JP5306741B2 - 並列吸気ポンプ及びそれを用いた真空装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2つの吸気口からの気体をそれぞれ圧縮して共通の排気口より排気する並列吸気ポンプ及びそれを用いた真空装置に関する。
真空機器、原子力施設等の高気密性が要求される容器のリークを検出する装置が知られている(特許文献1)。この装置は、特許文献1の図2に示すように、メインチャンバ(C)に吸気口が接続される第1ポンプ(P1)と、リーク検出器(M)に吸気口が接続される第2ポンプ(P2)と、第1,第2ポンプ(P1,P2)の排気側(背圧側)に流量調整弁(V2)を介して補助ポンプ(P4)を接続している。この装置では、メインチャンバ(C)に微小孔があると、その周囲に用意したプローブガスがメインチャンバ(C)に侵入する。メインチャンバ(C)に接続された第1ポンプ(P1)と背圧側を共通とする第2ポンプ(P2)では、その排気方向とは逆にプローブガスを含むガスが移動するカウンターフロー現象が生ずる。この現象を利用して、リーク検出器(M)にてメインチャンバ(C)のリークを検出できる。第2ポンプ(P2)は、第1ポンプ(P1)よりも圧縮率が低く、さらに、第1,第2ポンプ(P1,P2)の背圧側に接続される補助ポンプの排気速度を極端に絞って低コンダクタンスとしている。こうして、プローブガスのS/Nを向上して高精度でのリーク検出が可能となる。
特許文献2は、特許文献1に示す第2ポンプ(P2)に相当するターボ分子ポンプ(4)の背圧側に、ターボ分子ポンプ(4)よりもコンダクタンスの小さなねじシール(5)を設け、このねじシール(5)により特許文献1の流量調整弁(V2)及び補助ポンプ(P4)の機能を実現している。
また、この種のポンプに用いられるラジアル軸受け及びスラスト軸受けとして、ベアリング等のように機械的接触に頼った軸受け以外に、流体軸受け、気体軸受けまたは磁気軸受等の非接触な軸受けが知られている。
軸とそれに挿通されるスリーブのラジアル方向及び軸受けを流体軸受けにて形成することは、例えば特許文献3に開示されている。気体を用いた動圧軸受けは、特許文献4に開示されている。磁気軸受けとして、スラスト方向の軸受けが特許文献5−7に開示されている。
特開平8−122194号公報 特開平11−211604号公報 特開2007−139199号公報 特開2007−170578号公報 特開平11−230086号公報 特公平7−85638号公報 特開2003−97555号公報
特許文献1に示すリーク検出装置を備えた真空装置は、メインチャンバのリークを高S/Nを確保して検出できる点で優れている。しかし、リーク検出のためだけに、圧縮率の異なる第1,第2ポンプ(P1,P2)が必要な上に補助ポンプ(P4)も必要となり、装置が大型かつ高価となる。
ここで、特許文献1に特許文献2を組み合わせると、特許文献1の第2ポンプ(P2)、流量調整弁(V2)及び補助ポンプ(P4)を、特許文献2に示すように背圧側にねじシール(5)を備えた一つのターボ分子ポンプ(4)にて代用することができる。
しかしこの場合でも、特許文献1の第1ポンプ(P1)と、特許文献2のねじシール(5)を備えたターボ分子ポンプ(4)とが必要であり、計2台のポンプが必要となる。
これらのポンプに用いられる軸受けについて考察する。特許文献3の技術では、特許文献1の図1に示すように、軸(28)とスリーブ(26)との隙間に循環油等の循環流体(62)を圧送するものであるので、油による汚染は避けられない。
特許文献4の技術では、特許文献4の図1に示すように、ラジアル軸受け(R)は、軸(61)に動圧溝(Ra,Rb)を形成して、軸(61)と筒部(50)との間の隙間に空気による動圧を発生させている。このラジアル軸受けは気体による動圧軸受けを利用した非接触軸受けである。しかし、スラスト軸受け(S)は、筒部(50)の底部(52)に半球面状の凸部を設け、軸端部を凸部に点接触させるピボット型軸受けであり、非接触軸受けではない。
特許文献5−7には、スラスト方向に磁気軸受けを採用することで、スラスト方向で非接触にて軸受けしている。特許文献5に示すスラスト軸受け(11)は、特許文献5の図1に示すように、主軸(4)の一端に主軸(4)よりも大径のターゲットディスク(9)を設け、その両面側に所定の間隔をあけて電磁石(10a,10b)を配置したものである。この場合、電磁石(10a,10b)の電気的制御が必要であると共に、大径のターゲットディスク(9)は装置の小型化を阻む。また、特許文献5では、緊急用ベアリング(21,22)を配置する必要があるため、完全な非接触軸受けは実現できない。
特許文献6に示すスラスト軸受け(5)は、特許文献6の図1、図3または図4に示すように、軸(1)に磁性体または永久磁石(51)を設け、それと対向する周囲にコア付きコイルまたはソレノイド等の複数の磁力部(52,52a,52b)をリング状またはスパイラル状に設けたものである。そして、複数の磁力部(52,52a,52b)を独立して、増磁または減磁させ、あるいは励磁または消磁させることで、軸(4)をスラスト方向に駆動しながら非接触軸受けを実現している。特許文献7に示すスラスト軸受けも特許文献4と同様であり、特許文献7の図1に示すように、回転軸(3)に永久磁石(1a)を配置し、それと対向する周囲にヨーク(6)で磁気結合された複数のボイスコイル(5a,5b)を配置している。そして、ボイスコイル(5a,5b)に流す電流を制御することで、回転軸(3)のスラスト方向の位置制御を高精度に行なうことを可能としている。
しかし、特許文献6,7のいずれも、回転軸は水平であり、スラスト方向には回転軸の荷重が作用せず、しかも、コイル等に流す電流制御が必須である。
