JP5306142B2 - 作業機械のキャブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ロック機構を備えた作業機械のキャブ構造に関する。
油圧ショベルを始めとする作業機械のキャブ(運転室)には、シートの左右両側方にコンソールが配置されている。このコンソールには、作業機械に搭載される各種油圧アクチュエータの操作レバーや、オペレータ(操作者)の不在時における各種油圧アクチュエータの動作を禁止するための油圧ロックレバーが設けられる。
例えば特許文献1には、コンソールに対して回動自在に支持されたオン/オフ操作の油圧ロックレバーが記載されている。ここでは、油圧ロックレバーを略水平に持ち上げて出入口を遮断する位置に操作すると機械稼働が許容され、油圧ロックレバーの前端側を下方へ回動させて出入口を開放する位置に操作すると機械稼働が禁止される。なお、出入口とはキャブの側面に設けられたドアの開放時における開口部を意味している。
つまり、オペレータの乗降の際やシートに着座していないときには作業機械の稼働が禁止され、作業機械の稼働時にはオペレータのキャブからの降車が妨げられる。このように、従来のロック機構によれば、オペレータの不在時における作業機械の不用意な動作を防止することができる。
特開2009−68280号公報
近年、作業機械のキャブには、各種油圧アクチュエータの操作性や作業性だけでなく、快適な室内環境を提供するための空間設計が要求されている。そこで、キャブの乗り降りのしやすさを高めるべくコンソールを小型化し、あるいはシートをキャブ内の後方へ移動させたレイアウトとすることが考えられる。すなわち、シート前方の空間を広くすることでドア開放時の昇降スペースの面積を増大させるものである。
しかしながら、上述のようなロック機構を備えたキャブにおいては、コンソールとキャブの前面との距離が大きくなるほど、出入口を遮断するための油圧ロックレバーを長くする必要がある。一方、油圧ロックレバーを単純に延長するとその回動操作時にキャブの床面と干渉するため、十分な長さを確保することができない。
また、キャブ内に設けられるシートには、着座位置を上下,前後方向へ調整するためのアジャスタを備えたものがある。このようなシートに固定されたコンソールに油圧ロックレバーを支持させる場合には、着座位置を最も低く設定した状態で、かつ、前後方向の任意の位置でキャブの床面と干渉しないように油圧ロックレバーの長さを設定しなければならない。そのため、コンソールとキャブの前面との距離を大きくすることができず、昇降スペースを拡大しにくい。
このように、油圧ロックレバーをはじめとするロック機構を備えた従来の作業機械では、キャブのレイアウトがロック機構の機能的,構造的な要求によって制限されやすく、室内空間の快適性や居住性を高めることが難しいという課題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成で、ロック機構の機能及び構造を妨げることなくキャブの使いやすさを向上させることができるようにした、作業機械のキャブ構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明の作業機械のキャブ構造は、作業機械のキャブにおける床面をなすフロアプレートと、該キャブの内部に移動可能に支持されるとともに、該作業機械の動作を許容しかつ乗員の乗降を禁止すべく横向きに配置されるロック解除姿勢と、該作業機械の動作を禁止しかつ乗員の乗降を許容すべく下向きに配置されるロック姿勢との少なくとも二姿勢に変姿自在に設けられた遮断棒と、該フロアプレート上において該遮断棒の移動範囲と干渉する部位に穿孔された開口部と、を備えたことを特徴としている。
該遮断棒によって禁止又は許容される該作業機械の動作とは、該作業機械に搭載される油圧アクチュエータの動作であってもよいし、該作業機械に搭載される電動アクチュエータの動作であってもよい。あるいは、該遮断棒が該作業機械の動作を物理的に阻害する機構の動作を禁止又は許容するものとしてもよい。
例えば、油圧ショベルの場合には、フロント作業機や走行装置,旋回装置等の動作が該遮断棒によって禁止又は許容される。また、ホイールローダやブルドーザの場合には、リフトアームやブレード,走行装置等の動作が該遮断棒によって禁止又は許容される。
