JP5314283B2 - アレルギーおよび新生物細胞増殖を治療するための、アンチセンスオリゴヌクレオチド - Google Patents

アレルギーおよび新生物細胞増殖を治療するための、アンチセンスオリゴヌクレオチド Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、一般的な炎症(喘息およびアレルギーと関連する炎症を含む)、および過好酸球増加症を阻害するため、特異的細胞受容体に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを単独でまたは組み合わせて使用することに関する。本発明はまた、癌などの新生物細胞増殖を阻害するためにアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用することにも関する。
発明の背景
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、医薬の新たなクラスである。一般的に、アンチセンスは、ヒトDNAまたはRNAにおいて見いだされた構成成分と同一の構成成分を有する小型の合成オリゴヌクレオチドを使用することに関するものである。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的化する遺伝子の一部の配列に接着しそして遺伝子発現を阻害するため、標的化する遺伝子の一部の相補的な配列として設計される。遺伝子発現は、アデノシンとチミジン(mRNAではウラシル)またはグアノシンとシチジンが、水素結合を介して相互作用するWatson-Crick塩基対合に従って、特異的なメッセンジャーRNA(mRNA)センス標的に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを介して阻害される。2種類のメカニズムが、これらの作用に関与している可能性がある。第一は、標的化mRNAの翻訳を低下させるハイブリダイゼーション、そして第二はRNase HまたはmRNAの分解を伴う同様の酵素の誘導である。このストラテジーの主要な利点は、特に作用部位に対して適用される場合に(局所治療)、低い副作用や毒性の可能性しか伴わない、作用の特異性である。この治療ストラテジーは、1またはいくつかの遺伝子の過剰発現が、疾患の存在または残留を引き起こすと考えられているようないずれかの疾患に対して、将来的に実現可能性をもって適用することができる。結果的に、癌およびウィルス疾患に対する治療剤として、アンチセンスオリゴヌクレオチドの多数の研究が行われた。
アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して、インターロイキン(IL)-6受容体発現を阻害することができ、そして従って、急性炎症メディエータインターロイキン-6の細胞に対する作用を阻害することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、喘息と関連する炎症やアトピー性疾患やアレルギーと関連する炎症を含む(しかしこれらには限定されない)を含む炎症に関与する細胞上の、または癌細胞上の、その他の受容体を阻害するために使用することができるかどうかを評価する研究は、これまでほとんど行われなかった。
喘息は、過去25年の間に有病率が2倍に増加した、人口の5〜10%に影響を及ぼす疾患である。この増加は、気道のウィルス感染(細気管支炎)後の幼児において、子供において、そして職業的に誘導される喘息において、特に顕著であった。喘息と関連する再発性の呼吸器障害は、しばしばアレルゲンにより引き起こされるが、しかし喘息の正確な原因は未だ分かっていない。しかしながら、ウィルスなどの物質が、喘息を有する患者の気道において見いだされる異常な炎症の永続化に関与し、そして従って疾患の永続化に関与すると、考えられている。
この理由のため、喘息の一次治療についての現在の推奨は、コルチコステロイド類および抗-ロイコトリエン類を含有する医薬などの強力な抗-炎症性医薬である。この治療法は多くの患者において有効であるが、いくらかの患者は、コルチコステロイド類に対して抵抗性である。この医薬はまた、長期の副作用を伴う強力な免疫抑制剤でもあり、そしてアレルギーまたは喘息の予防に有効であることは示されていない。抗-ロイコトリエン類は、アレルギーおよび喘息においていくらかの作用を有するが、しかしコルチコステロイド類ほどは効果的ではない。
いくつかの炎症性メディエータ類は、喘息を有する患者の気道における炎症の発生および永続化において役割を果たす。いくつかのメディエータ類は、好酸球の化学走性を介して(ほとんどがCCR3と呼ばれる受容体を介した喘息性炎症において作用するケモカイン類:RANTES、エオタキシン1、2、3、MCP-3、4)、または内皮細胞活性化を介して(IL-4、IL-13)、気道において炎症性細胞を誘引する。その他のメディエータ類は、気道における炎症性細胞の刺激および生存の増加を引き起こす(IL-3、IL-4、IL-5、GM-CSF)。従って、これらのメディエータ類は、好酸球のための特異的ケモカイン類またはTヘルパーリンパ球2型表現型のサイトカイン(Th2:IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-10、IL-13およびGM-CSF)のいずれかから構成される(John AE. and Lukacs NW., 2003 Sarcoidosis Vase Diffuse Lung Dis., 20:180-189;Blease et al., 2003, Expert Opin Emerg Drugs. 8:71-81)。喘息および一般的な呼吸器炎症において、気道におけるこれらの炎症性メディエータ類が減少する場合、改善が示された。
アレルギーは、望ましくない免疫応答を引き起こす、アレルゲンに対する過敏性である。アレルギーは、例えば、人口の30%程度が影響を受けているアトピー性鼻炎および結膜炎など、非常に一般的な疾患である。アレルギーは、異常なIgE生成およびアレルゲンに対する炎症により特徴づけられる。IgEおよびアレルゲンの存在下において、マスト細胞等のエフェクター細胞が脱顆粒し、そして炎症性メディエータ類を放出し、喘息において見いだされる同一の炎症性細胞の誘導を引き起こす。アレルギー性鼻炎(すなわち、花粉症)、アレルギー性結膜炎、鼻茸、慢性副鼻腔炎およびアトピー性皮膚炎などの湿疹において、喘息において見られるのと同様に、炎症性メディエータ類の過剰が見いだされる。IL-4およびIL-13は、IgEの生成およびTh2表現型を有する細胞の誘導に必要とされる(Barnes PJ., 2003, Cytokine Growth Factor Rev. 14:511-522;Schuh et al., 2003, Cytokine Growth Factor Rev. 2003, 14: 503-510)。アトピー性疾患は、特に、アレルゲンに対して容易に感作される遺伝的傾向を有する個体における、アレルゲンに対する曝露により発症するアレルギー性疾患の一般名称である。これらの素因因子を有する個体は、食餌性抗原や吸入抗原に対する異常な免疫応答を容易に発症する。アレルギー性疾患のいくつかの具体的な事例は、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎およびアレルギー性胃腸炎である。
新生物は、調節不能で進行性の異常な組織増殖である。悪性新生物はしばしば、癌として特徴づけられる。癌は、ヒトの死因の第二位であり、そして不死化細胞の異常増殖により特徴づけられる100種類以上の疾患についての一般的用語である。これらの細胞の残留性および増加に関与するメカニズムの一つは、受容体を介して機能しそして細胞増殖を引き起こす成長因子の放出によるものである。これらの成長因子の中でも、GM-CSFは、いくつかの腫瘍細胞にとって重要な成長因子であることが示された。ケモカイン受容体CCR3は、最近、慢性リンパ球性白血病(CLL)や毛様細胞白血病(HCL)を有する患者から採取された悪性Bリンパ球中で特徴づけられた(Trentin et al., 2004, Blood, 104, 502-508)。実際、CCR-3ケモカイン受容体を介した上皮成長因子受容体(EGFR)のトランス活性化が、気管上皮細胞におけるMAPキナーゼ活性化およびサイトカイン生成を引き起こす重要な経路であることが見いだされた(Adachi et al., 2004, Biochem. Biophys. Res. Commun. 320, 292-396)。成長因子についての受容体および/またはケモカイン類についての受容体をブロックすることによろう癌性細胞の増殖阻害は、特定の癌の治療において重要である可能性がある。
好酸球は、白血球細胞の一つの型である。それらは、通常は細長い糸状のクロマチンにより連結された2葉を有する核および均一なサイズでエオジンで染色可能な、素早く動く(course)球状の顆粒を含有する細胞質を有する顆粒性白血球である。過好酸球増加症は、好酸球数の増加により特徴づけられ、しばしばアレルギー、喘息、および感染と関連している。
炎症反応を阻害するための、受容体をコードする特異的核酸配列に対するオリゴヌクレオチドのいくつかの用途が知られている。RenziによるPCT出願No. WO 99/66037は、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌を治療しおよび/または予防するために使用されるアンチセンスオリゴヌクレオチドを記載する。具体的には、Renziのオリゴヌクレオチドは、CCR3受容体、IL-4受容体とIL-3受容体の共通サブユニット、またはIL-3受容体、IL-5受容体、およびGM-CSF受容体の共通サブユニットをコードする核酸配列に対するものである。その他には、IL-3受容体、IL-5受容体およびGM-CSF受容体共通ベータ(β)サブユニットに対するものである、107Aと特定されるアンチセンスオリゴヌクレオチド(5'-GGGTCTGCAGCGGGATGGT-3')が、その中で開示されている。
潜在的な臨床的用途のため、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、血清および細胞ヌクレアーゼによる分解に対して安定性を示さなければならず、血清タンパク質および細胞タンパク質に対する低い非特異的結合を示さなければならず、標的mRNA配列の高い認識を示さなければならず、相補的-mRNAと複合化された場合に細胞-膜透過性透過性と細胞ヌクレアーゼの誘導を示さなければならない。天然の糖(D-リボースおよびD-2-デオキシリボース)およびホスホジエステル(PO)結合を含有するオリゴヌクレオチドは、血清および細胞内ヌクレアーゼにより迅速に分解され、それが効果的な治療剤としてのそれらの有用性を限定しているコトは、十分に記載されている。治療剤としてのそれらの安定性および効率性を向上するための、オリゴヌクレオチドに関する化学的な戦略的修飾が記載された。主要な化学的変化には、糖部分の修飾、塩基部分の修飾、および/またはヌクレオチド間ホスホジエステル結合の修飾または置換が含まれる。現在までのところ、もっとも広く研究されている類似体は、ホスホロチオエート(PS)オリゴデオキシヌクレオチドであり、これは、ホスホジエステルバックボーン中の非-架橋性酸素原子の一つが、イオウにより置換されたものである(Eckstein F., 1985, Ann. Rev. Biochem., 54: 367-402)。いくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチド生成は、in vitroの研究およびin vivoの研究のために開発され、そして使用されている(Goodchild J., 2004, Curr. Opin. Mol. Ther., 2004, 6:120-128;Urban E. and R. Noe CR., 2003, Farmaco. 58:243-258)。
最近、Renziらは、抗-炎症性組成物に対する核酸分子における2',6'-ジアミノプリン(DAP)およびその類似体の使用を記載した(PCT出願No. WO 03/004511 A2)。この文献において、DAPを有さないオリゴヌクレオチドと比較して、in vivoでの生理学的効率が上昇し、そして毒性が減少された核酸分子を調製することもまた、記載されている。Renziらはさらに、嚢胞性線維症、喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、好酸球性気管支炎、アレルギー、アレルギー性鼻炎、肺線維症、成人呼吸促迫症候群、副鼻腔炎、呼吸合包体ウイルス(RSウィルス)またはその他のウィルス性呼吸器感染症および癌などの肺/呼吸器疾患に対するオリゴヌクレオチドを調製する際、DAP置換が特に有用であることを教示する。
喘息またはアレルギーにおいて存在する炎症反応を阻害するため、そして新生物細胞増殖を阻害するため、Th2サイトカインまたはTh2サイトカインに反応する細胞を誘引するメディエータ類に対する受容体のいずれかについての少なくとも1つの特異的共通受容体に対するさらなるアンチセンスオリゴヌクレオチドを有することが望ましい。
受容体をコードする核酸配列に対するさらなるアンチセンスオリゴヌクレオチドを有し、これらの受容体を阻害することにより、これらのオリゴヌクレオチドは、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症および癌の治療および/または予防において、使用することができることもまた、非常に好ましい。
発明の概要
本発明は、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つを治療しおよび/または予防するための、例えば、IL-3受容体、IL-5受容体、およびGM-CSF受容体についての共通βサブユニット、またはケモカイン受容体CCR3などの細胞受容体少なくとも1つの共通サブユニットに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの用途を提供する。
別の側面において、本発明は、IL-3、IL-5、およびGM-CSFの共通βサブユニットをコードする核酸配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供し、それによりこれらの受容体を阻害することにより、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つの治療および/または予防においてそれらを利用することができる。
本発明はまた、ケモカインに対するCCR3受容体をコードする核酸配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供し、それにより受容体を阻害することにより、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つの治療および/または予防においてそれらを利用することができる。
本発明はまた、IL-3、IL-5、およびGM-CSFの共通βサブユニットをコードする核酸配列、またはCCR3受容体をコードする核酸配列に対する少なくとも1つアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つを治療および/または予防するための、治療的に有効な組成物を提供する。
本発明はまた、IL-3、IL-5、およびGM-CSFの共通βサブユニットをコードする核酸配列、またはCCR3,受容体をコードする核酸配列のいずれかに対する2種類のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つの治療および/または予防の効果を向上させるための、治療的に有効な組成物を提供する。
別の側面に従って、本発明は、IL-3、IL-5、およびGM-CSFの共通βサブユニットまたはCCR3受容体などの細胞受容体の少なくとも1つ共通サブユニットに対する1またはそれ以上のアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む、喘息、アレルギー、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つを治療しおよび/または予防する方法を提供する。
本発明は、上述のアンチセンスオリゴヌクレオチド、並びに体内での安定性を向上させつつ、有効性を向上させそして毒性を低下させることが示された、既知の方法で修飾された化学的に修飾したアンチセンスオリゴヌクレオチドのいずれかについてのアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供することを追求する。
本発明の別の側面に従って、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つを治療しおよび/または予防するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドが提供される。オリゴヌクレオチドは、CCR3ケモカイン受容体およびIL-3受容体、IL-5受容体、およびGM-CSF受容体の共通β-サブユニットからなる群から選択される受容体をコードする核酸配列に対するものであり、そしてSEQ ID NO. 1、SEQ ID NO. 13、およびSEQ ID NO. 14からなる群から選択される配列を有する。
本発明の別の側面に従って、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つを治療しおよび/または予防するための少なくとも1つオリゴヌクレオチドの使用を提供する。好ましくは、配列SEQ ID NO. 13およびSEQ ID NO. 14の両方を含むオリゴヌクレオチドを使用する。
