JP5311110B2 - 液晶表示装置用スペーサの形成方法、液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置用スペーサの形成方法、液晶表示装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置用スペーサの形成方法、液晶表示装置及びその製造方法に関する。
近年、カラーテレビやパーソナルコンピュータのモニターなどの表示装置として、液晶表示装置が用いられている。液晶表示装置は、一般に、透明電極などを有する透明な1対の基板が1〜10μmのギャップを開けて対向配置され、該1対の基板間に液晶物質を封入して液晶層が形成された構成を有する。液晶層に対して電極を通じて電界を印加することにより液晶物質を配向させ、液晶物質の配向によりバックライトの光の透過・不透過をコントロールして画像を表示させる。
液晶表示装置の液晶層の厚さが不均一であると表示ムラやコントラスト異常が発生するため、基板間のギャップを一定に保って液晶層の厚さを均一にすることが必要とされる。そのため、従来、均一な粒度分布を有するシリカ粒子、金属酸化物粒子及び熱可塑性樹脂粒子などのビーズを基板上に散布し、それらをスペーサとして基板間に配置する方法により、基板間のギャップを一定に保つ方法が用いられてきた。
しかし、散布されたビーズをスペーサ(粒子状スペーサ)として用いる上記従来の方法の場合、ビーズが固定されていないため、液晶表示装置の振動によりビーズが移動して表示バラツキを生じる問題があった。
また、散布の際にビーズを所望の位置に精度よく配置することが困難であるため、その分布にバラツキが生じやすく、場合によっては液晶表示装置の表示領域にビーズが配置されて、ビーズが表示バラツキや光抜けなどの表示不良の要因となることもあった。
そこで、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法によって一方の基板上にスペーサを形成する方法が検討されている。この方法によれば、所望の位置にスペーサとしてのレジストパターンを高い位置精度で形成することが可能であり、また一般にレジストパターンの基板への付着力は比較的高いため、粒子状スペーサを用いる場合と比べて、配向異常やコントラスト低下などの点で改善され得ると考えられる。
ただし、フォトリソグラフィー法は、一旦、基板の全面にスペーサ材料として感光性樹脂を塗布した後に不要部分を取り除くために材料のロスが多く、また現像、剥離などの複数の工程が必要であり、製造工程が複雑化してしまうといった問題を有している。
また、各製品に対応するフォトリソグラフィー法用の版を準備する必要があり、この点でも工程が複雑化するという問題があった。さらには、近年の液晶表示装置の大型化にともなって、スペーサ材料の均一な塗布や、対応する版の準備が困難になる傾向があった。
一方、粒子状スペーサを含むインクをインクジェット法によって基板上に印刷する方法により、基板上に粒子状スペーサ(ビーズ)を配する方法が検討されている(例えば、特許文献1〜4参照)。インクジェット法によれば、フォトリソグラフィー法と比較して簡易な工程でスペーサを形成することが可能になる。
また、粒子状スペーサを散布する方法に比べて位置精度が格段に向上することが可能であると考えられる。例えば、粒子状スペーサを溶剤に分散させたインクを、非表示領域であるカラーフィルタのブラックマトリックス部分に対してインクジェット法により局所的に印刷し、印刷されたインクから溶剤を蒸発させることにより、ブラックマトリックス上に粒子状スペーサを選択的に形成させることが可能になると期待される。
本発明者らの検討によれば、固形粒子を含有するインクに代えて、固形粒子を実質的に含有せず、樹脂及びこれが溶解している溶剤を含有するインクを用いることにより、十分に高い位置精度で液晶表示装置用スペーサを形成できることが分かった。
さらに、本発明者らは、インクの表面張力と基板の表面自由エネルギの差を調整することによって、粒子を含有しないインクを用いた場合でも、スペーサの高さを制御可能且つ十分な高さばらつきを確保できることを見出した。
しかしながら、液晶表示装置の設計変更等で基板が変更された場合、インク組成の調整が必要となり、設計変更への対応に時間を要する問題があった。
特開平11−316380号公報 特開2002−333631号公報 特開2004−013116号公報 特開2003−295198号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基板の表面性状に関係なく、スペーサ高さの制御及び十分な高さ精度の確保を達成可能な液晶表示装置用スペーサの形成方法を提供することにある。
また、本発明は、係る方法に用いるのに適した表面自由エネルギ調整層形成用インク及びスペーサ形成用インク、さらに係る方法によって形成される液晶表示装置用スペーサを有する液晶表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、樹脂及びこの樹脂が溶解している溶剤を含有し、固形粒子を実質的に含有しない第一のインクからなる液滴をインクジェット法により基板上に印刷し、前記基板上の前記第一のインクの液滴から前記第一のインクの溶剤を除去して、前記基板上の所定の位置に樹脂膜を形成し、さらに前記樹脂膜上に、樹脂及びこれが溶解している溶剤を含有し固形粒子を実質的に含有しない第二のインクからなる液滴をインクジェット法により印刷し、前記第二のインクの液滴から第二のインクの溶剤を除去して、前記基板上の所定の位置に配された液晶表示装置用スペーサの形成方法であって、
