以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、可変始動入賞装置26、可変入賞装置30等が設置されている。また遊技領域8aの中央から右上部にかけては、比較的大型の可動入球装置28が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、普通入賞口22,24に入賞(入球)したり、あるいは、作動時(開放時)の可変始動入賞装置26に入賞したり、同じく作動時(開放時)の可動入球装置28に入賞したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、始動ゲート20の直ぐ下方には前面開口型の普通入賞口25が設けられており、この普通入賞口25の下端位置には球受部材25aが設置されている。始動ゲート20を通過した遊技球は、その段階では入賞とならないが、球受部材25aによって流下方向を変化されることで、無作為に普通入賞口25に入賞することがある。また、可動入球装置28内に流入(入賞)した遊技球は、さらにその内部で流下や転動、保留等の過程を経て振り分け動作が行われた後に排出され、遊技盤8の裏側へ回収される。なお、可動入球装置28内での遊技球の振り分け動作については、別の拡大図を参照しながらさらに後述する。
上記の可変始動入賞装置26は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って始動入賞口26aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。また、始動入賞口26aは盤面に開口した前面開口型であり、始動入賞装置26は例えば図示しない舌片型(ベロタイプ)の可動片を有している。この可動片は、例えば図示しない普通電動役物ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。すなわち、可動片は盤面より奥に引っ込んだ位置(閉止位置)にある状態で始動入賞口26aへの入賞を不能(遊技球が始動入賞口26aの前面を単に通過する状態)にしているが、盤面より手前側へ突出した位置(開放位置)に移動すると、始動入賞口26aの上方から流下してくる遊技球を受け止め、始動入賞口26aへの流入を案内する。この間に可変始動入賞装置26は遊技球の流入が可能な状態となり、始動入賞口26aへの入賞を発生させる。
可動入球装置28は、特定の条件が満たされた場合(特別図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、遊技球の流入を可能にする。すなわち可動入球装置28は、遊技領域8aの上部位置に設けられた可動片28a(いわゆる羽根部材)を有しており、この可動片28aは、例えば図示しない第1アタッカソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って所定角度だけ往復回転する。図示のように可動片28aは略直立した状態で流入口28bを閉止した状態にあり、このため可動入球装置28への遊技球の流入は常に不能となっている。可動入球装置28が作動すると、可動片28aがその基端部を中心として遊技領域8a内の左方向へ倒れるようにして変位し、流入口28bを開放することで可動入球装置28への遊技球の流入を可能にする。可動片28a及び流入口28bは遊技領域8a内の上部位置、特に遊技球が最初に打ち込まれる位置の近くにあることから、可動入球装置28の作動時に遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球は、上部位置の障害釘に誘導されて容易に可動片28aに到達し、そのまま可動片28aに案内されて流入口28bに流入しやすくなる。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しない第2アタッカソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という特別な事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、可変始動入賞装置26や可動入球装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示されていないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、特別図柄表示装置34と特別図柄作動記憶ランプ34a、作動状態表示ランプ36、大当り表示ランプ37及び遊技状態表示ランプ38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により普通図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる。特別図柄表示装置34もまた、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。
また普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。同様に特別図柄作動記憶ランプ34aも、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせにより、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプがともに消灯のときは記憶数0個を表示し、1つのランプが点灯すると記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅すると記憶数2個を表示し、この状態からもう1つのランプが点灯すると記憶数3個を表示し、そして2つのランプがともに点滅すると記憶数4個を表示する、といった具合である。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば普通図柄表示装置33による普通図柄の変動表示中(確定停止表示時間を含む)に始動ゲート20を遊技球が通過すると、その通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その変動が停止した後、次に普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。特別図柄作動記憶ランプ34aは、特別図柄表示装置34による特別図柄の変動表示中(確定停止表示時間を含む)に上記の可変始動入賞装置26に遊技球が入賞すると、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その変動が停止した後、次に特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。このように、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない始動ゲート20の通過の回数を表している。また特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数(最大4個)は、その時点で未だ特別図柄の変動が開始されていない可変始動入賞装置26への入賞回数を表している。
各種の表示ランプ36,37,38は、それぞれLEDで構成されている。このうち作動状態表示ランプ36は、例えば可動入球装置28が開放可能な状態になると点灯表示され、可動入球装置28の作動が終了すると消灯される。また大当り表示ランプ37は、可変入賞装置30が開放可能な状態になると点灯表示され、可変入賞装置30の作動が終了すると消灯される。そして遊技状態表示ランプ38は、例えば可変入賞装置30の作動終了後に内部状態を変化させる機能(時間短縮機能)が作動すると点灯表示され、その機能が作動を停止すると消灯する。
なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び各種の表示ランプ36,37,38が1枚の統合表示基板(図示していない)に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成〕
上記の可動入球装置28には、その上部から右側縁部にかけて装飾ユニット40が設けられている。装飾ユニット40は各種の装飾部品40a,40b,40cを備えており、これら装飾部品40a,40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。
また可動入球装置28の内側領域には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には普通図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や装飾ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
遊技領域8a内には、可動入球装置28の左側縁部に沿って球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dの上端にはワープ入口40fが設けられており、このワープ入口40fは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口している。遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為にワープ入口40fを通じて球案内通路40d内に流入すると、その遊技球は球案内通路40dの内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40gが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40gに流下した遊技球は、その真下にある始動ゲート20を通過しやすくなる。ただし、遊技球がそのまま始動ゲート20を通過するかどうかは無作為であり、偶発的に接近してきた他の遊技球と衝突したり、周辺の障害釘に弾かれたりすることで、球放出路40gから流下した遊技球が始動ゲート20を通過しないこともある。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン41が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン41を操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、複合サブ制御基板ユニット171、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。このうち主制御基板ユニット170及び複合サブ制御基板ユニット171は、上記の遊技盤8の裏側に設置されており、複合サブ制御基板ユニット171は、裏側からみて裏カバーユニット178に覆われている。
この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160,161、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図4)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
〔可動入球装置内部の構成〕
図3は、遊技領域8aを拡大して示した図である。ここでは特に、可動入球装置28内部の構成と遊技球の振り分け動作について説明する。
可動入球装置28内には、上記の流入口28bを開放端として導入通路28cが形成されている。導入通路28cは、流入口28bから可動入球装置28内を斜め右下方向に向かって湾曲しながら延びている。可動入球装置28の作動時に流入口28bを通じて流入した遊技球は、全て導入通路28cを通じて可動入球装置28内に案内される。導入通路28cの途中には、第1アタッカ入賞スイッチ200が設けられており、可動入球装置28に流入した遊技球は、ここで第1アタッカ入賞スイッチ200により検出される。
また可動入球装置28内には、導入通路28cに続いて2つのルート振分体44,45が配置されている。これらルート振分体44,45は、例えば乗り物(ビークル)の車輪を模した形態を有しており、パチンコ機1の電源投入時は盤面に沿って一方向(例えば反時計回り)に回転している。このうち導入通路28cによる遊技球の案内方向でみて上流側に位置するルート振分体44には、その周縁部に3つのノーマル振り分け孔44aと1つのチャンス孔44bが形成されている。一方、下流側に位置するルート振分体45には、その周縁部に2つのノーマル振り分け孔45aと1つのスペシャル振り分け孔45bが形成されている。
可動入球装置28に流入した遊技球は、最初に導入通路28cを通じて上流側のルート振分体44に案内され、ここでルート振り分けが行われる。可動入球装置28内の上部位置には、大きく分けてノーマルルート用の案内通路28dとスペシャルルート用の案内通路28eが設けられており、2つのルート振分体44,45によって遊技球の転動先は案内通路28d,28eのいずれかに大きく振り分けられる。
〔1回目のルート振分動作〕
具体的には先ず、遊技球が上流側のルート振分体44に到達すると、ここで遊技球は3つあるノーマル振り分け孔44a又はチャンス孔44bのいずれかに入り込む。このとき遊技球が3つのノーマル振り分け孔44aのどれかに入り込むと、その時点でノーマルルートへの振り分けが確定する。すなわち可動入球装置28の内部には、ルート振分体44の奥に流下通路44cが形成されており、いずれかのノーマル振り分け孔44aに入り込んだ遊技球は、ルート振分体44の回転に伴い流下通路44c内に放出される。流下通路44cは内部で案内通路28dに通じており、流下通路44c内に放出された遊技球は、そこからノーマルルート用の案内通路28dに放出されることになる。
一方、チャンス孔44bに遊技球が入り込むと、その時点では未だ振り分け先が確定せず、次に下流側のルート振分体45に引き継がれる。可動入球装置28内には、2つのルート振分体44,45の間に連絡通路28fが設けられており、下流側のルート振分体45に引き継がれる遊技球は、ルート振分体44の回転に伴いチャンス孔44bから連絡通路28f内に放出され、そして下流側のルート振分体45に到達する。
〔2回目のルート振分動作〕