本発明の別の側面に従って、医薬的に許容可能なキャリアと組み合わせた少なくとも1つオリゴヌクレオチドを含む、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つを治療しおよび/または予防するための医薬組成物を提供する。好ましくは、少なくとも1つオリゴヌクレオチドは、SEQ ID NO. 13およびおSEQ ID NO. 14の両方を含む。
本発明の別の側面に従って、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つを治療しおよび/または予防するための医薬組成物の使用を提供する。
本発明の別の側面に従って、有効量の(i)少なくとも1つオリゴヌクレオチド、または(ii)医薬的に許容可能なキャリアと組み合わせた少なくとも1つオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物、を投与する行程を含む、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つを治療しおよび/または予防するための方法を提供する。
本明細書における本発明はまた、標的タンパク質の活性を減少させまたは標的タンパク質の発現を阻害する能力に顕著に悪影響を与えるものではないが、この能力を亢進させてもよい、(1または複数の)アンチセンスオリゴヌクレオチドに対する修飾にも関する。
発明の詳細な説明
いくつかの炎症性メディエータ類は、喘息を伴う患者の気道において、炎症の出現および永続化に役割を果たしている。いくつかのメディエータ類は、好酸球の化学走性を介して気道中に炎症性細胞を誘引する。これらのケモカイン類の多くは、主として、CCR3受容体を介して、喘息性炎症またはアレルギー性炎症において作用する。IL-3、IL-5、およびGM-CSFなど、その他のメディエータ類は、気道または皮膚における炎症性細胞のプライミングを引き起こしたり、そして生存の亢進を引き起こす。気道中のこれらの炎症性メディエータ類が減少する場合、喘息の改善が示された。
さらに、不死化細胞の異常増殖により特徴づけられる癌は、受容体を介して作用しそして細胞増殖を引き起こす、炎症性メディエータ類および/または成長因子の放出により、引き起こされる可能性がある。これらの中でも、GM-CSFは、いくつかの腫瘍細胞にとっての重要な成長因子であることが示された。ケモカイン受容体CCR3は、慢性リンパ球性白血病(CLL)を有しそして毛様細胞白血病(HCL)を有する患者から回収された悪性Bリンパ球に特徴的であった(Trentin et al., 2004, Blood, 104, 502-508)。実際、CCR3を介したEGFRのトランス活性化が、気管上皮細胞におけるMAPキナーゼ活性化およびサイトカイン産生を引き起こす重要な敬老であることが見いだされた(Adachi et al., 2004, Biochem. Biophys. Res. Commun. 320, 292-396)。成長因子またはケモカイン受容体CCR3についての受容体をブロックすることによる癌性細胞の増殖および転移の阻害は、特定のガンの治療において重要である可能性があった。
本発明の一態様において、828(5'-GTTACTACTTCCACCTGCCTG-3'、(SEQ ID NO. 1))として特定されそしてCCR3ケモカイン受容体に対する新規のアンチセンスオリゴヌクレオチドが提供される。本明細書中で開示された例は、828が、ヒト細胞株中でCCR3 mRNA.発現を減少させるか、またはブロックする際に有効であることを示す。
本発明の別の態様において、以前に開示された107Aおよび上述した828に基づく、新規のアンチセンスオリゴヌクレオチドTOP 004およびTOP 005が提供される。TOP 004(5'-GGGTCTGCXGCGGGXTGGT-3'(SEQ ID NO. 13)〔Xはアデノシン残基のDAP修飾を示す〕は、107Aと同様、IL-3受容体、IL-5受容体、およびGM-CSF受容体の共通ベータ(β)鎖のmRNAに対する19-merである。TOP 005(5'-GTTXCTXCTTCCXCCTGCCTG-3'(SEQ ID NO. 14)〔Xはアデノシン残基のDAP修飾を示す〕は、828と同様、ケモカイン受容体CCR3のmRNAに対する21-merである。TOP 004およびTOP 005の両方ともを含む組成物は、ASM8とは別に同定される。
本明細書中で開示されるように、TOP 004およびTOP 005は、非-ヒト霊長類システムにおいて活性を有し、従って安全性評価のためにカニクイザルを使用することが認可される。図1は、カニクイザルの共通β鎖遺伝子の配列決定を示す。TOP 004に対して相補的なカニクイザルβ鎖配列は、有意な相同性を示した。サルβ鎖配列とヒトβ鎖配列との間の非常に高い低度の同一性は、カニクイザルにおけるTOP 004の有望な機能的活性を示唆する。サルの末梢血単核細胞中の共通β鎖およびCCR3の発現をブロックしまたは減少させる際のTOP 004およびTOP 005の有効性を、図2、3、および4.に示す。結果から、ヒト遺伝子標的に対するTOP 004およびTOP 005の両方ともが、カニクイザル末梢血単核細胞(PBMC)におけるそれらの対応する標的の発現を減少させる際に有効であることが示される。TOP 004およびTOP 005の両方を含有するASM8は、より低い濃度の場合よりも高い程度でまたはその場合と同程度で、共通β鎖発現およびCCR3受容体の両方ともを有意に阻害した。従って、TOP 004およびTOP 005は、併せて、β鎖発現およびCCR3 mRNA発現を阻害する際に、相乗的な作用を示す。さらに、表7および表8において、ASM8で処置されたサルから得た気管サンプルを、mRNA発現レベルについて解析した。標的遺伝子の発現を、炎症性サイトカイン(IL-4およびTNF-α)についてのmRNAレベルに対して、正規化した。ASM8投与のおよそ24時間後であっても、IL-4 mRNAに対するβc-サブユニットおよびCCR3 mRNAの比発現は、それぞれ29%および24%減少し、そしてTNF-αに対する発現は、ASM8-処置動物において、それぞれ30%および24%減少した。
図5〜10において、CCR3 mRNAに対するA86およびTOP 005を含むアンチセンスヌクレオチドを、ヒト細胞および細胞株における効率について試験した。半定量的逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応(“RT-PCR”)により評価する場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、CCR3 mRNA発現の阻害を引き起こした。さらに、FACS解析を使用して、CCR3タンパク質の細胞表面発現もまた、アンチセンスオリゴヌクレオチド処置により阻害されたことが示される。さらに、CCR3の機能的阻害が、エオタキシンでの刺激後の精製好酸球におけるカルシウム(Ca2+)移動の阻害により、確認された。さらに、化学走性アッセイにおいて、オリゴヌクレオチドは、好酸球化学走性を55%阻害した。
図11〜13において、107AおよびTOP 004アンチセンスを使用して、様々な細胞を処置した。107AとともにインキュベートしたTF-1細胞は、β鎖mRNA発現の低下を示した。107Aはまた、IL-3、IL-5、またはGM-CSFの存在下にて、TF-1細胞増殖を阻害した。さらに、107Aは、EL-5の好酸球に対する抗アポトーシス作用を、用量依存的に低下させた。TOP 004とともにインキュベートしたU937細胞は、mRNAレベルおよびタンパク質レベルで、共通β鎖発現の低下を示した。従って、アンチセンス107AおよびTOP 004は、β鎖mRNAの発現、タンパク質の発現およびヒト細胞培養における付随的な細胞応答を阻害する際の機能性の発現を阻害する際に非常に効果的であった。
図14〜図17B2において、ASM8の安定性は、様々な条件下で組成物を溶出することにより示される。ASM8を、DEAE陰イオン交換高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に基づく分画システムを使用して溶出し、ASM8の完全性および様々な温度での保存後のその分解生成物を評価した。ASM8構成要素は、-20℃、4℃、30℃、または40℃で2箇月まで保存した場合、何も検出可能な分解を受けなかった。
図18〜図19において、ASM8について提供される溶融曲線および熱力学的概要は、2種のオリゴヌクレオチド鎖が、溶液中では顕著には相互作用しないことを示す。
図20〜図21において、ASM8オリゴヌクレオチド構成要素の濃度およびサルの血漿サンプル中でのそれらの一次代謝物(n-1)の濃度を測定した。動物を連続14日間吸入を介して治療した、非臨床的毒性試験の間にサンプルを採取した。
IL-3、IL-5およびGM-CSFの共通βサブユニット、およびCCR3受容体に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、およびそれらをコードする核酸に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを、提供する。オリゴヌクレオチドを医薬的に許容可能なキャリアとともに含む医薬組成物もまた、提供される。オリゴヌクレオチドの使用および喘息、アレルギー、過好酸球増加症、一般的な炎症、および癌の少なくとも1つを治療しおよび/または予防するためにオリゴヌクレオチドを投与する方法が、記載される。
用語“核酸”および“核酸分子”は、本明細書中では交換可能に使用されるが、ヌクレオチドからなる分子、すなわちリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはその両方のことをいう。この用語には、ポリマーの場合にはリボヌクレオチドおよび/またはデオキシリボヌクレオチドが5'〜3'結合を介して互いに連結した、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドのモノマーおよびポリマーが含まれる。しかしながら、結合には、例えば、5'〜2'結合を含む核酸を含む、核酸合成技術において既知のいずれかの結合が含まれてもよい。核酸分子中で使用されるヌクレオチドは、天然に存在するものであっても、あるいは天然に存在する塩基対と塩基対合関係を形成することができる合成的に生成した類似体であってもよい。
塩基対合関係を形成することができる天然には存在しない塩基の例には、アザおよびデアザピリミジン類似体、アザおよびデアザプリン類似体、およびその他の複素環式塩基類似体であって、プリン環およびピリミジン環の1または複数の炭素原子および窒素原子がヘテロ原子、たとえば酸素、硫黄、セレン、リンなど、により置換されているもの、が含まれるが、これらには限定されない。
本明細書中で使用する場合、用語“核酸バックボーン”は、分子中のヌクレオチドに連結する化学的部分の構造のことをいう。これには、化学的に結合したヌクレオチドのあらゆる手段から形成された構造が含まれていてもよい。本明細書中で使用する場合、修飾バックボーンには、ヌクレオチド間の化学的結合に対する修飾、並びに安定性および親和性を向上させるために使用することができるその他の修飾、たとえば糖構造に対する修飾、が含まれる。例えば、天然のβ-アノマーに関して塩基が反転している、デオキシリボースのα-アノマーを使用することができる。好ましい態様において、糖基の2'-OHを、親和性を含むことなく、分解に対する抵抗性を提供する、2-O-アルキルまたは2'-O-アルキル-n(O-アルキル)に変更することができる。
本明細書中で使用する場合、用語“オリゴヌクレオチド”は、約1〜約100ヌクレオチド、より好ましくは1〜80ヌクレオチド、そしてさらにより好ましくは約4〜約35ヌクレオチドを含む核酸分子のことをいう。
本発明に従うアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物には、siRNA(低分子干渉RNA)、およびRNAi(RNA干渉)アプローチの結果として生じる、それらを含むRISC(RNA-誘導性サイレンシング複合体)もまた、含まれる。RNA干渉(RNAi)アプローチは、最近記述されたものであるが、標的遺伝子の発現を阻害するための新たなツールと考えられている。数年前にすでに知られているように、RNAiは、下等真核生物における以前から知られている抗-ウィルス防御メカニズムに基づくものである。二本鎖RNAおよびそのプロセッシングにより21〜23 ntの小型干渉RNA(siRNA)が誘導されて、それがRISC複合体の結合を伴う一本鎖様式で標的mRNAにハイブリダイズした後、相同な内在性mRNAの分解を引き起こす。RNAiが機能する方法は、完全に解明された訳ではないが、しかしそれは線虫、ハエ、植物、真菌、および哺乳動物などの幅広く多様な真核生物種の間の機能欠損表現型を生成するために、ファーストチョイスのアプローチとしてすでに機能している。
本発明に従うアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物には、上述した化学的修飾を取り込むことができ、遺伝子転写および/または遺伝子翻訳をin vitroおよび/またはin vivoで阻害することができる、リボザイムや短いヌクレオチド配列、一本鎖または二本鎖RNAまたはDNAが含まれる。
用語“修飾オリゴヌクレオチド”および“修飾核酸分子”には、例えば、1またはそれ以上の塩基の挿入または欠失によって、それらの活性に対して有意な悪影響を与えずに修飾されたアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物が含まれる。特に、オリゴヌクレオチドが対する遺伝子に対して100%の相補性を示すオリゴヌクレオチドの末端に塩基を付加または欠失させることにより、阻害活性を有意に喪失することなく、調製することができる。活性を増強するため、またはオリゴヌクレオチドの安定性の向上を得るため、そのような修飾がなされた。さらに、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物における1またはそれ以上の塩基の置換を、例えば、プリン(アデニン、グアニン)を別のプリンに置換すること、およびピリミジン(シトシン、チミン、ウラシル)をピリミジンに置換することなど、活性に対して悪影響を与えることなく、行うことができる。本明細書中で使用する場合、修飾オリゴヌクレオチドおよび修飾核酸分子には、核酸塩基、糖部分、ヌクレオシド間リン酸結合、並びに追加的な置換を有する分子、たとえばジアミン、コレステリル、またはその他の親油性の基のすべてまたはいずれかの天然の分子構造の分子レベルで、1またはそれ以上の化学的修飾を有するオリゴヌクレオチド、またはこれらの部位で修飾の組み合わせを含む、核酸が含まれる。ヌクレオシド間リン酸結合は、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、ホスホールアミダイト、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチルエステル、アセトアミダイト、カルバメート、チオエーテル、架橋ホスホールアミダイト、架橋メチレンホスホネート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、架橋ホスホロチオエートおよび/またはスルホンヌクレオチド間結合、または3'-3'結合、2'-5'結合、または5'-5'結合、およびそのような類似の結合の組み合わせ(混合バックボーン修飾オリゴヌクレオチドを生成するためのもの)であってもよい。修飾は、内部的またはオリゴヌクレオチド分子の末端部的なものであってもよく(1回または繰り返し)、あるいはアミノ基と末端リボース、デオキシリボースおよび反対鎖または関連する酵素またはその他のタンパク質を切断しまたは架橋するリン酸修飾との間の、様々な数の炭素残基を有するコレステリル、ジアミン化合物などの、ヌクレオシド間リン酸結合の分子への付加が含まれていることができる。リボース-ジアルデヒドなどの親電子的基は、そのようなタンパク質のリシル残基のイプシロンアミノ基と共有結合することができる。オリゴマーに対して結合されたn-エチルマレイミドなどの求核基は、mRNAの5'末端に対して、またはその他の親電子部位に対して共有結合することができる。用語修飾オリゴヌクレオチドには、T-で置換したリボヌクレオチド、またはデオキシリボヌクレオチドモノマーなどの糖部分に対する修飾を含むオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドが含まれ、いずれも5'〜3'結合を介して互いに連結されている。配列の標的特異性を維持した修飾オリゴヌクレオチドは、PNAまたはモルホリノ修飾バックボーンを含んでいてもよい。用語修飾オリゴヌクレオチドには、標的タンパク質の活性を低下させまたはそれらがその発現を阻害する能力に顕著な悪影響を与えないが、この活性を向上することができる、という形態のオリゴヌクレオチドが含まれる。
