JP5308332B2 - 覆い装置及びその構成部品 - Google Patents

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Description

建築物の開口部を覆うための様々な覆い装置がこれまでに提案されており、それら覆い装置のうちには、建築物の開口部を通過する光に対して、その光量を低減し、或いは実質的に遮光するための様々な種類のブラインド装置や、網戸として機能する覆い装置、また更にその他の種々の覆い装置がある。また、その覆い材の構造に関しても様々な形態のものが提案されており、例えば、ローラに巻取り、またローラから引出すようにした平坦なシートから成るものもあれば、複数のスラットを連ねたいわゆるベネシャンブラインドとして構成したもの、展張及び引込が可能なプリーツシェードとしたもの、また更に、様々な種類の多層構造体としたものなどもある。
一般的に、ブラインド装置の装置本体は、固定エンドレールの形態で構成されており、この固定エンドレールの形態の装置本体を、建築物の開口部の上縁部または一方の側縁部に取付けるようにしている。装置本体からは覆い材が延出し、この覆い材の反対側の縁部に第2エンドレールである可動エンドレールが取付けられている。可動エンドレールを装置本体から離れる方向へ引っ張って建築物の開口部の反対側の縁部まで移動させることにより、建築物の開口部を覆い材で覆うことができる。また、ブラインド装置のうちには、一対のサイドガイドを備えているものもあり、それら一対のサイドガイドは、建築物の開口部の縁部のうち装置本体の延在方向に対して垂直に延在している一対の縁部に沿って設けられ、覆い材の展張及び引込の際の移動方向に延在するものである。サイドガイドのうちには、何らかの剛構造体として構成されているものもあれば、より簡単なコード(紐)から成る構造体として構成されているものもある。
一般的に、以上に述べたもののような覆い装置には、その装着作業が比較的面倒であるという問題が付随している。装置本体は、この装置本体に引込まれた覆い材を収容し、また引込用バネを装備している場合にはそのバネも収容するものであることから、ある程度の大きさにならざるを得ず、そのような装置本体を建築物の開口部の上縁部にしっかりと固定しなければならない。更に、覆い装置を装着する作業現場において、その覆い装置の構成部品を互いに組付けるという作業も簡単なものではなく、それら構成部品を正確に計ることや、正確に位置付けることが必要とされる。
本発明の目的は、以上に述べた様々な問題のうちの1つまたは幾つかを解決し、もしくは少なくとも緩和することに資する、様々な特徴を提供することにある。
本発明によれば、引込可能なローラ巻取り式の覆い材に対応可能なエンドレールが提供される。前記エンドレールは、このエンドレールの長手方向に延在するハウジングと、このハウジングの中に装備されてこのエンドレールの長手方向軸心を中心としてこのハウジングに対して相対的に回転可能なローラとを備えており、覆い材をこのローラに巻取り、またこのローラから引出すことができるようにしてある。また、前記エンドレールはコイルバネを備えており、このコイルバネは前記エンドレールの長手方向軸心に沿って延在しており、第1端と第2端とを有する。前記コイルバネの第1端は前記ハウジングに対して相対回転不能とし、前記コイルバネの第2端は前記ローラに対して相対回転不能としてある。前記覆い材が引出される方向に前記ローラが回転するとき、前記コイルバネはこのコイルバネの巻戻方向に回転するように弾性変形して、前記覆い材を巻取る方向の復帰トルクを発生する。更に、前記第1端と前記第2端との少なくとも一方は軸心方向に移動可能であり、前記コイルバネが巻戻方向に弾性変形するときには、このコイルバネの軸心方向の長さが増大し、このコイルバネの拡径は実質的に発生しないようにしている。
前記覆い材を展張する際に前記コイルバネに力が作用して、前記コイルバネの軸心方向寸法、即ち長さ方向の寸法が増大できるようにすることで、従来の装置における覆い材を引込ませるためのコイルバネのように拡径することが回避されている。これによって、ローラ及び/またはハウジングの直径縮小が可能となる。その結果、よりコンパクトなエンドレールを提供することが可能となる。
前記エンドレールは、建築物の開口部の辺縁部の1つに固定する固定エンドレールとして構成することもでき、或いはまた、前記エンドレールはコンパクトな小型のものとし得るため、前記覆い材を展張する際に建築物の開口部を横切って移動させる可動エンドレールとして構成することもできる。
更なる小型化を可能にするためには、前記コイルバネを、従来の装置におけるコイルバネと比べて弾発力の弱いものとすることが提案される。また特に、前記コイルバネの弾発力を、覆い材を引込ませるためにローラを回転させるのにかろうじて足りる程度の弱い弾発力とすることが提案され、この弾発力の大きさは、例えば、単に摩擦抵抗力に打ち克つ程度の大きさとすることができ、覆い材の重量を持上げるための力や、覆い材の他方の端縁にエンドレールが取付けられている場合にそのエンドレールの重量を持上げるための力などは不要である。これに関連して、本発明によれば更に、その他の部品を使用して覆い材を1つまたは複数の展張位置ないし引込位置に保持する構成をが提案される。この構成を採用すれば、前記コイルバネは覆い材の位置を保持する役割を担う必要がなくなる。覆い材の端縁の位置を移動させるのは、ユーザが手作業で行うか、或いは自動移動機構に行わせるようにすればよく、前記コイルバネは、覆い材をエンドレールの中のローラに巻取るのにかろうじて足りる程度の弾発力を発揮するだけでよい
本発明によれば、建築物の開口部を覆うための覆い装置が提供され、この覆い装置は、建築物の開口部の互いに対向する一対の辺縁部の夫々に互いに平行に装着される2本のサイドレールと、前記2本のサイドレール上にそれらサイドレールに対して垂直に且つ互いに平行に延在するように取付けられる2本のエンドレールと、前記2本のエンドレールの間に展張される覆い材とを備えている。前記2本のエンドレールのうちの少なくとも1本のエンドレールは、ハウジングと、長手方向に延在するように取付けられ回転可能でバネ付勢されたローラとを備えている。前記覆い材は前記ローラに結合され前記ローラは前記覆い材を巻取る方向にバネ付勢されている。前記2本のサイドレールには、前記2本のエンドレールの一方または両方を支持して前記サイドレール上の任意の位置に保持するための機構が装備されており、それによって、前記ローラのバネ付勢は、前記覆い材を引込ませる際の摩擦抵抗力に打ち克ち前記覆い材をローラ上に巻取るのにかろうじて足りるだけの大きさでよいようにしている。
以上の構成によれば、ローラを備えたエンドレールを格段に小型化することができる。
前記可動エンドレールを任意の位置に保持するには、前記可動エンドレールの長手方向両端の各々に前記コードを案内する案内部を設けるようにするとよく、それら案内部は、例えば貫通開口などとすることができる。前記コードの配設経路は、第1のサイドレールの長手方向の第1端から発して、前記可動エンドレールの2つの案内部を通過し、第2のサイドレールの長手方向の第2端へ至る経路とするとよい。
この構成によれば、特に、前記案内部を通過する際に前記コードの方向が変わることによって、前記エンドレールが前記2本のサイドレールに沿って移動する際に、その移動に対する摩擦抵抗力が発生する。
以上の構成をいっそう優れたものとするために、第2のコードを備えるようにし、この第2のコードを、上で述べた第1のコードとおおむね同様に、前記第2のサイドレールの長手方向の第1端から発して、前記可動エンドレールの中を第1のコードとは逆方向に通過し、前記第1のサイドレールの長手方向の第2端へ至るように配設するのもよい。それら第1及び第2のコードは、それらが共に、前記可動エンドレールの同じ2つの案内部を通過するようにしてもよく、或いはまた、それら2本のコードを夫々が通過させるための個別の案内部を前記可動エンドレールに設けるようにしてもよい。
2本以上の可動エンドレールを備えた構成とする場合には、それら可動エンドレールの夫々に個別のコードを装備するようにしてもよい。或いはまた、それら可動エンドレールに共通する共用のコードを装備するようにしてもよい。
前記コードは、バネを介して前記サイドレールの端部に連結されているようにしてもよい。
前記可動エンドレールの両端の形状を前記サイドレールの形状に応じた形状とすることで、前記可動エンドレールの両端が前記サイドレールと協働し、前記可動エンドレールの両端が前記サイドレールによって案内されるようにすることが好ましい。
特に、前記可動エンドレールの両端と前記サイドレールとが協働することによって、建築物の開口部から離れる方向の前記可動エンドレールの変移が規制されるようにすることが好ましい。
前記2本のサイドレールは、建築物の開口部を挟んでその両側に配設されて互いに対向する一対の溝部を形成するものとすることが好ましい。また、前記可動エンドレールの両端がそれらサイドレールの溝部の中に突出するようにすることで、建築物の開口部から離れる方向の前記可動エンドレールの変移が規制されるようにすることが好ましい。
更に、前記コードは、前記溝部の中を延在するように配設することによって、外部から見えないようにするとよい。
本発明によれば、建築物の開口部を覆うための覆い装置が提供され、この覆い装置は、建築物の開口部の互いに対向する一対の辺縁部の夫々に互いに平行に装着される2本のサイドレールと、前記2本のサイドレールの間をそれらサイドレールに対して垂直に延在してそれらサイドレール上を移動可能な少なくとも1本の可動エンドレールとを備え、コード機構が装備されており、該コード機構は、前記2本のサイドレール及び前記可動エンドレールに沿って延在しており、前記可動エンドレールを前記2本のサイドレール上の前記可動エンドレールが位置付けられた任意の位置に保持するものであり、該コード機構は更に、前記可動エンドレールの両端を前記2本のサイドレールに対して保持することで、前記2本のサイドレール及び前記可動エンドレールが建築物の開口部の箇所に取付けられていないときにも、前記2本のサイドレールと前記可動エンドレールとが互いに保持されて単一の装置を成しているようにしていることを特徴とする覆い装置である。
この構成によれば、覆い装置を装着現場において組立てる必要がないため、ユーザが装着作業を好適に行うことができる。
前記2本のサイドレール及び前記可動エンドレールが建築物の構造部に取付けられていないときに、前記可動エンドレールを前記2本のサイドレールに対して実質的に平行にすることが可能であるようにしておくことが好ましい。
この構成によれば、在庫及び輸送の際に覆い装置の全体としての寸法を小さくすることができる。前記2本のサイドレール及び前記可動エンドレールを1つにまとめることによって、それらが互いに隣接したコンパクトな状態とすることができる。前記2本のサイドレール及び前記可動エンドレールは、コード構成によって互いに連結されて単一の装置の状態を保っているため、ユーザは、それらの向きを変えることで、容易に装着時の状態にすることができる。
更にもう1本のエンドレールとして、固定エンドレールまたは2本目の可動エンドレールを備えた構成とした場合には、その固定エンドレールまたは2本目の可動エンドレールも、以上と同様にしてコード構成体によって前記2本のサイドレールに連結して、その向きを変えて、その他のレールと平行にすることができるようにするとよい。
前記覆い装置には、少なくとも1つの梱包用クランプ部材を備えることが好ましく、該梱包用クランプ部材は、前記2本のサイドレール及び前記少なくとも1本の可動エンドレールを互いに近接させて互いに平行にした状態で、それらサイドレール及び可動エンドレールを保持するものである。
この構成によれば、在庫及び/または輸送のために覆い装置の構成部品の全てを1つにまとめて保持する上で好都合である。
また、2つの梱包用クランプ部材を備えることが好ましい。それら梱包用クランプ部材の各々は、前記可動エンドレールが前記2本のサイドレールの間をそれらサイドレールに対して垂直に延在しているときに、前記可動エンドレールに沿って摺動して前記2本のサイドレールの夫々と係合可能であり、その係合によって、前記少なくとも1本の可動エンドレールを前記2本のサイドレールの間に実質的に剛に連結するものである。
この構成によれば、前記2本のサイドレールを前記可動エンドレールの両端に配置したならば、前記2つの梱包用クランプ部材を用いて、この装置全体を剛構造体とすることができる。この剛構造体は、その状態のままで建築物の開口部に装着することができ、また持ち運び及び装着作業を容易化するものである。
