JP5304716B2 - 希土類金属含有鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、希土類金属含有鋼の連続鋳造方法に関し、特に、連続鋳造の際に高融点かつ高比重の希土類金属系介在物が浸漬ノズル内面に付着することを防止することができる連続鋳造方法に関する。
鋼の連続鋳造において、タンディッシュ内の溶鋼は、その下部に設けられた浸漬ノズルを介して鋳型内に供給される。希土類金属(以降、REMとも称す)を含有する溶鋼中には、高融点かつ高比重のREM系介在物が溶鋼中に浮遊して存在しており、REM含有鋼の連続鋳造時には、浸漬ノズル内壁にREM系介在物が徐々に付着し、堆積する。REMを含む高融点介在物の比重は溶鋼の比重とそれほど大きな差がないため、タンディッシュ内で介在物が浮上しにくく、浸漬ノズル内へ流入しやすい。これらの理由から、REM含有鋼は、アルミキルド鋼等の汎用的な炭素鋼等の連続鋳造と比べて、著しく浸漬ノズルの閉塞を招きやすい。
このように、REM含有鋼は、鋳造開始後、早期に介在物の付着および堆積が進行しやすく、浸漬ノズル内の溶鋼の流れが阻害された場合には、鋳型内の溶鋼の湯面に変動が生じ、鋳片品質の悪化を招く。そして、浸漬ノズル内の閉塞物が時折浸漬ノズル内壁から剥離して、剥離物が鋳片内に巻き込まれ、製品欠陥の発生にも繋がりうる。さらに、最悪の事態として、浸漬ノズルが完全に閉塞した場合には、連続鋳造装置の操業を停止せざるを得なくなり、生産効率の低下を招く。
現在、広く使用されている浸漬ノズルの多くが、アルミナと炭素を主成分としたアルミナグラファイト質で構成されている。しかしながら、アルミナグラファイト質で構成された浸漬ノズルの内壁にはアルミナやREM系介在物(特に、酸化物、硫化物、酸硫化物)等の溶鋼中に存在する種々の介在物が付着しやすく、浸漬ノズルの閉塞を招きやすい。これまでに、浸漬ノズルの閉塞を防止するため、多くの発明がなされており、例えば、下記特許文献に記載された技術が挙げられる。
特許文献1では、浸漬ノズルの内壁面を金属Mo50〜90%、ZrO210〜50%を主成分とする物質層で構成することによって、アルミナやREM系介在物等の付着を抑制し、浸漬ノズルの閉塞を防止する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1で開示された浸漬ノズルの材質には金属Moが使用されているため、連々数(複数チャージの溶鋼を連続して連続鋳造する連々鋳におけるチャージ数)の増加に伴って浸漬ノズル内面を流下する溶鋼とこの金属Moとの合金化が懸念され、製品に悪影響を及ぼす可能性を無視できない。ところが、特許文献1では溶鋼中のREM含有率が明示されておらず、REM含有鋼における特許文献1で開示された浸漬ノズルの閉塞防止効果については不明である。特許文献1には、開示された浸漬ノズルは金属Mo、ZrO2の主成分に加え、少量のMgOを含有するものであっても同様の効果が得られる旨が記載されている。しかし、MgOについては、浸漬ノズルにおける含有率や閉塞防止効果に及ぼす影響は不明である。さらに、特許文献1で開示された浸漬ノズルは、金属Moの使用量が増えるに伴って、コスト的にも通常の浸漬ノズルと比べて不利になる。
特許文献2では、浸漬ノズルを、MgO質の耐火物に金属Al、金属Ti、金属Zr、金属Ceおよび金属Caからなる金属群から選択された1種または2種以上の金属と炭素とを配合した材質で構成することによって、浸漬ノズルの閉塞を防止する技術が開示されている。しかしながら、特許文献2で開示された技術は浸漬ノズルの内壁へのアルミナの付着を抑制する技術であり、特許文献2で言及されているのは、この技術の通常の炭素鋼やステンレス鋼等の連続鋳造への適用のみである。そのため、REMを含有した溶鋼の鋳造に関する記載は特許文献2には見当たらず、示唆もされておらず、特許文献2に開示された技術のREM含有鋼に対する効果は不明である。
さらに、特許文献2で開示された浸漬ノズルの閉塞防止技術によると、耐火物中のMgOが還元され、耐火物内からMgガスが生成するため、浸漬ノズル‐溶鋼界面において溶鋼の脱硫反応が促進される。それによって、浸漬ノズル内壁近傍では溶鋼中のS含有率が低下し、S含有率に勾配が生じ、アルミナ粒子において浸漬ノズル側と溶鋼側とで溶鋼との界面張力に差が生じ、アルミナの浸漬ノズルへの付着を抑制できるとされている。