修飾オリゴヌクレオチドには、β-アラビノフラノースおよびその類似体に基づいて、アンチセンスオリゴヌクレオチド構築物を含む(しかしながらこれらには限定されない)、アラビノヌクレオチドまたは修飾アラビノヌクレオチド残基に基づいてまたはそれから構築されるオリゴヌクレオチドも含まれる。リボヌクレオチドは、リボヌクレオシドの立体異性体であり、糖環の2'-位における構造のみが異なる。Damha et al.によるPCT出願No. WO 99/67378(1)は、その全体を参照により本明細書中に取り込むが、相補的メッセンジャーRNAへの結合を介して、遺伝子発現の配列特異性阻害を改善するための、アラビノ核酸(ANA)オリゴマーおよびその類似体が開示される。Dahma et al.はさらに、その標的RN配列と二重鎖を形成し、その結果RNase Hのための基質を生じる、糖を修飾したオリゴヌクレオチドを教示する。具体的には、β-D-アラビノヌクレオチドおよび2'-デオキシ-2'-フルオロ-β-D-アラビノヌクレオシドを含むオリゴマーが開示される。Dahma et al.によるPCT出願No. WO 02/20773(2)はまた、その全体を参照により本明細書中に援用するが、配列特異的様式で遺伝子転写および発現を阻害するために使用されるオリゴヌクレオチドキメラを開示する。具体的には、Dahma et al.(2)は、様々な長さの一連のデオキシリボースヌクレオチド残基に隣接するアラビノヌクレオチドから構築されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを教示する。その様に構築されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して、相補性RNAにハイブリダイズ指せそしてその切断を誘導する。Dahma et al.によるPCT出願No. WO 03/037909(3)はまた、その全体を参照により本明細書中に援用するが、内部非環式リンカー残基を有するオリゴヌクレオチドを開示する。非環式リンカーを用いて調製されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して、RNAなどの目的とする標的核酸の機能を妨害しまたは消耗させる。Dahma et al.によるPCT出願No. WO 03/064441(4)はまた、その全体を参照により本明細書中に援用するが、糖を修飾されたヌクレオシドのセグメントと2'デオキシヌクレオチドのセグメントとを交互に有するオリゴヌクレオチドを開示し、そしてまた糖を修飾されたヌクレオチドのセグメントと2'デオキシヌクレオチドのセグメントとを交互に有するオリゴヌクレオチドを開示する。これらの交互に存在するセグメントを有するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、RNAなどの目的とする標的核酸の機能を妨害しまたは消耗させるために使用されることが開示されている。
用語“実質的にヌクレアーゼ抵抗性”とは、天然に存在する核酸または非修飾核酸と比較した場合、ヌクレアーゼ分解に抵抗性の核酸のことをいう。本発明の修飾核酸は、それらの非修飾対応物と比較して、ヌクレアーゼ分解に対して少なくとも1.25倍抵抗性が高く、より好ましくは少なくとも2倍抵抗性が高く、さらに好ましくは少なくとも5倍抵抗性が高く、最も好ましくは、それらの非修飾対応物と比較して、少なくとも10倍抵抗性が高い。その様な実質的にヌクレアーゼ抵抗性の核酸には、修飾バックボーン(例えばホスホロチオエート、メチルホスホネート、エチルホスホトリエステル、2'-0-メチルホスホロチオエート、2'-O-メチル-p-エトキシリボヌクレオチド、2'-O-アルキル、2'-O-アルキル-n(O-アルキル)、3'-O-アルキル、3'-O-アルキル-n(O-アルキル)、2'-フルオロ、2'-デオキシ-エリスロペントフラノシル、2'-O-メチルリボヌクレオシド、メチルカルバメート、メチルカーボネート、逆位塩基(例えば、逆向きT)、またはこれらのバックボーンのキメラ版)を有する核酸が含まれるが、これらには限定されない。
本明細書中で使用する場合、用語“CCR3およびIL-3/IL-5/GM-CSF-受容体に対する共通β鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド”は、それぞれ、CCR3ケモカイン受容体の発現および/または活性に影響を与える配列、およびIL-3/IL-5/GM-CSF-受容体の共通β-鎖の発現および/または活性に影響を与える配列、に対して標的化される、オリゴヌクレオチドのことをいう。これらには、CCR3ケモカイン受容体およびIL-3/IL-5/GM-CSF受容体の共通β鎖についてのDNAコード配列、DNAプロモータ配列、DNAエンハンサ配列、mRNAコード配列等が含まれるが、これらには限定されない。
上述したように、本発明の一態様は、CCR3ケモカイン受容体の発現および/または活性およびIL-3/IL-5/GM-CSF受容体の共通β鎖の発現および/または活性に影響を与える配列を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。一態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、当業者により理解されるように、オリゴヌクレオチドの構成および/または長さを変化させることができるが、オリゴヌクレオチドが遺伝子発現を下方制御する活性を維持しまたは増強させる、これらの配列のフラグメントまたはバリアントを含んでもよい。別の態様において、本発明は、SEQ ID NO. 1、SEQ ID NO. 13およびSEQ ID NO. 14として同定される配列由来の少なくとも2種のアンチセンスオリゴヌクレオチドの組合せを提供する。
用語“治療”、“治療すること”、“療法”などは、本明細書中では、一般的に所望の薬理学的作用および/または生理学的作用を得ることを意味するために使用される。この作用は、疾患またはその症候を完全にまたは部分的に予防すると言う観点では予防的であってもよく、および/または疾患について部分的または完全に治癒させることおよび/または疾患に起因する悪影響を改善すると言う観点では治療的であってもよい。本明細書中で使用する場合、“治療”は、既に定義した被検体、特に人の被検体における疾患のいずれの治療をもカバーし、そしてそれには以下のもの:
(a)疾患に対する素因を有する可能性があるが、それを有することは未だ診断されていない被検体において、疾患が生じないようにすること;
(b)疾患を阻害すること、すなわち、その発症を阻むこと;または
(c)疾患と取り除くこと、すなわち疾患の退行を引き起こすこと;
が含まれる。
用語“医薬的に許容可能な”は、本明細書中でキャリア、界面活性剤、および組成物に関して使用される場合、毒性ではない、またはそうでなければ本明細書中で記載するいずれの経路によっても投与することが許容されない、患者個体の治療において使用するために許容される基質を意味する。
本発明は一般的に、siRNA、リボザイム、短いヌクレオチド配列(標的核酸に対して相補的であってもよいか、または上述したように修飾されていてもよいRNAおよび/またはDNAを含む一本鎖または二本鎖)、RNAとハイブリダイズして、オリゴヌクレオチド-RNA二重鎖を形成することができる、前記RNAオリゴヌクレオチド少なくともの部分を有するRNAオリゴヌクレオチド、またはin vivoで内在性遺伝子の発現を下方制御するかまたは阻害するキメラオリゴヌクレオチド、を含む、治療的有効量の本発明に従うアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物を投与することにより、被検体を治療することに関する。
“治療的に有効な”量は、非毒性であるが、アンチセンスオリゴヌクレオチド化合物が所望の治療効果を得るために十分な量を意味する。本発明の場合、アンチセンスオリゴヌクレオチド化合物の用量は、治療すべき症状または疾患(例えば、アレルギー、喘息、炎症性呼吸器疾患などの炎症性疾患と関連する疾患)の症候を軽減し、改善し、または予防するために効果的な量である。
本明細書中で使用される場合、用語“アレルギー”は、過敏になっている物質に対する、生体によるいずれかの所望しない免疫応答を記述する。
本発明の製剤は、作用部位に対して直接的に投与することが好ましく、したがって経口、頬内、肺内、直腸、子宮内、腫瘍内、鼻内、くも膜下(intrathecal)、吸入、経皮、皮内、腔内(intracavitary)、イオントフォレーゼ、眼、膣、関節内、耳内(otical)、経粘膜、直腸、徐放性コーディング製剤、または徴用性コーディング製剤を含む(これらには限定されない)、局所的であることが好ましい。上記に関して何ら限定することなく、本発明の製剤は頭蓋内、筋肉内、皮下、血管内、腺内、器官内、リンパ内、腹腔内、静脈内、および移植可能なものであってもよい。製剤中で使用されるキャリアは、例えば、固体キャリアおよび/または液体キャリアであってもよい。
本件オリゴヌクレオチド化合物と組み合わせて、呼吸器疾患を治療するために投与するのに適した組成物/製剤を提供するために適したその他のキャリアについては、“Remington's Pharmaceutical Sciences”, 17th Ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985を参照するとよい。
場合によっては、現在記載されるオリゴヌクレオチドを、様々な生理学的キャリア分子と共に製剤化することができる。現在記載されるオリゴヌクレオチドはまた、標的細胞に導入される能力を向上させる分子と複合化されていてもよい。その様な分子の例には、糖質、ポリアミン、アミノ酸、ペプチド、脂質、および細胞増殖に極めて重要な分子が含まれる(それらには限定されない)。例えば、オリゴヌクレオチドは、脂質と組み合わせてもよく、得られたオリゴヌクレオチド/脂質エマルジョン、あるいは、リポソーム懸濁液は、とりわけ、オリゴヌクレオチドのin vivo半減期を効果的に増加させることができる。
本明細書中で提供される医薬組成物は、上述のアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物と1またはそれ以上の医薬的に許容される界面活性剤とを含んでもよい。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドの取り込みを増強するための適切な界面活性剤または界面活性剤構成成分は、U.S.出願公開No. 2003/0087845(界面活性剤に関して、その内容を参照により本明細書中に援用する)中に以前記載された。この出願は、適切な界面活性剤には、“・・・界面活性剤タンパク質A、界面活性剤タンパク質B、界面活性剤タンパク質C、界面活性剤タンパク質D、および界面活性剤タンパク質E、ジ-飽和ホスファチジルコリン(ジパルミトイル以外のもの)、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン;ホスファチジン酸、ユビキノン、リソホスファチジルエタノールアミン、リソホスファチジルコリン、パルミトイルリソホスファチジルコリン、デヒドロエピアンドロステロン、ドリコール、スルファチジル酸(sulfatidic acid)、グリセロール-3-リン酸、ジヒドロキシアセトンリン酸、グリセロール、グリセロ-3-ホスホコリン、ジヒドロキシアセトン、パルミテート、シチジンジホスフェート(CDP)ジアシルグリセロール、CDPコリン、コリン、コリンリン酸;ならびに界面活性剤の構成成分についての天然のキャリアビヒクルである天然および人工のラメラ構造、オメガ-3脂肪酸、ポリエニック酸、ポリエノイック酸、レシチン、パルミチン酸、エチレンまたはプロピレンオキシドの非-イオン性ブロックコポリマー、ポリオキシプロピレン、モノマーおよびポリマーのポリオキシエチレン、デキストランおよび/またはアルカノイル側鎖を有するモノマーおよびポリマーのポリ(ビニルアミン)、Brij 35TM、Triton X-100TMおよび合成界面活性剤ALECTM、ExosurfTM、SurvanTMおよびAtovaquoneTMなどの、合成および天然のもの、並びに完全型および短縮型が含まれる。これらの界面活性剤を、単一構成成分界面活性剤としてまたは複数構成成分界面活性剤の一部として製剤中で使用することができ、あるいはアンチセンスオリゴヌクレオチドの5'および/または3'末端に対して共有結合付加物として使用することができる”。
本発明の組成物アンチセンス構成要素は、“リポソームまたは微結晶などの脂質粒子または小胞中の医薬製剤に含有させることができる。U.S.特許No. 6,025,339に記載されるように、脂質粒子は、アンチセンスオリゴヌクレオチドがその内部に含有される限り、単一ラメラまたは多ラメラなどのいずれかの適切な構造のものであってもよい。N-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチル-アンモニウムメチルスルフェート、または“DOTAP”などの正に荷電した脂質が、そのような粒子および小胞として好ましい。そのような脂質粒子の調製は、周知である。たとえば、Janoffらに対するU.S.特許No. 4,880,635;Kuronoらに対するU.S.特許No. 4,906,477;Wallachに対するU.S.特許No. 4,911,928;Wallachに対するU.S.特許No. 4,917,951;Allenらに対するU.S.特許No. 4,920,016;Wheatleyらに対するU.S.特許No. 4,921,757;などを参照。
本発明の組成物は、例えば肺などの、所望の部位に対してアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物を輸送するいずれかの手段により投与することができる。本明細書中に開示されたアンチセンス化合物を、いずれか適した手段により患者の肺に対して投与することができるが、しかしながらアンチセンス化合物を含む呼吸用の粒子からなるエアロゾルの吸入により投与することが好ましい。
本発明の組成物は、呼吸に適したサイズの粒子、たとえば吸入に際して鼻、口、および喉頭を通過し、そして気管支および肺胞を通過するために十分小さいサイズの粒子を含む製剤として、呼吸器系に投与することができる。一般的に、呼吸に適した粒子は、約0.5ミクロン〜10ミクロンのサイズ範囲である。エアロゾル中に含まれる呼吸に適していないサイズの粒子は、咽頭に沈着する傾向があり、そして嚥下され、そしてエアロゾル中の呼吸に適していない粒子の量は、最小にすることが好ましい。鼻投与のため、10〜500マイクロ-M(マイクロメートル)の範囲の粒子サイズが、鼻腔における残留を確実にするために好ましい。
エアロゾルを作製するための活性化合物((1または複数の)アンチセンスオリゴヌクレオチド化合物)の液体医薬組成物を、アンチセンス化合物を、適切なビヒクル(たとえば、発熱性物質を含まない滅菌水またはリン酸緩衝化塩類溶液)と組み合わせることにより調製することができる。
アンチセンス化合物を含む固体粒子組成物は、その他の治療用化合物およびエアロゾルの形成を容易にするように機能する分散剤を含有してもよい。適切な分散剤は、ラクトースであり、これをアンチセンス化合物といずれかの適切な比で、たとえば1:1の重量比で、ブレンドすることができる。
アンチセンス組成物を、抗-気管支収縮性有効量、抗-アレルギー性有効量および/または治療される疾患の程度、被検体患者の状態、特定の製剤、投与経路、被検体への投与のタイミング、などに依存する、抗-炎症性有効量で、投与することができる。一般的に、0.05〜50μMのオリゴヌクレオチドの細胞内濃度、またはより具体的には0.2〜5μMのオリゴヌクレオチドの細胞内濃度が好ましい。哺乳動物の患者、たとえばヒトの患者に対して投与するため、約0.001、0.01、0.1、または1 mg/Kgの用量から、最大で約50または100 mg/Kg以上の用量が、典型的に使用される。しかしながら、その他の用量もまた企図される。いずれかの特定の製剤中における活性化合物の溶解度に依存して、日用量を、1回または数回の単位用量投与の間で分割することができる。
アンチセンス化合物を含む液体粒子のエアロゾルを、いずれかの適切な手段、たとえばネブライザーを用いて、生成することができる。ネブライザーは、狭いベンチュリ(venturi)開口部を介して圧縮ガス(一般的には空気または酸素)の加速を利用して、または超音波攪拌を利用して、活性成分の溶液または懸濁液を、治療用のエアロゾルミスへと変換する市販の装置である。ネブライザー中で使用するための適切な製剤は、最大40%w/w、好ましくは20%w/wの製剤未満の量で、液体キャリア中中活性のアンチセンスオリゴヌクレオチド成分を含む。キャリアは、典型的には水または低濃度のアルコール水溶液であり、好ましくは例えば、塩化ナトリウムの添加により体液と等張性にしたものである。任意的な添加物には、製剤が無菌で調製されない場合、例えば、メチルヒドロキシ安息香酸、抗-酸化剤、抗-細菌剤、香味料、揮発性油、バッファー試薬、および乳化剤、およびその他の製剤界面活性剤などの、保存料が含まれる。
活性オリゴヌクレオチド化合物および医薬的に許容可能な界面活性剤を含む固体粒子のエアロゾルは、同様に、いずれかの固体微粒子医薬エアロゾル生成器を使用して生成することができる。固体微粒子医薬を被検体に投与するためのエアロゾル生成器は、上述したように、呼吸に適した粒子を生成し、そして予め秤量した用量の医薬を含有するエアロゾルの量を、ヒト投与のために適した速度で、生成する。活性なオリゴヌクレオチド成分は、典型的には、製剤の0.1〜100 w/wを含む。実例となるエアロゾル生成器の第二の型は、秤量用量吸入器を含む。秤量用量吸入器は、加圧エアロゾルディスペンサーであり、典型的には液化推進剤中に活性成分の懸濁製剤または溶液製剤を含有する。使用のあいだ、これらの装置は、秤量容量、典型的には10〜150μL、を送達するように適合させたバルブを介して製剤を放出し、活性成分を含有する微粒子スプレーを生成する。適切な推進剤には、特定のクロロフルオロカーボン化合物、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、またはヒドロフルオロアルカン、およびこれらの混合物が含まれる。製剤は、1またはそれ以上の共溶媒、例えば、エタノール、乳化剤、およびその他の製剤界面活性剤、例えばオレイン酸またはトリオレイン酸ソルビタン、抗-酸化剤、および適切な着香料をさらに含有していてもよい。