本発明の目的は、排気側(背圧側)を共通とし、2つの吸気口からの気体をそれぞれ独立して圧縮することができる並列吸気ポンプ及びそれを用いた真空装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、電流制御が不要であり、かつ、スラスト方向でフリーである被回転駆動部のスラスト荷重と吊り合った力を作用させながらスラスト方向の軸受けを行うことができる軸受け装置を用いた並列吸気ポンプ及びそれを用いた真空装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る並列吸気ポンプは、
ケーシングと、
前記ケーシングに固定され、前記ケーシング内を内室と外室とに区画する筒状隔壁と、
前記内室に連通する第1吸気口と、
前記外室に連通する第2吸気口と、
前記第1吸気口から取り込まれた気体を、前記内室にて回転する第1回転部により圧縮する第1ポンプと、
前記第2吸気口から取り込まれた気体を、前記外室にて回転する第2回転部により圧縮する第2ポンプと、
前記第1及び第2回転部と連結された回転軸部と、
前記ケーシングに設けられ、前記第1及び第2ポンプでそれぞれ圧縮された気体を排気する排気口と、
を有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、筒状隔壁にて区画された内室及び外室にそれぞれ連通する第1,第2吸気口の各々からの気体を、それぞれ独立して第1,第2ポンプにて圧縮して共通の排気口に排気できる。よって、第1,第2吸気口の一方から他方に影響を与えることを低減しながら、排気側(背圧側)を共通して真空引きできる。しかも、第1ポンプの第1回転部と第2ポンプの第2回転部とし、共に回転軸部に連結されて回転駆動源を共用できるので、装置が小型化する。この並列吸気ポンプは、従来2台必要であった真空ポンプの代用として用いられるので、2台の真空ポンプと比較すれば低価格化が図れる。
本発明の一態様では、前記第1ポンプ及び前記第2ポンプは互いに排気速度が異なるポンプとすることができる。第1,第2のポンプの組み合わせてとして、双方をターボ分子ポンプとするもの、一方をターボ分子ポンプとして他方を分子ドラックポンプとするなど、用途に応じて種々の選択が可能である。
本発明の一態様では、前記回転軸部は、固定軸に挿通される円筒部材であり、前記円筒部材、前記第1,第2回転部を含んだ被回転駆動が一体的を回転することができる。回転軸部を中心軸とするよりも円筒部材とした方が、被回転駆動部の総重量が軽くなって軸受けの負荷が少なくなり、小型化が図れると共に、第1,第2回転部との連結の自由度が高まる。
本発明の一態様では、前記第2回転部は、前記円筒部材に連結される連結板を含み、前記連結板により、前記ケーシング室内が、前記第1,第2吸気口を有するポンプ室と、前記排気口を有する排気室とに区画され、前記連結板には、前記ポンプ室と前記排気室とを連通させる少なくとも一つの貫通孔を形成することができる。こうすると、第2回転部と円筒部材とを連結する連結板によりケーシング室内がポンプ室と排気室とに仕切られるが、連結板に貫通孔を設けることでポンプ室と排気室とを連通させることができる。
本発明の一態様では、前記排気室に配置され、前記筒状部材に固定されたロータと、前記排気室に配置され、前記ケーシングに固定されて前記ロータを回転駆動するステータと、をさらに有することができる。
ロータ及びステータからなる回転モータを排気室に配置することで、装置が小型化し、ポンプ室に不必要なスペースを確保する必要がなくなる。なお、ロータは被回転駆動部の一部となる。
本発明の一態様では、前記固定軸と前記円筒部材との隙間に気体圧を発生させて、前記固定軸と前記円筒部材とをラジアル方向にて非接触に維持する少なくとも一つのラジアル軸受けと、
前記固定軸スラスト方向に沿って間隔をおいて、かつ、スラスト方向でN極とS極の異極同士が隣り合うように配置された複数の永久磁石リングを含む第1部材と、前記円筒部材にて前記第1部材に対向して配置されて磁性を帯びる第2部材とを含み、スラスト方向にてフリーの前記被回転駆動部を、該被回転駆動部のスラスト方向の荷重と吊り合ったスラスト方向での所定位置に維持する少なくとも一つのスラスト軸受けと、
をさらに有することができる。
こうすると、被回転駆動部をガイド部材に対してラジアル方向でもスラスト方向でも非接触で支持することができる。つまり、ラジアル軸受けでは、回転時に軸と円筒部材との隙間に気体圧を発生させて軸受けすることができる。スラスト軸受けでは、磁気軸受により、スラスト方向にてフリーの被回転駆動部を、該被回転駆動部のスラスト方向の荷重と吊り合ったスラスト方向での所定位置に維持することができる。つまり、鉛直方向に自重が作用する被回転駆動部に対して、その自重と吊り合った力をスラスト方向に発生させて、非接触での軸受けを可能とした。しかも、スラスト軸受けは電磁石でなく永久磁石を用いているので、電流制御も不要である。このように、ラジアル方向及びスラスト方向にて非接触な軸受けとしたので、軸受けにて発生する熱は少なく自然空冷による放熱も可能である。
本発明の一態様では、前記ケーシングの排気側に臨む前記固定軸の一端側に開口する縦孔と、
前記縦孔に連通して前記固定軸の外周面に開口する横孔と、
前記ケーシングの排気側に臨む前記固定軸及び前記円筒部材の一端側に形成され、第1,第2ポンプで圧縮された気体が導入されて、前記固定軸と前記円筒部材との間の隙間にて圧縮して前記横孔に排気するねじシール部と、
をさらに含み、
前記排気口を前記固定軸の前記縦孔に連通させることができる。
こうすると、ねじシール部を排気側の補助ポンプとして利用できる。
本発明の他の態様に係る真空装置は、メインチャンバと、メインチャンバにゲートバルブを介して接続されるサブチャンバと、上述の並列吸気ポンプと、有し、前記並列吸気ポンプの前記第1吸気口が前記メインチャンバに接続され、前記第2吸気口が前記サブチャンバに接続されていることを特徴とする。
