JP5312693B2 - 燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料と空気とを電気化学反応させて発電する燃料電池ユニットを備える燃料電池システム、及び該燃料電池システムの運転方法に関する。特に、過去実際に行った運転時間の累計値に基づいて、今後の運転時間の許容値を設定する燃料電池システム、及び該燃料電池システムの運転方法に関する。
従来、燃料電池システムは、約10年の使用が可能となるように、即ち、約10年間の使用保証期間を備えることを想定して開発されている。具体的には、燃料電池システムの耐用運転時間の開発目標が約4万時間であるとすると、1年あたり約4千時間の運転を想定して開発されている。
一方、燃料電池システムには、給湯及び電力の需要に応じて運転時間を制御して、ユーザーに対して経済的なメリットが出るように自動運転を行うものがある。この場合、経済的なメリットのみを考慮すると、起動時及び停止時のエネルギー消費(発電に直接寄与しないエネルギー消費)を抑制するために、一般的には連続運転時間が長くなる傾向にある。この場合、運転時間が、想定した4千時間/年を越えるケースが多く発生すると考えられる。
例えば、標準的な家庭の給湯及び電力の需要に基づいて、最も経済的な運転を行った場合の運転時間を試算すると、1年間の燃料電池ユニットの運転時間は約6千時間となる。この試算によれば、標準的な需要に応じて燃料電池ユニットを運転すると、7年弱(=4万時間÷6千時間)で燃料電池ユニットの耐用運転時間を消化してしまい、約10年と想定した使用保証期間を大幅に割り込み、寿命が短くなってしまうことが懸念される。そこで、このような事態を回避するための対策として、耐用運転時間に基づいて定められた1日あたりの時間内で、各日の運転時間を制御する燃料電池システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
図18は、特許文献1に記載された従来の燃料電池システムの制御方法を説明するフローチャートである。図18に示すように、特許文献1の燃料電池システムでは、はじめに1日あたりの許容運転時間を設定する(S101)。この許容運転時間のベースとなるのは、燃料電池システムの耐用運転時間、及び、該燃料電池システムに求められる寿命である。ここで、耐用運転時間を4万時間としたときに、製品寿命を10年とするためには、1年あたり運転時間は4千時間となる。従って、1日あたりの許容運転時間の初期値は、4千時間を1年の日数(365日)で除算した11時間となる。
続いて、運転計画を作成する(S102)。運転計画は、過去の運転実績から給湯及び電力の需要が発生する時間帯を予測して、給湯及び電力の需要が発生する時間と許容運転時間とを考慮しつつ、燃料電池システムを運転する時間を決定するものである。従って、運転計画は、許容運転時間を超えない範囲で省エネルギー性、経済性、環境保全等の観点から見た所定の基準に適するように策定される。次に、この運転計画に従って燃料電池システムの運転が行われ(S103)、この運転中、定期的に1日が終了したか否かの判断を行う(S104)。1日が経過していなければ、そのまま運転計画に基づいた運転を継続し(S103)、1日が経過していれば、1日あたりの実際の運転時間(実運転時間)が許容運転時間未満か否かを判断する(S105)。
1日あたりの実運転時間が許容運転時間未満でなければ(S105:NO)、許容運転時間を設定する工程(S101)に戻り、上述した工程を繰り返す。一方、1日あたりの実運転時間が許容運転時間未満であれば、許容運転時間と実運転時間との差である余り時間を許容運転時間の初期値に加算し、その結果を次の1日あたりの許容運転時間として設定する(S106)。
図19は、特許文献1の燃料電池システムの制御方法を採用した場合の、具体的な許容運転時間の設定事例を示す図表である。また、図20は、図19の設定事例における許容運転時間と実運転時間との日毎の変遷を示す棒グラフである。図19に示すように、初日(5月17日)の許容運転時間は、上述した初期値である11時間に設定される。そして、初日の実際の運転時間が4時間であったとすると、許容運転時間(11時間)と実運転時間(4時間)との差である余り時間は7時間となる。そのため、次の日(5月18日)の許容運転時間は、許容運転時間の初期値(11時間)に余り時間(7時間)を加算した18時間に設定される。
このように、特許文献1の制御方法によれば、前日に生じた余り時間を許容運転時間の初期値に加算して、当日の許容運転時間に設定する。そのため、燃料電池ユニットの使用保証期間(例えば10年)に至る前に、耐用運転時間を消化してしまって寿命を終える事態になるのを防止している。また、その結果として、より多くの給湯及び電力の需要を、燃料電池システムで生成した熱及び電力でまかなうことができる。
特開2007−323843号公報
しかしながら、上述した従来の制御方法によれば、二日目(5月18日)に、許容運転時間の18時間を全て使って運転したとすると、その次の日(5月19日)の許容運転時間は初期値の11時間となる。そのため、5月17日〜5月19日までの3日間の運転時間は、4時間、18時間、11時間というように非常に大きく変動する。従って、ユーザーに違和感を与える可能性があり、この違和感に起因して、燃料電池システムに不具合が発生したとユーザーが誤認する恐れがある、という課題を有していた。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、使用保証期間に至る前に耐用運転時間を消化してしまって短寿命になるのを防ぎつつ、許容運転時間の日毎の変動を小さくし、ユーザーが違和感無く使用することができる燃料電池システム及びその運転方法を提供することを目的とする。
本発明は上述した事情を鑑みて成されたものであり、本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により発電した電力を外部負荷へ供給する燃料電池ユニットと、該燃料電池ユニットの動作を制御する制御部と、を備え、該制御部は、前記燃料電池ユニットの耐用運転時間に基づき、該燃料電池ユニットに設定された使用保証期間より短い単位期間毎に、該燃料電池ユニットの許容運転時間を設定する許容運転時間設定部と、前記燃料電池ユニットの前記単位期間あたりの実運転時間が、該単位期間に対して設定された前記許容運転時間以下となるように、前記燃料電池ユニットを運転させる運転制御部と、を有しており、前記許容運転時間設定部は、前記耐用運転時間及び前記使用保証期間に基づいて設定された前記単位期間毎の許容運転時間の基準値と前記単位期間毎の実運転時間とについて、過去の全単位期間にわたる累計値を夫々算出し、各累計値の差である残余運転時間が生じた場合には、該残余運転時間を分割した一部を前記基準値に加算して得た時間を、次回の単位期間における許容運転時間として設定する。
このような構成とすることにより、残余運転時間を分割した一部を基準値に加算して次回の許容運転時間を設定するため、比較的多くの残余運転時間が生じた場合であっても、前回に比べて次回の許容運転時間が大きく増加するのを抑制しつつ、この残余運転時間を消化することができる。従って、許容運転時間の変動に関してユーザーに違和感を与えるのを防止しつつ、使用保証期間の全期間にわたって燃料電池システムの利用を可能とし、システムの耐用運転時間を余すことなく消化することができる。また、使用保証期間で耐用運転時間を消化するため、より多くの給湯及び電力の需要を、燃料電池システムで生成した熱及び電力で賄うことができる。
なお、残余運転時間を分割してその一部を基準値に加算する方法としては、残余運転時間を所定日数(例えば10日間)で均等に割り、その算出値を基準値に加算する方法を採用することができる。あるいは、残余運転時間と基準値に加算する加算値(残余運転時間を分割した一部)との相関を示すテーブルデータなどを予め設定及び記憶しておき、逐次得られる残余運転時間とテーブルデータとに基づいて許容運転時間を設定するようにしてもよい。