固体粒子から形成されるか液体粒子から形成されるかに関わらず、エアロゾルは、1分間当たり約1〜150リットルの速度で、エアロゾル生成器により生成することができる。
本発明のさらなる側面において、アレルギー、喘息、鼻炎および炎症性疾患に関連する症状を治療するために治療的に有効な医薬的に許容可能なアンチセンスオリゴヌクレオチド組成物をその中に含有する包装材料が含まれる製品が提供される。一態様において、組成物は、CCR3ケモカイン受容体またはIL-3/IL-5/GM-CSF-受容体の共通β鎖遺伝子を阻害するために効果的なアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物を含み、前記オリゴヌクレオチド化合物は、その遺伝子に少なくとも50%相補的である。別の側面において、組成物は、少なくとも2つのアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物を含み、それぞれのアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物は、CCR3ケモカイン受容体遺伝子およびIL-3/IL-5/GM-CSF-受容体の共通β鎖遺伝子を下方制御することができ、それぞれのアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチド化合物が実際にはそのままではそのアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物が対する遺伝子を下方制御するために効果的ではない濃度で存在し、アンチセンスオリゴヌクレオチド化合物の組合せが、アンチセンスオリゴヌクレオチドが対する少なくとも1つ遺伝子を下方制御するために有効である。
一態様において、製品の包装材料は、組成物を使用して炎症性呼吸器疾患を治療することができることを示すラベルを含み、そしてさらに疾患がアレルギー、鼻炎、および喘息の一つであることの指示を含んでもよい。
別の態様において、製品の包装材料は、組成物を使用して炎症性呼吸器疾患を治療することができることを示すラベルを含み、そしてさらに、疾患がアレルギー、喘息、過好酸球増加症、気管支炎、鼻炎、または静脈洞炎の一つであることの指示を含んでもよい。
本発明の目的のため、包装材料は、本発明にしたがうヌクレオチド-含有組成物を包装するために適切ないずれの材料であってもよく、ボトル、またはその他の容器(プラスチックでもガラスでもよい)、カートン、チューブ、またはその他の保護用ラッピングが含まれる。理解されるように、包装は、オリゴヌクレオチド組成物の性質により変更することができ、例えば、液体製剤はエアロゾル製剤とは異なる方法で包装することができる。
本発明を限定することなく以下の発明を説明するために提供される実施例を参照することにより、本発明を容易に理解することができる。これらの実施例に関して、以下の方法および材料が、使用された。
材料と方法
材料
以下の材料および試薬を実験のために使用した:RPMI 1640(Wisent, cat# 10040 CV);FBS(ウシ胎児血清、Wisent, cat#80150);ペニシリン-ストレプトマイシン(GIBCO, cat#15140-122);HEPES(Wisent, cat#26060CI);L-グルタミン(Gibco, cat#25030-081);ピルビン酸ナトリウム(Wisent, cat#25000-Ci);滅菌PBS(GIBCO, cat#25030-081);Hanks平衡化塩類溶液(HBSS, cellgro,cat#2O021-cv);RT-PCR用のSuperscriptファーストストランドSynthesis Systemキット(Invitrogen, cat# 11904-018);dNTPs(Invitrogen, cat# 10297-018;オリゴ(dT)12-18(Invitrogen, cat# 11904-018);Qiagen RNAeasy Mini Kit(Qiagen, cat#74106);Qiagenゲル抽出キット(Qiagen, ca.t#28704);Qiagen PCR抽出キット(Qiagen, cat#28104);β-メルカプトエタノール(Sigma, cat#M- 6250);99%エタノール(Commercial alcohols Inc., Brampton, Ontario, Canada);QiaVac 24 Manifold(Qiagen, cat#19403);Disposable Vacconnectors(Qiagen, cat#19407);DNase Iキット(Fermentas;cat.#ENO521);RiboGreen Quantification Reagent(Invitrogen-Molecular probes, cat#R-11490);Taq PCRコアキット(Qiagen, cat#201223)、Hema-3染色セット(Fisher scientific Co. cat#122-911, lot#999901);Alamar Blue(Biosource cat#DAL1100);ヒトCCR3プライマー対(R & D systems, cat# RDP-209-025);ヒトGAPE5Hプライマー対(R&D systems, cat# RDP-39-025);Ficoll(Amersham Biosciences;cat#: 17-1440- 03);抗-CD 16(好酸球精製キット, Miltenyi Biotec, Auburn, CA, cat# 130-045- 701);rhエオタキシン(Biosource, cat# PMC1434);化学走性チャンバーおよびメンブレン(NeuroProbe, Nucleopore-Neuroprobe, Cabin John, MD);ヒト血清アルブミン(SIGMA;cat.#A9511);抗ヒトIL-3/IL-5/GM-CSF受容体β鎖(マウスモノクローナルIgG2b;Santa Cruz Biotechnology, cat.#sc-457);抗-マウスIgG2b(ヤギモノクローナル, Alexa Fluor 488, Molecular Probes, cat#A-21141);抗-ヒトCCR3抗体(ラットモノクローナル, IgG2a, R&D, cat.# MAB 155);抗-ラットIgG(ヤギモノクローナル, Alexa Fluor 633, Molecular Probes, cat.# A-21094);rhGM-CSF(R & D systems, cat#215-GM-005);rhIL-3(R & D systems, cat#203-IL-010);rhIL-5(R & D systems, cat#205-IL-005)、rhIL-2(R&D systems, cat#202-IL-010);TOP 004-(n-1)(Biosource, 3'末端の1ヌクレオチド欠損を有するオリゴヌクレオチド);TOP 005-(n-1)(Biosource, 3'末端の1ヌクレオチド欠損を有するオリゴヌクレオチド);TOP 004-TP(Biosource, 鋳型プローブ);TOP 004-(n-1-TP-T)(Biosource Biosource , 鋳型プローブ);LP(Biosource, Ligation Probe);TOP 005-TP(Biosource);TOP 004-(n-1-LP-A, Biosource);Reacti-Bind NeutrAvidin-コート化高結合能力プレート(Pierce, cat # 15508);T4 DNAリガーゼ5 U/mL(Roche, cat # 799 009);抗-DIG-AP抗体(Roche, cat# 1093274);PBS 中SuperBlock Blocking Buffer(Pierce, cat # 37515);メチルウンベリフェリル(umbellyferyl)リン酸アルカリホスファターゼ基質(Molecular Probes, cat # M-6491);サルASM8含有血漿サンプル;MW96 Plate Washer(Beckman Coulter);96-well大容量ポリプロピレンプレート(Nunc);マイクロピペッター(Eppendorf Research Brand);Black opaque 96-wellプレート(Costar, cat# 3915)。
アンチセンス合成および配列同定
オリゴヌクレオチドを、Gene Assembler-PlusTM(Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ, USA)を用いて合成し、ホスホロチオエート化し、そしてHPLCにより精製した。図5〜7に示した実験で使用したTOP 005は、cGMPオリゴヌクレオチドを用いて行った。アンチセンス配列および同定は、表1に記載する。
細胞株および細胞培養
以下の細胞株を使用した:TF-1(ヒト赤白血病細胞株、ATCC#CRL-2003);EOL-1(ヒト急性脊髄性“好酸球性”白血病細胞株;DSMZ#ACC386)およびU937(ヒト組織球性リンパ腫細胞株;ATCC#CRL-1593.2)。EOL-1およびU937を、2 mMのL-グルタミン;1.5 g/L重炭酸ナトリウム;4.5 g/Lグルコース;10 mM Hepes;1 mMピルビン酸ナトリウム;10%FBS、ペニシリン100 U/mL、ストレプトマイシン100μg/mLを含むRPMI 1640中で培養した。rhGM-CSFを2 ng/mLで添加した以外は、同一の培地を、TF-1の培養のためにも使用した。
HL-60クローン15細胞の培養および分化
HL-60クローン15を、Tiffanyら(1998, J. Immunol 160:1385-1392)に記載されるように、好酸球に分化させた。簡単に述べると、骨髄球細胞細胞株HL-60を、10%加熱非働化FBSおよび25 mM N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N'-[2-ヒドロキシプロパンスルホン酸](Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)、pH 7.6を添加したL-グルタミンを含むRPMI 1640中で、37℃、5%CO2で維持した。細胞を、それらを0.5μMの酪酸(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)で少なくとも5日間処理することにより、好酸球様表現型へと分化することを誘導した。FACS解析を使用して、細胞分化後に、IL-3/EL-5/GM-CSF受容体の共通β鎖の存在を評価した。
細胞生存率およびアンチセンス処置
細胞生存率は、Alamar Blue試験を製造者が示唆するように使用して、体系的にアッセイを行った。EOL-1;TF-1;HL-60またはU937細胞を、遠心処理(5分間、1500 RPM、室温)により回収し、3×HBSSで洗浄し、そして血清を含まないRPMI培地中に1×106細胞/mlで再懸濁した。1×106細胞を滅菌チューブ中で5分間、正確なアンチセンス濃度(0〜20μMのあいだ)を用いて、インキュベートした。次に、各反応物を、12ウェルプレート中に移し、そして37℃、5%CO2にて、mRNA定量のために5時間、またはタンパク質解析のために12時間、インキュベートした。RPMI/FBS 20%を、最終濃度10%FBSとなるように添加し、そして細胞を37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。細胞を遠心処理(5分間、1500 RPM、室温)により回収し、そして1×Hanks平衡塩類溶液(HBSS)で洗浄した。対照実験が含まれ、それはアンチセンスの非存在下、またはミスマッチオリゴヌクレオチドの存在下で、細胞処置から構成された。
ヒト好酸球の精製
顆粒球画分を、Ficoll-Hypaque密度勾配(1.077 g/mL、350 gで30分間)を介して全血液を遠心分離し、バッフィーコート層を得ることにより得た。ヒト好酸球を、抗-CD 16コート化免疫磁性マイクロビーズを用いて、4℃にて、Miltenyi Biotec(Auburn, CA)の磁気細胞ソーティングシステムを使用して、陰性選択によりさらに精製した。ギムザ染色により推定した好酸球集団の精製度は、典型的には92%〜100%であった。
ヒトおよびカニクイザルPBMCの精製
カニクイザル由来の新鮮な血液を、ITR Laboratories Canada Inc.から得た。PBMCは、正常ドナー由来のEDTA K3血液をFicoll-Hypaque密度勾配遠心分離することにより単離した。PBMCを、12ウェルプレート中に、10%加熱非働化FBS、ペニシリン100 U/mL、ストレプトマイシン100μg/mLを添加したRPMI 1640細胞培養液中、2×106細胞/mL/ウェルでプレーティングした。細胞生存率を、Alamar Blueを使用して評価し、そして典型的には85%〜95%であった。
ヒトPBMCおよび好酸球のトランスフェクション
ヒトPBMCを、遠心処理(5分間、1500 RPM、室温)により回収し、3×HBSSで洗浄し、そして10μg/mLのPHAを含有する5%血清を含むRPMI培地中に2×106細胞/mLで再懸濁した。2×106細胞を、滅菌チューブ中で5分間、正確なアンチセンス濃度(0〜20μMのあいだ)で、3重にしてインキュベートした。次いで、各反応物を12ウェルプレートに移し、そして37℃、5%CO2で、mRNA定量のためには一晩、またはタンパク質解析のためには48時間または言及される場合にはそれよりも短い時間、インキュベートした。細胞を遠心処理(5分間、1500 RPM、室温)により回収し、そして1×HBSSで洗浄した。対照実験が含まれ、それはアンチセンスの非存在下、またはミスマッチオリゴヌクレオチドの存在下で、細胞処置から構成された。
精製ヒト好酸球を、遠心処理(5分間、1500 RPM、室温)により回収し、3×HBSSで洗浄し、そして2 ng/mLのrhGM-CSFまたはrhIL-5を含有する10%血清を含むRPMI培地中に2.5×106細胞/mLで再懸濁した。その翌日に、細胞をHBSSを用いて2回洗浄し、そして5%血清を含むRPMI培地中2.5×106細胞/mLで再懸濁し、そして滅菌チューブ中で5分間、正確なアンチセンス濃度(0〜20μMのあいだ)で、3重にしてインキュベートした。次いで、各反応物を12ウェルプレートに移し、そして37℃、5%CO2で、mRNA定量のためには一晩、またはタンパク質解析のためには48時間または言及される場合にはそれよりも短い時間、インキュベートした。細胞を遠心処理(5分間、1500 RPM、室温)により回収し、そして1×HBSSで洗浄した。対照実験が含まれ、それはアンチセンスの非存在下、またはミスマッチオリゴヌクレオチドの存在下で、細胞処置から構成された。
サルPBMCのトランスフェクション
カニクイザルPBMCを、遠心処理(5分間、1500 RPM、室温)により回収し、3×HBSSで洗浄し、そして2 ng/mLのrhGM-CSFまたはrhIL-5を含有する10%血清を含むRPMI培地中に2.5×106細胞/mLで再懸濁した。5%血清および10μg/mL PHA(または言及された場合には10 ng/mL rhIL-2)を含むRPMI培地中に、2×106細胞/mLで再懸濁した。
2×106細胞を、滅菌チューブ中で5分間、正確なアンチセンス濃度(0〜20μMのあいだ)で、3重にしてインキュベートした。次いで、各反応物を12ウェルプレートに移し、そして37℃、5%CO2で、mRNA定量のためには一晩、またはタンパク質解析のためには48時間または言及される場合にはそれよりも短い時間、インキュベートした。細胞を遠心処理(5分間、1500 RPM、室温)により回収し、そして1×HBSSで洗浄した。対照実験が含まれ、それはアンチセンスの非存在下、またはミスマッチオリゴヌクレオチドの存在下で、細胞処置から構成された。
フローサイトメトリー解析
細胞を計数し、そして1×106細胞/mLで再懸濁した。細胞を、400×gで3分間、20〜25℃で遠心処理し、そして上清を廃棄した。その後、細胞ペレットを50μLのFACSバッファー(1×PBS、pH 7.2〜7.4;0.5%ヒトアルブミン;2.5%ヒト血清)中に再懸濁し、そして37℃で30分間インキュベートした。上清を廃棄することなく、一次抗体をチューブおよび混合物に対して直接添加する。光から保護して、4℃で1時間、インキュベートする(抗ヒトCCR-3抗体を1μg/0.5×106細胞で使用した。抗ヒト共通β鎖を2μg/0.5×106細胞出使用した)。2 mLのFACSバッファーで洗浄し、400×gで3分間遠心処理し、そして上清を廃棄する。イソ型対照として、300μLのFACS Fix(1×PBS、pH 7.2〜7.4;4%パラホルムアルデヒド)出細胞ペレットを再懸濁し、光から保護して、4℃で維持した。
CCR3および共通β鎖の標識化のため、細胞ペレットを50μLのFACSバッファーに再懸濁し、そして二次抗体を添加する(抗ラットIgG2a Alexa Fluor 633を、1μg/0.5×106細胞で使用した。抗マウスIgG2'b Alexa Fluor 488を2μg/0.5×106細胞で使用した)。光から保護して、4℃で1時間インキュベートした。2 mLのFACSバッファーで洗浄し、400×gで3分間遠心処理し、そして上清を廃棄する。Fix 標識化細胞を300μLのFACSFixで固定し、光から保護して4℃に維持した。データをBD biosciencesのFACS calibur中で解析し、そしてCellQuestプログラムで処理した。
カルシウム移動度アッセイ