第一のインクにより形成した樹脂膜の表面自由エネルギが5mJ/m以上、35mJ/m以下、かつ次式で表せる表面自由エネルギの極性項比率が30%以下であることを特徴とする液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
Figure 0005311110

(γp:表面自由エネルギの極性項、γd:表面自由エネルギの分散項)
また、本発明は、前記第一のインクにより形成した樹脂膜の表面自由エネルギが、10mJ/m以上、30mJ/m以下で、かつ表面自由エネルギの極性項比率が、20%以下である上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第一のインクに使用する樹脂が、イミド骨格を分子内に有するものである上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第一のインクが、シリコーン化合物を含有するものである上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記シリコーン化合物が、ポリジメチルシロキサンを含有するものである上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第一のインクが、フッ素化合物を含有するものである上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第一のインクが、前記第二のインクの印刷時の基板と接する面の最大長さの3倍以下の直径で基板上に形成された上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第二のインクが、絶縁性の樹脂を0.5〜50質量%の割合で含み、25℃における粘度が50mPa・s以下、また25℃における表面張力が20mN/m以上である上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第二のインクが、25℃における蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶剤を含むものである上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第二のインクに含まれる樹脂が、絶縁性の熱硬化性樹脂であり、印刷後の液滴を加熱することにより前記液滴から前記溶剤を除去するとともに前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記液晶表示装置用スペーサを形成させるものである上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する。
また、本発明は、前記第一のインク及び第二のインクの印刷方法が、インクジェット印刷法である上記の液晶表示装置用スペーサの形成方法に関する
た、本発明は、液晶表示装置用スペーサ形成用の第二のインクに、粒径の標準偏差が平均粒径の10%以下である熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、シリカ、金属酸化物のいずれか一つ以上からなる粒子を含む液晶表示装置用スペーサ形成インクに関する。
また、本発明は、対向配置された1対の基板と、該1対の基板間に配された液晶層及び液晶表示装置用スペーサとを備える液晶表示装置の製造方法において、前記のいずれかに記載の形成方法による少なくとも一方の前記基板上に前記液晶表示装置用スペーサを形成させる工程を備えることを特徴とする液晶表示装置の製造方法に関する。
また、本発明は、対向配置された1対の基板と、該1対の基板間に配された液晶層及び液晶表示装置用スペーサとを備え、前記液晶表示装置用スペーサが、上記の形成方法により形成され、かつ上記の液晶表示装置の製造方法により製造された液晶表示装置に関する。
本発明によれば、基板の表面性状に関係なく、スペーサ高さの制御及び十分な高さ精度の確保を達成可能な液晶表示装置用スペーサの形成方法を得ることができる。このため、本発明の方法で形成したスペーサは高さが1〜10μm、高さばらつきが0.1μm未満、直径が50μm未満であり、液晶表示装置用スペーサとして好適な形状であり、液晶表示装置及びその製造方法を提供することができる。



以下、発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の形態に制限するものではない。
本発明において、第一のインクにより形成した樹脂膜の表面自由エネルギは、5mJ/m以上、35mJ/m以下、表面自由エネルギの極性項比率が30%以下であり、10mJ/m以上、30mJ/m以下で、かつ極性項比率が20%以下であることが好ましい。すなわち、第一のインクにより形成した樹脂膜の表面自由エネルギが高すぎると、インクを濡れさせて樹脂膜表面を安定化させようとする力が強いため、スペーサ形状が扁平化して、不適である。
