JP5305903B2 - 感染症の検出方法 - Google Patents
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Description
細胞表層タンパク質に対する特異的抗体を用いたフローサイトメーター解析は、方法自体は非常に簡便である。
本発明では、本感染検出方法を、本定量方法を用いて行うための検出用キット(以下、本感染検出用キットともいう)を提供する。
(a)感染症における病原体の種類(細菌性、ウイルス性、真菌性)の鑑別
本感染検出方法では、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が、統計的な健常者の範囲を超えて高値である場合に、当該高値をもって感染性炎症疾患有無判断の指標とすることができる。また、重症細菌感染症に罹患していない被験者の場合で、かつ、当該TLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が、統計的な非重症細菌感染症の範囲を超えて高値である場合に、当該高値をもってウイルス感染症又は真菌感染症有無判断の指標とすることが可能である。さらに、炎症疾患に罹患している被験者の場合で、かつ、当該TLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が、統計的な健常者の範囲内である場合に、当該健常値を、非感染性炎症疾患の指標にすることも可能である。非感染性炎症疾患としては、例えば、薬剤性臓器障害、虚血性もしくは低酸素性臓器障害、外科的侵襲を含む外傷、膠原病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、癌疾患、非感染性の血液疾患等が挙げられる。
本感染検出方法では、血液検体が感染症治療薬投与開始後の被験者の血液検体であり、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が統計的な健常者の範囲内へと減少した場合に、当該感染症治療薬が被験者に対して有効であることの指標とし、かつ、当該定量値が統計的な健常者の範囲を超えて高値である場合には、当該感染症治療薬の被験者に対する著効性を否定する指標とすることができる。
長期化している感染症の病態は、TLR2の定量値に鋭敏に反映されているため、当該定量値の増加を検出することにより、潜在的なレベルでの感染症(不顕性感染)の検出を行うことが可能である(ここでいう潜在的とは、ウイルス感染症の場合のウイルスキャリアー、細菌感染症の場合の保菌者などを指しているものではなく、病原体に対して宿主側の防御反応が最大限に働き、ようやく病原体の増殖が抑制されているような状態をいい、自覚、他覚所見、従来の一般的検査所見においても炎症反応がほとんど検出できない不顕性感染状態を指す)。ただし、単球膜上TLR2発現異常が関与する免疫異常、免疫耐性の状態にある特殊なケースを除く。
血液検体が感染症治療薬剤投与後の感染寛解期の薬剤中止時期における被験者の血液検体であり、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値の当該薬剤中止時期からの経時的な増加を、感染再燃の肯定的な指標とすることができる。この肯定的な数値所見として、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が、健常者の統計的な当該定量値の平均値に標準偏差の2倍を加算した値を超えて高値となる場合として規定することで、感染再燃のさらなる確実な指標とすることも可能である。また、本感染検出方法において、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値の当該薬剤中止時期からの当該定量値の経時的な最大値が、健常者の統計的な当該定量値の平均値よりも低値であることを、感染再燃の否定的な指標とすることも可能である。
本感染検出方法は、血液検体(被験者)が感染症以外の疾患の治療、例えば、手術を含む外科治療、放射線治療、薬物化学療法及び/又は理学物理療法、前後の血液検体(被験者)である場合にも、的確に、潜在的感染症の有無を検出することができる。
上述したように、本感染検出方法では、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が、統計的な健常者の範囲を超えて高値である場合に、当該高値を感染性炎症疾患の指標とすることができる。また、重症細菌感染症に罹患していない被験者の場合で、かつ、当該TLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が、統計的な非重症細菌感染症の範囲を超えて高値である場合に、当該高値をウイルス感染症又は真菌感染症の指標とすることが可能である。さらに、炎症疾患に罹患している被験者の場合に、かつ、当該TLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が、統計的な健常者の範囲内である際、当該健常値を、非感染性炎症疾患の指標とすることも可能である。