次に、遊技球が下流側のルート振分体45に到達すると、ここで遊技球は2つあるノーマル振り分け孔45a又はスペシャル振り分け孔45bのいずれかに入り込む。このとき遊技球が2つのノーマル振り分け孔45aのどちらかに入り込むと、その時点でノーマルルートへの振り分けが確定する。可動入球装置28の内部には、ルート振分体45の奥にも流下通路45cが形成されており、どちらかのノーマル振り分け孔45aに入り込んだ遊技球は、ルート振分体45の回転に伴い流下通路45c内に放出される。流下通路45cもまた内部で案内通路28dに通じており、流下通路45c内に放出された遊技球は、そこからノーマルルート用の案内通路28dに放出されることになる。
一方、スペシャル振り分け孔45bに遊技球が入り込むと、その時点でスペシャルルートへの振り分けが確定する。この場合、遊技球はルート振分体45の回転に伴い、スペシャル振り分け孔45bからスペシャルルート用の案内通路28e内に放出される。
〔ノーマルルート〕
先ず、ノーマルルートの構成について説明する。可動入球装置28内には、左側縁部に沿って流下通路28gが配置されている。この流下通路28gは、下端部分が可動入球装置28の下縁部に沿って左斜め下方に屈曲されており、そのまま左下方に開放している。また流下通路28gの途中には、ノーマルルートスイッチ202及び第1ストッパ190(保留装置)がそれぞれ設けられている。ノーマルルートに振り分けられた遊技球は、流下通路28gを流下する過程でノーマルルートスイッチ202により検出される。またこれを受けて、例えば遊技球がノーマルルートに振り分けられた場合のノーマルパターン演出が液晶表示器42等において実行される。
第1ストッパ190は、図示しない第1ストッパソレノイドにより往復動作可能であり、この往復動作に伴い、流下通路28gを堰き止める保留位置と流下通路28gを流通させる退避位置とに移動する。第1ストッパ190が上記の保留位置に移動すると、流下通路28gを流下する遊技球が一旦そこで堰き止められ、一時的に流下を保留される。この状態で第1ストッパ190が退避位置に移動すると、それまで保留されていた遊技球が再び流下していく。なお、流下通路28g内に2個以上の遊技球が流下していた場合、第1ストッパ190は1個の遊技球だけを保留し、2個目以降の遊技球を可動入球装置28から排出する(排出経路は図示されていない)。
可動入球装置28の下縁部には振り分けステージ28hが形成されており、流下通路28gの開放端から放出された遊技球は、振り分けステージ28h上に放出される。振り分けステージ28hは、例えば手前側(パチンコ機1に相対する遊技者側)に向かって僅かに下り傾斜しており、その上面はある程度の奥行きと横幅を有している。
〔振分動作手段〕
振り分けステージ28h内には、第1回転体440が設けられている。第1回転体440は、例えば空飛ぶ円盤のような飛行物体を模した形態を有しており、パチンコ機1の電源投入時は振り分けステージ28hの上面に沿って一方向(例えば上面視で反時計回り)に回転している。また第1回転体440には、その周縁部に7つのアウト振り分け孔440a(全ては図示されていない)と1つのV入賞孔440bが形成されている。
振り分けステージ28h上に放出された遊技球は、無作為に転動しながら第1回転体440に接近していくと、上記のアウト振り分け孔440a又はV入賞孔440bのいずれかに入り込む。特に図示していないが、第1回転体440の内部には特定領域としてV入賞通路が形成されており、上記のV入賞孔440b内に入り込んだ遊技球は、このV入賞通路を通過した後に可動入球装置28から排出される。また、V入賞通路には図示しない特定領域スイッチが設けられており、V入賞通路を通過する遊技球は特定領域スイッチにより検出される。また、上記のアウト振り分け孔440aに入り込んだ遊技球は、V入賞通路を通過することなく可動入球装置28から排出される。
〔スペシャルルート〕
次にスペシャルルートの構成について説明する。案内通路28eの途中にはスペシャルルートスイッチ204が設けられており、スペシャルルートに振り分けられた遊技球は、案内通路28eを流下する過程でスペシャルルートスイッチ204により検出される。またこれを受けて、例えば遊技球がスペシャルルートに振り分けられた場合のスペシャルパターン演出が液晶表示器42等において実行される。なお、この場合の演出内容は、先のノーマルパターン演出よりも期待感の高い内容(例えば見た目上でも派手な内容)とすることが好ましい。また上記の案内通路28eの下端位置には第2ストッパ192(保留装置)が設けられている。
第2ストッパ192は、図示しない第2ストッパソレノイドにより往復動作可能であり、この往復動作に伴い、案内通路28eの下端を閉止する保留位置と案内通路28eの下端を開放する開放位置とに移動する。第2ストッパ192が上記の保留位置に移動すると、案内通路28eの下端で遊技球が一時的に保留される。この状態で第2ストッパ192が開放位置に移動すると、それまで保留されていた遊技球が案内通路28eの下端から放出される。
可動入球装置28内には、案内通路28eの下方に球誘導体28kが設けられている。この球誘導体28kは、例えばワイングラスのような容器を模した形態を有しており、案内通路28eの下端から放出された(落下した)遊技球は、球誘導体28kの内側で無作為に転動する。また、球誘導体28kの奥には流下通路28mが形成されており、球誘導体28k内に落下した遊技球は、やがて流下通路28m内に流入する。
流下通路28mは可動入球装置28内を下方に延びており、その下端が遊技盤面にて開放されている。流下通路28mの開放端より下方には案内通路28nが設けられており、この案内通路28nは右方向に下り傾斜を有している。流下通路28mに流入した遊技球は、その下端開放から放出されると案内通路28nに受け止められ、その下り傾斜に沿って右方向へ転動する。
〔振分動作手段〕
さらに可動入球装置28内には、第2回転体442が設けられている。この第2回転体442は上記の案内通路28nの下端に隣接して位置しており、案内通路28nを転動してきた遊技球は、最終的に第2回転体442によって振り分けられる。
第2回転体442もまた、例えば乗り物の車輪を模した形態を有しており、パチンコ機1の電源投入時は盤面に沿って一方向(例えば反時計回り)に回転している。また第2回転体442には、その周縁部に2つのアウト振り分け孔442aと1つのV入賞孔442bが形成されている。
案内通路28nから放出された遊技球は、そのときの第2回転体442の回転角度(回転位置)に応じてアウト振り分け孔442a又はV入賞孔442bのいずれかに入り込む。ここでも特に図示していないが、第2回転体442の内部には特定領域としてV入賞通路が形成されており、上記のV入賞孔442b内に入り込んだ遊技球は、このV入賞通路を通過した後に可動入球装置28から排出される。また、V入賞通路には図示しない特定領域スイッチが設けられており、V入賞通路を通過する遊技球は特定領域スイッチにより検出される。また、アウト振り分け孔442aに入り込んだ遊技球は、V入賞通路を通過することなく可動入球装置28から排出される。
このように可動入球装置28内での遊技球の振り分け動作は、先ず(1)ルート振分体44,45によるノーマルルート又はスペシャルルートへの振り分けを行った後、(2)ノーマルルートに振り分けられた場合は第1回転体440による振り分け、(3)スペシャルルートに振り分けられた場合は第2回転体442による振り分けが行われる。このとき、(2)の第1回転体440による振り分けでは8分の1で特定領域を通過するが、(3)の第2回転体442による振り分けでは3分の1の比較的高確率で特定領域を通過することになる。
このため可動入球装置28内に遊技球が流入した場合、先ず「ノーマルルート又はスペシャルルートのどちらに振り分けられるか」に関して遊技者の興味を惹き付けた後、次に「各ルートにおいて特定領域を遊技球が通過するかどうか」に関してさらに遊技者の興味を惹き付けることができる。特にスペシャルルートへの振り分けが行われた場合、特定領域を通過する確率が3分の1と極めて高くなるため、そこで一気に遊技者の興味を高めることができる。
〔逆転パターンによる振り分け動作〕
ここで本実施形態では、振り分けステージ28h上に放出された遊技球がアウト振り分け孔440a又はV入賞孔440bのいずれにも入り込まない場合もあり得る。例えば、振り分けステージ28hは第1回転体440よりも右側領域に右方向への下り傾斜が設けられており、第1回転体440を通過して右側領域に到達した遊技球は、その下り傾斜に沿って右方向へ転動する。そして可動入球装置28内には、振り分けステージ28hの右端位置に第3ストッパ194が設けられており、振り分けステージ28hの右側領域を右方向へ転動した遊技球は、第3ストッパ194に受け止められる。
第3ストッパ194は、図示しない第3ストッパモータ(第1,第2ストッパ同様にソレノイドでもよい)により上下方向に往復動作可能であり、この往復動作に伴い、遊技球を受け止める保留位置と遊技球を上記の案内通路28nに放出する放出位置とに移動することができる。第3ストッパ194は、上記の保留位置にある状態で振り分けステージ28hから転動してきた遊技球を保留する。この状態で第3ストッパ194が図3中の2点鎖線で示される放出位置まで上昇すると、それまで保留されていた遊技球が右方向へ転動し、案内通路28nに放出される。また、第3ストッパ194の近傍(ここでは下方)位置に近接方式の逆転検知スイッチ205が設置されており、第3ストッパ194に遊技球が受け止められると、その遊技球の存在が逆転検知スイッチ205により検出される。
これにより、一旦はノーマルルート(V入賞確率8分の1)に振り分けられた遊技球についても、第1回転体440を通過して第3ストッパ194に受け止められた場合は、そこから一気に逆転してスペシャルルートへの振り分けが行われた場合と同様のチャンス(第2回転体442によるV入賞確率3分の1の振り分け)を与えられる可能性が残されていることになるため、それだけ遊技者の興味を最後まで持続し、興趣の低下を抑えることができる。
なお、ここでは第3ストッパ194に貯留される場合として第1回転体440を通過したことを例に挙げているが、例えば第1回転体440にアウト振り分け孔440aとは別の逆転振分孔を設けておき、この逆転振分孔に入り込んだ遊技球が第1回転体440の回転に伴い、振り分けステージ28hの右側領域に放出されて第3ストッパ194に貯留される構成であってもよい。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。
また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力ドライバ(I/O)79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するための始動ゲートスイッチ80が内蔵して設けられている。また遊技盤8には、上述した可動入球装置28に対応して特定領域スイッチ82が設けられている。さらに遊技盤8には、可変始動入賞装置26に対応して特図始動入賞口スイッチ78が設けられている。これらの他にも、可動入球装置28内には上述した第1アタッカ入賞スイッチ200や排出検知スイッチ206が設けられている。なお排出検知スイッチ206は、可動入球装置28から排出された遊技球を検出し、その検出信号を出力するものである。これら検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。
この他にも遊技盤8には、カウントスイッチ208及び入賞口スイッチ210が設けられている。このうちカウントスイッチ208は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。また入賞口スイッチ210は、普通入賞口22,24,25への遊技球の入賞を検出するものである。これらスイッチ類208,210の入賞検出信号もまた主制御装置70に送信され、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態では始動ゲートスイッチ80及び特定領域スイッチ82からの検出信号が特に中継物を介することなく主制御装置70に送信されており、その他の検出信号はパネル中継端子板87を中継して主制御装置70に送信されている。パネル中継端子板87には、それぞれの検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
また遊技盤8には、上述した普通電動役物ソレノイド212や第1アタッカソレノイド214及び第2アタッカソレノイド216が設けられている。これらソレノイド212〜216には、主制御装置70(主制御CPU72)からパネル中継端子板87を経由して駆動信号が入力されるものとなっている。
また可動入球装置28内には、ルート振分体モータ218や上述した第1ストッパソレノイド220、第2ストッパソレノイド222、第3ストッパモータ224が設けられている他、第1回転体モータ226及び第2回転体モータ228が設けられている。このうちルート振分体モータ218は、ルート振分体44,45を回転させるものである。また第1回転体モータ226及び第2回転体モータ228は、それぞれ第1回転体440及び第2回転体442を回転させるためのものである。なお本実施形態では、電源投入後からルート振分体44,45や第1回転体440、第2回転体442等が一定動作を行うため、特にこれらの回転に関する原点位置の検出(モータインデックス)を行っていないが、それぞれにモータインデックスセンサやパルスエンコーダを設けても回転位置を検出してもよい。