これらの場合、該遮断棒が、油圧アクチュエータへの圧油供給を停止することによって該作業機械の動作を禁止し、油圧アクチュエータへの圧油供給を許容することによって該作業機械の動作を許容する制御を実施するものであることが好ましい。
また、請求項2記載の本発明の作業機械のキャブ構造は、請求項1記載の構成に加えて、該開口部が、該ロック姿勢及び該ロック解除姿勢間における該遮断棒の移動軌跡の途中に位置するように設けられていることを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の作業機械のキャブ構造は、請求項1又は2記載の構成に加えて、弾性を有する素材からなり、該開口部を覆って該キャブの内外を区画するカバー部材と、該カバー部材に形成され、該開口部を開放可能に閉鎖する弁部と、をさらに備えたことを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の作業機械のキャブ構造は、請求項3記載の構成に加えて、該弁部が、該ロック姿勢及び該ロック解除姿勢間における該遮断棒の移動軌跡の途中に位置するように設けられていることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明の作業機械のキャブ構造は、請求項3又は4記載の構成に加え、該遮断棒が、該カバー部材に接触して該弁部を拡開させることを特徴としている。例えば、該カバー部材と該遮断棒との接触時に該弁部が拡開するように、該カバー部材の位置,該遮断棒の位置又は長さが設定されることを特徴とする。
また、請求項6記載の本発明の作業機械のキャブ構造は、請求項5記載の構成に加え、該弁部が、該ロック姿勢及び該ロック解除姿勢間における該遮断棒の先端の移動軌跡の中途で該遮断棒に接触する位置に設けられていることを特徴としている。
つまり、該遮断棒を動かしたときに(該遮断棒の操作位置を該ロック姿勢及び該ロック解除姿勢の何れか一方から他方へと変化させる操作の過程で)該弁部が開放され、該遮断棒の姿勢が該ロック姿勢又は該ロック解除姿勢であるときには該弁部が閉鎖される。
また、請求項7記載の本発明の作業機械のキャブ構造は、請求項3〜6の何れか1項に記載の構成に加え、該フロアプレートの上面を覆って敷設されるフロアマットをさらに備え、該カバー部材が、該フロアマットの上面よりも下方に配置されることを特徴としている。
また、請求項8記載の本発明の作業機械のキャブ構造は、請求項3〜7の何れか1項に記載の構成に加え、該カバー部材が、該フロアプレートの上面を覆って敷設されるフロアマットと一体に形成されることを特徴としている。
本発明の作業機械のキャブ構造(請求項1)によれば、遮断棒とフロアプレートとの干渉を防止しつつ、遮断棒の長さを延長することができ、キャブの昇降スペースを拡大することができる。
また、本発明の作業機械のキャブ構造(請求項2)によれば、遮断棒の移動状態でのフロアプレートとの干渉を防止することができる。
また、本発明の作業機械のキャブ構造(請求項3)によれば、キャブの内圧を保持することができる。例えば、カバー部材によりキャブ内圧を高めることができ、また、キャブ内圧が所定圧よりも高圧となった場合には、弁部によりキャブ内圧を低下させることができる。このように、キャブに設けられるエアコン装置のプレッシャライザ機能を確保することができ、簡素な構成で内気の調整が可能である。
また、本発明の作業機械のキャブ構造(請求項4)によれば、遮断棒の移動状態でのカバー部材との干渉を防止することができる。
また、本発明の作業機械のキャブ構造(請求項5)によれば、遮断棒をカバー部材に接触させることでキャブの内外を連通させることができる。例えば、カバー部材の上に蓄積しうる塵埃をキャブ室の外へ排出することができ、キャブ内の圧抜きが可能である。
また、本発明の作業機械のキャブ構造(請求項6)によれば、遮断棒の姿勢に関わらず、キャブの内圧を保持することができる。
また、本発明の作業機械のキャブ構造(請求項7)によれば、フロアマット上の塵埃をカバー部材上に集積することができ、キャブ内部の清掃性を向上させることができる。なお、カバー部材に弁部が形成されている場合には、キャブ内部の水洗い時における水抜き孔として弁部を利用することができる。
