JP2003073909A - 膝保温部を有する衣類 - Google Patents

膝保温部を有する衣類

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JP2003073909A
JP2003073909A JP2001258706A JP2001258706A JP2003073909A JP 2003073909 A JP2003073909 A JP 2003073909A JP 2001258706 A JP2001258706 A JP 2001258706A JP 2001258706 A JP2001258706 A JP 2001258706A JP 2003073909 A JP2003073909 A JP 2003073909A
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pocket
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cloth
pad
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Akemi Yonekawa
明見 米川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高齢者の膝関節を保護する衣類を提供する。 【解決手段】 下肢の少なくとも膝を含む箇所を覆う本
体布と、膝に当たる位置に取り付けるポケットと、該ポ
ケット部に出し入れ自在に取り付けられるクッション性
と有する保温パッドとを備えている。ポケットは伸縮性
および保温性を有する柔らかい素材よりなると共に、上
記保温パッドは本体布およびポケットの布と同等以上の
保温性を持たせている。また、ポケット内に挿入保持す
る上記保温パッドは、膝蓋骨を囲むように内側に湾曲し
た円弧を有する形状としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膝保温部を有する衣
類に関し、特に、膝関節に痛みを感じやすい高齢者に適
したロングパンツ等の肌着として好適に着用されるもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、膝を保護するものとしては、主と
してサポータが用いられており、サポータは伸縮性を有
する強い素材からなり膝に巻き付けて着用されている。
この種のサポータでは着用している間に位置ずれを起こ
したり、まくれたりしやすく、また、強く締め付けられ
ると、膝の自由な屈伸の妨げとなる。上記問題を解決す
るものとして、実開平7−40722号で図14に示す
サポータ1が提案されている。このサポータ1はメリヤ
ス編地からなり、経方向を長手方向とする筒状体1aの
膝に当たる部分1bは直交する方向の編地としている。
【0003】また、膝を保護するパンツとして、特開平
11−61515号において、図15に示すように、パ
ンツ2の膝に当たる部分の内側に裏当て布2aを設け、
この裏当て布2aの膝の外下側の部分に緩衝用のパッド
3を縫い付けたものが提案されている。このパンツは
小、中、高の学生が着用するトレーニングパンツからな
り、運動中に転倒した時に膝を保護するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の膝保護類は、上
記図14に示すサポータ、図15に示す衣類などスポー
ツ用を前提としたものが多く、膝をサポートしながら屈
伸運動の妨げとならないようにしたものや、運動時にお
ける膝の保護を主たる目的としている。よって、この種
のスポーツ用の膝保護類は、肌に密着させた場合に硬い
感じのものが多く、日常着用するには着用感がきつすぎ
て、高年齢者に多い膝関節の痛みに対処するために、日
常着として着用する膝保護類としては適さないものが多
い。特に、高齢者は筋肉が衰えているために、硬く締め
付けるものは肌当たりが悪くなるために適さない。ま
た、膝は一般的に内側関節の痛みが多く、冷えから痛み
につながるケースが多いことより、保温機能が必要とな
る。高齢者は冷えを感じやすいことからも、膝を保温す
ると共に柔らかく保護する機能が必要となるが、従来の
膝保護衣類はこれらの機能がない点が特に問題となる。
【0005】即ち、従来の膝保護用衣類は、膝関節を保
温することにより保護するものではなく、かつ、日常着
として着易い簡便性を備えた高齢者に適したものは提供