また、前記許容運転時間の基準値は、全ての前記単位期間に対する前記基準値を加算したときの累計値が前記耐用運転時間と一致するように設定されていてもよい。
また、前記燃料電池ユニットは、電力及び熱を共に供給する熱電併給装置であり、前記運転制御部は、前記実運転時間が前記許容運転時間以下となるように、且つ、前記外部負荷が過去に消費した電力量及び熱量に基づき、前記単位期間中での運転開始時間を決定すると共に、該発電開始時間に前記燃料電池ユニットを起動した後は、前記外部負荷が消費する電力量に追従するように前記燃料電池ユニットの出力を制御するように構成されていてもよい。
また、前記許容運転時間設定部は、前記残余運転時間の一部を前記基準値に加算して得た前記許容運転時間が前記単位期間よりも短くなるように、前記許容運転時間を設定するよう構成されていてもよい。
また、前記許容運転時間設定部は、前記残余運転時間を所定数で除算して得た時間を前記基準値に加算することにより、前記許容運転時間を設定するよう構成されていてもよい。
また、前記許容運転時間設定部は、前記残余運転時間と前記基準値に加算する加算値との関係を示すデータを予め記憶していてもよい。
また、前記許容運転時間設定部は、過去の全単位期間にわたる前記実運転時間の累計値と前記耐用運転時間との差である残余耐用時間が、所定値未満になった場合には、前記残余運転時間を余剰が生じないように残りの単位期間に対して分配することで、前記許容運転時間を設定するように構成されていてもよい。
また、前記許容運転時間の基準値は、一年間のうちでは熱需要が高い時期の方が低い時期よりも長時間に設定されていてもよい。
また、前記許容運転時間の基準値は、一年間のうちでは一日の平均気温が相対的に低い時期ほど長時間に設定されていてもよい。
また、前記許容運転時間の基準値は、一年間のうちの同時期で比較すると、年を経るに従って短時間に設定されていてもよい。
本発明に係る燃料電池システムの運転方法は、燃料電池ユニットの耐用運転時間に基づき、該燃料電池ユニットに設定された使用保証期間より短い単位期間毎に、該燃料電池ユニットの許容運転時間を設定する工程と、前記燃料電池ユニットの前記単位期間あたりの実運転時間が、該単位期間に対して設定された前記許容運転時間以下となるように、前記燃料電池ユニットを運転させる工程と、を備え、前記許容運転時間を設定する工程では、前記耐用運転時間及び前記使用保証期間に基づいて設定された前記単位期間毎の許容運転時間の基準値と前記単位期間毎の実運転時間とについて、過去の全単位期間にわたる累計値を夫々算出し、各累計値の差である残余運転時間が生じた場合には、該残余運転時間を分割した一部を前記基準値に加算して得た時間を、次回の単位期間における許容運転時間として設定する。
本発明に係る燃料電池システム及びその運転方法によれば、使用保証期間に至る前に耐用運転時間を消化してしまって短寿命になるのを防ぎつつ、許容運転時間の日毎の変動を小さくし、ユーザーが違和感無く使用することができる。また、これに加えて、より多くの給湯及び電力の需要を、燃料電池システムで生成した熱及び電力で賄うことができる。
実施の形態1に係る燃料電池システムの構成を示す模式図である。 許容運転時間の設定の説明に用いる時間又は期間を表す用語の概念を示す模式図である。 燃料電池システムの発電運転の制御態様を示すフローチャートである。 単位期間あたりの許容運転時間の設定処理を示すフローチャートである。 許容運転時間の第1設定事例を示す表である。 図5の表に示した許容運転時間及び実運転時間の日毎の変遷を示す棒グラフである。 許容運転時間の第2設定事例を示す表である。 図7の表に示した許容運転時間及び実運転時間の日毎の変遷を示す棒グラフである。 実施の形態2に係る1日あたりの許容運転時間の設定処理を示すフローチャートである。 許容運転時間の第3設定事例を示す表である。 図10の表に示した許容運転時間及び実運転時間の日毎の変遷を示す棒グラフである。 許容運転時間の設定に関する比較例を示す表である。 図12の表に示した許容運転時間及び実運転時間の日毎の変遷を示す棒グラフである。 燃料電池システムの設置後の経過年数及び月毎に設定した基本運転時間T5を示す設定テーブルの概念図である。 図14に示す基本運転時間の経過年数による変遷を示すグラフである。 残余運転時間と加算時間との関係を示す設定テーブルの概念図である。 実施の形態3に係る1日あたりの許容運転時間の設定処理を示すフローチャートである。 従来の燃料電池システムの制御方法を説明するフローチャートである。 従来の燃料電池システムの制御方法を採用した場合の、具体的な許容運転時間の設定事例を示す図表である。 図19の設定事例における許容運転時間と実運転時間との日毎の変遷を示す棒グラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る燃料電池システム及びその運転方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明はこの実施の形態によって限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る燃料電池システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、燃料電池システム1は、例えば家庭内に設置された分電盤2を介して商用系統電源3に接続されている。また、燃料電池システム1と分電盤2との間には、例えばエアコンや冷蔵庫などといった家庭内負荷4が接続されている。従って、家庭内負荷4にて電力の需要が発生すると、燃料電池システム1で生成した電力を供給することができる。
燃料電池システム1は、燃料電池ユニット10とその動作を制御する制御ユニット20とを備えている。燃料電池ユニット10は、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて電気化学反応を行なって発電し、その発電電力を家庭内負荷4へと供給するものであり、燃料ガスとしては、成分として少なくとも炭化水素もしくは水素を有する気体が用いられる。なお、本実施の形態に係る燃料電池ユニット10では、都市ガスやLPガスなどの原料ガスを改質して生成した燃料ガスを用いることとしている。
燃料電池ユニット10の構成を具体的に説明すると、燃料電池ユニット10は、スタック11、水素生成器12、送風機13、インバータ14、及び廃熱回収部15を備えている。このうちスタック11は、アノード電極とカソード電極とが電解質膜を挟んで配置されて成るセルが、複数積層された構成となっており、アノード電極へは水素生成器12から燃料ガスが供給され、カソード電極へは送風機13によって酸素を含む酸化剤ガス(空気)が供給される。
水素生成器12は、各種触媒を用いて、供給された原料ガスに対して水蒸気改質、水性シフト反応、及び選択酸化反応を行ない、水素を主成分とする燃料ガスを生成する。スタック11では、この燃料ガスがアノード電極へ供給され、送風機13によって酸化剤ガスがカソード電極へ供給されることで、これら燃料ガスと酸化剤ガスとの間で電気化学反応が生じて直流電力が生成される。この直流電力は、インバータ14にて交流電力に変換されて、家庭内負荷4へ供給されるようになっている。
廃熱回収部15は、スタック11において発電時に生じる熱を回収し、回収した熱で温水を生成する。また、廃熱回収部15は貯湯槽16を備えており、生成した温水はこの貯湯槽16に蓄えられる。そして、貯湯槽16に蓄えられた温水が有する熱エネルギーは、直接的又は間接的に、家庭内で生じた熱需要に対して適宜供給される。
