JP5305701B2 - 電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法に関し、特に、露光装置の周辺の気圧が変化しても高精度に露光可能な電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法に関する。
電子ビーム露光装置では、スループットの向上を図るために、ステンシルマスクに可変矩形開口又は複数のステンシルマスクパターンを用意し、ビーム偏向によりそれらを選択してウエハに転写露光している。
このような露光装置として、例えば特許文献1には部分一括露光をする電子ビーム露光装置が開示されている。部分一括露光とは、マスク上に配置した複数個、例えば100個のステンシルパターンからビーム偏向により選択した一つのパターン領域、例えば20×20μmの領域にビームを照射し、ビーム断面をステンシルパターンの形状に成形し、さらにマスクを通過したビームを後段の偏向器で偏向振り戻し、電子光学系で決まる一定の縮小率、例えば1/10に縮小し、試料面に転写する。一度に照射される試料面の領域は、例えば2×2μmである。露光するデバイスパターンに応じてマスク上のステンシルパターンを適切に用意すれば、可変矩形開口だけの場合より、必要な露光ショット数が大幅に減少し、スループットが向上する。
さらに、このような露光装置のコラム一つ一つの大きさを小さくしたもの(以下、コラムセルと呼ぶ)を複数個集め、ウエハ上に並べて並列して露光処理するマルチコラム電子ビーム露光装置が提案されている。各コラムセルはシングルコラムの電子ビーム露光装置のコラムと同等であるが、マルチコラム全体では並列して処理するため、コラム数倍の露光スループットの増加が可能である。
このようなマルチコラム電子ビーム露光装置を使用することにより、スループットの向上を図ることが可能であるが、その前提として露光データに従って精度良く電子ビームを照射することが要求される。
電子ビーム露光装置では、露光精度を高精度に維持するため、通常、所定の時間毎にキャリブレーションを行っている。このキャリブレーションによって、露光精度を劣化させる一因と考えられている、電子ビームの照射位置や電磁レンズによる収束(焦点)が変化するドリフトと呼ばれる現象の影響を小さくしている。
このドリフトは露光装置を使用する環境、特に、気圧の変化による影響を強く受け、かつ制御が困難であると考えられている。
これに対して、特許文献2では、投影光学装置において、光学性能に悪影響を及ぼす外乱要因の気圧や温度を定常化する技術が記載されている。
特開2004−88071号公報 昭62−181426号公報
上述したような露光装置に影響を及ぼす気象条件は、高気圧・低気圧の移動や音波によって容易に変動する。例えば、高気圧や台風の移動によっては10分で1hp程度の高速な気圧変動が起こり得る。この場合、0.5μmの焦点高さの変動が10分間で発生する。また、気圧変動に伴い、照射位置が10分間で10nm以上ドリフトすることがあった。
これに対して、露光装置を収容する環境チャンバーの内部の気圧を一定値、例えば、0.01hpにすることが可能であれば、気圧の影響によるドリフトや焦点変動を小さくすることが可能である。
しかし、実際の気圧変動は100hpに及ぶ場合もあり、約0.1気圧に耐えうる環境チャンバーを用意する必要がある。このような環境チャンバーは、10m×10mのチャンバー一面に対して100トンの力に耐える剛性が必要とされるため、環境チャンバーの構築は非現実的であり、一定気圧の環境を用意することは困難である。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、目的は、高速な気圧変動に対しても特殊な環境チャンバーを用意することなく、露光精度の低下を防止することが可能な電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法を提供することである。
上記した課題は、被露光試料が載置されるウエハステージを備えた試料室と電子ビームを前記試料上に照射する電子ビーム光学鏡筒で構成される電子ビーム露光装置本体が外気から隔離する環境チャンバーに収容された電子ビーム露光装置であって、前記環境チャンバーの内部の気圧を計測する内部気圧計と、前記環境チャンバーの外部の気圧を計測する外部気圧計と、前記環境チャンバーの内部に気体を供給して気圧を制御する気圧制御器と、前記外部気圧計で計測された気圧を基に当該気圧の変動を滑らかな気圧変動関数で近似し、前記気圧制御器を介して当該気圧変動関数に従うように前記環境チャンバーの内部の気圧を連続的に調整する制御部とを有することを特徴とする電子ビーム露光装置により解決する。
この形態に係る電子ビーム露光装置において、更に、前記電子ビーム露光装置本体は、電子ビームのビーム照射位置を測定する電子ビーム位置検出部と、露光データに基づいて前記電子ビームを偏向する偏向器とを備え、前記制御部は、ビーム照射位置の予測関数及び前記環境チャンバーの内部の気圧の変化を基にビーム照射位置を算出し、前記電子ビーム位置検出部で測定された電子ビームのビーム照射位置との差分に相当する露光データの補正量を算出し、当該補正量で補正された露光データに従って前記被露光試料を露光するようにしてもよい。