一方、樹脂膜の表面自由エネルギが低すぎると、インクが樹脂膜表面に着滴後にはじかれて移動したり、撥液性が高いためにスペーサ高さが過度に増大し、不適である。また樹脂膜の極性項比率が高いと、インクと樹脂膜表面がなじみやすく、やはりスペーサ形状が扁平化し、不適である。
本発明では、第一のインク中の樹脂として、イミド骨格を分子内に有することが好ましい。
また、本発明では、第一のインク中に、シリコーン化合物を含むことが望ましい。ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン化合物は表面自由エネルギが低いため、膜表面に配向して、表面自由エネルギを低下させることができる。
また、本発明では、第一のインク中に、フッ素化合物を含むことが望ましい。フッ素化合物はシリコーン化合物と同様に表面自由エネルギが低いため、膜表面に配向して、表面自由エネルギを低下させることができる。
また、本発明では、前記第一のインクを、前記第二のインクの印刷時の基板と接する面の最大長さの3倍以下の直径で基板上に形成することが望ましい。第一のインクの直径が、第二のインクの直径の3倍以上になると、インクを非表示領域に選択的に印刷した場合においても、インクの一部が表示領域にまで濡れてしまい、表示品質を低下させる可能性が高い。
上記第二のインクの25℃における表面張力は20mN/m以上であることが好ましく、30mN/m以上であることがより好ましい。
また、上記インクの25℃における粘度は50mPa・s以下であることが好ましい。このような性状を有するインクを用いることにより、基板上に配された液滴の直径、ひいては形成されるスペーサのサイズを小さくすることが容易になる。スペーサを小さくすることは、特に高精細な液晶表示装置において重要である。
さらには、上記インクによれば、インクジェットの目詰まりの発生が抑制され、より良好な印字性を得ることができる。このようなインクは、インクを同じ位置に2回以上重ねて印刷する方法を採用する場合に特に有用である。
インク中の溶剤の25℃における蒸気圧は、1.34×10Pa未満であることが好ましい。これにより、溶剤の揮発によるインク粘度の上昇が十分に抑制され、インクジェットの目詰まり発生がより一層顕著に抑制される。
インク中の樹脂は熱硬化性樹脂であることが好ましい。硬化前の熱硬化性樹脂の粘度は比較的低いため、熱硬化性樹脂を用いることによりインクが低粘度化されて、より安定した吐出性を得ることが可能になる。この場合、液晶表示装置用スペーサは、基板上の液滴を加熱することにより液滴から溶剤を除去するとともに熱硬化性樹脂を硬化させて、形成される。
別の側面において、本発明は、表面自由エネルギ調整層形成用の第一のインクに関する。本発明に係る表面自由エネルギ調整層形成用インクは、樹脂及びこれが溶解している溶剤を含有し固形粒子を実質的に含有しないインクである。
本発明に係る表面自由エネルギ調整層形成用インクは、当該インクからなる液滴をインクジェット法により基板上に印刷し、基板上の液滴から溶剤を除去して液晶表示装置用スペーサ形成用の表面自由エネルギ調整層を形成させる方法により基板上の所定の位置に配された液晶表示装置用スペーサ形成用の表面自由エネルギ調整層を形成するために用いられる。
また、別の側面において、本発明は、スペーサ形成用の第二のインクに関する。本発明に係るスペーサ形成用インクは、樹脂及びこれが溶解している溶剤を含有し固形粒子を実質的に含有しないインクである。
本発明に係るスペーサ形成用インクは、当該インクからなる液滴をインクジェット法により基板上の表面自由エネルギ調整層上に印刷し、基板上の液滴から溶剤を除去して液晶表示装置用スペーサを形成させる方法により基板上の所定の位置に配された液晶表示装置用スペーサを形成するために用いられる。
言い換えると、本発明に係るスペーサ形成用インクは、上記本発明に係る液晶表示装置用スペーサの形成方法に好適に用いられる。本発明に係るスペーサ形成用インクによれば、液晶表示装置用スペーサを十分に高い位置精度で簡易な工程により形成することが可能である。
さらに、別の側面において、本発明は、対向配置された1対の基板と、該1対の基板間に配された液晶層及び液晶表示装置用スペーサとを備える液晶表示装置の製造方法に関する。本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、上記本発明に係る形成方法により少なくとも一方の基板上に液晶表示装置用スペーサを形成させる工程を備える。
さらに別の側面において、本発明は液晶表示装置に関する。本発明に係る液晶表示装置は、対向配置された1対の基板と、該1対の基板間に配された液晶層及び液晶表示装置用スペーサとを備える。当該液晶表示装置用スペーサは、上記本発明に係る形成方法により形成されたものである。
上記本発明に係る液晶表示装置は、十分に高い位置精度で配されたスペーサを有しているため、表示バラツキや光抜けなどの表示不良が十分に抑制される。
図1は、本発明の液晶表示装置用スペーサの製造方法を示す模式断面図である。例えば、インクジェット印刷装置を用いて、第一の表面自由エネルギ調整層形成用インクを印刷し、その後加熱乾燥などにより、所定範囲の表面自由エネルギーを有する表面自由エネルギ調整層を形成する。
さらに、インクジェット印刷装置を用いて、第二の液晶表示装置用スペーサ形成用インクを印刷、加熱乾燥硬化し、所望の液晶表示用スペーサを形成した基板を得ることができる。
