JP5313706B2 - 地震動波形推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地震が発生した際に、その地震動が特定の想定点に到達する前に、当該想定点における地震動波形をリアルタイムに、かつ高い精度で推定することができる地震動波形推定方法に関するものである。
現在、地震発生時に、震源の近くで検知されたP波によって当該地震に関するリアルタイム地震情報を即時的に得る各種のシステムが開発されている。
そして、震源から数Km以上離れた地点においては、S波に起因する地震動の主要動が到達するまでに数秒から数十秒の余裕があることから、上記リアルタイム地震情報を利用することにより、地震発生後数秒程度で、発生した地震のマグニチュードや震源位置等に関する情報を受け取って、地震被害の発生を防止することが可能になっている。
しかしながら、現在運用されているリアルタイム地震情報は、発生した地震のマグニチュード、震源位置および震源深さ等の情報に限られているため、地震規模のリアルタイム推定は可能になったものの、発生した地震により、特定の想定地点において、地震動の変化、ピークの到来時期、あるいは継続時間といった地震動波形の詳細を地震到達前に知ることができないという問題点があった。
そこで、本発明者等は、先に下記特許文献1において、地震発生時に、その地震動が特定の想定点に到達する前に、当該想定点における地震動波形をリアルタイムに推定することが可能となる地震動波形推定方法を提案した。
この地震動波形推定方法は、予め複数の地震発生予測地域に対する当該予測地域と上記想定点との間の地震観測点と、上記想定点との間の地震動の伝達関数を求めておき、地震発生時に検知された震源位置に係るリアルタイム地震情報から上記当該震源位置に最も近い上記震動発生予測地域に対する上記伝達関数を抽出し、次いで上記観測点で得られた地震動波形の情報をリアルタイムに取得して、上記伝達関数に基づいて上記想定点における地震動波形をリアルタイムに推定することを特徴とするものである。
特開2006−194619号公報
ところで、一般に、このような伝達関数を用いて、地震発生時に地震発生予測地域で観測された地震動波形から想定点における地震動波形を推定する方法においては、上記地震発生予測地域において観測された地震動波形に、地震計における感度等の特性に依存した周波数帯の地震動成分が含まれている。
このため、上記伝達関数を用いて得られた上記想定点における推定の地震動波形には、地震発生時に、当該想定点において防災のための構造制御や機器制御を行う上で、判断の対象となる周波数帯に加えて、それ以外の必ずしも上記判断に必要ではない短周期や長周期の地震動成分やノイズが含まれてしまうという問題点があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、地震発生時に、その地震動が特定の想定点に到達する前に、当該想定点において必要とされる周波数帯の地震動波形を高い精度でリアルタイムに推定することができる地震動波形推定方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、過去の地震時に地震発生予測地域で観測された地震動波形と上記地震発生予測地域から離れた特定の想定点において観測された地震動波形とに基づいて、新たな地震発生時に上記想定点における地震動波形をリアルタイムに推定する地震動波形推定方法において、上記過去の地震時における上記地震動波形を得るに際して、上記地震発生予測地域で観測された上記地震動波形から、リアルタイムで第1のフィルタを介して上記想定点において上記新たな地震発生時に到達する地震動の大きさを判断するための対象となる周波数帯の地震動波形を抽出し、上記想定点で観測された上記地震動波形から当該地震動波形の形状および位相にずれを生じない第2のフィルタを介して上記周波数帯の地震動波形を抽出し、これら地震発生予測地域および想定点で得られた上記周波数帯の地震動波形から上記地震発生予測地域と上記想定点との間の伝達関数を求めた後に、上記第1のフィルタの周波数特性に当該伝達関数を掛け合わせた周波数伝達特性を有する地震動予測フィルタを作成し、上記新たな地震発生時に、上記地震発生予測地域で観測された上記地震動波形をリアルタイムに上記地震動予測フィルタに入力することにより、上記想定点における上記周波数帯の地震動波形をリアルタイムで推定することを特徴とするものである。