また、この形態に係る電子ビーム露光装置において、前記気圧変動関数は、前記外部気圧計で計測された気圧を所定の時間間隔の計測値による移動平均によって算出されるようにしてもよく、前記予測関数は、過去の複数回のキャリブレーション時刻における複数の計測値を基に算出され、当該複数の計測値を滑らかに結ぶ関数であるようにしてもよく、前記予測関数は、次式で表わされるようにしてもよい。
Figure 0005305701
ここで、Δ(T)は時刻Tにおける予測値、Qiは時刻Tiにおける電子ビーム照射位置の計測値、nは自然数である。
本発明では、電子ビーム光学鏡筒及び試料室からなる電子ビーム露光装置本体を外気から隔離する環境チャンバー内に収容し、外部の気圧を計測して気圧変動を十分滑らかな気圧変動関数で近似し、環境チャンバーの気圧をこの気圧変動関数に合わせるようにしている。このような気圧変化の状況下で、ビーム照射位置の予測関数と環境チャンバー内の気圧の変化を基に、ビーム照射位置を予測している。予測関数は、例えば、過去に実測した数点を通る曲線を現す関数である。予測したビーム照射位置に基づいて、露光データの補正量を算出し、偏向器に印加する電圧値を算出している。
このように、環境チャンバー内の気圧を滑らかに変動させているため、ビームのドリフトの予測値と実際のドリフト値とが大きくずれることがなくなり、ビーム照射位置を補正することが可能となる。これにより、気圧の変動が高速であっても、気圧の変動に対して高い剛性の特別な環境チャンバーを用意することなく、気圧の変動による影響を極力削減して、ビーム照射位置のドリフトを低減し、露光精度を向上することが可能となる。
また、本発明の他の形態によれば、上記の形態に係る電子ビーム露光装置において実施される電子ビーム露光方法が提供される。その一形態に係る電子ビーム露光方法は、被露光試料が載置されるウエハステージを備えた試料室と電子ビームを前記試料上に照射する電子ビーム光学鏡筒で構成される電子ビーム露光装置本体が外気から隔離する環境チャンバーに収容された電子ビーム露光装置における電子ビーム露光方法であって、前記外気の気圧を測定し、滑らかな気圧変動関数を取得するステップと、前記気圧変動関数に従って、前記環境チャンバー内部の気圧を連続的に調整するステップと、前記環境チャンバー内部の気圧が調整された状態で、前記電子ビームの照射位置を計測し、所定の予測関数に適用して前記電子ビームの照射位置の予測値を算出するステップと、前記予測値を基に、露光データを補正するステップと、前記補正された露光データに従って露光処理を実施するステップと、を有することを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、マルチコラム電子ビーム露光装置を対象として説明する。まず、図1から図3を参照して、マルチコラム電子ビーム露光装置本体の説明をする。次に、図4から図6を参照して、気圧変動に対する対処手法について説明する。次に、図7から図10を参照して、気圧変動の問題点を解決する気圧調整機能を備えたマルチコラム電子ビーム露光装置について説明する。最後に図11及び図12を参照して、電子ビーム露光方法について説明する。
(マルチコラム電子ビーム露光装置本体の構成)
図1は、本実施形態に係るマルチコラム電子ビーム露光装置本体の概略構成図である。
マルチコラム電子ビーム露光装置本体は、電子ビームコラム10と電子ビームコラム10を制御する制御部20に大別される。このうち、電子ビームコラム10は、同等なコラムセル11が複数、例えば16集まって、全体のコラムが構成されている。すべてのコラムセル11は後述する同じユニットで構成される。コラムセル11の下には、例えば300mmウエハ12を搭載したウエハステージ13が配置されている。
一方、制御部20は、電子銃高圧電源21、レンズ電源22、デジタル制御部23、ステージ駆動コントローラ24及びステージ位置センサ25を有する。これらのうち、電子銃高圧電源21は電子ビームコラム10内の各コラムセル11の電子銃を駆動させるための電源を供給する。レンズ電源22は電子ビームコラム10内の各コラムセル11の電磁レンズを駆動させるための電源を供給する。デジタル制御部23は、コラムセル11各部をコントロールする電気回路であり、ハイスピードの偏向出力などを出力する。デジタル制御部23はコラムセル11の数に対応する分だけ用意される。
ステージ駆動コントローラ24は、ステージ位置センサ25からの位置情報を基に、ウエハ12の所望の位置に電子ビームが照射されるようにウエハステージ13を移動させる。上記の各部21〜25は、ワークステーション等の統合制御系26によって統合的に制御される。
上述したマルチコラム電子ビーム露光装置では、すべてのコラムセル11は同じコラムユニットで構成されている。
図2は、マルチコラム電子ビーム露光装置に使用される図1の各コラムセル11の概略構成図である。
各コラムセル11は、露光部100と、露光部100を制御するコラムセル制御部31とに大別される。このうち、露光部100は、電子ビーム生成部130、マスク偏向部140及び基板偏向部150によって構成される。
電子ビーム生成部130では、電子銃101から生成した電子ビームEBが第1電磁レンズ102で収束作用を受けた後、ビーム整形用マスク103の矩形アパーチャ103aを透過し、電子ビームEBの断面が矩形に整形される。