しかし、溶鋼中のSが0.001mass%未満の極低硫鋼では、浸漬ノズルの閉塞防止効果が得にくい。さらに、Mgガスの溶鋼への溶解度は非常に低く、生成したMgガスの溶鋼の脱硫反応への寄与は小さい。そのため、連々数が増大しても浸漬ノズルの閉塞防止効果を持続させるには、MgOの還元に必要な金属の配合量を増加させなければならず、耐衝撃性等、耐火物として最低限必要な物性を得にくくなる。また、金属を配合した特殊な浸漬ノズルであるため、通常の浸漬ノズルと比べてコスト面でも不利である。
特許文献3では、浸漬ノズルの内壁にREMの酸化物のコーティング層を設け、REMを含有する溶鋼の連続鋳造時の浸漬ノズルの閉塞を抑制する技術が開示されている。しかし、特許文献3に記載の技術では、コーティング層の厚さは高々5mmであるため、鋳造時間が増大するにつれ、そのコーティング層を維持することが難しくなる。
特許文献4では、ノズル‐溶鋼間に電位差を付与することによって、アルミナグラファイト質の浸漬ノズル内壁において、アルミナの付着を防止し、浸漬ノズルの閉塞を抑制する技術が開示されている。しかしながら、この抑制技術では浸漬ノズルの材質として、アルミナグラファイト(Al23‐C)質を対象としており、後述する本願発明の対象とするマグネシアグラファイト(MgO‐C)質に対する効果が不明である。
特許文献5では、0.001〜0.10mass%のREMを含有する溶鋼の連続鋳造方法おいて、取鍋および/またはタンディッシュから溶鋼を排出するノズルにおける溶鋼流量調整機構として、MgOを85mass%以上含有する耐火物により構成された二層または三層構成のスライディングノズルプレートを使用することにより、浸漬ノズルの閉塞を抑制する技術が開示されている。しかしながら、特許文献5で開示された技術では、連々数が増加するにつれ、スライディングノズルプレートと溶鋼が接触する箇所の一部にでも介在物が付着してしまうと、浸漬ノズルの閉塞の進行を妨げることが困難になってしまう。
特許文献6では、溶鋼のsol.Al含有率およびトータル酸素(T.[O])含有率から、浸漬ノズルの少なくとも溶鋼流路稼働面を構成する耐火物中のMgO、Al23およびSiO2の含有率を規定することによって、sol.Al含有率が0.01mass%以上のAlキルド鋼の連続鋳造方法において、浸漬ノズルの閉塞を抑制する技術が開示されている。しかしながら、特許文献6で開示された技術は、REMを含有した溶鋼は対象としておらず、また、特許文献6では溶鋼中のREMの含有率については明示されていない。そのため、REM含有鋼に対する特許文献6で開示された技術の浸漬ノズルの閉塞防止効果については不明である。
浸漬ノズルへの介在物の付着を防止する他の技術として、浸漬ノズル内からアルゴン等の不活性ガスを溶鋼流路内に吹き込む方法がある。この方法は、介在物の付着の防止に有効であると一般に言われている。しかし、吹き込まれた不活性ガスが溶鋼中に捕獲され、製品においてピンホール欠陥となる場合もあるため、この方法は必ずしも有効な方法ではない。
特開昭61−103655号公報 特開2004−249292号公報 特許第3891086号公報 特許第42128515号公報 特開2009−248113号公報 特願2009−278677号
上述のように、従来技術ではREM含有鋼を連続鋳造するに際して、長期間に渡って安定して浸漬ノズルの閉塞を抑制することが困難であった。本発明は、この問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、REM含有鋼の連続鋳造において、長期間に渡って安定して、高融点かつ高比重のREM系介在物が浸漬ノズルの内壁に付着するのを防止でき、高品質の鋳片を高い生産効率で連続鋳造できる連続鋳造方法を提供することにある。
溶鋼中のREMは、高い還元力を有し、固体のAl23や低級酸化物であるSiO2等と反応しやすい。そのため、溶鋼中を浮遊する外来性のREM系介在物の浸漬ノズル内壁への付着に加え、耐火物と溶鋼との間の反応も浸漬ノズルの閉塞の要因の一つとなっている。