固定エンドレールまたは2本目の可動エンドレールを備えた構成とする場合には、前記2つの梱包用クランプ部材が、その固定エンドレールまたは2本目の可動エンドレールを1本目の可動エンドレールに隣接して1本目の可動エンドレールと平行に保持した状態としたまま、上で説明したのと同様にして、その固定エンドレールまたは2本目の可動エンドレールに沿って摺動するようにしておくことが好ましい。
前記2つの梱包用クランプ部材は、前記少なくとも1本の可動エンドレールの外周の一部分の周囲にスナップ式に嵌着するように形成されているように、そして、前記2本のサイドレールが建築物の開口部の互いに対向する一対の辺縁部に装着されている状態において、前記2つの梱包用クランプ部材が、前記可動エンドレールから脱係合可能であるようにしておくことが好ましい。
この構成によれば、この装置を建築物の開口部に装着したならば、前記2つの梱包用クランプ部材を内側へ摺動させて、前記2本のサイドレールの夫々から脱係合させ、それに続いて、それら梱包用クランプ部材を引っ張って可動エンドレールから取外せば、それによってこの装置は使用可能な状態になる。装置が第2可動エンドレールを備えている場合には、前記2つの梱包用クランプ部材を、同様に、この第2可動エンドレールの外周の一部分の周囲にもスナップ式に嵌着するように形成することが好ましい。
前記装置は、前記2本のサイドレール及び前記可動エンドレールを、それらが互いに平行に延在している状態で収容することのできる管状梱包容器を更に備えたものとすることが好ましい。
前記梱包用クランプ部材を備えた構成としている場合には、それら梱包用クランプ部材が、様々な前記レールを1つにまとめて保持した状態で、前記管状梱包容器の中に嵌合するようにしておくことが好ましい。
前記コード機構がコードを備えており、該コードの両端部が前記2本のサイドレールの夫々に沿って延在し、該コードの中間部が前記可動エンドレールの中を延在しているようにすることが好ましい。
1つの実施の形態においては、第1コードが、第1サイドレールの第1端から延出してこの第1サイドレールに沿って延在し、その後、前記可動エンドレールの中を通って反対側の第2サイドレールへ渡り、この第2サイドレールに沿って延在し、そして、前記第1サイドレールの前記第1端と反対側の前記第2サイドレールの第2端に達している。
また、第2コードが、第1コードの配設形態と同様の配設形態で、前記第2サイドレールの第1端から前記第1サイドレールの第2端へ達している。
前記コードには幾らかの引張力が付与されているようにすることが好ましい。
前記装置は、前記コードの一方の端部を前記2本のサイドレールのうちの一方のサイドレールに結合するバネを更に備えたものとし、それによって、前記コードを、前記バネの弾性によって上限が決まる長さ分だけ、前記2本のサイドレールから離れる方向へ引き寄せることができるようにすることが好ましい。
前記装置が第2コードを備えている場合には、この第2コードの一端にもバネを装備することが好ましい。
前記バネを装備することで、前記可動エンドレールと前記2本のサイドレールとを連結して単一の装置とした状態で、前記可動エンドレールと前記2本のサイドレールとの間の相対移動を行わせることが可能となる。この相対移動の大きさは、上で説明したレールの向きを変えるのに十分な大きさとすることもあり、或いはまた、後に説明する前記サイドレールに対して前記コードの調節を行う作業を行うのに十分な大きさとすることもある。
前記装置は、前記コードの一方の端部を前記2本のサイドレールのうちの一方のサイドレールに調節可能に結合する調節機構を更に備えたものとし、この調節機構は、前記可動エンドレールと前記2本のサイドレールとの間に前記コードの余長分を提供する第1状態と、前記余長分を吸収する第2状態との間で、選択的に移動可能であるようにすることが好ましい。
この構成によれば、前記コードの長さを、上で述べたようにレールの向きを変えて梱包できるようにするための十分な長さとすることができる。前記調節機構は、前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレール上を摺動可能な調節部材を備えており、前記コードの前記一方の端部が前記調節部材に結合されており、前記コードは前記調節部材から延出して前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレールの一方の端部の少なくとも近傍を通過して前記可動エンドレールへ延在しており、前記第1状態は、前記調節部材が前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレールの前記一方の端部の少なくとも近傍に位置して状態であり、前記第2状態は、前記調節部材が前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレールの前記一方の端部から離れて位置している状態であるようにすることが好ましい。
この構成によれば、前記サイドレールに沿って前記調節部材を摺動させるだけで、レールの向きを変えるために提供されている前記コードの余長分を吸収することができる。前記第2状態にあるときには、前記コードの長さが短縮されて、前記2本のサイドレール上の任意の位置に前記可動エンドレールを保持することができる適当な長さになっている。前記コードの一端にバネを装備することが好ましく、そうすれば、そのバネによって前記コードに適当な引張力を付与することができる。
前記装置は、前記調節部材を少なくとも前記第1状態に固定する手段を更に備えたものとすることが好ましい。
係止部材として、締結することにより前記調節部材を前記サイドレールに固定するネジ部材を備えるようにするのもよい。
前記装置は、前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレール上に配設されたストッパ部材を更に備えたものとし、このストッパ部材の配設位置は、前記調節部材を、前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレールの前記一方の端部から離隔した前記調節機構が前記第2状態になる位置に停止させる位置とすることが好ましい。
前記コードに引張力を付与するバネを装備している場合には、前記コードに適正な大きさの引張力を付与するための可能最適位置に前記調節部材を確実に位置付けることが困難になりかねない。前記ストッパ部材を装備することによって、ユーザは容易に、前記調節部材を前記第2状態が得られる適正な位置に確実に位置付けることができる。
既述の如く、前記装置は、第2のコードと、この第2のコードの一方の端部を前記2本のサイドレールのうちの他方のサイドレールに調節可能に固定する第2の調節機構とを更に備えたものとすることができる。この第2の調節機構は、上で悦瞑した調節機構と同様の構成とすることができる。
第2の可動エンドレールを装備している場合には、上で説明したものと同様にして、第3及び/または第4のコードを、第3及び/または第4の調節機構と共に装備するようにするのもよい。
前記装置は、前記可動エンドレールから引出して延展させることのできる可撓性を有する覆い材を更に備えたものとするのもよい。
前記覆い材は、可撓性を有するシート、ベネシャンブラインド、またはプリーツシェードとするのもよい。
前記可動エンドレールの中に、前記覆い材を引込むための引込機構が収容されているようにするのもよい。
前記可動エンドレールは、可撓性材料から成る前記シートを巻取るためのローラを備えたものとし、このローラは、付勢バネにより付勢されているものとすることが好ましい。
前記付勢バネはその一端がシャフトの非円形部分に摺動可能且つ相対回転可能に連結されているようにすることが好ましい。
この構成によれば、前記付勢バネは、この付勢バネの巻増し方向と巻戻し方向とのいずれに変形するときにも、その軸心方向長さが変化するが直径は変化しない。
前記シートの第1縁部は、前記ローラに結合しているようにするとよい。
前記シートの前記第1縁部と反対側の第2縁部は、第2の可動エンドレールに、または前記2本のサイドレールの互いに対応する夫々の端部に結合された固定エンドレールに結合しているようにするとよい。
前記シートの前記第1縁部とは反対側の第2縁部は、前記固定エンドレールまたは前記第2の可動エンドレールの中に装備されている更に別のローラに結合しているようにするとよい。
前記2本のサイドレールが夫々に案内溝部を備えているようにするのもよく、また、前記可動エンドレールが、その長手方向に不変の断面形状を有し、その長手方向の両端部に端部部材を備えているようにするのもよい。
本発明によれば更に、建築物の開口部を覆うための覆い装置が提供され、この覆い装置は、窓ガラスの両側縁に互いに平行に装着される2本のサイドレールと、それら2本のサイドレールの一方から他方へ、それらサイドレールに対して垂直に延在してそれらサイドレールに取付けられた可動エンドレールとを備え、前記2本のサイドレールは夫々に、窓ガラスに装着するための装着面を有している。更に、2つの層材から成る2層型の装着材を備え、それら2つの層材のうちの一方の層材が2本のサイドレールの夫々に貼着され、他方の層材が窓ガラスに貼着される。それら2つの層材は互いに着脱自在である。
前記2層型の装着材は、例えばベルクロ(商標)などのフック・アンド・ループ・ファスナとすることが好ましい。
この構成によれば、先ず、前記2つの層材のうちの一方の層材を、窓ガラスの側縁部の所要位置貼着し、この貼着は容易に行うことができる。続いて、前記2本のサイドレールを、窓ガラスに貼着したファスナの層材に対向させて適切に位置付け、そして、2つの層材を互いに押付ければ、それによって覆い装置を装着することができ、これも容易に行うことができる。もし装着位置を更に調節する必要があれば、或いは、覆い装置の手入れが必要な場合には、必要に応じてこの覆い装置を窓ガラスから取外して再装着すればよく、取外すには前記2本のサイドレールを引っ張るだけでよく、これも容易に行うことができる。
ファスナの層材は、前記サイドレールを取付ける窓ガラスの面に対して平行な前記サイドレールの表面に貼着され、そのため、前記サイドレールは窓ガラスに直接取付けられる。
覆い装置を窓に装着するためのこの装着方法は、窓枠を傷付ける必要が全くないということが大きな利点となっている。また、この装着方法は、窓が二重ガラス構造である場合に特に大きな利点を提供するものであり、なぜならば、二重ガラス構造の窓は、二重ガラスとするために窓枠構造体の重要度が増大しているからである。従来の覆い装置のうちには、窓ガラスと窓枠との間に取付部材を介装するようにしたものがあるが、そのようにした場合には、窓の密閉性及び構造健全性を損なうおそれがある。
ガラスはその本来の特性のために、フック・アンド・ループ・ファスナのテープに使用されている接着剤が付着しても、それによって材質が劣化することはない。これによっても、覆い装置を窓枠にではなく窓ガラスに直接的に取付け得るということが大きな利点となっている。
前記2本のサイドレールの互いに対応する夫々の端部の間を延在する固定エンドレールを備えている場合には、フック・アンド・ループ・ファスナなどの一対の装着用のテープを同様に使用して、その固定エンドレールを窓ガラスに取付けるようにすればよい。
前記2本のサイドレールを(場合によっては更に1本のエンドレールも)窓枠にではなく窓ガラスに直接的に取付けることは、幾分、当業者の直感に反するところがあり、なぜならば、それによって(サイドレール及びエンドレールの寸法分だけ)窓の開口面積が減少するからである。
以上に述べたようなフック・アンド・ループ・ファスナなどの装着手段を用いることによって、エンドレール及びサイドレールの幅を格段に細くすることができる。その結果、本発明によれば、極めて有用な覆い装置を提供することが可能となっている。
覆い材を巻取るためのローラは、2本のエンドレールのうちの一方のエンドレールだけに装備するようにしてもよい。ただし、そのようなローラを覆い材の両端縁の各々に備えるようにすれば、それによってエンドレールを更に小型化することができる。これらのいずれの構成とする場合にも、一方のエンドレールを前記2本のサイドレールの互いに対応する夫々の端部に固定した固定エンドレールとし、他方のエンドレールを前記2本のサイドレール上を移動可能な可動エンドレールとすることも可能であり、或いはまた、それら2本のエンドレールの両方を、前記2本のサイドレール上を移動可能な可動エンドレールとしてもよい。後者のようにした場合には、建築物の開口部のどこに前記覆い材を位置付けるかということに関して、大きな融通性が得られる。
