JP5308951B2 - 成形同時転写用金型、成形同時転写装置及び成形同時転写品の製造方法 - Google Patents

成形同時転写用金型、成形同時転写装置及び成形同時転写品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5308951B2
JP5308951B2 JP2009173575A JP2009173575A JP5308951B2 JP 5308951 B2 JP5308951 B2 JP 5308951B2 JP 2009173575 A JP2009173575 A JP 2009173575A JP 2009173575 A JP2009173575 A JP 2009173575A JP 5308951 B2 JP5308951 B2 JP 5308951B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding
mold
transfer
simultaneous
cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009173575A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011025522A (ja
Inventor
俊次 藤村
尚登 豊岡
洋介 嵯峨山
善裕 大上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissha Printing Co Ltd filed Critical Nissha Printing Co Ltd
Priority to JP2009173575A priority Critical patent/JP5308951B2/ja
Publication of JP2011025522A publication Critical patent/JP2011025522A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5308951B2 publication Critical patent/JP5308951B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、射出成形と同時に表面に転写層が形成される成形同時転写品の製造に用いることができる成形同時転写用金型と成形同時転写装置及び成形同時転写品の製造方法に関する。
従来の成形金型としては、例えば、成形同時転写用金型ではないが、樹脂成形品の一方面に対応する第1キャビティ面が形成された第1型と、樹脂成形品の他方面に対応する第2キャビティ面が形成され、第1型との型締めによりキャビティを形成する第2型とを備えたものがある。
この成形金型においては、第1キャビティ面の温度を、樹脂注入に適した高温と樹脂成形品の冷却に適した低温とに調節するために、第1型の全体を加熱又は冷却する温調回路が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、第1キャビティ面の温度を樹脂注入に適した高温に調節することにより、キャビティに注入された溶融樹脂の流動性を確保して、キャビティの全体に溶融樹脂を確実に充填できるようにし、第1キャビティ面の温度を樹脂成形品の冷却に適した低温に調節することにより、成形された樹脂を急冷して成形品の反りなどの変形を防止できるようにしてある。
したがって、このような公知技術を上記成形同時転写用金型に適用した場合は、第1キャビティ面の温度を調節するために、第1型の全体を加熱又は冷却する温調回路を設けることになる。
また、従来の成形同時転写用金型では、金型内に配置された転写シートをキャビティ面に吸引保持するために、キャビティ面に開口する多数の吸引孔を金型に形成して、それらの吸引孔を通して転写シートをキャビティ面に吸引保持できるように構成してある(例えば、特許文献2参照。)。
特許第3802233号公報(図1) 特開2009−83204号公報(段落[0039])
上記成形同時転写用金型において、第1キャビティ面の温度を調節するために、従来の成形金型と同様に、第1型の全体を加熱又は冷却する温調回路を設けてあると、第1キャビティ面の温度を、樹脂注入に適した高温と成形同時転写品の冷却に適した低温とに調節するために要する時間は、例えば、第1型の熱容量の大きさに応じた時間になる。
このため、第1型の熱容量が大きい場合は、第1キャビティ面の温度調節に時間が掛かり、その結果、樹脂成形に要する時間が長くなる欠点がある。