なお、水素生成器12には、ガスの流れを制御するバルブや、触媒反応を促進するためにガスを加熱するヒータなどといったアクチュエータ12aと、ガスの温度や流量を検出するためのセンサ12bとが備えられている。送風機13にも、ガスの流れを制御するバルブなどのアクチュエータ13aが備えられている。また、廃熱回収部15には、熱交換用の冷却水の流れを制御するバルブなどのアクチュエータ15aと、冷却水の温度や流量を検出するためのセンサ15bとが備えられている。
一方、制御ユニット20は、燃料電池ユニット10の動作(起動,発電,終了,停止の一連の動作)を制御する運転制御部21と、許容運転時間設定部22とを備えている。後に詳述するが、後者の許容運転時間設定部22は、燃料電池ユニット10の単位期間(例えば1日)あたりの許容運転時間を設定する機能を有している。この制御ユニット20は、CPU等の演算部やメモリ等の記憶部を有しており、システム1外の電源から電力の供給を受けて動作する。
[基本的な運転態様]
次に、以上のような構成の燃料電池システム1の発電時の基本的な運転態様について説明する。
燃料電池システム1の運転動作は、大きくは起動工程、発電状態、終了工程、停止状態といった4つの制御の工程及び状態に分けることができる。これらを概説すると、まず起動工程は、燃料電池システム1を停止状態から発電可能な状態にするための準備工程である。発電状態は、燃料ガス及び酸化剤ガスがスタック11に供給されて該スタック11で発電が行われ、更にスタック11から電力が出力されている状態である。終了工程は、燃料電池システム1を発電不可能な状態にするための工程であり、停止状態は、燃料電池システム1の状態を監視しながら次の発電指示を待っている状態である。
燃料電池システム1は、上述した4つの工程及び状態を、あらかじめプログラムされたタイミングで、あるいはユーザーからの指示に基づき、制御ユニット20によって遷移させながら適切に制御される。以下、これら4つの工程及び状態における燃料電池システム1の動作について詳述する。
まず、起動工程について説明をする。燃料電池システム1が発電出力可能になるためには、水素生成器12において水素が主成分である燃料ガスを生成するなどといった準備的な処理が必要である。そのために起動工程では、例えば都市ガスなどの原料ガスから燃料ガスを生成するといった処理を行う。より具体的には、制御ユニット20は、水素生成器12に付随して備えられた温度センサや流量センサなどの各種センサ12bの計測値を取得し、これらの計測値に基づいてヒータやファンなどのアクチュエータ12aに対してフィードバック制御を行い、水素生成器12の温度を約600〜700度まで昇温させる。その後、水素生成器12には原料ガスが供給され、該水素生成器12にて水蒸気改質、水性シフト反応、選択酸化反応が順次行われた結果、水素を主成分とする燃料ガスが生成される。
起動工程が十分に進行し、水素生成器12からスタック11のアノード電極へと燃料ガスが安定的に供給されるようになると、燃料電池システム1は、起動工程を終了し、スタック11にて発電を行う発電状態へと移行する。この発電状態では、送風機13のアクチュエータ13aが駆動され、カソード電極への酸化剤ガスの供給量が制御されるとともに、水素生成器12のアクチュエータ12aが駆動され、スタック11のアノード電極への燃料ガスの供給量が制御される。これにより、スタック11にて燃料ガス中の水素と酸化剤ガス中の酸素とが電気化学的に反応し、直流電力の発電が行われる。
スタック11から出力された直流電力は、スタック11に接続しているインバータ14によって交流電力に変換され、家庭内負荷4に供給される。また、スタック11には、廃熱回収部15に接続された冷却水の循環経路が備えられており、スタック11での発電中に冷却水がこの循環経路内を循環すると、スタック11は冷却されて所定温度に維持される。廃熱回収部15は、アクチュエータ15aが有するポンプなどが制御されることにより、スタック11で発生した熱を循環経路内の冷却水から熱交換器(図示せず)を介して回収し、貯湯槽16にて温水として蓄える。
続いて、終了工程について説明する。終了工程では、バルブを閉じて都市ガス等の原料ガスの水素生成器12への供給を遮断し、水素生成器12では燃料ガスの生成が停止される。そして水素生成器12に備えられたファンが駆動され、触媒にて原料ガスの改質が行われない温度まで水素生成器12は冷却される。また、燃料電池ユニット10において、スタック11、水素生成器12及びガス経路などから成る発電ブロックの劣化を防止するために、これらスタック11、水素生成器12及びガス経路等を不活性ガスでパージする。
終了工程が十分に行われ、発電ブロックが安定的に発電不可能な状態で保たれると、制御ユニット20は、水素生成器12及び送風機13のアクチュエータ12a,13aの動作を停止させ、燃料電池システム1を停止状態に移行する。燃料電池システム1は、この停止状態では次回の発電タイミングに備え、制御ユニット20は次の発電指示の入力待ち状態となる。また、制御ユニット20は、停止状態中においてもガス漏れ検知センサ等の出力に基づいて燃料電池システム1の安全状態を監視し、異常が発生した場合にはユーザーへの報知を行うなど、所定の異常処理を行う。
上述したように、制御ユニット20(より具体的には運転制御部21)は、上記4つの工程及び状態を順次移行させながら発電ユニット10を適切に運転する。なお、各工程及び状態間での移行に際しては、ユーザーによる図示しない操作パネル等の手動操作や、時間で制御を行うタイマー予約運転機能に定められたタイミングなどがトリガとなり得る。また、貯湯槽16の湯量が少ない場合には発電を行い、湯量が多くなれば停止するというような自動運転を行うと、家庭内の給湯需要に連動して運転が行われ、効率的な運転が可能となるので好適である。
また、家庭内負荷4の過去の電力需要や給湯需要に応じて運転計画を適宜更新するような学習機能を備えておいてもよい。この場合、ユーザーが頻繁に電力を使用する時間帯を予測し、その時間帯では発電が行われるように状態を遷移させる。あるいは、ユーザーが大量の温水を使用する時間帯を予測し、その時間帯には所定量の温水を確保できるように状態を遷移させる。このようにすれば、より効率的に発電及び給湯を行うことができるので好適である。なお、発電状態に移行した後は、家庭内負荷4の電力需要に追従するように、出力電力を制御すればよい。
ところで、発電状態を除く、起動工程、終了工程、停止状態の3つの工程及び状態では、燃料電池システム1から電力は出力されないので、家庭内負荷4は、商用交流3から供給された電力によって動作することとなる。
[許容運転時間の設定]
次に、燃料電池システム1の単位期間あたりの許容運転時間の設定手順について説明する。本実施の形態に係る燃料電池システム1は、例えば10年間の使用保証期間が設定されており、一方で、耐用運転時間として4万時間の発電運転が可能に設計されている。そして、耐用運転時間を余すことなく消化した上で使用保証期間を全うしつつ、各単位期間の許容運転時間の増減幅を抑制するよう、許容運転時間の設定に工夫を凝らしている。
はじめに、以下の説明において用いる時間又は期間を表す用語について説明する。図2は、許容運転時間の設定の説明に用いる時間又は期間を表す用語の概念を示す模式図である。この図2に示すように、本実施の形態に係る燃料電池システム1には約10年間の「使用保証期間(T1)」が設定されている。この使用保証期間は、燃料電池システム1が発電可能な累計時間と市場から要求される使用期間とを考慮して決定される期間であり、一般的にはユーザーに対して提示される製品寿命を言う。この使用保証期間は、約10年間に限られず、発電可能な累計時間や市場要求に応じて適宜15年間や20年間といった期間が設定され得るが、本実施の形態では一例として10年間の使用保証期間を採用する。