3本以上のエンドレールを備え、それらのうちの互いに隣り合う2本ずつのエンドレールの間に夫々に覆い材を展張するようにし、必要に応じてそれらエンドレールに、覆い材を巻取るためのローラを装備するようにすることもできる。この構成によれば、個々のエンドレールを細くしたために、巻取って収容することのできる覆い材の長さが短いような場合であっても、そのようなエンドレールを何本も用いることで、大きな寸法の建築物の開口部を覆うことが可能となる。
本発明は、例えば工場生産のシステムウィンドウなどのような、ある種の既製窓に用いるのに特に有用なものである。既製窓にはしばしば、PCV材料製の窓枠部材が用いられている。窓枠部材がPCV材料製である場合には、窓覆い装置を装着する上での条件が厳しいものとなり、それは以下の2つの事情による。
(i)窓覆い装置を装着する際に、その窓の構造健全性を損なうおそれがあり、その場合に、製品保証が受けられなくなるおそれがある。
(ii)特に窓枠部材に使用されているPVC材料は、大重量の構造物を装着し得るだけの十分な構造健全性を備えていないことがある。
本発明が提供する覆い装置は、窓ガラスに取付けることが可能な、軽量の装置とすることが可能である。
添付図面に即した以下の説明を参照することによって、本発明をより明瞭に理解することができる。尚、以下の説明はあくまでも、具体例を提示することを目的としたものである。
本発明の1つの実施の形態では、覆い材を、固定エンドレールを介して建築物の開口部の1つの辺縁部に固定するようにしたものがある。これを示したのが図1である。
覆い材2は、建築物の開口部を覆うためのものである。第1サイドレール4及び第2サイドレール6は、建築物の開口部の両側の辺縁部の夫々に互いに平行に装着されるものである。図示した実施の形態は、固定エンドレール8を備えており、この固定エンドレール8は、2本のサイドレール4、6の互いに対応する夫々の端部4aと6aとの間をそれらサイドレール4、6に対して略々垂直に延在するようにして取付けられるものである。
覆い材2の第1縁部である上縁部2aは、固定エンドレール8に結合されており、覆い材2のこの上縁部2aと反対側の下縁部2bは、2本のサイドレール4、6の延在方向に平行に移動させることによって、建築物の開口部を横切って(図1において下方へ)引き降ろすことができる。
覆い材2の他方の縁部2bには、可動エンドレール10が取付けられており、この可動エンドレール10を操作することによって、建築物の開口部を横切って覆い材2を引き降ろすことができる。
図示の如く、可動エンドレール10はローラ12を備えている。ローラ12はハウジング14の内部に収容されて、このハウジング14に回転可能に取付けられており、このローラ12に覆い材2の下縁部2bが結合されている。この構成によれば、可動エンドレール10を他方のエンドレール(図示例では固定エンドレール8)へ近付けるように移動させることによって、ローラ12がその軸心を中心として回転し、それによって覆い材2がハウジング14の中へ巻取られる。また、バネ付勢機構16(これについては後に詳述する)を備えており、これは、覆い材2を可動エンドレール10の中へ、即ちそのハウジング14の中へ巻取る回転方向に、ローラ12をバネ付勢するものである。
図1には示されていないが、可動エンドレール10の中に、2本の引張コード22及び24が通されており、それら引張コード22、24は、覆い材2を展張させまたは引込ませるための可動エンドレール10の操作が行われていないときに、この可動エンドレール10を所望の任意の位置に保持するためのものである。第1引張コードである左側の引張コード22は、左側サイドレール4の上端部4aに装備された上端キャップ部材30aに圧縮バネ34を介して結合されており、そこから下行して可動エンドレールへ至り、そのハウジング左端14aからハウジング14の中へ入り、ハウジング右端14bへ抜け、そこから下行して、右側サイドレール6の下端部6bに装備された下端キャップ部材32bに達している。また、第2引張コードである右側の引張コード24は、右側サイドレール6の上端部6aに装備された上端キャップ部材30aに圧縮バネ36を介して結合されており、そこから下行して可動エンドレールへ至り、そのハウジング右端14bからハウジング14の中へ入り、ハウジング左端14aへ抜け、そこから下行して、左側サイドレール4の下端部4bに装備された左側下端キャップ部材30bに達している。
図1には更に、この図1に示した実施の形態の様々な構成部品の取付け及び装着のためのその他の様々な部品も示されている。ただし、この実施の形態も、またその他の実施の形態も、その装着のための構造は図1に示したものに限られず、様々なその他の装着構造を利用することができる。
本発明の様々な実施の形態のうちには、覆い材の長さ寸法(即ち、サイドレール4、6の長手方向における覆い材の寸法)を、建築物の開口部の略々半分を覆う程度の長さ、即ち、サイドレール4、6の長さ寸法の約半分にようやく達する程度の長さとしたものがある。そのような構成とする場合には、上で説明した覆い材2及び可動エンドレール10と同様の、もう1つの覆い材及びもう1つの可動エンドレールを装備して、それを例えば、2本のサイドレール4、6の夫々の第2端である下端4b、6bから上方へ立ち上げるように構成すればよい。無論、例えば長さ寸法のより大きな覆い材2を備えるなどの、その他の構成とすることも可能であるが、ただし、覆い材の長さ寸法を、建築物の開口部の全体を覆うことのできる十分な長さにしたものは、好適な構成であるといえる。
図2に示した本発明の第2の実施の形態は、図1の第1の実施の形態と類似した構成を有するものであり、それゆえ同一の構成要素ないし対応する構成要素は、対応する参照番号(図1で使用した参照番号に100を加えた参照番号)を用いて示すことにする。図2の第2の実施の形態は、第1の実施の形態の固定エンドレール8に替えて、2本目の可動エンドレールを使用するようにしたものである。そのため、覆い材102の第1縁部である上縁部102aは第2可動エンドレール120の第2ローラ(上側ローラ)118に結合されており、覆い材102の第1縁部と反対側の第2縁部102bは第1可動エンドレール110の第1ローラ112に結合されている。
この構成によれば、覆い材102の第1部分を可動エンドレール110の中へ引き込む(巻取る)ことができ、覆い材102のその他の部分を他方の可動エンドレール120の中へ引き込む(巻取る)ことができる。ただし、2本のサイドレール4、6の一端に固定エンドレールを備え、その固定エンドレールの中に巻取用のローラを装備した構成とすることでも同じ利点が得られることはいうまでもない。
このように2本の可動エンドレール110、120を備えることによって得られる利点は、部分展開状態にした覆い材102を、サイドレール104、106の長手方向におけるユーザが望む位置に位置付けることができることにある。尚、2本の可動エンドレールのうちの1本を、巻取用のローラを装備していない可動エンドレールとし、その可動エンドレールに覆い材102の一方の縁部を結合した構成としても、同じ利点が得られることはいうまでもない。
尚、例えばプリーツシェードやベネシャンブラインドなどの、その他の型式の覆い材を用いる場合にも、以上と同様の構成とすることができる。
図3aに、図2の実施の形態における案内コード機構を示した。ただし同図には、下側の可動エンドレール110の案内コードだけを示した。尚、図示した案内コード機構は、例えばローラを装備していない可動エンドレールを用いた実施の形態などの、その他の実施の形態にも採用し得るものである。
図示の如く、第1コード122は、左側サイドレール104の第1端104aから延出しており、可動エンドレール110を通って反対側へ渡り、他方のサイドレールである右側サイドレール106の第2端106bへ達している。また、この好適な実施の形態においては、同様にして、第2コード124は、右側サイドレール106の第1端である上端106aから延出しており、可動エンドレール110を渡って反対側へ渡り、第1サイドレールである左側サイドレール104の第2端である下端104bに達している。
図1と図2に示した夫々の実施の形態では、ハウジング14、114、126を備えた可動エンドレール10、110、120は、それらのハウジング左端14a、114a、126aが左側サイドレール4、104に隣接しており、また、それらのハウジング右端14b、114b、126bが右側サイドレール6、106に隣接している。ハウジング左端及びハウジング右端には、引張コード(案内コード)22、122、24、124を挿通することのできる案内部を設けることが好ましく、図示例ではその案内部を、貫通開口28a、38b、128a、128b、129a、129bとしている。また、図示例では、2本の引張コード122及び124を同じ貫通開口に挿通しており、即ち、それら引張コードを共に、ハウジング左端114aの貫通開口128aと、ハウジング右端114bの貫通開口128bとに挿通している。ただし、それら2本の引張コード122及び124の各々を挿通する貫通開口を、個別に設けるようにしてもよいことはいうまでもない。引張コード122、124は、貫通開口128a、128bに挿通されることによって、可動エンドレール110のハウジング114の中を、この可動エンドレール110の長手方向に通過できるようになっている。
この構成によれば、可動エンドレールを、高い安定性をもって確実に所望の位置に保持することができる。
引張コード122、124はそれらの一端が夫々に小型のコイルバネ134及び136を介して左右のサイドレール104、106の上端キャップ部材130a、132aに結合されている。即ち、それら引張コードの各々は、一端がそのコイルバネに結合され、そのコイルバネの中を通って上端キャップ部材へ導かれ、この上端キャップ部材で折り返されてそのコイルバネと平行に下行し、そこから先は上で説明した配設経路に沿って配設されている。コイルバネ134、136は、引張コード122、124に引張力を付与するためのものであり、この引張力によって、可動エンドレール110の運動に抵抗する適切な大きさの摩擦抵抗を発生させており、更にそれによって、上で述べたように可動エンドレールを高い安定性をもって確実に所望の位置に保持できるようにしている。また、コイルバネ134、136が圧縮されることによって、この装置の状態を、可動エンドレール110、120が左右のサイドレール104、106の延在方向に対して垂直に延在する使用時の状態から、全てのレール(即ち、2本の可動エンドレール及び案内レールである左右のサイドレール)が互いに平行に延在する状態へと変化させることができるようにしてある。このことは梱包及び輸送に関して極めて有用である。これと同様に、第1の実施の形態でも、梱包及び輸送に好都合なように、固定エンドレール、可動エンドレール、及び左右のサイドレールの全てが互いに平行に延在する状態へと変化させることができるようにしてある。
第2の実施の形態における2本の可動エンドレールには、その各々に、可動エンドレールを高い安定性をもって確実に所望の位置に保持するための引張コード機構が個別に装備されている。図3aに示した上側の可動エンドレール120は、そのハウジング126の左右のハウジング端部126a、126bに、この可動エンドレール120に対応した一対の引張コード138、140(図3aでは不図示)が共に挿通されている。それら引張コード138、140の配設経路のパターンは、下側の可動エンドレール110に対応した第1組の一対の引張コード122、124の配設経路のパターンの上下を逆にしたものである。即ち、第3及び第4の引張コードである引張コード138、140は、それらの一端が夫々に小型のコイルバネ142及び144を介して左右のサイドレール104、106の下端キャップ部材130b、132bに結合されている。それら引張コードの各々は、一端がそのコイルバネに結合され、そのコイルバネの中を通って下端キャップ部材へ導かれ、この下端キャップ部材で折り返されてそのコイルバネと平行に上行し、そこから更に、先に説明したものとは上下が逆のパターンの配設経路に沿って配設されている。即ち、第3コード138は、左側サイドレール104に沿って上行し、上側の可動エンドレール120のハウジング126の中へ、そのハウジング左端126aから入り、この可動エンドレール120を渡ってハウジング右端126bへ抜け、そこから上行して右側サイドレール106に装備された右側上端キャップ部材132aに達している。また、第4コード140は、右側サイドレール106に沿って上行し、上側の可動エンドレール120のハウジング126の中へ、そのハウジング右端126bから入り、この可動エンドレール120を渡ってハウジング左端126aへ抜け、そこから上行して左側サイドレール104に装備された左側上端キャップ部材130aに達している。コイルバネ140、142は、第3及び第4コード138、140に引張力を付与するためのものであり、この引張力によって、可動エンドレール120の運動に抵抗する適切な大きさの摩擦抵抗を発生させており、更にそれによって、上で述べたように可動エンドレールを高い安定性をもって確実に所望の位置に保持できるようにしている。