そこで、本発明者らは、上記の課題を解決するため検討した結果、Al23に比べて耐食性に優れたMgOの特性に着目し、MgO系耐火物を浸漬ノズルに適用して、耐火物と溶鋼中のREMとの反応によって生成したREM酸化物の付着を抑制するという第1の着想に至った。
さらに、溶鋼‐浸漬ノズル間に電流を印加することによって、耐火物‐溶鋼界面の物性に変化が生じ、比重が大きく、タンディッシュ内で浮上分離せず、浸漬ノズル内に流入しやすい外来性のREM系介在物に対して、より優れた付着防止効果が得られる可能性があるという第2の着想に至った。
そして、上記第1および第2の着想に基づいて後述の実験aおよびbを行い、その結果および検討結果に基づいて、以下の(イ)〜(ニ)の知見を得て本発明を完成させた。
(イ)浸漬ノズルの少なくとも内壁の溶鋼流路稼働面を、マグネシアグラファイト質の耐火物で構成することによって、アルミナグラファイト質の耐火物を使用した場合と比べて、REM系介在物を主体とする、全ての付着物の付着量が大幅に減少する。
(ロ)溶鋼中のREM含有率[%REM]および酸可溶Al(sol.Al)含有率[%Al]と、前記耐火物中のMgO含有率(%MgO)が、下記(1)式を満足する条件で連続鋳造を行うことにより、マグネシアグラファイト質の耐火物が有する浸漬ノズルの溶鋼流路稼働面への介在物の付着抑制効果を、連々数を増加させても維持することができる。
[%Al]/[%REM]×(%MgO)≧13 ・・・(1)
(ハ)さらに、耐火物‐溶鋼間に、耐火物側が負極となる直流電流を、または周期的に極性が切り替わり、耐火物側の平均電位が負となるパルス状の電圧を、それぞれ所定の平均電流密度で印加することによって、耐火物の溶損を抑制すると同時に、溶鋼中を浮遊する外来性のREM系介在物の優れた付着抑制効果がより一層得られる。
(ニ)鋼にREMを添加する目的は、鋼中の酸化物、硫化物、燐化物の形態制御または鋼の高温耐食性の向上にあり、この効果を得るには少なくとも0.001mass%以上のREMを添加する必要がある。また、REMは高価であり、0.1mass%を超える過剰のREMを添加しても、その効果が飽和し、費用対効果が得られない。
本発明は、以上の知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)〜(3)の希土類金属含有鋼の連続鋳造方法を要旨としている。
(1)連続鋳造装置において浸漬ノズルを用いて鋳型に溶鋼を注入する希土類金属含有鋼の連続鋳造方法であって、前記浸漬ノズルの少なくとも溶鋼流路稼働面を、MgO含有率:60〜85mass%および炭素含有率の換算値:15〜40mass%を満たし、MgO含有率と炭素含有率の換算値の和が85mass%を超える耐火物で構成し、前記溶鋼中の希土類金属含有率[%REM]およびsol.Al含有率[%Al]と、前記耐火物中のMgO含有率(%MgO)とが、質量分率で上記(1)式を満足する条件で連続鋳造を行い、鋳造された希土類金属含有鋼のCe、La、PrおよびNdの合計含有率が0.001〜0.1mass%であることを特徴とする、希土類金属含有鋼の連続鋳造方法(以下、「第1の鋳造方法」という)。
(2)浸漬ノズルが負極、溶鋼が正極となる電圧を付加して、O2-(酸素イオン)の移動を抑制する平均電流密度の絶対値が0.5〜20mA/cm2となるよう通電することを特徴とする、前記(1)に記載の希土類金属含有鋼の連続鋳造方法(以下、「第2の鋳造方法」という)。
(3)極性が、パルス周期3〜200msの範囲で周期的に切り替わるパルス状の電圧を、浸漬ノズルと溶鋼との間に印加し、浸漬ノズルが負極となるパルス周期の時間または浸漬ノズルが負極となる期間の浸漬ノズルと溶鋼との間の電位差の絶対値を、浸漬ノズルが正極となるパルス周期の時間または浸漬ノズルが正極となる期間の浸漬ノズルと溶鋼との間の電位差の絶対値よりも大きくすることによって、浸漬ノズルの電位をパルス周期の1周期において平均した電位が負極側になるようにし、浸漬ノズルが負極となるタイミングの電流密度の絶対値を10〜200mA/cm2とすることを特徴とする、前記(1)に記載の希土類金属含有鋼の連続鋳造方法(以下、「第3の鋳造方法」という)。
本発明において、浸漬ノズルの溶鋼流路稼働面とは、浸漬ノズルの内面のうち、流動する溶鋼の接する部分をいう。