肝臓機能障害(肝臓疾患を主病名とする症例、合併症として肝臓障害が認められる症例など)をきたす患者の数は、非常に多く、また、その原因に関しても、多様に存在している。実際、肝機能異常が認められた場合、それらの原因となり得る要因が重なって存在していることも、珍しいことではなく、明確な原因がつかめない場合も多い。例えば、慢性心不全の患者が細菌性肺炎を起こし、入院したようなケースで、抗生剤使用中に、肝臓の機能障害が認められた場合には、抗生剤による薬剤性肝障害、心不全による鬱血性肝障害、仮に、心不全が重症のケースであれば、心原性ショックによる低酸素性肝障害も、その鑑別疾患として挙げられる。加えて、ウイルス性の鑑別はもちろん必要となり、実際、A型、B型、C型肝炎の可能性は調べられたとしても、その他ウイルスによる肝障害の可能性は否定できないまま残る。この問題に、本感染検出方法は、急性ウイルス性肝障害とその他の肝障害を鑑別できる情報を与えることが可能であり(慢性ウイルス性肝障害を含めて急性ウイルス性以外の肝障害では、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値の上昇は認められない。この理由として、慢性肝炎では、そのウイルス増殖が極めて少ないからであると推測される)、肝障害の原因を絞る検査の一助となり得る。
虚血による臓器障害が、発症した場合、臓器壊死により、それ自体でも従来の血液炎症所見(WBC、白血球分画、CRPなど)の上昇が認められる。このような重篤疾患の急性期の段階では、肺炎、腸炎等の細菌感染症が合併してくる率も高い。虚血臓器障害の急性期段階と重なり、WBC、CRPはその疾患自体で上昇しており、この場合の感染症のモニタリングとして、従来の炎症マーカーを用いては、感染症発症の指摘が困難であった。本感染検出方法における単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値は、虚血性臓器壊死により生じる炎症に対しては上昇しない一方で、感染に対しては上昇する性質をもつことから、このような場合にも、本感染検出方法を経時的に適用することで、抗生剤開始の時期、抗生剤変更の時期について、適切かつ迅速な対応ができるようになる。
感染症に罹患していないにもかかわらず、CRPの上昇や発熱は、膠原病などを有する患者の場合には、その疾患の活動度に応じて認められる。したがって、このような患者に感染症が発症した際(膠原病では、低用量ステロイドの長期内服を行っている患者も多く、このような患者は易感染状態にある)、患者本人が、異常として気づくのも遅れ、病院受診後の診断、治療もまた遅くなる傾向にある。本感染検出方法における単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値は、膠原病に基づく炎症では上昇しないことも、本発明者によって明らかにされた。膠原病患者で、本感染検出方法を行うことで、従来、遅れがちになっていた感染症診断に関して、その早期段階での的確な検出が可能となり、問題は解決される。また、膠原病を有する患者に感染が発症し、治療過程、治療後における感染症完治の判断にも、本感染検出方法は有用である。
腫瘍、特に、悪性腫瘍の場合には、免疫バリアの破壊から腫瘍組織に重複したかたちでの感染症が起こる頻度が高い状態にある。このような場合、悪性腫瘍(上皮性癌)自体でも発熱、CRPの上昇は起こり得るため、感染症が合併しているのか否かを判断することが困難となる。しかしながら、原則として本感染検出方法における単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値は、癌自体によっては(特殊な癌を除き)、その上昇が認められず、この定量値でもって感染症の有無の判断、モニタリングができ、もし、感染症が起こった場合には、それに対する薬剤を、適切なタイミングで、適切な期間、投与することも可能になる。さらに、癌に対する治療方針を立てる上でも、感染症という合併症のコントロールを十分に行っていれば、癌の広がりに関する画像診断も、比較的容易になる。また、その治療として、外科手術が選択された場合、予め、できる限り、薬剤によって、合併感染症を抑え込んでおけば、術後を含めた手術の成績を向上させることにもつながる。腫瘍組織の感染合併が十分に抑え込まれた状態か否かの判断に際して、本感染検出方法は、内科的にも外科的にも有用な情報を与えるものとなる。なお、上記の特殊な癌とは、感染症類似の物質、例えば、サイトカイン、ケモカイン類の分泌を自ら行う癌である。