図2は、図1の方法により基板上に形成された液晶表示装置用スペーサの一発明を示す模式図である。
また、図3は、本発明の方法により形成した液晶表示装置用スペーサを使用した、液晶表示装置の例である。
インクジェット法としては、例えば、ピエゾ素子の振動によって液体を吐出するピエゾ方式や、急激な加熱による液体の膨張を利用して液体を吐出させるサーマル方式等、一般に報告されている吐出方法を使用できる。
このようなインクジェット法を実施するためには、例えば、通常のインクジェット装置を用いることができる。インクを吐出するヘッドのノズル径は所望の液滴サイズによって最適なものを選択することができる。
インクが基板着滴した後に溶媒を除去する方法としては、基板を加熱したり、熱風を吹き付けたりする加熱処理方法を採用することができる。このような加熱処理は、例えば、加熱温度150〜250℃、加熱時間0.2〜1.0時間で行うことができる。
なお、樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、溶剤の除去後または溶剤除去と同時に樹脂を硬化させることができる。例えば、紫外線硬化型樹脂の場合は、溶剤除去後紫外線を照射することで、樹脂を硬化することができる。
また、本発明のスペーサ形成用インクは、一つの形成領域に一回以上吐出することができる。これにより、広い範囲の液晶層のギャップ高さに容易に対応可能な液晶表示装置用スペーサを形成することができる。
基板にスペーサ形成用インクを印刷した後、加熱処理を行ってスペーサを一旦形成したり、基板上にスペーサ形成用インクを印刷した後に加熱処理を行わずに同じ位置にスペーサ形成用インクを1回以上重ねて印刷し、その後、加熱処理等により溶媒を除去して、スペーサ高さを調整してもよい。一度で所望の高さが得られないときに有効である。
ここで、基板は、液晶表示装置に用いられる基板であり、液晶表示装置用スペーサが形成される面側に、例えば、電極や配向層を有するものを用いることができる。なお、スペーサ形成用インクは、液晶表示装置において対向配置される2枚の基板のうち、一方の基板表面に吐出することが好ましく、スペーサを配置する領域としては、ブラックマトリックス等の非表示領域上であることが好ましい。
なお、本発明では、表面自由エネルギ調整層を印刷した基板上にスペーサ形成用インクを印刷した後、加熱処理を行って樹脂層一を一旦形成したが、基板上の表面自由エネルギ調整層上にスペーサ形成用インクを印刷した後に加熱処理を行わずに、同じ位置にスペーサ形成用インクを重ねて印刷し、その後、加熱処理等により溶媒を除去して、樹脂層一と樹脂層二とを同時に形成してもよい。
また、樹脂層二上に、さらにインクジェット法により樹脂及び溶剤を含有し固形粒子を実質的に含有しないインクを印刷して溶媒を除去することにより、樹脂層二上にさらに樹脂層を形成してもよい。このように、樹脂層二上にインクを重ねて印刷し、溶媒を除去することによって、基板上に3層以上の樹脂層からなる液晶表示装置用スペーサを形成することができる。
次に、液晶表示装置用スペーサの製造方法に用いられるスペーサ形成用インクについて、詳細に説明する。
本発明の液晶表示装置用スペーサの製造方法では、樹脂及びこれが溶解している溶剤を含有し、固形粒子を実質的に含有しないインクを用いる。ここで、「実質的に含有しない」とは、常温下において、粒径1.0μm以上の固形状粒子の含有量が、インク質量に対して、0.5質量%未満であることを意味する。
なお、固形状粒子の含有量は、インク質量に対して、0.3質量%未満であることが好ましく、0.05質量%未満であることがより好ましく、0.01質量%未満であることがさらに好ましい。固形状粒子の含有量を低減することによって、着弾位置精度を一層向上させることができる。
本発明のスペーサ形成用インク、即ち、インクは、溶剤中に樹脂が均一に溶解されていることが好ましい。ここで、「樹脂が均一に溶解している」とは、インクを常温下で目開き1μmのフィルタでろ過した場合に、ろ別されるスペーサの固形分の量が、インク質量に対して0.3質量%未満であることをいう。
本発明のスペーサ形成用インクは、表面張力が30mN/m以上であることが好ましい。スペーサ形成用インクの表面張力が30mN/m未満の場合、インク液滴が基材に着弾後に濡れ広がり、液晶表示装置の狭い幅の非表示領域内に確実にスペーサを形成できない傾向がある。
スペーサ形成用インクの表面張力は、30〜80mN/mの範囲であることがより好ましい。これは、インクの表面張力が80mN/mを越える場合、インクジェットノズル詰まりが発生し易くなる傾向があるためである。
本発明のスペーサ形成用インクの粘度は、25℃で50mPa・s以下であることが好ましい。スペーサ形成用インクの粘度が50mPa・s以下であれば、インクジェット印刷時の不吐出ノズルの発生や、ノズルの目詰まりの発生を一層確実に防止することができる。
また、スペーサ形成用インクの粘度は、25℃で1.0〜30mPa・sであることがより好ましい。インク粘度を当該範囲とすることによって、液滴を小径化でき、インクの着弾径を一層小さくすることができる傾向がある。
スペーサ形成用インクに含まれる溶剤の25℃での蒸気圧は、1.34×10Pa未満であることが好ましい。このような溶剤であれば、溶剤の揮発によるインク粘度の上昇を抑えることができる。