こうすると、従来2台必要であった真空ポンプを、1台の並列吸気ポンプで代用することができ、真空装置の小型化と低価格化を図ることができる。
ここで、サブチャンバはロードロックチャンバとすることができる。あるいは、メインチャンバが成膜装置である場合には、サブチャンバはRHEED電子銃を備えたチャンバとすることができる。
本発明のさらに他の態様に係る真空装置は、メインチャンバと、排気側にねじシール部を備えた上述の並列吸気ポンプと、リーク検出器と、有し、前記並列吸気ポンプの前記第1吸気口が前記メインチャンバに接続され、前記第2吸気口が前記リーク検出器に接続されることを特徴とする。
こうすると、特許文献1に開示されたリーク検出装置の第1、第2ポンプ(P1,P2)、流量調整弁(V2)及び補助ポンプ(P4)を、一つの並列吸気ポンプで代用することができる。このため、装置の小型化、低価格化が図れる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る並列吸気ポンプ10の断面図である。この並列吸気ポンプ10は、第1,第2および第3ケーシング20,30,40を有する。第1ケーシング20は、第1吸気口22と、筒状隔壁24とを有して全体的に筒状を呈している。第1吸気口22側にはメインチャンバ等と連結される第1フランジ26が形成され、筒状隔壁24の外周には第2ケーシング30の上端に固定される第2フランジ28が形成されている。
第2ケーシング30は、上端側の開口が第2フランジ28にて封止され、側面に第2吸気口32が連結され、下端側の開口には第3ケーシング40に固定される第3フランジ34を有する。第3ケーシング40の側面には排気口42が連結され、上端側の開口に第3フランジ34と締結される第4フランジ44を有し、下端側には軸受け壁部46が形成されている。また、第3ケーシングの側面には放冷用のフィン48が形成されている。
筒状隔壁24は、第1,第2ケーシング20,30で囲まれたポンプ室50を内室52と外室54とに区画するものである。そして、第1吸気口22から取り込まれた気体を内室52にて回転する第1回転部62により圧縮する第1ポンプ60と、第2吸気口32から取り込まれた気体を外室54にて回転する第2回転部72により圧縮する第2ポンプ70とを有する。
本実施形態では、第1ポンプ60は例えば高排気速度(高排気量)のターボ分子ポンプであり、第2ポンプ70は例えば低排気速度(低排気量)のターボ分子ポンプである。このため、第1ポンプ60の第1回転部62は、筒状隔壁24との隙間で気体を圧縮するためにねじ溝63を有する。一方、第2ポンプ70の第2回転部72には第1のねじ溝72Aが、筒状隔壁24の外周面には第2のねじ溝24Aが形成され、第1,第2のねじ溝72A,24Aにより気体を圧縮して排気側に導く。なお、第1回転部62の上部に複合型ポンプを一体的に配置しても良い。
内室52には、固定軸100と、この固定軸100に挿通される円筒部材110とが、配置されている。固定軸100の端部には第5フランジ102が設けられている。この第5フランジ102は、第3ケーシング40の軸受け壁部46にOリングを介してボルトにより気密に締結されている。
円筒部材110は、内室52に位置するように、第1回転部62をボルトにて固定している。また、第2回転部72の下端には、円筒部材110に形成された第6フランジ112にボルト固定される連結板74が設けられている。この連結板74により、第1〜第3ケーシング20,30,40で囲まれた空間が、第1,第2吸気口22,32を有するポンプ室50と、排気口42を有する排気室58とに区画されてしまう。そこで、連結板74には、ポンプ室50と排気室56とを連通させる少なくとも一つ、例えば8個の貫通孔74Aが形成されている。つまり、本実施形態の第1,第2ポンプ60,70は、それぞれ独立した第1,第2吸気口22,32を有する並列吸気型であり、この第1,第2ポンプ60,70に共用される一つの排気口42を有することで、排気側(背圧側)は共通している。
円筒部材110は、第3ケーシング40の排気室58に位置するようにロータ122を固着している。ロータ122の周囲には、第3ケーシング40に固定されたステータ124が設けられている。ロータ122とステータ124とによりモータ120が構成される。モータ120は、ステータ124のコイルに電流が供給されることで、ステータ124とロータ122との相互磁気作用によってロータ122を回転させる。ロータ122の回転により円筒部材110と共に第1,第2回転部62,72が回転され、第1,第2吸気口22,32より並列的に取り込まれた気体を第1,第2ポンプ60,70にてそれぞれ圧縮して排気することができる。なお、コイルを含むステータ124が排気室(真空室)に配置されるので、ガス放出対策としてステータ124はモールド等で覆われていることが好ましい。
なお、被回転駆動部である円筒部材110、第1回転部62及びロータ122は、スラスト方向ではフリーであり、後述するスラスト軸受け140によってスラスト方向の所定位置に維持される。
(回転部の軸受け装置の概要)
図1に示す実施形態では、固定軸100が固定されたガイド部材とされ、円筒部材110とその付属品である第1回転部62及びロータ122にて被回転駆動部が形成され、被回転駆動部62,110,122を回転駆動する回転駆動部がステータ124である。
固定軸100とその廻りを回転する円筒部材110のための軸受け装置として、少なくとも一つ例えば2つの第1,第2ラジアル軸受け130A,130Bと、少なくとも一つのスラスト軸受け140とが設けられている。本実施形態では、第1,第2ラジアル軸受け130A,130Bの双方を気体軸受けにて形成している。
また、図1に示すように、スラスト方向にて隣り合う2つの第1,第2ラジアル軸受け130A,130Bの間に、スラスト軸受け140を配置している。本実施形態では、スラスト軸受け140を磁気軸受にて形成している。
