JP5310430B2 - 無段変速装置および無段変速装置の組み立て方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に示される例では、図14に示すように、前記無段変速装置は、トロイダル型無段変速機1と遊星歯車式変速機2とを組み合わせて構成されている。このうちのトロイダル型無段変速機1は、回転トルクが入力される入力軸3と、前記入力軸3に支持され入力軸3と一体で回転する入力側ディスク4,4と、前記入力側ディスク4,4との間に挟持されるパワーローラ6,6を介して入力側ディスク4,4から変更可能な変速比で回転トルクが伝達される出力側ディスク5と、前記パワーローラ6,6を挟持した状態の入力側ディスク4,4および出力側ディスク5に軸方向への押圧力を付与する押圧装置とを備えている。すなわち、トロイダル型無段変速機1は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスク4,4および出力側ディスク5と、これらの両ディスク4,5間に挟持される複数のパワーローラ6,6とを有する。
また、遊星歯車9には、第2伝達軸13の一端部(図14の左端部)に固設された太陽歯車11が噛合されている。また、一方(図14の左方)の遊星歯車8を、別の遊星歯車16を介して、キャリア7の周囲に回転自在に設けたリング歯車17に噛合させている。
また、リング歯車17と第2キャリア18とを低速用クラッチ23により係脱自在とするとともに、第2リング歯車22とハウジング等の固定の部分とを、高速用クラッチ24により係脱自在としている。
また、遊星歯車8には、出力側ディスク5に基端部を結合された中空回転軸14の先端部に固設され太陽歯車15が噛合されている。
また、遊星歯車9には、第2伝達軸13の一端部に固設された太陽歯車11が噛合されている。
なお、符号26は、トラニオンであり、トラニオン26は、ディスク4,5の回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラ6,6を回転自在に支持するようになっている。
ここで、前側の遊星歯車と後側の遊星歯車とで歯数が異なることにより、例えば、複数の段付遊星歯車の前側の遊星歯車を1つの太陽歯車に噛み合わせた場合に、後側の複数の遊星歯車の位相が揃うとは限らず、後側の遊星歯車を他の太陽歯車に噛み合わせられない状態となっている可能性が高く、歯車の組み付けが困難なものとなる。
同軸上に配置された少なくとも2つの太陽歯車と、これら2つの太陽歯車にそれぞれ噛み合う複数対の遊星歯車と、当該遊星歯車を自転および公転自在に支持するキャリアとを備え、それぞれ異なる前記太陽歯車に噛み合う各対の前記遊星歯車どうしが同軸上で互いに一体に回転可能に固定されることにより一体型歯車とされ、当該一体型歯車どうしでは、同じ太陽歯車に噛み合う前記遊星歯車がそれぞれ同じ歯数とされ、かつ、各一体型歯車に含まれて異なる太陽歯車に噛み合う2つの前記遊星歯車どうしがそれぞれ異なる歯数とされている遊星歯車式変速機とを備えた無段変速装置において、
前記キャリアに支持される全ての前記一体型歯車に含まれる遊星歯車ではモジュールが互いに等しくされ、
前記一体型歯車が前記キャリアの周方向に沿って等間隔で配置され、
前記一体型歯車に含まれる2つの前記遊星歯車のうちの一方の前記遊星歯車の歯数と当該遊星歯車と噛み合う一方の前記太陽歯車の歯数とを合算した値が、他方の前記遊星歯車の歯数と当該遊星歯車と噛み合う他方の前記太陽歯車の歯数とを合算した値と等しく、
これらの値が前記キャリアに支持される前記一体型歯車の数の整数倍となっており、
前記一体型歯車どうしは、当該一体型歯車に含まれる2つの前記遊星歯車のうちの一方の前記遊星歯車の位相の配置に対する他方の前記遊星歯車の位相の配置が同じとなるように、互いに同形状に形成され、
