JP5307812B2 - 活性汚泥用撹拌装置 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前文に定義する活性汚泥用撹拌装置に関する。

このような装置は、例えば、独国特許出願公開第４２１８０２７（Ａ１）号明細書または独国特許第１９８２６０９８（Ｃ２）号明細書から公知である。この公知の撹拌装置では、双曲面状の撹拌体が、シャフトに取り付けられている。径方向に傾斜して延びる複数の搬送リブが、撹拌体の上面に設けられている。撹拌体が回転する間、撹拌体の周方向の境界部から離れる方向に向かう流れが、撹拌体の双曲面状の形状ならびに搬送リブの効果により、撹拌体周囲の液状媒体内に生成される。

独国特許出願公開第４２１８０２７号明細書

本発明は、改善された撹拌効率を有する撹拌装置を特定するという目的に基づくものである。

本目的は、請求項１の特徴によって解決される。有用な実施形態は、請求項２〜１４によって得られる。

本発明が提供するものによれば、撹拌体の周方向の境界部を取り囲んでおりかつ撹拌体に相対的に固定された流れ案内装置が、撹拌体によって生じる流れをシャフトに対して略垂直方向に延びる面において案内するために、実現される。これによって、簡単かつ安価に撹拌効率が改善される。

本発明は、撹拌体の周方向の境界部から離れる方向に向かう流れの径方向範囲が増大するにつれ、撹拌効率が高くなる、という知見に基づいている。撹拌体の下方にある上記流れのために、上記流れと反対の逆流を生じさせる極めて大きな吸引力が発達することが、観察されている。この逆流は、上記流れを減速させ、上記流れが径方向の広範囲にわたって発達することを阻害する。

本発明が提案する流れ案内装置は、シャフトに対して略垂直方向に延びる面において、撹拌体によって生じる流れを案内し、特に、槽の底部へ向けて傾斜する上記流れの諸成分の形成を減殺する。上記流れと上記逆流との相互作用が、低減される。これにより、上記流れの径方向範囲を著しく改善することができる。

搬送リブは、少なくとも周方向の境界部の領域において、径方向に対し−３０°〜−９０°、好ましくは−４０°〜−８０°の第１の傾斜角を形成することが有用である。前述した第１の傾斜角の量の前に使用している負号は、この第１の傾斜角が、径方向に関して回転の方向と反対の方向に開いていることを示している。

有利な実施形態においては、流れ案内装置は、周方向の境界部を取り囲む環状隙間を有し、この隙間は、シャフトに対して同軸的に配置された下部および上部の流れ導入手段によって形成されている。流れ導入手段は、プラスチック製、特に繊維強化プラスチック製、または金属製、好ましくはステンレス鋼製の、平坦な部材であってよい。流れ案内装置は、装着ユニットを形成していることが有用である。この目的のために、上部および下部の流れ導入手段を、接続の手段を介して互いに接続することができる。接続の手段は、略径方向に延びる壁であってよい。このような壁を設けることで、流れ案内が径方向に改善され、それによって、更に上記流れの及ぶ範囲を増大させることができる。

代替実施形態においては、接続の手段は、径方向に関して傾斜して延びる第１の傾斜壁であり、この傾斜壁は、径方向に対して＋３０°〜＋９０°、好ましくは＋４０°〜＋８０°の第２の傾斜角を形成している。前述した第２の傾斜角の量の前に使用している正号は、第２の傾斜角が径方向に関して回転の方向に開いていることを示している。第２の傾斜角は、詳しくは、撹拌体によって生じる流れに対して第１の傾斜壁が略平行の方向を向いているように、選択される。その結果、流れがそれることが回避される。したがって、流れの径方向範囲を更に改善することができる。

更なる実施形態では、下部の流れ導入手段は、上記面と略平行に延在するリング円板である。リング円板の中央に設けられた貫通口によって、槽の底部上を通過する液状媒体が撹拌体の動作領域へと流れ戻ることができ、そのため、液状媒体が径方向外側に向かって加速することができる。

槽の底部上で支持するための支持部材を、更なる環状隙間が槽の底部と下部の流れ手段との間に形成されるように、上部の流れ手段から離れる方向に向かって、下部の流れ手段の下面に設けることができる。この更なる環状隙間によって、逆流が、撹拌体下方の領域において実質的に妨害されずに発達することができる。

この支持の手段は、略径方向に延びる更なる壁であってよい。このような更なる壁は、逆流に対して低い流れ抵抗を付与するため、改善された範囲を有する流れが発達することができる。