また、成形同時転写用金型において、第1型に形成した多数の吸引孔を通して転写シートを第1キャビティ面の側に吸引するように構成してあると、転写シートを転写層が所定の転写位置に転写されるように確実に吸引保持できないおそれがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、樹脂成形に要する時間を短縮することができ、しかも、転写層を所定の転写位置に外観を損なうことなく確実に転写できる成形同時転写用金型と成形同時転写装置及び成形同時転写品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1特徴構成は、射出成形と同時に表面に転写層が形成される成形同時転写品の製造に用いることができる成形同時転写用金型であって、前記転写層を有する転写シートが配置され、前記成形同時転写品の一方面に対応する第1キャビティ面が形成された第1型と、前記成形同時転写品の他方面に対応する第2キャビティ面が形成され、前記第1型との型締めによりキャビティを形成する第2型とを備え、前記第1型は、前記第1キャビティ面のうちの周縁部分を形成する第1成形部と、前記第1キャビティ面のうちの内側部分を形成するとともに、冷却時には前記転写シートを吸引するための隙間を前記第1成形部との間に空け、加熱時には前記隙間を小さくする第1温調回路を有する第2成形部とを含む点にある。
本構成の成形同時転写用金型のように、第1型を、第1成形部と第2成形部とに分配配置し、第2成形部を加熱冷却する第1温調回路を備えることで、第2成形部の熱容量を小さく構成して、第2成形部における第1キャビティ面の温度を、樹脂注入に適した高温と成形同時転写品の冷却に適した低温とに迅速に調節することができる。
したがって、第1キャビティ面の温度を調節するために要する時間を、第2成形部の熱容量の大きさに応じた時間にすることができ、第1型の全体を加熱又は冷却する場合に比べて、その時間を短縮することができる。
また、第2成形部は、当該第2成形部の冷却時には転写シートを吸引するための隙間を第1成形部との間に空け、当該第2成形部の加熱時には隙間を小さくする第1温調回路を有するので、転写シートを装着する第2成形部の冷却時には、転写シートを第1キャビティ面のうちの周縁部分に沿って確実に吸引して第1キャビティ面の側の所定位置に転写層を保持することができる。
しかも、溶融樹脂を注入する第2成形部の加熱時には隙間が小さくなるので、転写シートが当該隙間に吸引されることによる転写シートの変形が少なくなり、転写層の転写面の外観を損なうことがない。
よって、樹脂成形に要する時間を短縮することができ、しかも、転写層を所定の転写位置に外観を損なうことなく転写することができる。
尚、「加熱時には隙間を小さくする」とは、成形同時転写品に、射出成形時に隙間に溶融樹脂が流入することによる不良品が発生しない大きさにすることであり、隙間をなくすことも含む概念である。
本発明の第2特徴構成は、前記キャビティに溶融樹脂を射出する、前記第2キャビティ面に形成されたゲートを更に備え、前記第2成形部に、前記第2キャビティ面のうちの前記ゲートに対向するゲート対向領域を前記加熱時に冷却する第1冷却回路が形成された点にある。
本構成であれば、第2成形部における第1キャビティ面のうちの、キャビティに溶融樹脂を射出するゲートに対向するゲート対向領域を、第2成形部の加熱時に冷却することができる。
したがって、第1キャビティ面のうちの、ゲートから射出された直後の高温の溶融樹脂が転写シートを介して接触するゲート対向領域を積極的に冷却して、第1キャビティ面の全体における温度分布を均等化することができる。
この結果、第1キャビティ面が局所的に高温となることを防ぎ、転写シートの転写層の溶融や変形を防止できる。また、成形同時転写品の各部の冷却速度を均一化してその変形を防止できる。
本発明の第3特徴構成は、前記第1冷却回路は、前記第1温調回路より前記第1キャビティ面側を通過するように形成された点にある。
本構成であれば、第1キャビティ面のうちのゲート対向領域を効率良く冷却することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記第1成形部及び前記第2型の少なくとも1つに、前記転写シートと接触するパーティング面を冷却する第2冷却回路が形成された点にある。
本構成であれば、転写シートと接触するパーティング面を冷却することができるので、転写シートの転写層の一部がパーティング面に溶融付着することによるバリの発生を防止することができる。
すなわち、パーティング面に転写シートの一部が溶融付着すると、型締めしたときに、第1成形部と転写シートとの間や第2型と転写シートとの間に隙間が生じ易く、その隙間に溶融樹脂が入り込んで成形同時転写品にバリが発生し易い。
