JP5309625B2 - ヒューマンインターフェースの表示/操作部設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒューマンインターフェース(HI)において、システム(装置)の状態表示/操作入力のための表示/操作部の設計方法に関する。
ディジタル型保護継電システムやディジタル型監視制御システムなど、コンピュータシステムで構築される各種のディジタル処理システム(装置)は、それに実装されるインタフェースの表示画面を通して、システム(装置)の各種設定入力や状態表示等の機能を有する、いわゆる、ヒューマンインターフェース(HI)を搭載しており、このHIはシステム(装置)に専用の表示/操作部としたものが個々に設計される。
ヒューマンインターフェースの表示/操作部は、通常、CADによりHI画面を作図し、そのHI画面から設計者がHI画面の描画データ(画面構成と設定データ)と表示/操作プログラムを設計している(例えば、特許文献1参照)。
図14は保護継電システムのヒューマンインターフェース画面の例を、図15には図14のHI画面の描画データの例を示す。この描画データには、HI画面中の枠、ボタンなど、機種毎に変わらない画面部品/文字/記号などのデータは共通の画面構成データとして設計されるが、「常監ロック(M)」、「43−79使用」などの機種毎に異なる機器操作/状態表示信号や保護演算での整定値などのデータは個別の可変データとして設計される。
特開2002−374616号公報
従来のHI表示/操作部の設計方法では、以下の問題があった。
(1)実機のHI画面構成の設計には、CAD図面を基に画面描画プログラムを使ってHI画面を設計するが、CAD図面と寸分違わないHI画面構成を得るフォーマットにした画面描画プログラムの設計が困難になる場合がある。
例えば、CAD図面を作成する環境と、HI画面を表示する環境の解像度に違いがあるような場合には、両者の座標(ボタン位置、表示位置、ページ表示の幅、外枠との間隔など)を完全に一致させることができない。
(2)表示/操作部の可変データは、例えば、保護継電システムでは、整定値、強制制御、試験設定、オシロ出力、リレー動作、入力電気量、異常コードなどから構成され、コメントを含めて3000行程度の大量のデータになる。これらデータは、CAD図面を見て設定を行っているが、大量のデータ設定には誤りが生じやすく、また大量のデータ設定/確認には作業工数も多大となる。
本発明の目的は、可変データの設計を確実、容易にしたヒューマンインターフェースの表示/操作部設計方法を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、CADによるHI設計図面を読み込み・コピー・編集してHIの可変データを設計するようにしたもので、以下の方法を特徴とする。
(1)システムまたは装置の状態表示/操作入力を受け付けるヒューマンインターフェースの表示/操作部の設計方法であって、
システムまたは装置の機種毎に変わらない画面部品/文字/記号などのデータは共通の画面構成データとして設計し、装置との送受信模擬を行い、画面表示を図面化する画面設計ツールと、機種毎に異なる機器操作/状態表示信号や保護演算での整定値などのデータは個別の可変データとして設計する可変データ設計ツールとをパソコンに搭載し、
前記画面設計ツールは、装置がもつヒューマンインターフェースのデータの送受信を模擬し、ディスプレイ上にヒューマンインターフェース画面の表示を行う手順と、当該画面表示を図面データとして保存する手順と、を有し、
前記可変データ設計ツールは、前記ヒューマンインターフェース画面の画面構成枠と同様のフォーマットの可変データ設定シートをディスプレイ上に表示し、この設定シートには各種項目のデータを順次書き込み、または他のデータのコピーと編集で可変データ設定を行う手順を有することを特徴とする。
(2)前記可変データ設計ツールは、システムまたは装置の設計に際して、CADで作成された図面データを読み込んでそのテキストファイルを作成し、このテキストファイルを読み込んで前記設定シートに一覧データとして自動書き込みを行い、前記設定シートに書き込まれた一覧データを前記可変データとして設計する手順を有することを特徴とする。
(3)前記可変データ設計ツールは、システムまたは装置の設計に際して、CADで作成されたシーケンス図からネットリストファイルを作成し、このネットリストファイルを読み込んで前記設定シートに一覧データとして自動書き込みを行い、前記設定シートに書き込まれた一覧データを前記可変データとして設計する手順を有することを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、CADによるHI設計図面を読み込み・コピー・編集してHIの可変データを設計するようにしたため、可変データの設計が確実、容易になる。
具体的には、HI画面表示がそのままHI図面となるため、フォーマットのズレが生じない。また、HI画面データの設計に人手を介さないため、誤りが無くなり、品質が向上する。また、設計工数が削減される。