本発明の第1及び第2の実施の形態では、サイドレール4、6、104、106をひねることによって、それらサイドレールを、全ての可動エンドレール及び/または固定エンドレール8、10、110、120と平行に延在させることができるようにしている。これを可能にするためには、コイルバネ34、36、134、136、142、144の長さの変化だけに頼るのではなく、引張コード22、242、122、124、138、140の長さそのものに余長分を付与しておき、その余長分と、コイルバネ34、36、134、136、142、144の長さの変化との両方を利用するようにしておくことが望ましい。
かかる事情から、引張コードには余長分を付与してあり、このことを最もよく示しているのが、図3a〜図3cの引張コード122、124である。引張コード122は、左側サイドレール104に装備された左側上端キャップ部材130aに設けられている引張用のバネ134に結合されており、このバネの中を通り、左側上端キャップ部材130aで折り返され(即ち、このキャップ部材130aに形成された導溝に挿通されている)、そこから下行してハウジング左端114aへ至り、ここで方向を変えて貫通開口128aへ入り、ハウジング右端114bへ渡り、このハウジング右端114bの貫通開口128bで再び方向を変えて下行し、右側下端キャップ部材132bへ至り、この右側下端キャップ部材132bで折り返され(即ち、このキャップ部材132bに形成された導溝に挿通されている)、そこから上行して右側下部調節ブロック146へ至り、この右側下部調節ブロック146に結合されている。この右側下部調節ブロックから離れた上方にストッパブロック148が装備されている。
図3bは、覆い装置の装着作業を行う前の状態において、第1組の2本の引張コードのうちの他方の引張コードである第2引張コード124に、どのように余長分が付与されているかを示した図である。引張コード124は、右側サイドレール106に装備された右側上端キャップ部材132aに設けられている引張用のバネ136に結合されており、このバネ136の中を通り、右側上端キャップ部材132aで折り返され(即ち、このキャップ部材132aに形成された導溝に挿通されている)、そこから下行してハウジング右端114bへ至り、ここで方向を変えて貫通開口128bへ入り、ハウジング左端114aへ渡り、このハウジング左端114aの貫通開口128aで再び方向を変えて下行し、左側下端キャップ部材130bへ至り、この左側下端キャップ部材130bで折り返され(即ち、このキャップ部材130bに形成された導溝に挿通されている)、そこから上行して左側下部調節ブロック150へ至り、この左側下部調節ブロック150に結合されている。この左側下部調節ブロック150から離れた上方に左側ストッパブロック152が配設されている。引張コード124の端部が結合されている調節ブロック150は、左側サイドレール104に沿って摺動可能であり、図示した如く、左側サイドレール104の下端部104bのキャップ部材130bの近傍に位置し、また特に、このキャップ部材130bの折り返し部分(不図示)の近傍に位置している。装着作業を行う時には、図3cに示したように、左側下部調節ブロック150を、左側サイドレール104に沿って、この左側サイドレール104nの下端部104b及び下端キャップ部材130bから離れる方向に摺動させる。これによって、引張コード122が下部キャップ部材130bから調節ブロック150の方へ引き寄せられ、予め付与されていた余長分が吸収される。図示例では、調節ブロック150にネジ部材154aが装備されており、このネジ部材154aを例えばレンチDなどで締結することにより、調節ブロック150を固定できるようにしてある。更に、ストッパブロック152を配設するサイドレール104上の配設位置は、ユーザが調節ブロック150をこのストッパブロック152に当接させることによって、引張コード124の引張力が適切な「供用時引張力」になるような位置としておくのがよい。
同一のサイドレール4、6、104、106上に3本以上の可動エンドレールを装備した構成とする場合にも、以上に説明したものと同様の引張コード機構を採用することができる。
説明を再び図1及び図2に戻して、それらの図に示したように左右のサイドレール4、6、104、106は夫々に細長い溝部を画成するように形成されており、それら溝部はこの覆い装置の幅方向に、即ち、建築物の開口部の幅方向に離隔し、互いに向かい合っている。好適な実施の形態では、溝部を画成している材壁部のうち、建築物の開口部の方を向いている材壁部の幅を、建築物の開口部と反対側を向いている材壁部の幅よりも大きくしてある。これによって可動エンドレールの取付作業が容易化されており、なぜならば、互いに対向しているそれら材壁部の間に可動エンドレールを挿入する際に、建築物の開口部とは反対側からその可動エンドレールを挿入して、その可動エンドレールの両端が建築物の開口部に近い側の材壁部に当接するまで挿入すればよいからである。
左右のハウジング端部14a、14b、114a、114b、126a、126bの形状は、左右のサイドレール4、6、104、106の形状と協働する形状としており、それによって、可動エンドレール10、110、120の案内が好適に行われるようにしている。より具体的には、左右のハウジング端部14a、14b、114a、114b、126a、126bの各々は、その少なくとも一部分が、左右のサイドレール4、6、104、106の溝部の中に突出するようにしてある。
図示例では、そのような突出部が一対の軸部56、156により形成されており、それら軸部には、リング部材58、158が回転可能に装着されている。リング部材58、158は転輪として機能するものであり、これによってベアリングが構成されている。リング部材58、158は、左右のサイドレール4、6、104、106の溝部に嵌合している。より詳しくは、リング部材58、158は、可動エンドレールの長手方向に平行な回転軸心を中心として回転可能に装着されている。個々のリング部材の外径寸法は、サイドレール4、6、104、106の溝部を画成して互いに対向している2つの材壁部の間隔に略々等しく、また、一対のリング部材58、158は、サイドレール104、106の長手方向に、即ちその溝部の長手方向に並設されている。以上の構成により、可動エンドレール10、110、120が、サイドレール4、6、104、106に沿って移動可能な状態で、サイドレール4、6、104、106上にしっかりと確実に支持されている。
図4aは、組立てられた状態にある可動エンドレールを示した図であり、図4bは、その可動エンドレールの構成部品を分解図で示した図である。
図示の如く、左右のハウジング端部14a、14bには、その各々に化粧キャップ60が装着されており、これによって、ハウジング14を閉塞すると共にその外観を整えている。
これより図5、図6、及び図7を参照して、バネ付勢構成16について更に詳細に説明する。
ローラ12と同心的にコイルバネ62が装備されており、組立てられた状態にあるときには、このコイルバネ62はローラ12の中に収容されている。コイルバネ62の第1端64は、駆動側バネ端部装着部材66の外周に、それを締付けるようにして嵌合されることにより固定結合されている。駆動側バネ端部装着部材66は略々円筒形の部材であり、コイルバネ62がその周囲に嵌合されて固定結合される小径部と、ローラ12の端部を閉塞する端部キャップ部材としての機能する大径部とを有している。図示の如く、ローラ12は、その端部の周縁の一部に切欠部68を備えている。コイルバネ62と駆動側バネ端部装着部材66とをローラ12の中に挿入したならば、この切欠部68に駆動側バネ端部装着部材66の外周に設けた突起が係合することによって両者が相対回転不能になる。
コイルバネ62の他端70は、摺動側バネ端部装着部材72に固定結合されている。この摺動側バネ端部装着部材72は、駆動側バネ端部装着部材と同じく略々円筒形の部材であり、その外周に、コイルバネ62の他端70が、それを締付けるようにして嵌合されることにより固定結合されている。
ハウジング端部14bには、その中心位置に、スロット形の貫通孔74が形成されており、このハウジング端部14bの中心位置は、ローラ12の回転軸心と同心関係にある。
スロット形の貫通孔74の中に細長部材76が嵌装されており、この細長部材76は、駆動側バネ端部装着部材66及び摺動側バネ端部装着部材72を貫通して、ローラ12の回転軸心上を延在している。図示例では、この細長部材76を、スロット形の貫通孔74の断面形状に対応した長方形の断面形状を有する細長いバー部材として形成している。
図7の断面図に最もよく示されているように、摺動側バネ端部装着部材72はスロット形の貫通孔78を備えており、この貫通孔78の断面形状及びその寸法は、細長部材76の断面形状及びその寸法と略々等しい。これによって、摺動側バネ端部装着部材72が、細長部材76の長手方向に摺動可能となっている。ただし、貫通孔78と細長部材76とでは、それらの断面形状及びその寸法が対応していることから、摺動側バネ端部装着部材72は細長部材76に対して相対回転不能となっている。
尚、スロット形の貫通孔74の断面形状、スロット形の貫通孔78の断面形状、及び細長部材78の断面形状は、スロット形以外のその他の様々な形状とすることができる。要するに、摺動側バネ端部装着部材72が、ハウジング端部14bに対して相対回転することなく固定した回転角度位置を保ちつつ、軸心方向に摺動可能であればそれでよい。
以下に、図1の装置の動作について説明する。可動エンドレールを操作してハウジング14から覆い材を引出す方向にこの可動エンドレールを移動させると、その可動エンドレールの移動に応じてローラ12が回転する。ハウジング14に対して相対的にローラ12が回転することによって、駆動側バネ端部装着部材66が回転し、更にそれによって、コイルバネ62の一端64が回転する。コイルバネ62の巻方向は、覆い材2が引出される際にこのコイルバネ62が巻戻し方向に回転変形させられるような巻方向としてある。コイルバネ62の他端70が結合されている摺動側バネ端部装着部材72は軸心方向に摺動可能であるため、コイルバネ62が巻戻し方向に回転変形させられるのにつれて、このコイルバネ62の他端70及び摺動側バネ端部装着部材72は、細長部材76に沿ってハウジング端部14bから離れる方向へ移動する。コイルバネ62は、巻戻し方向に回転変形させられても拡径はせず、そのため、コイルバネ62の周囲を囲繞するローラ12を小径とすることが可能となっている。またその結果として、可動エンドレール10の全体としての寸法を小さく抑えることが可能となっている。
尚、覆い装置における覆い材の引き込み用(巻取用)のバネを、その軸心方向即ち長さ方向の寸法の増大を許容することで拡径しないようにするための構成としては、以上に説明した構成に限られず、その他にも採用可能な様々な構成が存在する。
また、いうまでもないことであるが、ハウジングに覆い材2を引き込ませる方向に可動エンドレールを移動させたならば、コイルバネ62が、巻戻し方向に回転変形させられていた状態から復帰することによってローラ12を回転させ、それによって覆い材2の巻取りが行われる。
一般的に、覆い材2が完全に巻取られた状態にあるときにも、コイルバネ62には幾らかの弾発力が残存しているようにすることが望ましい。この点に関して、図示例ではその調節が容易であり、その調節を行うには、覆い材2が完全に巻取られた状態で、スロット形の貫通孔74に対して細長部材76を相対的に回転させればよい。
以上に説明した様々な特徴は、建築物の開口部を覆うための覆い装置の構成部品を格段に小型化することを可能にするものである。そして、そのことによって、覆い装置の装着箇所を窓ガラスの周囲の窓枠とするのではなく、窓ガラスそれ自体に覆い装置を装着しようとする場合に、極めて有利な覆い装置を構成することが可能になっている。
以上に説明した引張コード機構を採用することによって、サイドレールを甚だしく太くすることなく、そのサイドレールに可動エンドレールを良好に取付けることができる。これによって、窓の実際の開口面積の減少分を小さく抑えることが可能となっている。また同様に、以上に説明したローラ機構を採用することによって、可動エンドレールであるか否かにかかわらず、そのエンドレールを細いものとすることができる。そして、これによっても、窓の実際の開口面積の減少分を小さく抑えることが可能となっている。