本実施形態では、遊技盤8に例えば1枚の統合表示基板230が設けられており、この統合表示基板230に実装された状態で普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び各種の表示ランプ36〜38が設置されている。統合表示基板230には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信されており、普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a及び各種の表示ランプ36〜38は、いずれも主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34及びランプ33a,34a,36〜38に対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(ステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には受皿中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、受皿中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、受皿中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、受皿中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6にはCR基板122が内蔵されており、このCR基板122には上記の球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチや、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号がCR基板122から受皿中継端子板118、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120から受皿中継端子板118を経由してCR基板122に送信される。CR基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、上記の複合サブ制御基板ユニット171に内蔵されている。演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行うものである。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置26、可動入球装置28、可変入賞装置30、装飾ユニット40等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン41が接続されており、遊技者が演出切替ボタン41を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン41を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン41は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。また、可動入球装置28内には演出用の球検出器として、上述したノーマルルートスイッチ202やスペシャルルートスイッチ204、逆転検知スイッチ205が設けられている。これらの検出信号は、パネル電飾基板138を中継して送信され、図示しない入出力ドライバを介して演出制御CPUに入力される。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライトに印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。
また、遊技盤8の裏側には盤用外部端子板160が設置されており、そしてプラ枠アセンブリ7の裏側には枠用外部端子板161が設置されている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、それぞれ盤用外部端子板160、枠用外部端子板161を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報(特別図柄変動開始情報、賞球払出情報、大当り中、時間短縮機能作動中といった遊技ステータス情報)を出力することができる。盤用外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータで集計される。
〔遊技フロー〕
次に図5は、本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である。パチンコ機1による通常遊技は、遊技球を遊技領域8a内に打ち込む(発射する)ことで開始される。以下、遊技球の打ち出しを前提として遊技の流れについて説明する。
〔G01:通過始動〕
遊技球が遊技領域8a内を流下する過程で上記の始動ゲート20を通過すると、始動ゲートスイッチ80によって遊技球の通過が検出され、これを契機として普通図柄抽選が行われる。普通図柄抽選は、上記のように可変始動入賞装置26を作動させるか否かに関わる抽選(作動抽選)である。
〔G02:当り判定〕
普通図柄抽選は、例えば主制御装置70において当り決定乱数を内部的に取得し、この乱数値を予め定められた比較値と比較することで行われる(作動抽選実行手段)。また普通図柄抽選においては、当り決定乱数とともに当り種別決定乱数もまた合わせて取得されており、当り決定乱数が当り値の範囲内に該当していた場合、当り種別決定乱数の値を参照して当選種類が決定される。なお、ここで非当選となった場合はひとまずゲームフローが終了となり、改めて通過始動(G01)からゲームフローを開始することになる。
また本実施形態では、普通図柄抽選での当選種類として例えば「当選A」及び「当選B」の2つが用意されている。このうち一方の「当選A」に比較して、他方の「当選B」は当選確率が30倍程度の高確率に設定されている。
特に図示していないが、普通図柄抽選が行われると、普通図柄表示装置33において普通図柄が所定の変動時間にわたり変動表示された後、抽選結果を表す態様で停止表示される。なお、変動表示中に次の通過始動(始動ゲート20の通過)が発生した場合、そこで取得された乱数が記憶される(最大4個)。
〔G04:普通電動役物作動〕
普通図柄抽選で当選し、普通図柄表示装置33において普通図柄が当りの態様で停止表示されると、可変始動入賞装置26が作動する。なお本実施形態では、同じ当選でも上記の「当選A」に該当した場合の作動時間(開放時間)は比較的長く設定されている(例えば5.5秒程度)が、「当選B」に該当した場合の作動時間は極端に短く設定されている(例えば0.1秒程度)。この程度の極端な短時間の作動では、ほとんど可変始動入賞装置26(始動入賞口26a)への入賞は発生しにくい。一方、「当選A」に該当した場合はある程度の充分な開放時間が確保されるため、その間に始動入賞口26aに遊技球が入賞する可能性は充分にある。
〔G06:特図始動入賞判定〕
可変始動入賞装置26を作動に伴い、始動入賞口26aへの入賞が発生したか否かが判定される。本実施形態では、始動入賞口26aへの入賞を契機として特別図柄抽選(内部抽選)が行われるが、特別図柄抽選の当り確率は1(=1/1)に設定されているため、入賞の発生がそのまま当選に該当する。したがって、特に主制御装置70において内部的に当り判定乱数を取得する必要はないが、敢えて取得することとしてもよい。本実施形態では、特に始動入賞口26aへの入賞を契機として直接的に可変入賞装置30(第2アタッカ)が開放する当り(直当り)を設けていないが、ここで取得した当り判定乱数を用いて直当り判定を行ってもよい。なお、ここで入賞が発生しなかった場合はひとまずゲームフローが終了となり、改めて通過始動(G01)からゲームフローを開始することになる。
本実施形態では、特別図柄表示装置34による特別図柄の変動パターンをランダムに変化させるため、ここでは変動パターン決定乱数を取得するものとする。また特別図柄抽選においては、この後に可動入球装置28内で特定領域通過(V入賞)が発生した場合、大当り終了後に付加される時間短縮機能の作動回数(0回を含む)を決定する抽選を合わせて実行している。このため、特別図柄抽選にも複数の当選種類が用意されており、本実施形態では例えば大きく分けて「特図当選1」〜「特図当選4」の4種類が設けられているものとする。ただし、各当選種類にはさらに小分類として複数の当選種類(例えば「特図当選1a〜1j」、「特図当選2a〜2j」等)が設けられているものとする。
特別図柄抽選が実行されると、変動パターン決定乱数に基づいて決定された変動パターン(変動時間)にわたって特別図柄表示装置34により特別図柄の変動表示が行われた後、抽選結果を表す態様で特別図柄が停止表示される。本実施形態では特別図柄に「はずれ」の表示態様がなく、このときの停止表示態様は「特図当選1」〜「特図当選4」のいずれに該当したかを表すものとなっている。なお、上記のように各当選種類にはさらに細かな小分類が設けられており、それら全ての当選種類(例えば40種類以上)に対応して個別に停止表示態様が設定されているため、それだけ当選図柄の停止表示態様を多様化し、見かけ上の結果判別を困難にしている。
〔G08:第1アタッカ作動〕
いずれにしても、特別図柄表示装置34により特別図柄が確定停止表示されると、これを契機に可動入球装置28が作動(開放動作)する。可動入球装置28の作動は、上記のように可動片28aを開放位置に変化させるものであるが、本実施形態では所定の開放時間(例えば1.6秒程度)にわたり、1回だけ可動片28aを開放させるものとしている。
〔G10:役物入賞判定〕
次に、可動入球装置28の作動時に遊技球が流入(図中に「役物入賞」と表記)したか否かが判定される。ここで遊技球の流入があった場合、ゲームフローはさらに可動入球装置28内での振り分け動作に進行していくことになる。なお、可動入球装置28に遊技球が流入しなかった場合はひとまずゲームフローが終了となり、改めて通過始動(G01)からゲームフローを開始することになる。
〔G12:特定領域通過判定〕
ゲームフローが可動入球装置28内に進行すると、上記のように様々な遊技球の振り分け動作を経て、最終的に特定領域を遊技球が通過(V入賞)したか否かの判定が行われる。その結果、最終的に特定領域を通過することなく可動入球装置28から遊技球が排出された場合、残念ながらゲームフローはそこで終了となり、改めて通過始動(G01)からゲームフローを開始することになる。
〔G14:第2アタッカ作動(大当り図柄抽選演出)〕
これに対し、可動入球装置28内で遊技球の特定領域通過(V入賞)が発生した場合、可変入賞装置30(第2アタッカ)が作動する。このとき可変入賞装置30の作動は、いわゆる第1種特別電動役物遊技(大当り遊技)の場合と同様である。具体的には、例えば1回あたりの大入賞口の開放時間(例えば30秒程度)が経過するか、もしくは開放時間内に規定個数(例えば9個)の遊技球の入賞があるかのいずれかの条件が満たされるまでを1ラウンドとし、このラウンドを予め定められた連続作動回数(例えば16回)にわたって繰り返すというものである。このような大当り中(可変入賞装置30の作動中)は、通常時に閉止状態にある大入賞口への入賞を短期間内に数多く発生させることができるため、その間に遊技者はまとまって多くの賞球を獲得することができる。
ここで本実施形態では、可変入賞装置30の作動中(大当り中)に演出上で大当り図柄抽選が行われる。大当り図柄抽選演出は、今回の大当りが終了した後、どの程度の時短回数(時間短縮機能が作動する普通図柄抽選の上限回数)が付加されるかを遊技者に教示(又は開示、示唆等)するものである。なお大当り図柄演出抽選は、大当り中ではなく、大当り開始前に行われるものであってもよい。
〔大当り図柄抽選演出:図6を参照〕
図6は、大当り図柄抽選演出において表示される画像の例を示す連続図である。以下、大当り図柄抽選演出の流れについて概略的に説明する。
図6中(A):大当り図柄抽選演出にあたり、本実施形態では最初に大当り図柄の第1候補として、液晶表示器42の画面内に「黄色の7」をデザインした図柄が表示されるとともに、「ボーナス」の文字情報を表す画像が表示される。なお、このとき合わせて演出用の各種ランプ46,48,50,52を発光させたり、スピーカ54,55,56から効果音を出力させたりしてもよい(これ以降も同様)。
図6中(B):次に、第1候補として表示されていた大当り図柄が例えば画面外へ消え去るようにして移動する。そして、代わりに大当り図柄の第2候補として、画面内に「黄色の7」と「青色の7」をデザインした図柄が重なって表示されるとともに、「スーパーボーナス」の文字情報を表す画像が表示される。
図6中(C):さらに演出が進み、第2候補として表示されていた大当り図柄が画面外へ消え去るようにして移動する。そして、代わりに大当り図柄の第3候補として、画面内に「黄色の7」、「青色の7」及び「赤色の7」をデザインした3つの図柄が重なって表示されるとともに、「プレミアムボーナス」の文字情報を表す画像が表示される。
図6中(D):そして、第3候補として表示されていた大当り図柄もまた画面外へ消え去るようにして移動し、代わりに大当り図柄の第4候補として、画面内に「BAR」の文字をデザインした図柄が表示されるとともに、「シングルボーナス」の文字情報を表す画像が表示される。
この後、第1〜第4候補の大当り図柄が次々と画面に現れては消える動作を行うことで、あたかも大当り図柄抽選が行われているかのような演出が行われる。すなわち、図6中(D)に示される第4候補の図柄が表示された後、例えば再び図6中(A)に戻って第1候補の図柄が表示され、続いて図6中(B)の第2候補、図6中(C)の第3候補というように図柄がくるくると変化していく。
そして、最終的にいずれかの図柄が停止表示されると、それが今回の大当り図柄であったことを表す演出が行われる。今回の「大当り図柄」は、「大当り終了後にどの程度の時短回数が付加されるか」を教示(開示、示唆等)するものであり、本実施形態においては例えば以下の割り当てがなされている。
(1)「ボーナス」・・・時短回数1回、2回、3回、7回、50回のいずれか(ただし1回又は2回の比率が高い。)
(2)「スーパーボーナス」・・・時短回数2回、3回、7回、50回(ただし2回又は3回の比率が高い。)
(3)「プレミアムボーナス」・・・時短回数7回又は50回(50回の比率が高い。)
(4)「シングルボーナス」・・・時短なし(0回)
このように、今回の大当り図柄がいずれに該当するかは、その後に付加される時短回数に関わってくるため、大当り図柄抽選演出は遊技者にとって興味深いものとなる。ただし実際の制御上では、今回の大当りの直前に行われた特別図柄抽選(G06)において当選種別が既に決定済みであるため、ここでの大当り図柄抽選演出は、先に行われた抽選結果を演出的に表現していることになる。
〔G24:時間短縮状態への移行(図5を参照)〕
今回の大当りが上記の「ボーナス(G16)」、「スーパーボーナス(G18)」、「プレミアムボーナス(G20)」のいずれかに該当していた場合、その終了後に予め設定された回数の時間短縮状態に移行する。時間短縮状態に移行すると、普通図柄抽選において普通図柄の変動時間が通常よりも短縮(例えば28秒→1秒)されるとともに、「当選B」について開放時間が通常よりも延長(例えば0.1秒→5.5秒)される。したがって時間短縮状態では、通常よりも遊技者に有利な作動条件(開放時間延長)に基づいて可変始動入賞装置26の作動が制御されることになる。
