JP5311549B2 - 振動試験装置 - Google Patents
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一方、振動試験装置の構成について言えば、振動テーブルに設置される油圧加振機の台数の増加は、材料及びデジタル制御装置等の増加に繋がり、その結果としてコスト高となる。このため、必要最低数の油圧加振機による装置構成が望まれる。従って、ある振動試験方向のみ油圧加振機1台とする装置構成となることもある。この時、継手等による振動テーブルの重心位置の偏心と被試験体のアンバランスの影響を受けて、油圧加振機が振動テーブルをモーメント加振し、回転振動が発生することがある。
しかし、この前記特許文献1に記載された振動試験台のヨーイング制御装置では、必ずしも油圧加振機自身の共振特性の影響を考慮しておらず、回転振動を十分に抑制できない可能性がある。
本発明の目的は、上記の問題に鑑み、油圧加振機自身の油柱共振特性を制御的に見かけ上変化させることで、回転振動を抑制し、1方向の振動試験を高精度に実施することが可能な振動試験装置を提供することにある。
また、上記本発明の振動試験装置は、前記振動テーブルの少なくとも1方向の加振方向に少なくとも2台の前記油圧加振機を備えたものである。
また、上記本発明の振動試験装置の前記補償回路は前記ピストン加速度信号に乗じる補償ゲインと、前記油圧加振機のサーボ弁逆特性と、安定化ローパスフィルタとを備えたものである。
また、上記本発明の振動試験装置は、前記ピストン加速度信号の代わりに前記ピストン変位信号を用いて、前記補償回路に前記ピストン変位信号を前記ピストン加速度信号に変換する微分フィルタ回路とを備えたものである。
また、上記本発明の振動試験装置は、前記ピストン加速度信号の代わりに前記ピストン変位信号と、前記差圧信号と、前記油圧加振機の荷重信号とを用いて、前記補償回路に加速度信号変換フィルタ回路とを備えたものである。
また、上記本発明の振動試験装置は、前記振動テーブルの少なくとも1方向の加振方向に少なくとも2台設置された前記油圧加振機のそれぞれの前記ピストン加速度信号の差分信号を用いたものである。
また,上記本発明の振動試験装置の前記補償回路は、前記ピストン加速度信号に補償ゲインを乗じる補償ゲイン乗算部と、前記油圧加振機のサーボ弁逆特性を乗じるサーボ弁逆特性乗算部と、ローパスフィルタと、を備えたものである。
また,上記本発明の振動試験装置は、前記ピストン加速度信号の代わりに前記ピストン変位信号を用いて、前記補償回路に前記ピストン変位信号を前記ピストン加速度信号に変換する微分フィルタ回路と、を備えたものである。
また,上記本発明の振動試験装置は、前記ピストン加速度信号の代わりに前記ピストン変位信号と、前記差圧信号と、前記油圧加振機の荷重信号とを用いて、前記補償回路に加速度信号変換フィルタ回路とを備えたものである。
また,上記本発明の振動試験装置は、前記振動テーブルの少なくとも1方向の加振方向に少なくとも2台設置された前記油圧加振機のそれぞれの前記ピストン加速度信号の差分信号を用いたものである。
また,上記本発明の振動試験装置は、前記振動テーブルの少なくとも1方向の加振方向に少なくとも2台の前記油圧加振機と、を備えたものである。
図1において、波形発生装置14は、振動試験装置に所定のX方向の振動を加えるための目標信号25−1をX油圧加振機50−1の制御回路12−1に出力し、所定のY方向の振動を加えるための目標信号25−2をY1油圧加振機50−2の制御回路12−2及びY2油圧加振機50−3の制御回路12−3にそれぞれ出力する。
被試験体99を搭載する振動テーブル1は、上記目標信号25−1及び25−2で変位するように、X−Y水平面内で往復運動する。
そのため、振動テーブル1のX方向の側面中央部に、X方向に加振するX油圧加振機50−1が1台設けられており、振動テーブル1のY方向の側面中央にY方向に加振するY1油圧加振機50−2とY2油圧加振機50−3が並んでそれぞれ1台ずつ設けられている。更に、振動テーブル1のZ方向の底面中央に、転倒防止装置51が2台並んで設けられている。この2台の転倒防止装置51は、防振床100Z上に据付けられている。
コの字型静圧継手2−1は、振動テーブル1のX方向の側面中央部に設置され、コの字型静圧継手2−1の摺動部を介してロの字型静圧継手3−1が設置される。
ロの字型静圧継手3−1とピストン5−1の間には、X油圧加振機50−1の加振力を検出するための荷重検出器4−1が設置されている。