耐火物中の炭素含有率の換算値とは、耐火物中に単体として含有される炭素および化合物として含有される炭素を合計した炭素の含有率をいう。
希土類金属(REM)とは、周期表の3族に属するSc、Y、ランタノイド(La、Ce等、原子番号57〜71の15元素)から選ばれた1種以上の金属元素を意味し、特に、Ce、La、PrまたはNdのうちの1種以上の元素が該当する。また、REM系介在物とは、REMを含有する酸化物、硫化物、リン化物、またはそれらの内少なくとも2種類以上が互いに化合あるいは固溶し合って形成したものの総称である。
以下の記述において、鋼および耐火物の成分組成を表す「mass%」を、単に「%」とも表記する。
本発明の連続鋳造方法によれば、連々数が増加しても、長期間に渡って安定して、高融点かつ高比重のREM系介在物が浸漬ノズルの内壁に付着するのを防止でき、高品質の鋳片を高い生産効率で連続鋳造することができる。
連続鋳造装置の概略を示す図である。 パルス状の電位差を示す図である。
以下に、本発明第1〜3の鋳造方法を上述のとおり規定した理由および本発明の方法の好ましい態様について説明する。
1.連続鋳造装置の基本構成
図1は、本発明の鋳造方法を実施するための連続鋳造装置の概略を示す図である。
タンディッシュ3には、取鍋1から溶鋼2が供給される。タンディッシュ3から浸漬ノズル8を経て、鋳型9内に注入された溶鋼2は、鋳型9およびその下方の図示しない二次冷却スプレーノズルから噴射されるスプレー水により冷却され、凝固シェル10を形成して鋳片となる。
また、溶鋼と浸漬ノズルとの間に電圧を印加するため、連続鋳造装置には電源装置7が設けられている。電源装置7にはケーブル6aおよび6bの一端が接続されている。ケーブル6aの他端は浸漬ノズル8の側面に設けられた電極に接続されており、ケーブル6bの他端はタンディッシュ3内の溶鋼2に一端が浸漬されたアルミナグラファイト質からなる対極4の他端に接続されている。対極4とタンディッシュ3の本体との間には絶縁用耐火物5を配置し、絶縁を確保する。浸漬ノズル8とタンディッシュ3の本体との間でも同様に絶縁を確保する。
2.本発明の鋳造方法の規定理由
以下に示すように、「耐火物表面へのREM系介在物の付着性」、「耐火物‐溶鋼間に電圧を付与した際の耐火物表面へのREM系介在物の付着性」の順に、従来技術の問題点を検討した。
2−1.耐火物の組成と耐火物表面へのREM系介在物の付着性との関係についての検討(実験a)
耐火物表面へのREM系介在物の付着性という観点から、REMを含有する溶鋼の連続鋳造時に生ずる浸漬ノズルの閉塞を基礎的に調査する以下の実験を行った。
2−1−1.実験条件
表1に示す成分組成のREM含有鋼3.5kgを、MgOるつぼ内で溶製した。溶製した溶鋼中に、表2に示す成分組成の耐火物Aおよび耐火物Bからなる棒状耐火物を浸漬した。耐火物Aはアルミナグラファイト、耐火物Bはマグネシアグラファイトである。表2中のF.Cは、耐火物中の炭素含有率の換算値である。
Figure 0005304716
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棒状耐火物は、先端を全溶鋼深さの1/2の位置まで浸漬した状態において100rpmで回転させた。そして、この状態で90分間保持した後、溶鋼から取り出し、棒状耐火物の中心を通る位置で、浸漬方向と平行に切断して、耐火物表面に付着したREM系介在物を含むすべての付着物の厚さを測定した。
2−1−2.実験結果
耐火物Aからなる棒状耐火物には、一部にメタル(粒状の鉄)を含有したREM系介在物が表面全体に付着していた。付着したREM系介在物の厚さは3〜5mmであった。
一方、耐火物Bからなる棒状耐火物には、最大長さが数十μmのREM系介在物が懸濁したメタル(地金)のみが一部に付着している程度であった。その一部に付着したメタルでさえ、厚さは1mm未満であった。このように、耐火物Aと耐火物Bとを比較すると、REM系介在物に対する付着抑制効果には明瞭な差があった。
棒状耐火物と付着物との界面を光学顕微鏡によって観察した。耐火物Aのアルミナグラファイトでは、耐火物と溶鋼とが反応し、耐火物の表面には非常に激しく凹凸が生じていた。さらに、SEM/EDAX(走査型分析電子顕微鏡)によって調査したところ、耐火物中のAlやSiがREMと反応した形跡が認められた。一方、耐火物Bのマグネシアグラファイトでは、耐火物表面の平滑さは比較的保たれていた。