例えば、白血病や骨髄異型性症候群においては、その疾患自体でも、また、治療(化学療法、骨髄移植)によっても、WBCは、大きく変動し、特に、WBCは、感染症の重症度の指標として使用できなくなる。しかしながら、本感染検出方法における単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値に関しては、例えば、G−CSF製剤を使用し(血液疾患の治療時に繁用される)、好中球数を増加させた場合にでも、感染症が認められない限り、ほとんどその数値に変動がない。したがって、このような血液疾患患者において、感染症が合併した場合のその検出およびモニタリングにおいて、本感染検出方法は、有用性が非常に高い検査となる。
インフルエンザ感冒の迅速診断キットが、一般的に院内で使用可能となってから、その診断は、容易になり、その検査のおかげで、適切な治療薬が選択できるようになった。しかしながら、インフルエンザ、普通感冒を含め、ウイルス感染症を広くとらえ、また、その重症度を客観的に推し量るための手段となる検査は、未だに開発されていない。また、ウイルス感染の場合には、有効な治療方法がない場合も多い。稀な重篤ウイルス性疾患を除き、ほとんど成人の場合には、時間の経過とともに、治癒が見込めるため、ウイルス感染の重症度をモニターできる新たな指標が必ずしも必要とされてきた訳ではない。しかしながら、患者が新生児、小児、易感染者である場合や、あるいは、ウイルス種によっては、事情は全く異なる。この場合のウイルス感染症は、それ自体、重症化を招き、脳脊髄炎、心筋炎、肝臓障害、副腎炎、睾丸・卵巣炎などに発展し、致命的重症疾患に移行することもある。病状を把握し、治療効果をみる上でも、ウイルス感染の重症度をモニタリングできる本感染検出方法は、その有用性が高いといえる。
動脈硬化の要因、危険因子に関しては、今までに、遺伝的素因、環境素因、生活習慣、性差(ホルモン関連)にまたがり、甚大な数の多岐にわたる報告が存在する。この報告数からみても、動脈硬化病態には、非常に多様な因子が関与し、それらが複雑に絡み合い、動脈壁における動脈硬化プラーク形成の進展速度を変化させていることは確かであり、動脈硬化進展抑制のためのターゲットは絞り難いといえる。四大危険因子として、臨床上、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙のように確立されたものもあるが、一方では、古くから唱えられてきてはいるものの、今尚、議論が続く問題も多い。このような状況の中、動脈硬化の成因として、クラミジア、サイトメガロウイルス、ピロリ菌の感染なども関与しているとの報告も続いている(Ramirezら、Ann Intern Med. 1996; 125:979-82、Saikkuら、Lancet 1988;2:98-6、Kuoら、J Infect Dis. 1993;167:841-9、Melnickら、Eur Heart J. 1999;34:1738-43、Zhuら、J Am Coll Cardiol. 1999;34:1738-43、Farsakら、J Clin Microbiol. 2000;38:4408-11、Hoffmeisterら、Arterioscler Thromb Vasc Biol 2001;21:427-32、Oshimaら、J Am Coll Cardiol. 2005 19;45:1219-22)。これら報告を支持する見解として、本発明者は、動脈硬化病変が強く進んだ患者は、健常者と比較して、末梢循環単球細胞上においての本感染検出方法における単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量数値が高い傾向を示すことを見出した(急性期感染症ほど顕著な増加ではないが)。よって、本感染検出方法は、全身動脈硬化の重症度を推し量る目的で有用な検査となる。また、TLR2から単球細胞核に伝わるシグナルは、単球の活性化を促進することが分かっており、動脈硬化病変の成り立ちを考えれば、本感染検出方法における単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が高値であることは、逆に、動脈硬化進展の独立した危険因子になっているともみなせる。今後、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値を低下させる方向での治療が、動脈硬化進展を予防する治療に発展する可能性もあり、本感染検出方法は、虚血性疾患の一次予防という観点から有用な検査手段となり得る。
TLR2はデータベース情報をもとにPCR法にてクローニングした。プライマーは、