ピストン5−1は、シリンダ6−1内に組込まれ、サーボ弁7−1を介した作動油により、X方向に前後加振運動する。ピストン5−1がX方向に往復運動することにより、コの字型静圧継手2−1に固定された振動テーブル1がX方向に所定のストロークで往復して、前後加振運動する。
振動テーブル1と反対側(ピストン5−1の後位)の、シリンダ6−1の他端は、振動テーブル1に対して十分な加振力を与えられるように、防振床100Xに固定される。
また、荷重センサ信号26−1は、荷重検出器4−1が検出したX方向の荷重である。
コの字型静圧継手2−2と2−3は、振動テーブル1のY方向の側面中央部に並んで設置され、コの字型静圧継手2−2と2−3のそれぞれの摺動部を介してロの字型静圧継手3−2と3−3がそれぞれ設置される。
ロの字型静圧継手3−2とピストン5−2の間、及び、ロの字型静圧継手3−3とピストン5−3の間には、荷重検出器4−2及び4−3がそれぞれ設置され、Y1油圧加振機50−2とY2油圧加振機50−3との加振力を検出する。
ピストン5−2は、シリンダ6−2内に組込まれ、サーボ弁7−2を介した作動油により、Y方向に加振運動する。ピストン5−2がY方向に往復運動することにより、コの字型静圧継手2−2に固定された振動テーブル1がY方向に所定のストロークで往復して、前後加振運動する。同様に、ピストン5−3は、シリンダ6−3内に組込まれ、サーボ弁7−3を介した作動油により、Y方向に前後加振運動する。ピストン5−3がY方向に往復運動することにより、コの字型静圧継手2−3に固定された振動テーブル1がY方向に所定のストロークで往復して、前後加振運動する。
シリンダ6−2の振動テーブル1と反対側の他端、及び、シリンダ6−3の振動テーブル1と反対側の他端は、それぞれ、振動テーブル1に対して十分な加振力を与えられるように、防振床100Yに固定される。
また、荷重センサ信号26−2は、荷重検出器4−2が検出した荷重であり、荷重センサ信号26−3は、荷重検出器4−3が検出した荷重である。
まず、振動試験の種類としては、加振方向で分類すると、(1)X方向のみの振動試験、(2)Y方向のみの振動試験、(3)X方向とY方向同時振動試験が考えられる。また、図1aと図1bに示した振動試験装置では不可能であるが、更にZ方向の振動試験を加えると、組合わせが増える。
(1)のケースでは、X方向の目標信号25−1を任意の地震波等の振動波形信号として入力し、Y方向の目標信号25−2をゼロ目標とした試験を実施する。
(2)のケースでは、Y方向の目標信号25−2を任意の地震波等の振動波形信号として入力し、X方向の目標信号25−1をゼロ目標とした試験を実施する。
(3)のケースでは、X方向の目標信号25−1と、Y方向の目標信号25−2をそれぞれ任意の地震波等の振動波形信号とした試験を実施する。
モーメント加振力84により、Y1油圧加振機50−2とY2油圧加振機50−3には、加振軸方向と振動テーブル重心位置80で定まる外力(Y1油圧加振機外力82及びY2油圧加振機外力83)が加わる。
なお、矢印の長さは、力を大きさを相対的に表すものではない。また、矢印の方向も参考である。
また、振動テーブル1の重心位置80は、コの字型静圧継手2−1、2−2、及び2−3の影響や、被試験体99のアンバランスの影響により、振動テーブル1の形状的な中心位置からずれているのが普通である。
剛性定数算出部402は、加算部401の出力値に、駆動系の剛性を表す定数を乗算し、積分処理部403に出力する。積分処理部403は、積分要素を乗算することで、ピストン受圧面積91に作用する圧力(差圧)を算出して、駆動力算出部404と漏れ流量算出部409に出力する。
駆動力算出部404は入力された差圧にピストン受圧面積91を乗算して、駆動力として加算処理部405に出力する。
また上述したように、漏れ流量算出部409は、入力された差圧にシリンダ間の漏れ流量係数を乗算した漏れ流量97を算出して、加算処理部401に出力することになる。
加速度算出部406は、入力された駆動力に速度可動部質量の逆数を乗算し加速度を算出して、積分処理部407に出力する。積分処理部407は、更に積分要素を乗算することで、シリンダのピストン可動部の移動速度を算出し、ピストンの可動部速度を出力する。この移動速度(ピストンの可動部速度)は、また、増加量算出部410と粘性抵抗算出部408とにフィードバックされる。
粘性抵抗算出部408は、入力された移動速度に可動部質量の粘性抵抗係数を乗算して可動部質量の粘性抵抗を算出して、加算器405に出力する。また増加量算出部410は、ピストン受圧面積を乗算することによって体積増加量96を算出し、加算処理部401に出力する。