されていない。
【0006】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、日常の生活着として気楽に着用でき、特に、膝の
保温を図り、膝関節に痛みを感じやすい高齢者に適した
ものとすることを課題としている。
【0007】
【解決を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、下肢の少なくとも膝を含む箇所を覆う本
体布と、膝に当たる位置に取り付けるポケットと、該ポ
ケット部に出し入れ自在に取り付けられるクッション性
を有する保温パッドとを備えていることを特徴とする膝
保温部を有する衣類を提供している。
【0008】上記のように、膝に当たる位置にポケット
を設け、該ポケットに保温パッドを着脱自在に収容でき
る構成とすると、保温パッドにより膝を保温することが
できるため、膝関節の保温、保護が不可欠な高齢者に適
したものとなる。また、保温パッドの大きさ、保温力を
変えたものを取り替え自在にポケットに収容することが
できため、保温力も任意に調節することができる。さら
に、保温パッドは本体布と一体のポケットに入れるだけ
であるため、着用が容易であり、かつ、保温パッドが位
置ずれしにくく、かつ、クッション性を持たせているた
め肌当たりが柔らかく、膝関節に痛みを感じる高齢者に
適したものとなる。即ち、膝の保温性、保護機能および
日常着となる着易さの全てを達成することができる。
【0009】上記保温パッドを入れるポケットは本体布
の表面側に取り付けると、着用時においても保温パッド
の着脱、交換が簡単にできるために好ましいが、本体布
の裏面側(肌側)に取り付けてもよい。また、本発明の
膝保温部を有する衣類は、肌着のロングパンツにポケッ
トを設け、保温パッドを入れる構成としてサポート機能
を持たせることが最も好ましいが、パンツタイプではな
く、股部を有しない筒状の膝を含む上下方向に長いサポ
ータータイプとしてもよい。特に、上記ロングパンツの
タイプとすると、パンツを着用するだけで、膝の保温、
保護が図られるため、非常に着用しやすくなる。また、
パンツ自体も保温性を有するゆったりとしたものとする
と、特に、冬季に膝の痛みが発生しやすい高齢者用の肌
着として好適なものとなる。
【0010】上記ポケットは伸縮性および保温性を有す
る柔らかい素材よりなると共に上記保温パッドは本体布
およびポケットの布と同等以上の保温性を有する素材よ
り形成している。具体的にはポケットを形成する素材と
しては、発熱素材である丸編エクス、ウエルサーモ、保
温性の高いダマール(ダマール株式会社の登録商標)、
弾性糸入りトルファン綿、綿スムース、モダール等が用
いられる。また、保温パッドはダブルラッセル等を所定
の形状に裁断し、それを2重、3重等に、複数枚を重
ね、それを外布で覆って構成しても良いし、不織布、ポ
リウレタン等を外布で覆って形成してもよい。なお、不
織布およびポリウレタン等で形成する場合には、保温パ
ッドの形状に沿って一体成形し、この一体成形品を外布
で覆ってもよい。保温パッドを覆う外布は、ポケットを
形成する素材と同じく発熱素材である丸編エクス、ウエ
ルサーモ、保温性の高いダマール、トルファン綿、綿ス
ムース、モダール等の伸縮性と保温性を有する柔らかい
素材が用いられる。
【0011】上記ダブルラッセル、不織布、ポリウレタ
ン等の厚みと形状保持性を有する素材を所要の形状と
し、それを保温性が高い外布で覆う構成とすると、膝蓋
骨の周囲にフィットしやすい偏平な形状を作り易く、か
つ、形状が崩れにくくすることができる。特に、厚みの
あるダブルラッセル、シリコン等を含浸させた低反発ポ
リウレタンを用いると、形状が崩れにくく、クッション
性が高いために、保温パッドが薄くなった状態のままで
復元しなくなることを防止できる。また、保温性の高い
ウエルサーモやダマール等の素材を用いて、これら素材
をすし巻き状として保温パッドを形成してもよい。
【0012】上記のように、ポケット自体を保温性を有
する素材で形成すると、膝全体を保温することができる
と共に、伸縮性を有する素材で形成すると、膝にぴった
りと密着させることができ、膝の運動機能を阻害するこ
となく、サポート機能を高められ、かつ、内部に挿入す
る保温パッドを位置ずれなく保持することができる。
【0013】本体布も保温性を有する柔らかい布より構
成することが好ましいことは言うまでもない。さらに、