例えば、蒸気圧が1.34×10Pa以上のインクを使用すると、インク液滴が乾燥しやすく、インクジェットヘッドのノズルから液滴を吐出することが困難になり、インクジェットヘッドの目詰まりが生じやすくなる傾向がある。スペーサ形成用インクに含まれる溶剤の蒸気圧を1.34×10Pa未満にすることによって、上述の不具合を回避することができる。
本発明においては、蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶剤と、蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶剤とを併せて用いてもよいが、その場合、蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶剤の配合割合を、溶剤全量の質量基準で、60質量%以下とすることが好ましく、50質量%以下とすることがより好ましく、40質量%以下とすることがさらに好ましい。なお、溶剤としては、蒸気圧が所望の範囲で、かつ絶縁性の樹脂を分散又は溶解するものであれば種々のものを用いることができる。
25℃における蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶剤としては、具体的には、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、アニソール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
また、25℃における蒸気圧が1.34×10Pa以上の溶剤として具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、イソプロピルアルコール等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク中における溶媒の含有割合については、特に制限はなく、インクの25℃における粘度及び表面張力が上記範囲内となるように適宜調整することが好ましいが、通常、インク質量に対して、50〜99質量%とすることが好ましい。
インクに含まれる樹脂は、一般に電気絶縁性を示し、基材への付着性を付与できる材料であればどのようなものでもよく、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂、BTレジン、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられるが、特に制限するものではない。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いても良い。
樹脂として、熱硬化性樹脂を用いる場合には、モノマー、オリゴマー等を必要に応じて溶剤に溶解し、基板に印刷後、加熱処理することにより溶剤除去及び/又は樹脂硬化を行うことができる。なお、スペーサ形成用インクには、必要に応じて硬化促進剤、カップリング剤、酸化防止剤、充填剤等を配合してもよい。
熱硬化性樹脂は、耐熱性の観点から、エポキシ樹脂及びその硬化剤を含むことが好ましい。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂又はフェノール、クレゾール、アルキルフェノール、カテコール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS等のフェノール類とホルムアルデヒドやサリチルアルデヒドなどのアルデヒド類との縮合物のグリシジルエーテル化物、ポリフェノール類のグリシジルエーテル化物及びそれらの水素添加物、ハロゲン化物等があるが、耐熱性及び接着性の観点からフェノール類とアルデヒド類との縮合物のグリシジルエーテル化物が好ましい。これらのエポキシ樹脂の分子量はどのようなものでもよく、また何種類かを併用することができる。
エポキシ樹脂とともに用いられる硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、ジシアンジアミド等のアミン類;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸等の酸無水物;イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾール類;イミノ基がアクリロニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルイジンイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレート等でマスクされたイミダゾール類;ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ポリビニルフェノール等のフェノール類;フェノール、クレゾール、アルキルフェノール、カテコール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS等のフェノール類とホルムアルデヒドやサリチルアルデヒドなどのアルデヒド類との縮合物及びこれらのハロゲン化物などが挙げられる。これらのうち、耐熱性及び接着性の観点から、フェノール類とアルデヒド類との縮合物が好ましい。これらの化合物の分子量はどのようなものでもよく、また、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