その後、電子ビームEBは、マスク偏向部140の第2電磁レンズ105によって露光マスク110上に結像される。そして、電子ビームEBは、第1、第2静電偏向器104、106により、露光マスク110に形成された特定のパターンPに偏向され、その断面形状がパターンPの形状に整形される。
なお、露光マスク110はマスクステージ123に固定されるが、そのマスクステージ123は水平面内において移動可能であって、第1、第2静電偏向器104、106の偏向範囲(ビーム偏向領域)を超える部分にあるパターンPを使用する場合、マスクステージ123を移動することにより、そのパターンPをビーム偏向領域内に移動させる。
露光マスク110の上下に配された第3、第4電磁レンズ108、111は、それらの電流量を調節することにより、電子ビームEBを基板上で結像させる役割を担う。
露光マスク110を通った電子ビームEBは、第3、第4静電偏向器112、113の偏向作用によって光軸Cに振り戻された後、第5電磁レンズ114によってそのサイズが縮小される。
マスク偏向部140には、第1、第2補正コイル107、109が設けられており、それらにより、第1〜第4静電偏向器104、106、112、113で発生するビーム偏向収差が補正される。
その後、電子ビームEBは、基板偏向部150を構成する遮蔽板115のアパーチャ115aを通過し、第1、第2投影用電磁レンズ116、121によって基板上に投影される。これにより、露光マスク110のパターンの像が、所定の縮小率、例えば1/10の縮小率で基板に転写されることになる。
基板偏向部150には、第5静電偏向器119と電磁偏向器120とが設けられており、これらの偏向器119、120によって電子ビームEBが偏向され、基板の所定の位置に露光マスクのパターンの像が投影される。
更に、基板偏向部150には、基板上における電子ビームEBの偏向収差を補正するための第3、第4補正コイル117、118が設けられる。
一方、コラムセル制御部31は、電子銃制御部202、電子光学系制御部203、マスク偏向制御部204、マスクステージ制御部205、ブランキング制御部206及び基板偏向制御部207を有する。これらのうち、電子銃制御部202は電子銃101を制御して、電子ビームEBの加速電圧やビーム放射条件等を制御する。また、電子光学系制御部203は、電磁レンズ102、105、108、111、114、116及び121への電流量等を制御して、これらの電磁レンズが構成される電子光学系の倍率や焦点位置等を調節する。ブランキング制御部206は、ブランキング電極127への印加電圧を制御することにより、露光開始前から発生している電子ビームEBを遮蔽板115上に偏向し、露光前に基板上に電子ビームEBが照射されるのを防ぐ。
基板偏向制御部207は、第5静電偏向器119への印加電圧と、電磁偏向器120への電流量を制御することにより、基板の所定の位置上に電子ビームEBが偏向されるようにする。上記の各部202〜207は、ワークステーション等の統合制御系26によって統合的に制御される。
図3は、マルチコラム型電子ビーム露光装置におけるコラムセル制御部31の模式図である。コラムセル制御部31はコラムセル11のそれぞれが有している。各コラムセル制御部31はマルチコラム型電子ビーム露光装置の全体を制御する統合制御系26とバス34で接続される。また、統合記憶部33は、例えばハードディスクで構成され、露光データ等すべてのコラムセルで必要となるデータが格納されている。統合記憶部33も統合制御系26とバス34で接続されている。
このように構成されたマルチコラム電子ビーム露光装置において、ウエハステージ13に載置したウエハ12上に露光するパターンの露光データを統合記憶部33から各コラムセル制御部31のコラムセル記憶部35に転送する。転送された露光データは、補正が必要であれば各コラムセル制御部31の補正部36において補正される。
(気圧変動に対する対処手法)
次に、気圧の変動に対してビーム照射位置を補正する処理について説明する。
図4は、4つのコラムセルを一列に並べて配置されたマルチコラム電子ビーム露光装置を示した模式断面図である。図4の露光装置では、4つの電磁レンズ41a〜41dを有しており、これらの電磁レンズ41a〜41dはそれぞれコイル42a〜42dで構成されている。また、電磁レンズ41aを形成する磁極板には各コラムセルに対応して開口44a〜44dを有しており、電子銃43a〜43dから放出された電子ビームEB1〜EB4がそれぞれ開口44a〜44dを通過して試料12上に照射される。このような露光装置に対して、例えば図4の白抜き矢印で示すように、圧力がかかり、装置外形が変形してしまう。
図5は、電子光学鏡筒及び試料室で構成される電子ビームコラム10に圧力がかかったときの変動の様子を模式的に示した図である。図5に示すように、試料室10aの上部が下方に変動し、その上に配置されている電子ビーム光学鏡筒10bも下方に位置が変動する。これにより、電磁レンズの焦点がずれてしまう。また、電子ビーム光学鏡筒10bにも横方向に圧力がかかり、電子ビームの光軸が平常時とは異なり、図5(b)の破線矢印で示すように、斜め方向に電子ビームがずれて照射されてしまう。そのため、露光データに従って電子ビームを照射しても照射位置にずれが生じてしまうことになる。なお、図5では、コラムセルが一つの場合を示しているが、電子ビームコラム10の変動の様子は複数のコラムセルを有する場合も同様である。