覆い装置を窓ガラスに取付ける方法としては、2層型の装着材、即ち2層型ファスナを用いることを提案するものである。2層型ファスナの具体例としては、一般的にベルクロ(商標)と呼ばれているフック・アンド・ループ・ファスナなどがある。
図1に示したように、2層型ファスナの2つの層材のうちの一方の層材を、サイドレール4、6の背面の少なくとも一部に貼着し、即ち、サイドレール4、6の外面を画成している材壁面のうち、窓ガラスに最も近く、窓ガラスに対向している材壁面にその層材を貼着する。また、2層型ファスナの2つの層材のうちの他方の層材を、その窓ガラスの表面のうち、少なくともサイドレール側の層材に対応する部分に貼着する。そして、覆い装置を装着するには、サイドレール4、6を窓ガラスに対して適切に位置合わせした上で、そこに押付けるだけで装着が完了する。
図1の実施の形態においては、その固定エンドレール8を窓ガラスに取付ける手段としても、このような2層型ファスナを使用することができる。
図8及び図9は、図2の実施の形態を窓ガラスに装着するところを示した図であり、これらの図において、窓ガラスの左右の両側縁には2層型ファスナの一方の層材が既に貼着されている。
図10は、本発明の第2の実施の形態のブラインド装置を、梱包用クランプ部材によって1つにまとめて保持している状態を示した図である。1個の梱包用クランプ部材でまとめることも可能であるが、図示したように2つの梱包用クランプ部材301、303を用いることが好ましく、このような梱包用クランプ部材によって、上下2本の可動エンドレール110、120と左右2本のサイドレール104、106とを1つにまとめて支持することができる。また、このようにすることは、輸送及び梱包に関して好都合であると共に、図8及び図9に示したように、また、後に図18〜図22を参照して更に詳細に説明するように、このブラインド装置を窓に装着する上でも好都合である。
図示例では、図11a及び図11bから更に明瞭に見て取れるように、梱包用クランプ部材301、303の各々が、左右2本ののサイドレール104、106を包持するための2つずつの包持部305、307を備えている。また更に、それら梱包用クランプ部材301、303の各々が、2本の可動エンドレール110、120を嵌着するための2つずつの嵌着部110、120を備えている。
そのため図10に示したように、2本のサイドレール104、106は、その各々が、並列に位置している1組ずつの包持部305、307によって支持されており、各1組の2つの包持部305、307の各々は、2つの梱包用クランプ部材301、303に夫々1つずつ形成されている。同様に、2本の可動エンドレール110、120は、その各々が、並列に位置している1組ずつの嵌着部309、311によって支持されており、各1組の2つの嵌着部309、311の各々は、2つの梱包用クランプ部材301、303に夫々1つずつ形成されている。
図示の如く、梱包用クランプ部材301の2つの嵌着部309、311は、この梱包用クランプ部材301の下部に並設されており、また、2つの包持部305、307は、この梱包用クランプ部材301の上部に並設されている。その結果として、2本のサイドレール104、106と、2本の可動エンドレール110、120とは、それらの全てが互いに平行に延在するように支持されている。
嵌着部309、311は、その内面形状を可動エンドレール110、120のハウジング114、126の外面形状に近い形状とし、それら可動エンドレール110、120にスナップ式に嵌着してそれら可動エンドレール110、120を把持できるようなものとすることが好ましい。一方、包持部305、307の形状は、サイドレール104、106の一部が単に嵌合するだけの形状としてもよく、或いは嵌着部と同様に、サイドレール104、106を把持するような形状としてもよい。
特に図11a及び図11bに示したように、可動エンドレール110、120及びサイドレール104、106を梱包用クランプ部材301、303で1つにまとめて支持した状態で、それら可動エンドレール及びサイドレールを管状梱包容器313の中に収納することが可能である。これによって、ブラインド装置の装着が行われる前の段階における形態を、即ち、輸送、在庫、及び販売の段階での形態を、取扱いの容易な、すっきりとした形態とすることが可能となっている。
図12に示したのは別構成例であり、この構成例は、断面形状が円形ではなく角形の管状梱包容器315が用いられる場合を示したものである。
図10及び図11aから明らかなように、下側の可動エンドレール110に引張力を作用させる第1及び第2の引張コード122及び124も、また、上側の可動エンドレール120に引張力を作用させる第3及び第4の引張コード138及び140も、いずれもブラインド装置に予め装備されて連結が完了しており、これによってブラインド装置は、すぐに装着作業に取りかかれる状態となっている。それらの図から明らかなように、引張コード122、124、138、及び140は、可動エンドレール110、120から外部へ延出しており、また、左右のサイドレール104、106からも外部へ延出している。このように梱包用クランプ部材によって1つにまとめられた状態にあるとき、左右のサイドレール104、106は、上下の可動エンドレール110、120と平行に延在している。ただし、左側サイドレール104と右側サイドレール106とでは向きを逆にしてあり、そのため、左側サイドレール104の上端キャップ部材130aと右側サイドレール106の下端キャップ部材132bとが隣接している。また同様に、左側サイドレール104の下端キャップ部材130bと右側サイドレール106の上端キャップ部材132aとが隣接している。尚、上端及び下端のキャップ部材を装備しない構成とした場合には、左側サイドレールの上端104aと右側サイドレール106の下端とが隣接することになる。左右のサイドレールをこのように逆向きにしているのは、引張コードを予め可動エンドレールに挿通してサイドレールに連結しておく上で好都合だからである。もしこれとは異なる向きに(即ち、左右のサイドレールの上端どうしが隣接するような向きに)したければ、引張コードを更に長くしておかなければならない。
以上の構成としたため、図10では第1及び第2の引張コード122及び124の全長のうち、下側の可動エンドレール110の貫通開口128aから外部へ延出している夫々の部分が見えており、それら部分は余裕のあるループ部分を形成している。既に述べたように、第1引張コード122は、上端キャップ部材130aに設けられたバネ134に結合されており、この上端キャップ部材130aから延出し、可動エンドレール110の中を通って貫通開口128bから延出し、そこから下行して右側サイドレール106の下端キャップ部材132bへ至り、そこで第1調節ブロック146に結合されている。図10の構成でも、この引張コードの経路は同一であるが、ただし図10では、引張コード122、124の夫々一部分しか見えていない。ここでは、ハウジング左端114aの貫通開口128aから、第1及び第2の引張コード122及び124の夫々一部分が延出している。それら延出している部分は図示の如くループ部分を形成しており、それらのうち、第1引張コード122のループ部分は左側サイドレール104の上端キャップ部材130aへ導かれており、一方、第2引張コード124のループ部分は左側サイドレールの下端キャップ部材130bへ導かれている。ただし、第2引張コード124のループ部分は、その殆どが見えておらず、なぜならば、その殆どが左側サイドレール104に覆われて、この左側サイドレール104の下側を通って反対側の端部のキャップ部材へ導かれているからである。
また、第3及び第4の引張コード138及び140については、それら引張コードの全長のうち、上側の可動エンドレール120のハウジング左端126aに形成された左側の貫通開口129aから外部へ延出している夫々の部分が見えている。また、第4引張コード140は第2引張コード124と同様に、左側サイドレール104に沿って延在しているが、その大部分が見えておらず、それは、第4引張コード140の大部分は、左側サイドレール104に覆われており、この左側サイドレール104の下側を通って下端キャップ部材130bへ導かれているからである。第2引張コード124と第4引張コード140とはいずれも、夫々の一端が左側サイドレール104の下端キャップ部材130bへ導かれており、そのため、それら2本の引張コードの夫々の一端は、梱包状態にあるときに左側サイドレール104の下側を通っている。
第3引張コード138のうちの見えている部分は、貫通開口129aから左側サイドレール104の上端キャップ部材130aへ至るループ部分を形成している。
第1及び第3の引張コード122及び138については、それら引張コードのまた別の部分が、右側サイドレール106の下端キャップ部材132bの近傍に見えている。それら部分は夫々、下側の可動エンドレール110の右側の貫通孔128bと、上側の可動エンドレール120の右側の貫通開口129bとから延出している。
第2及び第4の引張コード124及び140については、それら引張コードの全長のうち、右側のサイドレール106の上端キャップ部材132aへ至る部分が図10では見えていない(別の角度から見れば、それら部分も見える部分となる)。
図11aは、以上に説明した状態を、正面図で示した図である。同図からは、第1引張コード122の全長のうちの見えている部分が、下側の可動エンドレール110の貫通開口128aから延出して左側サイドレール104の上端キャップ部材130aへ達していることが分かり、また、第3引張コード138の全長のうちの見えている部分が、上側の可動エンドレール120の左側の貫通開口129aから延出して左側サイドレール104の上端キャップ部材130aへ達していることが分かる。更に、第1引張コード122及び第3引張コード138のそれら部分とは反対側に位置する夫々の部分が、右側サイドレール106の下端キャップ部材132bの近傍に見えている。
更に、これも図11aから明らかなように、第2引張コード124及び第4引張コード140は、夫々、左側の貫通開口128a及び左側の貫通開口129aから延出し、そして、それらは包持部305に包持されている左側サイドレール104の下側へ導かれている。
図11bは、図10に示した状態にあるブラインド装置を管状梱包容器から抜き出しているところを示した図である。図12も同様の図であるが、ただし管状梱包容器の断面形状が角形の場合を示した図である。図11b及び図12では、図を見易くするために、引張コード122、124、138、及び140を不図示としてあるが、実際にはそれら引張コードが貫通開口128a、129aから延出して、図10及び図11aに示したように延在している。
ユーザは、図10に示したように、梱包容器からブラインド装置を抜き出したならば、包持部305、307からサイドレール104、106を取外し、そして、図13に示したように、それらサイドレール104、106の延在方向をプラインド装置の装着時の延在方向に戻し、即ち、可動エンドレール110、120に対して垂直に延在するようにする。
既に述べたように、左右のサイドレールは、包持部に包持されているときには互いに逆向きとされており、即ち、一方のサイドレールの上端キャップ部材と他方のサイドレールの下端キャップ部材とが隣接するようにして包持されている。そのため、梱包用クランプ部材301及び303の包持部305から左側サイドレール104を取外したならば、その左側サイドレール104を回転させて、その下端キャップ部材130bを下方に向けるようにする。同様に、右側サイドレール106も回転させて、その下端キャップ部材132bを下方に向けるようにする。
以上のようにした結果を示したのが、図13である。
図13の状態にあるときには、左右のサイドレール104及び106が可動エンドレール110及び120に対して垂直方向に延在するように配置されている。また、同図の状態は、4本の引張コード122、124、138、及び140の余長分を吸収してそれら引張コードの張力状態を適切に調節する前の状態である。尚、同図においては、引張コードのループ部分を誇張するために、引張コードの長さを実際の長さより幾分長くして描いてある。
また、図13に示した引張コードの配設経路は、先に図3を参照して説明した好適な配設経路と同じものである。
