JP5311110B2 - 液晶表示装置用スペーサの形成方法、液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents
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第一のインクにより形成した樹脂膜の表面自由エネルギが5mJ/m2以上、35mJ/m2以下、かつ次式で表せる表面自由エネルギの極性項比率が30%以下であることを特徴とする液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第一のインクに使用する樹脂が、イミド骨格を分子内に有するものである上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記シリコーン化合物が、ポリジメチルシロキサンを含有するものである上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第一のインクが、前記第二のインクの印刷時の基板と接する面の最大長さの3倍以下の直径で基板上に形成された上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第二のインクが、25℃における蒸気圧が1.34×103Pa未満の溶剤を含むものである上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、液晶表示装置用スペーサ形成用の第二のインクに、粒径の標準偏差が平均粒径の10%以下である熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、シリカ、金属酸化物のいずれか一つ以上からなる粒子を含む液晶表示装置用スペーサ形成インクに関する。
また、本発明では、第一のインク中に、シリコーン化合物を含むことが望ましい。ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン化合物は表面自由エネルギが低いため、膜表面に配向して、表面自由エネルギを低下させることができる。
また、上記インクの25℃における粘度は50mPa・s以下であることが好ましい。このような性状を有するインクを用いることにより、基板上に配された液滴の直径、ひいては形成されるスペーサのサイズを小さくすることが容易になる。スペーサを小さくすることは、特に高精細な液晶表示装置において重要である。
また、図3は、本発明の方法により形成した液晶表示装置用スペーサを使用した、液晶表示装置の例である。
本発明の液晶表示装置用スペーサの製造方法では、樹脂及びこれが溶解している溶剤を含有し、固形粒子を実質的に含有しないインクを用いる。ここで、「実質的に含有しない」とは、常温下において、粒径1.0μm以上の固形状粒子の含有量が、インク質量に対して、0.5質量%未満であることを意味する。
また、基板部材6bにおける偏光板5bの外側には、バックライト9が配置されている。
さらに、基板部材6a及び6bの電極2a及び2bが形成されている側には、それぞれ配向層17a及び17bが積層されている。そして、液晶層18は、配向層17a及び17bを介して、基板部材6a及び6bによって挟持されている。
このような液晶表示装置において、図3に示すように、液晶表示装置用スペーサ10は液晶層18の厚さを一定に保つために、液晶表示装置1の所定の位置に配設される。液晶表示装置用スペーサ10は、高品位な画像を表示する観点から、透光部である表示ドット部以外の位置に配設されることが好ましい。
また、基板部材6a及び6bには、必要に応じて、さらに絶縁層、ブラックマトリックスの層、緩衝材層、TFT等が設けられていてもよい。
また、基板3a及び3bとしては、プラスチック板、ガラス板等を例示できる。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名:N−865〕、ビスフェノールAノボラック樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名:VH4170〕、2−エチル−4−メチルイミダゾール〔東京化成工業(株)製〕を、溶剤であるγ−ブチロラクトン(25℃における蒸気圧:2.3×102Pa)に溶解した後、シリコーン系表面調整剤〔楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン1711〕を添加し、インクI−1を調製した。なお、インクI−1に含まれる各原料及び溶剤の使用比率は、表1に示す通りである。
メタクリル酸エステル共重合物〔綜研化学(株)製、商品名:MIS−115〕を溶剤である、γ−ブチロラクトンに溶解した後、シリコーン系表面調整剤(楠本化成製、商品名:ディスパロン1711)を添加し、インクI−2を調製した。なお。インクI−2に含まれる各原料及び溶剤の使用比率は、表1に示す通りである。
表面調整剤を添加しないこと以外は、インクI−1と同様にして、インクII−1を調製した。
調製したインクII−1の粘度は、7.5mPa・s、表面張力は、44.1mN/mであった。
インクI−1から20μmの目開きのメンブレンフィルタでろ過して異物を除去した。異物を除去したインク一を口径50μmのヘッドを搭載したピエゾ方式のインクジェット装置〔(株)マイクロジェット製、商品名:ナノプリンター1000〕に供給した。
当該インクジェット装置を用いて、ガラス板上に150μm間隔で、液滴容量15pLとして、吐出位置座標(目標)に基づいてインクI−1を1回印刷した。その後、当該基板を180℃に加熱したホットプレート上に速やかに移し、30分間乾燥して、第一の層を形成した。
さらに、当該インクジェット装置を用いて、第一の層が形成された基板の表面上に、150μm間隔で、液滴容量15pLとして、第一のインクと同一な吐出位置座標(目標)に基づいてインクII−1を印刷した。インクII−1を1回印刷した後、当該基板を180℃に加熱したホットプレート上に速やかに移し、30分間乾燥・硬化させて、スペーサを形成した
基板上に印刷されたインクドットの印刷状態(乾燥前)の画像から着弾位置の座標を特定した。この座標と、当初の吐出位置座標(目標)とのずれ(W)を算出し、以下の評価基準で着弾位置精度を評価した(n=80)。評価結果を表2に示す。
A:印刷された全てのインクドットに対して、着弾位置のずれ(W)が25μm以内であるインクドットの割合が90%以上である。
B:印刷された全てのインクドットに対して、着弾位置のずれ(W)が25μm以内であるインクドットの割合が90%未満である。