ここで、地震発生予測地域とは、各種の地震調査によって、今後地震が起きると推定される予想震源地およびその近傍の地域をいう。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記第1のフィルタが、観測された上記地震動波形からリアルタイムで周波数帯の地震動波形を抽出可能なデジタルフィルタまたはアナログフィルタであり、かつ上記第2のフィルタが、高速フーリエ変換機能(Fast Fourier Transform:以下FFT)を用いたバンドパスフィルタであることを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、予め、一箇所の上記想定点と複数の上記地震発生予測地域との間に対して、各々対応する複数の上記地震動予測フィルタを作成し、上記新たな地震発生時に、最も近接した上記地震発生予測地域と上記想定点との間の上記地震動予測フィルタを用いることを特徴とするものである。
請求項1〜3のいずれかに記載の発明においては、地震発生予測地域で観測された地震動波形から、リアルタイムで第1のフィルタを介して対象となる周波数帯の地震動波形を抽出する。すると、時々刻々と上記第1のフィルタによって抽出された地震動波形には、位相特性の変化が生じ、波形に時間遅れが生じたり、波形形状の山谷の継時変化特性が変化したりして、実際に観測された地震動波形とは異なった歪んだ特性が上記対象となる周波数帯成分に与えられてしまう。
他方、伝達関数を同定するための想定点で観測された地震動波形に対しては、リアルタイムでフィルタ処理を行う必要がないために、予め地震の全継続時間の時刻歴データを用いて、当該地震動波形の形状および位相にずれを生じない第2のフィルタを介して上記周波数帯の地震動波形を抽出する。
次いで、地震発生予測地域における地震動波形から第1のフィルタで抽出された対象とする周波数帯の地震動波形と、想定点における地震動波形から第2のフィルタで抽出された対象とする周波数帯の地震動波形を用いて、伝達関数を作成する。この伝達関数は、例えば上記特許文献1に開示された解析方法や、部分空間法などを用いて適当な次数の伝達関数モデルを同定することにより作成することができる。そして、第1のフィルタの周波数特性に、作成された上記伝達関数を掛け合わせた周波数伝達特性を有する地震動予測フィルタを作成する。
このようにして得られた地震動予測フィルタを用いることにより、第1のフィルタで抽出する際に生じた位相特性の変化を補正することができる。
そこで、新たな地震が発生した際に、上記地震発生予測地域で観測された地震動波形をリアルタイムに上記地震動予測フィルタに入力することにより、想定点において対象となる周波数帯の地震動波形をリアルタイムで、かつ高い精度で推定することができる。
ここで、請求項2に記載の発明のように、第1のフィルタとしては、観測された地震動波形からリアルタイムで周波数帯の地震動波形を抽出可能なデジタルフィルタまたはアナログフィルタが好適であり、第2のフィルタとしては、FFTを用いたバンドパスフィルタが好適である。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、一箇所の想定点に対して、複数の地震発生予測地域を想定して、各々の地震発生予測地域との間の地震動予測フィルタを作成しておくことにより、新たな地震がいずれかの地震発生予測地域で発生した場合にも、確実に上記想定点において対象となる周波数帯の地震動波形をリアルタイムで推定することが可能になる。
本発明の一実施例において用いた過去の地震と地震発生予測地域および想定点の位置を示す地図である。 本実施例において観測された地震動波形を示すものであり、(a)は地震発生予測地域A1における波形図、(b)は想定点A3おける波形図、(c)は想定点A4おける波形図である。 図1の地震発生予測地域で用いたフィルタの周波数特性を示す図である。 図2の地震動波形からフィルタによって抽出された地震動波形を示すものであり、(a)は地震発生予測地域A1における波形図、(b)は想定点A3おける波形図、(c)は想定点A4おける波形図である。 本実施例における地震動予測フィルタの周波数特性を示す図である。 上記地震動予測フィルタを用いて想定点A4における地震動を推定した結果を示すものであり、(a)は前震での検証結果、(b)は本震での検証結果、(c)は余震での検証結果である。