衣類を肌に密着させて着用する場合には本体布も伸縮性
を有する布より形成する必要がある。上記伸縮性を有す
る布は、生地に弾性糸を編み込むことにより、あるいは
弾性糸は編み込まれないが編組織により伸縮性を持たせ
たものでもよく、着脱が容易に出来ると共に着用時に身
体の動きに追従する程度であればよい。
【0014】上記ポケットは本体布の表面側に配置し、
膝上方あるいは膝側方に開口を備え、該開口を引き伸ば
して挿入する上記保温パッドを、ポケットの開口および
ポケット全体が収縮することにより、該ポケット内に保
温パッドを位置ずれなく保持する構成としている。ポケ
ットの開口を膝側方に設ける場合には左右のポケットの
相離れる位置の外側(内股側とは逆位置)に設けること
が好ましい。即ち、開口は外側に設けて、ポケットに収
容する保温パッドは膝の内側に当接保持することが好ま
しい。また、ポケットは上記のように伸縮性を持たせて
いるため、開口を引き伸ばして保温パッドを所要の位置
まで挿入すると、開口が元の状態に収縮して開口を閉じ
ると共に、挿入し当接された位置で保温パッドが移動し
ない状態でしっかりと保持することができる。上記ポケ
ットに入れる保温パッドの長さは、ポケットの開口長
さ、あるいはポケットの空間の長さよりも若干長くして
ポケットより脱落できないようにしていることが好まし
い。
【0015】上記ポケット内に挿入保持する上記保温パ
ッドは、膝蓋骨を囲む内側に湾曲した円弧を有する形状
とし、本体およびポケットの素材と同等以上の保温性を
有すると共に柔らかくクッション性を有する素材より形
成し、あるいはポケットの素材と同等以上の保温性を有
する外布で覆って形成している。上記のように、保温パ
ッドにより保温する部位は、所謂膝頭にあたる膝蓋骨そ
のものより、膝蓋骨の周囲とすることが好ましい。
【0016】膝全体を覆うパッドでは、膝の屈伸を伴う
歩行、立ったり座ったりという動作がしにくい欠点があ
る。しかし、膝全面にパッド材を当接すると、保温や保
護という効果は有する。膝の保温、保護ができ、かつ、
膝の屈伸を伴う日常動作に支障を来さないためには、撓
みやすく、膝全体よりは小さいパッドを膝の痛みや冷え
を感じやすい箇所のみに当接することが効果的である。
膝には上下の足の骨を連結し、膝の屈伸運動を助ける靭
帯が膝の内側と外側にある。この膝を保護する靭帯は外
側に比べて内側の靭帯の方が弱いため、膝外側よりも膝
内側を保温、保護する方が、膝保温、保護の効果が高ま
る。よって、膝の内側にのみ当接できるような小さく且
つ内側に湾曲し、撓むことができる三日月等の形状のパ
ッドが好ましい。また、膝の痛む箇所は、人により、ま
た時により相違するため、膝周囲のどこにパッドを当接
するかは個々人で適宜変更できるように、ポケットに挿
入して、移動出来るパッドとすることが好ましい。必要
であれば、これら三日月状のパッドを2〜3個用いて、
必要な複数箇所に当接してもよい。
【0017】上記保温パッドは、上記三日月形状に限ら
ず、お皿のような円盤形状や、楕円形状、ドーナツのよ
うな円環形状、半円弧形状、さらには、ハート形状、チ
ューリップ形状等でもよい。さらに、いずれの形状の場
合も膝の立体に沿うように、ゆるやかに湾曲したお椀状
に熱加工してもよい。円盤形状、楕円形状、円環形状と
した場合、膝の屈伸を伴う歩行や立ったり座ったりとい
う動作に対する追従性は若干劣るが、膝全体や膝全周を
保温でき、保温性の効果を高められる点では効果があ
る。膝蓋骨の下側の領域を保温、保護したい場合には、
上記半円弧状、ハート形状、チューリップ形状とした保
温パッドが好適に用いられる。なお、膝の屈伸等の動作
追従性の点からは円環状の方が好ましく、最も好ましく
は、三日月状や半円環状などの膝蓋骨の周囲に沿いやす
く、且つ、撓んだり、長さ方向に変形しやすい形状であ
る。このように、膝全面を保温パッドで保温するのでは
なく、必要な箇所を保温パッドで保温する構成とする
と、保温パッドによるごろつきが発生しない。
【0018】さらに、上記ポケットを2枚の布を重ねて
形成し、これら2枚の布を上部が完全に重ならず、互い
に縫着されない状態として開口とすると共に、下部は互
いに重なりあって縫着される構成としてもよい。このよ
うに、ポケットを二枚重ねとするとポケット布による保
温性を高めることができる。
【0019】上記保温パッドにも、更にポケット状の収
容部を設け、別の保温パッドを収容できる構成としても
よい。即ち、保温パッドを比較的広く薄い形状としてお