インク中における絶縁性の樹脂の含有割合については、インクの25℃における粘度及び表面張力が上記範囲内となるように適宜調整することが好ましいが、通常、インク質量に対して1〜50質量%とすることが好ましい。
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置は、対向配置された一対の基板と、上記一対の基板間に封入された液晶物質からなる液晶層と、上記液晶層の厚さを一定に保つために上記基板間に配置された液晶表示装置用スペーサと、を備える液晶表示装置である。
そして、上記液晶表示装置用スペーサは、上記本発明のスペーサ形成用インクを用いてインクジェット印刷法により上記基板上の所望の位置に形成されたものである。ここで、液晶表示装置用スペーサは、例えば、スペーサ形成用インクをインクジェット印刷装置により基板上の所望の位置に塗布し、加熱処理により樹脂の硬化及び/又は溶剤除去を行うことで形成することができる。
図3は、本発明の液晶表示装置の一発明を示す模式断面図である。図3に示すように、液晶表示装置1は、対向させて配設された一対の基板部材6a及び6bを有している。基板部材6aは、電極2a、カラーフィルタ7、基板3a、位相差板8及び偏光板5aからなり、これらがこの順序で積層されている。
また、基板部材6bは、電極2b、基板3b及び偏光板5bからなり、これらがこの順序で積層されている。
また、基板部材6bにおける偏光板5bの外側には、バックライト9が配置されている。
さらに、基板部材6a及び6bの電極2a及び2bが形成されている側には、それぞれ配向層17a及び17bが積層されている。そして、液晶層18は、配向層17a及び17bを介して、基板部材6a及び6bによって挟持されている。
液晶層18の周縁部であって基板部材6a及び6bの間にはシール材13が設けられており、これにより基板部材6a及び6bが結合されている。
このような液晶表示装置において、図3に示すように、液晶表示装置用スペーサ10は液晶層18の厚さを一定に保つために、液晶表示装置1の所定の位置に配設される。液晶表示装置用スペーサ10は、高品位な画像を表示する観点から、透光部である表示ドット部以外の位置に配設されることが好ましい。
また、液晶表示装置用スペーサ10は、画面表示全領域にわたって均等な間隔で配設されることが好ましい。この液晶表示装置用スペーサ10は、本発明のスペーサ形成用インクを用いてインクジェット印刷法により形成されているため、画面表示全領域にわたって十分に高い位置精度で配設されており、表示バラツキや光抜けなどの表示不良を十分に抑制することができる。
このような液晶表示装置は、基板3b上に設けられた配向層17b上に、樹脂及び溶剤を含有し固形粒子を実質的に含有しないインクからなる液滴をインクジェット法により印刷し、溶媒を除去することによって液晶表示装置用スペーサ10を形成する工程を備える製造方法によって製造することができる。液晶表示装置用スペーサ10は、上述のインクをインクジェット法により2回以上重ねて印刷して形成することによって、所望の高さに調整することができる。
なお、図3に示す基板部材6a及び6bはそれぞれ、上述した各層が積層された構造を有しているが、必ずしもこれら全てが積層されている必要はない。
また、基板部材6a及び6bには、必要に応じて、さらに絶縁層、ブラックマトリックスの層、緩衝材層、TFT等が設けられていてもよい。
電極2a及び2bとしては、スズドープ酸化インジウム(ITO)などの透明電極を用いることができる。
また、基板3a及び3bとしては、プラスチック板、ガラス板等を例示できる。
また、カラーフィルタ7、位相差板8、偏光板5a及び5b並びにバックライト9としては、それぞれ公知のものを用いることができ、さらに配向層17a及び17bについても、公知の液晶配向剤を用いて形成することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限するものではい。なお、各実施例及び比較例のスペーサ形成用インクの粘度は、(株)エー・アンド・ディー製の小型振動式粘度計CJV5000(商品名)を用いて25℃で測定した。
また、インクの表面張力は、Wilhelmy法(白金プレート法)による表面張力測定装置である、協和界面化学社製の全自動表面張力計(商品名:CBVP−Z)を用いて25℃で測定した。
さらに、第一のインクで形成した表面自由エネルギ調整層の表面自由エネルギは、簡易的に基板上全面にスピンコータで塗布して形成した膜について、協和界面科学社製Dropmaster500を使用し、Kaelble−Uy法を適用し、水、ホルムアミドをプローブ液体として用い算出した。
〔第一のインク(I−1)の調製〕
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名:N−865〕、ビスフェノールAノボラック樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名:VH4170〕、2−エチル−4−メチルイミダゾール〔東京化成工業(株)製〕を、溶剤であるγ−ブチロラクトン(25℃における蒸気圧:2.3×10Pa)に溶解した後、シリコーン系表面調整剤〔楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン1711〕を添加し、インクI−1を調製した。なお、インクI−1に含まれる各原料及び溶剤の使用比率は、表1に示す通りである。