以下、本発明に係る地震動波形推定方法の一実施形態について説明する。
先ず、今後地震が起きると推定される震源地またはその近傍の地震発生予測地域と、当該地震発生予測地域から離れた特定の想定点を特定する。そして、上記震源地において過去に発生した地震時に観測された上記地震発生予測地域および想定点での地震動波形に基づいて、上記地震発生予測地域と想定点との間の伝達関数を同定する。
この際に、先ず上記地震発生予測地域で観測された地震動波形から、リアルタイムでデジタルフィルタまたはアナログフィルタ(第1のフィルタ)によって、上記想定点において新たな地震発生時に到達する地震動の大きさを判断するための対象となる周波数帯の地震動波形を抽出する。これにより、上記地震発生予測地域で観測された地震動波形に含まれている地震計の感度等に依存した周波数帯の地震動成分やノイズが除去される。
ちなみに、このようにして得られた上記周波数帯の地震動波形は、時々刻々上記フィルタから抽出されるために、波形に時間遅れ(位相のずれ)が生じたり、あるいは波形形状の継時変化特性が変化したりして、歪んだ周波数特性が周波数成分に与えられてしまっている。
他方、上記想定点で観測された地震動波形からも、フィルタを介して同様の周波数帯の地震動波形を抽出する。この際には、上記地震動波形について全継続時間の時刻歴データ(例えば、地震動が60秒間続いた場合には、当該60秒間の地震動波形)を用いることができるために、FFTを用いたバンドパスフィルタ(第2のフィルタ)を用いる。これにより、上記想定点で観測された地震動波形から、波形形状および位相にずれを生じない上記周波数帯の地震動波形を抽出することができる。
次いで、これらの地震発生予測地域および想定点で観測された地震動波形から、フィルタを介して抽出された対象とする周波数帯の地震動波形を用いて、上記地震発生予測地域と想定点との間の伝達関数を求める。この伝達関数は、例えば部分空間法を用いて同定することができる。この部分空間法は、伝達特性を下式(1)、(2)の状態方程式で表現し、A、B、C、Dの行列を同定する方法である。
Figure 0005313706
Figure 0005313706
ここで、u(i)は、地震発生予測地域における時刻ステップiで観測された地震動波形値であり、y(i)は、想定点における時刻ステップiで観測された地震動波形値である。また、X(i)は、状態ベクトルであり、伝達特性のモデル次数と等しい次元を持つ。
次に、地震発生予測地域の地震動波形から対象となる周波数帯の地震動波形を抽出する際に用いたリアルタイムでデジタルフィルタまたはアナログフィルタ(第1のフィルタ)の周波数特性に得られた伝達関数を掛け合わせて地震動予測フィルタを作成する。
そして、地震が発生した時に、上記地震発生予測地域で観測された地震動波形を、上記地震動予測フィルタに入力することにより、想定点における上記周波数帯の地震動波形をリアルタイムで推定する。
以上のように、上記構成からなる地震動波形推定方法によれば、地震が発生した際に、上記地震発生予測地域で観測された地震動波形を上記地震動予測フィルタに入力することにより、想定点において対象となる周波数帯の地震動波形をリアルタイムで、かつ高い精度で推定することができる。
この結果、第1および第2のフィルタによって抽出する「想定点において対象となる周波数帯」を、利用する制御対象の卓越周波数によって適宜設定することにより、上記地震動波形推定方法を用いて推定した地震動波形に基づいて、より高度な機器制御や建物の制御を行うことが可能になる。
例えば、超高層ビルや免震構造物の制御に利用する場合は、これらの構造物の卓越周波数が存在する0.5Hz〜0.16Hz(2秒〜6秒)程度の範囲を含む周波数帯を対象とすればよい。また、1Hzの卓越周波数を持つ機器の場合は、1Hzを含む前後の周波数帯(例えば0.5HZ〜2hz)程度を対象とすればよい。
次に、図1〜図6に基づいて、本発明に係る地震動波形推定方法の実施例について説明する。
図1に示すように、地震動予測フィルタを作成するための過去の地震として、2004年紀伊半島南東沖地震を選択した。この地震では、前震、本震および余震が発生している。そこで、前震の観測記録から地震動予測フィルタを作成し、本震と余震の想定点における地震動を推定した。
