JP5311161B2 - 腰部固定ベルト - Google Patents

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Description

発明は、腰部の痛みや、長時間の労働などによる腰部疲れ軽減のために腰部に巻き付ける固定帯において、装着時の身体からの発汗による水分を急速吸水・蒸発散する機能を待たせた腰部固定ベルトに関する。
近年、労働環境の変化に伴い、長距離トラックやタクシーの運転手にみられる長時間の運転姿勢に伴う腰痛、過激な運動による頸椎損傷による腰痛、オフィス事務に伴う所謂冷房病と言われる腰痛など、大勢の人々が様々な原因による腰痛に悩まされている。
その対策として、軽度の腰痛には古来からの腹巻き着用や、腰椎損傷などの重傷の腰痛には医療用コルセットの装着による痛みの軽減や機能回復目的など、腰部を固定する衣類等に依存しているのが現状である。
先行事例を見ると、特にスポーツ用として運動に対する支障を最小限にするため、薄手の通気性伸縮素材を主体に構成し、ボーン折れ防止のための保護ボーンを背部に装着する腰部保護用衣類が提案されている(特許文献1)
また、腰痛の予防、治療に適するとして帯形状の本体とその背部に脊柱を中心として左右対称にステーを配置する構造の腰部固定帯が提案されている。(特許文献2)
また、腰部を温めかつ細菌の繁殖を抑制するため、遠赤外線を放射する特殊セラミックスと銀イオンを有する無機系抗菌剤を含有する高性能特殊セラミックスを練り込んだ繊維と通常繊維との混紡のメッシュ生地を用いた腰部保護帯が提案されている。(特許文献3)
特許第2702668号 公開広報 特開2009−240738号 公開広報 実用新案登録第3067244号 公開広報
しかしながら、何れの先行事例をはじめ多くの市場製品は、腰痛の軽減や治療に主眼を置いているために、薄く、軽く、機能しやすい構造となっていることは認められるものの、装着時の身体からの発汗によるあせもや皮膚疾患等に対する方策や構造となっていないことが明らかである。
通気性の素材を用いる提案も多く見られるが、素材の通気性が抜群であってもこれら腰部固定帯などは肌に近い位置に装着されるため、外装衣服によって該通気性が遮られ、逆に通気性素材に汗などが多量に保持されることになり、あせもや皮膚障害をもたらす二次障害への対策が不十分と言わざるを得ないのが現状である。
かかる課題を解決するため本願発明においては、全体が主に表布と裏布で構成され、長さ方向の両端部に雌雄の係止手段が設けられ、長さ方向の一部に伸縮部が設けられ、その長さ全体の部位において表布と裏布の間に急速吸水材が挟持され、伸縮部以外の全部位の周長部には、表布と裏布に挟持させた非伸縮性の伸び止め芯材を縫合することを特徴とする腰部固定帯を基本構造とする。
本願発明の特徴は、腰部固定帯の伸縮部に設けられる伸縮材と急速吸水材が、長さ方向における周長部において表布と裏布とに縫合されない幅寸法とし、更に、前記急速吸水材が隣接する取り付け部位において、長さ方向の一方を隣接部位で一体縫合され、他方は隣接する部位に複数の細長伸縮部材で縫合等により固着する構造としている。
発明の腰部固定ベルトを装着することにより、主に高温環境や勤労過多、軽度・重度の運動により発汗に伴う汗水分を表布と裏布に挟持させた急速吸水材が吸収し、外部に適宜蒸発散による放出する働きが機能し、肌と腰部固定ベルトの摩擦による肌荒れ、肌ずれなどの二次障害の発生を防止でき、快適な肌環境を保持することが可能となる。
即ち、本腰部固定ベルトに用いる急速吸水材は、繊維の体積の10倍にも及ぶ 水分を急速に吸水する素材を、表布(装着時に身体の外側となる部位:以下同じ)と裏布(装着時に身体の肌側がとなる部位:以下同じ)の間に挟持させることで、発汗が伴っても身体表面の水分残留を極力吸収し、装着者の装着部肌面が常に濡れ状態となる危険性を大幅に軽減できる