き、必要に応じて、さらに別の保温パッドを収容できる
ようにすると、保温量を調節したり、保温パッドによる
膨らみを調節したりすることができる。
【0020】上記ポケットを本体布の表面側に取り付け
た部分の本体布の少なくとも内側の前後に本体布より伸
縮性を有する柔らかい布を筒状に裏打ちすることが好ま
しい。なお、膝の後側にのみ裏打布を取り付けてもよ
い。この裏打ち布を本体布より伸縮性のある素材で形成
すると、フィット性を高めることができる。また、ポケ
ットの形状に応じて、該ポケットで保護されない部分、
特に膝の後ろ側等を裏打ち布で保護することができる。
【0021】上記本体布は股部を有する身体に密着する
肌着とし、該肌着に上記保温パッドを収容するポケット
を設けると、着易さや、保温、保護する箇所を適時選択
できる点で利点がある。
【0022】上記股部を有するロングパンツではなく、
股部を有さないサポータとしてもよい。即ち、本体布を
膝を挟んで大腿部から膝下に延在するサポータ形状と
し、本体布の上下両端に緊締力のある伸縮性テープを縫
着している。あるいは、本体布を伸縮性素材より形成
し、肌に密着して位置ずれが発生しない構成としてい
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1乃至図4は第1実施形態を示
し、女性用肌着のロングパンツ5に膝保温部6を一体的
に設けたものである。
【0024】ロングパンツ5はウエストラインから膝下
位置までの左右一対の本体布10と、該本体布10の前
身頃側の膝部分に取り付けるポケット11と、該ポケッ
ト11に取り出し自在に収容する保温パッド12と、膝
部分の肌側の全周に取り付ける裏当て布13とからな
る。
【0025】上記本体布10は前後身頃が連続した1枚
布からなり、足の内側を縫着して筒形状とすると共に、
股部より上方は左右の本体布10を互いに縫着して腹部
および臀部を覆う部分とし、股部にはクロッチ布14を
介在させている。
【0026】上記ポケット11は膝蓋骨Bおよび其の周
囲と膝の左右側面にある内側側副靭帯、外側側副靭帯を
覆うように、膝の後側を除いて、膝の左右側面と前面を
覆うように配置している。上記ポケット11は内側Iの
端縁11aと下端縁11bは略直線状とすると共に、内
側Iの上端から外側Oの下端にかけて円弧形状に湾曲さ
せた円弧端縁11cを有する形状とし、内側端縁11a
と下端縁11bおよび円弧端縁11cの両側を本体布1
0と縫着し、外側Oに向けた側縁を開口11dとして、
該開口11dを保温パッド12の出し入れ口としてい
る。この開口11dは膝蓋骨の上外側に位置している。
【0027】上記ポケット11の開口11dより挿入す
る保温パッド12は三日月形状とし、内側I側の下端隅
部に位置させて、着用時に膝蓋骨を囲むよう、膝の内側
に収容するようにしている。
【0028】本体布10の膝に当たる部分の肌側裏面に
は、前後身頃の全周にわたって裏当て布13を本体布1
0に縫着している。
【0029】上記本体布10とポケット11は同一の柔
らかく保温性があると共に伸縮性のある素材により、ゆ
ったりと肌に密着して締め付け感が生じないように形成
している。本実施形態では本体布10を保温性の良いダ
マールより形成している。
【0030】上記裏当て布13は本体布10およびポケ
ット11よりは伸縮性の大きな布を用い、本実施形態で
は綿スムースを用いて形成し、肌へのフィット性を強め
て位置ずれが発生しないようにしている。また、図2に
示す矢印方向に伸びを持たせ、膝の運動機能性を阻害し
ないようにしている。
【0031】保温パッド12はダブルラッセル、不織
布、ポリウレタンフォーム等厚みとクッション性がある
ものから形成し、これを本体布10およびポケット11
の素材と同等以上の保温性を有する素材よりなる外布1
2aで覆って形成している。この外布12aとしては発
熱性素材を用いることも好ましい。本実施形態では外布
12aとして発熱素材であるウエルサーモを用い、図3
に示すように、三日月形状に裁断して、この裁断布を前
後表面側でそれぞれ2枚重ね合わせると共に、その内部
に三日月形状に成形した5mm程の厚みのあるダブルラ
ッセル12bを封入した形状としている。ダブルラッセ
ルは弾力性、形状保持性、通気性、洗濯耐久性に優れて
いるためパッド材として好ましい素材である。
【0032】上記構成からなる膝保温部を有するロング
パンツからなる肌着では、パンツの本体布10にポケッ
ト11を設け、その内部に保温パッド12を収容してい