そして、時間短縮状態に移行すると、始動ゲート20の通過に伴う可変始動入賞装置26の開放動作(長時間開放)が高頻度(特に「当選B」の確率1/1.78)で行われることになるため、それだけ可変始動入賞装置26への入賞が発生しやすくなる。その結果、可動入球装置28の作動も頻繁に発生することとなるため、ゲームフローは可動入球装置28内での振り分け動作にまで進行しやすくなる。
〔可動入球装置内でのゲームフロー〕
次に、可動入球装置28内で進行するゲームフローについて説明する。図7は、可動入球装置28内に遊技球が流入した場合に行われるゲームの流れを概略的に示すゲームフロー図である。
〔G50:ルート振り分け〕
可動入球装置28内では、上記のように先ず2つのルート振分体44,45によるルート振り分けが行われる。
〔G52:ノーマルルート〕
最初のルート振分体44でノーマル振り分け孔44aに入るか、もしくは2つ目のルート振分体45でノーマル振り分け孔45aに入った遊技球は、上記のようにノーマルルートへと振り分けられる。
〔G54:第1ストッパにて保留〕
ノーマルルートに振り分けられた遊技球は、上記のように流下通路28g内で保留される。このとき第1ストッパ190は、上記の第1ストッパソレノイド220により予め保留位置に移動されている。
〔G56:画像演出実行〕
第1ストッパ190による保留のタイミングに同期して、ノーマルルートスイッチ202からの検出信号に基づき、液晶表示器42の画面内で上記のノーマルパターン演出による画像演出が実行される。この画像演出は、例えば「これから遊技球が第1回転体440に向かって放出される」ということを予告する内容であり、それによって遊技球の行き先に遊技者の注意を惹き付けさせる効果を発揮する。
〔G58:第1ストッパ解除〕
第1ストッパ190による遊技球の保留が解除されるタイミングに同期して、これまで行われていた画像演出が概ね終了する。なお第1ストッパ190をはじめ、その他の第2ストッパ192及び第3ストッパ194は、いずれも予め定められたタイムスケジュールに従って順番に保留を解除する動作を行う。これらストッパ192〜194の解除の順番は、例えば可動片28aの開放を契機として、そこからタイマにより所定時間をカウントすると最初に第1ストッパ190の保留が解除され、その後にまた所定時間が経過すると、2番目に第2ストッパ192の保留が解除され、さらにその後、また所定時間が経過すると最後に第3ストッパ194の保留が解除されるものとなっている。これにより、先ず第1ストッパ190の解除で遊技球の振り分け動向を遊技者に注目させ、次に第2ストッパ192の解除でスペシャルルートでの遊技球の動向を遊技者に注目させ、さらに最後の第3ストッパ194の解除で最後の振り分け動向を遊技者に着目させるというゲームの流れをつくることができる。
〔G60:第1回転体到達〕
保留を解除された遊技球は、上記のように流下通路28gから振り分けステージ28hの上面に放出され、第1回転体440に到達する。このとき、遊技球の振り分け動向に遊技者の注目を集めることができる。
〔G62:特定領域通過判定〕
ここで上記のV入賞孔440bに遊技球が入り込むと、その遊技球がV入賞通路を通過する際に特定領域スイッチ82により特定領域の通過が検出される。
〔G64:第2アタッカ作動〕
特定領域通過が検出されると、上記のようにゲームフローは大当り遊技に進行し、可変入賞装置30(第2アタッカ)が作動することになる。
〔G78:逆転チャンス判定〕
第1回転体440で特定領域通過が検出されなかった場合、次に逆転チャンスが発生したか否かの判定が内部的に行われる。この判定は、例えば上記の逆転検知スイッチ205を用いて行うことができる。演出制御上で特に検出信号が入力されなければ、逆転チャンスが発生しなかったと判定することができる。この場合、可動入球装置28内でのゲームフローは終了し、改めて最初のゲームフロー(図5)が再開されることになる。またこの他に、排出検知スイッチ206を用いて逆転チャンスの判定を行ってもよい。例えば、第1ストッパ190による保留の解除後、特定領域通過が検出されることなく一定時間内に排出検知スイッチ206により遊技球の排出が検出された場合、特に逆転チャンスは発生しなかったと判定することができる。
これに対し、遊技球が振り分けステージ28hの右側領域を転動し、第3ストッパ194に受け入れられると、逆転検知スイッチ205から検出信号が入力されるため、それによって逆転チャンスが発生したと判定することができる。なお、ここでは逆転検知スイッチ205を用いて判定を行っているが、排出検知スイッチ206から一定時間内に検出信号が入力されなかった場合、逆転チャンスが発生したと判定するものであってもよい。
〔G80:第3ストッパにて保留〕
いずれにしても、逆転チャンスが発生した場合、第3ストッパ194にて一時的に遊技球が保留されている。なお第3ストッパ194は、上記の第3ストッパモータ224により予め保留位置(下降位置)に移動されている。
〔G82:画像演出実行〕
第3ストッパ194による保留のタイミングに同期して、液晶表示器42の画面内で画像演出が実行される。この画像演出は、例えば「これから遊技球が持ち上げられ、第2回転体442に向かって放出される」ということを予告する内容であり、それによって遊技球の行き先に遊技者の注意を惹き付けさせる効果を発揮する。特にこの場合は第1回転体440でV入賞を逃した後の逆転チャンスであるため、遊技者の期待感も大きく高まることになる。
〔G84:第3ストッパ解除〕
第3ストッパ194による遊技球の保留が解除されるタイミングに同期して、これまで行われていた画像演出が概ね終了する。保留の解除は、第3ストッパモータ224により第3ストッパ194を放出位置まで上昇させることで行われる。なおこの間、画像演出が継続されていてもよい。
〔G74:第2回転体到達〕
保留を解除された遊技球は、上記のように案内通路28n上を右方向に転動し、第2回転体442に到達する。なお、第2回転体442での振り分け動作については、次のスペシャルルートでの流れの中で説明する。
〔G66:スペシャルルート〕
2つ目のルート振分体45でスペシャル振り分け孔45bに入った遊技球は、上記のようにスペシャルルートへと振り分けられる。
〔G68:第2ストッパにて保留〕
スペシャルルートに振り分けられた遊技球は、上記のように案内通路28e内で第2ストッパ192にて保留される。なお第2ストッパ192は、上記の第2ストッパソレノイド222により予め保留位置に移動されている。
〔G70:画像演出実行〕
第2ストッパ192による保留のタイミングに同期して、スペシャルルートスイッチ204からの検出信号に基づき、液晶表示器42の画面内で上記のスペシャルパターン演出による画像演出が実行される。この画像演出は、例えば「これから遊技球が第2回転体442に向かって放出される」ということを予告する内容であり、それによって遊技球の行き先に遊技者の注意を惹き付けさせ、はらはらどきどきさせる効果を発揮する。特に第2回転体442の場合、特定領域通過(V入賞)の確率が第1回転体440よりも高いため、遊技者の期待感もそれだけ高くなっている。
〔G72:第2ストッパ解除〕
第2ストッパ192による遊技球の保留が解除されるタイミングに同期して、これまで行われていた画像演出が概ね終了する。
〔G74:第2回転体到達〕
保留を解除された遊技球は、上記のように球誘導体28kを経て流下通路28mを流下し、案内通路28nを介して第2回転体442に到達する。ここでさらに、遊技球の振り分け動向に遊技者の注目を集めることができる。特に第2回転体442による特定領域通過の振り分け率は高いため、ここで一気に遊技者の興趣を高めることができる。
〔G76:特定領域通過判定〕
このように、スペシャルルートから遊技球が到達した場合に加えて、上記の逆転チャンスを経て到達した場合についても、ここで上記のV入賞孔442bに遊技球が入り込むと、その遊技球がV入賞通路を通過する際に特定領域スイッチ82により特定領域の通過が検出される。
〔G64:第2アタッカ作動〕
そして特定領域通過が検出されると、上記のようにゲームフローは大当り遊技に進行し、可変入賞装置30(第2アタッカ)が作動することになる。
これに対し、特定領域通過が検出されることなく、排出検知スイッチ206により遊技球の排出が検出された場合、そこで可動入球装置28内でのゲームフローは終了となり、改めて最初のゲームフロー(図5)が再開されることになる。
以上が本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れであるが、このような遊技の進行やそれに伴う演出は上記の主制御装置70及び演出制御装置124を中心とする電子機器によって制御されている。以下、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について、電源投入時を含めて説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図8及び図9は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、マスクレジスタの初期設定を行う。
ステップS104:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS105を実行する。
ステップS105:主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS106を実行する。
ステップS106:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。チェック結果が正常であれば(Yes)、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)し、次に主制御CPU72はステップS107を実行する。
ステップS107:主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンドを送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、演出図柄の表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させる。
ステップS108:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元に、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。そして、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧し、そのプログラムアドレスから処理を続行する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS104:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS105:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS106:No)、主制御CPU72はステップS109に移行する。
ステップS109:主制御CPU72は、RAM76の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76にバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS110:また主制御CPU72は、RAM76のバッファ領域に確保されているコマンド送信要求バッファをクリアする。
ステップS111:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72がリセット後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS112:主制御CPU72は、CTC初期化処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期化を行う。そして主制御CPU72は、図8に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS113,ステップS114:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される信号を参照し、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。なお、電源遮断が発生すると、主制御CPU72はレジスタを退避し、RAM76全体の内容をバックアップして処理を停止(NOP)する。電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS115を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS115:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、普通図柄抽選による当り決定乱数又は特別図柄抽選で使用する当り決定乱数以外に各種の乱数をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図10中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS115では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS113で割込を禁止した後にステップS115を実行しているのは、別の割込処理(図10中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。
ステップS116,ステップS117:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図10)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
ステップS118:次に主制御CPU72は、割込回数カウンタの値を参照し、ここまでに実行した割込処理が所定回数(例えば2回)を超えたか否かを判断する。割込回数カウンタの値が所定値を超えていなければ(No)、主制御CPU72はステップS113に戻る。一方、割込回数カウンタの値が所定値を超えていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS119を実行する。これにより、メインループの実行中に少なくとも2回のタイマ割込が発生して別の割込管理処理が実行されるとともに、さらに主制御CPU72は、タイマ割込が発生する残り時間で電源断発生チェック処理(ステップS114)及び初期値更新乱数更新処理(ステップS115)を実行する。