この油柱共振特性に、見かけ上の減衰を付加するために、図5のブロック構成図を提案する。図5のブロック構成図は、図4のブロック構成に対して、補償ゲイン算出部411と加算処理部412を追加したものである。
即ち、図5において、加速度算出部406の出力(ピストンの可動部質量の加速度)を、補償ゲイン算出部411に出力し、補償ゲイン算出部411を通過させて生成した補償流量を加算処理部412において、増加量算出部410の出力である体積増加量96と加算して、加算処理部401に出力して、油圧シリンダにフィードバックするものである。
図5に示した補償ゲインを適切に設定することで、図6に示すようにY1油圧加振機の油柱共振特性(実線)とY2油圧加振機の油柱共振特性(破線)を見かけ上制御することが可能となり,振動テーブル1に発生する回転振動を抑制することができる。
図7の実施例は、図1aと図1bの振動試験装置のY1油圧加振機50−2とY2油圧加振機50−3のピストン5−2、5−3それぞれに、ピストン加速度センサ8−2と8−3を設け、ピストン加速度センサ8−2と8−3からピストン加速度センサ信号20−2、20−3をそれぞれ出力し、出力されたピストン加速度センサ信号20−2、20−3に基づいてピストン5−3、5−3をそれぞれ補償制御する補償回路40を設け、かつ、補償回路40から補償制御するための補償信号を出力し、制御回路15−2、15−3にそれぞれ設けた加算処理部16−2、16−3によって足し合わせて、サーボ弁7−2、7−3にそれぞれ出力するようにしたものである。なお、図7では、被試験体99の他、X油圧加振機50−1の制御系、及び波形発生装置14とその信号線25−1、25−2は省略し、図示していない。
補償回路40では、油柱共振特性のピークを減衰させるために、以下の処理を行う。先ず、入力されたピストン加速度センサ信号20−2と20−3それぞれに対して、補償ゲイン乗算部41−2と41−3において補償ゲインをそれぞれ乗じる。次に、サーボ弁逆特性乗算部42−2、42−3において、サーボ弁7−2と7−3の電圧−流量特性に関するサーボ弁逆特性をそれぞれ乗じる。
次に、システムを安定化させるための安定化ローパスフィルタ43−2、43−3を通過させ、不要な周波数成分を除去する。
こうして生成された補償信号47−2及び47−3は、それぞれ、Y1油圧加振機50−2とY2油圧加振機50−3のサーボ指令信号に足し合わされて、新たな出力信号24−2としてサーボ弁7−2に入力され、かつ、新たな出力信号24−2としてサーボ弁7−3に入力される。
これによって、Y1油圧加振機50−2とY2油圧加振機50−3の油柱共振特性のピークを減衰させることで、振動テーブル1の回転振動を抑制し、1方向の振動試験の信頼性を低下させることなく高精度に実施できる。
なお、図7の実施例の補償回路40では、Y1油圧加振機50−2とY2油圧加振機50−3両方を補償する構成であった。しかし、補償回路を複数用意し、Y1油圧加振機50−2とY2油圧加振機50−3とを別々に補償するようにしても良い。
図7の実施例では、ピストン加速度センサ8−2と8−3を設け、このピストン加速度センサ8−2と8−3から出力されるピストン加速度センサ信号20−2、20−3を補償回路40に入力した。これに対して、図8の実施例では、ピストン変位センサ信号23−2、23−3それぞれを補償回路401に入力する。
補償回路401に入力されたピストン変位センサ信号23−2と23−3に対して二階微分フィルタ44−2と44−3をそれぞれに実行し、ピストン加速度センサ信号に変換する。
ピストン加速度センサ信号に対して、補償ゲイン41−2、41−3をそれぞれ乗じ、次にサーボ弁逆特性42−2、42−3をそれぞれ乗じ、安定化ローパスフィルタ43−2、43−3にそれぞれ通過させる。こうして生成された補償信号471−2及び471−3は、それぞれY1油圧加振機50−2とY2油圧加振機50−3のサーボ指令信号にそれぞれ足し合わされて、新たなサーボ指令信号24−2と24−3としてサーボ弁7−2と7−3にそれぞれ入力される(図7参照)。
本実施例では、図7の実施例に対して、ピストン変位センサ信号23−2及び23−3、シリンダ圧力センサ信号21−2及び21−3、シリンダ圧力センサ信号22−2及び22−3、並びにロードセル荷重信号(荷重センサ信号)26−2及び26−3を補償回路402に入力する。
補償回路402に入力されたピストン変位センサ信号23−2及び23−3、シリンダ圧力センサ信号21−2及び21−3、シリンダ圧力センサ信号22−2及び22−3、並びに、ロードセル荷重信号26−2及び26−3に対して、加速度信号変換フィルタ45−2、45−3をそれぞれ通過させ、ピストン加速度センサ信号に変換する。