るため、パンツを着用すると膝が保温、保護され、従来
のスポーツ用等のサポータと比較して、簡易に膝の保
温、保護が図れる。また、柔らかく暖かい素材で本体布
10、ポケット11を形成し、特に、本体布はゆったり
とさせると共に伸びを持たせているため、膝部分も含め
て全体的に締め付け感がなく日常着としても着心地の良
いものとなり、特に、肌当たりがきついと抵抗感を生じ
る高齢者に適したものとなる。かつ、柔らかい素材から
なるため、膝の運動機能を損なわない。
【0033】また、膝に設けたポケット11に収容する
保温パッド12は、個々人の要求に従って必要な箇所に
適宜当接することができ、必要に応じて複数個を使うこ
ともでき、必要な部位を効果的に保温、保護することが
できる。また、クッション性を持たせているため、肌当
たりが柔らかで、かつ、この部分を外部干渉材で打った
場合に保護する機能も有する。しかも、膝蓋骨全体を保
温パッド12で覆わないため、保温パッド12を取り付
けたことによるごろつき感が生じず、膝の屈伸を伴う歩
行や、立ったり座ったりという動作の妨げにならない。
【0034】また、ポケット11を伸縮性を有する素材
から形成すると共に、保温パッド12の挿入用の開口1
1dを外上位置に保温パッドの長さより比較的小さく設
けているため、この開口11dを引き伸ばして保温パッ
ド12をポケット11内に挿入すると、開口11dは元
に戻って収縮して開口11dを大きく開かず、かつ、保
温パッド12を収容しているポケット11の部分は伸び
るが、その周囲は伸びずに保温パッド12に密着するた
め、保温パッド12を脱落および位置ずれが生じない状
態で保持することができる。
【0035】さらに、本体布10の膝に当たる部分の肌
側裏面に伸縮性のある裏当て布13を取り付けているた
め、膝保温部分6は着用者の膝の部分にフィットし、安
定した状態でポケット11および保温パッド12を位置
ずれなく保持できる。なお、上記実施形態は女性用のロ
ングパンツからなるが、男性用にも適用できることは言
うまでもない。
【0036】図5(A)(B)はポケット形状の第1変
形例を示し、ポケット11は中央を上方を突出させた山
型とし、該ポケット11の左右両側を本体布10と縫着
して、中央上部を開口11dとしている。また、該ポケ
ット11の左右両端部は背面側の両側まで延在させてい
る。ポケット11を上記形状とした場合、図6(B)に
示す半円環形状の保温パッド12を膝蓋骨の下半周縁に
配置する場合、図6(C)に示すに円環形状の保温パッ
ド12を膝蓋骨Bの全周に沿って配置する場合に、挿入
し易くなる。
【0037】図7(A)(B)は膝蓋骨の半周縁に配置
する場合に用いる保温パッド12の変形例であり、ハー
ト形状、チューリップ形状としている。保温パッドの内
側にくびれがあるため、膝の立体形状に沿わせることが
できる。このように保温パッド12を種々の形状として
取り替え自在とすると、膝の痛む箇所に応じた保温パッ
ドを用いることができる。
【0038】図8はポケット形状の第2変形例を示し、
下端を膝下より下方に延在させて、ロングタイプとして
いる。この場合、膝および膝の近傍の保温をより効果的
に図ることが出来るが、ポケット11に収容した保温パ
ッド12が下方にずれる恐れがあるため、ポケット11
の膝下位置L2を本体布10に縫着している。
【0039】図9はポケットの形状を変えた第2実施形
態を示す。第2実施形態ではポケット11’を2枚の布
11A’と11B’を重ねて形成している。一方の内面
側Iの布11A’の上縁11A’cは第1実施形態と同
様に内側Iの上端から外側Oの下端へと湾曲させる一
方、他方の外面側の布11B’は外側Oの上端から内側
Iの下端へと湾曲させている。2枚の布が重なり、膝蓋
骨を覆う箇所がほぼ2重となり、膝の保温という点から
も好ましい。これらの布11A’と11B’の上縁は縫
着せずに浮かせた状態とし、左右両側に保温パッド挿入
用の開口11d’1と11d’2とを設け、いずれから
でもポケット11’内に保温パッドを挿入できるように
している。
【0040】ポケット11’を上記形状とすると、図9
(B)に示すように、三日月状の2枚の保温パッド12
を用い、膝蓋骨の内側と外側に配置する場合に挿入しや
すくなる。また、ポケット11’の開口から保温パッド
が脱落するのを確実に防止することができる。なお、保
温パッド12は図10(A)に示す円盤形状とし、図1
0(B)に示すように、膝の立体形状に沿わせてお椀状