代替実施形態においては、この支持の手段は、径方向に関して傾斜して延びる第２の傾斜壁であり、この傾斜壁は、径方向に対して−３０°〜−９０°、好ましくは−４０°〜−８０°の第３の傾斜角を形成している。前述した第３の傾斜角の量の前の負号は、今度は、この角度が径方向に関して撹拌体の回転の方向とは反対の方向に開いていることを示している。提案する第２の傾斜壁の傾斜角は、詳しくは、第２の傾斜壁が底部付近の逆流の方向に対して平行に延びるように、選択される。このようにして、逆流がそれることが回避される。その結果、逆流は可能な限り小さな抵抗に曝されることになり、それによって、流れの径方向範囲を増大させることができる。

特に有利な実施形態においては、シャフトに対して略平行に延びる環状隙間のギャップ幅は、撹拌体の周方向の境界部に近づくにつれ拡大している。この場合、環状隙間はリング状ノズルを形成し、このリング状ノズルによって、撹拌体の周方向の境界部から離れる方向に向かう流れは、槽の底部に対して略平行の面において案内されるだけでなく、この面において加速もされることになる。これによってもまた、流れの径方向範囲が著しく改善される。

搬送リブは、ほぼ径方向から、周方向の境界部の方へ、回転の方向とは反対方向へ向かうほぼ接線方向に湾曲することができる。更に、搬送リブは、上面の外側の径方向部分にのみ延在することができる。このような実施形態においては、撹拌体の周方向の境界部から離れる方向に向かう流れを、特に高速で生成することができる。

更なる実施形態においては、略径方向に延びる複数の剪断リブが、上面の反対側に位置する更なる下面に設けられている。剪断リブの高さは、撹拌体の周方向の境界部に近づくにつれ増大してよい。このような剪断リブは、空気供給管路を介して供給され得る空気を撹拌体下方の領域に分散させるために使用される。これによって、撹拌体の周囲の液状媒体は、径方向に広範囲にわたって効率的に搬送され得るだけでなく、極めて微細な気泡と混合することもできる。

本発明を、図面に基づく例を使用しつつ、更に詳細に説明する。

撹拌装置の部分断面図である。 図１による撹拌装置の完全断面図である。 撹拌装置の斜視図である。 更なる撹拌装置の上面図である。

図１は、シャフト２に取り付けられた双曲面状の撹拌体１の側面図を示す。搬送リブ３が、撹拌体１の上面Ｏの径方向外側部分に設けられており、このリブは、周方向の境界部ＵＭまで延在している。搬送リブ３は、まず略径方向に延び、次いで、回転の方向Ｒとは反対方向の略接線方向に湾曲している。下面Ｕにおいては、剪断リブ４が、周方向の境界部ＵＭの近傍に設けられており、この剪断リブ４の高さは、径方向外側に近づくにつれ増大している。図２において特に明らかなように、撹拌体１は、双曲面状の形状の撹拌体壁５から形成されている。このように、撹拌体１は、撹拌体１自体の下面Ｕに漏斗状の凹部６を有する。

図１〜３に示すように、撹拌体１の周方向の境界部ＵＭは、流れ案内装置７によって取り囲まれている。流れ案内装置７は、下部のリング円板８と、その上方に位置するリング円板状の流れ導入部材９とを備え、この流れ導入部材９は、径方向に延びる壁１０を介し、リング円板８から一定の距離をおいたところに保持されている。環状隙間１１が、リング円板８と周方向の境界部ＵＭを取り囲む流れ導入部材９との間に形成されている。流れ導入部材９は、環状隙間１１が周方向の境界部ＵＭに近づくにつれ拡大するように、シャフト２の方へ向かって上方へ湾曲している。リング円板８は、槽（ここでは完全には図示していない）の底部Ｂ上に、これもまた略径方向に配置された更なる壁１２を介して支持されている。更なる壁１２の高さによって、底部Ｂとリング円板８との間の更なる環状隙間１３が規定される。

撹拌装置の機能は、以下の通りである。

周方向の境界部ＵＭから離れる方向に外側に向かう流れＳが、特に撹拌体１が回転の方向Ｒへ回転することにより生じる搬送リブ３の作用によって、生成される。流れる液状媒体、例えば下水汚泥、廃水または類似物は、環状隙間１１内に押し込まれ、環状隙間１１を出る。環状隙間１１の断面積が徐々に小さくなっているために、流れる媒体の速度は加速される。これとは別に、流れＳは、底部Ｂに対して略平行に延びる方向に押し流される。