先に説明した第1引張コード122の余長分を吸収するための第1調節ブロック146が、右側サイドレール106の下部の、右側下端キャップ部材132bの近傍に装備されており、また、第2引張コード124の余長分を吸収するための第2調節ブロック150が、左側サイドレール104の下部の、左側下端キャップ部材130bの近傍に装備されている。更に、第3引張コードの余長分を吸収するための第3調節ブロック180が、左側サイドレール104の上部に摺動可能に保持されて、左側上端キャップ部材130aの近傍に配設されており、また、第4引張コード140の余長分を吸収するための第4調節ブロック184が、右側サイドレール106の上部の、右側上端キャップ部材132aの近傍に配設されている。更に、これも先に説明した、第1調節ブロックと協働する第1ストッパブロック及び第2調節ブロックと協働する第2ストッパブロックと同様に、第3調節ブロックが装備されているサイドレールにはこの第3調節ブロックと協働する第3ストッパブロック182が配設され、第4調節ブロックが装備されているサイドレールにはこの第4調節ブロックと協働する第4ストッパブロック186が配設されている。
図14に示したように、左側サイドレール104の中には、第2引張コード124に対応した第2調節ブロック150及び第2ストッパブロック152と、第3引張コードに対応した第3調節ブロック180及び第3ストッパブロック182とが配設されている。
第1引張コード122の余長分を吸収するには、調節ブロック150を左側サイドレール104の長手方向に摺動させてストッパブロック152に当接するまで移動させ、その位置において、図3b及び図3cを参照して先に説明したように、ネジ部材を緊締して調節ブロック150を固定するようにする。
引張コード122、124、138、140に引張力を付与することを難しくしている要因の1つに、それら引張コードの両端のうち、調節ブロック146、150、180、及び184とは反対側の端部に装備されているバネ134、136、144、及び142から作用している引張力に抗しつつ、それら調節ブロック146、150、180、及び184をストッパブロック148、152、182、及び186の方へ引き寄せなければならないということがある。
更に、調節ブロック146、150、180、184がサイドレール104、106の溝部の中に配設されているため、それら調節ブロックの操作がし難いということも要因の1つとなっている。
調節ブロックを操作し易くするために、またより具体的には、スプリングから作用している引張力に抗しつつ調節ブロックをストッパブロックに当接するまで移動させ、そして調節ブロックの固定を完了するまでその位置に調節ブロックを維持しておくことを容易にするために、このブラインド装置における調節ブロックとストッパブロックとの各組合せに対して1本ずつの調節コードを装備するようにしている。
それら調節コードのうちの1本を、図14aに示した。図示した調節コード180は、第2引張コード124に引張力を付与するための、第2調節ブロック150と第2ストッパブロック152との組合せに対して装備された調節コードである。
調節コードとしては、何らかの形で調節ブロック150に固定結合されており、且つ、ユーザがそのコードを掴んで引っ張ることにより、調節ブロック150をストッパブロック152の方へ引き寄せることができるものでありさえすればよい。これらのうち後者の点に関しては、調節コード180の端部に、図中のループ部分180aのように、コードを輪にして結んだループ部分を備えるようにするとよい。そして、このループ部分を掴んでストッパブロックの方へ引き寄せることにより、調節ブロックをストッパブロックに当接するまで移動させるようにする。ただし、図示した好適な実施の形態では、この調節コード180を、ストッパブロック152の端面に対向した調節ブロック150の端面から延出させている。また、そうするために、ストッパブロック152に貫通孔を形成してあり、この貫通孔は、調節ブロック150に対向しているストッパブロック152の端面に一端が開口し、他端はサイドレールの溝部の開放側を向いている。この構成によれば、ユーザは、調節コード180のループ部180aを引っ張り、調節ブロック1540をストッパブロック152の方へ引き寄せることで、両者の互いに対向する端面どうしを完全に当接させることができる。このようにすれば、第2引張コード124の他端に装備されているバネ136による張力に抗して調節ブロック150を適正位置に保持しつつ、ネジ部材154をレンチDで緊締して調節ブロック150をその位置に固定することは、ユーザにとって比較的容易なことである。調節ブロック150をその位置に固定したならば、調節コード180を切断してこのブラインド装置から除去してかまわない。
図14aに示した好適構成例では、ストッパブロック152の貫通孔と同様の貫通孔を調節ブロック150にも形成してあり、この貫通孔は、ストッパブロック152に対向している調節ブロック150の端面に一端が開口し、他端はサイドレール104の溝部の開放側を向いており、この貫通孔に調節コード180が挿通されている。図示の如く、調節コード180は2つのループ部分180a及び180bを備えており、それらループ部分の各々を形成するためにコードを輪にして結んだ結び目180cは、調節ブロック及びストッパブロックの貫通孔を通り抜けることができない大きさである。そのため、ユーザが調節コード180のループ部分180aを引っ張ったならば、結び目180cが調節ブロック150に当接し、それによって調節ブロック150がストッパブロック152の方へ引き寄せられるようになっている。
図14bに、サイドレール4、6、104、106に装着する前の、調節ブロック、ストッパブロック、及び調節コード180を示した。個々のブラインド装置によって、調節ブロックとストッパブロックの組合せは異なることがあるが、それら調節ブロック及びストッパブロックに組合せる調節コードは同じ構成のものとすることが可能である。
ユーザは、全ての引張コードに引張力を付与してそれらの調節ブロックを適切な位置に固定したならば、続いて、可動エンドレール110、120のハウジング端部のリング部材58、158を、サイドレール104及び106の溝部に嵌合する。
ユーザが以上を行ったならば、ブラインド装置は図15に示した状態になる。
図13の状態及び図15の状態では、(図中で)右側の梱包用クランプ部材303は、図10に示した状態における位置から、平行な2本の可動エンドレール110、120上を移動させられて、右側サイドレール106に係合する位置へ移動している。この状態から更に、(図中で)左側の梱包用クランプ部材301も同様に移動させることによって、図16に示した状態にすることができる。
梱包用クランプ部材301、303は、それらを摺動させて最終位置まで移動させることにより、図16に示したように左右のサイドレール104、106に係合させることができ、これによってブラインド装置の全体を安定した状態にすることができる。
このことは、図15〜図17を参照すれば、更に明瞭に理解することができる。それらの図は、梱包用クランプ部材301を、可動エンドレール110、120に嵌着した状態のまま、サイドレール104に対しても、その断面形状に適合することで係合した状態となし得ることを示したものである。梱包用クランプ部材301はブラケット部317を備えており、このブラケット317は可動エンドレール110、120の長手方向に延出してサイドレール104に係合している。より詳しくは、このブラケット部317は、サイドレール104の上面即ち外面に適合する形状及び寸法に形成された上側部分319と、サイドレール104の溝部の内面に適合する形状及び寸法に形成された下側部分321とを備えている。また更に詳しくは、図示例では、下側部分321は第1部分321aを備えており、この第1部分321aは、サイドレール104の溝部の内側から、溝部を形成しているサイドレール104の外壁部の下面即ち内面に係合するようにしてある。上側部分319とこの第1部分321aとが協働して、サイドレール104の外壁部の当該係合部分に略々対応した空間を画成しており、それによって、それら部分319、321a当該係合部分にスナップ式に嵌合するようにしてあり、そしてこれによって、梱包用クランプ部材301がサイドレール104に係合するようにしてある。下側部分321は更に第2部分321bを備えており、この第2部分321bは、溝部を形成しているサイドレール104の内壁部の内面に係合するようにしてある。
以上の構成により、可動エンドレール110、120と左側サイドレール104とが、梱包用クランプ部材301によって互いにしっかりと組合わされた状態に維持されるようになっている。また同様に、可動エンドレール110、120と右側サイドレール106とは、他方の梱包用クランプ部材303によってしっかりと組合せた状態に維持されるようになっている。そのため、図16の状態にあるブラインド装置は安定性を有しており、その状態のまま持ち運んで装着することが可能となっている。
図17に示したのは、下端キャップ部材130bの側から見たサイドレール104の断面である。サイドレール104はベース壁部190を備えており、このベース壁部190の下面には、このベース壁部190を窓に取付けるための、例えば上で説明したベルクロ(商標)などのフック・アンド・ループ・ファスナのテープ198が貼着されている。サイドレール104それ自体は略々C字形の断面形状を有しており、引張用のバネ142を収容するための下側溝部192と、引張コード及び可動ローラのキャップ部材の一部分を収容するための上側溝部194とを備えている。更に外壁部196が加わることで溝部の全体が形成されている。
次に、図16に示した状態にあるブラインド装置の装着の仕方について説明する。
以上の実施の形態の説明においても述べたように、適当なフック・アンド・ループ・ファスナのテープないしパッチ198を窓に、また特に窓ガラスなどに、貼着するなどして取付けておく。そして、図18及び図19に示したように、この窓覆い装置(ブラインド装置)を窓に対して位置合わせして押付ける。こうしてブラインド装置を窓に装着したならば、2つの梱包用クランプ部材301、303)を、可動エンドレール110、120上で摺動させて互いに近付けるように内側へ移動させることで、左右のサイドレール104、106から脱係合させる。これによって、図20に示した状態になる。続いて梱包用クランプ部材301、303を引っ張って、図21に示したように可動エンドレール110、120から取外すことで、この窓覆い装置の装着が完了し、これ以後、図22に示したように、2本の可動エンドレール110、120を互いに離れるように移動させることによって窓を覆うことができる。
図からも明らかなように、2つの梱包用クランプ部材301と303とは完全に同一形状であり、この梱包用クランプ部材のブラケット部317は左右のサイドレール104、106のいずれにも係合させることができる(可動エンドレール110、120に嵌着するときの2つの梱包用クランプ部材の向きが互いに逆であることを考慮するならば、左右のサイドレール104、106も互いに完全に同一形状であるといえる)。
本発明の実施の形態のうち、図1に示したような実施の形態、即ち、覆い材2の一方の縁部を固定エンドレールに結合し、建築物の開口部を横切ってその覆い材2を引き降ろすための可動エンドレール10を備えた実施の形態でも、図23、図24a、及び図24bに示したような梱包用クランプ部材401、403を装着することによって、それを管状梱包容器415の中に梱包することができる。
図示した如く、一対の梱包用クランプ部材401、403が装着されており、それら梱包用クランプ部材401、403は、その各々が、2本のサイドレール4、6を夫々に包持するための2つずつの包持部405、407を備えている。ただし、上で説明した実施の形態と異なる点として、それら梱包用クランプ部材401、403は、各々が1つずつの嵌着部409しか備えておらず、これは、支持する必要のある可動エンドレール10が1本だけだからである。更に、上で説明した梱包用クランプ部材301、303とは異なるもう1つの点として、この実施の形態の梱包用クランプ部材401、403は、固定エンドレール8に嵌着してこの固定エンドレール8を支持する部分423を備えている。
図示した2つの梱包用クランプ部材401、403は、互いに完全に同一形状であり、そのため、各々が、内側と外側とへ夫々突出している一対のブラケット部417を備えており、使用時に内側へ突出して互いに対向することになる方のブラケット部417は、余剰なブラケット部417となる。
尚、梱包用クランプ部材として、2本の可動エンドレールを備えたブラインド装置と、1本の可動エンドレールと1本の固定エンドレールとを備えたブラインド装置との、両方に適用可能なものを設計することも可能である。そのように設計した梱包用クランプ部材は、適用するブラインド装置の種類に応じて、その梱包用クランプ部材のうちのある部分が不要となり、その部分は、その種類のブラインド装置に適用するときには余剰な部分となる。