〔第一のインク(I−2)の調製〕
メタクリル酸エステル共重合物〔綜研化学(株)製、商品名:MIS−115〕を溶剤である、γ−ブチロラクトンに溶解した後、シリコーン系表面調整剤(楠本化成製、商品名:ディスパロン1711)を添加し、インクI−2を調製した。なお。インクI−2に含まれる各原料及び溶剤の使用比率は、表1に示す通りである。
第一のインク(I−3)として、市販のポリイミドワニスを、第一のインク(I−4)として、フッ素系表面処理剤(住友スリーエム製、商品名:ノベックEGC−1720)を用いた。
〔第二のインク(II−1)の調製〕
表面調整剤を添加しないこと以外は、インクI−1と同様にして、インクII−1を調製した。
調製したインクII−1の粘度は、7.5mPa・s、表面張力は、44.1mN/mであった。
Figure 0005311110
(実施例1)
インクI−1から20μmの目開きのメンブレンフィルタでろ過して異物を除去した。異物を除去したインク一を口径50μmのヘッドを搭載したピエゾ方式のインクジェット装置〔(株)マイクロジェット製、商品名:ナノプリンター1000〕に供給した。
(第一のインクの印刷、表面自由エネルギ調整層の形成)
当該インクジェット装置を用いて、ガラス板上に150μm間隔で、液滴容量15pLとして、吐出位置座標(目標)に基づいてインクI−1を1回印刷した。その後、当該基板を180℃に加熱したホットプレート上に速やかに移し、30分間乾燥して、第一の層を形成した。
(第二のインクの印刷、スペーサの形成)
さらに、当該インクジェット装置を用いて、第一の層が形成された基板の表面上に、150μm間隔で、液滴容量15pLとして、第一のインクと同一な吐出位置座標(目標)に基づいてインクII−1を印刷した。インクII−1を1回印刷した後、当該基板を180℃に加熱したホットプレート上に速やかに移し、30分間乾燥・硬化させて、スペーサを形成した
(着弾位置精度の評価)
基板上に印刷されたインクドットの印刷状態(乾燥前)の画像から着弾位置の座標を特定した。この座標と、当初の吐出位置座標(目標)とのずれ(W)を算出し、以下の評価基準で着弾位置精度を評価した(n=80)。評価結果を表2に示す。
(着弾位置精度の評価基準)
A:印刷された全てのインクドットに対して、着弾位置のずれ(W)が25μm以内であるインクドットの割合が90%以上である。
B:印刷された全てのインクドットに対して、着弾位置のずれ(W)が25μm以内であるインクドットの割合が90%未満である。
(密着性の評価)
形成したスペーサに市販のセロハンテープを強く圧着させた後、当該セロハンテープを一気に引き剥がして、スペーサの剥がれの有無を確認することにより、密着性の評価を行った。密着性の評価基準は以下の通りである。密着性の評価結果を表2に示す。
(密着性の評価基準)
A:テープ試験によりスペーサが全く剥がれない。
B:テープ試験によりスペーサの少なくとも一部が剥がれる。
(スペーサの平均高さ及び標準偏差の評価)
形成したスペーサの高さを、菱化システム社製三次元非接触表面形状計測システム(商品名:MM−3500)により測定し(n=96)、測定値の平均値及び標準偏差を求めた。
(スペーサの直径の評価)
形成したスペーサの直径を、顕微鏡で観察して測定した。
(実施例2)
第一のインクとしてインクI−1に代えて、インクI−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
第一のインクとしてインクI−1に代えて、インクI−3を用い、かつインクI−3を230℃で10分間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
第一のインクとしてインクI−1に代えて、インクI−4を用い、かつインクI−4を100℃で30分間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
第一のインクとしてI−1を150℃で3分間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
第一のインクとしてI−1を120℃で3分間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例3)
第一のインクとしてI−3を120℃で3分間乾燥したこと以外は、実施例3と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表3に示す。
(比較例4)
第一のインクとしてI−3を80℃で3分間乾燥したこと以外は、実施例3と同様にして基板表面上に表面自由エネルギ調整層及びスペーサを形成し、各評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0005311110
表2に示されるように、実施例1〜4の結果より、第一のインクで形成する層の表面自由エネルギを35mJ/m以下で、かつ極性項比率を30%未満とすることにより、スペーサの高さを液晶表示装置用スペーサとして好適な範囲にすることができることが明らかである。また各実施例で形成したスペーサと基板との密着性も良好であることが明らかである。