上記に対して、本構成では、第1成形部又は第2型の転写シートと接触するパーティング面を冷却するので、転写シートがパーティング面に溶融付着し難くなり、上記バリの発生を防止することができる。
本発明の第5特徴構成は、前記第2型に、前記第2キャビティ面を前記第1温調回路と同一温度により冷却・加熱する第2温調回路が形成された点にある。
本構成であれば、第2成形面の温度を樹脂注入に適した高温と樹脂成形品の冷却に適した低温とに調節することができる。
したがって、第2キャビティ面の側においても、キャビティに注入された溶融樹脂の流動性を確保して、キャビティの全体に溶融樹脂を一層確実に充填できるとともに、第2キャビティ面の温度を成形同時転写品の冷却に適した低温に調節して、成形品の反りなどの変形を一層防止できる。
本発明の第6特徴構成は、請求項1記載の成形同時転写用金型と、前記成形同時転写用金型内に前記転写シートを送り込む転写シート送り装置と、前記キャビティに溶融樹脂を射出する射出装置と、前記成形同時転写用金型を開閉させる型締め装置と、前記第1温調回路に冷却媒体を通すことにより、前記第2成形部を冷却して前記第1成形部と前記第2成形部との間に隙間を形成すると共に、前記第1温調回路に加熱媒体を通すことにより、前記第2成形部を加熱して前記隙間を小さくする第1温調装置と、前記隙間を介して前記転写シートを吸引する吸引装置とを備えた、成形同時転写装置にある。
本構成の成形同時転写装置であれば、複数の成形同時転写品を能率良く成形しながら、樹脂成形に要する時間を短縮することができ、しかも、転写層を所定の転写位置に外観を損なうことなく確実に転写できる。
すなわち、型締め装置で成形同時転写用金型を開いて転写シート送り装置で成形同時転写用金型内に転写シートを送り込み、第1温調装置の第1温調回路に冷却媒体を通すことにより、第2成形部を冷却して第1成形部と第2成形部との間に隙間を形成して、その隙間を介して吸引装置で転写シートを吸引保持し、型締め装置で成形同時転写用金型を閉じると共に、第1温調装置の第1温調回路に加熱媒体を通すことにより第2成形部を加熱して隙間を小さくした状態で、射出装置でキャビティに溶融樹脂を射出し、第1温調装置の第1温調回路に冷却媒体を通すことにより、第2成形部を冷却して樹脂部を急冷し、型締め装置で成形同時転写用金型を開いて成形同時転写品を取り出すという一連の成形作業を繰り返し易い。
本発明の第7特徴構成は、射出成形と同時に表面に転写層が形成される成形同時転写品の製造方法であって、前記成形同時転写品の一方面に対応した第1キャビティ面が形成された第1型と前記成形同時転写品の他方面に対応した第2キャビティ面が形成された第2型とを有し、前記第1型は、前記第1キャビティ面のうちの周縁部分を形成する第1成形部と、前記第1キャビティ面のうちの内側部分を形成する第2成形部とを含む射出成形用金型が用いられ、前記第1キャビティ面に前記転写層を有する転写シートを配置する工程と、前記第2成形部を冷却して前記第1成形部と前記第2成形部との間に隙間を形成する工程と、前記転写シートが前記第1キャビティ面に沿うように前記隙間を介して吸引する工程と、型締めしてキャビティを形成し、前記第2成形部を加熱して、前記隙間を小さくする工程と、前記キャビティに溶融樹脂を射出して樹脂部を成形すると同時に、その樹脂部の表面に前記転写層を密着させる工程と、前記樹脂部を冷却して固化させる工程とを備えた点にある。
本構成の成形同時転写品の製造方法であれば、第2成形部の熱容量を小さく構成しておくことにより、第2成形部を冷却して第1成形部と第2成形部との間に隙間を形成する工程において、当該第2成形部における第1キャビティ面の温度を成形同時転写品の冷却に適した低温に迅速に調節することができ、型締めしてキャビティを形成し、第2成形部を加熱して、隙間を小さくする工程において、当該第2成形部における第1キャビティ面の温度を樹脂注入に適した高温に迅速に調節することができる。
したがって、第1キャビティ面の温度を調節するために要する時間を、第2成形部の熱容量の大きさに応じた時間にすることができ、第1型の全体を加熱又は冷却する場合に比べて、その時間を短縮することができる。
また、第2成形部を冷却して第1成形部と第2成形部との間に隙間を形成する工程の後の、転写シートが第1キャビティ面に沿うように隙間を介して吸引する工程において、転写シートを第1キャビティ面のうちの周縁部分に沿って確実に吸引して第1キャビティ面の側の所定位置に転写層を保持することができる。