また、本発明の作業機械のキャブ構造(請求項8)によれば、部品点数を削減することができ、コスト低減が可能となる。
本発明の一実施形態に係るキャブ構造が適用された油圧ショベルを示す側面図である。 図1の油圧ショベルのキャブ内部を透視して示す斜視図である。 図2のキャブ内部を示す側面図である。 図3の油圧ロックレバーの移動軌跡を示す側面図である。 図2のカバー部材を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)は縦断面図〔(a)のA−A断面図〕である。 変形例としてのキャブ構造におけるカバー部材の縦断面図である。 変形例としてのキャブ構造を説明するための図であり、(a)は油圧ロックレバーの移動軌跡を示す側面図、(b)は油圧ロックレバーとカバー部材との接触状態を示す縦断面図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[1.構成]
本キャブ構造が適用された油圧ショベル20を図1に示す。油圧ショベル20は、クローラ式の油圧走行装置を装備した下部走行体21と、油圧式の旋回装置16を介して下部走行体21の上に搭載された上部旋回体22とを備えて構成される。
上部旋回体22は、機体前方へ向けて延出する油圧駆動式の作業装置19,オペレータ(操作者)の搭乗室であるキャブ10,マシンルーム18,機体の重量バランスを保つためのカウンタウェイト23を備えて構成される。キャブ10,マシンルーム18及びカウンタウェイト23は、上部旋回体22の下端部において水平に配置される骨組み部材としての旋回フレーム13上に支持又は固定される。また、作業装置19は旋回フレーム13に対して上下方向に起伏自在に軸支される。なお、旋回装置16は、下部走行体21に対して旋回フレーム13を水平面内で回転駆動することで上部旋回体22の全体を旋回させる。
マシンルーム18内には、作業装置19や旋回装置16といった油圧アクチュエータへの作動油供給源である油圧ポンプ17が設けられる。なお、油圧ポンプ17は図示しないエンジンによって駆動される。油圧ポンプ17と作業装置19及び旋回装置16との間を接続する油圧配管上には、各油圧アクチュエータへ供給される作動油流量及び流通方向を制御するコントロールバルブ15が介装される。
図2に示すように、キャブ10内には、オペレータが着席するシート8(運転席)が設けられる。このシート8は、シートアジャスタ14及びシートサポート27を介してキャブ10の床面をなすフロアプレート1上に設置される。また、フロアプレート1上には、弾性を有する素材(例えば、ゴムや樹脂素材)からなるフロアマット6が敷設される。なお、図2は便宜的にフロアマット6を部分的に切断してフロアプレート1を露出させた状態を示す。
シートアジャスタ14は、オペレータの操作によりそれ自身がキャブ10の前後方向及び上下方向へと移動,傾斜するものであり、シート8の設置位置や角度をオペレータの体型や作業姿勢に応じて調整する機能を持つ。シートアジャスタ14にはサスペンションが内蔵されている。なお、以下特記しない限り、前後方向,左右方向及び上下方向とは、キャブ10内における各方向を意味するものとする。
シート8の左右側方のそれぞれにはコンソール7が配置され、シート8の後方にはキャブ10内の空調用のエアコン装置11が設置される。このエアコン装置11は、キャブ10の外部から内部へと外気を導入することで室内の気圧を外気圧よりも高圧とするプレッシャライザ機能を有する。
コンソール7は、シートアジャスタ14に対して固定される。なお、シートアジャスタ14にはシート8とコンソール7との相対的な前後位置を調整する機構が内蔵されており、キャブ10内におけるシート8及びコンソール7の各々の位置は別個に設定可能である。
また、コンソール7の上端部前方には、作業装置19及び旋回装置16の作動量を入力するための一対の操作レバー9が取り付けられる。各操作レバー9は、入力される操作量に応じた大きさのパイロット圧をコントロールバルブ15に伝達することで、各油圧アクチュエータの作動量を制御する。なお、左右それぞれのコンソール7の内部には、パイロット圧を生成するためのリモコンバルブと、パイロット圧をリモコンバルブからコントロールバルブ15へと伝達するパイロット油圧配管(ともに図示せず)が内蔵されている。