上述したように、燃料電池システム1には使用保証期間の他、発電可能な累計時間が定められており、ここではこれを「耐用運転時間(T2)」と称する。この耐用運転時間としては、本実施の形態では4万時間を採用するが、システム1の構成に応じて5万時間や6万時間といった時間を採用することも可能である。なお、本実施の形態では、耐用運転時間として発電状態になっている間の経過時間の累計を扱い、他の状態や工程での経過時間は含めないこととするが、例えば起動工程や終了工程に要した時間を含める概念としてもよい。
また、上述した使用保証期間を分割した所定期間として「単位期間(T3)」を定めている。この単位期間は、燃料電池システム1が4つの状態及び工程を一巡させる最小期間を採用することができ、典型的には1日間を採用することができる。本実施の形態では単位期間として1日間を採用するが、燃料電池システム1が4つの状態及び工程を一巡させる最小期間に応じて、適宜異なる期間を採用してもよい。また、上記最小期間にかかわらず、一週間、十日間、一ヶ月間などの期間を単位期間として採用することも可能である。
また、単位期間の間に燃料電池システム1を発電運転することが可能な時間の上限値として、「上限時間(T4)」が定められている。この上限時間は、上述した使用保証期間や耐用運転時間とは無関係に定められており、燃料電池システム1の長期にわたる運転を実現するために、定期的に所定時間の停止状態を確保する必要性から定められている。例えば、本実施の形態では、燃料電池システム1の起動工程に要する時間を1時間、終了工程に要する時間を1時間、そして、システムのリフレッシュのために停止状態とする時間を2時間だけ夫々見込み、単位期間からこれらの時間(計4時間)を除いた20時間を、上限時間として採用している。
各単位期間には、「基本運転時間(T5)」が定められている。この基本運転時間は、後述する許容運転時間の基準値を成すものであり、各単位期間について予め定められた発電運転の可能な時間である。従って、上述したように使用保証期間を10年間(約3650日間)、耐用運転時間を4万時間、単位期間を1日間とした場合、全単位期間の基本運転時間を同一に設定するとすれば、1単位期間(1日間)あたりの基本運転時間は、耐用運転時間を使用保証期間で除算した約11時間となる。このことから分かるように、毎日約11時間の発電運転を行うと、燃料電池システム1は、4万時間の耐用運転時間を全て消化した上で、10年間の使用保証期間を全うすることとなる。
また、基本運転時間に、後述する残余運転時間の一部を加算した時間であって上記上限時間を超えない時間として、「許容運転時間(T6)」が定められている。この許容運転時間は、上述した上限時間と同様に、単位期間の間に燃料電池システム1を発電運転することが可能な時間の上限値であるが、上限時間とは異なり、使用保証期間や耐用運転時間を考慮して定められている。
即ち、上述したとおり、燃料電池システム1には使用保証期間を全うするための目安として基本運転時間が設定されているが、必ずしも毎日基本運転時間の発電運転が行われるわけではなく、ユーザーの電力需要等に応じて発電運転時間がより短い場合もある。そこで、このような場合であっても、最終的に4万時間の耐用運転時間を全て消化した上で10年間の使用保証期間を全うするように、各単位期間での発電運転の可能な時間として許容運転時間が設定されるようになっている。
なお、上述したように許容運転時間は、上限時間を超えない値であるから、単位期間より短い時間でもある。そのため、例えば単位期間を1日間とした場合であれば、燃料電池システム1が二日間にわたって運転されることがなく、運転時間の管理を容易に行える。また、燃料電池システム1は、単位期間毎に規則的に発電及び停止を繰り返すことになるため、ユーザーに対して燃料電池システム1が安定的に動作していることを印象付けることができる。なお、許容運転時間の設定は、制御ユニット20が備える許容運転時間設定部22(図1参照)により行われ、その具体的な設定手順については、図4等を用いて後に詳述する。
また、単位期間ごとの実際の発電時間として「実運転時間(T7)」が定められている。燃料電池システム1は、上述した許容運転時間を超えない範囲で発電運転を行うことができるため、この実運転時間は許容運転時間以下の数値となる。そして、単位期間ごとの許容運転時間と実運転時間との差分値は「単位残余時間(T8)」と定められ、過去の基本運転時間の累計値と過去の実運転時間の累計値との差分値は「残余運転時間(T9)」と定められている。なお、燃料電池システム1は、実運転時間が許容運転時間に達すると、発電状態から終了工程へと移行するようになっている。
更に、上記残余運転時間とは別の時間概念として「残余耐用時間(T10)」が定められている。この残余耐用時間は、使用保証期間から、耐用運転時間の消費量(即ち、実運転時間の累計値)を差し引いた時間であり、ある時点での耐用運転時間の残量として定義されている。従って、燃料電池システム1を発電運転するのに伴って、残余耐用時間は減少していく。
なお、図2では、上限時間T4、基本運転時間T5、許容運転時間T6、実運転時間T7の始点(左の端点)を単位期間T3の始点に一致させて表示しているが、これは、各時間T4〜T7が単位期間T3の始点から開始することを意味するものではない。単位期間T3及び各時間T4〜T7の長短関係を分かり易くするために、便宜上このように表示しているだけである。
次に、燃料電池システム1の発電状態での動作について説明する。図3は、燃料電池システム1の発電運転の制御態様を示すフローチャートであり、このような制御は制御ユニット20の運転制御部21によって実行される。
図3に示すように、燃料電池システム1は、起動工程を経て発電状態へ移行すると、単位期間(1日間)あたりの許容運転時間T6の設定を行う(ステップS1)。即ち、発電状態への移行時が属する日の許容運転時間T6を設定する。そして、この設定が完了すると発電運転を実行し(ステップS2)、これを継続しつつ終了工程への移行タイミングを監視するため、発電を終了させる条件を満足するか否かを定期的に判定する(ステップS3)。なお、発電の終了条件としては、ユーザーによる操作パネル等の手動操作による信号の入力や、タイマー予約運転機能に定められたタイミングの到来などがある。
ステップS3で終了条件を満足すると判定した場合は、発電状態から終了工程へと移行させる(ステップS4)。一方、定期的なステップS3の判定処理において、終了条件を満足していないと判定した場合は、その都度、その日の実運転時間が許容運転時間に達したか否かを判定する(ステップS5)。そして、達していれば発電状態から終了工程へと移行させ(ステップS4)、達していなければ発電状態を継続させるべくステップS2からの処理を再び実行する。なお、ステップS1の許容運転時間設定処理を実行するタイミングを起動工程から発電状態へ移行したときとする他、起動工程の最中に実行してもよい。
ここで、許容運転時間設定処理についてより具体的に説明する。図4は、1日あたりの許容運転時間の設定処理を示すフローチャートであり、図5は、許容運転時間の第1設定事例を示す表であり、図6は、図5の表に示した許容運転時間及び実運転時間の日毎の変遷を示す棒グラフである。
図4に示すように、許容運転時間設定部22は、前回(前日)までの基本運転時間T5の累計値から、前回(前日)までの実運転時間T7の累計値を減算することにより、残余運転時間T9を取得する(ステップS11)。そして、この残余運転時間T9を所定日数(二日以上)で除算することにより、加算時間を算出する(ステップS12)。なお、残余運転時間T9を除算する所定日数としては、例えば4日や10日など、二日以上の適宜の日数を採用することができ、図5の設定事例では4日を採用した場合を示している。