ステップS119,ステップS120:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。また主制御CPU72は、RAM76のバッファ領域に確保されているポート出力要求バッファをクリアする。
ステップS121:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、別の割込処理(図10中のステップS203)において各種スイッチ80,200,208,210から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS122,ステップS123:主制御CPU72は、メインループ中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、上述したパチンコ機1における遊技(ゲームフロー)を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。
また普通図柄遊技処理では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置26の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は別の割込管理処理の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておく。そして主制御CPU72は、この普通図柄遊技処理の中で乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド212を励磁して可変始動入賞装置26を作動させる(動作制御手段)。なお、このときの停止表示態様は、上述した当選種別の「当選A」と「当選B」とで異なっている。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。なお、普通図柄遊技処理や特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS124:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は盤用外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報を出力する。
ステップS125:また主制御CPU72は、メインループにおいて試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、大当り中、時間短縮機能作動中、エラー発生中)を表す試験信号を生成し、これを主制御装置70の外部に出力する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS126:次に主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、RAM76のバッファ領域に確保されているポート出力要求バッファを参照し、各種ソレノイド(普通電動役物ソレノイド212、第1アタッカソレノイド214、第2アタッカソレノイド216、第1ストッパソレノイド220、第2ストッパソレノイド222)の励磁状態(ON又はOFF)を出力ポートに出力する。また主制御CPU72は、各種モータ(ルート振分体モータ218、第1回転体モータ226、第2回転体モータ228、第3ストッパモータ224)に対する駆動信号を出力ポートに出力する。
なお本実施形態では、ステップS119〜ステップS126の処理をメインループ中に組み込んだ例を挙げているが、これら処理をCPUがタイマ割込処理として実行している公知のプログラミング例もある。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図10は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ミリ秒)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば特別図柄当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数、普通図柄当り図柄乱数等が含まれる。このうち特別図柄当り図柄乱数及び普通図柄当り図柄乱数は、例えば0〜99の範囲で順番に更新される。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力ドライバ(I/O)79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、始動ゲートスイッチ80からの通過検出信号や、特図始動入賞口スイッチ78、カウントスイッチ208、入賞口スイッチ210からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。また主制御CPU72は、第1アタッカ入賞スイッチ200、特定領域スイッチ82からの検出信号の入力状態をリードする。その他にも主制御CPU72は、ここでノーマルルートスイッチ202、スペシャルルートスイッチ204、排出検知スイッチ206等からの検出信号の入力状態をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、始動ゲートスイッチ80、特図始動入賞口スイッチ78からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。
本実施形態では、特図始動入賞口スイッチ78から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は特別図柄に対応した内部抽選の契機となる事象が発生したと判定する。また始動ゲートスイッチ80から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した作動抽選の契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、始動ゲートスイッチ80又は特図始動入賞口スイッチ78から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、特別図柄作動記憶ランプ34a、各種状態表示ランプ36,37,38等の点灯状態を制御する。具体的には、各LEDに対して印加する駆動信号(バイトデータ)を生成し、出力ポートから出力する。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS206:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込回数カウンタを更新する。このカウンタは、先に述べたメインループ中のステップS118で参照されるものである。
ステップS207,ステップS208:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔通過始動時処理〕
次に、上記のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)中でさらに実行される処理について説明する。図11は、通過始動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS01:主制御CPU72は、始動ゲートスイッチ80から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS02を実行する。
ステップS02:主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の普通図柄乱数記憶領域に記憶されている普通図柄当り決定乱数及び当り図柄乱数の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の普通図柄乱数記憶領域は4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには当り決定乱数及び当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、当り決定乱数及び当り図柄乱数のセットの記憶数が4個に達していなければ、普通図柄作動記憶数カウンタの値は4未満であり(Yes)、この場合、主制御CPU72は次のステップS04に進む。
ステップS04:主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1つ加算する。普通図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の計数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図10中のステップS205)で普通図柄作動記憶ランプ33aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS06:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から普通図柄当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから当り決定乱数値をリードすると、これを当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS07:次に主制御CPU72は、RAM76のカウンタ領域から普通図柄当り図柄乱数値を取得する。この場合の乱数値の取得は、RAM76のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから当り図柄乱数値をリードすると、これを転送元のアドレスに普通図柄当り図柄乱数としてセーブする。
ステップS08:主制御CPU72は、セーブした当り決定乱数及び当り図柄乱数をともに普通図柄乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。
ステップS09:主制御CPU72は、普通図柄通過始動フラグをセットする。なお、主制御CPU72はメインループに復帰すると、ここでセットしたフラグの値を参照して演出制御装置124に普通図柄通過始動音制御コマンドを送信する。
以上の手順を終えるか、もしくは始動ゲートスイッチ80から検出信号の入力がなかった場合(ステップS01:No)、あるいは普通図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS02:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理に復帰する。
〔始動入賞処理〕
次に、同じく上記のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)中で実行される始動入賞処理について説明する。図12は、始動入賞処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、特図始動入賞口スイッチ78から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12を実行する。
ステップS12:主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の特別図柄乱数記憶領域に記憶されている特別図柄当り決定乱数及び当り図柄乱数の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の特別図柄乱数記憶領域もまた4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには当り決定乱数及び当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、当り決定乱数及び当り図柄乱数のセットの記憶数が4個に達していなければ、特別図柄作動記憶数カウンタの値は4未満であり(Yes)、この場合、主制御CPU72は次のステップS14に進む。
ステップS14:主制御CPU72は、特別図柄作動記憶数を1つ加算する。特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の計数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図10中のステップS205)で特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS16:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから当り決定乱数値をリードすると、これを当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
なお本実施形態では、上述したように特別図柄抽選の当り確率は1(=1/1)に設定されているため、入賞の発生がそのまま当選に該当する。したがって、特にこの処理において当り判定乱数を取得する必要がない場合、ステップS16を省略してもよい。
ステップS17:次に主制御CPU72は、RAM76のカウンタ領域から当り図柄乱数値を取得する。この場合の乱数値の取得もまた、RAM76のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから当り図柄乱数値をリードすると、これを転送元のアドレスに当り図柄乱数としてセーブする。
ステップS18:主制御CPU72は、セーブした当り決定乱数及び当り図柄乱数をともに乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。
ステップS20:主制御CPU72は、特別図柄始動口入賞フラグをセットする。なお、主制御CPU72はメインループに復帰すると、ここでセットしたフラグの値を参照して演出制御装置124に始動口入賞音制御コマンドを送信し、また、賞球払出制御装置92に賞球指示コマンドを送信する。