腰部固定帯Aの部材・部位別展開図 腰部固定帯Aの平面図(表面・裏面) 腰部固定帯Aの他の実施例図 腰部固定ベルト1の部材・部位別展開図 腰部固定ベルト1の伸縮材及び急速吸水材を周長部で縫合しないとする詳細図 腰部固定ベルト1の急速吸水材を長さ方向の他方を細長伸縮材で隣接する部位に固着する詳細図
本願発明の基本構造となる腰部固定帯Aについて図1〜図2を用いて説明する。
図1の(イ)は装着者の内側に(肌側)相当し(ニ)は装着者の外側(表面)に相当する構造である。
腰部固定帯Aは、厚み方向ではその全長に亘って肌側を形成する裏布2と外側を形成する表布3と、該裏布2と該表布3に狭持される急速吸水材5で構成し、さらに伸縮部7には平板状ゴム製などの伸縮材4が挟持される構造とし、長さ方向においては両端に係止部6と中央部には腰部背側当接部8と、該腰部背側当接部8と係止部6の中間部に伸縮部7とが連接して設けられ、かつ伸縮部7以外の全部位の周長部には、表布3と裏布2に挟持させた非伸縮性の伸び止め芯材11を縫合する。
なお、急速吸水材には、本願出願時点においてベルオアシス(帝人ファイバー株式会社の登録商標)が最も好ましい素材であり、以下においても同様とする
前記腰部固定帯Aの他の実施例として、図3に示すように腰部背側当接部8の部材を1〜複数枚の立体裁断した部材の立体裁断腰部背側当接材81,82を連接して構成することもできる。当該立体裁断腰部背側当接材81,82を用いることにより、着者が本実施例の腰部固定帯Aを装着した場合、背骨下部から腰椎と骨盤上部に至る範囲まで、略同じ緊迫度を確保できるため、上部は腹圧の醸成、中間部は腰椎を、下部は骨盤の固定に寄与するなど、腰部全域に亘っての保温、圧迫、固定などの効用を発揮できる。
また、前記実施例に加えて、図3に示すように係止部6と伸縮部7の結合点に緊縮ベルトを固着し、腰部背側当節部8の伸縮部7寄りにダブルカン10を固着し、該緊縮ベルト9の先端部に係止材を固着した構成とすることも可能である
この構成により、装着者が本実施例の腰部固定帯Aを装着した後に、当該緊縮ベルト9とダブルカン10を活用することにより、装着者の意図に基づき適宜な緊度を自由に調節・確保できるようにしている
即ち、常に本実施例の腰部固定帯Aが度の微調整や緊度のハード性を求める利用者に至便な機能を持たせる構造・機能を有している。
本願発明の請求項1について、図4〜図6を用いて説明する。
本願発明の腰部固定ベルト1の第1点なる構造は、図5に示すとおり、腰部固定帯Aの伸縮部7に用いる平板状ゴムなどの伸縮材4及び急速吸水材5を腰部固定ベルト1の周長部において裏布2と表布3と一体縫合しない幅寸法構造としている。
また、第2点なる構造は、図4及び図6に示すとおり、伸縮部7における急速吸水材5の長さ方向において急速吸水材5の一方は裏布2と表材3と伸縮材4と一体縫合して隣接する部位に固着するが、他方は細長伸縮材11介して隣接する部位の裏布2と表布3と伸縮材4縫合等により固着する構造とし、伸縮部7における急速吸水材5の非伸縮性を回避し、伸縮部7の伸縮機能を十分に発揮させる構造とする
即ち、本願発明の腰部固定ベルト1において、急速吸水材5の一方を裏布2と表布3と伸縮材4と一体縫合せずに細長伸縮材11介して隣接する部位の裏布2と表布3と伸縮材4とに縫合等により固着する構造とすることは、高吸水・高吸湿繊維であるベルオアシスに代表される急速吸水材5の繊維製品は一般的に伸張度が極端に小さいのが通常であり、殆ど伸び代を有していない非伸縮性であるのが現状であり、本発明の腰部固定ベルト1における、伸縮部7位置において裏布2、急速吸水材5、伸縮材4、表布3を一体縫合した場合、腰部固定ベルト1の周長部は伸縮部7においても他の部位同様に伸張度が極めて小さくなることを回避するための構造である