図1は、本発明の実施形態を示す保護継電装置用のHI表示/操作部の設計装置であり、その要部構成のみを示す。
図1において、設計装置としてはパソコンを使用し、このパソコンにはソフトウェアとして少なくとも画面設計ツール1と可変データ設計ツール2を搭載し、データとして可変データ設定シート3とHI画面データファイル4を設け、パソコンの付属装置になるディスプレイ5やキーボード6、マウス7を設計者に対する入出力手段として利用するものである。
画面設計ツール1は、装置がもつヒューマンインタフェースのデータの送受信を模擬し、ディスプレイ5にはHI画面を表示する。さらに、画面設計ツール1は、画面表示の図面データ化を行い、データファイル4に保存する。これら一連の処理は、設計者によるマウス操作やキーボード操作と、ディスプレイ5での表示というパソコンが搭載するヒューマンインターフェース(PCのHI)を利用できる。
可変データ設計ツール2は、HI画面の画面構成枠と同様のフォーマットの可変データ設定シート3(例えば、図3のシート)をディスプレイ5上に表示し、この設定シートには各種項目のデータを順次書き込み、またはCAD図面など他のデータのコピーと編集で設定し、この後、設計者が「可変データ設定」ボタンをクリックすることで、各設定データが画面構成データとリンクさせた可変データがHI画面データファイル4に格納される。
したがって、本実施形態では、保護継電装置などのHI画面をそのまま画面構成データとして利用することで、フォーマットなどのズレが生じることはない。また、可変データ設定シートに各項目の設定データを入力、またはコピーと編集を行うことで、可変データの入力ミスを犯すことがなくなるし、大量のデータにもその入力操作の手間を大幅に減らすことができる。
以下、保護継電装置のHI画面の設計例として、可変データの設定を設定項目別に説明する。
(A)整定値データの図面との連動化
前記の特許文献1ではデータ設定画面を表示して個々に入力を行うことが予想される。例えば、図面の中には「リレー特性図」という箇所があり、そこにも整定名称、整定範囲、単位刻みを記述する。他の提案では「リレー特性図」も同様であればソフトウェア設計と図面の二箇所に入力する必要があると予想される。
本例では「リレー特性図」から整定名称、整定範囲、単位刻み等の整定値データファイルを可変データ設計ツール2で読み込み、整定値の自動設定を行う。したがって「リレー特性図」で記述したデータがそのまま、HI画面データ、HI図面になる。整定値データの設定手順の詳細を以下に示す。
(S1)リレー特性図
図4のように、保護継電装置の設計に際して、CADでリレー特性図が作成される。
(S2)整定値データファイルの作成
VB(ビジュアルベーシック)等で作成した整定値データ抽出計ツールにより、整定値データファイルを作成し、CADで作成されたリレー特性図に対する「処理開始」を入力操作することにより、図5に示すように、リレー特性図に設定されている整定値データファイルを作成する。このデータファイルは、リレー特性図のデータをそのまま抽出したテキストファイルとなる。
(S3)整定値データの設定
可変データ設計ツールにおいて、整定値データを読み込み、このデータを設定シート3としての「整定値一覧」シートに自動書き込みを行う。図6は自動書き込みされた整定値一覧シートの例を示す。
(S4)整定値データのコピー
可変データ設計ツール2において、設定シート3に「整定値一覧」シートからコピーする。順序や配置(空きの考慮など)は人間の判断が必要となるので、設定シート3ヘは直接設定せずに、「整定値一覧」シートからコピーする。
このようにすることによって、「リレー特性図」で記述したデータが、図7に示すように、そのままHI画面の可変データとして設定される。
(B)オシロ選択データ、リレー動作データの図面との連動化
前記の特許文献1ではデータ設定画面を表示して個々に入力を行うことが予想される。図面の中には「リレーシーケンス図」という箇所があり、そこにもオシロ選択データ、リレー動作データを記述する。他の提案では「リレーシーケンス図」も同様であれば、ソフトウェア作成と図面の二箇所に入力する必要があると予想される。
本例では「リレーシーケンス図」からネットリストファイルを出力し、そのファイルを可変データ設計ツール2で読み込み、設定を行う。したがって、「リレーシーケンス図」で記述したデータがそのまま、HI画面データ、HI図面になる。オシロ選択データ、リレー動作データの設定手順の詳細を以下に示す。
(S1)リレーシーケンス図
図8のように、保護継電装置の設計に際して、CADでリレーシーケンス図が作成される。これは、市販されているAutoCADなど、CADをカスタマイズしたシステムを使用できる。
(S2)ネットリストファイルの作成
CAD上のネットリスト作成メニューの選択によって、図9のようなネットリストファイルを作成する。
(S3)ネットリストファイルの読み込み
可変データ設計ツール2において、図10のように、ネットリストファイルのディレクトリィを設定し、「ネットリストの読込およびチェック」ボタンをクリックすると上記のネットリストファイルが読み込まれる。図10のように、「オシロ信号」シートにオシロ選択データを自動設定し、「リレー信号」シートにリレー動作データを自動設定する。