好酸球を10%FBSを含有するRPMI 1640中1×107細胞/mLで再懸濁し、そして5 M Fura-2 AM(Molecular Probes, Eugene, OR, USA)と共に、室温にて30分間、暗所でインキュベートすることにより、負荷した。細胞(1×106細胞/mL)を3回洗浄し、そして塩類溶液バッファー(138 mM NaCl、6 mM KCl、1 mM CaCl2、10 mM Hepes、5 mMグルコース、および1%BSA、pH 7.4)に再懸濁させた。次に、各2 mLの細胞懸濁液を水晶キュベットに移し、それをルミネッセンス分光光度計LS50B(Perkin-Elmer, Beaconsfield, UK)中に静置した。ケモカインに反応して、340 nmおよび380 nmでの連続的励起の後に510 nmで放出される蛍光を記録することにより、細胞Ca2+移動度を測定した。
化学走性アッセイ
5 mm孔を有するポリビニルピロリドンを含まないポリカーボネートメンブレン(Nucleopore-Neuroprobe)を使用して、In vitro化学走性を、48-ウェルチャンバー(NeuroProbe, Cabin John, MD)中で評価した。対照好酸球またはアンチセンス処理した好酸球を、0.25%BSAを含有するRPMI 1640培地中で1×106細胞/mLを懸濁した。上部ウェルおよび下部ウェルには、50μLおよび31μLの細胞懸濁液がそれぞれ含有され、後者の懸濁液には最適濃度のエオタキシン(80 ng/mL)が添加された。37℃、5%CO2中での1時間のインキュベーションの後、下部ウェル中に存在する遊走細胞を計数した。自発的遊走を、エオタキシンの非存在下にて測定し、そして結果に含まれる。
サルアンチセンス処理および毒性研究
このプロトコルは、ITR Laboratories Canada Inc.のAnimal Care Committee(ACC)によるレビューを受け、そして評価された。Canadian Council on Animal Careにより発行された現在の“Guide to the Care and Use of Experimental Animals”、およびNIHが発行する“Guide for the Care and Use of Laboratory Animals”に概説される原則に従って、すべての動物を飼育した。
2種のオリゴヌクレオチド(TOP 004およびTOP 005)1:1混合物からなるASM8の毒性は、1日1回、連続14日間、吸入曝露により投与された場合、その個々のオリゴヌクレオチド構成要素のトキシコキネティクスプロファイルを特徴づけるために研究された。14日間の回復期間の後のASM8の何らかの作用の可逆性についても評価した。ASM8に対する14日の吸入曝露の後のいずれかの全身性過敏性症状(皮内注射(ID)により検出可能なもの)もまた、評価した。
ビヒクル対照物質は、注射USP用の0.9%塩化ナトリウム溶液であり、そして標準として使用した。エアロゾル化のための試験物質(ASM8)液体製剤を、TOP 004とTOP 005とを、注射USP用の0.9%塩化ナトリウム溶液と混合することにより調製し、1:1混合物を得た。標的投与溶液濃度は、純粋なオリゴヌクレオチドに基づいた。したがって、純度を調整するための補正因子を、試験物質成分に重み付けをしそして分配するために適用した。補正因子は、TOP 004について1.15、そしてTOP 005について1.24であった。14日間の曝露期間を開始する前に、それぞれの日曝露のために必要とされるそれぞれのオリゴヌクレオチドの量を秤量し、各曝露日用に指定したバイアル中で合わせ(粉末として)、そして-80℃で冷凍して保存した。それぞれの曝露日に、正しいバイアルを冷凍保存から取り出し、内容物を塩類溶液ビヒクル中に溶解し、滅菌用0.2μmフィルターを通して濾過し、そして製剤をその日の曝露のためにのみ使用した。
一群および処置あたりの動物数を、以下の表2および表3に示す。
(1):2.5 kgの推定体重に基づく。
(2):ビヒクル対照動物を質量の観点では高用量群について精製した物と同等と考えられるエアロゾル濃度でビヒクル溶液から生成したエアロゾルに対して曝露した。
(3):標的用量およびエアロゾル濃度は、試験物質の絶対的純度に基づき、それは投与溶液製剤化プロセスにおいて純度についての適切な補正因子を使用することにより得られた。
(4):曝露期間中の得られた用量レベルは、以下の式を使用して推定された:
DL= E0×RMV×T/BW
式中、
DL = 得られた用量レベル(mg/kg/日);
Ec = 動物に対して送達される実際の濃度(mg/L空気);
RMV = 毎分量(mL/分)、Bideら(2000, J. App. Toxicol., 20, 273-290)の式、詳細には:RMV(L) = 0.499×W(kg)0.809の式にしたがって推定されたもの;
T = 時間、日曝露の期間(分);
BW = 曝露期間中の平均体重(kg)。
得られた用量のこの推定は、気道内における100%の沈着を仮定した。
死亡率、臨床検査、体重、食物消費、心電図記録、検眼鏡検査(ophtalmoscopy)、臨床病理、血漿レベル測定、過敏性試験、を含むIn-life観察を、すべての動物に対して行った。
治療期間を終了する際、動物を安楽死させ、そして解剖病理学的試験、剖検、器官秤量、組織病理学に供した。
半定量的RT-PCRを使用して、ASM8投与後24時間後の高用量処置カニクイザルから得た気管サンプル上で、共通β鎖mRNA発現およびCCR3 mRNA発現に対していずれかのASM8阻害作用が存在するかどうかを、調べた。
サル血漿におけるオリゴヌクレオチド測定用のHL-ELISA
投与前Day 1およびDay 14、投与後0.5、1、3、6および24時間に、サル血液サンプル(それぞれ約1 mL)を、それぞれの動物から回収した。血液サンプルを4℃で遠心処理して血漿を作成し、そして血漿を分離し、そしてハイブリダイゼーション/ライゲーションELISA定量アッセイを使用して、TOP 004およびTOP 005(および近接n-1代謝物)濃度の測定値について解析するまで、ドライアイス上で冷凍した。
オリゴヌクレオチド用の標準曲線溶液を、サル血漿サンプルについての連続希釈により調製した。通常の標準曲線作用範囲は125 nM〜0.007629 nMである。標準曲線の直線部分において測定するために、血漿サンプルを適切に希釈し、正確な測定のために1よりも多い希釈物を作製する。
各標準または血漿サンプルを、96ウェルポリプロピレンプレート中に分注し(200μL)、そこで200μLの適切なテンプレートプローブ溶液を200μLの血漿サンプルに対して添加し、そして37℃で60分間インキュベートした。150μLをNeutrAvidinコートしたプレートに対して2重にして移し、そして37℃で30分間インキュベートした。これをプレート洗浄機を用いて洗浄バッファーで4回洗浄した(各200μL)。150μLのライゲーションプローブ溶液を添加し、その後室温で120分間インキュベートした。インキュベーションの後、サンプルをプレート洗浄機を用いて洗浄バッファーで2回洗浄し(各200μL)その後、プレート洗浄機を用いてddH2Oで3回洗浄した(200μL)。150μLの抗-DIG-APの1:2000希釈物(Super Block中, Peirce)を添加し、その後、室温で30分間インキュベーションした。サンプルを、プレート洗浄機を用いて洗浄バッファーで4回洗浄した(200μL)。次いで、150μLの10μM MUP試薬を添加し、その後、室温で60分間インキュベーションした。355ex/485emでの蛍光を読みとった。
HL-ELISAにおいて使用した溶液:
テンプレートプローブ溶液(0.05μMテンプレートプローブ、60 mM Na2HPO4、pH 7.4、0.9 M NaCl、0.24%Tween-20;10×ライゲーションバッファー(0.8248 M Tris-Cl pH 7.5、0.0828 M MgCl2、1.93%DTT;ATP 100 mM溶液(水中で調製し、そしてNaOHを用いてpH 7±0.5に調整);ライゲーションプローブ溶液(1×ライゲーションバッファー中、0.067μMのオリゴ、0.025 Units/mL T4 DNAリガーゼ、0.05 mM ATP;洗浄バッファー(25 mM Tris-Cl、pH 7.2、0.15 M NaCl、0.1%Tween)。
サル気管ホモジナイゼーションおよびRNA抽出
サル気管を、ポリトロンPT 1200(Brinkmann Instruments)を使用してホモジナイズし、そして全RNAをQiagen RNAeasyミニキット(Qiagen, Mississauga ON, Canada)をして、次いでDNase I消化を行って、抽出した。全RNAをRibogreen Fluorescent Assay(Invitrogen Corporation, Burlington ON, Canada)を使用して定量した。SuperscriptTMII RTキット(Invitrogen Corporation, Burlington ON, Canada)を使用したファーストストランドcDNA合成を使用して、1〜2μgのRNAからcDNAを調製した。
RNA抽出、逆転写、およびポリメラーゼ連鎖反応
RNAを、Qiagen RNAeasyミニキットプロトコルに従って、Qiagenから入手したQiaVac 24マニホルドを使用して細胞ペレットから抽出し、そしてRNAをFermentas法に従ってDNase-Iで処理した。mRNAをRiboGreen試薬を使用して、製造者のプロトコルに従って定量した。そうでない場合には、RNAを分光光度計を使用して定量した。ファーストストランドcDNAの調製を、20μLの全反応容量中、Invitrogenから入手したRT-PCRキット用のSuperscriptファーストストランド合成システムを使用して行った。簡単に説明すると、1〜2.5μgのRNAを、はじめに、0.5 mMの各dNTP、0.5μgのオリゴ(dT)12-18とともに65℃で5分間変性させ、そして少なくとも1分間氷上で冷却した。混合物を42℃で2分間インキュベートし、そして1×ファーストストランドバッファーを含有する第二のプレミックス、10 mM DTT、40 unitのRNaseOUTおよび40 unitのSuperscript II RTを添加した。反応物を42℃で10分間、50℃で1時間、インキュベートし、そして70℃で15分間加熱することにより不活性化した。PCRを、全反応容量50μL中1×PCRバッファー(10×:Tris-HCl、KCl、(NH42SO4、15 mM MgCl2;pH8.7)、0.2 mMの各dNTP、8.5 pmolの各PCRプライマー、および2.5 unitのTaq DNA Polymerase中で、最適化された量のcDNA(CCR3については100〜250 ng、そしてG3PDHについては1〜10 ng)により行った。混合物を、94℃で5分間加熱し、その後それぞれインキュベーションを、94℃で1分間、60℃で45 秒間、そして72℃で45秒間からなるサイクルを30〜35サイクル行った。追加的な伸長は、72℃で10分間行った。PCR生成物は、エチジウムブロマイドの存在下で、1.5%アガロースゲル電気泳動により解析した。PCR生成物の定量を、Total Labソフトウェア(Rolling Ballを用いてバックグラウンド削除;Ultra Lum Inc., Model UC4800)を使用して行った。PCRプライマーは:ヒトCCR3プライマー対(R&D systems, cat# RDP-209-025);ヒトGAPDHプライマー対(R&D systems, cat# RDP-39-025)および表4に示されるプライマーである。対照実験が、系統的に含められ、そしてPCRまたは非RT-RNAから構成された。
オリゴヌクレオチド化学的分解
解析前にTOP 004およびTOP 005の分解を誘導するため(無傷分子由来の分解生成物の融解を確実にするため)、以下の処理を行った:
*脱プリン化:ASM8を、30%CH3COOH中に最終濃度0.5 mg/mLで再懸濁し、そして3、4、または6時間室温でインキュベートした。5容量の水を添加することにより反応を停止し、そして混合物をSpeed-Vacでの凍結乾燥まで-20℃に置き、酢酸を除去した。
*切断:脱プリン化オリゴヌクレオチドを、0.2 M NaOH中に再懸濁し(0.5 mg/mL)、50℃で1時間インキュベートし、そして-20℃で保存するか、またはHPLCにより解析した。
TOP 004およびTOP 005のHPLC分画
ASM8を秤量し、PBS中に0.5mg/mLの濃度で可溶化した(0.25 mg/mL TOP 004および0.25 mg/mL TOP 005)。HPLC購買パラメータは、表5に示す。
HPLC分離を、Waters 2487 Dual λ Absorbance検出器に連結しそしてインライン脱気装置、オーブン、および15O0シリーズマニュアルインジェクター、Reodyne 7725iを備えた、Waters 1500 Series Binary HPLCポンプを用いて行った。オリゴヌクレオチドの混合物を、Waters Protein Pak DEAE 5PWアニオン交換カラム(0.5 cm×75 cm)上で分画し、60℃で維持し、そして260 nmでのUV吸収により検出した。オリゴヌクレオチド混合物(容量= 25μL)を、水(バッファーA:水(Milli Qグレード))中でカラムに装填し、そして溶出をバッファーB(1 M LiClO4、(0.22μmフィルター濾過))の比率を徐々に高めることにより行い、結果として液相のイオン強度が上昇し、それにより固相(カラム)からオリゴヌクレオチドを溶出した。
アッセイ条件下で、62.5μgのTOP 004またはTOP 005のいずれかは、260 nmで>0.15の吸光単位(AU)の測定可能な変化を生成した。
オリゴヌクレオチド保存
PBS中ASM8の一部(0.5 mg/mL)を、-20℃、4℃、30℃、および40℃で2ヶ月間インキュベートした。第4週および第8週に、ASM8のHPLCプロファイルを得た。対照条件を、なんらかの保存時間の前に、ASM8のHPLCプロファイルとして定義した。(すなわち、時点0)。HPLC システムは、Watersから入手したBreezeTM(V 3.30)ソフトウェアにより、駆動した。
オリゴヌクレオチド溶解曲線および熱力学的概要表
TOP 004およびTOP 005を、1×PBS中(並びにその他のバッファー系中)等モル濃度で混合した。全オリゴヌクレオチド濃度は、約1.2〜8.7 mMの範囲であった。Tmアクセサリを付属したBeckman DU640分光光度計を使用して、標準UV熱変性法を行った。吸光度の変化を、10〜90℃の各温度で、260 nmで検出した。融解曲線を、MELTWIN 3.5TMソフトウェアを使用して適合させ、熱力学的パラメータを決定した。融解曲線のスクリーン画像および熱力学的概要表を生成した。
実施例1:CCR3受容体に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの効率
CCR3ケモカイン受容体に対するいくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチド受容体のmRNA発現を阻害し、そしてその受容体の機能を阻害するそれらの能力について解析した。CCR3アンチセンス一次スクリーニングを、Eol-1およびU937細胞株において行った。これらの細胞は、上述した正常細胞培養条件下で、CCR3 mRNAを発現する。表6は、ヒトCCR3ケモカイン受容体に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを示す。
表6を参照して、CCR3受容体に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド828(828:5'-GTTACTACTTCCACCTGCCTG-3'、SEQ ID NO. 1)が、表6に示すような受容体のmRNA発現を阻害する際に、有効である。
オリゴヌクレオチド828は、CCR3遺伝子に対するものであり、そしてエクソン1の最後の後ろ48塩基から始まり、そして21塩基長である。BLAST検索を828について行い、そしてCCR3受容体以外では、次にもっとも近い相同性は、72%の相同性より低いものが報告されている。このことは、2つの相補的配列の完全な会合を得るためには、十分な相同性とはいえない。828の特異性を、ミスマッチオリゴヌクレオチド(SEQ ID NO. 32)を使用することにより評価した。ミスマッチは、CCR3 mRNAまたはこれらの実験において内部対照として使用されたハウスキーピング遺伝子G3PDHに対して、何ら効果を有さなかった。従って、アンチセンスオリゴヌクレオチド828は特異的である。
実施例2:サル末梢血単核細胞(PBMC)における2種類のDAP-置換オリゴヌクレオチドの効率
上述したように、アンチセンスオリゴヌクレオチド107Aおよび828を、アデノシンをDAPで置換することにより修飾して、アンチセンスオリゴヌクレオチドTOP 004およびTOP 005をそれぞれ生成した。TOP 004(5'-GGGTCTGCXGCGGGXTGGT-3'(SEQ ID NO. 13)〔ここで、Xはアデノシン残基のDAP修飾を示す〕は、107Aと同様に、19-merのIL-3受容体、IL-5受容体、およびGM-CSF受容体の共通β鎖に対するものである。TOP 005(5'-GTTXCTXCTTCCXCCTGCCTG-3'(SEQ ID NO. 14))は、828と同様に、21-merのケモカイン受容体CCR3に対するものである。
TOP 004およびTOP 005の効率を、別々に、または一緒に試験した。ASM8は、部分的に、TOP 004およびTOP 005を両方とも含む組成物である。効率についての研究は、サル末梢血単核細胞(PBMCs)中で行われ、ASM8の薬理学的活性に由来する毒性作用の潜在性を調査するためのこの種の用途を確認した。
