JP5307483B2 - 作業工具吊り下げ装置 - Google Patents
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Description
したがって、簡単な構成で、万が一付勢バネが折損した場合であっても、ドラムの回転を規制することによって作業工具が落下するのを防止することができる。
(イ)請求項4のように、上述のラチェットホイールストッパ付勢部材およびドラムストッパ付勢部材については一体に構成することが考えられる。このように構成すれば、ラチェットホイールストッパ付勢部材とドラムストッパ付勢部材とが別々に構成される場合に比べて、ドラムの回転を規制するための機構を単純な構成とすることができる。
[実施形態]
図1(a)は、作業工具吊り下げ装置1を正面から見た外観図である。また、図1(b)はワイヤーロープ40の端部に取り付けられる取付金具41および緩衝部材16を示す説明図である。また、図2は作業工具吊り下げ装置1を側方から見た外観図であり、図3は作業工具吊り下げ装置1を後方から見た外観図である。また、図4(a)は図1(a)におけるAA断面図であり、図4(b)は図3におけるBB断面図である。
図1(a)に示すように、作業工具吊り下げ装置1は、ケース10と、回転軸20(図4(b)参照)と、ドラム30(図4(b)参照)と、ワイヤーロープ40と、ぜんまいばね50(図4(b)参照)と、を備えている。以下、順に説明する。
一方、フック14は、鍛造加工によって成形され、その中央部14aの径寸法がケース10の取付部10aの開口部10bの内径寸法よりも小さく、その後端部14bの径寸法がケース10の取付部10aの開口部10bの内径寸法よりも大きく形成されており、後端部14bをケース10の取付部10aの内部10cに位置させることでケース10の取付部10aに回転可能に取り付けられている。また、フック14は、その先端部14cが鉤状になっており、中央部14aの貫通孔14dにピン14eを用いて回動可能に取り付けられた回動板14fが付勢バネ14gによって付勢されて先端部14cに当接することでリング状となるようになっている。
さらに、蓋部12の周面12dには、ワイヤーロープ40を挿通するための長孔状の開口部12eが下方に向けて形成されている。この開口部12eにはワイヤーロープ40が挿通される。
また、ケース10の内部では、回転軸20の中央部20dにドラム30が回転可能に支持されている。具体的には、ドラム30は略円錐台形状に形成され、蓋部12の円錐台形に形成された部分に沿うようにケース10の内部に収納され、回転軸20の中央部20dに回転可能に固定されている。したがって、回転軸20およびドラム30は同軸上に配置され、それぞれが独立して回転可能となっている。
また、取付金具41は、図1(a)に示すように、円環状のリング部材42と、鉤状のフック部材43とから構成される。このうちのリング部材42は円環状に形成された円環部42aに円筒状の延出部42bが接続する構成を有しており、延出部42bの内部にワイヤーロープ40の一方の端部が挿入された後にカシメ加工を行うことでワイヤーロープ40に取り付けられている。また、延出部42bは緩衝部材16の段付き孔16aに内径が大きい側から圧入されている(図1(b)参照)。そして、リング部材42にはフック部材43が通されている。このフック部材43は、棒材の両端部を円弧状の鉤形状に異なる曲率でそれぞれ曲げることで形成されており、他方に比べて小さい曲率で円弧状の鉤形状に形成された端部43aがリング部材42に通されている。また、このフック部材43は、端部43aに形成された貫通孔43bにピン43cを用いて回動可能に取り付けられた回動板43dが付勢バネ(図示省略)によって付勢されて他方の端部43eに当接することでリング状となるようになっている。
[2.作業工具吊り下げ装置1の動作の説明]
次に、作業工具吊り下げ装置1の動作について図5および図6を参照して説明する。なお、図5は、ドラムストッパ18がドラム30の引出方向への回転を許容する状態を示す説明図であり、図6は、ドラムストッパ18がドラム30の引出方向への回転を阻止する状態を示す説明図である。