前記一体型歯車の外周面には、当該一体型歯車に含まれる2つの遊星歯車を構成する遊星歯車部と、当該遊星歯車部の歯の位相上の所定位置に対応して平面状に形成された平面部とを有し、当該平面部の向きが前記一体型歯車どうしで同じとなるように合わせることで、前記キャリアに支持される複数の前記一体型歯車の位相を合わせることが可能となっていることを特徴とする。
a、前記キャリアに支持される全ての前記一体型歯車に含まれる遊星歯車ではモジュールが互いに等しくされている。
b、前記一体型歯車が前記キャリアの周方向に沿って等間隔で配置されている。
c、前記一体型歯車に含まれる2つの前記遊星歯車のうちの一方の前記遊星歯車の歯数と当該遊星歯車と噛み合う一方の前記太陽歯車の歯数とを合算した値が、他方の前記遊星歯車の歯数と当該遊星歯車と噛み合う他方の前記太陽歯車の歯数とを合算した値と等しくされている。
d、これらの値が前記キャリアに支持される前記一体型歯車の数の整数倍となっている。
また、上述の条件を満たしていないと、例えば、一体型歯車をキャリアに周方向で等間隔に配置する条件以外の条件を満たしていない場合に、一体型歯車をキャリアに周方向で等間隔に配置すると歯車を噛み合わせることができなくなる虞があり、また、複数の一体型歯車をそれぞれ別形状とする必要などが生じる。
また、一体型歯車を全て同一形状の部品とすることで、部品管理が容易となる。
すなわち、平面部が一体型歯車の2つの遊星歯車の位相を所定の配置とするための基準のマークとなるが、当該マークが平面となっていることで、機械的に位置を合わせやすい状態となっている。すなわち、平面部に平面を接触させることで、各一体型歯車の2つの遊星歯車の位相を合わせるような治具等を用いて、容易に各一体型歯車どうしの位相を合わせることができる。
前記キャリアに前記一体型歯車を取り付けた後に、当該キャリアに支持される一体型歯車に太陽歯車を噛み合わせるに際し、
前記キャリアに取り付けられた複数の前記一体型歯車どうしの位相を互いに合わせた後に、前記一体型歯車どうしの位相関係を保持する治具を前記一体型歯車に取り付け、
次いで、前記治具を前記一体型歯車に取り付けた状態で、2つの前記太陽歯車のうちの一方の前記太陽歯車を複数の前記一体型歯車に含まれる2つの遊星歯車のうちの一方の前記太陽歯車と噛み合う一方の前記遊星歯車に噛み合わせて組み付けることを特徴とする。
したがって、一方の遊星歯車に一方の太陽歯車を噛み合わせた状態では、治具を取り外しても、他方の遊星歯車どうしが位相を合わせた状態に保持されるので、治具を取り外して他方の太陽歯車を噛み合わせることができる。
すなわち、治具を用いて一方の太陽歯車さえ取り付けてしまえば、他方の太陽歯車は治具なしで簡単に組み付けることができる。
また、他方の遊星歯車を他方の太陽歯車に噛み合わせた状態では、歯車型治具を一方の遊星歯車から取り外しても、他方の遊星歯車が他方の太陽歯車と連動して回転可能で、他方の遊星歯車が回転しても、他方の遊星歯車どうしの位相が一致した状態に保持される。この状態では、上述のように一方の遊星歯車の位相が互いに合った状態となっているので、歯車型治具を取り外して、容易に一方の遊星歯車に一方の太陽歯車を噛み合わせて組み付けることができる。
なお、回転規制治具としては、例えば、キャリアと一体型歯車との間に入り込んで、キャリアに対する一体型歯車の回転を止めるものであれば、どのようなものであってもいいが、例えば、キャリアと一体型歯車との一体型歯車の回転方向に沿った間隔に押し入れられて、弾性変形するともに当該弾性により、キャリアに対して一体型歯車を軸方向に沿って押圧し、一体型歯車をキャリアに押し付けることで、一体型歯車の回転を規制するものであってもよい。
そして、図14に示すように、前側の遊星歯車8が前側の太陽歯車15に噛み合い、後側の遊星歯車9が後側の太陽歯車11が噛み合うことになる。