(ラジアル軸受け)
第1,第2ラジアル軸受け130A,130Bの各々は、被回転駆動部62,110,122の回転時に固定軸100と円筒部材110との隙間に流体圧を発生させて、固定軸100と円筒部材110とをラジアル方向にて非接触に維持するものである。この種の軸受けとしてグルーブ軸受けが知られている。グルーブ軸受とは、軸または軸受けの表面に多数の溝を設けたもので、回転時に多数の溝にて発生する流体圧にて被回転駆動部を支持するものである。グルーブ軸受けは大別して2種類あり、一つは静圧気体軸受けであり、他の一つは動圧気体軸受けである。本実施形態の第1,第2ラジアル軸受け130A,130Bの各々はそれら2つのいずれか一つが採用されるが、本実施形態では動圧気体軸受けを採用している。このために、第1,第2ラジアル軸受け130A,130Bの各々は、図2に示すように、固定軸100の外周面に例えばヘリングボーン型の多数の動圧溝132を形成して構成している。
固定軸100には、第5フランジ102に開口する縦孔である中心孔134が形成され、この中心孔134は第2ラジアル軸受け130Bを経て第1ラジアル軸受け130Aまで達している。この中心孔134は、図2に示すIV−IV断面(第1,第2ラジアル軸受け130A,130Bの2箇所)である図4に示すように、周方向にて複数例えば5つ設けられ、各々がラジアル方向に延びて固定軸100の外周面に開口する第1横孔135と連通している。また、中心孔134の下端は、第3ケーシング40の軸受け壁部46に形成された孔46Aを介して大気に連通している。
さらに、固定軸100には、第5フランジ102側の端面102Aにて開口する第1偏心孔137Aが、第2ラジアル軸受け130Bの上方位置まで達するように形成されている。固定軸100の第5フランジ102とは反対側の端面100Aにて開口する第2偏心孔137Bが、第1ラジアル軸受け130Aの下方位置まで達するように形成されている。第1,第2偏心孔137A,137Bは、第1ラジアル軸受け130Aの下方位置、第2ラジアル軸受け130Bの上方位置及び下方位置の計3箇所にて、固定軸100の外周面に開口する第2横孔136と連通している。なお、第1偏心孔137Aの下端側は気密シール部材137Cにより塞がれている(図2参照)。
第5フランジ102には、第1偏心孔137Aに連通するバイパス孔138が形成され、このバイパイ孔138は端面102Aにて開口している。なお、第5フランジ102には、図2の底面図である図3に示すように、図1に示すボルトにより固定軸100を第3ケーシング40の軸受け壁部46と締結するためのねじ孔139が複数個形成されている。
(ラジアル軸受けの作用)
先ず、第1,第2ラジアル軸受け130A,130Bの作用について説明する。モータ120のうちステータ124のコイルに通電すると、ロータ122及びステータ124間での相互磁気作用により、ロータ122が回転駆動される。ロータ122の回転により円筒部材110と共に第1回転部62が回転され、第1吸気口22より気体を吸引して、ターボ分子ポンプ10が作動する。
第1,第2ラジアル130A,130Bでは、固定軸100に形成されたヘリングボーン型の多数の動圧溝132が、固定軸100と円筒部材110との間の僅かな隙間(例えば5〜10μm)にて露出して回転されることになる。こうすると、空気の粘性に基づくせん断力によって、中心孔134から第1横孔135を介して、固定軸100と円筒部材110との間の僅かな隙間に空気を引き込み、それによって動圧を発生させる。この動圧は、被回転駆動部としての円筒部材110を、ガイド部材である固定軸100に対してラジアル方向にて非接触で支持する支持力となる。こうして、第1,第2ラジアル軸受け130A,130Bは、スラスト方向で離れた2箇所にてラジアル軸受けとして機能して、被回転駆動部としての円筒部材110をラジアル方向にて安定して支持することができる。しかも、非接触軸受けであるので、騒音や磨耗の低減を図ることができ、オイルによる汚染の心配もない。なお、固定軸100と円筒部材110との間の僅かな隙間に引き込まれて動圧を発生させた空気は、第2横孔136と偏心孔137A,137Bを介して排気することができる。
(スラスト軸受け)
図1に示すように、第1,第2ラジアル軸受け130A,130Bの間にて固定軸100に形成されるスラスト軸受け140は、図2に示すように固定軸100の直径を他の箇所よりも小径とされた磁石配列部142を有する。この磁石配列部142には、図5及び図6に示す第1部材143が配置される。この第1部材143は、スラスト方向に沿って間隔をおいて、かつ、スラスト方向で異極同士が隣り合うように配置された複数の永久磁石144,146を含んでいる。永久磁石144,146は互いに着磁方向が異なり、永久磁石144をS極リングと称し、永久磁石146をN極リングと称する。
S極リング144とは、図6に示すように外周面がS極で内周面がN極となるように着磁されたリング状永久磁石である。N極リング146とは、S極リング144とは着磁方向が異なり、図6に示すように外周面がN極で内周面がS極となるように着磁されたリング状永久磁石である。なお、S極リング144及びN極リング146は、固定軸100の磁石配列部142への取り付け上の便宜等から、周方向で分割された複数の円弧状ピースを、ギャップを介して組み合わせて全体としてリング状とすることができる。このとき、円弧状ピース間のギャップは、周方向での磁場作用に悪影響がない範囲で設定できる。
この第1部材143では、スラスト方向隣り合うN極またはS極リング144,146を隔離するために、非磁性体リング145を挿入配置することができる。各リング144−146の厚さTは例えば1.5mmであり、各リング144−146のリング部分の幅W=(外径−内径)/2は例えば2mmである。