図3に、キャブ10の左側面に設けられたドア12の開放された状態における輪郭線を一点鎖線で示す。オペレータがキャブ10へ乗り込む際やキャブ10から降りる際には、ドア12の前端よりも前方の空間が昇降スペースとなり、ドア12の前端とキャブ10の前面(あるいはドア開口部の前端)との間の距離が出入口の幅となる。なお、コンソール7は、シートアジャスタ14での調整により、図3中のX方向及びY方向へ移動する。したがって、出入口の幅はシートアジャスタ14による調整量に応じた大きさとなる。
シート8の左側面に設けられたコンソール7には、油圧ロックレバー2(遮断棒)が取り付けられる。油圧ロックレバー2はその基端部2bがコンソール7に対して回動可能に設けられる。図3に示すように、油圧ロックレバー2は、コンソール7から前方へ向けて横向きに配置されるロック解除姿勢Q(実線で示す)と、コンソール7から下向きに配置されるロック姿勢R(破線で示す)との二姿勢に変姿自在に支持される。油圧ロックレバー2の先端部2aは非固定(フリーの状態)である。なお、油圧ロックレバー2のロック解除姿勢Qは、キャブ10の昇降スペースを介したオペレータの乗降を阻止する姿勢であり、ロック姿勢Rはそのような乗降の妨げにならない姿勢である。
この実施形態では、ロック解除姿勢Qで先端部2a及び基端部2bの高さがほぼ同一である。また、ロック姿勢Rでは、基端部2bからフロアプレート1へ垂直に下ろした垂線よりも後方に先端部2aが位置する。基端部2bの近傍には、油圧ロックレバー2をその回動方向に付勢する図示しない付勢手段(例えばバネやゴム)が設けられる。これにより、油圧ロックレバー2の姿勢がロック解除姿勢Q又はロック姿勢Rの何れか一方で安定する。
油圧ロックレバー2は、オペレータによってロック姿勢Rに操作された状態ではパイロット油圧配管を遮断して油圧ショベル20の動作を禁止し、ロック解除姿勢Qに操作された状態ではパイロット配管の遮断を解除して油圧ショベル20の動作を許容するロック機構として設けられる。
図4に油圧ロックレバー2の変姿時における移動範囲の輪郭を示す。油圧ロックレバー2の移動範囲は、基端部2bを中心とした円弧をなす先端部2aの移動軌跡(一点鎖線で示す)とロック解除姿勢Q及びロック姿勢Rの油圧ロックレバー2とで囲まれた扇形となる。また、フロアプレート1における油圧ロックレバー2の下方には、開口部3が穿孔される。開口部3は、フロアプレート1と油圧ロックレバー2の移動範囲とが干渉する位置に形成される。油圧ロックレバー2は、その先端部2aがフロアプレート1の上面よりも下方へ進入する長さである。
図4及び図5(a),(b)に示すように、開口部3には弾性を有する素材(例えば、ゴムや樹脂素材)からなるカバー部材4が被せられる。カバー部材4は、開口部3の全体をその上方から覆ってキャブ10の内外の空間を区画するものであり、固定部4a及び弁部4bを一体に形成されてなる。開口部3の下方はキャブ10の外部であり、旋回フレーム13に面した空間である。また、カバー部材4はフロアマット6の上面よりも下方に配置される。フロアマット6の上面の位置を図5(b)中に破線で示す。
固定部4aは環状に形成された肉厚の部位であり、この固定部4aが開口部3の縁に沿ってはめ込まれて、開口部3にカバー部材4が固定される。弁部4bは弾性的に開口部3を閉鎖する弁体として機能する部位である。
この実施形態では、図5(b)に示すように、弁部4bの中央が下方に落ち込んで谷状に形成されるとともに、その谷底をなす部位にスリット5が形成されている。すなわち、固定部4aの一側及び他側のそれぞれからそれらの中央に向かって一対の弁部4bが延設され、互いにその先端を当接させた状態で開口部3が塞がれている。これらの一対の弁部4bの互いに当接した部位がスリット5である。
なお、油圧ロックレバー2は、その先端部2aがカバー部材4に接触しない(カバー部材4よりも下方へ進入しない)長さである。図5(b)中の油圧ロックレバー2は、その先端部2aが最もカバー部材4に接近した状態である。
[2.作用]