ぜんまいばね50に充分なイニシャルトルク(ばね力)が付加されていない場合、回転軸20およびラチェットホイール20cがぜんまいばね50により付勢されないため、ドラムストッパ18の先端部18aが、ねじりばね19eによる付勢力により、ドラム30の回転時にカバー31の突起部31bと当接する位置へと移動しており(規制位置、図6参照)、ドラム30の引出方向への回転が阻止される。
(3−1)吊り下げられた作業工具の巻き取り荷重を上げる場合
吊り下げられた作業工具の巻き取り荷重を上げる場合には、ハンドル17を正面から見て右回りに回転させる(図1(a)参照)。すると、ラチェットホイール20cの爪部20eによってラチェットホイールストッパ19の先端部19aを順に押し上げながら、回転軸20がハンドル17と同一方向に回転する。吊り下げられた作業工具の自重とバランスしたら、ハンドル17から手を離す。すると、ぜんまいばね50によって回転軸20が反対方向に回転し、ラチェットホイール20cの爪部20eとラチェットホイールストッパ19の先端部19aとが係合する(図5参照)。
一方、吊り下げられた作業工具の巻き取り荷重を下げる場合には、まず、吊り下げられた作業工具の巻き取り荷重を上げる場合と同様に、ハンドル17を正面から見て右回りに少し回転させる。すると、回転軸20がハンドル17と同一方向に回転し、ラチェットホイール20cの爪部20eがラチェットホイールストッパ19の先端部19aから離間する方向へ少し移動する。続いて、ラチェットホイールストッパ19の後端部19fを指などで押さえて安全用凸部11iへ向けて回動させ、ラチェットホイールストッパ19の先端部19aをラチェットホイール20cの爪部20eから離間させる。さらに、ハンドル17を反対方向に回転させる。すると、回転軸20がハンドル17と同一方向に回転し、ぜんまいばね50のばね力が回転軸20の回転量に応じて減少する。
(1)このように本実施形態の作業工具吊り下げ装置1によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、ドラムストッパ18が、ラチェットホイール20cの爪部20eを係合可能なラチェットホイールストッパ19を回動可能に支持し、その先端部18aがドラム30の回転時にカバー31の突起部31bと当接する位置(規制位置、図6参照)と、その先端部18aがドラム30の回転時にカバー31の突起部31bと当接しない位置(許容位置、図5参照)との間をラチェットホイールストッパ19を伴って移動可能である。また、ドラムストッパ18は、ラチェットホイール20cの爪部20eと係合する状態のラチェットホイールストッパ19を介して伝達されるぜんまいばね50による引出方向と同一方向への付勢力によって許容位置へ付勢されると同時に、ねじりばね19eによって規制位置へも付勢される。そして、作業工具を吊り下げるワイヤーロープ40がドラム30から引き出されるなど、ぜんまいばね50による付勢力がねじりばね19eによる付勢力よりも優勢である場合には、ドラムストッパ18が許容位置へと移動してドラム30が引出方向に回転可能となり、作業工具を吊り下げるワイヤーロープ40をドラム30から引き出すことができる。一方、金属疲労等によってぜんまいばね50が折損するなど、ねじりばね19eによる付勢力がぜんまいばね50による付勢力よりも優勢になると、ドラムストッパ18が規制位置へと移動して、ドラム30が引出方向には回転できなくなり、作業工具を吊り下げるワイヤーロープ40がドラム30から引き出されなくなる。
したがって、簡単な構成で、万が一ぜんまいばね50が折損した場合であっても、ドラムストッパ18がドラム30の回転を規制することによって作業工具が落下するのを防止することができる。
Claims (6)
- 作業工具を吊り下げるロープが巻回され、前記ロープを巻き取る巻取方向および前記ロープを引き出す引出方向に回転可能なドラムと、