ここで、第1部材143では、複数のN極リング144と複数のS極リング146とは、スラスト方向にて隣り合う2つが異極同士と同極同士とを交互に繰り返す配置関係にて配置されている。つまり、本実施形態では、スラスト方向にて両端に2つのS極リング146が配置され、その2つのS極リング144のそれぞれの内側に2つ、計4つのN極リング146が配置され、さらにそのN極リング146の内側に2つのS極リング144が配置されている。これに代えて、スラスト方向の両端にN極リング146を配置してもよく、S極及びN極リング144,146の総数は8個を超える数でも良い。
一方、円筒部材110には、固定軸100に取付けられた第1部材143に対して周方向の少なくとも一部にて対向して配置されて磁性を帯びる第2部材148が配置されている。この第2部材148は、図7に示すように、例えば非磁性体にて形成された円筒部材60の内面側に配置され、リング状に形成された磁性体149を有する。この第2部材148をスラスト方向で見ると、図1に示すように、第1部材143のうちS極リング144とN極リング146とにラジアル方向で対向する各位置にて、スラスト方向で間隔をおいて磁性体149が配置されている。
なお、第2部材148を磁性体でなく、スラスト方向で分割され、かつ、第1部材143と対向して磁気吸引するように着磁された永久磁石としても良い。この場合、第2部材148は、S極リングに対向する位置にN極リングが、N極リングに対向する位置にS極リングを配置すれば良い。さらに、第2部材148は、リング状に形成せずに、例えば直径方向の線上で相対向する2箇所であって、各箇所にて角度θ(例えばθ=60゜)に亘って磁性体または永久磁石149を円筒部材110に配置してもよい。
本実施形態の固定軸100と円筒部材110との間の隙間は、固定軸100の第5フランジ102と第2ラジアル軸受け130Bとの間にあっては、隙間シール部150により気密にシールされている。
(ポンプの組立方法とスラスト軸受けの作用)
排気口42とステータ124が固定された第3ケーシング40の上方より、第1部材143が取付けられた固定軸100を挿入する。固定軸100の下端の第5フランジ102が、第3ケーシング40の軸受け壁部46にOリングを介してボルトにより気密に締結される。
次に、第2吸気口32を有する第2ケーシング30を第3ケーシング40に固定した後に、第1回転部62、第2回転部72及びロータ122が固定された円筒部材110が固定軸100に上方から挿入される。最後に第1吸気口22及び筒状隔壁24を有する第1ケーシング20が第2ケーシング30に締結されて、並列吸気ポンプ10が完成する。
ここで、第1回転部62、第2回転部72及びロータ122が固定された円筒部材110は、固定軸100の上方から挿入されるだけで良く、組立は格段に容易である。このとき、円筒部材110に設けられた第2部材148が、固定軸100に設けられた第1部材143と対向することで、第2部材148の磁性体149が磁性を帯び、相対向する異極同士が磁気吸引される。このスラスト軸受け140の作用により、スラスト方向にてフリーの被回転駆動部62,110,122を、該被回転駆動部62,110,122の自重と吊り合ったスラスト方向での所定位置に維持することができる。
この意味で、本実施形態はスラスト方向を水平方向とするよりもむしろ鉛直方向とするものに好適である。スラスト方向が水平方向であると、被回転部62,110,122の自重は、ラジアル軸受けにて受け持たれるからである。つまり本実施形態は、被回転部62,110,122の自重またはその一部がスラスト方向に作用するように、スラスト方向が鉛直方向であるか、あるいは鉛直方向に対して傾斜してものにも好適である。
スラスト方向での軸受け作用を、図8(A)(B)を参照して説明する。図8(A)は、第1部材143の例えばS極リング144の中心線CL1に第2部材148の磁性体149の中心線が完全に一致した正対状態を示す。磁性体149の対向面はN極を帯びる。被回転駆動部62,110,122が無荷重であると図8(A)の位置でスラスト位置が決まるが、実際には被回転駆動部62,110,122のスラスト方向の荷重(図1での鉛直荷重である自重)が作用するのでそうならない。図8(B)は、第1部材143のS極リング144の中心線CL1に対して、第2部材148の磁性体149の中心線CL2が完全正対位置よりも下方に変位量dyだけずれた状態を示している。図8(A)の完全正対位置ではN極からS極に磁束が流れ易い一方で、図8(B)では変位量dyだけずれること磁束が流れ難くなり、図8(A)側に復元しようとする復元力Fyが生じている。図8(B)は、被回転駆動部62,110,122の重量と復元力Fyとが吊り合った状態であり、これにより定常時の被回転駆動部62,110,122のスラスト位置が所定位置に定まる。
図9に示す実線は、図1のスラスト軸受け140(磁石の材質:Nd42BH)を用いて計算した、変位量dyと復元力Fyとの関係のシミュレーション結果を示している。同図の実線から明らかなように、変位量dyがある範囲内(図9ではdyの最大値1mmまで算出)であれば、復元力Fyは変位量dyに対して比例的に増大している。
ただし、図8(B)において変位量dyがさらに増大して、例えばS極リング144と磁性体149とが非対向となると、復元力Fyは作用しなくなる。被回転駆動部62,110,122は、定常時には被回転駆動部62,110,122の重量と復元力Fyとが吊り合った状態であり、これにより定常時の被回転駆動部62,110,122の自重と吊り合った所定位置に維持されるため、大きな外力が作用しない限り、変位量dyが1mmにも達することはない。しかし、本実施形態は並列吸気ポンプ10に適用したもので、図1の第1吸気口22、第2吸気口32または排気口42側が一気に大気圧になった非定常時には、被回転駆動部62,110,122に大きな外力が作用することがある。そこで、円筒部材110の下限・上限ストッパを設けている。