一方、比較例1〜4で形成したスペーサの直径50μm以上であり、液晶表示装置用スペーサとして不適な形状であった。
本発明の液晶表示装置用スペーサの製造方法を示す模式断面図である。 本発明の液晶表示装置用スペーサの製造方法により基板上に形成された液晶表示装置用スペーサを示す模式図である。 本発明の液晶表示装置の一例を示す模式断面図である。
符号の説明
1 液晶表示装置
2a、2b 電極
3a、3b 基板
5a、5b 偏光板
6a、6b 基板部材
7 カラーフィルタ
8 位相差板
9 バックライト
10 液晶表示装置用スペーサ
13 シール材
17a、17b 配向層
18 液晶層

Claims (13)

  1. 樹脂及びこの樹脂が溶解している溶剤を含有し、固形粒子を実質的に含有しない第一のインクからなる液滴をインクジェット法により基板上に印刷し、前記基板上の前記第一のインクの液滴から前記第一のインクの溶剤を除去して、前記基板上の所定の位置に樹脂膜を形成し、さらに前記樹脂膜上に、樹脂及びこれが溶解している溶剤を含有し固形粒子を実質的に含有しない第二のインクからなる液滴をインクジェット法により印刷し、前記第二のインクの液滴から第二のインクの溶剤を除去して、前記基板上の所定の位置に配された液晶表示装置用スペーサの形成方法であって、第一のインクにより形成した樹脂膜の表面自由エネルギが5mJ/m以上35mJ/m以下、かつ次式で表せる表面自由エネルギの極性項比率が30%以下であることを特徴とする液晶表示装置用スペーサの形成方法。
    Figure 0005311110

    (γp:表面自由エネルギの極性項、γd:表面自由エネルギの分散項)
  2. 前記第一のインクにより形成した樹脂膜の表面自由エネルギが、10mJ/m以上30mJ/m以下で、かつ表面自由エネルギの極性項比率が、20%以下である請求項1記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
  3. 前記第一のインクに使用する樹脂が、イミド骨格を分子内に有するものである請求項1又は2記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
  4. 前記第一のインクが、シリコーン化合物を含有するものである請求項1又は2記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
  5. 前記シリコーン化合物が、ポリジメチルシロキサンを含有するものである請求項4記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
  6. 前記第一のインクが、フッ素化合物を含有するものである請求項1又は2記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
  7. 前記第一のインクが、前記第二のインクの印刷時の基板と接する面の最大長さの3倍以下の直径で基板上に形成された請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
  8. 前記第二のインクが、絶縁性の樹脂を0.5〜50質量%の割合で含み、25℃における粘度が50mPa・s以下、また25℃における表面張力が20mN/m以上である請求項1〜7のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
  9. 前記第二のインクが、25℃における蒸気圧が1.34×10Pa未満の溶剤を含むものである請求項1〜8のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
  10. 前記第二のインクに含まれる樹脂が、絶縁性の熱硬化性樹脂であり、印刷後の液滴を加熱することにより前記液滴から前記溶剤を除去するとともに前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記液晶表示装置用スペーサを形成させるものである請求項1〜9のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
  11. 前記第一のインク及び第二のインクの印刷方法が、インクジェット印刷法である請求項1〜10のいずれかに記載の液晶表示装置用スペーサの形成方法。
  12. 対向配置された1対の基板と、該1対の基板間に配された液晶層及び液晶表示装置用スペーサとを備える液晶表示装置の製造方法において、請求項1〜11のいずれかに記載の形成方法による少なくとも一方の前記基板上に前記液晶表示装置用スペーサを形成させる工程を備えることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  13. 対向配置された1対の基板と、該1対の基板間に配された液晶層及び液晶表示装置用スペーサとを備え、前記液晶表示装置用スペーサが、請求項1〜11のいずれかに記載の形成方法により形成され、かつ請求項12記載の液晶表示装置の製造方法により製造された液晶表示装置。
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