前記ドラムと同軸上に配置され、前記ドラムからは独立して軸周りに回転可能な回転軸と、
渦巻き状に形成され、内端部が前記回転軸側に接続され、外端部が前記ドラム側に接続され、前記ドラムを前記巻取方向へ付勢して、作業工具とバランスするばね力を有するぜんまいばねと、
前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸とともに回転可能なラチェットホイールと、
前記ラチェットホイールを係止して前記ラチェットホイールおよび前記回転軸が前記引出方向と同一方向へ回転するのを規制する規制状態と前記ラチェットホイールを係止せずに前記引出方向と同一方向へ前記ラチェットホイールおよび前記回転軸が回転するのを許容する許容状態とで回動によって切り替え可能であり、前記規制状態および前記許容状態の何れの場合にも前記ラチェットホイールおよび前記回転軸が前記巻取方向と同一方向へ回転するのを許容するラチェットホイールストッパと、
前記ラチェットホイールストッパを前記規制状態へ付勢するラチェットホイールストッパ付勢部材と、
を備える作業工具吊り下げ装置であって、
さらに、
前記ラチェットホイールストッパを回動可能に支持し、前記ドラムが前記引出方向に回転するのを許容する許容位置と前記ドラムが前記引出方向に回転するのを規制する規制位置との間を前記ラチェットホイールストッパを伴って移動し、前記規制状態にある前記ラチェットホイールストッパを介して伝達される前記ぜんまいばねによる前記引出方向と同一方向への付勢力によって前記許容位置へ付勢されるドラムストッパと、
前記ぜんまいばねによる付勢力に抗して前記ドラムストッパを前記規制位置へ付勢するドラムストッパ付勢部材と、を備え、
前記ぜんまいばねによる付勢力が前記ドラムストッパ付勢部材による付勢力よりも優勢である場合には前記ドラムストッパが前記許容位置へと移動して前記ドラムが前記引出方向に回転可能となり、一方、前記ドラムストッパ付勢部材による付勢力が前記ぜんまいばねによる付勢力よりも優勢である場合には前記ドラムストッパが前記規制位置へと移動して前記ドラムが前記引出方向には回転不能となることを特徴とする作業工具吊り下げ装置。 - 請求項1に記載の作業工具吊り下げ装置において、
前記ドラムには被係止部が形成され、
前記ドラムストッパは、前記規制位置に移動した際に、前記被係止部を係止することで前記ドラムが前記引出方向に回転するのを規制すること
を特徴とする作業工具吊り下げ装置。 - 請求項2に記載の作業工具吊り下げ装置において、
前記被係止部は複数存在し、
前記ドラムストッパは、前記規制位置に移動した際に、前記複数の被係止部の何れかを係止することで前記ドラムが前記引出方向に回転するのを規制すること
を特徴とする作業工具吊り下げ装置。 - 請求項2または請求項3に記載の作業工具吊り下げ装置において、
前記ラチェットホイールストッパ付勢部材および前記ドラムストッパ付勢部材が一体に構成されていることを特徴とする作業工具吊り下げ装置。 - 請求項4に記載の作業工具吊り下げ装置において、
前記ドラムストッパが前記許容位置にある場合に前記規制状態である前記ラチェットホイールストッパが当接可能な当接部材を備え、
前記一体に構成される前記ラチェットホイールストッパ付勢部材および前記ドラムストッパ付勢部材は、前記ラチェットホイールストッパまたは前記ドラムストッパに取り付けられるとともに、その端部が前記当接部材を当接しながら押圧することで前記ラチェットホイールストッパを前記規制状態へ付勢するとともに前記ドラムストッパを前記規制位置へ付勢すること
を特徴とする作業工具吊り下げ装置。 - 請求項1〜請求項5の何れかに記載の作業工具吊り下げ装置において、
少なくとも前記ドラム、前記回転軸の一部および前記ぜんまいばねを内包するとともに、前記ドラムおよび前記回転軸を回転可能に支持する筐体を備え、
前記筐体は、光透過性材料で構成されていること
を特徴とする作業工具吊り下げ装置。
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