しかも、型締めしてキャビティを形成し、第2成形部を加熱して、隙間を小さくする工程の後の、キャビティに溶融樹脂を射出して樹脂部を成形すると同時に、その樹脂部の表面に転写層を密着させる工程において、転写シートが当該隙間に吸引されることによる転写シートの変形が少なくなり、転写層の転写面の外観を損なうことがない。
よって、樹脂成形に要する時間を短縮することができ、しかも、転写層を所定の転写位置に外観を損なうことなく転写することができる。
尚、「第2成形部を加熱して、隙間を小さくする工程」とは、成形同時転写品に、射出成形時に隙間に溶融樹脂が流入することによる不良品が発生しない大きさにする工程であり、隙間をなくすことも含む概念である。
成形同時転写装置の縦断面図である。 図1におけるII-II線矢視断面図である。 図1におけるIII-III線矢視断面図である。 成形同時転写品の製造方法の説明図である。 成形同時転写品の製造方法の説明図である。 成形同時転写品の製造方法の説明図である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明による射出成形同時転写装置を示す。
成形同時転写装置は、図1に示すように、射出成形と同時に表面に転写層16が形成される成形同時転写品Aの製造に用いることができる成形同時転写用金型Bと、成形同時転写用金型B内に転写シート17を送り込む転写シート送り装置3と、キャビティ25に溶融樹脂cを射出する射出装置4と、成形同時転写用金型Bを開閉させる型締め装置34と、後述する隙間12を介して転写シート17を吸引する吸引装置20とを備えている。
成形同時転写用金型Bは、転写層16を有する転写シート17が配置され、成形同時転写品Aの一方面、つまり、意匠面(表面)に対応する平面視で略長方形の第1キャビティ面5が形成された第1型である可動型1と、成形同時転写品Aの他方面、つまり、裏面に対応する第2キャビティ面13が形成され、可動型1との型締めによりキャビティ25を形成する第2型である固定型2とを備えている。
可動型1及び固定型2の夫々は、その全体が例えば40℃〜60℃になるように冷却するための図外の温調回路を備えている。
可動型1は、型締め装置34により、転写シート17を挟んで固定型2に対して密着する状態に型締めされる型締め位置と、固定型2から離間して成形同時転写品Aを取り出し可能な型開き位置とに往復駆動移動自在に設けられている。
可動型1は、第1キャビティ面5のうちの周縁部分6、つまり、意匠面の周縁を成形する曲面部分を一連の枠状に形成してある矩形枠形の第1成形部7と、第1キャビティ面5のうちの内側部分8、つまり、周縁部分6の内側の扁平な部分を形成してある第2成形部9とに、互いに間隔を設けた状態で分配配置して、共通の基板10に例えばボルト11で一体に固定してある。
尚、可動型1は、基板10と枠状の第1成形部7とが一連の材料から舛状に一体形成されたものであり、第2成形部9が第1成形部7の内側に嵌り込む構造であってもよい。
第2成形部9は、当該第2成形部9の冷却時には吸引装置20で転写シート17を吸引するための一連の環状の隙間12を第1成形部7との間に空け、当該第2成形部9の加熱時にはその隙間12を小さくする第1温調回路22を備えた第1温調装置21を有する。
第1温調装置21は、第1温調回路22に冷却媒体としての冷却水aを通すことにより、第2成形部9を例えば40℃〜60℃よりも低い温度に冷却して第1成形部7と第2成形部9との間に隙間12を形成する。一方、第1温調回路22に加熱媒体としての高温蒸気bを通すことにより、第2成形部9を例えば40℃〜60℃を越える温度に加熱して溶融樹脂cを射出する際の前記内側部分8の近傍での樹脂の流動性を確保すると共に、隙間12を小さくする。
具体的には、第1温調回路22に例えば10℃の冷却水aを通すことにより、転写シート17を吸引するまでに第2成形部9を10℃に冷却して、第1成形部7と第2成形部9との間に転写シート17の吸引用の隙間12を形成する。一方、第1温調回路22に例えば120℃の高温蒸気bを通すことにより、キャビティ25に溶融樹脂cを射出する時までに第2成形部9を120℃に加熱して隙間12を小さくする。
固定型2は、成形同時転写品Aを第2キャビティ面13から押し出すための押し出しピン14を出退自在に備えている。
転写シート送り装置3は、基体シート15に模様などを形成してある転写層16を剥離可能に積層してある転写シート17を繰り出し自在に巻き付けてある繰出リール18と、繰出リール18から転写シート17を繰り出しながら巻き取る巻取リール19とを備えている。
そして、転写シート17を巻取リール19に巻き取ることにより、転写シート17を繰出リール18から繰り出して、転写シート17を基体シート15が第1キャビティ面5に対向する状態で第1キャビティ面5と第2キャビティ面13との間に供給できるように構成してある。