次に、基本運転時間T5に対して上記加算時間を加算することにより、1日あたりの許容運転時間T6の暫定値を算出する(ステップS13)。そして、算出した許容運転時間T6が、上限時間T4よりも大きいか否かを判定し(ステップS14)、上限時間T4以上であれば、当該1日あたりの許容運転時間T6を上限時間T4と等しい値に設定(ステップS15)して本処理を終了する。一方、上限時間T4未満であれば、ステップS13で算出した許容運転時間T6の暫定値を正式な許容運転時間として採用(ステップS16)し、本処理を終了する。
[第1設定事例]
このような図4に示す処理を具体的に適用した事例について、図5及び図6を参照しつつ説明する。なお、図5及び図6の設定事例では、燃料電池システム1が設置された後、5月17日になってはじめて運転が行われた場合を示している。また、この第1設定事例では、初日に許容運転時間T6未満の時間だけ発電運転が行われて残余運転時間が発生し、二日目以降は暫くの間、許容運転時間T6と同じ時間だけ発電運転が行われた場合を想定している。
まず、1日目の5月17日の時点では、過去に発電運転が行われた実績がないため、前回までの基本運転時間T5の累計値、及び、前回までの実運転時間T7の累計値は、何れも0時間になっている。従って、残余運転時間T9は0時間(ステップS11)であり、加算時間が0時間(ステップS12)になるため、1日目の許容運転時間T6には基本運転時間T5と同じ時間が設定される(ステップS13,S14,S16)。なお、本実施の形態では、使用保証期間T1を10年間(約3650日間)、耐用運転時間T2を4万時間としているため、1日間(1単位期間)あたりの基本運転時間T5は約11時間となる。従って、図5に示すように5月17日の許容運転時間T6は11時間に設定される。
ここで、5月17日の実運転時間T7が4時間であったとする(図5参照)。この場合、二日目(5月18日)の発電運転前の時点では、残余運転時間T9が7時間となる(ステップS11)。本実施の形態では、このように残余運転時間T9が生じた場合は、残余運転時間T9を以後の複数日に均等に分配するようにして許容運転時間T6を設定する。具体的には、残余運転時間T9である7時間を、所定の日数として例えば4日間で除算して約1.8時間という値を取得する(ステップS12)。そして、この1.8時間を基本運転時間T5の11時間に加算することで、二日目(5月18日)の許容運転時間T6の暫定値として12.8時間という値が算出される(ステップS13)。なお、この暫定値(12.8時間)は、本実施の形態で設定された上限時間(20時間)未満であるため、正式な許容運転時間として採用される(ステップS14,S16,図5参照)。
なお、残余運転時間T9の除数は、残余運転時間T9の消費速度を決定する要素である。従って、除数を小さくするほど残余運転時間T9を早期に消費できるが、除数を小さくし過ぎると日毎の許容運転時間T6の増減幅が大きくなり、ユーザーに対して違和感を与えてしまう可能性がある。従って、残余運転時間T9の消費促進、及び、ユーザーに対して違和感を与えない、という観点から除数を設定するのが好ましく、4日間又は10日間などと設定することができる。そして、既に言及したとおり、本実施の形態では除数として4日間を採用した場合を例示している。
このように除数を設定して許容運転時間T6を決定することにより、一旦残余運転時間T9が発生して許容運転時間T6が増加したとしても、その後、許容運転時間T6を徐々に減少させて基本運転時間T6に漸近させることができる。そのため、日毎の許容運転時間T6の変動量を抑制することでユーザーに違和感を与えることがなく、且つ、残余運転時間T6をより速やかに消費させることができる。
次に、二日目(5月18日)の実運転時間T7が12.8時間であったとする(図5参照)。この場合、三日目(5月19日)の発電運転前の時点では、残余運転時間T9が5.2時間となる(ステップS11)。即ち、前回までの基本運転時間T5の累計値が22時間(=11時間+11時間)であり、前回までの実運転時間T7の累計値が16.8時間(=4.0時間+12.8時間)であるから、残余運転時間T9は、各累計値の差分値である5.2時間となる。従って、残余運転時間T9を所定日数(4日間)で除算した値は1.3時間となり(ステップS12)、これを基本運転時間T5の11時間に加算した値(12.3時間)が、三日目(5月19日)の許容運転時間T6に設定される(図5参照)。
このように、5月17日の時点で7時間の残余運転時間T9が発生したにもかかわらず、次の5月18日の許容運転時間T6は、前日に比べて1.8時間の増加に抑えられ、次の5月19日の許容運転時間T6は、前日に比べて0.5時間の減少に抑えられている。また、5月20日以降も許容運転時間T6だけ発電運転されたとすると、各日の許容運転時間T6は徐々に減少し(図6参照)、ユーザーに対して違和感を与えることがない。そして、初日から数えて十日目の5月26日には許容運転時間T6が11.2時間にまで減少し、残余運転時間T9は0.7時間になるまで消費され、比較的早期に残余運転時間T9を消費することができている。
[第2設定事例]
図7は、許容運転時間の第2設定事例を示す表であり、図8は、図7の表に示した許容運転時間及び実運転時間の日毎の変遷を示す棒グラフである。この第2設定事例は、初日から四日目までは第1設定事例と同様であり、五日目(5月21日)及び六日目(5月22日)の実運転時間T7が0であった場合を想定している。
この場合、七日目(5月23日)の発電運転前の時点では、残余運転時間T9が25時間になるが、本実施の形態に係る許容運転時間設定処理によれば、七日目の許容運転時間T6は、前日に比べて2.7時間増の17.2時間に抑えられる。また、八日目以降の許容運転時間T6は、15.7時間、14.5時間、・・・というように徐々に減少し、基本運転時間T5である11時間に漸近する。従って、生じた残余運転時間T9に比べて許容運転時間T6の増加量が抑制でき、且つ、その後の許容運転時間T6の減少量も抑制できるため、ユーザーに対して違和感を与えることがない。一方、許容運転時間T6を増加させることで、残余運転時間T9を確実に消費し、十日目(5月26日)には10.5時間、十五日目(5月31日)には2.5時間にまで減少させることができる。
ところで、上記第1及び第2の設定事例では言及していないが、例えば、第2設定事例において、五日目及び六日目に続いて七日目及び八日目も実運転時間T7が0であったとする。この場合、九日目の発電運転前の時点では、残余運転時間T9が47時間になる。従って、これを所定日数である4日間で除算すると約11.7時間となり、これを加算した許容運転時間T6の暫定値は22.7時間となる。しかしながら、この暫定値は上限時間T4の20時間を超えるため採用せず、図4のステップS15に示すように、上限時間T4そのものを許容運転時間T6として採用する。このように、上限時間T4を超える許容運転時間T6は採用せず、発電時間は必ず上限時間T4未満になるようにしている。これにより、起動工程及び終了工程を考慮しても停止状態として数時間を確保し、燃料電池システム1を確実にリフレッシュすることができる。
以上に説明したように、本実施の形態に係る燃料電池システム1によれば、生じた残余運転時間T9に比べて許容運転時間T6の増加量が抑制でき、且つ、その後の許容運転時間T6の減少量も抑制できるため、ユーザーに対して違和感を与えることがない。一方、残余運転時間T9が生じた場合には、許容運転時間T6を増加させることで残余運転時間T9を確実に消費することができる。