形成したスペーサに市販のセロハンテープを強く圧着させた後、当該セロハンテープを一気に引き剥がして、スペーサの剥がれの有無を確認することにより、密着性の評価を行った。密着性の評価基準は以下の通りである。密着性の評価結果を表2に示す。
A:テープ試験によりスペーサが全く剥がれない。
B:テープ試験によりスペーサの少なくとも一部が剥がれる。
形成したスペーサの高さを、菱化システム社製三次元非接触表面形状計測システム(商品名:MM−3500)により測定し(n=96)、測定値の平均値及び標準偏差を求めた。
形成したスペーサの直径を、顕微鏡で観察して測定した。
第一のインクとしてインクI−1に代えて、インクI−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
第一のインクとしてインクI−1に代えて、インクI−3を用い、かつインクI−3を230℃で10分間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
第一のインクとしてインクI−1に代えて、インクI−4を用い、かつインクI−4を100℃で30分間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
第一のインクとしてI−1を150℃で3分間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
第一のインクとしてI−1を120℃で3分間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
第一のインクとしてI−3を120℃で3分間乾燥したこと以外は、実施例3と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表3に示す。
第一のインクとしてI−3を80℃で3分間乾燥したこと以外は、実施例3と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表3に示す。
2a、2b 電極
3a、3b 基板
5a、5b 偏光板
6a、6b 基板部材
7 カラーフィルタ
8 位相差板
9 バックライト
10 液晶表示装置用スペーサ
13 シール材
17a、17b 配向層
18 液晶層
Claims (13)
- 樹脂及びこの樹脂が溶解している溶剤を含有し、固形粒子を実質的に含有しない第一のインクからなる液滴をインクジェット法により基板上に印刷し、前記基板上の前記第一のインクの液滴から前記第一のインクの溶剤を除去して、前記基板上の所定の位置に樹脂膜を形成し、さらに前記樹脂膜上に、樹脂及びこれが溶解している溶剤を含有し固形粒子を実質的に含有しない第二のインクからなる液滴をインクジェット法により印刷し、前記第二のインクの液滴から第二のインクの溶剤を除去して、前記基板上の所定の位置に配された液晶表示装置用スペーサの形成方法であって、第一のインクにより形成した樹脂膜の表面自由エネルギが5mJ/m2以上35mJ/m2以下、かつ次式で表せる表面自由エネルギの極性項比率が30%以下であることを特徴とする液晶表示装置用スペーサの形成方法。
(γp:表面自由エネルギの極性項、γd:表面自由エネルギの分散項) - 前記第一のインクにより形成した樹脂膜の表面自由エネルギが、10mJ/m2以上30mJ/m2以下で、かつ表面自由エネルギの極性項比率が、20%以下である請求項1記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
- 前記第一のインクに使用する樹脂が、イミド骨格を分子内に有するものである請求項1又は2記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
- 前記第一のインクが、シリコーン化合物を含有するものである請求項1又は2記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
- 前記シリコーン化合物が、ポリジメチルシロキサンを含有するものである請求項4記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
- 前記第一のインクが、フッ素化合物を含有するものである請求項1又は2記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
- 前記第一のインクが、前記第二のインクの印刷時の基板と接する面の最大長さの3倍以下の直径で基板上に形成された請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
- 前記第二のインクが、絶縁性の樹脂を0.5〜50質量%の割合で含み、25℃における粘度が50mPa・s以下、また25℃における表面張力が20mN/m以上である請求項1〜7のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
- 前記第二のインクが、25℃における蒸気圧が1.34×103Pa未満の溶剤を含むものである請求項1〜8のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
- 前記第二のインクに含まれる樹脂が、絶縁性の熱硬化性樹脂であり、印刷後の液滴を加熱することにより前記液滴から前記溶剤を除去するとともに前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記液晶表示装置用スペーサを形成させるものである請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
- 前記第一のインク及び第二のインクの印刷方法が、インクジェット印刷法である請求項1〜10のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
- 対向配置された1対の基板と、該1対の基板間に配された液晶層及び液晶表示装置用スペーサとを備える液晶表示装置の製造方法において、請求項1〜11のいずれかに記載の形成方法による少なくとも一方の前記基板上に前記液晶表示装置用スペーサを形成させる工程を備えることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
- 対向配置された1対の基板と、該1対の基板間に配された液晶層及び液晶表示装置用スペーサとを備え、前記液晶表示装置用スペーサが、請求項1〜11のいずれかに記載の形成方法により形成され、かつ請求項12記載の液晶表示装置の製造方法により製造された液晶表示装置。
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