以上の手順を終えるか、もしくは特図始動入賞口スイッチ78から入賞検出信号の入力がなかった場合(ステップS10:No)、あるいは特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS12:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理に復帰する。
〔普通図柄遊技処理〕
次に、メインループ中に実行される普通図柄遊技処理の詳細について説明する。図13は、普通図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。普通図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1001)、普通図柄変動前処理(ステップS2001)、普通図柄変動中処理(ステップS3001)、普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)、可変始動入賞装置管理処理(ステップS5001)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って普通遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1001:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2001〜ステップS5001のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして普通図柄遊技処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ普通図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動前処理(ステップS2001)を選択する。一方、既に普通図柄変動前処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動中処理(ステップS3001)を選択し、普通図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2001:普通図柄変動前処理では、主制御CPU72は普通図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3001:普通図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって普通図柄の変動表示が行われる。
ステップS4001:普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより普通図柄の停止表示が行われる。
ステップS5001:可変始動入賞装置管理処理は、先の普通図柄停止表示中処理において当りの態様(「当選A」又は「当選B」)で普通図柄が停止表示された場合に選択される。普通図柄が当りの表示態様で停止すると、この処理において主制御CPU72は、可変始動入賞装置26を予め設定された作動条件に基づいて作動させる(動作制御手段)。
可変始動入賞装置26の作動中は、先の実行選択処理(ステップS1001)においてジャンプ先が可変始動入賞装置管理処理にセットされ、普通図柄の変動表示は行われない。また可変始動入賞装置管理処理においては、普通電動役物ソレノイド212が一定時間、規定回数(例えば1回)だけ励磁され、これにより可変始動入賞装置26が決まったパターンで開放動作する(普通電動役物の作動)。この間に可変始動入賞装置26に対して遊技球を入賞させることで、上述したゲームフロー上で可動入球装置28の作動(開放)契機を発生させることができる。
〔普通図柄変動前処理〕
次に図14は、普通図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図9中のステップS119)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は普通図柄遊技処理に復帰する。
これに対し、普通図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は割込を禁止した上で、普通図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の普通図柄乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(普通図柄当り決定乱数、当り図柄乱数)を読み出し、これらを例えば別の共通記憶領域に保存する。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は第1セクションから順に乱数を読み出し、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。共通記憶領域に保存された各乱数は、次の当り判定処理で作動抽選に使用される。
ステップS2250:次に主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「普通図柄変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図10中のステップS205)の中で普通図柄作動記憶ランプ33による記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は割込を許可して次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、当り判定処理(作動抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(作動抽選実行手段)。なお本実施形態では、このとき設定される当り値の範囲は一定である。そして、読み出した乱数値が当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。なお、本実施形態ではプログラム上で当り値の範囲を設定して当り判定を行っているが、予め当り判定テーブルをROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら当り判定を行うプログラミング例もある。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の当り判定処理で当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄指定コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、普通図柄表示装置33に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄についてはずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、変動パターンの種類を区別したり、そのときの変動時間を規定したりするものである。なおリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は、例えばステップS2250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて決定される。
以上のステップS2404,ステップS2406は、当り判定結果がはずれ時の制御手順であるが、判定結果が当り(ステップS2400:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
ステップS2410:主制御CPU72は、当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り図柄乱数に基づき、当選図柄の種類(当り時停止図柄番号)を決定する。当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め普通図柄判定データテーブルで規定されている。このため主制御CPU72は、当り時停止図柄決定処理において普通図柄判定テーブルを参照し、その記憶内容から当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。なお本実施形態では、上述したように当選種別に大きく分けて2種類が用意されている。そのうち1つは「当選A」であり、もう1つは「当選B」である。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76のカウンタ領域から上記の変動パターン決定乱数を取得すると、その値に基づいて普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。本実施形態のパチンコ機1による遊技では、基本的に、普通図柄の当り時には図柄演出を含めて当りリーチ変動を行うため、ここではリーチ変動パターンが選択される。なお一般的に当りリーチ変動の場合、はずれ通常変動時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2413:主制御CPU72は、当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄番号に基づいて、普通図柄表示装置33による停止図柄(当り図柄)の表示態様を決定する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、普通図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に普通図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は普通図柄遊技処理に復帰する。
〔図13:普通図柄変動中処理,普通図柄停止表示中処理〕
普通図柄遊技処理に復帰すると、主制御CPU72は普通図柄変動中処理(ステップS3001)を次のジャンプ先に設定する。普通図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように普通図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を次のジャンプ先に設定する。
また普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図14中のステップS2404,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて普通図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変始動入賞装置管理処理について説明する。図15は、可変始動入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変始動入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5101)、開放パターン設定処理(ステップS5201)、開閉動作処理(ステップS5301)、閉鎖処理(ステップS5401)、終了処理(ステップS5501)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5201〜ステップS5501のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変始動入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変始動入賞装置26の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開放パターン設定処理(ステップS5201)を選択する。一方、既に開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開閉動作処理(ステップS5301)を選択し、開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を選択する。また、開閉動作処理及び閉鎖処理を実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔開放パターン設定処理〕
ステップS5201:開放パターン設定処理では、主制御CPU72は可変始動入賞装置26の作動条件として、例えば開放時間と開放回数を設定する。ここで、開放時間の設定については、時間短縮機能の作動時と非作動時とで異なる。以下、この点について説明する。
〔図16:図柄別作動条件設定テーブルを参照〕
図16は、図柄別作動条件設定テーブルの構成例を示す図である。この図柄別作動条件設定テーブルは、普通図柄の当選種別である「当選A」と「当選B」のそれぞれについて、時間短縮機能の非作動時(通常中)と作動時(時短中)とで普通図柄の変動時間や可変始動入賞装置26の作動条件を異なる設定とするためのものである。
図16中(A):先ず「当選A」図柄については、上述したように時間短縮機能の非作動時と作動時で当り確率(1/54)は変化しない。ただし、変動時間については通常中が比較的長時間(28.0秒)に設定されているのに対し、時短中は短縮された変動時間(1.0秒)に設定されている。なお、作動時間や作動回数の条件については通常中と時短中で同じである。
図16中(B):次に「当選B」図柄についても、上述したように時間短縮機能の非作動時と作動時で当り確率(1/1.78)は変化しない。ただし、変動時間については通常中が比較的長時間(28.0秒)に設定されているのに対し、時短中は短縮された変動時間(1.0秒)に設定されている。さらに、作動時間の条件は通常中に比較して時短中は延長されている(0.1秒→5.5秒)。なお、作動回数の条件については通常中と時短中で同じである。
主制御CPU72は、開放パターン設定処理(図15中のステップS5201)において時間短縮機能作動フラグの値(「01H」又は「00H」)を参照し、値「01H」がセットされていれば、作動条件設定テーブルの下段に定められた作動条件(特に作動時間)を設定する。これにより、時短中は当り確率の高い「当選B」に対応する開放時間が通常中に比較して延長されるため、それだけ頻繁に可変始動入賞装置26への入賞が発生しやすくなる。
なお主制御CPU72は、先の変動パターン決定処理(図14中のステップS2406,ステップS2412)で変動パターン(変動時間)を設定する場合についても、図16の作動条件設定テーブルを使用することができる。
〔図15:可変始動入賞装置管理処理を参照〕