油圧ショベル20のエンジンが運転中でキャブ10内にオペレータが搭乗していない状態では、油圧ロックレバー2がロック姿勢Rとされる。ロック姿勢Rでは、油圧ロックレバー2がコンソール7側へ後退して昇降スペースが開放され、出入口の幅が広く確保される。また、パイロット油圧配管が遮断され、操作レバー9のリモコンバルブで発生しうるリモコン圧がコントロールバルブ15へ伝達されなくなるため、油圧ショベル20の動作が禁止される。したがって、仮に操作レバー9が何らかの理由で動いた場合であっても、油圧ショベル20の不用意な動作が防止され、機体の停止状態が保たれる。
このような油圧ショベル20の停止時にキャブ10内の清掃を行う場合、例えば箒が用いられ、フロアマット6上の塵埃が出入口から掃き出される。このとき、塵埃の一部はカバー部材4の弁部4b上に溜まる。一方、弁部4bを上方から押してスリット5を押し広げると、その塵埃はキャブ10の外部へと排出される。
また、カバー部材4はフロアマット6の上面よりも下方に位置するため、フロアマット6の水洗いがなされた場合にはカバー部材4が水抜き孔となり、洗浄水がスリット5からキャブ10の下方へと排出される。油圧ロックレバー2はロック姿勢Rでフロアプレート1よりも上方に位置するため、清掃作業の妨げにならない。
油圧ショベル20による作業開始時には、シート8に着座したオペレータによりドア12が閉められ、油圧ロックレバー2がロック姿勢Rからロック解除姿勢Qへと回動操作される。フロアプレート1には開口部3が形成されているため、フロアプレート1と油圧ロックレバー2との干渉は防止され、図4に示すように、油圧ロックレバー2の移動の過程でその先端部2aはカバー部材4と接触することがない。つまり、フロアプレート1の開口部3はカバー部材4によって封鎖された状態であり、キャブ10の内部の気密性が確保される。
これにより、例えばエアコン装置11のプレッシャライザ機能を作動させた場合には、キャブ10の室内の空気圧が外気圧よりも高圧に保持され、外部からの塵埃の侵入が防止される。また、仮にキャブ内圧が急上昇した場合には、スリット5が開放されてキャブ内圧が低減される。
油圧ロックレバー2の姿勢がロック解除姿勢Qになると、パイロット油圧配管の遮断が解除されてリモコン圧がコントロールバルブ15へ伝達されうる状態となるため、油圧ショベル20の動作が許容される。したがって、オペレータによる操作レバー9への操作に応じて、作業装置19及び旋回装置16が作動する。
また、油圧ロックレバー2はコンソール7から前方へ向けて横向きに配向されて、コンソール7及び油圧ロックレバー2が昇降スペースを封鎖したような状態となる。これにより、油圧ショベル20の作動が禁止されていない状態(油圧ロックがなされていない状態)でのオペレータの降車が防止される。
油圧ショベル20による作業終了後には、オペレータにより油圧ロックレバー2がロック解除姿勢Qからロック姿勢Rへと回動操作される。油圧ロックレバー2はロック姿勢Rになると、パイロット油圧配管が遮断され、再び油圧ショベル20の動作が禁止される。
[3.効果]
本キャブ構造によれば、油圧ロックレバー2の移動範囲と干渉するフロアプレート1上の部位に開口部3を設けることにより、油圧ロックレバー2とフロアプレート1との干渉を防止しつつ、油圧ロックレバー2の長さを延長することができる。これにより、キャブ10内におけるシート8のレイアウトをより後方にした設計が可能となり、昇降スペース(出入口の幅)を拡大することができる。
また、開口部3を覆ってキャブ10の内外の空間を区画するカバー部材4を設けることにより、キャブ10の内部の気密性を確保することができ、内圧を保持することができる。例えば、エアコン装置11のプレッシャライズ機能を妨げることがなく、すなわち室内の空気圧を外気圧よりも高圧の所定圧力まで高めた状態を保持することができる。
また、カバー部材4にスリット5が設けられるため、ドア12の閉鎖時にキャブ10の内圧が急上昇した場合であっても、自動的に圧抜きすることができる。また、塵埃や洗い水等が弁部4bの中に溜まることを防ぐことができ、清掃性を向上させることができる。特に、本キャブ構造では、油圧ロックレバー2の下方に開口部3及びカバー部材4が設けられるため、弁部4b上のゴミを掃き出すことができる。