加速度信号変換フィルタ45−2、45−3では、それぞれ、シリンダ圧力センサ信号21−2及び21−3、シリンダ圧力センサ信号22−2及び22−3をそれぞれ差分する。これによって、シリンダ6−2及び6−3のそれぞれの差圧信号を生成し、ピストン受圧面積を乗じることで加振力信号に変換する。そして、この加振力信号から荷重センサ信号26−2及び26−3とピストン変位センサ信号23−2及び23−3それぞれの一階微分フィルタに、可動部質量の粘性抵抗係数95を乗じた信号を、抵抗信号として差し引いた力の次元の信号に対して、各ピストン可動部質量の逆数92を乗じてピストン加速度センサ信号に変換する。
このピストン加速度センサ信号に対して補償ゲイン41−2及び41−3をそれぞれ乗じ、次に、サーボ弁逆特性42−2及び42−3をそれぞれ乗じ、更に安定化ローパスフィルタ43−2及び43−3をそれぞれ通過させる。
こうして生成された補償信号472−2及び472−3は、それぞれ、Y1油圧加振機50−2とY2油圧加振機50−3のサーボ指令信号に足し合わされて、新たなサーボ指令信号24−2及び24−3としてサーボ弁7−2及び7−3にそれぞれ入力される(図7参照)。
まず、図10の実施例では、図7の実施例に対して、補償回路403に入力されるピストン変位センサ信号23−2及び23−3を、比較器46−2及び46−3に共に入力して、ピストン加速度差分信号を生成するものである。
図10の実施例の補償回路403は、生成されたピストン加速度差分信号それぞれを、図7で説明した補償回路40に入力した実施例と同等である。
変換された各ピストン加速度センサ信号に対して、比較器46−2または46−3により生成されたピストン加速度差分信号に対して、補償ゲイン41−2及び41−3をそれぞれ乗じ、次にサーボ弁逆特性42−2及び42−3をそれぞれ乗じ、更に安定化ローパスフィルタ43−2及び43−3をそれぞれ通過させるものである。
また、上述の実施例では、Y方向の油圧加振機を2台としているが、X方向の油圧加振機を2台としても良く、どちらかが2台以上具備すれば、他方は何台あっても良いことは自明である。
Claims (5)
- 被試験体を搭載する振動テーブルと、ピストンの往復運動によって前記振動テーブルを加振する油圧加振機と、制御回路に目標波形信号を出力する波形発生装置と、前記振動テーブル若しくは油圧加振機の駆動状態を計測してセンサ信号を出力する制御用センサと、前記センサ信号を用いて目標波形信号通りに前記油圧加振機を制御する制御信号を出力する前記制御回路と、前記制御回路に前記目標波形信号を出力する波形発生装置と、前記制御信号に応じて前記油圧加振機のピストンを往復させるサーボ弁と、を備えた振動試験装置において、
前記振動テーブルの少なくとも1方向の加振方向に少なくとも2台の前記油圧加振機のピストンの加速度を検出しピストン加速度信号として出力するピストン加速度センサと、
前記ピストン加速度の差分信号に基づいて、前記油圧シリンダの作動油圧縮性に起因する共振特性を制御するための補償信号を出力する補償回路とを備え、
前記制御回路は、加算処理部を備え、前記補償信号を前記制御信号に足し合わせて前記サーボ弁に出力することを特徴とする振動試験装置。 - 請求項1記載の振動試験装置において、前記補償回路は、前記ピストン加速度信号に補償ゲインを乗じる補償ゲイン乗算部と、前記油圧加振機のサーボ弁逆特性を乗じるサーボ弁逆特性乗算部と、ローパスフィルタと、を備えたことを特徴とする振動試験装置。
- 請求項1または請求項2のいずれかに記載の振動試験装置において、前記ピストン加速度信号の代わりに前記ピストン変位信号を用いて、前記補償回路に前記ピストン変位信号を前記ピストン加速度信号に変換する微分フィルタ回路と、を備えたことを特徴とする振動試験装置。
- 請求項1または請求項2のいずれかに記載の振動試験装置において、前記ピストン加速度信号の代わりに前記ピストン変位信号と、前記差圧信号と、前記油圧加振機の荷重信号とを用いて、前記補償回路に加速度信号変換フィルタ回路とを備えたことを特徴とする振動試験装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の振動試験装置において、前記振動テーブルの少なくとも1方向の加振方向に少なくとも2台の前記油圧加振機と、を備えたことを特徴とする振動試験装置。
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