また、一体型歯車31は、その軸方向に沿う中央部が当該一体型歯車31を軸方向に貫通する円柱状の空洞となった円筒状に形成されており、内部にキャリア7に支持される回転軸が貫通した状態に配置され、当該回転軸周りに回転可能とされる。
また、各一体型歯車31は、その回転中心軸が互いに平行とされるとともに、当該回転中心軸は、トロイダル型無段変速機1の各ディスク4,5の回転中心軸(入力軸3の軸方向)と平行となる。
また、3つの一体型歯車31において、歯の形状およびサイズは等しくなっており、一体型歯車31内の2つの遊星歯車8,9どうしにおいても、歯の形状およびサイズが等しくなっている。
なお、モジュールは、歯車のピッチ円直径を当該歯車の歯数で除算した値であり、歯車の歯のサイズを示すものである。
また、これら遊星歯車8,9の歯数(a,c)と、当該遊星歯車8,9に噛み合う太陽歯車15,11の歯数(b,d)との和(a+b=c+d)が、キャリア7に支持される一体型歯車31の数(n)、すなわち、太陽歯車15,11に噛み合う一体型歯車31の数(n)の整数倍(a+b=c+d=n・k:但しkは整数)となっている。ここでは、一体型歯車31が3つキャリア7に配置されるので、a+b=c+dは、3の倍数となる。
なお、全ての一体型歯車31で遊星歯車8の位相と遊星歯車9の位相との関係が同じとなっていれば、基準を歯切り開始位置としなくてもよい。また、遊星歯車8の位相の基準と、遊星歯車9の位相の基準とが軸方向に重なっている必要もなく、遊星歯車8の位相の基準と一体型歯車31の回転中心とを結ぶ線分と、遊星歯車9の位相の基準と一体型歯車31の回転中心とを結ぶ線分とがなす角度が全ての一体型歯車31で同じ角度となっていればよい。
また、一体型歯車31は、上述のように全て同形状となっているので、上述の遊星歯車8,9の歯の位相の基準と各平面部32の配置が、全ての一体型歯車31で同じとなるようになっている。なお、一体型歯車31の外周面には、遊星歯車8の歯が形成される前側の遊星歯車部8aと、遊星歯車9の歯が形成される後側の遊星歯車部9aと、これらの間の第1伝達軸10の外周面に形成される平面部32とがあることになる。
この例では、例えば、三つある平面部のうちの1つの平面部に遊星歯車8と遊星歯車9の基準となる位置(角度:例えば、図5等に示される黒点)が含まれるようになっており、当該平面部32を上側で水平に配置することで、一体型歯車31の位相を合わせられるようになっている。すなわち、平面部32は、遊星歯車8,9(遊星歯車部8a,9a)の歯の位相上の所定位置に対応して平面状に形成された平面部32を有するものとなっており、この平面部32の角度を全ての一体型歯車31で所定角度とすることにより、全ての一体型歯車31の位相を同じにすることが可能となっている。
そして、各平面部32は、上述のように60度で交差するように形成されているので、基準となる位置を含む平面部32が上を向いて水平に配置された場合に、それに対して右下を向く平面部32が60度斜め左に沿って配置され、左下を向く平面部が60度斜め右に沿って配置されることになる。
位置合わせ治具には、3つの当接部材41、すなわち、キャリア7に配置される一体型歯車31と同数となる当接部材41が周方向に沿って等間隔で配置されている。例えば、ここでは、正三角形の各辺の中央部に当接部材41が配置されている。また、キャリア7に配置される一体型歯車31の数となる辺(角)を有する正多角形の各辺の中央に配置されることになる。そして、これら当接部材41の内側を向く側面が正多角形の内接円の接線方向に沿った状態となっている。
そして、この例では、正三角形が逆正三角形とされ、上側に内側の側面が水平となるように1つの当接部材41が配置され、その左下に内側の側面が斜め左(上側が左に傾く)を向いた当接部材41が配置され、右下に内側の側面が斜め右(上側が右に傾く)を向いた当接部材41が配置されている。