また、図5(b)に示すように、カバー部材4がフロアマット6の上面よりも下方に配置されるため、フロアマット6上の塵埃をカバー部材4上に容易に集積することができ、キャブ10の内部の清掃性をさらに向上させることができる。さらに、本キャブ構造では、フロアマット6の上面よりも下方にスリット5が設けられるため、フロアマット6の水洗い時における水抜き孔としてスリット5を利用することができる。
このように、本キャブ構造によれば、簡素な構成で、ロック機構の機能及び構造を妨げることなくキャブ10の使いやすさを向上させることができる。
[4.その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では本発明に係る遮断棒として油圧ロックレバー2、すなわち油圧ショベル20の油圧系アクチュエータの動作を禁止又は許容するための操作棒を利用したものを例示したが、遮断棒としての具体的手段はこれに限定されない。例えば、電動ショベルにおいては、電動系アクチュエータの動作を禁止又は許容するための電気ロックレバーを油圧ロックレバー2の代わりに用いることが考えられる。あるいは、油圧ショベル20の動作を物理的に阻害する機構の動作を禁止又は許容するものとしてもよい。
また、上述の実施形態では、油圧ロックレバー2がコンソール7に対して支持されているが、油圧ロックレバー2の配設位置及び支持位置はこれに限らず、例えばキャブ10の側面に対して支持される構造としてもよい。油圧ロックレバー2は、キャブ10の昇降スペースを介した乗降を阻止するロック解除姿勢Qと、そのような乗降の邪魔にならないロック姿勢Rとの少なくとも二姿勢に変姿自在となる位置に設けられていればよい。
また、上述の実施形態では、カバー部材4とフロアマット6とが別体に形成されているが、これらを一体形成することも考えられる。例えば、図6に示すように、フロアマット26上における開口部3に対応する位置に、カバー部材4として機能する部位を設ける。ここでは、上述の実施形態におけるものと同一の機能を有する部位に同一の符号を付して示す。このような構成により、油圧ショベル20の製造に係る部品点数を削減することができ、コストを低減させつつ、上述の実施形態のものと同等の効果を得ることができる。
また、油圧ロックレバー2がカバー部材4に接触する構成とすることも考えられる。例えば、油圧ロックレバー2がカバー部材4と接触したときにスリット5が拡開するように、カバー部材4の位置,油圧ロックレバー2の位置又は長さを設定する。
この場合、例えば図7(a)に示すように、スリット5(弁部4b)がキャブ10の側面視において油圧ロックレバー2の先端部2aの移動軌跡の中途で接触する(ここでは、基端部2bを中心とした円弧をなす先端部2aの移動軌跡に対して二回交わる)位置に設けられる。
つまり、油圧ロックレバー2をロック解除姿勢Q及びロック姿勢R間で移動させたときに、その先端部2aが一旦スリット5よりも下方へ突出した後、先端部2aの移動方向が上方に転じ、再びスリット5よりも上方へと戻るように、油圧ロックレバー2の先端部2aの移動軌跡とスリット5との位置関係が設定される。したがって、ロック解除姿勢Q及びロック姿勢Rの何れの姿勢においても、油圧ロックレバー2はカバー部材4よりも上方に位置する。
油圧ロックレバー2をロック解除姿勢Q及びロック姿勢R間で移動させる度に、弁部4bが先端部2aに接触するとともに下方へ押圧されてスリット5が開き、キャブ10の内外が連通した状態となる。スリット5が開放された状態を図7(b)に示す。なお、油圧ロックレバー2の先端部2aが弁部4bと接触していなければ、その他の外力を与えない限り、スリット5は閉鎖された状態である。
この場合、図7(a)に示すように、油圧ロックレバー2の移動の過程でその先端部2aがカバー部材4と接触し、スリット5が開放される。このとき、弁部4b上に残っていた塵埃や水がキャブ10の外部へと排出される。
油圧ロックレバー2がさらに回動すると、その先端部2aがカバー部材4と接触しなくなり、スリット5が閉じる。つまり、フロアプレート1の開口部3の全体がカバー部材4によって封鎖され、キャブ10の内部の気密性が確保される。
このように、カバー部材4のスリット5を開放するための機構として油圧ロックレバー2を活用することができ、油圧ロックレバー2を操作する度に、自動的に弁部4b上のゴミを掃き出すことができる。