先に述べたように、これらの図に示した、1本の可動エンドレール10と1本の固定エンドレール8とを備えた実施の形態のブラインド装置にも、一対の引張コード22、24が装備されている。ここで、説明の理解を容易にするために、先に説明したそれら引張コードの配設経路について再説しておく。第1引張コードである左側の引張コード22は、左側サイドレール4に装備された上端キャップ部材30aに圧縮バネ34を介して結合されており、そこから左側サイドレール4に沿って下行して可動エンドレール10へ至り、ハウジング左端14aの貫通開口28aからハウジング14の中へ入り、ハウジング14の中を通ってハウジング右端14bの貫通開口28bを抜け、そこから下行して右側サイドレール6の下端部6bに装備された右側下端キャップ部材32bに達し、そこで結合されている。即ち、好適な実施の形態においては、引張力を付与するための第1の調節ブロック46に結合されている。また、第2引張コードである右側の引張コード24は、右側サイドレール6に装備された上端キャップ部材30aに圧縮バネ36を介して結合されており、そこから右側サイドレール6に沿って下行して可動エンドレール10へ至り、ハウジング右端14bの貫通開口28bからハウジング14の中へ入り、ハウジング左端14aの貫通開口28aを抜け、そこから下行して左側サイドレール4に装備された左側下端キャップ部材30bに達している。
図23、図24a、図24b、図25、及び図26から明らかなように、可動エンドレール10に引張力を作用させるための第1及び第2の引張コード22及び24は、本発明に従って、ブラインド装置に予め装備されて結合が完了しており、これによってブラインド装置は、すぐに装着作業に取りかかれる状態となっている。図から明らかなように、引張コード22、24は、可動エンドレール10から外部へ延出しており、また、左右のサイドレール4、6からも外部へ延出している。梱包用クランプ部材によって1つにまとめられた状態にあるとき(この状態は図23に最も明らかに示されている)、左右のサイドレール4、6は固定エンドレール8及び可動エンドレール10と平行に延在している。ただし、左側サイドレール4と右側サイドレール6とでは向きを逆にしてあるため、左側サイドレール4の上端キャップ部材30aと右側サイドレール6の下端キャップ部材32bとが隣接している。また同様に、左側サイドレール4の下端キャップ部材30bと右側サイドレール6の上端キャップ部材32aとが隣接している。端部キャップ部材を装備しない構成とした場合には、左側サイドレール4の上端4aと右側サイドレール6の下端6bとが隣接することになる。左右のサイドレールをこのように逆向きにしているのは、引張コードを予め可動エンドレールに挿通してサイドレールに結合しておく上で好都合だからである。もしこれと異なる向きに(即ち、左右のサイドレールの上端どうしが隣接するような向きに)したければ、引張コードを更に長くしておかなければならない。
図23では、第1及び第2の引張コード22及び24の全長のうち、可動エンドレール10の貫通開口28aから外部へ延出している部分が見えており、それら部分は余裕のあるループ部分を形成している。第1引張コード22のループ部分は左側サイドレール4の上端キャップ部材30aへ導かれており、一方、第2引張コード24のループ部分は左側サイドレール4の下端キャップ部材30bへ導かれている。ただし、第2引張コード24のループ部分は、その殆どが見えておらず、なぜならば、その殆どが左側サイドレール4に覆われて、この左側サイドレール4の下側を通って反対側の端部のキャップ部材へ導かれているからである。
ブラインド装置が梱包用クランプ部材で1つにまとめられた状態にあるとき、第2引張コード24が左側サイドレール4の下側に位置しているというこの特徴を最もよく示しているのは、図24aである。
管状梱包容器415からブラインド装置を抜き出したならば、図25に示したように、包持部405、407からサイドレール4、6を取外す。この図25からは、第1及び第2の引張コード22、24の配設経路も明瞭に見て取れる。
続いて、サイドレール4、6の向きを回転させて、梱包用クランプ部材によって一体化されている可動エンドレール10及び固定エンドレール8の両端近傍に、それらサイドレール4、6を配置する。
この実施の形態の装置は可動エンドレール10を1本しか備えていないため、必要とされる案内コード即ち引張コードは、引張コード22及び24の2本だけである。図26には、先に説明した図13の場合と同様にして、調節ブロック50をサイドレール(図示したのはサイドレール4である)の長手方向に摺動させてストッパブロック52に当接させることで、案内コード即ち引張コード24に張力を付与するところを示した。この図26の作業は、図13を参照して上で説明した作業に対応しており、それゆえ、図14a及び図14bを参照して説明したものと同様の調節コードが装備されている。
調節ブロックによって引張コードの張力を適切に調節したならば、互いに平行に延在している可動エンドレール10及び固定エンドレール8の長手方向に梱包用クランプ部材401、403を移動させて、それら梱包用クランプ部材のブラケット部417を左右のサイドレール4及び6に係合させる。これによって、図27に示したように、安定した状態のブラインド装置が得られ、この図27の状態は、上で説明した図16の状態に対応するものである。
図28は、以上のようにして安定した状態にしたブラインド装置を、例えば適当なフック・アンド・ループ・ファスナのテープないしパッチ198などを介して、図18を参照して上で説明したのと同様の方法で装着するところを示した図である。こうしてブラインド装置を窓に装着したならば、梱包用クランプ部材401、403を内側へ摺動させてサイドレール4、6から脱係合させる。続いて、梱包用クランプ部材401、403を引っ張って、固定エンドレール8及び可動エンドレール10から取外すことで、この窓覆い装置(ブラインド装置)は使用可能な状態になる。
既に述べたように、例えばプリーツシェードやベネシャンブラインドなどの、その他の型式の覆い材を用いたブラインド装置とすることも可能である。図29及び図30に示したのは、ベネシャンブラインドとして構成した、複数のスラットから成る覆い材202を備えたブラインド装置である。上で説明したブラインド装置と同様にして、サイドレール204、206及び可動エンドレール210、220が装備されており、また、これも上で説明したブラインド装置と同様に、下側の可動エンドレール210に引張力を作用させるための第1及び第2の案内コード(引張コード)222、224と、上側の可動エンドレール220に引張力を作用させるための第3及び第4の引張コード238、240とが装備されている。また、図10を参照して説明したものと同様に、梱包用クランプ部材を用いて、可動エンドレール210、220及びサイドレール204、206を1つにまとめて支持することが可能である。更に、そのようにまとめたものを、図11ないし図12に示した梱包容器と同様の、管状梱包容器に収容することも可能である。
いうまでもないことであるが、本発明は以上に説明した様々な実施の形態と同一の細部構造を有するものに限定されない。以上に説明した様々な実施の形態に対しては、特許請求の範囲に記載した範囲から逸脱することなく、また、その利点を損なうことなく、様々な改変を加えることができる。この点に関して、以上の説明において使用し、また、特許請求の範囲において使用した「右側」、「左側」、「前面」、「背面」、「鉛直」、「水平」、「長手方向」、「上側」、「下側」、「上端」、「下端」などの用語は、例えば可動エンドレール、固定エンドレール、引張コード、キャップ部材、それに調節ブロックなどの、本明細書に記載し図面に示した様々なブラインド装置の様々な構成要素の間の関係を表す単なる相対的用語である。
例えば、以上に説明した実施の形態では、可動エンドレール10、110、120、210、220に引張力を作用させるために、各1本の可動エンドレールに対して一対の引張コード22、24、122、124、222、224、138、140、238、240を装備し、また、各1本の引張コードに対して個別に引張用のバネを装備するようにしていたが、各1本の可動エンドレールに対して1本だけの引張コードを装備する構成とすることも可能である。1本の可動エンドレールに装備する引張コードの本数を1本とした構成は、それを2本とした構成と比べて安定性が低下するものの、引張コードを装備することが容易となる。また、ユーザが可動エンドレールを操作したときにその可動エンドレールが傾くおそれがあるという好ましからぬ影響が生じるが、これは、可動エンドレールの中央部にハンドルを取付けることによって緩和することができる。この位置にハンドルを取付ければ、ユーザはそのハンドルを使用するようになるため、可動エンドレールの中央部で操作されることによって、傾くおそれが緩和されるのである。そのような1本だけの引張コードも、ループ部分を備えたものとすることができる。その具体例として、そのようなループ部分を備えた単独の引張コード「SL」によって、図1に示した第1の実施の形態の可動エンドレールに引張力を作用させる場合について説明する。この構成例の引張コードSLは、左側サイドレール4の上端部4aまたは上端キャップ部材30aに取付けられ、そこから左側サイドレール4に沿って下行して可動エンドレール10のハウジング左端14aに至り、可動エンドレール10を通過して可動エンドレール10のハウジング右端14bへ抜け、そこから下行して右側サイドレール6の下端部6bへ(またはそこに装備された右側下端キャップ部材32bへ)至り、そこから左側サイドレール4の下端部4bへ(または左側下端キャップ部材30bへ)至り、そこから左側サイドレール4に沿って上行して可動エンドレール10のハウジング左端14aへ至り、可動エンドレール10を抜けてハウジング右端14bへ渡り、そこから右側サイドレール6に沿って上行して、右側サイドレール6の上端部6aへ、または右側上端キャップ部材32aへ達する。この場合、引張用のバネは、左側サイドレール4の上端部30aと、右側サイドレール6の上端部32aとのどちらに装備してもよく、また、引張コードSLの余長分を吸収する調節を行うためにサイドレールの中に摺動可能に設ける調節ブロックは、引張コードSLの他端に装備すればよい。1本の可動エンドレールに対して1本の引張コードで引張力を作用させる「単一コード構成」としては、この他にも様々な構成が可能である。
また別の具体例として、このブラインド装置を装着する際に、上で説明したようにベルクロ(商標)のテープを介して窓に直接装着という装着法だけではなく、その他の装着法を用いて装着することも可能である。例えばブラケットを介して窓枠に装着する方法としては、窓ガラスを嵌め込んだ窓枠と窓ガラスの縁部との間に挟み込む、いわゆるビードブラケットを用いるという方法がある。
図1には実際に、固定ヘッドレール8の近傍並びに左右のサイドレールの近傍に、そのようなブラケットを図示してあり、これによって、従来のブラインド装置の装着法も採用可能であることを示している。
本発明の第1の実施の形態を示した図である。 本発明の第2の実施の形態を示した図である。 本発明に用いるコード機構を示した図である。 本発明に用いるコード機構を示した図である。 本発明に用いるコード機構を示した図である。 可動エンドレールを示した図である。 可動エンドレールを示した図である。 図4a及び図4bの可動エンドレールのバネ付勢機構の詳細を示した図である。 図4a及び図4bの可動エンドレールのバネ付勢機構の詳細を示した図である。 図4a及び図4bの可動エンドレールのバネ付勢機構の詳細を示した図である。 図2の実施の形態を窓ガラスに装着するところを示した図である。 図2の実施の形態を窓ガラスに装着するところを示した図である。 図2の実施の形態の装置が梱包のために1つにまとめられた状態を示した図である。 図10の状態にある装置が管状梱包容器に収容されているところを示した図である。 図10の状態にある装置が管状梱包容器に収容されているところを示した図である。 図10の状態にある装置が別の管状梱包容器に収容されているところを示した図である。 図10の装置を供用時の組付状態とするところを示した図である。 調節コードの操作法を示した図である。 調節コードの操作法を示した図である。 梱包用クランプ部材を使用して図10の装置を組付状態に固定するところを示した図である。 梱包用クランプ部材を使用して図10の装置を組付状態に固定するところを示した図である。 サイドレールに係合した梱包用クランプ部材を示した図である。 図16の組付状態に固定された装置を窓に装着するところを示した図である。 窓に装着された装置から梱包用クランプ部材を取外すところを示した図である。 窓に装着された装置から梱包用クランプ部材を取外すところを示した図である。 窓に装着された装置から梱包用クランプ部材を取外すところを示した図である。 窓に装着された覆いの操作法を示した図である。 図1の実施の形態の装置に梱包用クランプ部材を装着した状態を示した図である。 図1の実施の形態の装置に梱包用クランプ部材を装着して梱包容器に収容した状態を示した図である。 図1の実施の形態の装置に梱包用クランプ部材を装着して梱包容器に収容した状態を示した図である。 図23の装置の構成部品を組立てて、窓覆いを窓に装着し、使用状態とするまでを示した一連の図のうちの1つである。 図23の装置の構成部品を組立てて、窓覆いを窓に装着し、使用状態とするまでを示した一連の図のうちの1つである。 図23の装置の構成部品を組立てて、窓覆いを窓に装着し、使用状態とするまでを示した一連の図のうちの1つである。 図23の装置の構成部品を組立てて、窓覆いを窓に装着し、使用状態とするまでを示した一連の図のうちの1つである。 窓覆いとしてベネシャンブラインドを備えた装置を示した図である。 図29の装置の分解図である。