ステップS5301:次の開閉動作処理では、主制御CPU72は先のステップS5201で設定した作動条件(開放時間)に基づいて普通電動役物ソレノイド212を駆動する。これにより、特に時短中は「当選A」及び「当選B」のいずれに該当しても、開放時間が延長(5.5秒)された状態となる。また主制御CPU72は、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を設定する。
ステップS5401:閉鎖処理では、主制御CPU72は開放時間の経過をタイマカウンタ値に基づいてカウントする。そして、タイマカウンタの値が0以下になれば、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド212を非作動状態に切り替える。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を設定する。
ステップS5501:終了処理では、主制御CPU72は可変始動入賞装置26の作動を終了する際の条件を整える。例えば、主制御CPU72は普通電動役物作動フラグの値(01H)をリセットする。そして主制御CPU72は、普通図柄遊技処理の中の実行選択処理(図13中のステップS1001)でのジャンプ先を普通図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変始動入賞装置管理処理に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、メインループ中に実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図17は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、役物装置管理処理(ステップS4500)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。特に図示していないが、例えば主制御CPU72は特別図柄作動記憶数が1以上である場合、特別図柄の当り決定乱数及び当り図柄乱数の記憶を共通記憶領域に保存してその他の記憶をシフトし、特別図柄の変動開始時作動記憶数を減算する。また主制御CPU72は、共通記憶領域に保存した当り決定乱数を当り値と比較し、当り判定を行う。なお本実施形態では、特別図柄抽選の当り確率が1であるため、このときの当り判定は確認的な処理となる。
次に主制御CPU72は、ステップS2000において当り時停止図柄を決定する。上述したように、本実施形態では特別図柄の当選種別として「特図当選1」〜「特図当選4」の4種類が設けられているが、各当選種類にはさらに小分類として複数の当選種類が設けられているため、その中のいずれに該当するかを当り図柄乱数に基づいて決定する。なお、ここで決定した当り時停止図柄(大きく分けて「特図当選1」〜「特図当選4」)に基づいて、大当り終了後に付加される時間短縮機能の上限回数(0回を含む)が決定されることになる。
ただし、本実施形態では特別図柄抽選での当選がそのまま大当りではなく、あくまで可動入球装置28の開放契機であり、実際に大当り(可変入賞装置30の開放)に進むためには、可動入球装置28内で特定領域通過を発生させる必要がある。このため、主制御CPU72はここで決定した当り時停止図柄(当選種別)の結果をRAM76のバッファ領域に保存し、次に特別図柄の当り判定が行われるまで抽選結果を表すフラグ(抽選結果フラグ)を記憶させている(抽選結果記憶手段)。なお主制御CPU72は、次回の特別図柄変動前処理において特別図柄の記憶シフトを行った場合、そこで前回の抽選結果フラグを消去することとしてもよい。
この他に主制御CPU72は、特別図柄変動前処理において変動タイマの値をセットする。例えば、主制御CPU72は変動パターン番号に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS3000:次の特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS4500:次の役物装置管理処理では、主制御CPU72は可動入球装置28の作動(可動片28aの開閉動作)を制御するとともに、可動入球装置28内での振り分け動作を制御し、合わせて特定領域通過の判定を実行する。この処理に伴い、上述した可動入球装置28内でのゲームフローが実際に進められることになる。
また主制御CPU72は、この役物装置管理処理において特定領域通過を検出した場合、大当りフラグに値(01H)をセットし、状態指定コマンドを生成する。合わせて主制御CPU72は、その時点で記憶されている抽選結果フラグに基づき、大当り種別コマンドを生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。これを受けて演出制御装置124(演出制御CPU126)が上記のように大当り図柄抽選演出の実行を制御することができる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の役物装置管理処理において大当りフラグに値がセットされた場合に選択される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2アタッカソレノイド216が一定時間(例えば30秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、規定回数(例えば16回)だけ励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開放動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように可変入賞装置30が開放動作することを「ラウンド」と称し、規定回数が全部で16回あれば、これを「16ラウンド」と総称することがある。なお、可変入賞装置管理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
〔可変入賞装置管理処理〕
図18は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。
ステップS5200:大入賞口開放パターン設定処理では、主制御CPU72は1ラウンド中の開放時間、インターバル及びラウンド数の開放パターンを設定する。なお本実施形態では、1ラウンドの開放時間が最大で例えば「30秒」、また、ラウンド数は「16ラウンド」に予め固定されている。これにより、開放タイマ、インターバルタイマ、ラウンド数カウンタにそれぞれ値がセットされることになる。そして主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5300:次に大入賞口開閉動作処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の開閉動作を制御する。具体的には、主制御CPU72は第2アタッカソレノイド216に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。また主制御CPU72は、開放タイマのカウントダウンを実行し、開放タイマの値が0以下になっていなければ、次に入賞球数のカウントを実行する。開放時間が終了するか、もしくはカウント数が所定数に達したことを確認すると、主制御CPU72は大入賞口を閉止させる。具体的には、第2アタッカソレノイド216に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。この後、主制御CPU72はインターバルタイマのカウントダウンを実行し、インターバルタイマの値が0以下になると、次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定する。
ステップS5400:大入賞口閉鎖処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりする。すなわち、現在の遊技状態が大当り遊技中であれば、主制御CPU72は上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値が増加する。主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の15)未満であれば、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理(図9中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。これにより演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定すると、入賞球数カウンタをリセットする。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後に主制御CPU72が再び大入賞口閉鎖処理を実行することで、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(16回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。そして、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。また主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図19は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。
ステップS5504:また主制御CPU72は、ここで内部的に大役中の状態を終了する。
〔作動条件設定手段〕
ステップS5510:次に主制御CPU72は、RAM76のバッファ領域に保存されている抽選結果フラグ(当選種類)を取得し、その値に時間短縮機能の作動回数として1以上の上限回数が設定されているか否かを確認する。この抽選結果フラグは、先の特別図柄変動前処理においてセットされたものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能の作動回数として1以上の上限回数が設定されている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は大当り遊技終了後の時間短縮機能作動状態を表すフラグをセットする。また主制御CPU72は、抽選結果フラグの値に基づき、大当り終了後に付加するべき時間短縮機能の上限回数を設定する。設定した時間短縮回数の値は、RAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技において普通図柄抽選に関して時間短縮機能を作動させる上限回数となる。なお、1以上の上限回数が設定されていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512及び次のステップS5514を実行しない。この場合、大当り終了後に時間短縮機能は付加されない。
ステップS5514:主制御CPU72は、ここで状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセットに伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また時間短縮回数を設定した場合、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS119)において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:大当り時に以上の手順を経ると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図17中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
以上が主制御装置70(主制御CPU72)による各種の制御処理の内容である。主制御CPU72がこれら処理を実行することで、パチンコ機1による遊技が具体的に進行することとなる。
〔ゲームフロー上の特徴〕
ここで本実施形態のパチンコ機1による遊技においては、上述したゲームフロー(図5)から明らかなように以下の特徴がある。
(1)通常遊技の特定領域通過から大当りしても、大当り終了後に時間短縮機能が付加されない場合がある。
(2)時間短縮機能が付加されるか否か(上限回数が0又は1以上か)、さらに付加される場合にどの程度の上限回数が設定されるか(1回、2回、3回、7回、50回)は、少なくとも特定領域通過が発生した時点で既に決定している特別図柄の抽選結果フラグ(「特図当選1」〜「特図当選4」)に基づいて決定される。
(3)上記(1),(2)を総合的に勘案すると、時間短縮機能が付加されないことが予め判っている場合、可動入球装置28が作動しても敢えて入賞を回避し、時間短縮機能が付加されることが予め判明している場合にのみ、可動入球装置28の作動時に入賞させて特定領域通過(=大当り)を狙うという戦略が考えられる。
(4)上記(3)の戦略を積極的に活用することで、大当り終了後は必ず時間短縮機能が付加されるため、それによって次回の大当りを継続的に得やすくすることができる。
(5)特に時間短縮機能の作動時は、上記(3)の戦略を積極的に活用することで次回も大当り終了後に時間短縮機能が付加されるため、上記(3)の戦略を活用しない場合に比較して、大当りの継続回数にある程度の開きが生じると考えられる。
(6)一方で、上記(3)の戦略を活用するには、予め時間短縮機能が付加されないことを特別図柄表示装置34の停止表示態様から判別する必要があるが、上記のように特別図柄表示装置34そのものは7セグメントLEDであり、その表示態様はある程度記号的(例えば「巳」、「己」、「L」、「¬」等)であって、当選図柄の種類は多岐にわたっているため、遊技者が短時間内に当り種別を判別することは極めて困難である。
(7)このため、例えば特別図柄の表示態様について情報を多く収集している遊技者であれば上記(3)の戦略を充分に活用できるが、そうでない遊技者にはほとんど戦略を活用する余地がないため、遊技者間に不公平が生じる。
そこで本実施形態では、特別図柄の当選種別を演出上で予告することにより、遊技者間に極端な不公平が生じるのを防止している。以下、本実施形態における演出制御の手法について説明する。
〔演出制御処理〕