に湾曲させてもよい。さらに、図10(C)に示すよう
に、楕円形状としても良い。
【0041】図11(A)(B)(C)は保温パッドに
更にポケット部を設けて、別の第2の小さい保温パッド
21を着脱自在に挿入できるようにしている。図11
(A)に示す保温パッド20は薄円形状とし、その周囲
に間隔をあけて第2保温パッド挿入用開口20aを設
け、所要箇所に第2の保温パッド21を挿入できるよう
にしている。図11(B)に示す保温パッド20は第1
実施形態と同様な三日月形状とし、ダブルラッセルで形
成し、それを綿スムースからなる外布で包んでいる。包
んでいる外布を2重とし、そこに挿入用開口20aを設
け、ウレタンからなる第2保温パッド21を挿入できる
ようにしている。図11(C)は第2保温パッド21に
更にポケット部を設け、第3の保温パッド23を着脱自
在に挿入できるようにしている。この場合、より局部的
な膝の痛みに対応させて保温することが可能となる。
【0042】図12はロングパンツ形状とせずに長尺な
サポータ30とした第3実施形態を示す。上記サポータ
30は膝を挟んで上端は大腿部半ばまで延在し、下端は
膝下より5〜10センチ程度まで延在させている。この
サポータ30は本体布31を位置ずれを発生させないた
め伸縮性の強い布、例えば、ツーウエイトリコットで形
成し、上限端は端部始末不要なヘム状態としている。該
サポータ30の膝に当たる部分には、第1実施形態と同
様な、保温パッド12を収容するポケット11を設けて
いる。本体布のツーウエイトリコットは保温性が劣るた
め、ポケットは保温性の高い丸編エクス、ウエルサー
モ、ダマールなどから形成することが好ましい。
【0043】上記サポータ30の形態とした場合におい
ても、ポケット11内に保温パッド12を挿入している
ため、膝を保温することができると共に、従来のサポー
タのように膝を締め付けず、膝の運動機能を阻害せず、
気楽に日常も着用できるため、膝関節が痛む高齢者に適
したサポータとなる。
【0044】図13はサポータの形態とした場合の変形
例を示し、本体布32は第1実施形態と同様な柔らかい
と共に暖かいダマールで形成し、位置ずれを防止するた
め、本体布32の上下両端に伸縮性テープ33を取り付
けている。
【0045】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に係わる膝保温部を有する衣類では、高齢者に多い膝関
節の痛みに関しては、冷えが痛みにつながることも多い
ため、保温パッドを設けて膝を保温しているため、高齢
者用の膝保温部を有する衣類として好適なものなる。特
に、柔らかい素材からなるロングパンツの形態とする
と、パンツを着用するだけで膝の保護を図ることができ
ると共に、従来のサポータのような締め付け感を持たせ
ていないため、着用感もよく、日常着として簡便に着用
できる。即ち、高齢者用の膝保温部を有する衣類として
要望されている保温機能、保護機能、簡便性を達成する
ことができる。かつ、膝の運動機能も阻害しない。
【0046】さらに、保温パッドを簡単にポケットに挿
入できると共に、ポケット内の任意の位置に保持できる
構成としているため、必要な部位に配置することができ
る。かつ、取り替え自在としているため、所要の保温性
を有する保温パッドを取り付けることができ、着用者の
要求に適したものとすることができる等、種々の利点を
有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のロングパンツを示
し、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【図2】 図1のパンツの肌側裏面の要部を示し、
(A)は前身頃側の正面図、(B)は後身頃側の背面図
である。
【図3】 (A)は保温パッドの正面図、(B)は断面
図である。
【図4】 着用時の要部を示す図面である。
【図5】 第1実施形態の第1変形例を示し、(A)は
要部正面図、(B)は要部背面図である。
【図6】 (A)(B)は保温パッドの変形例を示す図
面である。
【図7】 (A)(B)は保温パッドの他の変形例を示
す図面である。
【図8】 第1実施形態の第2変形例を示す要部正面図
である。
【図9】 第2実施形態を示し、(A)は要部正面図、
(B)は保温パッドと装着した状態の要部正面図であ
る。
【図10】 (A)(B)(C)は保温パッドの変形例
を示す図面である。
【図11】 (A)(B)(C)は保温パッドの変形例