2、102、202 覆い材
2a 覆い材の上縁部
2b 覆い材の下縁部
4、104、204 左側サイドレール
4a、104a 左側サイドレールの上端部
4b、104b 左側サイドレールの下端部
6、106、206 右側サイドレール
6a、106a 右側サイドレールの上端部
6b、106b 右側サイドレールの下端部
8 固定エンドレール
10、110、210 第1の(下側の)可動エンドレール
12、112 第1のローラ
14、114 ハウジング
14a、114a ハウジング左端
14b、114b ハウジング右端
16 バネ付勢機構
118 第2(上側)ローラ
120、220 第2(上側)可動エンドレール
22、122、222 第1引張コード
24、124、224 第2引張コード
126 第2ハウジング
126a 第2ハウジングのハウジング左端
126b 第2ハウジングのハウジング右端
28a、128a ハウジング左端の貫通開口
28b、128b ハウジング右端の貫通開口
129a 第2ハウジングの左側の貫通開口
129b 第2ハウジングの右側の貫通開口
30a、130a 左側サイドレールの上端キャップ部材
30b、130b 左側サイドレールの下端キャップ部材
32a、132a 右側サイドレールの上端キャップ部材
32b、132b 右側サイドレールの下端キャップ部材
34、134 第1引張コードのための第1圧縮バネ
36、136 第2引張コードのための第2圧縮バネ
138 第3引張コード
140 第4引張コード
142 第3引張コードのための第3バネ
144 第4引張コードのための第4バネ
146 第1引張コードのための第1調節ブロック
148 第1引張コードのための第1ストッパブロック
150 第2引張コードのための第2調節ブロック
152 第2引張コードのための第2ストッパブロック
154 第2調節ブロックのためのネジ部材
56、156 ハウジング端部に形成された軸部
58、158 ハウジング端部の軸部に装着されたリング部材
60 可動エンドレールのハウジングの化粧キャップ
62 バネ付勢機構のコイルバネ
64 コイルバネの第1端
66 駆動側バネ端部装着部材
68 ローラの切欠部
70 コイルバネの他端
72 摺動側バネ端部装着部材
74 ハウジング端部のスロット形の貫通孔
76 細長部材
180 第3調節ブロック
182 第3ストッパブロック
184 第4調節ブロック
186 第4ストッパブロック
188 調節コード
190 サイドレールのベース壁部
192 下側溝部
194 上側溝部
196 外壁部
198 フック・アンド・ループ・ファスナのテープ
301、401 梱包用クランプ部材
303、403 梱包用クランプ部材
305、405 梱包用クランプ部材の第1包持部
307、407 梱包用クランプ部材の第2包持部
309、409 梱包用クランプ部材の第1嵌着部
311 梱包用クランプ部材の第2嵌着部
313 管状梱包容器
315、415 角形管状梱包容器
317、417 梱包用クランプ部材のブラケット部
319 ブラケット部の上側部分
321 ブラケット部の下側部分
321a ブラケット部の下側部分の第1部分
321b ブラケット部の下側部分の第2部分

Claims (28)

  1. 建築物の開口部を覆うための覆い装置において、
    建築物の開口部の互いに対向する一対の辺縁部の夫々に互いに平行に装着される2本のサイドレールと、
    前記2本のサイドレールの間をそれらサイドレールに対して垂直に延在してそれらサイドレール上を移動可能な少なくとも1本の可動エンドレールとを備え、
    コード機構が装備されており、該コード機構は、前記2本のサイドレール及び前記可動エンドレールに沿って延在しており、前記可動エンドレールを前記2本のサイドレール上の前記可動エンドレールが位置付けられた任意の位置に保持するものであり、該コード機構は更に、前記可動エンドレールの両端を前記2本のサイドレールに対して保持することで、前記2本のサイドレール及び前記可動エンドレールが建築物の開口部の箇所に取付けられていないときにも、前記2本のサイドレールと前記可動エンドレールとが互いに保持されて単一の装置を成しているようにしており
    前記2本のサイドレール及び前記可動エンドレールが建築物の構造部に取付けられていないときに、前記2本のサイドレールに対する前記可動エンドレールの相対的な延在方向を変えて、前記2本のサイドレールと前記可動エンドレールとが互いに保持されて単一の装置を成している状態で、前記可動エンドレールを前記2本のサイドレールに対して実質的に平行にすることが可能であるようにした
    ことを特徴とする覆い装置。
  2. 更に少なくとも1つの梱包用クランプ部材を備え、該梱包用クランプ部材は、前記2本のサイドレール及び前記少なくとも1本の可動エンドレールを互いに近接させて互いに平行にした状態で、それらサイドレール及び1本の可動エンドレールを保持するものであることを特徴とする請求項記載の覆い装置。
  3. 2つの梱包用クランプ部材を備え、それら梱包用クランプ部材の各々は、前記少なくとも1本の可動エンドレールが前記2本のサイドレールの間をそれらサイドレールに対して垂直に延在しているときに、前記少なくとも1本の可動エンドレールに沿って摺動して前記2本のサイドレールの夫々と係合可能であり、その係合によって、前記少なくとも1本の可動エンドレールを前記2本のサイドレールの間に実質的に剛に連結するものであることを特徴とする請求項記載の覆い装置。
  4. 前記少なくとも1つの梱包用クランプ部材は、前記少なくとも1本の可動エンドレールの外周の一部分の周囲にスナップ式に嵌着するように形成されており、前記2本のサイドレールが建築物の開口部の互いに対向する一対の辺縁部に装着されている状態において、前記少なくとも1つの梱包用クランプ部材が、前記可動エンドレールから脱係合可能であることを特徴とする請求項又は記載の覆い装置。
  5. 前記2本のサイドレール及び前記可動エンドレールを、それらが互いに平行に延在している状態で収容することのできる管状梱包容器を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の覆い装置。
  6. 前記コード機構がコードを備えていることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の覆い装置。
  7. 前記コードの両端部が前記2本のサイドレールの夫々に沿って延在し、前記コードの中間部が前記可動エンドレールの中を延在していることを特徴とする請求項記載の覆い装置。
  8. 前記コードの一方の端部を前記2本のサイドレールのうちの一方のサイドレールに結合するバネを更に備え、それによって、前記コードを、前記バネの弾性によって上限が決まる長さ分だけ、前記2本のサイドレールから離れる方向へ引き寄せることができるようにしたことを特徴とする請求項又は記載の覆い装置。
  9. 前記コードの一方の端部を前記2本のサイドレールのうちの一方のサイドレールに調節可能に固定する調節機構を更に備え、該調節機構は、前記可動エンドレールと前記2本のサイドレールとの間に前記コードの余長分を提供する第1状態と、前記余長分を吸収する第2状態との間で、選択的に移動可能であることを特徴とする請求項6、、又記載の覆い装置。
  10. 前記調節機構は、前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレール上を摺動可能な調節部材を備えており、前記コードの前記一方の端部が前記調節部材に結合されており、前記コードは前記調節部材から延出して前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレールの一方の端部の少なくとも近傍を通過して前記可動エンドレールへ延在しており、
    前記第1状態は、前記調節部材が前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレールの前記一方の端部の少なくとも近傍に位置して状態であり、前記第2状態は、前記調節部材が前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレールの前記一方の端部から離れて位置している状態である、
    ことを特徴とする請求項記載の覆い装置。
  11. 前記調節部材を少なくとも前記第1状態に固定する手段を更に備えたことを特徴とする請求項10記載の覆い装置。
  12. 前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレール上に配設されたストッパ部材を更に備え、該ストッパ部材の配設位置は、前記調節部材を、前記2本のサイドレールのうちの前記一方のサイドレールの前記一方の端部から離隔した前記調節機構が前記第2状態になる位置に停止させる位置である、
    ことを特徴とする請求項10又は11記載の覆い装置。
  13. 第2のコードと、該第2のコードの一方の端部を前記2本のサイドレールのうちの他方のサイドレールに調節可能に固定する第2の調節機構とを更に備えた、
    ことを特徴とする請求項10、11、又12記載の覆い装置。
  14. 前記可動エンドレールから引出して延展させることのできる可撓性を有する覆い材を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項記載の覆い装置。
  15. 前記覆い材はベネシャンブラインドであることを特徴とする請求項14記載の覆い装置。
  16. 前記覆い材はプリーツシェードであることを特徴とする請求項14記載の覆い装置。
  17. 前記可動エンドレールの中に引込機構が収容されていることを特徴とする請求項15又は16記載の覆い装置。
  18. 前記覆い材は可撓性材料から成るシートであることを特徴とする請求項14記載の覆い装置。
  19. 前記可動エンドレールの中に引込機構が収容されていることを特徴とする請求項18記載の覆い装置。
  20. 前記可動エンドレールは、可撓性材料から成る前記シートを巻取るためのローラを備えていることを特徴とする請求項19記載の覆い装置。
  21. 前記ローラは付勢バネにより付勢されていることを特徴とする請求項20記載の覆い装置。
  22. 前記付勢用バネはその一端がシャフトの非円形部分に摺動可能且つ相対回転可能に連結されていることを特徴とする請求項21記載の覆い装置。
  23. 前記シートの第1縁部は、前記ローラに結合されていることを特徴とする請求項20乃至22の何れか1項記載の覆い装置。
  24. 前記シートの前記第1縁部とは反対側の第2縁部は、前記2本のサイドレールの互いに対応する夫々の端部に結合された固定エンドレールに結合されていることを特徴とする請求項23記載の覆い装置。
  25. 前記シートの前記第1縁部とは反対側の第2縁部は、前記2本のサイドレールの間を前記2本のサイドレールに対して垂直に延在して前記2本のサイドレール上を移動可能な第2の可動エンドレールに結合されていることを特徴とする請求項23記載の覆い装置。
  26. 前記シートの前記第1縁部とは反対側の第2縁部は、更に別のローラに結合されていることを特徴とする請求項24又は25記載の覆い装置。
  27. 前記2本のサイドレールは、夫々に案内溝部を備えていることを特徴とする請求項1乃至26の何れか1項記載の覆い装置。
  28. 前記可動エンドレールは、その長手方向に不変の断面形状を有し、その長手方向の両端部に端部部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至27の何れか1項記載の覆い装置。
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