流れＳが発達する結果、撹拌体１の下方に吸引力が生じ、この吸引力が、今度は流れＳと反対の方向に逆流ＲＳを生じさせる。これもまた底部Ｂに対して略平行な方向を向いている逆流ＲＳは、下部の環状隙間１３を通って流れ案内装置７に入り、次いで、再度流れＳと共に環状隙間１１から出て行くために、撹拌体１の作用によって流れの向きを変えられる。

空気は、空気供給管路（ここでは図示せず）を介して、凹部６に供給してよい。空気供給管路は、底部Ｂに対して略平行に延在し、シャフト２の下方で凹部６の方向に湾曲することができる。逆流ＲＳによって逆流する媒体は、環状隙間１１を通って流出しながら、剪断リブ４を介して、供給された空気と混合され得る。次いで、この極めて微細な気泡を含有する液状媒体は、環状隙間１１を通って外に出る。

提案する流れ案内装置７では、流れＳおよび逆流ＲＳは、互いに対して上下に位置する平行な面において案内される。これにより、両方の流れＳとＲＳとの間の相互作用が低減される。流れＳの径方向範囲が改善され、したがって撹拌装置の効率が改善される。

図４は、更なる撹拌装置の上面図を示す。更なる撹拌装置の構成部品が図１〜３に示される撹拌装置の構成部品と同一であるか実質的に同様である場合、図１〜３で使用した参照符号を使用するものとする。参照符号αは、周方向の境界部ＵＭの領域における搬送リブ３の一部分と径方向ＲＲとの間に形成される第１の傾斜角を指す。第１の傾斜角αは、−３０°〜−９０°の範囲内にあり、ここではほぼ−４５°である。

この更なる撹拌装置は、実質的に壁５の傾斜角ならびに更なる壁１２の傾斜角において、図１〜３内に示す撹拌装置と異なる。第１の傾斜壁１０ａは、図４に長破線で示唆されている。第１の傾斜壁１０ａは、流れ導入部材９と流れ導入部材９の下に配置されたリング円板８とを接続している。水平方向に延びる第１の傾斜壁１０ａは、径方向ＲＲに対して＋３０°〜＋９０°の第２の傾斜角βを形成し、ここではほぼ＋４５°を形成している。第２の傾斜壁１２ａは、底部Ｂに対してリング円板８を支持している。これもまた水平方向に配置された第２の傾斜壁１２ａは、径方向ＲＲに対して−３０°〜−９０°の範囲の第３の傾斜角γを形成し、ここでは、ほぼ−４５°を形成している。

図４に示すように、第１の傾斜壁１０ａは、第２の傾斜壁１２ａに対し、ほぼ垂直に延びている。撹拌体１によって生じる流れＳは、第１の傾斜壁１０ａに対しほぼ平行に流れる。逆流ＲＳは、第２の傾斜壁１２ａに対しほぼ平行に流れる。

更に図４に示すように、詳細には、第１の傾斜壁１０ａは互いに対して平行に配置されていない。第１の傾斜壁１０ａ同士によって作られた環状隙間の部分は、径方向に幅が広がっている。その結果、流れの速度は、この環状隙間の部分が原因で径方向において低減される。この欠点を減殺して、流れＳの特に広い範囲を達成するために、更なる実施形態において、補助壁１０ｂを設けることができる。この補助壁１０ｂは、回転の方向Ｒとは反対の方向に配置された第１の傾斜壁１０ａに対して平行に延び、かつ周方向の境界部ＵＭの近傍において、次の第１の傾斜壁１０ａと共通の縁部を有する。この実施形態により、周方向の部分ＵＭの近傍の環状隙間部分の入口面積が環状隙間部分の出口面積とほぼ一致することが、達成される。これより、流れＳが環状隙間１１を通過する間に減速されることを回避することができる。

１ 撹拌体
２ シャフト
３ 搬送リブ
４ 剪断リブ
５ 壁
６ 凹部
７ 流れ案内装置
８ リング円板
９ 流れ導入部材
１０ 壁
１０ａ 第１の傾斜壁
１０ｂ 補助壁
１１ 環状隙間
１２ 更なる壁
１２ａ 第２の傾斜壁
１３ 更なる環状隙間