F5’-tttcccggtacccactggacaatgccacatactttgt (配列番号1)
R5’-gggaaagcggccgcgcctgtgacattccgacaccgaga (配列番号2)
で、TLR2の細胞外領域部分をコードしている遺伝子に、上流にXbaIサイト、下流に6個のヒスチジンタグ(Hisタグ)とEcoRIサイトを導入した。テンプレートは、同意を得た健常人ボランティア血液サンプルから磁気ビーズ標識された抗CD14抗体を用いて単球を分離し、常法にてRNAを抽出し、oligo dT またはランダムプライマーを用いて逆転写したものを用いた。増幅したDNA断片を市販の発現ベクターpRC/CMVに組み込み、配列を確認したものを、TLR2発現ベクターとして用いた。
実施例1で作成したTLR2発現プラスミドを293細胞に、エレクトロポレーション法にて導入した。10% FBSを含むDMEM培地にジェネティシン(濃度0.8 mg/ml)を加えて培養することにより、TLR2発現プラスミドが細胞染色体に組み込まれ恒常的にTLR2を発現する細胞を得た。さらに限界希釈法によって、細胞をクローン化して、TLR2の発現量が多い細胞を選んだ。それを293F培地で撹拌培養し、5〜7日後に培養液を回収した。回収した培養液は、濃縮後、リコンビナントTLR2に結合させたHisタグに対する親和性を持つNi−NTAカラム、陰イオン交換カラムMonoQカラム、再度Hisタグに対する親和性を持つTALON Metal Affinity Resinカラムを用いて精製をおこなった。図1は、精製段階ごとのサンプルをSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた後、CBBによってタンパク質を染色した図である。図に示すように、約76 Kd のTLR2リコンビナントタンパク質を高純度で精製できた。7リットルの培養液から、1.5 mgのTLR2リコンビナントタンパク質を回収した。
アミノ基がコートされた市販のラテックスビーズにTLR2リコンビナントタンパク質をグルタルアルデヒド法によって結合させて作成した。具体的には、PolyScience社より購入した直径6ミクロンのポリスチレン製アミノビーズをPBSにて3回洗浄後、8%グルタルアルデヒドを加え室温で1時間転倒混和した。PBSにて5回洗浄後、100 mM HEPES (9.0)/PBS溶液中にて3〜0.1mg/mlの範囲で4段階に希釈したTLR2タンパク質(希釈率は、Lowビーズが0.1mg/ml、Low−mediumビーズが0.6mg/ml、mediumビーズが1.6mg/ml、Highビーズが1.7mg/ml)と室温にて二時間転倒混和した。エタノールアミン添加により反応を停止し、0.1% BSA/PBSによるブロッキングで反応を終了させた。この方法により、異なったTLR2量を結合させた4種類のビーズを作成した。ビーズ1x105個をそれぞれ0.1% BSA/PBS 中で3μg/mlの PE結合抗TLR2モノクローナル抗体(クローン名T2.1:eBioscience社製)と反応させ、フローサイトメーターを用いて解析した結果が図2で、TLR2タンパク質のビーズへの結合と抗TLR2抗体との反応性を確認した。ビーズを凍結保存しても値はほとんど変化なかった。
TLR2標準ビーズへの抗体結合量の定量は、スキャッチャードプロット法と呼ばれる反応における結合量と未結合量の関係式より求めた。具体的には、以下のようにしておこなった。まず、市販の非標識TLR2抗体をクロラミンT法にて125Iでラベルした。ラベルした抗体はELISA法にて濃度を定量した。次いで、実施例3記載の要領で、100mM HEPES(9.0)/PBS溶液中にて希釈されたTLR2タンパク質を、アミノ基がコートされた市販のラテックスビーズ接触させることにより、異なる密度でTLR2タンパク質が結合したビーズを調製した。具体的には、上記ラテックスビーズ0.5x106〜5x106個に対して、125I標識TLR2抗体を3μg/ml〜6.2ng/mlの間で希釈して加えて反応させた(当該希釈率は、0.1%BSA/PBS溶液中において、1500ng/ml、500ng/ml、167ng/ml、55.6ng/ml、18.5ng/ml、6.2ng/mlである)。30分間の反応後、ビーズを洗浄し、ガンマーカウンターにて、結合した抗体のカウントをおこなった。同時にコントロールとして、非標識TLR2抗体を100μg/ml加えて反応させて、ビーズに結合しているTLR2をブロックしてから、125I標識TLR2抗体を加えて測定した値を非特異的結合とし、両者の差をとって特異的結合量を求めた。IgGの平均分子量150000をTLR2抗体の分子量としてビーズに結合した抗体のモル数を算出(bound[B])するとともに反応に添加した全標識抗体量から結合量の差をとって非結合量(Free[F])を求めた。