更に、上記に加えて、使用保証期間T1に至る前に耐用運転時間T2を全て消費してしまうのを防止することができる。換言すれば、使用保証期間T1の終了時期と、耐用運転時間T2を全て消費する時期とを、ほぼ同時に迎えることができる。従って、より多くの給湯及び電力の需要を、燃料電池システム1で生成した熱及び電力で賄うことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、使用保証期間T1の終了間際に残余運転時間T9が生じた場合の許容運転時間T6の設定手順について説明する。例えば、実施の形態1では、加算時間を算出するために、残余運転時間T9を4日間で除算する例を説明した。しかしながら、使用保証期間T1の終了まであと3日間という時点で残余運転時間T9が生じた場合に、この残余運転時間T9を4日間で除算した値を加算時間とすると、残りの3日間で全ての残余時間T9を消費できなくなってしまう。そこで本実施の形態2では、このような事態を防止すべく、以下のような手順で許容運転時間T6を設定することとしている。
図9は、実施の形態2に係る1日あたりの許容運転時間の設定処理を示すフローチャートであり、図10は、許容運転時間の第3設定事例を示す表であり、図11は、図10の表に示した許容運転時間及び実運転時間の日毎の変遷を示す棒グラフである。なお、本実施の形態2に係る燃料電池システムの構成は、図1に示した燃料電池システム1と同様の構成であるため、その説明は省略する。また、ここで説明する許容運転時間T6の設定処理は、制御ユニット20が備える許容運転時間設定部22によって行われる。
図9に示すように、許容運転時間設定部22は、前回(前日)までの基本運転時間T5の累計値から、前回(前日)までの実運転時間T7の累計値を減算することにより、残余運転時間T9を取得する(ステップS21)。続いて、耐用運転時間T2から、前回までの実運転時間T7の累計値を減算することにより、残余耐用時間T10を取得する(ステップS22)。そして、残余耐用時間T10から換算した日数が、所定日数より小さいか否かを判定する(ステップS23)。
ここで、「所定日数」とは、図4のステップS12に示した所定日数と同じであり、加算時間を算出するために残余運転時間T9を割る除数のことであって、本実施の形態では4日間としている。但し、ここでの「所定日数」を図4のステップS12に示した「所定日数」とは別に設定してもよい。例えば、3日間、5日間、あるいは6日間などとすることができる。また、「残余耐用時間T10から換算した日数」とは、残余耐用時間T10を24時間で除算し、端数を切り上げて求まる日数である。但し、端数は切り捨ててもよいし、四捨五入してもよい。
この結果、所定日数より小さいと判定した場合は、ステップS21で取得した残余運転時間T9を、残余耐用時間T10から換算した日数で除算することで、加算時間を取得する(ステップS24)。一方、所定日数以上であると判定した場合は、ステップS21で取得した残余運転時間T9を、実施の形態1と同様に所定日数(例:4日間)で除算することで、加算時間を取得する(ステップS25)。そして、ステップS26では、このようにして取得した加算時間を基本運転時間T5に加算して許容運転時間T6を取得する。
[第3設定事例]
このような図9に示す処理を具体的に適用した事例について、図10及び図11を参照しつつ説明する。なお、図10及び図11の設定事例では、7月15日に基本運転時間の累計が4万時間に到達し、これと同時に、使用保証期間T1である10年(設置後3650日)を迎えるという事例を想定している。また、7月11日までは、基本運転時間T5と実運転時間T7とが一致し、残余運転時間T9が0時間という運転態様で推移している。そして、7月12日及び13日の二日間は夫々実運転時間T7が2時間であり、7月14日の発電運転前の時点では残余運転時間T9が18時間になっている。
このような第3設定事例に対し、図9に示した処理を適用した場合について説明する。例えば、7月9日の発電運転前の時点では、残余耐用時間T10が77時間(=40000時間−39923時間)であるから、この残余耐用時間T10から換算した日数は端数を切り上げると4日間になる。従って、ステップS23にて所定日数(4日間)以上と判定され、実施の形態1にて説明したのと同じ手順で許容運転時間T6が設定される(ステップS25)。なお、7月9日時点の残余運転時間T9は0時間であるため、この日の許容運転時間T6は基本運転時間T5と同じ11時間に設定される。
一方、次の7月10日の時点では、残余耐用時間T10が66時間(=40000時間−39934時間)であるから、換算日数は3日間となる。従って、実施の形態1とは異なり、加算時間は、残余運転時間T9を換算日数(3日間)で除算することで取得する(ステップS24)。但し、7月10日の時点では残余運転時間T9が0時間であるため、加算時間も0時間であり、許容運転時間T6は基本運転時間T5と同じ11時間に設定される(ステップS26)。7月11日も同様に、残余耐用時間T10からの換算日数は3日間であるが、残余運転時間T9が0時間であるから、許容運転時間T6は基本運転時間T5と同じ11時間に設定される。
7月12日の時点では、残余耐用時間T10が44時間(=40000時間−39956時間)であるから、換算日数は2日間となる。しかしながら、この時点では残余運転時間T9が0時間であるため、やはり許容運転時間T6は基本運転時間T5と同じ11時間に設定される。この第3設定事例では、この7月12日の実運転時間T7が、許容運転時間T6よりも短い2時間で終了したこととなっている。
次の7月13日の時点では、残余耐用時間T10が42時間(=40000時間−39958時間)であり、換算日数は2日間となる。しかも、7月12日の実運転時間T7が許容運転時間T6より短かったため、9時間の残余運転時間T9が発生している。そこで本実施の形態に係る燃料電池システム1では、残余運転時間T9(9時間)を、残余耐用時間T10から換算した日数(2日間)で除算することで、加算時間を取得する(ステップS24)。具体的には、4.5時間が加算時間となる。そして、この加算時間(4.5時間)を基本運転時間T5(11時間)に加算することにより、15.5時間という許容運転時間T6を取得する(ステップS26)。なお、この第3設定事例では、7月12日に続いてこの7月13日の実運転時間T7も、許容運転時間T6よりも短い2時間で終了したこととなっている。
7月14日の時点では、残余耐用時間T10が40時間(=40000時間−39960時間)であり、換算時間は2日間となる。しかも、7月13日の実運転時間T7が許容運転時間T6より短かったため、18時間の残余運転時間T9が発生している。そこで、残余運転時間T9(18時間)を、残余耐用時間T10から換算した日数(2日間)で除算することで、9.0時間の加算時間を取得する(ステップS24)。そして、この加算時間(9.0時間)を基本運転時間T5(11時間)に加算することにより、20.0時間という許容運転時間T6を取得する(ステップS26)。なお、図10に示す例では、7月14日の実運転時間T7は許容運転時間T6と同じ20.0時間となっている。
更に、最終の7月15日の時点では、残余耐用時間T10が20時間(=40000時間−39980時間)であり、換算時間は1日間となる。そして、残余運転時間T9として9時間が残っている。従って、残余運転時間T9(9時間)を、残余耐用時間T10から換算した日数(1日間)で除算することで、9。0時間の加算時間を取得する(ステップS24)。そして、この加算時間(9.0時間)を基本運転時間T5(11時間)に加算することにより、20.0時間という許容運転時間T6を取得する(ステップS26)。なお、図10に示す例では、7月15日の実運転時間T7が許容運転時間T6と同じ20.0時間となっており、耐用運転時間T2の全てを最終の7月15日で使い切り、使用保証期間T1に達している。
以上に説明したように、残余耐用時間T10からの換算日数が所定日数未満になった場合には、残余運転時間T9を、所定日数ではなく換算日数で除算して加算時間を取得することとしている。換言すれば、使用保証期間T1の終了間際に残余運転時間T9が生じた場合には、これを、所定日数よりも小さい換算日数で割って得た時間を加算時間としている。そのため、加算時間がより大きくなるので、残余運転時間T9をより積極的に消費することができ、使用保証期間T1の終了時点で耐用運転時間T2が残存する事態となるのを抑制することができる。