ASM8がカニクイザルにおいて有効であるためには、それらの標的配列に対する十分な相同性が存在しなければならない。カニクイザルβ鎖配列は、公共データベースからは入手することができず、したがって、TOP 004配列領域をカバーする部分を、クローニングしそして配列決定した。しかしながら、霊長類の種の全体にわたるTOP 004の活性は、対応するin vitro系において直接的に評価することができる。具体的には、共通β鎖が単核白血球下位集団(T細胞およびB細胞、単核球、およびマクロファージ)のほとんどにおいて見いだされるため、末梢血単核細胞(PBMC)調製物は、TOP 004の機能性を試験するための適切なシステムである。
カニクイザルCCR3受容体についての配列情報は、コード領域についてのみ利用可能である;TOP 005の結合領域についての配列情報は何も、公共データベースにおいて利用可能ではない。TOP 005標的配列は、ヒト遺伝子エクソン1の末端の後ろ48塩基から始まる;イントロンは、20キロ塩基対以上あり、そのクローニングおよび配列決定は、非常に冗長なものとなる。文献中の報告は、イントロン配列のいくつかの部分が、ヒトとサルとの間で保存されていることが示された(Rahman et al., 2004. Genomics. 8376-84)。進化的な研究からはまた、相同なイントロン配列の部分が、分類群全体(ヒト、クジラおよびアザラシ)にわたって見いだされたことが示され、そしてこれらの部分がイントロン-エクソン結合部の近傍により高い頻度で見られることが示された(Hare MP and Palumbi SR., 2003 Mol Biol Evol. 20, 969-978)。サルにおけるTOP 005の機能性は、CCR3受容体の発現がT細胞およびB細胞サブセット上で見いだされる、PBMC調製物中で試験された。
カニクイザル共通β鎖の配列決定
ヒト、チンパンジー、ブタ、マウス、およびラット由来IL-3/IL-5/GM-CSF受容体遺伝子についての共通β鎖の解析から、脊椎動物間で高い程度の遺伝子配列同一性が示された。クローニングPCRのためのプライマー配列を設計した。プライマー配列は、ヒト、チンパンジー、ブタ、マウスおよびラットにおいて非常に保存されたヌクレオチド配列に由来し、共通β鎖遺伝子のTOP 004オリゴヌクレオチド領域を取り囲む。表2は、異なるプライマーを示す。これらのプライマーを使用して、カニクイザルPBMC cDNAから特異的な生成物を増幅した。使用したプライマーのセットに依存して、いくつかのPCR生成物を得た。ネスト化PCRラウンドを使用して、得られた生成物の特異性を評価した。陽性のアンプリコンを、クローニングしてそして配列決定した。
図1Aは、ヒト配列(SEQ ID NO. 28)およびチンパンジーにおける対応する領域(SEQ ID NO. 33)、ブタにおける対応する領域(SEQ ID NO. 34)、ラットにおける対応する領域(SEQ ID NO. 35)およびマウスにおける対応する領域(SEQ ID NO. 36)のヌクレオチド配列とアラインメントした、カニクイザルTOP 004領域のPCR増幅から得られた3種のクローンの配列(それぞれ、SEQ ID NO. 25、SEQ ID NO. 26およびSEQ ID NO. 27)を示す。非相同性ヌクレオチドを小文字で示し、一方保存領域を太文字で示す。TOP 004領域には下線を引く。TOP 004領域に対するカニクイザルβ鎖配列相補性は、配列決定した3種のクローンのすべてにおいて、顕著な相同性を示した(19塩基の内18塩基の同一性)。差異は、6番(TOP 004の5'末端から開始して)で見られ、そこでは“A”と“G”の両方ともが見いだされた(“A”が予想された塩基である)。図1Bは、クローニングされたカニクイザルのヌクレオチド配列(SEQ ID NO. 37)および既知のヒト由来のヌクレオチド配列(SEQ ID NO. 38)、チンパンジー(emb. AADA01213660)(SEQ ID NO. 39);ブタ(U94688.1)(SEQ ID NO. 40);マウス(NM_007780.1)(SEQ ID NO. 41)およびラット(NM_133555.1)(SEQ ID NO. 42)から予想されたタンパク質配列のアラインメントを示す。6番(TOP 004の5'末端から開始した番号。ここで、“A”および“G”の両方ともが見いだされる)で見いだされたヌクレオチドの不一致は、公共データバンクにおいて利用可能なタンパク質配列の共通β鎖において、グルタミン(Q)またはリジン(K)コドンの2番目塩基に対応する。図1Bに示されるデータから、非常に進化した種では、TOP 004の相補的領域において、グルタミン残基(ヒト、チンパンジー、ブタにおける矢印)を含有することが示される。グルタミンは、2種のコドン、CAAまたはCAGによりコードされる。下等動物(マウスおよびラット)においては、グルタミンは、リジン残基により置換される。リジンは、2種のコドン、AAAまたはAAGによりコードされる。いずれの場合においても、2番目の位置のアデノシンが保存される。このように、アデノシン残基は、その他の高等脊椎動物においてそうであるように、サル配列にとって機能的である候補物であるようである。しかしながら、GM-CSFβ鎖多型を、除外することはできない。Preeburnらは、β鎖受容体の細胞質内領域においていくつかの変異を開示しており、それらが白血病に対する感受性の原因となっている可能性がある(Freeburn et al., 1997, Exp. Hematol., 25:306-311)。図1Aに示される配列決定データにより、グアノシン残基が、下線を引いたTOP 004配列の5'から始めて6番目に生じることができることを示す。この場合において、コドンは、CGGであり、そしてタンパク質配列はその場所にアルギニン(R)残基を含有する。その位置の塩基性塩基(H、K、R)は、is reminiscent of 下等脊椎動物の過去を連想させ、そして霊長類の場合にも同様である。
この差異にも関わらず、サルのβ鎖配列とヒトのβ鎖配列との間の非常に高い程度の同一性から、カニクイザルにおけるTOP 004の機能が示唆される。
カニクイザルPBMCにおけるTOP 004およびTOP 005の効率
TOP 004およびTOP 005を、それぞれβ鎖の発現およびCCR3の発現を選択的に減少させる能力について、カニクイザルPBMC中で個別に試験した。精製サルPBMCを、異なる濃度のTOP 004およびTOP 005と共にインキュベートした。
図2Aおよび図2Bを参照すると、10以上のサルから得た血液について行われた実験から得た結果は、棒グラフA中および棒グラフB中に示される。棒グラフから、サルPBMC中で、TOP 004(A)およびTOP 005(B)によりβ鎖mRNA発現およびCCR3 mRNA発現が減少したことが示される。阻害は、TOP 004およびTOP 005に特異的であり、内部対照(G3PDH mRNAに対応する451-bp生成物および細胞生存率試験)により示されたように、RNA分解または細胞生存率の喪失によるものではなかった。TOP 004は、RT-PCRにより測定した場合、初代サルPBMC中での共通β鎖の発現を特異的に減少させた(図2A)。最大効率を、10〜15μMの濃度により得て、その場合>50%阻害が主として観察された。TOP 004によるサルβ鎖の阻害は、ヒトβ鎖mRNA配列とサルβ鎖mRNA配列との間での非常に高い低度での同一性が示された配列決定データを確認した(図1A)。同様に、サルPBMCへのTOP 005のトランスフェクションにより、RT-PCRにより測定された場合、CCR3 mRNAの発現が消失した(図2B)。TOP 005によるCCR3 mRNA発現についての最大阻害は、β鎖(10〜15μM)の濃度よりも低いアンチセンスオリゴヌクレオチド濃度(0.05〜2.5μM)で得られた。
RT-PCRにより測定されたmRNA発現の阻害は、フローサイトメトリー(FACS)により、タンパク質レベルでも確認された。サルPBMCを、様々な濃度のTOP 004またはTOP 005のいずれかの存在下にて、増殖培地中で36時間インキュベートした。フローサイトメトリー定量を、上述したように行った。図3Aおよび図3Bを参照すると、棒グラフは、カニクイザルPBMC中で、TOP 004およびTOP 005の存在下におけるβ鎖発現およびCCR3細胞表面発現を示す。グラフは、TOP 004またはTOP 005による処置の後、β鎖およびCCR3を発現する細胞の30%以上の割合における減少が、それぞれ7.5μMおよび0.5μMで得られたことが示された。
それらがβ鎖の発現およびCCR3の発現をぞれぞれ選択的に減少させる能力について、カニクイザルPBMCにおいて、TOP 004およびTOP 005を、1:1の比(ASM8)で組み合わせて試験した。サルPBMCを、様々な濃度のASM8の存在下にて一晩インキュベートし、その後β鎖の発現およびCCR3の発現をRT-PCRにより評価した。図4Aおよび図4Bを参照すると、カニクイザルPBMCにおいてASM8の存在下にてβ鎖mRNA発現およびCCR3 mRNA発現を示す棒グラフは、サルから得た5以上の液体について、示される。β鎖の顕著な阻害が、2.5〜5μMの範囲のASM8の濃度で観察され(図4A)、TOP 004単独による最適阻害をもたらす最適濃度範囲(10〜15μM(図2A))よりも低い。これらの結果は、TOP 004およびTOP 005アンチセンスの組合せが、TOP 004単独の場合と比較して、β鎖発現を阻害する際、ASM8の効力の亢進および相乗作用をもたらすことが示される。同様に、ASM8のサルPBMC中へのトランスフェクションにより、RT-PCRにより測定した場合、CCR3 mRNAの発現が消失した(図4B)。TOP 005によるCCR3 mRNA発現の最大阻害は、β鎖についての濃度(2.5〜5μM)よりもより低いアンチセンスオリゴヌクレオチド濃度(0.05〜5μM)で得られた。ASM8のCCR3 阻害に対する作用は、明らかに濃度依存的と言うわけではなく、この結果は、β鎖についての濃度よりも低いCCR3についての濃度で最大阻害(プラトー)に到達することを反映した者と思われる。
まとめると、カニクイザル共通β鎖の配列決定から、非常に高い低度の同一性(TOP 004配列を覆う19塩基のうち少なくとも18塩基)が示された。ヒト遺伝子との非常に高い相同性は、サルβ鎖mRNAに対するTOP 004の十分なハイブリダイゼーションを可能にし、アンチセンス活性を誘導し、そしてそれによりその発現を消失させることが、予想された。
TOP 004を、精製カニクイザルPBMCにトランスフェクトして、サルβ鎖の発現を下方制御するその能力を評価した。TOP 004は、RT-PCRにより測定された場合のβ鎖mRNAの発現を、30〜70%効果的に減少させた)。
同様に、TOP 005をカニクイザルPBMC中にトランスフェクトし、そしてCCR3発現レベルを半定量的RT-PCRにより測定した。この結果から、TOP 005がカニクイザルCCR3の発現を、30%〜85%の様々な範囲で下方制御することがしめされる。
同様に、サルPBMCにおけるTOP 004またはTOP 005のいずれかのトランスフェクションが、フローサイトメトリーにより測定した場合にβ鎖またはCCR3について陽性な多数の細胞中で、0.5μMで特異的な減少(>30%)を誘導した。
ASM8もまた、精製サルPBMC中にトランスフェクトされ、組合せ治療(TOP 004およびTOP 005)が、これらの条件下において、サルβ鎖mRNA およびCCR3 mRNAの発現を下方制御するための効率性を評価した。これらの条件下において、ASM 8は、0.1〜0.5μM程の低いASM8濃度で、RT-PCRにより測定されたβ鎖の発現およびCCR3の発現を顕著に減少させた。このことはまた、カニクイザルが、ASM8の薬理学的活性による潜在的な毒性作用を調べるための適切な種であることを示唆している。
実施例3:ヒト細胞および細胞株における、CCR3に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果
A86およびTOP 005がHL-60分化好酸球様細胞中(Lee Tiffany et al, J. Immunol 1998, 160:1385-92)、U937およびEol-1細胞中、ならびに末梢血単核細胞(PBMC)中でのCCR3 mRNA発現を阻害する能力を評価するため、さらなる実験を行った。A86およびTOP 005が、HL-60細胞およびヒト精製末梢血好酸球の両方において、好酸球細胞遊走およびカルシウム移動を阻害する能力を研究した。A86は、CCR3のコード領域(エクソン7)の87〜105番ヌクレオチド配列に対応する、アンチセンスオリゴヌクレオチドである(5' CTG GGC CAT CAG TGC TCT G 3'(SEQ ID NO. 29))。前でも検討したように、TOP 005は、3つのアデノシンすべてが2,6-ジアミノプリンに置換された828である(5'GTT XCT XCT TCC XCC TGC CTG 3'(SEQ ID NO. 14))。828の相補的配列配列は、エクソン1の末端の48塩基後から開始し、そして21塩基の長さである。A86についての対照として、相補的なセンスオリゴヌクレオチド(5' CAG AGC ACT GAT GGC CCA G 3'(SEQ ID NO. 30))およびミスマッチ(5' CGT GGC ACT CAG TGT CCT G 3'(SEQ ID NO. 31))を使用した。828/TOP 005のための対照として、ミスマッチ(5' CCT TTG ACC TGC CAA TGC TCT 3'(SEQ ID NO. 32))を使用した。
A86アンチセンスオリゴヌクレオチドの、HL-60クローン15由来好酸球におけるCCR3 mRNA発現に対する作用
HL-60細胞のクローン15変異体は、酪酸処理により誘導して、末梢血好酸球の多数の特性を有する細胞に分化させることができることが知られている(Lee Tiffany et al, J. Immunol 1998, 160:1385-92)。Using 同一の分化プロトコルを使用して、我々は、分化HL-60細胞におけるCCR3 mRNAの発現を確認した。次いで、RT-PCRを行って、合成オリゴヌクレオチドが、好酸球に分化したHL-60細胞中で、CCR3受容体をコードするmRNAの発現を調節する能力を調べた。10μMのA86を用いた細胞処置ののち、CCR3 mRNAを、内部対照G3PDHを使用した半定量的PCRにより評価した。全RNAを、上述したように、新たに採取した細胞から単離した。図5を参照することにより、CCR3に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの、HL60分化細胞におけるCCR3 mRNA発現に対する作用が示される。センスオリゴヌクレオチドおよびミスマッチオリゴヌクレオチドとは対照的に、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、CCR3 mRNAの発現を顕著に阻害する。センスオリゴヌクレオチドおよびミスマッチオリゴヌクレオチドで処置した細胞中でのCCR3 mRNAの発現は、非処置細胞において得られた発現と顕著には異なっていなかった。さらに、使用された濃度で、すべてのオリゴヌクレオチドは、G3PDH mRNA発現に影響を与えなかった。したがって、本実施例において使用されたアンチセンスオリゴヌクレオチドA86は、CCR3 mRNA発現を特異的に阻害することができる。
A86のCCR3タンパク質細胞表面発現に対する作用
CCR3に対するmRNAの減少を、CCR3細胞表面タンパク質密度の減少を反映するかどうかを、さらに研究した。この側面において、フローサイトメトリー解析を行って、オリゴヌクレオチドでの処置後の、HL-60由来好酸球上でのCCR3受容体の発現を評価した。酪酸処置の後、CCR3受容体を発現するHL-60由来好酸球の割合は、40%であった。センスオリゴヌクレオチドおよびミスマッチオリゴヌクレオチド(10μM)で処置された場合、陽性細胞の割合は、わずかに、そして顕著で半句、減少した;陽性細胞の割合は、それぞれ、35%および38%であった。しかしながら、A86で処置した細胞上でのCCR3受容体の密度は、顕著に減少した(26%の陽性細胞対非処置細胞の40%)。10μMでのA86は、CCR3細胞表面発現を65%減少させることができる。A86の作用は、より高濃度の場合により顕著であった。具体的には、20および30μMのA86を使用して、そして結果から、CCR3細胞表面発現がそれぞれ75%および85%減少したことが示される。CCR3に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドであるA86は、濃度依存的にCCR3細胞表面発現を阻害することができる。
A86の、HL-60細胞におけるエオタキシン誘導性カルシウム移動に対する作用
カルシウムの迅速な一過性流入は、白血球が特異的受容体を発現するケモカイン類により白血球を刺激する場合に一般的に観察される。このカルシウム移動は、Fura-2AM負荷細胞によりリアルタイムに追跡することができ、そして受容体活性化の簡便な目安である。ケモカインエオタキシンは、CCR3受容体に対する特異的リガンドであり、そして迅速なカルシウム流入および受容体に対する結合に際して、白血球化学走性を誘導する。図6を参照すると、A86のCCR3活性化に対する作用が示される。エオタキシンに応答したカルシウム移動は、対照オリゴヌクレオチドおよびセンスオリゴヌクレオチドと比較した場合、A86処置細胞において減少した。細胞を、10μMの濃度のA86オリゴヌクレオチドで処置した。センスオリゴヌクレオチドで処置した細胞は、非処置細胞が反応したと同様に、エオタキシンに対して反応することができた。これらの条件下で、エオタキシンは、Ca++の細胞内濃度の増加を誘導する。しかしながら、A86処置した細胞において、エオタキシンは、非常にわずかなCa++移動しか誘導しない。ここで示されたこの結果は、A86がHL-60細胞株におけるCCR3受容体活性化を妨害する際に有効であることを示す。