図10は、ピボット型の下限・上限ストッパの一例を示している。図10に示すように、図1に示す第1回転部62には、その下面に臨んで半球状に形成された第1凹部62Aと、その上面に臨んで半球状に形成された第2凹部62Bとが設けられている。一方、固定軸100の上端には先端が半球面状の下限ストッパ104が設けられると共に、第1ケーシング20には下端が半球面状の上限ストッパ29が設けられている。図10において、第1回転部62のスラスト方向の位置が図8(B)に示す所定位置であるとすると、第1凹部62Aと下限ストッパ104との間の許容クリアランスCLLと、第2凹部62Bと上限ストッパ29との間の許容クリアランスCLUとは共に例えば1mmに設定されている。
本実施形態では、図6に示すように、スラスト方向で互いに異極(S−N)の永久磁石であるS極リング144及びN極リング146が隣り合うように、複数の永久磁石リング144,146を配列している。しかも、スラスト方向にて隣り合う2つが互いに異極(S−N)の永久磁石であるS極リング144及びN極リング146同士の組と、互いに同極(S−SまたはN−N)の永久磁石であるS極リング144同士またはN極リング146同士の組とを、交互に繰り返す配置関係にて配置されている。
図6では、スラスト方向で隣り合う互いに異極(S−N)の永久磁石である、4組のS極リング144及びN極リング146にて磁気回路が閉鎖されている。この実施形態の第1部材143を用いると、図9の実線で示す変位量dy−復元力Fyの特性を得ることができる。
一方、図6の配置とは異なり、スラスト方向でN極とS極の異極同士144,146が必ず隣り合うように、複数の永久磁石リング144,146を配列することもできる。例えば、S極リング144、N極リング146、S極リング144、N極リング146、…の順で配列することもできる。ただし、この場合には、図6にて破線で示す変位量dy−復元力Fyの特性となり、実線の特性より復元力Fyは小さくなることが分かった。しかも、スラスト方向の両端側にてS極リング144の磁気回路が閉じないので、スラスト方向での漏れ磁界も大きくなる。この点で、図6に示す磁石配列の方が優れている。
上述した実施形態によれば、鉛直方向に自重が作用する被回転駆動部62,110,122に対して、その自重と吊り合った力をスラスト方向に発生させて、非接触での軸受けが可能となる。しかも、スラスト軸受け140は電磁石でなく永久磁石144,146を用いているので、電流制御も不要である。このように、ラジアル方向は気体軸受けとし、スラスト方向では磁気軸受として、両方向を非接触な軸受けとしたので、軸受け130A,130B,140にて発生する熱は、図1に示す冷却フィン48による自然空冷により放熱させることができる。
(軸及び円筒部材の変形例)
図11は、スラスト軸受け140の組み立て上の便宜から、固定軸100の第1ラジアル軸受け130Aの領域を小径部101に形成している。小径部101を有する図11に示す固定軸100が図2とさらに異なる点は、スラスト軸受け140を形成する8個の永久磁石144,146を固定軸100に挿入した後、その上端に抜け止めのCリング101Aを圧入した点である。よって、図2に示す固定軸100を用いた場合のように、8個の永久磁石144,146を円周方向で半割りピース状として装着しなくても良い。図11に示す円筒部材110は、Cリング101Aと干渉しないための逃げ孔114を有すると共に、固定軸100の小径部101にフィットさせるための厚肉部116を有する。
(第2実施形態)
図12は、図1とは異なる並列吸気ポンプ160を示している。図12に示す並列吸気ポンプ160が図1と異なる点は、排気口42が第3ケーシングの軸受け壁部46に固定され、図2及び図3に示すバイパス孔138と連通させた点である。この場合、図1に示す隙間シール部150に代えてねじシール部162が形成されている。
このねじシール部162は、第1ポンプ60及び第2ポンプ70に対して低排気速度となる排出段側の補助ポンプとして機能する。第1,第2ポンプ60,70によって圧縮排気された気体は、排気室58から直ちに排気されない。排気室58の気体は、ねじシール部162による補助ポンプにてさらに圧縮され、さらに固定軸100の第2横孔136、偏心孔137A、バイパス孔138及び軸受け壁部46に形成した孔(図示せず)を介して、排気口42に排気される。
(真空装置の実施形態)
次に、図1または図12に示す並列吸気ポンプを用いた真空装置について説明する。図13は、特許文献1に示すリーク検出装置を備えた真空装置に本発明を適用した実施形態である。
この真空装置は、被処理体を真空処理するメインチャンバ200を有する。このメインチャンバ200には高真空ポンプ210が接続され、高真空ポンプ210によりメインチャンバ200内が真空引きされる。メインチャンバ200に微小孔202が存在すると、メインチャンバ200の周囲に用意したプローブガス204がメインチャンバ200内に侵入するようになっている。
メインチャンバ200内にプローブガス204が侵入したことを検知してリーク検出を行う装置220が、メインチャンバ200に接続されている。このリーク装置220は、図16に示すねじシール部162を備えた並列吸気ポンプ160と、リーク検出器230とを有する。
並列吸気ポンプ160は、第1吸気口22がメインチャンバ200に接続され、第2吸気口32がリーク検出器230に接続され、排気口42は大気に開放されている。このように、本実施形態では、特許文献1に示す第1、第2ポンプ(P1,P2)、流量調整弁(V2)及び補助ポンプ(P4)を、一つの並列吸気ポンプ160で代用することができる。このため、装置の小型化、低価格化が図れる。