なお、中間支持板73の切欠部77の外周縁側の開放部分においては、その左右の外周縁での端となる部分を結んだ線と、キャリア7に支持される一体型歯車31の第1伝達軸10の外周面の位置とが略一致し、当該線と、第1伝達軸10に形成された平面部32の位置が合うように、一体型歯車31を回転させると、前記線と平面部32とが略一致するようになっている。
なお、閉じた際に当接部材41の内側の側面が水平に位置決めされる必要がある。
なお、一体型歯車31においては、例えば、各遊星歯車8,9の位相の基準位置や、基準となる平面部32にマークを施しておくことが好ましく、これらマークが各一体型歯車31で同じ方向を向くようにすることで、各一体型歯車31の位相を合わせることが可能となる。なお、平面部32が一体型歯車31の2つの遊星歯車8,9のマークとして機能するが、この例では、平面部32が3つあるため、さらにこれら平面部32のうちの基準となる平面部32に上述のようにマークを設けるものとしてもよい。また、各平面部32を異なる形状としてもよい、例えば、平面部32の一体型歯車31の軸心からの距離を異なるものとしてもよく、この場合に、各平面部32に当接する当接部材41の内側の側面の位置も各当接部材41に対応して異なるものとし、対応する平面部32と当接部材41とが対向した場合に当該平面部と当接部材41が定位置で当接可能となるが、対応しない平面部32と当接部材41が対向した場合には、平面部32と当接部材41が離れて当接できないか、逆に平面部32が定位置より手前側で当接部材41に当接してしまいキャリア7の位置がずれてしまうような構造としてもよい。
ここで、歯車型治具51は、キャリア7に支持されるとともに、位相が合わせられた状態の各一体型歯車31に噛み合って、これら一体型歯車の位相が合った状態に保持するものである。
そして、歯車型治具51は、一体型歯車31の2つの遊星歯車8,9のうちの組み立て順において、あとから組み付けられる太陽歯車11と噛み合う一方の遊星歯車9に噛み合うもので、当該遊星歯車9に噛み合う太陽歯車11の歯数やピッチ円直径やモジュールといった歯車としての形状を示す値が当該太陽歯車11と同じとなっている。
このような歯車型治具51を用いた無段変速装置の組み立て方法においては、上述のようにキャリア7に一体型歯車31および遊星歯車16を取り付けた後に、上述の位相合わせ治具により、上述のようにキャリア7に支持される一体型歯車31の各位相を合わせた状態とする。そして、位相合わせ治具からキャリア7を取り外す前に、図7に示すように、位相合わせ治具で、位相を合わされた状態で回転が規制された状態の一体型歯車31に歯車型治具51を噛み合わせた状態とする。なお、図7においては、位相合わせ治具の図示を省略している。また、図6は、位相合わせ治具と、キャリア7の図示を省略して、一体型歯車31を見え易くしたものである。
なお、この例では、上述の歯車は全てはすば歯車となっており、互いに噛み合わせる際に、少なくとも一方の歯車を回転させる必要がある。
そして、キャリア7に支持された一体型歯車31の遊星歯車8を太陽歯車15に噛み合わせる。この際には、キャリア7の円環板状の前側支持板71の円孔から太陽歯車15が挿入された状態となるようにキャリア7を前に移動していく。
この際に、太陽歯車15の歯の位置と、遊星歯車8の歯の位置を合わせるために、これら歯車の少なくとも一方が回転する必要があるとともに、これら歯車がはすば歯車であるので、歯の位置が合った状態で、少なくとも一方の歯車を回転させて噛み合わせることになる。
そして、太陽歯車15に遊星歯車8を噛み合わせた状態では、上述の位相合わせにより、一体型歯車31のもう一方の遊星歯車9の全てが位相が合った状態となっているので、これら遊星歯車9に容易に太陽歯車11を噛み合わせることができる。
また、遊星歯車9に太陽歯車11を噛み合わせるためには、歯車型治具51を取り外す必要があるが、この際には、既に遊星歯車8に太陽歯車15が噛み合っている状態となっていることで、全ての一体型歯車31の位相が合わせられた状態に保持されているので、歯車型治具を取り外しても問題ない。