アンチセンスオリゴヌクレオチドによる精製ヒト好酸球の処置は、エオタキシンへのそれらの反応を阻害する
図7を参照することにより、アンチセンスオリゴヌクレオチドの、エオタキシンに対する精製ヒト好酸球の化学走性反応に対する作用が示される。精製ヒト好酸球を、5%FCSおよびIL-5(1.5 ng/mL)を添加したRPMI 1640中10μMの濃度のアンチセンスオリゴヌクレオチド(四角)またはセンスオリゴヌクレオチド(丸)と共に、一晩インキュベートした。対照細胞(三角)を、ODNSを含まない同一条件下で、インキュベートした。データは、3回の実験を代表する1回の実験に由来する者であり、そして5つの高倍率視野あたりの遊走性細胞の3回の測定の、遊走細胞平均数±SDとして示される。好酸球遊走を、CCR3に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドにより阻害し、そしてこの阻害はエオタキシン濃度を上昇させた場合により顕著であった。80 ng/mLのエオタキシンで、好酸球遊走を55.6%減少させた。
図8は、アンチセンスオリゴヌクレオチドで処置した好酸球におけるカルシウム移動を示す。好酸球細胞をA86(10μM)で処置した際、対照オリゴヌクレオチドおよびセンスオリゴヌクレオチドと比較した場合、エオタキシンにより誘導されたCa++移動もまた阻害された。
ここで示された結果は、CCR3受容体を下方制御することによりA86エオタキシンに対する好酸球の化学走性を妨害する点で、強力であることを示す。
TOP 005の効率
同様の実験をTOP 005を使用して行った。828の効率性、828が既知の遺伝子と何の相同性も有さないことを示す配列のBLAST評価から得た結果、828はTOP 004とのハイブリダイゼーションを行わないこと(DNAソフトウェアで行った実験)、およびその長さ(一緒に混合しそしてアニオン交換HPLCにより分離した場合、TOP 004からの分化を可能にする)のため、TOP 005を選択した。
図9は、TOP 005の、CCR3の細胞表面発現に対する作用を示す。TOP 005の効率性は、Eol-1細胞およびU937細胞において評価した。CCR3発現を、TOP 005での処置後36時間後に、フローサイトメトリーにより評価した。結果は、Eol-1細胞およびU937細胞における発現vs.対照の%として示される。図9における棒グラフは、TOP 005が、U937細胞およびEol-1細胞上のCCR3タンパク質発現を阻害したことが示される。
図10Aおよび10Bは、TOP 005の、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)におけるCCR3 mRNA発現に対する作用を示す。ヒトPBMCを、新たに単離し、またはヒトインターロイキン-2中で培養した(10 ng/mL、24時間)。それらの細胞を次いで、TOP 005に曝露し、そして18時間培養した。図10Aにおいて、G3PDH発現およびCCR3発現を示すゲルが上部に示される。対照に対して標準化した、G3PDHに対するCCR3 mRNA発現の比は、下図に示す。図10Bを参照することにより、棒グラフにより、TOP 005が、1μM程の少なさで、PBMC CCR3 mRNA発現を減少させるために有効であることが示される。
したがって、アンチセンスオリゴヌクレオチドA86およびTOP 005は、Eol-1細胞(ヒト好酸球性細胞株)、好酸球に分化したHL-60細胞、およびU937細胞中の、CCR3 mRNA発現を阻害することができる。これらのオリゴヌクレオチドでのCCR3の阻害もまた、HL-60分化細胞およびヒト好酸球の両方においてカルシウム移動を減少させ、ならびにエオタキシンに対する好酸球化学走性を減少させた。対応するセンスオリゴヌクレオチドも、ミスマッチオリゴヌクレオチドも、エオタキシンに対する反応に影響を与えない。
実施例4:IL-3、IL-5およびGM-CSF受容体の共通β鎖サブユニットの発現の減少におけるTOP 004の効率およびヒト細胞株における関連する細胞応答
107AおよびTOP 004の、IL-3受容体、IL-5受容体、およびGM-CSF受容体の共通β鎖サブユニットの発現に対する作用を試験するため、さらなる実験を行った。
TF-1細胞およびU937細胞中における、β鎖mRNA発現の修飾
図11A、図11Bおよび図11Cを参照すると、TF-1細胞におけるβ鎖mRNA発現の修飾が示される。TF-1細胞を、107Aアンチセンスで12時間処置した。図11Aを参照すると、RT-PCRを行って、TF-1細胞におけるβ鎖mRNA発現およびG3PDH mRNA発現を検出した。細胞を以下の通り処置した:レーン1、対照非処置;レーン2、センスオリゴヌクレオチド(10μM);レーン3、107A(10μM);レーン4、ミスマッチオリゴヌクレオチド(10μM)。非飽和性条件下での半定量的RT-PCRを使用して、β鎖mRNAおよびG3PDH(対照として使用)mRNAの発現を評価した。107A(10μM)での処置は、ほぼ完全にTF-1細胞中(図11A)およびU937処置細胞中(データは示さず)において、β鎖発現を阻害した。阻害は、107Aに特異的であり、そして内部対照(G3PDH mRNAに対応する450-bp生成物)により示されるように、RNA分解や細胞生存率の喪失によるものではなかった(図11A)。対照的に、β鎖mRNA発現は、非処置対照細胞中またはセンスオリゴヌクレオチドまたはミスマッチオリゴヌクレオチドで処置した細胞中においては阻害されなかった(図11A)。このように、107Aの活性は、β鎖mRNAの発現を阻害する際に特異的かつ効果的であった。
図11Bおよび図11Cを参照することにより、センスオリゴヌクレオチドおよび107A処置の、FACS解析により測定されたTF-1細胞の細胞表面でのβ鎖発現に対する作用が示される。図11Bは、非処置対照(PC)vs. センスオリゴヌクレオチド処置(S-ODN)を示し、そしてこの場合、NCが陰性対照を示す。図11Cは、107A(5、10、および20μMの変化する濃度で)により36時間処置した細胞における細胞表面発現を示す。アンチセンスオリゴヌクレオチドが細胞β-鎖タンパク質発現を阻害する能力は、結果として107A-処置細胞の表面上に、対応するより低濃度のβ鎖サブユニットを引き起こす。GM-CSF/IL-3/IL-5受容体の共通β鎖タンパク質に対するモノクローナル抗体(MAb)を、FACS解析と組み合わせて使用して、TF-1細胞上のβ鎖タンパク質の細胞表面発現を測定した。非処置TF-1細胞によるβ鎖発現レベルは非常に高く、そしてセンスオリゴヌクレオチド処置により影響を受けない。しかしながら、107Aの増加濃度(5、10、および20μM)は、濃度依存的にβ鎖発現レベルを顕著に減少させた(FACS解析において陽性の試験細胞の割合は、69.9%から27.8%へと減少した)。
図11Dは、TOP 004処置後のU937細胞における共通β鎖の発現の阻害を示す。U937細胞増加濃度のTOP 004(0.01、0.1、1および10μM)の存在下で12時間血清不含培地中でインキュベートした後RT-PCRを行い、48時間インキュベートした後FACS解析を行った。共通β鎖mRNA阻害またはタンパク質阻害の割合は、得られた値を非処置細胞のものと比較することにより決定した。実験を3重にして行い、そしてデータは平均±SE.を示す。図11D中で示される結果は、107Aアンチセンスに対して相同性なDAP含有残基を有するTOP 004アンチセンスが、mRNAレベルおよびタンパク質レベルで共通β鎖を阻害する際に有効あることを示す。さらに、少量のTOP 004(例えば、1μM)が、β鎖mRNAおよび対応するタンパク質をノックダウンするために十分であることが見いだされた。このように、このデータは、上述したような薬理学的組成物におけるDAP化学物質の効率性およびその使用を支持する。
細胞生存および機能研究
図12を参照することにより、GM-CSF、IL-3またはIL-5の存在下にて、107Aアンチセンスで処置されたTF-1細胞の増殖が示される。細胞を、107A(10μM)と共に5時間、1 ng/mL GM-CSFまたは3 ng/mL IL-3または3 ng/mL IL-5を含有する血清不含培地中でインキュベートした。インキュベーションを2日後に終了し、そして細胞増殖をalamar blueアッセイにより測定した(n=3)。結果を、吸光度(570-595)の平均±SDとして表す。
TF-1細胞は、増殖するためにはサイトカインGM-CSF、IL-3、またはIL-5を必要とし、そしてこれらのサイトカインに対する生物学的反応には、β鎖シグナル伝達経路が関与している。β鎖タンパク質の細胞表面発現の阻害は、これらのサイトカインの存在下でも、TF-1細胞の増殖を阻害することが期待された。107A(10μM)により、IL-3、IL-5、またはGM-CSFの存在下にて、TF-1細胞の増殖阻害が引き起こされる。これらの結果は、107Aによるβ鎖細胞表面タンパク質発現の阻害が、3種のサイトカインすべてに対する細胞生物学的反応を効果的に阻害することを示す。
好酸球は、GM-CSF、IL-3およびIL-5受容体を発現し、そして炎症およびアレルギーにおいて重要な働きをする。好酸球は、それらの分化、活性化、および生存のために、GM-CSF、IL-3、および特にIL-5を必要とする(Oddera et al., 1998, Lung. 176:237-247;Ohnishi et al., 1993, J. Allergy Clin. Immunol., 92: 607-615)。β鎖mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドが、IL-5に応答した好酸球生存を阻害する能力が研究された。図13Aおよび図13Bを参照することにより、107Aによる好酸球生存の修飾が示される。
図13Aを参照することにより、精製ヒト好酸球を、5%FBSおよび1.5 ng/mL IL-5を添加したRPMI培地中示される濃度(10、15、および20μM)で、一晩、107Aと共にインキュベートした。好酸球生存率を、トリパンブルー色素排除アッセイを使用して評価した。結果は、3回の実験の平均の結果である。示された濃度での107Aによる処置は、濃度依存的に、対照レベルと比較して、35%±12%(10μM)、43%±2%(15μM)、および54%±7%(20μM)と、好酸球生存を顕著に減少させた(p<0.01)。好酸球生存は、20μMの濃度の対照としてのセンスオリゴヌクレオチドで処置することにより、顕著な影響は受けなかった。このように、β鎖を標的化する107Aは、特異的サイトカインIL-5を含有する培養液の存在下であっても、好酸球生存を阻害した。
図13Bを参照した場合、精製ヒト好酸球は、5%FBSおよび2 ng/mL IL-5を添加したRPMI中、107A(15μM)の存在下または非存在下にて、48時間インキュベートした。好酸球生存率は、材料と方法において記載される様に、Annexin-V-FITCおよびヨウ化プロピジウム法を使用して、フローサイトメトリー解析により測定した。
好酸球を107Aで処置した場合、それらの生存率は、64%まで減少し、41%はアポトーシスによる。対照的に、非処置細胞においておよびセンスオリゴヌクレオチドで処置した細胞において、死細胞の割合は低かった。
このように、107Aアンチセンスは、RT-PCRおよびFACSにより測定した場合に、mRNAレベルおよびタンパク質レベルで、TF-1細胞、そして初代好酸球における共通β鎖の発現を特異的に阻害した。使用した実験条件下で、試験した細胞システムについて得られた最大効率は、20μMの濃度で得られた。107Aの存在下にて、IL-3、IL-5、またはGM-CSFが栄養因子として使用されたかどうかに関わらず、TF-1細胞の増殖は低下した。この結果は、β鎖に対する107Aアンチセンスの特異性および効率を示す。
好酸球生存を、IL-5の存在下にて107Aにより阻害したが、アポトーシスは、この阻害作用の結果である様であった。好酸球は、アレルギー性炎症において重要な働きをし、そしてそれらの分化、活性化、および生存のためにGM-CSF、IL-3、およびIL-5を必要とする(Adachi et al., 1995, Am. J. Respir. Grit. Care Med. 151: 618-623およびOddera et al., 1998, Lung. 176: 237-247)。喘息において、好酸球の蓄積および生存は、それらが好酸球カチオン性タンパク質を含む毒性生成物を放出するため、炎症および上皮組織損傷に対する重要な寄与因子であると考えられている(Walsh et al., 1997, Clin. Exp. Allergy 27: 482-487)。
実施例5:気管サンプルにおけるASM8標的遺伝子についてのmRNA解析
ASM8が標的とする標的遺伝子(β鎖サブユニットおよびCCR3)に対するmRNAレベルについて、カニクイザルにおける気管サンプルを解析するため、さらなる実験を行った。Day 15(最終投与後1日後)に、グループ1(対照)およびグループ4(高用量群;2.5 mg/kg/dayの標的用量レベル)のすべての主相の動物を犠死させてすぐに気管サンプルを回収し、そして液体窒素中で急速に凍結した。凍結気管サンプルを、RT-PCRにより標的mRNAレベルについて解析した。
有効な半定量的RT-PCR法を使用して、標的遺伝子発現レベル(βc-サブユニットおよびCCR3)を、サル気管サンプルについて測定した。βc-サブユニット-特異的PCR増幅およびCCR3-特異的PCR増幅を、対照処置動物および高用量ASM8-処置動物について、気管抽出物に対して行った(表7)。
グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(G3PDH)は、RT-PCR反応の解析において内部対照として一般的には使用されるが、肺および気管の穏やかな細胞浸潤物を観察した(沈着部位でのその他のアンチセンスオリゴヌクレオチドとともに典型的にはしばしば観察されることである)。このように、細胞浸潤物が、βc-サブユニットおよびCCR3の測定レベルに寄与するため(すなわち、免疫細胞がβc-サブユニットおよびCCR3を発現するため)、G3PDHがこの場合における内部対照として使用するために最も適切な遺伝子であるとは考えられない。その代わり、標的遺伝子の発現を、炎症性サイトカイン;すなわち、IL-4およびTNF-αについてのmRNAレベルに標準化した。結果は、ASM8処置動物において、ASM8の投与後およそ24時間後でさえも、βc-サブユニットmRNAおよびCCR3 mRNAのIL-4 mRNAに対する比発現が、それぞれ29%および24%に減少し、そしてTNF-αと比較した発現はそれぞれ30%および24%に減少したことを示す(表8)。
このように、ASM8処置は、サル気管組織が複雑であり、そしてASM8投与と組織サンプルの採取までに24時間が経過しているにも関わらず、炎症性サイトカインIL-4およびTNF-αと比較して、βc-サブユニットmRNA発現およびCCR3 mRNA発現を顕著に阻害する。
実施例6:ASM8の保存安定性
安定性試験を、様々な保存温度下でのASM8のオリゴヌクレオチド構成成分(TOP 004およびTOP 005)の完全性を評価するために行った。この情報は、ASM8についての最適な保存、再試験、および貯蔵寿命条件を定義するために重要である。
キャピラリーゲル電気泳動(CGE)および高性能(高圧)液体クロマトグラフィー(HPLC)が、アンチセンスオリゴヌクレオチドの化学的解析のために幅広く使用された。ASM8が2種のオリゴヌクレオチドから構成されるため、試験システムは、2種の個別のアンチセンス分子を適切に分離しなければならない。このように、以下のことが記載される:1)ASM8構成成分(TOP 004およびTOP 005)を分離し、そしてそれらの分解生成物を分離するための、陰イオン交換クロマトグラフィーに基づく方法、および2)保存温度の、ASM8構成成分の安定性に対する作用(図14〜16)。
ASM8を秤量し、そしてPBS中に、0.5 mg/mLの濃度(0.25 mg/mL TOP 004および0.25 mg/mL TOP 005)で可溶化した。[TOP 004についての純度因子は1.15である(すなわち、1.15 gの粉末が、1 gの活性分子を含有する);TOP 005についての純度因子は1.24である(すなわち、1.24 gの粉末が、1 gの活性分子を含有する)]。
解析の前にTOP 004およびTOP 005の分解を誘導するため(無傷分子からの分解生成物の融解を確実にするため)、以下の処置を行った:
・脱プリン化:ASM8を、0.5 mg/mLの最終濃度で30%CH3COOH中に再懸濁し、そして3、4、または6時間、室温でインキュベートした。5容量の水を添加することにより反応を停止し、そして混合物をSpeed-Vac中での凍結乾燥まで-20℃におき、酢酸を除去した。
・切断:脱プリン化オリゴヌクレオチドを、0.2 M NaOH(0.5 mg/mL)中に再懸濁し、50℃で1時間インキュベートし、そして-20℃で保存するか、またはHPLCにより解析した。
PBS中のASM8の一部(0.5 mg/mL)を、-20℃、4℃、30℃、および40℃で、2ヶ月間インキュベートした。第4週、および第8週に、ASM8のHPLCプロファイルを得た。対照条件を、ASM8のHPLCプロファイルとして、その後いずれかの保存時間として(すなわち、時間ゼロの時点で)、定義した。HPLCシステムは、Watersから入手したBreeze(V 3.30)ソフトウェアにより駆動した(図17A1、図17A2、図17B1、および図17B2).