X軸を[B]、Y軸を[B]/[F]として算出した値をプロットしたものが、図3で示すスキャッチャードプロットである。[F]が無限大であるy=0の時のXの値が単位ビーズあたりの抗体最大結合量で、抗体で認識される数になる。図3で示したプロットの例では、Lowビーズ1個あたり334サイト、Low−Mediumビーズ1229サイト、Mediumビーズ3437サイト、Highビーズ13461サイトと計算された。この測定を複数回行って平均を求めた結果、今回作成したTLR2標準ビーズのビーズ1個あたりの抗体結合サイト数は、Lowビーズ364、Low−Mediumビーズ1229、Mediumビーズ3320、Highビーズ14067となり、以下の測定ではこの値を使用した。
同意を得た感染症患者のヘパリン採血血液検体からフィコールを用いた比重遠心法にて、リンパ球と単球を主に含んだ単核球画分を分離精製した。単核球は、0.1% BSA/PBS に懸濁し、3本のチューブに分注した。それぞれ、3μg/mlのPE(Phycoerythrin)標識抗TLR2抗体、PE標識コントロール(マウスIgG2a)抗体、PE標識抗CD14抗体にて30分間反応させた。
本定量方法と、既存の方法であるQuantiBrite(QB)法との比較を行った。ここで、QB法とは、異なる既知量の蛍光物質が付いたビーズについて、そのMFIをプロットすることにより作成した検量線を基として、蛍光標識抗体と反応させた被験物質のMFIより結合した蛍光抗体量を求め、標識される抗原量を測定する方法である(PannらCytometry45:250-258,2001)。
本定量方法を用いて、異なる日に同じ検体を測定しても同様の測定結果が得られるかどうかを調べた。血液検体はそのままでは凍結で保存できないため、全く同じ検体を、日にちを変えて得ることは不可能である。そこで同意の得られた健常人ボランティアの血液検体から、実施例5に示した方法により単核球画分を分離し、10% ジメチルフォルムアミドを加えた牛胎児血清中マイナス80℃で凍結し、液体窒素で1か月以上ストックした後、日にちを変えて融解後、実施例5の方法で測定し、表5に結果をまとめた。
作製したTLR2標準ビーズの保存条件を検討した。液体窒素保存(−200℃)したビーズをそれぞれの条件(−20℃、4℃、室温、凍結乾燥)で保存後測定し、測定毎同時に液体窒素保存ビーズも測定し、その値を基準とした比(%)で表した(図6)。凍結乾燥は、10%スクロース添加0.1% BSA/PBSに懸濁した状態で行い、測定時に一度洗浄をおこなった後に用いた。凍結乾燥では、最初に10%程度の低下が見られたもののその後は安定であった。よって、TLR2標準ビーズは、凍結乾燥保存を行うことが好適であることが明らかになった。
前述したように、フローサイトメーターの感度変化、特異的抗体の劣化、ロット差により、測定毎、機器条件にずれが生じる従来のフローサイトメトリー測定系(MFI数値)を用いて、測定日が異なる2つ以上の数値間の比較を行い、経時的な患者の臨床経過を正確に追うことは困難であった。また、同時に測定していない健常者群との比較はもちろんのこと、多施設間で測定した数値結果を比較することは、不可能な状況にあった。本発明者は、標準を設定した上で、単球膜上のTLR2量を特異的モノクローナル抗体の認識サイト数として表記する定量方法の開発を行い、単球におけるTLR2抗原量を測定する方法を確立し、経時的普遍性の獲得と共通の単位設定という2つの問題を同時に解決した(測定者、フローサイトメーターが変わることを想定した場合にも対応可能)。
健常人ボランティア13名と感染症患者36名(細菌感染症25名、ウイルス感染症10名、真菌感染症1名)からそれぞれに使用の同意を得て、採血を行い、実施例4で示した方法でTLR2サイト数の定量をおこなった。その結果、図7に示すように、健常人群では平均2370±581だったのに対して患者群では細菌感染症患者で6493±733、ウイルス感染症患者で8784±1469と有意に患者群でのTLR2サイト数が多く、感染症患者でのTLR2サイト数の増加を確認した。また、細菌感染症よりウイルス感染症患者で高値を示した。