図6は、外気の気圧の変動の一例を示した図である。横軸は時間を示し、縦軸は気圧を示している。図6は半導体工場に露光装置を収容する環境チャンバーを設置した場合を例にとって気圧の変動を示した図である。図6の曲線L1は半導体工場内部の気圧変動を示した気圧変動曲線である。この気圧変動曲線L1は、10分で1hp程度の気圧変動を示している。このような気圧変動の状況下で電子ビーム露光処理を行うと、ビーム照射位置が10分間で10nm以上ドリフトしてしまうという問題が発生している。
ビーム照射位置のドリフトは過去の数点のドリフト位置を基にある程度予測することが可能である。よって、予めビーム照射位置のドリフトを予測し、ドリフト量をキャンセルするように露光データを補正することによって精度を向上させることができる。
しかし、図6の気圧変動曲線L1に示すように変化率の大きな高速の気圧変動の状況下では、ビーム位置のドリフトを過去のドリフト位置を用いて予測することは困難である。すなわち、予測関数を用いてドリフト位置を予測しても、実際のビーム照射位置とは大きく異なってしまう。そのため、環境チャンバーの内部を気圧変動曲線L1に近似させたとしても、ビーム照射の精度を向上させることは困難である。
また、環境チャンバーの内部の気圧を一定にすれば、気圧の変動によるドリフトを防止することが可能であるが、気圧を一定にするためには100トンもの圧力に耐えうる環境チャンバーにする必要があり、非現実的である。本実施形態では、環境チャンバー内の気圧変化が、ビーム位置のドリフトが予測可能な程度の気圧変化になるように、図6の気圧変動曲線L1を滑らかな曲線に近似する。例えば、気圧変動曲線L1に対して、移動平均をすることにより気圧変動曲線L1を平滑化した曲線にする。例えば、直近の1分毎に10時間分の気圧データの平均をとって気圧変動曲線L1を平滑化する。図6の曲線L2は、気圧変動曲線に対して移動平均して得られる気圧変動を平滑化した平滑気圧変動曲線L2を示している。
(気圧調整機能を備えたマルチコラム電子ビーム露光装置の構成)
図7は、気圧調整機能を備えたマルチコラム電子ビーム露光装置50を示す構成図である。マルチコラム電子ビーム露光装置本体10は、外部の大気から隔離する環境チャンバー51内に収容され、環境チャンバー51内に設置された内部気圧計53と、環境チャンバー外部に設置された外部気圧計54と、環境チャンバー51の内部の気圧を調整する気圧制御器59と、これらの内部気圧計53、外部気圧計54、気圧制御器59を制御する制御部58で基本構成されている。なお、制御部58は図1において統合制御系26が相当する。
内部気圧計53は、環境チャンバー51の内部の気圧を検出し、外部気圧計54は環境チャンバー51の外部の気圧を検出する。これらの気圧計53,54は、例えば、ダイアフラム型気圧計を使用する。ダイアフラム型気圧計は、一定の気体の入った閉じた空間をダイアフラムで作り、環境チャンバー内又は環境チャンバー外部の気圧変動によって変化するダイアフラムの動きを電気的に変換して気圧を計測する。
気圧制御器59は、制御部58からの指示に基づいて、環境チャンバー51内部の気圧を調整する。図8は、気圧制御器の一例を示した図である。図8に示すように、気圧制御器59は、加圧ポンプ81と、空気だめ82と、エアーベアリング83で基本構成されている。加圧ポンプ81を用いて加圧された空気だめ82内の気体が環境チャンバー51へ流入するようにしている。その際にエアーベアリング83を制御して空気の流量制御が行われる。エアーベアリング83の制御は、制御部58からの指示に応じて行われる。なお、空気の流れを確保するために空気抜き穴57を設けておく。環境チャンバー51と外部との空気の流通はこの空気抜き穴57を通してのみ行われる。従って、電源ケーブル56等の環境チャンバー51内部への導入に際しては、空気漏れがないように目張り等の処理を施す。
このように構成された気圧制御機能を備えたマルチコラム電子ビーム露光装置50において、制御部58は環境チャンバー51外部の気圧を取得して、外部の気圧変動を滑らかな気圧変動関数に近似する。例えば、気圧データを基に移動平均を行って滑らかな気圧変動関数を算出する。制御部58は気圧制御器59に気圧の移動平均データに応じた量の空気を環境チャンバー51内部に流入させるように指示する。このようにして、環境チャンバーの51内部の気圧を滑らかな気圧変動の状態に調整する(図6の破線L3参照)。
このような滑らかな気圧変動の状況下において、ビーム照射位置や気圧に依存して変化する焦点位置とビーム位置ドリフトを定期的に計測して、電子ビームのビームドリフトの予測を行う。そして、予測量からの偏差を求めて気圧変動分を考慮した露光データの補正を行い、次の計測時間までの描画を十分に滑らかな予測関数で気圧補正を行って描画する。
通常、予め決められた時間間隔で電子ビームのキャリブレーションを行っている。この場合、例えば、ある時点において電子ビームの照射位置のキャリブレーションを行い、次のキャリブレーションまでは同じ補正値を用いて補正している。すなわち、この間は電子ビームの照射位置の位置ずれ量が変化しているにもかかわらず、キャリブレーション時に実測した位置に対する補正値を使用しているため、正確に補正することができず、精度劣化の原因となる。