を示す図面である。
【図12】 第3実施形態のサポータを示す概略斜視図
である。
【図13】 第3実施形態の変形例を示す概略斜視図で
ある。
【図14】 従来のサポータを示す斜視図である。
【図15】 従来のトレーニング用パンツの斜視図であ
る。
【符号の説明】
5 ロングパンツ 6 膝保温部 10 本体布 11 ポケット 11d 開口 12 保温パッド 13 裏当て布 30 サポータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下肢の少なくとも膝を含む箇所を覆う本
    体布と、膝に当たる位置に取り付けるポケットと、該ポ
    ケット部に出し入れ自在に取り付けられるクッション性
    を有する保温パッドとを備えていることを特徴とする膝
    保温部を有する衣類。
  2. 【請求項2】 上記ポケットは伸縮性および保温性を有
    する柔らかい素材よりなると共に、上記保温パッドは本
    体布およびポケットの布と同等以上の保温性を有してい
    る請求項1に記載の膝保温部を有する衣類。
  3. 【請求項3】 上記ポケットは本体布の表面側に配置
    し、膝上方あるいは膝側方に開口を備え、該開口より挿
    入する上記保温パッドを、ポケットの開口およびポケッ
    ト全体が収縮することにより、該ポケット内に保温パッ
    ドを位置ずれなく保持する構成としている請求項1また
    は請求項2に記載の膝保温部を有する衣類。
  4. 【請求項4】 上記ポケット内に挿入保持する上記保温
    パッドは、内側に湾曲した円弧を有する形状で、三日月
    状、半円環状、円環状、ハート形状、あるいはチューリ
    ップ形状である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の膝保温部を有する衣類。
  5. 【請求項5】 上記ポケットは、2枚の布を上部が完全
    には重ならず、互いに縫着されない状態として開口とす
    ると共に、下部は互いに重なりあって縫着されている請
    求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の膝保温部を
    有する衣類。
  6. 【請求項6】 上記保温パッドは内部に別の保温パッド
    を収容できる構成としている請求項1乃至請求項5のい
    ずれか1項に記載の膝保温部を有する衣類。
  7. 【請求項7】 上記ポケットを本体布の前身頃表面側に
    取り付けた部分の本体布の前身頃から後身頃にかけて上
    記本体布より伸縮性を有する柔らかい布を筒状に裏打ち
    している請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の
    膝保温部を有する衣類。
  8. 【請求項8】 上記本体布は股部を有する身体に密着す
    る肌着からなり、該本体布の下端は少なくとも膝下に位
    置する請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の膝
    保温部を有する衣類。
  9. 【請求項9】 上記本体布は膝を挟んで大腿部から膝下
    に延在するサポータ形状とし、本体布の上下両端に緊締
    力のある伸縮性テープを縫着している請求項1乃至請求
    項7のいずれか1項に記載の膝保温部を有する衣類。
  10. 【請求項10】 上記本体布は膝を挟んで大腿部から膝
    下に延在するサポータ形状とし、本体布を伸縮性素材よ
    り形成し、肌に密着して位置ずれが発生しない構成とし
    ている請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の膝
    保温部を有する衣類。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008178618A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Kyoraku Co Ltd 関節用サポータ用の中空弾発部材およびその製造方法
JP7229606B1 (ja) 2022-08-03 2023-02-28 日本シグマックス株式会社 膝サポータ

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