図8は、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症のいずれの感染症においても、その発症時(感染症状を自覚し間もなく病院受診した際)の、単球上のTLR2定量数値を示したものである。細菌感染症(抗生剤投与ない時点)においては、その発現量は上昇傾向を示すが、まだ、正常域に留まるケースも多かった。一方、ウイルス感染症の場合、その症状自覚した時点で、既に、正常域を大幅に超え、かなりの高値を認めた。真菌感染症の2例に関しても、ウイルス感染と同様の傾向を示した。この発症時点で、従来の炎症マーカーから、明らかに細菌感染症、真菌感染症とウイルス感染症を区別できる典型像(細菌、真菌感染の場合には、WBCの上昇、続くCRP上昇が見られるケースが多い一方で、アデノウイルス感染以外のウイルス感染では、WBCの上昇、CRPの著明上昇は、ほとんどのケースで認められない)を示す症例も認められたが、少なからず、WBC、CRPがそれらの正常域に留まり、感染疾患に罹患しているのかさえもわからない症例やウイルス感染でありながら細菌感染の可能性も否定できない症例も認められた。ここに、上記の単球上TLR2発現量の増加程度に関する特徴を十分に把握した上で、感染発症から時間経過がほとんどない患者の、本感染検出方法による末梢血単球上のTLR2定量数値の検討は、「ウイルス性感冒を考え、細菌感染あるいは膠原病等(膠原病の実施例は後述)を疑う余地はないのか」、「疾患は細菌感染のみに絞り込めるのか」、「混合感染の可能性はないのか」等の疑問にある程度の指針を提供し、発症早期の段階で、診断の一助となり得る情報を与えた。発症時における、WBC、白血球分画、CRPの数値に加えた単球上TLR2発現量数値の検討は、客観的根拠に基づいた確かな診断につながることが実証された。
経時変化を解析した治療薬投与中の細菌感染症患者検体39例において、抗生剤の効果の観点から解析をおこなった結果を図11に示す。測定の1−3日後に速やかな軽快、劇的な治療に対する反応性を示した症例は、抗生剤「著効群」に分類し、その他、抗生剤の効果が弱いながらも有効性を示した症例は、抗生剤有効性の見地から「弱い効果群」に分類される。「弱い効果群」の定義は、動揺を示しながらも、一週間程度の経過観察から結果的に、炎症マーカー(WBC、CRP等)の低下、全身状態の緩徐な改善が認められた症例である。「無効群」は、抗生剤を投与し1週間後も改善の傾向がみられなかった例で、前記の実施例10−2における重症細菌感染症(病期が長く重症化した感染症)症例や敗血症/敗血症ショックを起こした難治例は、抗生剤治療に対する反応面から、その時点で投与されていた抗生剤の有効性がほとんど認められなかった無効群として分類できる。いずれも抗生剤の有効性が判断される前の細菌感染症各患者のTLR2の定量値を示した(その抗生剤投与開始2日目以降1週間目までの間に採血された検体での測定値結果である)。
<再燃(再発)の予測>
検体使用の同意を得られた細菌感染症患者に治療を施し、寛解期にまで至った症例37名の細菌感染症患者(男性21名、女性16名、年齢幅30〜95歳)に関しては、抗生剤投与中から投与中止後の第3週目まで全病期間を通じて本定量方法にて行い、抗生剤投与中止後の再燃の有無検討を目的とした経過観察を行っている。37名のすべての患者は、一旦、寛解期に入り、抗生剤の中止が可能であると判断されていた。寛解の判断は、TLR2定量数値を考慮せず、身体所見、WBC、CRP等の血液検査の結果を用いて行い、抗生剤投与の中止時点でのWBCはその正常域にあり、CRPはほぼ正常化している状態にあった。ただし、抗生剤投与開始後から、可能ならば、抗生剤中止後3週目まで一週間に一度、単球上TLR2発現量の測定を行った。抗生剤投与中止後の経過は、抗生剤投与後の細菌感染症の寛解期にある患者は、「完治」群(15名の男性と9名の女性、計24名、年齢幅30から92歳、平均65歳)と「再燃」群(6名の男性と7名の女性、計13名:35.1%、年齢幅78から95歳、平均88歳)に分けられた。
手術前後の検体の本測定結果と臨床データを表9にまとめた。
表10ではウイルス性以外の肝機能障害、表11では臓器虚血壊死、表12では慢性心不全患者、表13では膠原病患者、表14では癌患者の検体を用いて、それぞれ本感染検出方法を行った。なお、表10の症例4、6は、それぞれ、後述する表16の症例3、1と同一の症例である。また、表11の症例2は、表17の症例2と同一の症例である。また、表13の症例3は、表18の症例1と同一の症例である。
以下に示すような非感染性炎症性疾患の場合、従来の炎症マーカーのWBC、CRPはそれ自体の疾患に反応し、感染性炎症疾患との区別が付け難い症例にしばしば遭遇する。しかしながら、単球上のTLR2定量数値は、これらの非感染性炎症にほとんど反応せず、その上昇を来たさない特徴を有する。この単球上TLR2定量数値に関する性質により、臨床上極めて有用な情報がもたらされることになる。このことに関して、以下、実証例を具体的に挙げながら、記述する。
<インフルエンザウイルス感染症>