また、図7(a)に示すように、スリット5が油圧ロックレバー2の先端部2aの移動軌跡の中途で接触する位置に設けられるため、油圧ロックレバー2の移動の途中でのみスリット5を開放することができる。すなわち、油圧ロックレバー2がロック解除姿勢Qの状態であってもロック姿勢Rの状態であっても、キャブ10の内圧を保持することができ、キャブ10の内外が連通状態となる時間を最小限に抑えることができる。
また、上述の実施形態では、スリット5付きのカバー部材4を例示したが、必ずしもスリット5は必要ではない。例えば、開口部3を閉塞しかつ油圧ロックレバー2と接触しない形状にカバー部材4を形成してもよいし、あるいは、そのカバー部材4に微少な孔を設けてキャブ10内の空気が常時わずかに排出される構造としてもよい。
なお、キャブ10の内圧を保持する点では、カバー部材4に何らかの弁部を設けることが好ましいが、具体的な弁部の形状及び構造は上記のスリット5に限定されない。
また、上述の実施形態では、本キャブ構造を油圧ショベル20に適用したものを例示したが、ホイールローダやブルドーザ,クレーン車両といった、キャブ内に遮断棒を備える作業機械全般のキャブ構造としての適用が可能である。
1 フロアプレート
2 油圧ロックレバー(遮断棒)
2a 先端部
2b 基端部
3 開口部
4 カバー部材
4a 固定部
4b 弁部
5 スリット
6 フロアマット
7 コンソール
8 シート
9 操作レバー
10 キャブ
11 エアコン装置
12 ドア
13 旋回フレーム
14 シートアジャスタ
15 コントロールバルブ
16 旋回装置
17 油圧ポンプ
18 マシンルーム
19 作業装置
20 油圧ショベル
21 下部走行体
22 上部旋回体
23 カウンタウェイト
26 フロアマット
27 シートサポート
Q ロック解除姿勢
R ロック姿勢

Claims (8)

  1. 作業機械のキャブにおける床面をなすフロアプレートと、
    該キャブの内部に移動可能に支持されるとともに、該作業機械の動作を許容しかつ乗員の乗降を禁止すべく横向きに配置されるロック解除姿勢と、該作業機械の動作を禁止しかつ乗員の乗降を許容すべく下向きに配置されるロック姿勢との少なくとも二姿勢に変姿自在に設けられた遮断棒と、
    該フロアプレート上において該遮断棒の移動範囲と干渉する部位に穿孔された開口部と、を備えた
    ことを特徴とする、作業機械のキャブ構造。
  2. 該開口部が、該ロック姿勢及び該ロック解除姿勢間における該遮断棒の移動軌跡の途中に位置するように設けられている
    ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械のキャブ構造。
  3. 弾性を有する素材からなり、該開口部を覆って該キャブの内外を区画するカバー部材と、
    該カバー部材に形成され、該開口部を開放可能に閉鎖する弁部と、
    をさらに備えたことを特徴とする、請求項1又は2記載の作業機械のキャブ構造。
  4. 該弁部が、該ロック姿勢及び該ロック解除姿勢間における該遮断棒の移動軌跡の途中に位置するように設けられている
    ことを特徴とする、請求項3記載の作業機械のキャブ構造。
  5. 該遮断棒が、該カバー部材に接触して該弁部を拡開させる
    ことを特徴とする、請求項3又は4記載の作業機械のキャブ構造。
  6. 該弁部が、該ロック姿勢及び該ロック解除姿勢間における該遮断棒の先端の移動軌跡の中途で該遮断棒に接触する位置に設けられている
    ことを特徴とする、請求項5記載の作業機械のキャブ構造。
  7. 該フロアプレートの上面を覆って敷設されるフロアマットをさらに備え、
    該カバー部材が、該フロアマットの上面よりも下方に配置される
    ことを特徴とする、請求項3〜6の何れか1項に記載の作業機械のキャブ構造。
  8. 該カバー部材が、該フロアプレートの上面を覆って敷設されるフロアマットと一体に形成される
    ことを特徴とする、請求項3〜7の何れか1項に記載の作業機械のキャブ構造。
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