先ず、防災科学技術研究所の基盤強震観測網(KiK-net)により収集された観測データの観測点から、A、B、Cと直線状の測線を選定し、震源に最も近い観測点A1(SZOH36)、B1(AICH06)、C1(MIEH05)を上記地震発生予測地域とした。そして、本実施例においては、A測線に沿って地震発生予測地域A1で観測された地震動から、想定点A3あるいは想定点A4に伝搬する地震動について検証した。
図2は、上記地震発生予測地域A1、想定点A3および想定点A4において観測された加速度の地震動波形を示すものであり、各々の地震動波形には、短周期成分が含まれている。
そこで次に、これらの観測された地震動波形に、フィルタをかけた。上述したように、当該フィルタは、地震動を推定する際にはオンラインで作用させる必要があるため、地震発生予測地域A1の地震動波形に対しては、アナログフィルタやデジタルフィルタを用いる必要がある。ちなみに、本実施例においては、その1例として、4次のバンドパスフィルタを使用した。
このバンドパスフィルタの周波数特性は、下式(3)によって示される。
Figure 0005313706
ここで、ζd=0.707、ωd=2.0、ζh=0.6、ωh=0.1とした。
図3は、式(3)によって示される上記4次のバンドパスフィルタの周波数特性を示すものであり、位相特性からも周波数成分に位相遅れが生じることが判る。
そして、このバンドパスフィルタに、地震発生予測地域A1の地震動波形を通して、さらに1回積分することにより、上記対象となる周波数帯の速度波形を抽出した。
これに対して、想定点A3、A4で観測された地震動波形については、FFTを用いたバンドパスフィルタによって、対象となる周波数帯の位相遅れのない地震動波形を抽出し、さらに1回積分することにより速度波形を作成した。ただし、各々の地震動波形はP波到達時刻を0として、本実施例では200秒間の波形を抽出して、それぞれに対して上記フィルタ処理を行った。
図4は、上記フィルタ処理によって抽出された地震発生予測地域A1、想定点A3および想定点A4の上記対象となる周波数帯の地震動波形を示すものである。
次いで、上記フィルタ処理によって抽出された上記周波数帯の地震動波形を用いて、A1−A3間、あるいはA1−A4間の伝達関数を同定した。
ここで、地震発生予測地域A1と想定点A3と間の距離は、52kmであり、地震発生予測地域A1と想定点A4との間の距離は、78kmである。そこで、A1−A3間の伝達関数を同定する場合には、想定点A3で観測された地震動波形の開始時刻を10秒間進めた。また、A1−A4間の伝達関数を同定する場合には、想定点A4で観測された地震動波形の開始時間を15.4秒進めた。これを換言すれば、想定点A3に対して得られる地震動波形は、当該地震動が到達する10秒前に、想定点A4に対して得られる地震動波形は、当該地震動が到達する15.4秒前に、それぞれ推定可能である事を示している。
また、伝達関数の同定には、式(1)、(2)で示した部分空間法を用いた。なお、伝達関数のモデル次数は6とした。
そして、得られた伝達関数に、地震発生予測地域A1の地震動波形のフィルタ処理に用いた4次のバンドパスフィルタの周波数特性を掛け合わせて、地震動予測フィルタを作成した。
すなわち、式(3)で示した上記バンドパスフィルタの周波数特性は、状態方程式として、下記式(4)、(5)で表すことができる。
Figure 0005313706
Figure 0005313706
ここで、χ(i)は、地震動予測地域A1で観測された(または観測される)地震動波形、u(i)は、上記バンドパスフィルタの出力、Z(i)は、上記バンドパスフィルタの状態量であり、AFは4×4、BFは4×1、CFは1×4、DFは4×1の行列である。
また、式(1)、(2)において、A、B、C、Dの行列が同定された伝達関数の状態方程式は、式(6)、(7)に示すとおりである。
Figure 0005313706
Figure 0005313706
ここで、u(i)は、地震発生予測地域A1で観測された地震動波形に対する上記バンドパスフィルタからの出力であって、上記伝達関数への入力である。また、y(i)は、上記伝達関数からの出力すなわち、想定点3(4)における地震動の推定波形である。