Ｏ 上面
ＵＭ 周方向の境界部
Ｕ 下面
Ｒ 回転の方向
Ｓ 流れ
ＲＳ 逆流
Ｂ 底部
ＲＲ 径方向
α 第１の傾斜角
β 第２の傾斜角
γ 第３の傾斜角

Claims (12)

1. シャフト（２）に取り付けられた双曲面状の撹拌体（１）を備える活性汚泥用撹拌装置であって、
   前記撹拌体（１）の上面（Ｏ）に、前記撹拌体（１）の周方向の境界部（ＵＭ）の方へ延びる複数の搬送リブ（３）が設けられており、
   前記搬送リブ（３）は、径方向に関して少なくとも部分的に傾斜して延びており、
   前記撹拌体（１）が所定の回転の方向（Ｒ）に回転するときに、前記撹拌体（１）の前記周方向の境界部（ＵＭ）から離れる方向に外側に向かう流れ（Ｓ）が生成されるように、前記搬送リブ（３）の第１の傾斜角が選択される、撹拌装置であって、
   前記撹拌体（１）の前記周方向の境界部（ＵＭ）を取り囲んでおりかつ槽の底部（Ｂ）に固定された流れ案内装置（７）が、前記撹拌体（１）によって生成された前記流れ（Ｓ）を、前記シャフト（２）に対して略垂直方向に延びる面において案内するように設けられ、
   前記流れ案内装置（７）は、前記シャフト（２）に対して同軸的に配置された下部および上部の流れ導入手段によって形成された、前記周方向の境界部（ＵＭ）を取り囲む環状隙間（１１）を有し、
   前記下部の流れ導入手段は、前記面に対して略平行に延在するリング円板（８）であり、
   支持部材が、前記槽の底部（Ｂ）上で支持するために、前記上部の流れ導入手段（９）から離れる方向に向かって前記下部の流れ導入手段の下面に設けられており、それによって、更なる環状隙間（１３）が前記底部（Ｂ）と前記下部の流れ導入手段との間で形成されていることを特徴とする、撹拌装置。
2. 前記搬送リブは、少なくとも前記周方向の境界部（ＵＭ）の領域において前記径方向に対し、−３０°〜−９０°、好ましくは−４０°〜−８０°の第１の傾斜角（α）を形成する、請求項１に記載の撹拌装置。
3. 前記上部および下部の流れ導入手段は、接続の手段を介して互いに接続されている、請求項１又は２に記載の撹拌装置。
4. 前記接続の手段は、略径方向に延びる壁（１０）である、請求項３に記載の撹拌装置。
5. 前記接続の手段は、前記径方向に対して＋３０°〜＋９０°、好ましくは＋４０°〜＋８０°の第２の傾斜角（β）を形成する、前記径方向に関して傾斜して延びる第１の傾斜壁（１０ａ）である、請求項３に記載の撹拌装置。
6. 前記支持部材は、略径方向に延びる更なる壁（１２）である、請求項１乃至５のいずれか１項に記載の撹拌装置。
7. 前記支持部材は、前記径方向に対して−３０°〜−９０°、好ましくは−４０°〜−８０°の第３の傾斜角（γ）を形成する、前記径方向に関して傾斜して延びる第２の傾斜壁（１２ａ）である、請求項１乃至５のいずれか１項に記載の撹拌装置。
8. 前記シャフト（２）に対し略平行に延びる前記環状隙間（１１）のギャップ幅が、前記撹拌体（１）の前記周方向の境界部（ＵＭ）に近づくにつれ拡大している、請求項１乃至７のいずれか１項に記載の撹拌装置。
9. 前記搬送リブ（３）は、ほぼ径方向から、前記周方向の境界部（ＵＭ）の方へ向かって、前記回転の方向（Ｒ）とは反対の方向へ向かうほぼ接線方向に湾曲している、請求項１乃至８のいずれか１項に記載の撹拌装置。
10. 前記搬送リブ（３）は、前記上面（Ｏ）の外側の径方向部分にのみ延在する、請求項１乃至９のいずれか１項に記載の撹拌装置。
11. 略径方向に延びる複数の剪断リブ（４）が、前記上面（Ｏ）の反対側に位置する更なる下面（Ｕ）に設けられている、請求項１乃至１０のいずれか１項に記載の撹拌装置。
12. 前記剪断リブ（４）の高さが、前記撹拌体（１）の前記周方向の境界部（ＵＭ）に近づくにつれ増大する、請求項１１に記載の撹拌装置。

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