図13に示したように、図8にて示したウイルス感染症患者と同じく、インフルエンザA、B感染症ばかりを集めた42名の患者群(男性18人、女性24人 年齢幅9−93歳、平均年齢42歳)と健常者群を比べた場合、インフルエンザ発症時(患者本人が感染症状自覚して間もなく来院した際)に測定した、単球上TLR2定量数値は、健常者レベルとの間に偽陰性がほとんどないカットオフ値を設定できる程、高い数値を示した。なお、インフルエンザ感染症の診断には、免疫クロマトグラフィー迅速キットが使用された。前記図8には、インフルエンザウイルス以外のウイルス感染症を加えて、その発症時のTLR2数値がプロットされている。図14にて示されたように、普通感冒の場合にも、インフルエンザウイルス感染症と同じく非常に高いTLR2定量数値が認められた。
サルコイドーシスの病因は、未だ不明とされているが、その中で感染説も提唱されている。「アクネ菌の内因性感染が原因となり過敏性免疫反応を惹起する結果として本症が発症する」とする「アクネ菌病因説」がある。初期感染(不顕性感染)後に宿主の細胞内で冬眠状態にある細胞壁欠失型(L型)のアクネ菌がストレスなどの環境要因を背景に内因性に活性化することが、サルコイドーシスという全身性肉芽腫疾患の発症をトリガーしている可能性がある疾患である。心サルコイドーシスでは、1型ヘルパーT細胞関連サイトカイン(IL−1α、Il−2、IL−12p40、INF−γ)の発現が亢進しているとする報告もある。
心房細動不整脈は、最も頻繁に認められる不整脈の一つであり、大きく分類して、弁膜性心房細動と非弁膜性心房細動の二つに分けられる。弁膜性心房細動の原因は、多くの場合、僧房弁の狭窄、閉鎖不全(弁膜症)に基づく心房筋への負荷、心房拡大によって洞結節から房室結節への正常伝導路が乱される結果、引き起こされる不整脈と考えられる。この場合、慢性弁膜症の原因の一つは、既往歴としての小児期リウマチ熱(溶連菌感染)であるとされている(他に動脈硬化の関与も考えられている)。一方、非弁膜性心房細動では、心房筋での炎症が原因とされ、心筋へのウイルス感染が引き金になるとする学説もある。いずれの心房細動不整脈のおいても、感染症の関与が示唆されている。
動脈硬化は、その進展速度において多要因が複雑に絡み合い関与する病態であると考えられてきた。その中で、クラミジア細菌、サイトメガロウイルス、歯周菌などの感染症が動脈硬化の促進因子となっているとする報告も多数みられる。ここに、発明者等は、冠動脈硬化病変重症度とTLR2定量数値の関係を明らかにした(図17)。検討対象とした患者は、安定狭心症患者群(すなわち心筋虚血による心筋細胞壊死の影響がないと考えられる狭心症患者群)に限定した。冠動脈硬化の有意狭窄が存在する罹患枝数が、1枝病変、2枝病変、3枝病変と増すにつれて、動脈硬化の重症度が強いと定義した場合、その重症度に従ってTLR2定量数値が上昇する傾向を見出した。この臨床研究により、心筋壊死の影響を取り除いた上での真の動脈硬化病変のみに応じて、TLR2定量数値による評価がなされ、重症度の高い冠動脈3枝病変を有する患者の血液検体には、TLR2定量数値が大きい単球が存在する可能性が、統計的にみて高いことが示された。また、逆に、TLR2定量測定検査を行うことで、その高値をもって、動脈硬化病変がより進展、重症化する危険性を指摘し得る。同時に、その危険性を低下させる薬剤(高脂血症薬剤スタチン製剤、レニン−アンギオテンシン阻害薬、アンギオテンシンII受容体阻害薬など)の介入により動脈硬化進展、虚血イベントが抑制されるとするこれまでの大規模臨床知見を鑑み、TLR2定量測定という簡単な血液検査で、動脈硬化の進展をモニタリングできる臨床的意義は大きい。
ウイルス感染症発症時には、細菌感染発症時と比べて、単球上TLR2発現が高値をとることで、感染病原体の推測を立てる以外に、本発明者は、フローサイトメーターにより単球細胞集団のTLR1発現量の解析を行ったところ、ウイルス性感染症の一部の患者で、TLR1発現の上昇を見出した。このようにTLR1発現量に関する上昇の有無を検討することが(この場合、検査感度は低いが、ウイルス感染症以外では認められず、特異度は高い)、ウイルス感染症かどうかを鑑別するための、別の独立した指標になることを見出した。
Claims (13)
- フローサイトメーターにより、被験者の血液検体における単球あたりのトール様受容体タンパク質2(TLR2)に対する抗体の認識サイト数(site/cell)の定量を行い、当該定量値を、病原体感染の即時的又は経時的な指標とする感染症の検出方法において、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数(site/cell)の定量が、TLR2の既知かつ異なる量が担持された2種以上のビーズへの標識された当該TLR2に対する抗体の結合量を、フローサイトメーターにて測定することにより得られた蛍光強度と、前記TLR2の既知量の数値との間における検量線を作成し、さらに、標識されたTLR2に対する抗体を、被験者の血液検体に由来する被験細胞に反応させてフローサイトメーターにて測定を行い得られた蛍光強度と、前記検量線との比較換算により数値化されることにより行われることを特徴とする、感染症の検出方法。