この装置では、メインチャンバ200に微小孔202が存在すると、その周囲に用意したプローブガス204がメインチャンバ200に侵入する。このプローブガス204を含む気体は、メインチャンバ200に接続された並列吸気ポンプ160の第1ポンプ60の作動により、第1吸気口22から吸引され、高圧縮されて背圧側に導かれる。この第1ポンプ60と背圧側を共通とする第2ポンプ70では、その排気方向とは逆にプローブガス204を含む気体が移動するカウンターフロー現象が生ずる。この現象を利用して、リーク検出器230にてメインチャンバ200のリークを検出できる。第2ポンプ(P2)は、第1ポンプ(P1)よりも圧縮率が低く、さらに、第1,第2ポンプ(P1,P2)の背圧側に接続される補助ポンプの排気速度を極端に絞って低コンダクタンスとしている。こうして、プローブガスのS/Nを向上して高精度でのリーク検出が可能となる。
次に、図1に示す並列吸気ポンプ10を用いた真空装置について、図14及び図15を参照して説明する。図14では、一般の真空装置の基本的構成として、メインチャンバ240とゲートバルブ242を介して接続されるサブチャンバ例えばロードロックチャンバ250を示している。従来は、メインチャンバ240を真空引きする真空ポンプと、ロードロックチャンバ250を真空引きする真空ポンプとの少なくとも2台のポンプが用意される。
本実施形態では、従来必要であった2台の真空ポンプを1台の並列吸気ポンプ10にて代用している。つまり、図1に示す並列吸気ポンプ10の第1吸気口22がメインチャンバ240に接続され、第2吸気口32がロードロックチャンバ250に接続され、排気口42は図示しないロータリーポンプ等の荒引きポンプに接続されている。ロードロックチャンバ250よりも容積が大きいメインチャンバ240は並列吸気ポンプ10のうちの高排気速度(高排気量)の第1ポンプ60で真空引きし、メインチャンバ240よりも容積の小さいロードロックチャンバ250は並列吸気ポンプ10のうちの低排気速度(低排気量)の第2ポンプ70で真空引きできる。なお、ロードロックチャンバ250が大気開放された後に真空引きする際には、バルブ切り換えによりロードロックチャンバ250をロータリーポンプ等の荒引きポンプで排気することが好ましい。
図15は、成膜用のメインチャンバ260にゲートバルブ262を介して、RHEED電子銃を備えたサブチャンバ270を接続した真空装置を示している。サブチャンバ270内に備えたRHEED電子銃にて、メインチャンバ260の被処理体に成膜された膜の特性を観測するものである。この際、サブチャンバ270はメインチャンバ260と連結されるが、サブチャンバ270内のアパーチャより上流側(電子銃側)をメインチャンバ260内よりも高真空度とする必要がある。従来は、メインチャンバ260を真空引きする真空ポンプと、サブチャンバ270を差動排気する真空ポンプとの少なくとも2台のポンプが用意される。
本実施形態では、従来必要であった2台の真空ポンプを1台の並列吸気ポンプ10にて代用している。つまり、図1に示す並列吸気ポンプ10の第1吸気口22がメインチャンバ260に接続され、第2吸気口32がサブチャンバ270に接続され、排気口42は図示しないロータリーポンプ等の荒引きポンプに接続されている。こうして、メインチャンバ260を真空引きするポンプと、サブチャンバ270を差動排気するポンプとを、一つの並列吸気ポンプ10で構成できる。なお、サブチャンバ270はガス負荷や差動圧力等はメインチャンバ260での処理圧力で決定されるため、操作手順を適切にすれば電子銃チャンバ270に荒引きポンプを直結させる必要はなくなる。
なお、一つのポンプに二つ以上の吸気口を有するポンプとして、アルカテル製のATH20/40がある。このポンプは、主吸気口のほかに分子ドラック部に二つの吸気口が設けられている。
しかし、この三つの吸気口は一つのポンプを形成している部分に配置されるため、一つの吸気口の状況が他の二つの吸気口にも影響するという欠点がある。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
例えば、本実施形態では第1ポンプ60および第2ポンプ70を共にターボ分子ポンプとしたが、これに限定されない。第1,第2ポンプ60,70は、用途に応じて選択でき、第1,第2回転部62,72を同一の駆動源で回転する限りポンプの種別は適宜変更できる。
また、回転停止時に、ラジアル軸受け130A,130Bを、動圧軸受けから静圧軸受けに切り替えてもよい。ラジアル軸受け130A,130Bを静圧軸受けとして作用させるためには、別途に用意したガスを中心孔104に圧送して供給すればよい。
第1実施形態に係る並列吸気ポンプの概略断面図である。 図1に示す並列吸気ポンプの軸を示す図である。 図1に示す軸の底面図である。 図2に示すIV−IV断面図である。 図1に示す軸に第1部材を取付けた状態を示す図である。 図5に示す第1部材を示す図である。 図1に示す第2部材を示す図である。 図8(A)は第1,第2部材が完全に正対した状態を、図8(B)は第1,第2部材がセンターずれして対向した状態をそれぞれ示す図である。 第1,第2部材の変位量とそれに応じて発生する復元力との関係を示す特性図である。 被回転駆動部の下限・上限ストッパを示す図である。 図2に示す第1ラジアル軸受けの領域を小径部に形成した軸の変形例を示す図である。 第2実施形態に係る並列吸気ポンプの概略断面図である。 第2実施形態に係る並列吸気ポンプを用いた真空装置の一例を示す図である。 第1実施形態に係る並列吸気ポンプを用いた真空装置の一例を示す図である。 第1実施形態に係る並列吸気ポンプを用いた真空装置の他の一例を示す図である。
符号の説明