[比較例]
図12は、許容運転時間の設定に関する比較例を示す表であり、図13は、図12の表に示した許容運転時間及び実運転時間の日毎の変遷を示す棒グラフである。この比較例では、第3設定事例と同様に、7月11日までは、基本運転時間T5と実運転時間T7とが一致し、残余運転時間T9が0時間という運転態様で推移し、7月12日及び13日の二日間は夫々実運転時間T7が2時間となっている。一方で、残余耐用時間T10からの換算日数が所定日数未満になって以降の許容運転時間T6の取得方法が、第3設定事例とは異なっている。即ち、この比較例では、換算日数にかかわらず、残余運転時間T9を所定日数(4日間)で除算して得た加算時間を基本運転時間T5に加算することで、許容運転時間T6を取得している。
図12に示すように、このような比較例の場合、7月14日及び15日の許容運転時間T6は夫々15.5時間及び14.4時間となり、第3設定事例における両日の許容運転時間T6(20.0時間)よりも小さい。そのため、残余運転時間T9を全て消費することができず、使用保証期間T1が終了した時点で、10.1時間が消費できずに残ることとなる。
以上から分かるように、燃料電池システム1の使用保証期間T1の終了間際に、許容運転時間T6の設定処理として実施の形態2に係る処理を採用することにより、残余運転時間T9を積極的に消費できる。その結果、使用保証期間T1の終了時点で、未消化の耐用運転時間T2が残るのを抑制することができる。
(実施の形態3)
基本運転時間T5は、使用保証期間T1の全期間にわたって固定した値とはせず、経過年数に応じて変え、あるいは、1年の間であっても月に応じて変えることとしてもよい。そこで、本実施の形態3では、基本運転時間T5を経過年数及び月に応じて異ならせた場合について説明する。なお、本実施の形態3に係る燃料電池システムの構成は、図1に示した燃料電池システム1と同様の構成であるため、その説明は省略する。
図14は、燃料電池システム1の設置後の経過年数及び月毎に設定した基本運転時間T5を示す設定テーブルの概念図である。また、図15は、図14に示す基本運転時間T5の経過年数による変遷を示すグラフである。燃料電池システム1の発電時間は、給湯需要に応じて設定するのが好適である。一般的に、給湯需要は冬に多く、夏に少ない傾向がある。そこで、本実施の形態では、図14及び図15に示すように、11〜4月の冬場には基本運転時間T5が長く、5〜10月の夏場には基本運転時間T5が短くなるように設定している。更に、図15に示すように冬場の上限時間T4は長く(20時間)、夏場の上限時間T4は短く(10時間)設定している。このように設定することにより、季節による給湯需要に差がある場合に、需要と供給のバランスを適切に維持して、効率のよい運転を行うことができる。
また、図14及び図15に示すように、基本運転時間T5は、燃料電池システム1の設置後の経過年数に伴って短くなるように設定している。一般的に、スタック11等の経年劣化により、燃料電池システム1の発電効率は年々低下するが、その反面、熱回収効率は増加する。そのため経過年数に応じて基本運転時間T5を短く設定することにより、燃料電池システム1の給湯供給量を略一定に保つことが可能となる。
また、本実施の形態3では、残余運転時間T9と加算時間との対応関係を示すデータが用意されており、該データは制御ユニット20に備えられた記憶部(図示せず)に格納されている。即ち、本実施の形態3では、実施の形態1,2とは異なり、残余運転時間T9の所定日数で除算して加算時間を取得するのではなく、残余運転時間T9と、これを分割した一部の時間である加算時間とが、予め対応付けられている。
図16は、残余運転時間T9と加算時間との関係を示す設定テーブルの概念図である。この図16に示すように、本実施の形態では、残余運転時間T9が0時間以上10時間未満の場合には加算時間として2時間が設定されている。同様にして、残余運転時間T9が10時間以上50時間未満の場合には加算時間として4時間、残余運転時間T9が50時間以上100時間未満の場合には加算時間として6時間、そして、残余運転時間T9が100時間以上の場合には加算時間として8時間が設定されている。
このように、残余運転時間T9が多いほど、加算時間として長い時間が対応付けられている。そのため、残余運転時間T9が多い場合にはスピーディにこれを消費し、残余運転時間T9が少ない場合にはゆっくりとこれを消費させることができる。
次に、本実施の形態に係る許容運転時間設定処理について、具体的に説明する。図17は、実施の形態3に係る1日あたりの許容運転時間の設定処理を示すフローチャートである。
図17に示すように、許容運転時間設定部22は、前回(前日)までの基本運転時間T5の累計値から、前回(前日)までの実運転時間T7の累計値を減算することにより、残余運転時間T9を取得する(ステップS31)。例えば、設置後1年目の冬場1月の基本運転時間T5は20時間(図14参照)であるが、この時期に実運転時間T7が8時間の日があったとする。その場合、残余運転時間T9は12時間(=20時間−8時間)となる。次に、この残余運転時間T9と図16に示した設定テーブルとに基づき、加算時間を取得する(ステップS32)。上記の例のように、残余運転時間T9が12時間であったとすると、図16から、加算時間として4時間が取得される。
次に、基本運転時間T5に対して上記加算時間を加算することにより、1日あたりの許容運転時間T6の暫定値を算出する(ステップS33)。そして、算出した許容運転時間T6が、上限時間T4よりも大きいか否かを判定し(ステップS34)、上限時間T4以上であれば、当該1日あたりの許容運転時間T6を上限時間T4と等しい値に設定(ステップS35)して本処理を終了する。一方、上限時間T4未満であれば、ステップS33で算出した許容運転時間T6の暫定値を正式な許容運転時間として採用(ステップS36)し、本処理を終了する。
上述した例でいえば、基本運転時間T5は20時間、加算時間は4時間であるから、ステップS33で算出される許容運転時間T6の暫定値は24時間となる。従って、ステップS34において上限時間T4の20時間以上と判定され、許容運転時間T6としては上限時間T4に等しい20時間が設定される。即ち、設置後1年目については、冬場は、基本運転時間T5が上限時間T4と同じ20時間(図15参照)に設定され、夏場も、基本運転時間T5が上限時間T4と同じ10時間(図15参照)に設定されているため、残余運転時間T5が生じたとしても、基本運転時間T5に加算時間が加算されず、残余運転時間T5は消費されない。
次に、設置後2年目の冬季に、上記と同様12時間の残余運転時間T9が生じた場合について説明する。この場合、基本運転時間T5が19時間であり(図14参照)、加算時間は4時間である(図16参照)。従って、暫定的な許容運転時間T6は23時間(=19時間+4時間)となる(ステップS33)。ここで、この暫定値である23時間は上限時間T4の20時間以上であるため、許容運転時間T6としては上限時間T4が設定される(ステップS35)。しかしながら、基本運転時間T5が19時間であるため、残余運転時間T9のうち1時間を消費することができる。なお、同様の条件であれば、3年目には2時間、4年目には3時間を消費でき、経過年数に応じて長い時間を消費することができる。
このような構成とすることにより、燃料電池システム1の設置後の経過年数が少なく、基本運転時間T5が相対的に長時間に設定されている時期は、長時間の残余運転時間T9を蓄えておくことができる。そして、年数を経て基本運転時間T5が短時間に設定されている時期には、蓄えられた残余運転時間T9の使用が促進される。従って、許容運転時間T6及び実運転時間T7が、経過年数に応じて減少するのを抑制することができる。その結果、経過年数に応じて基本運転時間T5が短くなるという設定(図14参照)にもかかわらず、そのような設定をユーザーに感じさせないようにすることができる。