この構造により非伸縮性の急速吸水材5の機能に制約を受けることなく伸縮部7に設けた平板状ゴムなどの伸縮材4の機能が優先的に働き、伸縮度をより大きくかつ柔軟度が発揮され、併せて急速吸水材5の端部が洗濯などにより急速吸水材5が伸縮部7の一部に偏るなどの形状変化を引き起こす弱点を克服する腰部固定ベルト1を創出できた。
発明の腰部固定ベルト1は、単独で腰部の損傷保護や、痛み緩和、腰部の柔軟な固定向けに有効であり、最大の特徴は発汗などによる水分を急速吸水材5により十二分に吸水し、表布3の外表面より外部へ蒸発散放出する機能を持たせたことで、腰部固定ベルト1の装着による二次障害となっていたあせも、皮膚ただれ、床ずれに似た症状を殆ど発症しないという腰部固定ベルト1である。
この機能は、腰部を損傷した場合の医療用や高齢者の腰部弱体化の介護用のコルセットの下部(肌側)に装着することによって、コルセット装着による皮膚障害を相当なレベルで改善できるものであり、医療や介護の効果をより高められる補助具としての役割を担える装備と位置づけられる。
本願発明の腰部固定ベルト1を基本形として、膝痛向けの固定ベルト又はサポーターに応用展開することで高齢者が陥る膝関節弱体化の補完や歩行による痛み緩和に役立つほか、歩行等による発汗の吸汗とそれに伴う膝裏の疾患防止にも有用な構造を有している。
また、スポーツ選手に見られる肘関節の痛みや違和感の解消や緩和に肘向けの固定ベルト又はサポーターとして、特にスポーツ中の発汗に対する強力な吸汗作用に最適な効果を奏するものとして利用できる。
また、前記記載の膝や肘に限定されることなく、頸椎部、手首部、踵部など人体のあらゆる関節痛緩和や関節保護向けの固定ベルト又はサポーターとしても応用展開が可能であり、その全てが本願発明に包摂されるものとする。
その他、医療用や介護用のコルセットの内側に施用することで発汗による肌荒れや床ずれに似た症状の大幅な緩和が期待できるため、損傷した腰部の機能回復への手助けにも貢献できるし、医療用コルセットに本件発明の腰部固定ベルトの仕様・機能を応用展開することによって新たなコルセットの創出にも貢献できる
また、更なる技術改良は伴えば、前記コルセットに本件発明の構造を付加又は装備させた医療具を新たに創出することも可能である。
本願発明の腰部固定ベルト1を複数用意することで、適宜な交換でいつでも快適な肌環境を継続して維持できることは、装着者にとって快適な保養や医療・介護生活が担保される。
A 腰部固定帯
1 腰部固定ベルト
2 裏布
3 表布
4 伸縮材
5 急速吸水材
6 係止部
7 伸縮部
8 腰部背側当接部
9 緊縮ベルト
10 ダブルカン
11 細長伸縮材
81,82 立体裁断腰部背側当接材

Claims (1)

  1. 長さ方向の両端部に雌雄の係止手段を有する係止部(6)と該両係止部(6)の間に腰部背側当接部(8)と伸縮部(7)が連接して配され、厚さ方向に全面に亘って表布(3)と裏布(2)及び該表布(3)と裏布(2)の間に急速吸水材(5)を狭持し、更に長さ方向の伸縮部(7)には表布(3)と急速吸水材(5)との間に伸縮材(4)を狭持し、更に長さ方向における伸縮部(7)以外の部分の周長部には表布(3)と裏布(2)の間に非伸縮性の伸び止め芯材(11)を狭持した腰部固定帯(A)において、伸縮部(7)に狭持される伸縮材(4)及び急速吸水材(5)を該伸縮部(7)の周長部で表布(3)と裏布(2)と縫合されない幅寸法とし、前記急速吸水材(5)の長さ方向の一方を隣接する部位に表布(3)と裏布(2)と伸縮材(4)とに縫合し、他方は複数の細長伸縮材(11)を介して隣接する部位に表布(3)と裏布(2)と伸縮材(4)とに縫合により連接固着することを特徴とする腰部固定ベルト(1)
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