10 並列吸気ポンプ、20 第1ケーシング、22 第1吸気口、24 筒状隔壁、24A 第2のねじ溝、26 第1フランジ、28 第2フランジ、29 上限ストッパ、30 第2ケーシング、32 第2吸気口、34 第3フランジ、40 第3ケーシング、42 排気口、44 第4フランジ、46 軸受け壁部、48 冷却フィン、50 ポンプ室、52 内室、54 外室、58 排気室、60 第1ポンプ(ターボ分子ポンプ)、62 第1回転部、62A 第1凹部、62B 第2凹部、63 ねじ溝、70 第2ポンプ(ターボ分子ポンプ)、72 第2回転部、72A 第1のねじ溝、74 連結板、74A 貫通孔、100 固定軸、101 小径部、101A Cリング、100A 端面、102 第5フランジ、102A 端面、104 下限ストッパ、110 円筒部材、116 厚肉部、120 モータ、122 ロータ、124 ステータ、130A,130B 第1,第2ラジアル軸受け、132 ヘリングボーン溝、134 中心孔、135 第1横孔、136 第2横孔、137A,137B 第1,第2偏心孔、138 バイパス孔、140 スラスト軸受け、142 磁石配列部、143 第1部材、144 S極リング、145 非磁性体リング、146 N極リング、148 第2部材、149 磁性体、150 隙間シール部、160 並列吸気ポンプ、162ねじシール部、200 メインチャンバ、202 微小孔、204 プローブガス、210 高真空ポンプ、220 リーク検出装置、230 リーク検出器、240 メインチャンバ、250 ロードロックチャンバ(サブチャンバ)、260 メインチャンバ、270 サブチャンバ

Claims (11)

  1. ケーシングと、
    前記ケーシングに固定され、前記ケーシング内を内室と外室とに区画する筒状隔壁と、
    前記内室に連通する第1吸気口と、
    前記外室に連通する第2吸気口と、
    前記第1吸気口から取り込まれた気体を、前記内室にて回転する第1回転部により圧縮する第1ポンプと、
    前記第2吸気口から取り込まれた気体を、前記外室にて回転する第2回転部により圧縮する第2ポンプと、
    前記第1及び第2回転部と連結された回転軸部と、
    前記ケーシングに設けられ、前記第1及び第2ポンプでそれぞれ圧縮された気体を排気する排気口と、
    を有することを特徴とする並列吸気ポンプ。
  2. 請求項1において、
    前記第1ポンプ及び前記第2ポンプは、互いに排気速度が異なるポンプであることを特徴とする並列吸気ポンプ。
  3. 請求項1または2において、
    前記回転軸部は、固定軸に挿通される円筒部材であり、
    前記円筒部材、前記第1,第2回転部を含んだ被回転駆動が一体的に回転されることを特徴とする並列吸気ポンプ。
  4. 請求項3において、
    前記第2回転部は、前記円筒部材に連結される連結板を含み、前記連結板により、前記ケーシング室内が、前記第1,第2吸気口を有するポンプ室と、前記排気口を有する排気室とに区画され、
    前記連結板には、前記ポンプ室と前記排気室とを連通させる少なくとも一つの貫通孔が形成されていることを特徴とする並列吸気ポンプ。
  5. 請求項3または4において、
    前記排気室に配置され、前記筒状部材に固定されたロータと、
    前記排気室に配置され、前記ケーシングに固定されて前記ロータを回転駆動するステータと、
    をさらに有することを特徴とする並列吸気ポンプ。
  6. 請求項3乃至5のいずれかにおいて、
    前記固定軸と前記円筒部材との隙間に気体圧を発生させて、前記固定軸と前記円筒部材とをラジアル方向にて非接触に維持する少なくとも一つのラジアル軸受けと、
    前記固定軸スラスト方向に沿って間隔をおいて、かつ、スラスト方向でN極とS極の異極同士が隣り合うように配置された複数の永久磁石リングを含む第1部材と、前記円筒部材にて前記第1部材に対向して配置されて磁性を帯びる第2部材とを含み、スラスト方向にてフリーの前記被回転駆動部を、該被回転駆動部のスラスト方向の荷重と吊り合ったスラスト方向での所定位置に維持する少なくとも一つのスラスト軸受けと、
    をさらに有することを特徴とする並列吸気ポンプ。
  7. 請求項3乃至6のいずれかにおいて、
    前記ケーシングの排気側に臨む前記固定軸の一端側に開口する縦孔と、
    前記縦孔に連通して前記固定軸の外周面に開口する横孔と、
    前記ケーシングの排気側に臨む前記固定軸及び前記円筒部材の一端側に形成され、第1,第2ポンプで圧縮された気体が導入されて、前記固定軸と前記円筒部材との間の隙間にて圧縮して前記横孔に排気するねじシール部と、
    をさらに含み、
    前記排気口は前記固定軸の前記縦孔に連通していることを特徴とする並列吸気ポンプ。
  8. メインチャンバと、
    メインチャンバにゲートバルブを介して接続されるサブチャンバと、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の並列吸気ポンプと、
    を有し、
    前記並列吸気ポンプの前記第1吸気口が前記メインチャンバに接続され、前記第2吸気口が前記サブチャンバに接続されていることを特徴とする真空装置。
  9. 請求項8において、
    前記サブチャンバはロードロックチャンバであることを特徴とする真空装置。
  10. 請求項8において、
    前記メインチャンバは成膜装置であり、前記サブチャンバはRHEED電子銃を備えたチャンバであることを特徴とする真空装置。
  11. メインチャンバと、
    請求項7に記載の並列吸気ポンプと、
    リーク検出器と、
    を有し、
    前記並列吸気ポンプの前記第1吸気口が前記メインチャンバに接続され、前記第2吸気口が前記リーク検出器に接続されることを特徴とする真空装置。
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