HPLC分離を、Waters 2487 Dual λ Absorbance検出器に連結そしてインライン脱気装置、オーブン、および1500シリーズマニュアルインジェクター、Reodyne 7725iを備えた、Waters 1500 Series Binary HPLCポンプを用いて行った。
オリゴヌクレオチドの混合物を、Waters Protein Pak DEAE 5PWアニオン交換カラム(0.5 cm×7.5 cm)上で分画し、60℃で維持し、そして260 nmでのUV吸収により検出した。オリゴヌクレオチド混合物(容量 = 25μL)を、水(バッファーA)中でカラムに装填し、そして溶出をバッファーB(1 M LiClO4)の比率を徐々に高めることにより行い、結果として液相のイオン強度が上昇し(表9)、それにより固相(カラム)からオリゴヌクレオチドを溶出した。
アッセイ条件下で、62.5μgのTOP 004またはTOP 005のいずれかは、260 nmで>0.15の吸光単位(AU)の測定可能な変化を生成した。
図14のクロマトグラムは、DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーの下での、ASM8の個々の生成物(TOP 004およびTOP 005)の溶出プロファイルを示す。25μLの容量の新たに調製されたASM8(0.5 mg/mL)を、DEAEアニオン交換カラム上で分画した。上述した勾配条件下では、TOP 004はTOP 005よりも早く溶出した;このことは、TOP 004が、TOP 005よりも2ヌクレオチド短く、負に荷電した残基が少ないことと一致している。TOP 004オリゴヌクレオチドは、81.3分で溶出され、そして260 nmで吸収する全物質の48.0%を示した。TOP 005は、86.8分で溶出され、そして260 nmで吸収する全物質の49.3%を示した。
TOP 004、TOP 005、およびASM8の分解生成物の間での適切な分離を確認するため、ASM8の2工程の化学的分解を行った。切断工程は定常状態を保ち、脱プリン化工程のためのインキュベーション時間を、3〜6時間行った。図15を参照することにより、ASM8(0.5 mg/mL)を、CH3COOHで3時間処置し、そしてアルカリ溶解に供し(上述したとおり)、その後DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーにより分画した。TOP 004オリゴヌクレオチドは、81.5分で溶出され、そして260 nmで吸収する全物質の32.4%を示した。TOP 005生成物は、86.9分で溶出され、そして全物質の28.0%を示した。より低いピークは、ASM8の分解生成物を示す。図16を参照することにより、ASM8(0.5 mg/mL)を、CH3COOHで6時間処置し、そして上述したアルカリ溶解に供し、その後DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーにより分画した。260 nmでの検出下で、TOP 004オリゴヌクレオチドは82.2分に溶出され、そしてTOP 005は86.7分に溶出された。脱プリン化の時間を長くすることにより、TOP 004の比率を20.6%にまで減少させ、そしてTOP 005の比率を14.5%にまで減少させた。TOP 005の分解の程度は、これらの実験条件下では、わずかに多い様であった。図15および図16におけるクロマトグラムに示されるように、脱プリン化の時間を長くすると、ASM8の分解が増大した。
図17A1、図17A2、図17B1、図17B2を参照することにより、異なる保存温度でのASM8の化学的安定性を評価した。ASM8(PBS中0.5 mg/mL)を、-20℃、4℃、30℃、または40℃で、4週間(図17A1および図17A2)および8週間(図17B1および図17B2)インキュベートし、そしてDEAE陰イオン交換クロマトグラフィーにより解析した。この実験において試験した様々な保存温度は、ASM8構成成分の溶出プロファイルに影響を与えなかった。ASM8を最大2ヶ月まで保存した際のいずれの温度でも、ASM8の顕著な分解は、観察されなかった。
DEAEアニオン交換HPLCに基づくASM8についての分離方法が、記載された。この生成物の性質のため、ASM8の構成成分(TOP 004およびTOP 005 オリゴヌクレオチド)を適切に分離することが好ましい。記載された勾配条件下では、TOP 004の保持時間が、TOP 005の保持時間よりも、5分間以上早く、2つのピークの重なりは非常に少なかった。
この方法は、ASM8の分解生成物を検出することもできる。異なる温度、湿度、および光条件のもとでのASM8の化学的安定性を、このHPLC法により評価することができる。
PBS中でのASM8の製剤は、化学的に安定であり、そして最大2ヶ月間の温度の範囲のもとで保存した後、HPLC法によって顕著な分解生成物は検出されなかった。
実施例7:ASM8の熱力学的評価
2種のオリゴヌクレオチド鎖、TOP 004およびTOP 005、が、熱力学的評価を使用して、溶液中で相互作用しないかを確認するため、さらなる実験を行った。
TOP 004およびTOP 005を、1×PBS中(並びにその他のバッファー系中)等モル濃度で混合した。全オリゴヌクレオチド濃度は、約1.2〜8.7μMの範囲であった。Tmアクセサリを付属したBeckman DU640分光光度計を使用して、標準UV熱変性法を行った。吸光度の変化を、10〜90℃の各温度で、260 nmで検出した。融解曲線を、MELTWIN 3.5TMソフトウェア使用して適合させ、熱力学的パラメータを決定した。融解曲線のスクリーン画像および熱力学的概要表を生成した。
図18を参照することにより、1×PBS中のTOP 004およびTOP 005についての融解曲線を示す。図19は、1×PBS中TOP 004およびTOP 005についての融解曲線適合の結果に基づく、熱力学的概要である。結果は、どのようなオリゴヌクレオチド組合せ/条件も、温度を上昇させた際の溶解プロファイルにおいて、顕著な遷移(吸光度の急上昇)を生成しないことを示した。このことにより、試験されたオリゴヌクレオチド混合物が、試験されたバッファー条件下で、顕著な二次構造相互作用を形成しないことが示された。
実施例8:アカゲザルにおけるASM8の毒性
本実施例は、TOP 004およびTOP 005の1:1混合物からなるASM8の毒性を示す。1日1回14日連続でカニクイザルに対して吸入曝露により投与した場合のその個別のオリゴヌクレオチド構成成分の毒物動態プロファイルもまた、示される。さらに、ASM8に対する14日の吸入曝露は、皮内注射(ID)により検出可能な全身性の過敏性症状を発生しなかった。
死亡率、臨床的徴候、体重、食物消費、心電図記録、検眼鏡検査(ophtalmoscopy)、および臨床病理の包括的な評価を行った。個々のオリゴヌクレオチド含量を測定するため、連続的血液サンプルを、曝露の第一日および最終日、そして回復期の最後に得て、そして組織を最後の時点で回収した。さらに、Day 25に、回復相に指定した動物に、ASM8の皮内注射(ID)を行い、潜在的全身性過敏反応を評価した。すべての動物を曝露から14日後(Day 15)に、または回復期14日後(Day 29)に、安楽死させ、そして各動物から完全な組織セットを回収することを伴う、完全な剖検に供した。
組織病理学的評価は、高用量群および対照群の動物に由来するすべての組織、および低用量群および回復期動物における気道組織の顕微鏡的調査から構成された。
ASM8の製剤は、容易にエアロゾル化され、そして一貫して安定でありそして呼吸に適した、1.7〜1.8μmの集団間質量中央径(inter-group mass median diameter;MMAD)および2.12〜2.22の幾何学的標準偏差(GSD)値を有する、曝露用エアロゾルを生成した。結果として推定された達成用量は、グループ2〜グループ4のそれぞれについて、0.05、0.22および2.5 mg/kg/dayで、標的に近接していた。表7〜8。
死亡例はなく、そしてサルは投薬によく耐えた。体重、食物消費、心電図記録、検眼鏡検査(ophtalmoscopy)または臨床病理パラメータに対する作用は存在せず、そして過敏性試験は、ASM8投与の作用を何ら示さなかった。剖検の後、器官重量測定により、毒性の証拠は何ら得られなかった。すべての器官の顕微鏡的調査は、ASM8処置動物において腎臓に淡い変色のみが示された。しかしながら、確証的な顕微鏡的変化、臨床病理的治験または器官重量変化がないため、そして変色が、回復期14日日後にはみられなかったという事実のため、この治験は、曖昧な生物学的および毒物学的特徴と考えられた。
TOP 004およびTOP 005の血漿レベル並びにそれらの近接(n-1)代謝物は、血漿中非常に少なく、低用量群および中程度用量群は定量限界以下であった。高用量群(2.5 mg/kg/day)については、TOP 004およびTOP 005濃度は、典型的に、投与後0.5時間の最初のサンプリング時間、または1時間の時点のいずれかで、最高であった。ほとんどの投与後時点では、TOP 004の平均濃度が、TOP 005の平均濃度と同様であった;図20Aおよび図20B。
図21Aおよび図21Bに示すように、繰り返し日投与を14日間行った場合、血漿中のいずれかのオリゴヌクレオチド構成成分(またはそれらのn-1代謝物)の蓄積もなかった。血漿濃度には、密接な性差は存在しなかった。割合は、TOP 004について若干低い傾向はあったが、循環性オリゴヌクレオチドの顕著な割合が、TOP 004およびTOP 005の両方に関する近傍のn-1代謝物として存在した。オリゴヌクレオチドおよびそれらのn-1代謝物について、血液区画(血漿)からのクリアランスは、24時間の回収期間により明らかであった。最終的な犠死(ASM8の投与の最後の吸入の後1日後)の時点で、ASM8の無傷オリゴヌクレオチド構成要素(TOP 004およびTOP 005)のかなりの量が、高用量動物の気管において検出された。14日の回復期の最後(Day 29)に、TOP 004-代謝物のレベルおよびそのn-1代謝物のレベルは、Day 15と比較して、消失し、そしてアッセイの検出限界のわずか上を測定した。対照的に、TOP 005またはその代謝物は何も、回復期の犠死時点で、定量されなかった。これらの結果から、TOP 004は、TOP 005よりも高い組織安定性を有することが示唆される。
気道以外のどの器官においても、顕微鏡的変化に関する治療が、何も観察されなかった。気道におけるすべての観察された変化を、4つの段階評価で、最低(最小)と格付けした。注目された変化は、以下のことを含んだ:肺について、0.22または2.5 mg/kg/dayを投与した動物における泡状肺胞マクロファージ、2.5 mg/kg/dayを投与した場合の肺胞内顆粒球性炎症、2.5 mg/kg/dayを投与した2個体の動物における局所出血および2.5 mg/kg/dayを投与した1個体の動物における局所細気管支異形成;鼻腔について:2.5 mg/kg/dayを投与した2/6の動物における鼻中隔の扁平上皮の局所的びらん、1個体のサルでは急性炎症および炎症性滲出物を伴う;そして気管支リンパ節について:2.5 mg/kg/dayを投与した動物における泡状マクロファージ。中程度投与動物および高投与量動物の肺において観察された変化の重症度は軽微なものであり、そして肺実質における局所損傷または細胞浸潤の証拠を伴わない。炎症性細胞はわずかであり、そして少数のASM8高投与量動物にのみ見られ、そして変化の分布は、被検物質の吸入と一致していた。局所出血は非常にわずかであり、そして偶然のものであると考えられた。このように、報告された変化は、一般的には、食作用および吸入された被検物質のクリアランスと関連する正常の肺機構と一致している。14日間の処置を中止すると、2個体のASM高投与量動物の内の1個体において、炎症は起こさずに、いくつかの泡状肺胞マクロファージが継続的に存在することを引き起こした。この知見は、病巣の緩やかな回復と一致しており、そして肺実質に進行や持続的変化が存在しないことを示す。
14日の回復期の後、処置の鼻組織に対する作用についての証拠は存在しなかった。高投与量動物における気管支リンパ節の知見に関して、髄洞中の泡状マクロファージは、肺からのリンパ節ドレナージにより、被検物質のクリアランスと一致している。実質損傷の証拠は存在せず、そしてリンパ節は、反応条件にあるようであった。
まとめると、最大2.5 mg/kg/dayの推定達成用量で、連続14日間のASM8の吸入は、十分に耐性であり、そして、体重、食物消費、心電図記録、器官重量、検眼鏡検査(ophtalmoscopy)または臨床病理パラメータに対してそれを生成し、および過敏性試験ASM8投与の作用を何も示さない。多数のほとんど最小の組織形態学的変化が、肺においてみられ(0.22および2.5 mg/kg/day)、そして鼻腔および気管リンパ節のものとして(2.5 mg/kg/day)注目された。これらの変化は、重症度を減少させるか、または14日の回復期の後に存在しなかった。
本発明の好ましい態様を本明細書中に記載したが、本発明の精神またはクレームに記載の範囲から離れることなく、それに対してバリエーションを行うことができることは、当業者により理解されるであろう。
本発明の好ましい態様のこれらのおよびその他の特徴は、添付される図面を参照する以下の詳細な記載中においてより明確になるだろう:
図1Aは、IL-3、IL-5およびGM-CSF受容体遺伝子についてのカニクイザル共通β鎖のPCR増幅から得られた3種類のクローンの、対応するヒト、チンパンジー、ブタ、ラットおよびマウス、ヒトTOP 004相補配列周辺のオルソログとの、配列アラインメントを示す。図1Bは、クローン化カニクイザル、ヒト、チンパンジー、ブタ、ラットおよびマウスの共通β鎖DNA配列における、TOP 004相補性セグメント周辺の翻訳領域の予想アミノ酸配列を示す。 図2Aは、非処置細胞と比較した場合に、カニクイザルPBMCにおいて、様々な濃度のTOP 004によるβ鎖(βc)mRNA発現の減少を示す。図2Bは、非処置細胞と比較した場合に、カニクイザルPBMCにおいて、様々な濃度のTOP 005によるCCR3 mRNA発現の減少を示す。 図3Aは、非処置細胞と比較した場合、カニクイザルPBMCにおいて、様々な濃度のTOP 004によるβ-鎖(βc)細胞表面タンパク質発現の減少を示す。図3Bは、非処置細胞と比較した場合に、カニクイザルPBMCにおいて、様々な濃度のTOP 005によるCCR3細胞表面タンパク質発現の減少を示す。 図4Aは、非処置細胞と比較した場合に、カニクイザルPBMCにおいて、様々な濃度のASM8によるβ鎖(βc)mRNA発現の減少を示す。図4Bは、非処置細胞と比較した場合に、カニクイザルPBMCにおいて、様々な濃度のASM8によるCCR3 mRNA発現の減少を示す。 図5は、HL60分化細胞中のCCR3 mRNA発現に対する、オリゴヌクレオチドの作用を示す。CCR3に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドA86は、G3PDH発現に対して何も作用を有さない対照オリゴヌクレオチドおよびセンスオリゴヌクレオチドと比較した場合、CCR3 mRNA発現を減少させることが示される。 図6は、オリゴヌクレオチド-処置HL-60 cl-15細胞におけるカルシウム移動アッセイを示す。A86処置細胞におけるエオタキシンに応答した移動の減少は、対照オリゴヌクレオチド処置細胞およびセンスオリゴヌクレオチド処置細胞と比較される。 図7は、エオタキシンに対する精製ヒト好酸球の化学走性反応に対する、オリゴヌクレオチドの作用を示す。A86処置好酸球との比化学走性反応を、対照およびセンス処置細胞と比較する。 図8は、エオタキシンに応答したオリゴヌクレオチド-処置好酸球におけるカルシウム移動アッセイを示す。A86で処置した好酸球におけるカルシウム移動を、オリゴヌクレオチドセンス処置細胞におけるカルシウム移動と比較する。 図9は、発現の%で示された、CCR3の細胞表面発現に対するTOP 005の作用vs Eol-1およびU937細胞におけるの対照の作用を示す。 図10は、ヒトPBMCにおけるmRNA発現に対する、TOP 005の作用を示す。G3PDHおよびCCR3発現を示すゲルは、上に棒グラフで示される。対照に対して正規化されたCCR3 mRNA発現のG3PDHに対する比は、下に示される。 図11Aは、β鎖(βc)mRNA発現または対照G3PDH mRNA発現を検出するためのRT-PCRを使用した、107A処置TF-1細胞におけるβ鎖(βc)mRNA発現の調節を示す。図11Bおよび図11Cは、FACS解析により測定した場合の、TF-1細胞の細胞表面上のβ鎖発現に対する、センスオリゴヌクレオチド処置および107A処置の作用を示す。 図11Dは、U937細胞における、mRNAレベルおよびタンパク質レベルでの共通β鎖発現に対する、TOP 004の作用を示す。 図12は、GM-CSF、IL-3、またはIL-5の存在下での、107Aで処置したTF-1細胞の増殖を示す。 図13Aは、トリパンブルー色素排除アッセイを使用して評価した、107Aによる好酸球生存の調節を示す。図13Bは、Annexin-V-FITC法およびヨウ化プロピジウム法を使用したフローサイトメトリー解析により評価した場合の、107Aによる好酸球生存の調節を示す。 図14は、DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーを使用した、ASM8の個々の生成物(TOP 004およびTOP 005)の溶出プロファイルを示す。 図15は、CH3COOHで3時間処置した後、アルカリ溶解に供し、その後DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーによる画分を行った後の、ASM8についての溶出プロファイルを示す。 図16は、CH3COOHで6時間処置した後、アルカリ溶解に供し、その後DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーによる画分を行った後の、ASM8についての溶出プロファイルを示す。 図17A1、図17A2、図17B1および図17B2は、様々な温度のもとで保存し、その後DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して溶出させた後の、ASM8の化学的安定性を示す。 図17A1、図17A2、図17B1および図17B2は、様々な温度のもとで保存し、その後DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して溶出させた後の、ASM8の化学的安定性を示す。 図17A1、図17A2、図17B1および図17B2は、様々な温度のもとで保存し、その後DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して溶出させた後の、ASM8の化学的安定性を示す。 図17A1、図17A2、図17B1および図17B2は、様々な温度のもとで保存し、その後DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して溶出させた後の、ASM8の化学的安定性を示す。 図18は、1×PBS中でのTOP 004およびTOP 005の溶解曲線を示す。 図19は、1×PBS中でのTOP 004およびTOP 005の溶解曲線適合度の結果に基づく、熱力学的概要を示す。 図20Aおよび図20Bは、TOP 004およびTOP 005の濃度、および高用量のASM8での処理後1日後に、サルの血漿中のそれらの代謝物を示す。 図21Aおよび21Bは、TOP 004およびTOP 005の濃度、および高用量のASM8で処置した後14日後のサル血漿中のそれらの代謝物を示す。

Claims (7)

  1. SEQ ID NO. 13の配列およびSEQ ID NO. 14の配列をそれぞれ含む配列を有する少なくとも2つのアンチセンスオリゴヌクレオチドを、医薬的に許容可能なキャリアと組み合わせて含む、喘息、アレルギー、過好酸球増加症、または一般的な炎症を治療および/または予防する際に使用するための、医薬組成物。
  2. 2つのオリゴヌクレオチドが、それぞれSEQ ID NO. 13の配列およびSEQ ID NO. 14の配列からなる、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 局所用である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 喘息の治療の際に使用するための、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
  5. 喘息、アレルギー、過好酸球増加症、または一般的な炎症を治療および/または予防する際に使用するための医薬の製造における、SEQ ID NO. 13の配列およびSEQ ID NO. 14の配列をそれぞれ含む配列を有する2つのアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用。
  6. 2つのオリゴヌクレオチドが、それぞれSEQ ID NO. 13およびSEQ ID NO. 14からなる配列を有する、請求項5に記載の使用。
  7. 医薬が喘息の治療のためのものである、請求項5または6に記載の使用。
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