図9は、電子ビームを照射したときの時間に対する照射位置のずれを予測したビーム位置予測曲線を示す図である。図9の横軸は時間を、縦軸は照射位置を示している。なお、位置ずれはx方向とy方向を考慮することが必要であるが、図6ではxまたはyの一方向の位置ずれを対象としている。
図9のQ1,Q2,Q3はそれぞれキャリブレーションの時間T1,T2,T3に測定した計測値である。ビーム照射位置の位置ずれの傾向を示すビーム位置特性の検出は、キャリブレーションチップ上に形成した基準マークを使用し、周知の方法によって行う。すなわち、基準マークの中心が各コラムセルの光軸直下に位置するようにウエハステージを移動し、基準マーク上を電子ビームが照射するように電子ビームを偏向器を用いて走査する。反射電子検出器により走査時の反射電子信号を検出し、この反射電子信号を信号処理して、ビーム照射位置を算出する。実際の基準マークの配置されている位置と比較することにより、電子ビームの照射位置を算出し、ビーム位置特性を測定する。
図9の曲線D1(T)は、予測関数を用いて算出されるビーム位置予測曲線である。本実施形態では、式(1)に示す予測関数を例にとって説明する。
Figure 0005305701
ここで、Δ(T)は時刻Tにおける予測値、Qiは時刻Tiにおける電子ビーム照射位置の計測値、nは自然数である。
例えば、式(1)において、n=3とし、過去の3つの時点T1,T2,T3(T1<T2<T3)のデータを使用し、T1での計測値をQ1,T2での計測値をQ2,T3での計測値をQ3とすると、時刻Tにおけるビーム位置の予測値Δ(T)は次の2次式で求められる。
Figure 0005305701
図10において、時刻T3から次のキャリブレーションまでの間は、時刻T3において算出した式(2)によりビーム位置を算出する。ビーム位置予測曲線D1(T)は、計測値Q1,Q2,Q3を通過するカーブフィットした予測曲線である。なお、Δ(T)においてn=2を適用する場合、例えば、計測値Q2,Q3を通過する予測曲線は、直線となる。時刻T3から次のキャリブレーションまでの時間間隔は任意に設定してよい。
ビーム位置を算出した後、そのずれ量をキャンセルするようなビーム偏向量を算出する。例えば図10のT3′においてQ3′と予測されたとする。この場合、−Q3′になるように各コラムセルの第5静電偏向器119に印加する電圧量を補正する値を算出する。
試料上で電子ビームの照射位置を偏向する偏向器の、X方向とY方向の2方向の電極を有する静電偏向器に加えられる電圧は、X方向の入力は式(3)、Y方向の入力は式(4)で表わされる。
Figure 0005305701
Figure 0005305701
この値に比例した電圧が静電偏向器の電極に印加され、電子ビームを偏向する。この式においてGx,Gyはゲイン補正係数、Rx,Ryはローテーション補正係数、Ox,Oyは、オフセット調整係数である。
偏向器に印加する電圧のうち、例えば、Ox,Oyを調整することによって上記の位置ずれをなくすようにする。
ビーム照射位置は、式(5)及び式(6)で補正する。
Figure 0005305701
Figure 0005305701
この式において、Bx,Byは定数、Pは気圧測定値、P0は定数である。Q(Xα)、Q(Yα)は、式(1)にXα、Yαを適用した値である。すなわち、気圧の変動分を予測関数に加算又は減算することによって偏向量を調整している。
これらの値を各コラムセル記憶部35に格納し、各コラムセルで電子ビームを照射する際に補正された電圧量で電子ビームを偏向する。
気圧の変動によって、ビームの焦点も変化する。この焦点は次式で補正する。
Figure 0005305701
ここで、Aは定数、Pは気圧測定値、P0は定数。
通常、ビームの焦点の検出は、電磁レンズのフォーカスコイルの電流を変化させて焦点位置を変化させながら試料上に形成された基準マークを走査し、反射電子を検出した検出器の信号変化から、変化が最も先鋭であるときを最適な焦点としている。このときのフォーカスコイルに供給する電流に対して式(7)の気圧変動分をフォーカスコイルの電流値に加算又は減算することによって焦点を調整する。
なお、焦点を補正した場合は、ゲイン補正係数Gやローテーション補正係数Rも気圧変化に依存する微小部分を式(8)及び式(9)のように補正した値を式(3)及び式(4)に適用する。
Figure 0005305701
Figure 0005305701
ここで、g0は気圧変化に依存しないゲイン補正係数、g1は気圧変化に依存するゲイン補正係数、r0は気圧変化に依存しないローテーション補正係数、r1は気圧変化に依存するローテーション補正係数、Pは気圧測定値、P0は定数である。
次に、キャリブレーションを実施する間隔の最適化について説明する。
図10に示すように、キャリブレーション時刻T3においてビーム特性を実測した後、次のキャリブレーション時刻Tnextまでは予測関数に基づいて補正している。時刻Tnextにおける予測値Qp(Tnext)も予測関数に基づいて算出されている。