吸引装置20は、隙間12を例えば0.08Mpa以下に減圧するための真空ポンプなどを設けて構成されている。隙間12が減圧されると転写シート17の基体シート15の側が吸引されて、転写シート17が第1成形部7及び第2成形部9の第1キャビティ面(周縁部分6及び内側部分8)5の所定位置に所定姿勢で密着保持される。
第1温調装置21は、図2にも示すように、第2成形部9の内部に貫通形成した第1温調回路22に冷却水aを循環供給する冷却状態と、高温蒸気bを循環供給する加熱状態とに切換自在に設けられている。
固定型2にも、可動型1と同様に、第2キャビティ面13を第1温調回路22と同一温度により冷却・加熱する第2温調装置23が設けられている。
第2温調装置23は、固定型2の内部に貫通形成した第2温調回路24に冷却媒体としての冷却水aを循環供給して固定型2を例えば40℃〜60℃よりも低い温度に冷却する冷却状態と、加熱媒体としての高温蒸気bを循環供給して固定型2を例えば40℃〜60℃を越える温度に加熱する加熱状態とに切換自在に設けられている。
この場合にも、例えば第2温調回路24に10℃の冷却水aを循環供給して固定型2を10℃に冷却する冷却状態と、120℃の高温蒸気bを循環供給して固定型2を120℃に加熱する加熱状態とに切換自在に設けられている。
尚、前記第2温調装置23は必ずしも設ける必要はない。
つまり、固定型2は成形同時転写品Aの裏面を成形することが多く、その表面形状は、表面(意匠面)ほど完全に形成しなくても良い場合がある。よって、当該第2温調装置23を省略することで当該装置の構成を簡略化することができる。
第1キャビティ面5と第2キャビティ面13との間に転写シート17を供給して吸引装置20で吸引している状態で、可動型1を型締め位置に移動させて型締めしたときに、第1成形部7が転写シート17を挟んで固定型2に密着して、キャビティ25が形成される。
射出装置4は、樹脂注入路27を固定型2の内部に有し、キャビティ25に溶融樹脂cを射出するために、第2キャビティ面13に開口するゲート26を備えている。
可動型1と固定型2との型締めが完了すると同時に、射出装置4は、キャビティ25に対して例えば260℃〜300℃程度の溶融樹脂cを射出する。
第2成形部9には、その第2成形部9における第1キャビティ面5(内側部分8)のうちの、ゲート26に対向するゲート対向領域28を、当該第2成形部9の加熱時に冷却するための第1冷却装置29を備えている。
第1冷却装置29は、図2にも示すように、第2成形部9の内部に貫通形成した第1冷却回路30に冷却媒体としての冷却水aを循環供給する冷却状態と、冷却水aの供給を停止する冷却停止状態とに切換自在に設けられている。
第1冷却回路30は、第1温調回路22よりも第1キャビティ面5に近い側を通過するように貫通形成されている。
可動型1と固定型2とを型締めしたときに、第1成形部7と固定型2とが転写シート17を挟んで互いに密着する面、つまり、転写シート17と接触するパーティング面7a,2aを冷却する第2冷却装置31,32を、第1成形部7と固定型2との夫々が備えている。
第2冷却装置31,32の夫々は、図2,図3にも示すように、第1成形部7又は固定型2の内部に貫通形成した第2冷却回路33に冷却媒体としての冷却水aを循環供給する冷却状態と、冷却水aの供給を停止する冷却停止状態とに切換自在に設けられている。
尚、第2冷却装置は、第1成形部7と固定型2とのいずれか一方にのみ設けられていてもよい。
上記成形同時転写装置を使用して、射出成形と同時に表面に転写層16が形成される成形同時転写品Aの製造方法を図4〜図6に基づいて説明する。
成形同時転写品Aの製造方法は、成形同時転写用金型Bを用いて、第1キャビティ面5に転写層16を有する転写シート17を配置する第1工程と、第2成形部9を冷却して第1成形部7と第2成形部9との間に隙間12を形成する第2工程と、転写シート17が第1キャビティ面5に沿うように隙間12を介して吸引する第3工程と、型締めしてキャビティ25を形成し、第2成形部9を加熱して、隙間12を小さくする第4工程と、キャビティ25に溶融樹脂cを射出して樹脂部dを成形すると同時に、その樹脂部dの表面に転写層16を密着させる第5工程と、樹脂部dを冷却して固化させる第6工程と、射出成形用金型Bを型開きすると同時に又は型開きした後に、表面に転写層16が密着して固化した樹脂部dから基体シート15を剥離する第7工程と、成形同時転写品Aをキャビティ25から取り出す第8工程とを記載順に備えている。
尚、第2成形部9を冷却して第1成形部7と第2成形部9との間に隙間12を形成する第2工程の後に、第1キャビティ面5に転写シート17を配置する第1工程を備えていてもよく、第1工程と第2工程とを同時に備えていてもよい。