以上のような無段変速装置においては、2つの遊星歯車を一体とした一体型歯車31(段付遊星歯車)を用いるものとしても、確実に遊星歯車式変速機を組み立てることが可能となる。すなわち、遊星歯車式変速機に段付遊星歯車があることで、組み立てが困難になったり、組み立てが不可能になったりすることを防止できる。
また、キャリア7に取り付けられた全ての一体型歯車31の位相を合わせた状態で、組み立てが行われるので、途中で、一体型歯車31の一方の遊星歯車8,9の位相がずれて組み立てできない状態となり、分解して組み立てなおす必要が生じたりするのを防止できる。すなわち、途中で組み立てに失敗して作業をやり直すことによる作業効率の低下を防止することができる。また、位相のずれが僅かだったことにより組み立てられ、組み上がった状態で、一方の遊星歯車8,9と一方の太陽歯車15,11の噛み合いに例えば歯1つ分の位相のずれがあるなどで、動力の伝達効率が低く、不良品となり、歩留まりが低下してしまうのを防止することができる。
なお、回転規制治具53の挿入位置は、一体型歯車31の端面とキャリア7との間にワッシャがあるような場合に、一体型歯車31の端面とワッシャの間や、ワッシャとキャリア7との間であってもよい。
また、回転規制治具53としては、一体型歯車31をキャリア7に対して回転できない構造となっていればよく、例えば、一体型歯車31の歯とキャリア7との両方に係合して、一体型歯車31の回転を阻止するようなものであってもよい。
また、回転規制治具53は、歯車型治具51より安価に製造することができる。
この場合には、回転規制治具53を取り外すことで、太陽歯車15が回転可能となっていれば、一体型歯車31も回転可能な状態となり、一体型歯車31と太陽歯車11とが回転可能な状態で遊星歯車9と太陽歯車11とを噛み合わせることができる。
なお、図15に示す無段変速装置においては、一体型歯車31を支持するキャリア7には、一体型歯車31だけが支持され、遊星歯車16は支持されておらず、遊星歯車16を支持するための中間支持板73が設けられていない構造となっている。また、後述のように一体型歯車31がキャリア7に4つ配置されるとともに、一体型歯車31の平面部32が1つとされている。
一体型歯車31は、上記例と同様に、前側支持板71と後側支持板72との間に架け渡された状態に配置されるとともに、これらの間に配置された一体型歯車31を貫通する回転軸により回転自在に支持されている。
これにより、キャリア7内に板状の部材を挿入することも容易に可能となっていることから、第1の実施形態で、キャリア7の外周部分に配置していた当接部材を有する位相合わせ治具に代えて、キャリア7の内部に一体型歯車31の平面部32に当接する当接部34を有する位相合わせ治具36が用いられている。
これら位相合わせ治具36は、二枚の平行な板体をこれらに直交する板体で接合した断面コ字状のものとなっている。
また、各当接部34,35の間隔は、キャリア7に支持された一体型歯車31の間隔に対応するものとなっている。
なお、第2実施形態では、位相合わせ治具36が、全て上側を向く平面部32に当接するので、一体型歯車31に第1実施形態のように三つ平面部32を設ける必要がなく、図11および図13に示すように、一体型歯車31に遊星歯車8,9の位相の基準となる平面部32を1つだけ設ければよい。
第2実施形態においては、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、一体型歯車31に平面部32を1つだけ設ければいいことから、一体型歯車31の加工コストを低減することができる。
2 遊星歯車式変速機
3 入力軸
4 入力側ディスク
5 出力側ディスク
6 パワーローラ
7 キャリア
8 遊星歯車
9 遊星歯車