補正された露光データに従って露光処理を行い、時刻Tnextになった時点で再びビーム特性を実測する。このとき予測値Qp(Tnext)と計測値Qa(Tnext)との差分Qa(Tnext)−Qp(Tnext)をビーム特性誤差δとする。
このビーム特性誤差δの値によって、キャリブレーションの間隔を調整する。例えば、許容誤差δaを予め設定しておき、ビーム照射位置ずれが許容誤差δa以下であれば、キャリブレーション間隔は変更しないか、又は長くする。キャリブレーション間隔を長くした場合には、スループットの向上を図ることができる。逆に、ビーム照射位置が許容誤差δaを超えていれば、露光精度が劣化してしまうため、キャリブレーション間隔を短くする。この場合は、露光精度の劣化を防止することができる。
以上説明したように、本実施形体では、電子ビーム光学鏡筒及び試料室からなる電子ビーム露光装置本体を外気から隔離する環境チャンバー内に収容し、外部の気圧を計測して気圧変動を十分滑らかな気圧変動関数で近似し、環境チャンバーの気圧をこの気圧変動関数に合わせるようにしている。このような気圧変化の状況下で、ビーム照射位置の予測関数と環境チャンバー内の気圧の変化を基に、ビーム照射位置を予測している。予測関数は、例えば、過去に実測した数点を通る曲線を現す関数である。予測したビーム照射位置に基づいて、露光データの補正量を算出し、偏向器に印加する電圧値を算出している。
このように、環境チャンバー内の気圧を滑らかに変動させているため、ビームのドリフトの予測値と実際のドリフト値とが大きくずれることがなくなり、ビーム照射位置を補正することが可能となる。これにより、気圧の変動が高速であっても、気圧の変動に対して高い剛性の特別な環境チャンバーを用意することなく、気圧の変動による影響を極力削減して、ビーム照射位置のドリフトを低減し、露光精度を向上することが可能となる。
また、本実施形態では、予測値と計測値との差の値によってキャリブレーション時間間隔を調整している。予測値と計測値との誤差が所定の値より小さい場合は、露光精度を保ったまま、キャリブレーションの頻度を少なくすることができ、露光に寄与しない時間を減らして露光スループットを向上させることができる。
また、予測値と計測値との誤差が所定の値より大きい場合は、キャリブレーションの頻度を多くして、露光精度を向上させることが可能になる。キャリブレーションの頻度を増やした結果露光精度が向上した場合には、再度キャリブレーションの頻度を少なくすることも可能であり、露光開始から終了まで露光精度を保ちながら露光スループットを向上させることが可能となる。
(マルチコラム電子ビーム露光方法)
次に、上記したマルチコラム電子ビーム露光装置における露光方法について説明する。
図11は、本実施形態に係るマルチコラム電子ビーム露光装置による環境チャンバー内の気圧調整処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS11では、環境チャンバーの外部の気圧を計測し、計測値を記録する。計測は環境の変化を追従可能な時間毎、例えば1分毎に計測する。
次のステップS12では、ステップS11で計測された気圧を基に、滑らかな気圧変動関数を算出する。滑らかな気圧変動関数は、例えば、過去の測定値を移動平均することによって算出する。
次のステップS13では、ステップS12で算出された気圧変動関数に従って、環境チャンバー内の気圧を調整する。
図12は、本実施形態に係るマルチコラム電子ビーム露光装置によるビームドリフト予測及びキャリブレーション時間間隔調整処理を含んだ露光処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS21で、初期設定をする。初期設定では、キャリブレーションの時間間隔を決定する。例えば、5分とする。また、キャリブレーション時間を示すカウンタnを1とする。
次に、ステップS22では、キャリブレーションの時間か否かを判定する。キャリブレーション時間であればステップS23に移行し、キャリブレーション時間でなければステップS28に移行する。
次に、ステップS23では、キャリブレーション時間T(n)におけるビーム位置を測定し、ビーム位置ずれの計測値を取得して記憶部に記録する。ビーム位置はコラムセルの偏向器によって電子ビームを、基準マーク上を通過するように走査して、基準マークの反射電子を取得し、信号処理をしてビーム位置を取得する。
次のステップS24、S25においてキャリブレーション間隔の調整を行う。
ステップS24では、直前のキャリブレーション時間T(n−1)において予測された時間T(n)でのビーム位置ずれの予測値を記憶部35から取得する。
次にステップS25では、ステップS23において実測したビーム位置ずれの計測値と、ステップS24で取得した予測関数で予測したビーム位置ずれの予測値との差分(ビーム特性誤差)を算出する。
算出したビーム特性誤差に応じてキャリブレーションの時間間隔を調整する。例えば、許容誤差δaを設定しておき、ビーム特性誤差が許容誤差δaより小さければ、キャリブレーション間隔の変更はしないか、又はキャリブレーション間隔を伸ばすようにする。また、ビーム特性誤差が許容誤差δaを超えている場合はキャリブレーション間隔を短くする。
