記載の鉄道用枕木。
  5. 枕木上面側から下面側に貫通するてん充材供給孔を備えている請求項1〜請求項のいずれかに記載の鉄道用枕木。
  6. 側面構成部に充填用凹部に連通する貫通孔を備えている請求項1〜請求項のいずれかに記載の鉄道用枕木。
  7. 側面構成部が側面構成部の長手方向に連続する凹溝状部を外面側に備える請求項1〜請求項のいずれかに記載の鉄道用枕木。
  8. 前記充填用凹部内に固体状消火剤が充填されている請求項1〜請求項のいずれかに記載の鉄道用枕木。
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