図20は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば、数ミリ秒周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、演出図柄管理処理(ステップS402)、普通図柄当り後演出管理処理(ステップS404)、表示出力処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば始動ゲート通過音制御コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、大当り種別コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド等がある。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御する。
ステップS404:普通図柄当り後演出管理処理において、演出制御CPU126は普通図柄抽選で当選した後の演出を制御する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS405:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、普通図柄お呼び特別図柄それぞれの作動記憶数、変動演出パターン番号、予告演出番号、モード番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、可動入球装置28内での振り分け動作中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出用に可動体がある場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図4中のパネル電飾基板138に接続することができる。
〔普通図柄当り後演出管理処理〕
図21は、普通図柄当り後演出管理処理の構成例を示すフローチャートである。普通図柄当り後演出管理処理は、例えば実行選択処理(ステップS500)、可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)、役物装置作動時処理(ステップS504)、役物入賞時処理(ステップS506)、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、演出制御CPU126は最初のジャンプ先として可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)を選択する。一方、既に可変始動入賞装置作動時処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として役物装置作動時処理(ステップS504)を選択し、役物装置作動時処理まで完了していれば、次のジャンプ先として役物入賞時処理(ステップS506)を選択する。なお、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図17中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:可変始動入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は可変始動入賞装置26を作動させる場合の演出を制御する。例えば、液晶表示器42の画面上に「左に入れろ!」等のメッセージを表示することで、遊技者に対してゲームフロー上の進捗状況を案内する。このような演出を実行することで、遊技者が漫然と遊技を消化するのを防止し、目的意識を再確認させて遊技意欲の低下を防止することができる。
ステップS504:この役物装置作動時処理において、演出制御CPU126は特別図柄の当選種別を予告したり、示唆(教示、暗示)したりする内容の演出を行うことができる。具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
ステップS506:役物入賞時処理では、演出制御CPU126は上記のように可動入球装置28内でのゲームフローの進捗状況に合わせて実行される画像演出を制御する。これにより、可動入球装置28内での遊技の流れを遊技者に対して訴求させることができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は大当り中の演出内容を制御する。例えば、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として大当り中に専用の演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。また演出制御CPU126は、大当り中の遊技の進行状況(例えば、ラウンドの進行状況)に合わせて演出パターンを選択すると、これらを適宜、演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中に専用の演出画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔役物装置作動時処理〕
図22は、役物装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。この処理において、演出制御CPU126は状態別(通常中又は時短中)の演出パターンを選択する。
ステップS600:すなわち演出制御CPU126は、現在の状態が時間短縮機能の作動中であるか否かを判断する。この判断は、主制御CPU72から受信する状態指定コマンドに基づいて行うことができる。特に時間短縮機能が作動していなければ(No)、演出制御CPU126は次にステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、非時短(通常)中演出パターン選択処理を実行する。本実施形態では、通常中には大当り種別の予告演出を実行しないこととしている。これは、通常時はとにかく大当りを発生させることが遊技者の利益に繋がるため、敢えて予告演出を実行せずに遊技の進行を優先させることを意図したものである。
一方、現在の状態が時短中であれば(ステップS600:Yes)、演出制御CPU126は時短中演出パターン選択処理を実行する。
〔時短中演出パターン選択処理〕
図23は、時短中演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、抽選結果コマンドを取得する。なお抽選結果コマンドは、上記のコマンド受信処理(図20中のステップS400)においてRAM130のコマンドバッファ領域に保存されている。また抽選結果コマンドには、今回の特別図柄の当り種別が示されている。
ステップS702:次に演出制御CPU126は、取得した抽選結果コマンドに基づき、今回の当選種別が時間短縮機能(上限回数が1回以上)を付加するものであるか否かを判別する。その結果、時間短縮機能を付加する当選種類であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS704を実行する。
ステップS704:演出制御CPU126は、種別予告抽選処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は当選種別を予告する演出を実行するべきか否かの抽選(演出抽選)を行う。
ステップS706:先の種別予告抽選処理において演出抽選に当選した場合(ステップS706:Yes)、演出制御CPU126は次にステップS708に進む。
ステップS708:この場合、演出制御CPU126は予告演出のパターンを選択する。これに対し、先の種別予告抽選処理において演出抽選に当選しなかった場合(ステップS706:No)、演出制御CPU126はステップS708を実行しない。
ステップS710:演出制御CPU126は、ステップS708を実行した場合、そこで設定した予告パターンを今回の演出パターンに設定し、役物装置作動時処理に復帰する。一方、ステップS708を実行しなかった場合、予め定められた演出パターンを設定して役物装置作動時処理に復帰する。
一方、先のステップS702で時間短縮機能を付加する当選種類でないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS712を実行する。
ステップS712:この場合、演出制御CPU126は時短無当り予告パターンを選択する。
ステップS710:そして演出制御CPU126は、ステップS712で選択した予告パターンを今回の演出パターンに設定し、役物装置作動時処理に復帰する。
〔時短付当り時の予告演出例〕
図24は、上記の時短中演出パターン選択処理(図23中のステップS708)において時短付当りの予告パターンが設定された場合に実行される演出画像の例を示す図である。
〔第1例〕
図24中(A):例えば、液晶表示器42の画面にキャラクターが出現し、そのキャラクターが画面の上部を指さしながら「上をねらって!」といった台詞を発生する演出が行われる。これにより、遊技者はこれから可動入球装置28が作動するため、遊技球の打ち込みポイントとして可動片28aの開放位置(遊技領域8aの上部位置)をねらえばよいことを知ることができる。これにより、時短中においても次の大当りの発生を優先させ、円滑な遊技の進行を促進することができる。
〔第2例〕
図24中(B):例えば、今回の当選種別が時間短縮機能を付加するものであり、かつ、そのとの上限回数として比較的大きい回数(例えば50回)を設定するものである場合、もしもここで特定領域通過を発生させることができれば、その大当り終了後に有利な条件で時間短縮状態に移行することができる。このため第2例では、先の第1例からさらに発展して、キャラクターの台詞が「チャンスよ!上をねらって!」のように積極的に「特定領域通過をねらう」ことが利益につながることを示唆する内容の演出画像が選択されている。これにより、さらに遊技に対して興趣を付加し、意欲の低下を抑えることに寄与することができる。
〔時短無当り時の予告演出例〕
次に図25は、上記の時短中演出パターン選択処理(図23中のステップS712)において時短無当り予告パターンが設定された場合に実行される演出画像の例を示す図である。
〔第1例〕
図25中(A):この場合、画面には「上をねらえ!」とのメッセージは表示されているが、ネガティブ(又は危険)なイメージを想起させる画像(例えばドクロの画像)が合わせて表示されている。これにより、遊技者に対して「特定領域通過は可能であるが、今回は考え直してもよい」といった意味の情報を示唆することができる。
〔第2例〕
図25中(B):第2例ではさらに、メッセージ文が「上をねらう・・・」のようにあまり肯定的でない内容に変化している。これにより、さらに遊技者に対して「今回は特定領域通過を見送った方がよい」といった意味の情報を示唆することができる。
〔予告演出のまとめ〕
いずれにしても、本実施形態における予告演出の例によれば、パチンコ機1による遊技の流れに沿って有益な情報を演出として遊技者に提供することができる。具体的には、(1)これから可動入球装置28が作動するということ、(2)可動入球装置28に入賞させるために遊技球を打ち込むポイントがどこにあるかということ、(3)特定領域通過が発生した場合にどの程度(0回を含む)の時間短縮機能が付加されるかということ等を遊技者に対して教示することができる。
これにより、遊技者が特別図柄表示装置34の停止表示態様を判別しなくても、演出の内容から今回の当選種別に関してある程度の情報を得ることができるため、様々な層の遊技者に対して平等に遊技を満喫できる機会を付与することができる。
また、演出の内容から大当り後の利益の程度を示唆することで、その後の遊技の進行をどのようにするべきか(特定領域通過をねらうべきか、それとも敢えて見送るべきか)の判断を遊技者自身に委ねるという新しいゲーム性を実現し、遊技の趣向を向上することができる。
なお、図23の時短中演出パターン選択処理では、時短付当りか否かを判定(ステップS702)して予告パターンを図24又は図25のいずれかの態様に振り分けているが、これに限るものではない。例えば時短付当りであったとしても、種別予告抽選処理(ステップS704)において、ある程度低い確率で否定的な予告パターン(例えば図25)が選択される抽選テーブルの比率構成を採用してもよい。また、時短無しの当りであったとしても、別途の予告抽選処理を行い、敢えて否定的な演出を行わないという選択肢を取り得ることとしてもよい。
〔他の実施形態〕
上述した実施形態では、「時短無し当選」がある機種を想定しているが、本発明は「時短あり当選」のみの機種として別実施形態を採用することもできる。
この場合の別実施形態では、図17中のステップS2000において、決定した当り時停止図柄(「特図当選1」〜「特図当選4」)に基づいて、大当り終了後に付加される時間短縮機能の上限回数が1回以上に決定されるものとする。これにより、大当り終了後は必ず時間短縮機能(最低1回)が作動する機種としての別実施形態を得ることができる。
またこの場合、図19の終了処理では、ステップS5510の判定を省略してもよい(ただし省略しなくても、時短回数が必ず1回以上に設定されるため、判定結果は常に「Yes」となる。)。
そして演出制御に関しては、図23の時短中演出パターン選択処理において、ステップS702の判定を省略し、その上で、そのとき設定されている上限回数(特図当選図柄)に基づいて予告パターンを抽選するものとする。この抽選では、例えば時短回数の上限が少ないほど否定的な予告パターン(例えば図25)の選択比率が高く、逆に時短回数の上限が多いほど否定的な予告パターンの選択比率が低くなる抽選テーブルを用いることができる。
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を採用することができる。例えば、予告演出の例として挙げた画像や動作はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。
また一実施形態では、予告演出を液晶表示器42による画像として実行しているが、予告演出を音声や各種ランプ46,48,50,52の点灯・点滅によって表現したり、あるいは可動体の動作によって表現したりしてもよい。
一実施形態で挙げた抽選の確率や図柄の変動時間、可変始動入賞装置26の開放時間等の条件はあくまで例示であり、これらは適宜に変形してもよい。また、遊技領域8の構成や可動入球装置28内の具体的な構成は種々に変形して実施してもよい。
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。