次に、ステップS26では、キャリブレーションを実施した時点T(n)以降の次のキャリブレーションT(n+1)までのビーム位置ずれを予測し、記憶部35に格納する。
ビーム位置ずれは、キャリブレーションを実施した時点以前のn個のビーム位置の計測値を予測関数に適用して算出する。この予測関数は、本実施形態において説明した式(1)に示す関数である。例えば、式(1)において3点の計測値を基にして2次の予測関数が得られる。
次に、ステップS27では、ステップS26で算出したビーム位置ずれを基に、キャリブレーション実施時点以降で次のキャリブレーション実施までの間のビーム位置ずれをなくすように偏向器に印加する電圧の補正量を算出する。例えば、ウエハ(試料)の1フィールドが露光される時間(例えば2秒)ごとの補正量の算出を行う。
次に、ステップS28では、ステップS27で算出し記憶部35に格納された補正量に相当する電圧を偏向器に印加するようにして、露光処理を実施する。
次に、ステップS29では、露光が終了したか否かの判定を行う。露光が終了した場合は本処理を終了し、露光が終了していない場合はステップS30でnを1加算してステップS22に戻り本処理を継続する。
以上説明したように、気圧調整機能を備えた電子ビーム露光装置における電子ビーム露光方法では、電子ビーム露光装置が収容された環境チャンバーの外部の気圧を計測して気圧変動を十分滑らかな気圧変動関数で近似し、環境チャンバーの内部の気圧をこの気圧変動関数に合わせるようにしている。そして、数点の電子ビーム照射位置の計測値を、ビームドリフトを予測する予測関数に適用して、ビーム位置のドリフトを予測している。予測関数は、例えば、過去に実測した数点を通る曲線を現す関数である。次のキャリブレーションにおける電子ビーム特性の実測までの間、このドリフト予測値に基づいて偏向器に印加する電圧値を算出している。
このように、環境チャンバー内の気圧を滑らかに変動させているため、ビームのドリフトの予測値と実際のドリフト値とが大きくずれることがなくなり、ビーム照射位置を補正することが可能となる。ビームのドリフトは、過去のビーム照射位置を基にして予測関数を算出している。
これにより、気圧の変動が高速であっても、気圧の変動に対して高い剛性の特別な環境チャンバーを用意することなく、気圧の変動による影響を極力削減して、ビーム照射位置のドリフトを低減し、露光精度を向上することが可能となる。
なお、上記実施形態では、環境チャンバー内に露光装置が収容されている場合について説明したが、この露光装置の調整のために人が環境チャンバー内に入る場合を考慮して、露光装置が収容される部分と外部との間に別のチャンバー(人用ロードロック室)を設けるようにしてもよい。この人用ロードロック室は、環境チャンバーと通じる第1の開閉口(扉)と、外部と通じる第2の開閉口(扉)を備えている。
第1の扉が開かれるときは、環境チャンバーと人用ロードロック室の気圧を同一にし、第2の扉が開かれるときは、人用ロードロック室と外部との気圧を同一にするように制御される。
また、本実施形態では、気圧の変化を滑らかな関数で近似する際に移動平均を適用したが、これに限らず、気圧の変化を平滑化できる方法であればよい。
また、ビームドリフトを予測する際に式(1)に示す予測関数を適用したが、これに限らず、例えばスプライン関数等を適用して予測するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、電子ビーム露光装置本体としてマルチコラム電子ビーム露光装置を対象として説明したが、これに限らず、シングルコラムの電子ビーム露光装置であってもよい。
図1は、マルチコラム電子ビーム露光装置の構成図である。 図2は、図1に係る露光装置における1つのコラムセルの構成図である。 図3は、図1に係る露光装置のコラムセル制御部の模式図である。 図4は、4つのコラムセルを備えたマルチコラム電子ビーム露光装置の模式断面図である。 図5は、露光装置に圧力がかかったときの変動の様子を説明する図である。 図6は、気圧変動曲線の一例を示す図である。 図7は、気圧調整機能を備えた電子ビーム露光装置を示す模式構成図である。 図8は、気圧制御器の一例を示す図である。 図9は、ビーム位置ずれの予測曲線を示す図である。 図10は、ビーム位置ずれの予測及び計測値との差を説明する図である。 図11は、気圧調整処理の一例を示すフローチャートである。 図12は、ビームドリフト予測及びキャリブレーション時間調整処理を含んだ露光処理の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
50…気圧調整機能を備えた電子ビーム露光装置、51…環境チャンバー、52…人用ロードロック室、53、54、55…気圧計、58…制御部、59、60…気圧制御器、81…加圧ポンプ、82…空気だめ、83…エアーベアリング、100…露光部、101…電子銃、102…第1電磁レンズ、103…ビーム整形用マスク、103a…矩形アパーチャ、104…第1静電偏向器、105…第2電磁レンズ、106…第2静電偏向器、107…第1補正コイル、108…第3電磁レンズ、109…第2補正コイル、110…露光用マスク、111…第4電磁レンズ、112…第3静電偏向器、113…第4静電偏向器、114…第5電磁レンズ、115…遮蔽板、115a…アパーチャ、116…第1投影用電磁レンズ、117…第3補正コイル、118…第4補正コイル、119…第5静電偏向器、120…電磁偏向器、121…第2投影用電磁レンズ、123…マスクステージ、124…ウエハステージ、125…駆動部、127…ブランキング電極。