また、第6工程〜第8工程、及び、次の成形同時転写品Aを成形するための第1工程〜第3工程に同時に並行して連続する第2工程を備えていてもよい。
成形同時転写装置の稼働中においては、可動型1及び固定型2の夫々は図外の温調回路により例えば40℃〜60℃になるように常に冷却されているが、第1冷却装置29と第2冷却装置31,32は常に冷却状態に切り換えられており、第1温調装置21と第2温調装置23は、転写シート17の供給時及び成形同時転写品Aの冷却時に冷却状態に切り換えられる。
尚、第1冷却装置29と第2冷却装置31,32は、溶融樹脂がキャビティ25に射出される時に冷却状態に切り換えられるように構成してあってもよい。
また、多数の成形同時転写品Aを連続して成形するにあたって、1個目の成形同時転写品Aの成形開始時には、第1冷却装置29と第2冷却装置31,32が冷却停止状態に切り換えられていてもよい。
第1工程及び第2工程では、図4(a)に示すように、第1温調装置21と第2温調装置23及び第1冷却装置29と第2冷却装置31,32が冷却状態に切り換えられて、第2成形部9及び固定型2が10℃に冷却されており、可動型1が型開き位置に移動している状態で、転写シート送り装置3により第1キャビティ面5と第2キャビティ面13との間に転写シート17を供給し、第2成形部9の冷却により第1成形部7と第2成形部9との間に隙間12を形成する。
第3工程では、図4(b)に示すように、真空ポンプ20により隙間12を介して転写シート17を吸引して第1キャビティ面5の所定位置に所定姿勢で密着保持する。
第4工程では、図5(a)に示すように、型締めしてキャビティ25を形成すると同時に、第1温調装置21と第2温調装置23を加熱状態に切り換えて第2成形部9及び固定型2を120℃に加熱し、第1キャビティ面5と第2キャビティ面13の夫々を加熱するともに、隙間12を小さくする。
第5工程では、図5(b)に示すように、射出装置4により、キャビティ25に溶融樹脂cを射出注入して樹脂部dを成形すると同時に、その樹脂部dの表面に転写層16を密着させる。
転写シート17は、少なくとも溶融樹脂cの射出注入が完了するまで、真空ポンプ20の作動により、第1キャビティ面5に密着するように吸引保持されている。
第6工程では、真空ポンプ20による転写シート17の吸引動作を停止し、図6(a)に示すように、第1温調装置21及び第2温調装置23を冷却状態に切り換えて樹脂部dを急冷する。
図6(b)に示すように、第7工程では、可動型1を型開き位置に移動させると同時に、表面に転写層16が密着して固化した樹脂部dから基体シート15を剥離し、第8工程では、転写層16が転写された成形同時転写品Aを押し出しピン14で第2キャビティ面13から押し出して、キャビティ25から取り出す。
このようにして成形同時転写品Aが製造される。
成形同時転写用金型Bを用いた成形同時転写品Aの製造方法では、第2成形部9の冷却により隙間12をつくり、隙間12を利用して転写シート17を吸引して確実に第1キャビティ面5に密着させている。また、第2成形部9の加熱により隙間12を小さくする、或いは隙間12を塞いで、射出時の溶融樹脂cを流れやすくして溶融樹脂cをキャビティ25に充填させやすくしている。
したがって、図4〜図6に示した動作を繰り返すことにより、転写層16が転写された成形同時転写品Aを、不良品の発生を低減させるとともに効率的に連続成形することができる。
成形同時転写用金型Bは、可動型1を別々に温調できるように第1成形部7と第2成形部9とに分割して、第1成形部7と第2成形部9との隙間12が転写シート17を吸引するための吸引溝に兼用されている。そのために、成形同時転写用金型Bの構造を簡単にすることができる。
溶融樹脂cの射出時には、溶融樹脂cを充填させやすくするために第2成形部9を加熱するところ、ゲート対向領域28は冷却して、溶融樹脂cの射出により転写層16が溶融して流れ出すいわゆるインキ流れが防止される。
〔その他の実施形態〕
1.本発明による成形同時転写装置は、第1型に対して型締め位置と型開き位置とに往復駆動移動自在な第2型を備えていてもよい。
2.本発明による成形同時転写装置は、第1型の第1キャビティ面に加えて、第2型の第2キャビティ面にも転写シートが配置されるように構成してあってもよい。
A 成形同時転写品
B 成形同時転写用金型(射出成形金型)
a 冷却媒体
b 加熱媒体
c 溶融樹脂
d 樹脂部
1 第1型
2 第2型
2a パーティング面
3 転写シート送り装置
4 射出装置
5 第1キャビティ面
6 周縁部分
7 第1成形部