- 前記検出方法において、TLR2の既知かつ異なる量が担持された2種以上のビーズと被験者の血液検体に由来する被験細胞を共存させて、蛍光標識されたTLR2に対する抗体と反応させ、これらをフローサイトメーターにて測定することにより得られた下記(1)及び(2)を、同一のフローサイトメーターの測定系において得ることを特徴とする、請求項1記載の感染症の検出方法。
(1)ビーズにおける蛍光強度と前記TLR2の既知量の数値との間における検量線
(2)被験細胞における蛍光強度 - 前記検出方法において、TLR2の既知かつ異なる量が担持された2種以上のビーズが凍結乾燥にて保存されたビーズであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の感染症の検出方法。
- 単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が、統計的な健常者の範囲を超えて高値である場合に、当該高値を感染性炎症疾患の指標とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の感染症の検出方法。
- 血液検体が重症細菌感染症に罹患していない被験者の血液検体であり、かつ、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が、統計的な非重症細菌感染症の範囲を超えて高値である場合に、当該高値をウイルス感染症又は真菌感染症の指標とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の感染症の検出方法。
- 血液検体が炎症疾患に罹患している被験者の血液検体であり、かつ、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が、統計的な健常者の範囲内である場合に、当該健常値を、非感染性炎症疾患の指標とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の感染症の検出方法。
- 非感染性炎症疾患が、薬剤性臓器障害、虚血性もしくは低酸素性臓器障害、外科的侵襲を含む外傷、膠原病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、癌疾患、又は、非感染性の血液疾患であることを特徴とする、請求項6記載の感染症の検出方法。
- 血液検体が感染症治療薬投与開始後の被験者の血液検体であり、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値が統計的な健常者の範囲内へと減少した場合に、当該感染症治療薬が被験者に対して有効であることの指標とし、かつ、当該定量値が統計的な健常者の範囲を超えて高値である場合には、当該感染症治療薬の被験者に対する有効性が低いことを表す指標とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の感染症の検出方法。
- 血液検体が感染症治療薬剤投与後の感染寛解期の薬剤中止時期における被験者の血液検体であり、単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値の当該薬剤投与の中止時期、また、それ以降の経時的な増加を、感染再燃の肯定的な指標とすることを特徴とする、請求項1〜3記載の感染症の検出方法。
- 単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値の当該薬剤投与の中止時期、また、それ以降の経時的な増加により、当該定量値が、健常者の統計的な当該定量値の平均値に標準偏差の2倍を加算した値を超えて高値となる場合を、感染再燃の肯定的な指標とすることを特徴とする、請求項9記載の感染症の検出方法。
- 単球あたりのTLR2に対する抗体の認識サイト数の定量値の当該薬剤中止時期からの当該定量値の経時的な最大値が、健常者の統計的な当該定量値の平均値よりも低値であることを、感染再燃の否定的な指標とすることを特徴とする、請求項9記載の感染症の検出方法。
- 血液検体が感染症以外の疾患の治療前後の血液検体であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかの請求項記載の感染症の検出方法。
- 感染症以外の疾患の治療が、手術を含む外科治療、放射線治療、薬物化学療法及び/又は理学物理療法、であることを特徴とする、請求項12記載の感染症の検出方法。
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