Claims (12)

  1. 被露光試料が載置されるウエハステージを備えた試料室と電子ビームを前記試料上に照射する電子ビーム光学鏡筒で構成される電子ビーム露光装置本体が外気から隔離する環境チャンバーに収容された電子ビーム露光装置であって、
    前記環境チャンバーの内部の気圧を計測する内部気圧計と、
    前記環境チャンバーの外部の気圧を計測する外部気圧計と、
    前記環境チャンバーの内部に気体を供給して気圧を制御する気圧制御器と、
    前記外部気圧計で計測された気圧を基に当該気圧の変動を滑らかな気圧変動関数で近似し、前記気圧制御器を介して当該気圧変動関数に従うように前記環境チャンバーの内部の気圧を連続的に調整する制御部とを有することを特徴とする電子ビーム露光装置。
  2. 更に、前記電子ビーム露光装置本体は、電子ビームのビーム照射位置を測定する電子ビーム位置検出部と、露光データに基づいて前記電子ビームを偏向する偏向器とを備え、
    前記制御部は、ビーム照射位置の予測関数及び前記環境チャンバーの内部の気圧の変化を基にビーム照射位置を算出し、前記電子ビーム位置検出部で測定された電子ビームのビーム照射位置との差分に相当する露光データの補正量を算出し、当該補正量で補正された露光データに従って前記被露光試料を露光することを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  3. 前記気圧変動関数は、前記外部気圧計で計測された気圧を所定の時間間隔の計測値による移動平均によって算出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ビーム露光装置。
  4. 前記予測関数は、過去の複数回のキャリブレーション時刻における複数の計測値を基に算出され、当該複数の計測値を滑らかに結ぶ関数であることを特徴とする請求項2に記載の電子ビーム露光装置。
  5. 前記予測関数は、次式で表わされることを特徴とする請求項4に記載の電子ビーム露光装置。
    Figure 0005305701
    ここで、Δ(T)は時刻Tにおける予測値、Qiは時刻Tiにおける電子ビーム照射位置の計測値、nは自然数である。
  6. 前記制御部は、前記環境チャンバーの内部の気圧の変動量に焦点補正係数を乗じた量を補正量として前記露光データを補正し、前記電子ビームの焦点を補正することを特徴とする請求項2に記載の電子ビーム露光装置。
  7. 前記電子ビーム露光装置本体は、前記電子ビーム光学鏡筒を複数有することを特徴とする請求項2に記載の電子ビーム露光装置。
  8. 前記環境チャンバーは、前記電子ビーム露光装置本体が収容される第1のチャンバーと、当該第1のチャンバーと外部との間に設けられた第2のチャンバーとで構成され、当該第2のチャンバーは前記第1のチャンバーとの間に第1の開閉口を備え、外部との間に第2の開閉口を備え、
    前記制御部は、前記第1の開閉口が開かれるときは前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーの気圧を同一にし、前記第2の開閉口が開かれるときは前記第2のチャンバーと前記外部の気圧を同一にすることを特徴とする請求項2に記載の電子ビーム露光装置。
  9. 被露光試料が載置されるウエハステージを備えた試料室と電子ビームを前記試料上に照射する電子ビーム光学鏡筒で構成される電子ビーム露光装置本体が外気から隔離する環境チャンバーに収容された電子ビーム露光装置における電子ビーム露光方法であって、
    前記外気の気圧を測定し、滑らかな気圧変動関数を取得するステップと、
    前記気圧変動関数に従って、前記環境チャンバー内部の気圧を連続的に調整するステップと、
    前記環境チャンバー内部の気圧が調整された状態で、ビーム照射位置の予測関数及び前記環境チャンバーの内部の気圧の変化を基に前記電子ビームの照射位置の予測値を算出するステップと、
    前記予測値を基に、露光データを補正するステップと、
    前記補正された露光データに従って露光処理を実施するステップと、
    を有することを特徴とする電子ビーム露光方法。
  10. 前記気圧変動関数は、前記環境チャンバーの外部に設置された気圧計で計測された気圧を所定の時間間隔の計測値による移動平均によって算出されることを特徴とする請求項9に記載の電子ビーム露光方法。
  11. 前記予測関数は、過去の複数回のキャリブレーション時刻における複数の計測値を基に算出され、当該複数の計測値を滑らかに結ぶ関数であることを特徴とする請求項9に記載の電子ビーム露光方法。
  12. 前記予測関数は、次式で表わされることを特徴とする請求項11に記載の電子ビーム露光方法。
    Figure 0005305701
    ここで、Δ(T)は時刻Tにおける予測値、Qiは時刻Tiにおける電子ビーム照射位置の計測値、nは自然数である。
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