7a パーティング面
8 内側部分
9 第2成形部
12 隙間
13 第2キャビティ面
16 転写層
17 転写シート
20 吸引装置
21 第1温調装置
22 第1温調回路
24 第2温調回路
25 キャビティ
26 ゲート
28 ゲート対向領域
30 第1冷却回路
33 第2冷却回路
34 型締め装置

Claims (7)

  1. 射出成形と同時に表面に転写層が形成される成形同時転写品の製造に用いることができる成形同時転写用金型であって、
    前記転写層を有する転写シートが配置され、前記成形同時転写品の一方面に対応する第1キャビティ面が形成された第1型と、
    前記成形同時転写品の他方面に対応する第2キャビティ面が形成され、前記第1型との型締めによりキャビティを形成する第2型とを備え、
    前記第1型は、前記第1キャビティ面のうちの周縁部分を形成する第1成形部と、前記第1キャビティ面のうちの内側部分を形成するとともに、冷却時には前記転写シートを吸引するための隙間を前記第1成形部との間に空け、加熱時には前記隙間を小さくする第1温調回路を有する第2成形部とを含む、成形同時転写用金型。
  2. 前記キャビティに溶融樹脂を射出する、前記第2キャビティ面に形成されたゲートを更に備え、
    前記第2成形部に、前記第2キャビティ面のうちの前記ゲートに対向するゲート対向領域を前記加熱時に冷却する第1冷却回路が形成された、請求項1記載の成形同時転写用金型。
  3. 前記第1冷却回路は、前記第1温調回路より前記第1キャビティ面側を通過するように形成された、請求項2記載の成形同時転写用金型。
  4. 前記第1成形部及び前記第2型の少なくとも1つに、前記転写シートと接触するパーティング面を冷却する第2冷却回路が形成された、請求項1〜3のいずれか1項記載の成形同時転写用金型。
  5. 前記第2型に、前記第2キャビティ面を前記第1温調回路と同一温度により冷却・加熱する第2温調回路が形成された、請求項1〜4のいずれか1項記載の成形同時転写用金型。
  6. 請求項1記載の成形同時転写用金型と、
    前記成形同時転写用金型内に前記転写シートを送り込む転写シート送り装置と、
    前記キャビティに溶融樹脂を射出する射出装置と、
    前記成形同時転写用金型を開閉させる型締め装置と、
    前記第1温調回路に冷却媒体を通すことにより、前記第2成形部を冷却して前記第1成形部と前記第2成形部との間に隙間を形成すると共に、前記第1温調回路に加熱媒体を通すことにより、前記第2成形部を加熱して前記隙間を小さくする第1温調装置と、
    前記隙間を介して前記転写シートを吸引する吸引装置とを備えた、成形同時転写装置。
  7. 射出成形と同時に表面に転写層が形成される成形同時転写品の製造方法であって、
    前記成形同時転写品の一方面に対応した第1キャビティ面が形成された第1型と前記成形同時転写品の他方面に対応した第2キャビティ面が形成された第2型とを有し、前記第1型は、前記第1キャビティ面のうちの周縁部分を形成する第1成形部と、前記第1キャビティ面のうちの内側部分を形成する第2成形部とを含む射出成形用金型が用いられ、
    前記第1キャビティ面に前記転写層を有する転写シートを配置する工程と、
    前記第2成形部を冷却して前記第1成形部と前記第2成形部との間に隙間を形成する工程と、
    前記転写シートが前記第1キャビティ面に沿うように前記隙間を介して吸引する工程と、
    型締めしてキャビティを形成し、前記第2成形部を加熱して、前記隙間を小さくする工程と、
    前記キャビティに溶融樹脂を射出して樹脂部を成形すると同時に、その樹脂部の表面に前記転写層を密着させる工程と、
    前記樹脂部を冷却して固化させる工程とを備えた、成形同時転写品の製造方法。
JP2009173575A 2009-07-24 2009-07-24 成形同時転写用金型、成形同時転写装置及び成形同時転写品の製造方法 Active JP5308951B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009173575A JP5308951B2 (ja) 2009-07-24 2009-07-24 成形同時転写用金型、成形同時転写装置及び成形同時転写品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009173575A JP5308951B2 (ja) 2009-07-24 2009-07-24 成形同時転写用金型、成形同時転写装置及び成形同時転写品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011025522A JP2011025522A (ja) 2011-02-10