11 太陽歯車
15 太陽歯車
31 一体型歯車(段付遊星歯車)
32 平面部
51 歯車型治具(治具)
53 回転規制治具(治具)
Claims (4)
- 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、これらの両ディスク間に挟持される複数のパワーローラとを有するトロイダル型無段変速機と、
同軸上に配置された少なくとも2つの太陽歯車と、これら2つの太陽歯車にそれぞれ噛み合う複数対の遊星歯車と、当該遊星歯車を自転および公転自在に支持するキャリアとを備え、それぞれ異なる前記太陽歯車に噛み合う各対の前記遊星歯車どうしが同軸上で互いに一体に回転可能に固定されることにより一体型歯車とされ、当該一体型歯車どうしでは、同じ太陽歯車に噛み合う前記遊星歯車がそれぞれ同じ歯数とされ、かつ、各一体型歯車に含まれて異なる太陽歯車に噛み合う2つの前記遊星歯車どうしがそれぞれ異なる歯数とされている遊星歯車式変速機とを備えた無段変速装置において、
前記キャリアに支持される全ての前記一体型歯車に含まれる遊星歯車ではモジュールが互いに等しくされ、
前記一体型歯車が前記キャリアの周方向に沿って等間隔で配置され、
前記一体型歯車に含まれる2つの前記遊星歯車のうちの一方の前記遊星歯車の歯数と当該遊星歯車と噛み合う一方の前記太陽歯車の歯数とを合算した値が、他方の前記遊星歯車の歯数と当該遊星歯車と噛み合う他方の前記太陽歯車の歯数とを合算した値と等しく、
これらの値が前記キャリアに支持される前記一体型歯車の数の整数倍となっており、
前記一体型歯車どうしは、当該一体型歯車に含まれる2つの前記遊星歯車のうちの一方の前記遊星歯車の位相の配置に対する他方の前記遊星歯車の位相の配置が同じとなるように、互いに同形状に形成され、
前記一体型歯車の外周面には、当該一体型歯車に含まれる2つの遊星歯車を構成する遊星歯車部と、当該遊星歯車部の歯の位相上の所定位置に対応して平面状に形成された平面部とを有し、当該平面部の向きが前記一体型歯車どうしで同じとなるように合わせることで、前記キャリアに支持される複数の前記一体型歯車の位相を合わせることが可能となっていることを特徴とする無段変速装置。 - 請求項1に記載の無段変速装置を組み立てる際の当該無段変速装置の組み立て方法であって、
前記キャリアに前記一体型歯車を取り付けた後に、当該キャリアに支持される一体型歯車に太陽歯車を噛み合わせるに際し、
前記キャリアに取り付けられた複数の前記一体型歯車どうしの位相を互いに合わせた後に、前記一体型歯車どうしの位相関係を保持する治具を前記一体型歯車に取り付け、
次いで、前記治具を前記一体型歯車に取り付けた状態で、2つの前記太陽歯車のうちの一方の前記太陽歯車を複数の前記一体型歯車に含まれる2つの遊星歯車のうちの一方の前記太陽歯車と噛み合う一方の前記遊星歯車に噛み合わせて組み付けることを特徴とする無段変速装置の組み立て方法。 - 前記治具が、2つの前記太陽歯車のうちの一方の太陽歯車と同じ歯の配置を有する歯車形状に形成された歯車型治具とされ、当該歯車型治具を前記一体型歯車のうちの一方の前記太陽歯車と噛み合う一方の前記遊星歯車に噛み合わせた状態で、他方の前記遊星歯車を他方の前記太陽歯車に噛み合わせて組み付けることを特徴とする請求項2に記載の無段変速装置の組み立て方法。
- 前記治具が、前記キャリアと当該キャリアに取り付けられる前記一体型歯車とのそれぞれに着脱自在に係合して前記キャリアに対する前記一体型歯車の回転を規制する回転規制治具とされ、当該回転規制治具で回転が規制された状態の前記一体型歯車に含まれる2つの前記遊星歯車のうちの一方の前記遊星歯車に、当該遊星歯車に噛み合う一方の前記太陽歯車を噛み合わせて組み付けることを特徴とする請求項2に記載の無段変速装置の組み立て方法。
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