(S4)ネットリストファイルの読み込み結果
図11のように、設定シート3になる「オシロ信号」シートにオシロ選択データが自動設定される。また、図12のように、「リレー信号」シートにリレー動作データが自動設定される。
(S5)オシロ選択データ、リレー動作データのコピー
オシロ選択データは可変データ設計ツール2の「オシロ出力」シートの設定を「オシロ信号」シートからコピーすることにより行う。リレー動作データはツール2の「リレー動作」シートの設定を「リレー信号」シートからコピーすることにより行う。順序や配置(空きの考慮など)は人間の判断が必要となるので、「オシロ出力」、「リレー動作」シートヘは直接設定せずに、「オシロ信号」、「リレー信号」シートからコピーする。
このようにすることによって、「リレーシーケンス図」で記述したデータが、図13に示すように、そのままHI画面の可変データとして設定される。
(C)異常データの図面との連動化
前記の特許文献1では異常データの図面からデータ設定を行うことが予想される。図面の中には「異常一覧図」という箇所があり、そこにも異常データを記述する。他の提案では「異常一覧図」も同様であれば、ソフトウェア作成と図面の二箇所に入力する必要があると予想される。
本例では「異常一覧図」から異常データファイルを出力し、そのファイルを可変データ設計ツール2で読み込み、設定を行う。したがって「異常一覧図」で記述したデータがそのままHI画面データ、HI図面になる。
異常データの設定手順は上記の(A)整定値データの図面との連動化と同様になり、その詳細は省略する。
また、保護継電システムでは、表示/操作部の可変データとして、上記の整定値、オシロ出力、リレー動作、異常コードのほか、強制制御、試験設定、入力電気量などがあり、これらについても同様の手順で自動設定できる。さらに、ディジタル型監視制御システムなど、他のディジタル処理システム(装置)におけるHI画面データの自動設計に適用して同等の作用効果を得ることができる。
本発明の実施形態を示す設計装置の要部構成図。 HI表示/操作部画面例。 設定シートの例。 リレー特性図の例。 整定値データファイルの例。 整定値一覧シートの例。 可変データの例。 リレーシーケンス図の例。 ネットリストファイルの例。 ネットリストファイルの読み込みの例。 オシロ選択データの自動設定の例。 リレー動作データの自動設定の例。 可変データの設定の例。 ヒューマンインターフェース画面の例。 ヒューマンインターフェース画面の描画データの例。
符号の説明
1 画面設計ツール
2 可変データ設計ツール
3 可変データ設定シート
4 HI画面データファイル
5 ディスプレイ
6 キーボード
7 マウス

Claims (3)

  1. システムまたは装置の状態表示/操作入力を受け付けるヒューマンインターフェースの表示/操作部の設計方法であって、
    システムまたは装置の機種毎に変わらない画面部品/文字/記号などのデータは共通の画面構成データとして設計し、装置との送受信模擬を行い、画面表示を図面化する画面設計ツールと、機種毎に異なる機器操作/状態表示信号や保護演算での整定値などのデータは個別の可変データとして設計する可変データ設計ツールとをパソコンに搭載し、
    前記画面設計ツールは、装置がもつヒューマンインターフェースのデータの送受信を模擬し、ディスプレイ上にヒューマンインターフェース画面の表示を行う手順と、当該画面表示を図面データとして保存する手順と、を有し、
    前記可変データ設計ツールは、前記ヒューマンインターフェース画面の画面構成枠と同様のフォーマットの可変データ設定シートをディスプレイ上に表示し、この設定シートには各種項目のデータを順次書き込み、または他のデータのコピーと編集で可変データ設定を行う手順を有する
    ことを特徴とするヒューマンインターフェースの表示/操作部設計方法。
  2. 前記可変データ設計ツールは、システムまたは装置の設計に際して、CADで作成された図面データを読み込んでそのテキストファイルを作成し、このテキストファイルを読み込んで前記設定シートに一覧データとして自動書き込みを行い、前記設定シートに書き込まれた一覧データを前記可変データとして設計する手順を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のヒューマンインターフェースの表示/操作部設計方法。
  3. 前記可変データ設計ツールは、システムまたは装置の設計に際して、CADで作成されたシーケンス図からネットリストファイルを作成し、このネットリストファイルを読み込んで前記設定シートに一覧データとして自動書き込みを行い、前記設定シートに書き込まれた一覧データを前記可変データとして設計する手順を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のヒューマンインターフェースの表示/操作部設計方法。
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