JP5308951B2 true JP5308951B2 (ja) 2013-10-09

Family

ID=43634852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009173575A Active JP5308951B2 (ja) 2009-07-24 2009-07-24 成形同時転写用金型、成形同時転写装置及び成形同時転写品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5308951B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3217255B2 (ja) * 1995-12-13 2001-10-09 大日本印刷株式会社 射出成形同時絵付装置及び方法
JP3977565B2 (ja) * 1999-05-06 2007-09-19 小野産業株式会社 合成樹脂成形用金型並びに金型温度調整装置及び金型温度調整方法
JP2001009865A (ja) * 1999-06-30 2001-01-16 Dainippon Printing Co Ltd 射出成形同時絵付装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011025522A (ja) 2011-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6560498B2 (ja) 樹脂封止方法及び樹脂成形品の製造方法
JP2014240187A (ja) 成形システム及び成形品の製造方法
JP2014192362A (ja) 成形品生産装置、成形品生産方法、及び成形品
JP5803772B2 (ja) インサート成形方法
JP4855026B2 (ja) 電子部品の樹脂封止成形方法及び装置
JP5308951B2 (ja) 成形同時転写用金型、成形同時転写装置及び成形同時転写品の製造方法
JP6423677B2 (ja) 成形金型、成形装置および成形品の製造方法
JP4176783B2 (ja) 成形システムにおける成形方法
JP4716834B2 (ja) 射出成形設備における射出成形機の運転方法
WO2005084910A1 (ja) ディスク成形用金型、調整部材及びディスク基板の成形方法
JP2012250379A (ja) 箔転写射出成形方法および箔転写射出成形装置、ならびに金型
JP2004066260A (ja) 金属成形用金型及びその成形方法
JP6845683B2 (ja) 射出成形機及び射出成形方法
JP2015217567A (ja) インモールド射出成形金型とインモールド射出成形方法
JP2010264704A (ja) インモールド成形金型,インモールド成形方法、およびインモールド成形品
JP2000108131A (ja) 加飾成形品の製造方法および加飾成形用金型
JP2005313330A (ja) 射出成形金型
US20240149506A1 (en) Apparatus of Manufacturing Resin Molding Product, Method of Manufacturing Resin Molding Product, and Mold
JP2018052093A (ja) 樹脂成形品の製造方法
JPH0939047A (ja) 射出成形用金型、射出成形装置、および射出成形方法
JP2010269472A (ja) 樹脂部品の成形方法及び成形金型
JP2008012727A (ja) 成形・成膜システム
JP2011083961A (ja) 樹脂成形品およびその製造方法
JP2011126186A (ja) 樹脂成形方法及び射出成形装置
JPH09104048A (ja) 金型の加熱装置、加熱冷却装置及びその方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120514

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120514

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130619

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5308951

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250