そして、上記バンドパスフィルタの周波数特性と上記伝達関数を掛け合わせて地震動予測フィルタを作成するとは、上記式(4)〜式(7)を併合して、下式(8)、(9)を作成することに相当する。
Figure 0005313706
Figure 0005313706
図5は、このようにして得られた地震動予測フィルタの周波数特性を示すものである。
そして、地震発生時に、上記式(8)、(9)に、地震発生予測地域で観測された地震動波形χ(i)を直接入力して、想定点A3(A4)の対象となる周波数帯の推定地震動波形を直接計算することができる。この際に、地震動波形χ(i)から推定地震動波形y(i)は、地震動データのサンプリング周期(0.01秒程度)1ステップ分の遅れで計算することができる。
図6は、上記地震動予測フィルタを用いて、想定点A4における地震動を推定した結果を示すものである。なお、本実施例においては、前震の観測波形を用いて地震動予測フィルタを作成したため、前震での検証結果と、同じフィルタを用いて本震と余震の波形推定を行った結果を示している。また、本震と余震についても想定点A4の観測波形は,前震と同じ15.4秒進めている。
図6から、本発明に係る地震動波形推定方法によれば、地震発生時に、上記地震発生予測地域A1で観測された地震動波形をリアルタイムで上記地震動予測フィルタに入力することにより、想定点A4において対象となる周波数帯の地震動波形をリアルタイムで、かつ高い精度で推定することができることが検証された。
なお、上記実施形態および実施例においては、過去に観測された地震動波形を用いて地震動予測フィルタを作成する場合についてのみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、地震動シミュレーションによって得られた地震動波形を用いて上記地震動予測フィルタを作成することも可能である。
地震発生時に、その地震動が特定の想定点に到達する前に、当該想定点における地震動波形をリアルタイムに、かつ高い精度で推定するために利用される。
A1 地震発生予測地域
A3、A4 想定点

Claims (3)

  1. 過去の地震時に地震発生予測地域で観測された地震動波形と上記地震発生予測地域から離れた特定の想定点において観測された地震動波形とに基づいて、新たな地震発生時に上記想定点における地震動波形をリアルタイムに推定する地震動波形推定方法において、
    上記過去の地震時における上記地震動波形を得るに際して、上記地震発生予測地域で観測された上記地震動波形から、リアルタイムで第1のフィルタを介して上記想定点において上記新たな地震発生時に到達する地震動の大きさを判断するための対象となる周波数帯の地震動波形を抽出し、上記想定点で観測された上記地震動波形から当該地震動波形の形状および位相にずれを生じない第2のフィルタを介して上記周波数帯の地震動波形を抽出し、これら地震発生予測地域および想定点で得られた上記周波数帯の地震動波形から上記地震発生予測地域と上記想定点との間の伝達関数を求めた後に、上記第1のフィルタの周波数特性に当該伝達関数を掛け合わせた周波数伝達特性を有する地震動予測フィルタを作成し、
    上記新たな地震発生時に、上記地震発生予測地域で観測された上記地震動波形をリアルタイムに上記地震動予測フィルタに入力することにより、上記想定点における上記周波数帯の地震動波形をリアルタイムで推定することを特徴とする地震動波形推定方法。
  2. 上記第1のフィルタは、観測された上記地震動波形からリアルタイムで周波数帯の地震動波形を抽出可能なデジタルフィルタまたはアナログフィルタであり、かつ上記第2のフィルタは、高速フーリエ変換機能を用いたバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項1に記載の地震動波形推定方法。
  3. 予め、一箇所の上記想定点と複数の上記地震発生予測地域との間に対して、各々対応する複数の上記地震動予測フィルタを作成し、上記新たな地震発生時に、最も近接した上記地震発生予測地域と上記想定点との間の上記地震動予測フィルタを用いことを特徴とする請求項1または2に記載の地震動波形推定方法。
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