以上、本発明について実施の形態1〜3を例示して具体的に説明したが、本発明の実施態様は上述した構成に限定されるものではない。例えば、単位期間としては1日間ではなくてもよく、電力需要や熱需要が1週間を最小単位として周期的に変化する場合には、1週間を単位期間としてもよい。あるいは、48時間,2週間,1ヶ月間、季節ごと等、他の期間を単位期間に設定してもよい。
また、実施の形態1〜3では、実運転時間を発電時間と同一として説明した。これは、燃料電池システム1の耐用運転時間は、一般的には基幹部品であるスタック11の寿命で決定されるため、発電時間を実運転時間として考えるのが適切だからである。しかしながら、水素生成器12や送風機13などが備えるアクチュエータやセンサの寿命に依存して燃料電池システム1の寿命が決定される場合には、実運転時間に発電時間に加えて起動工程及び終了工程に要する時間を含めるのが好適である。
また、実施の形態3では、基本運転時間T5を夏場及び冬場の2パターンに分けて設定したが、四季毎や月毎に分けて設定してもよい。このように、基本運転時間T5を細かく分けて設定すると、基本運転時間を給湯需要により合致させることが可能となるので好適である。
また、実施の形態3では、基本運転時間を経過年数に応じて短くなるように設定しているが、燃料電池システム1の設置後の通電時間や運転時間の累計に応じて短くなるように設定してもよい。例えば、ユーザーが長期不在などで燃料電池システム1の主電源がオフにされる場合は、その期間はスタック11等に顕著な経年劣化が生じない。従って、経年劣化に起因する発電効率の低下も発生しないと想定されるので、経過年数から、主電源がオフとなっている期間を除外する方が好適である。ここで、図14の設定テーブルにおいて、経過年数に換えて通電時間の累計を採用すると、主電源がオフになっている期間を除外した通電時間に基づいて、より適切に基本運転時間T5を設定することができる。
更に、上述した実施の形態1〜3は、夫々独立して実施することもできるが、このうち2つ又は3つを組み合わせて実施することも可能である。
本発明は、使用保証期間に至る前に耐用運転時間を消化してしまって短寿命になるのを防ぎつつ、許容運転時間の日毎の変動を小さくし、ユーザーが違和感無く使用することができる燃料電池システム及びその運転方法に適用することができる。また、より多くの給湯及び電力の需要を、燃料電池システムで生成した熱及び電力で賄うことができる燃料電池システム及びその運転方法に適用することができる。
1 燃料電池システム
4 分電盤
10 燃料電池ユニット
11 スタック
12 水素生成器
13 送風機
14 インバータ
15 廃熱回収部
20 制御ユニット
21 運転制御部
22 許容運転時間設定部

Claims (11)

  1. 燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により発電した電力を外部負荷へ供給する燃料電池ユニットと、該燃料電池ユニットの動作を制御する制御部と、を備え、
    該制御部は、
    前記燃料電池ユニットの耐用運転時間に基づき、該燃料電池ユニットに設定された使用保証期間より短い単位期間毎に、該燃料電池ユニットの許容運転時間を設定する許容運転時間設定部と、
    前記燃料電池ユニットの前記単位期間あたりの実運転時間が、該単位期間に対して設定された前記許容運転時間以下となるように、前記燃料電池ユニットを運転させる運転制御部と、
    を有しており、
    前記許容運転時間設定部は、
    前記耐用運転時間及び前記使用保証期間に基づいて設定された前記単位期間毎の許容運転時間の基準値と前記単位期間毎の実運転時間とについて、過去の全単位期間にわたる累計値を夫々算出し、各累計値の差である残余運転時間が生じた場合には、該残余運転時間を分割した一部を前記基準値に加算して得た時間を、次回の単位期間における許容運転時間として設定する、
    燃料電池システム。
  2. 前記許容運転時間の基準値は、全ての前記単位期間に対する前記基準値を加算したときの累計値が前記耐用運転時間と一致するように設定されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池ユニットは、電力及び熱を共に供給する熱電併給装置であり、
    前記運転制御部は、
    前記実運転時間が前記許容運転時間以下となるように、且つ、前記外部負荷が過去に消費した電力量及び熱量に基づき、前記単位期間中での運転開始時間を決定すると共に、
    該発電開始時間に前記燃料電池ユニットを起動した後は、前記外部負荷が消費する電力量に追従するように前記燃料電池ユニットの出力を制御する、
    請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記許容運転時間設定部は、前記残余運転時間の一部を前記基準値に加算して得た前記許容運転時間が前記単位期間よりも短くなるように、前記許容運転時間を設定するよう構成されている、請求項1乃至3の何れかに記載の燃料電池システム。
  5. 前記許容運転時間設定部は、前記残余運転時間を所定数で除算して得た時間を前記基準値に加算することにより、前記許容運転時間を設定するよう構成されている、請求項1乃至4の何れかに記載の燃料電池システム。
  6. 前記許容運転時間設定部は、前記残余運転時間と前記基準値に加算する加算値との関係を示すデータを予め記憶している、請求項1乃至4の何れかに記載の燃料電池システム。
  7. 前記許容運転時間設定部は、過去の全単位期間にわたる前記実運転時間の累計値と前記耐用運転時間との差である残余耐用時間が、所定値未満になった場合には、前記残余運転時間を余剰が生じないように残りの単位期間に対して分配することで、前記許容運転時間を設定する、請求項1乃至6の何れかに記載の燃料電池システム。
  8. 前記許容運転時間の基準値は、一年間のうちでは熱需要が高い時期の方が低い時期よりも長時間に設定されている、請求項1乃至7の何れかに記載の燃料電池システム。
  9. 前記許容運転時間の基準値は、一年間のうちでは一日の平均気温が相対的に低い時期ほど長時間に設定されている、請求項1乃至8の何れかに記載の燃料電池システム。
  10. 前記許容運転時間の基準値は、一年間のうちの同時期で比較すると、年を経るに従って短時間に設定されている、請求項1乃至8の何れかに記載の燃料電池システム。
  11. 燃料電池ユニット及びこれを制御する制御部を備える燃料電池システムの運転方法であって、
    前記燃料電池ユニットの耐用運転時間に基づき、該燃料電池ユニットに設定された使用保証期間より短い単位期間毎に、該燃料電池ユニットの許容運転時間を設定する工程と、
    前記燃料電池ユニットの前記単位期間あたりの実運転時間が、該単位期間に対して設定された前記許容運転時間以下となるように、前記燃料電池ユニットを運転させる工程と、
    を備え、
    前記許容運転時間を設定する工程では、
    前記耐用運転時間及び前記使用保証期間に基づいて設定された前記単位期間毎の許容運転時間の基準値と前記単位期間毎の実運転時間とについて、過去の全単位期間にわたる累計値を夫々算出し、各累計値の差である残余運転時間が生じた場合には、該残余運転時間を分割した一部を前記基準値に加算して得た時間を、次回の単位期間における許容運転時間として設定する、
    燃料電池システムの運転方法。
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