2−1−3.考察
耐火物Bのマグネシアグラファイトで、耐火物表面の平滑さが比較的保たれていた理由は、耐火物を構成するSiO2やAl23が熱力学的に溶鋼中のREMによって容易に還元されるためと考えられる。また、この還元反応によって生成したREM酸化物そのものが付着物となり、結果としてアルミナグラファイトの場合に介在物の付着が進行しやすい一因となっていると考えられる。さらに、一度介在物の付着が進行した箇所には、溶鋼中を浮遊する外来性のREM系介在物が優先的に付着しやすく、より一層REM系介在物の付着進行が助長されることがわかった。
以上の結果および考察から、REMを含有する鋼の連続鋳造において、浸漬ノズルの材質にマグネシアグラファイト質の耐火物を適用することよって、浸漬ノズルの閉塞を防止できる可能性を見出した。浸漬ノズルは、全体を一体として同一の材質としてもよいし、溶鋼流路稼働面側だけを本発明で規定する材質とした複層構造または傾斜構造としてもよい。
2−1−4.耐火物の組成
耐火物を構成するマグネシアグラファイト中の炭素含有率の換算値は、15〜40%の範囲とする。炭素含有率換算値が15%未満であると熱衝撃性に劣り、40%を超えると耐火物としての強度や耐食性が低下する。
MgOの含有率は、60〜85%の範囲とし、70〜85%の範囲が好ましい。MgOの含有率が低下して、Al23およびSiO2の含有率が増大することは、溶鋼中REMと耐火物とが反応しやすくなり、好ましくないため、MgO含有率と炭素含有率換算値の和を85%以上とする。特に、REMと極度に反応しやすいSiO2は、5%未満とすることが好ましい。
溶鋼中のREM含有率[%REM]に対するsol.Al含有率[%Al]の割合が増大すると、それにつれて、溶鋼中のREMは、活量が低下し、Al23やSiO2等の耐火物成分との反応性が低下する。さらに、介在物中のREM含有率も低下し、逆に、介在物中のAl含有率が増加するため、介在物組成がAl23に近づいて溶鋼中を浮上しやすくなり、浸漬ノズル内を通過する外来性介在物数が減少する。以上の2点から、溶鋼中のREM含有率[%REM]に対するsol.Al含有率[%Al]の割合が増大した場合には、耐火物中のMgO含有率(%MgO)の許容値も下がる。これに基づいて、耐火物中のMgO含有率(%MgO)を下記(1)式で規定した。
[%Al]/[%REM]×(%MgO)≧13 ・・・(1)
浸漬ノズルを構成する耐火物は、不可避な成分として、CaO、ZrO2、TiO2およびSiC等を含有してもよい。
溶鋼中のREMと浸漬ノズルとの反応を抑制する観点からは、熱力学的にはMgOの他にCaOおよびREM酸化物を、浸漬ノズルを構成する材質の主成分としても同様の効果が期待される。しかしながら、CaOやREM酸化物は非常に吸湿しやすい性質を有するため、構成する材質としてこれらを適用した浸漬ノズルは、保管する上で吸湿対策の工夫が必要になる。
2−2.本発明が対象とする鋼種
鋼にREMを添加する目的は、鋼中の酸化物、硫化物、燐化物の形態制御または鋼の高温耐食性の向上にあり、この効果を得るには少なくとも0.001%以上のREM、特にCe、La、PrまたはNdのうちの1種以上の元素を添加する必要がある。また、REMは高価であり、0.1%を超える過剰のREMを添加しても、その効果が飽和し、費用対効果が得られない。そのため、本発明では、対象とする鋼種を、Ce、La、PrまたはNdのうちの1種以上の元素の含有率が0.001〜0.1%の鋼に限定した。
以上、上述した2−1および2−2の検討結果に基づいて、本発明第1の鋳造方法を規定した。
2−3.耐火物‐溶鋼間に電圧を付与した際の耐火物表面へのREM系介在物の付着性についての検討(実験b)
2−3−1.実験条件
実験bでは、溶鋼および棒状耐火物の成分組成や浸漬条件は上記2−1に示した実験aと同様の構成とし、さらに棒状耐火物と溶鋼との間に直流電流を印加した。印加条件は、棒状耐火物を負極とし、平均電流密度の絶対値を2.5mA/cm2に設定した。ここで、平均電流密度とは、棒状耐火物と溶鋼との間を流れる平均電流値を、溶鋼と接触する耐火物の表面積で除した値である。
2−3−2.実験結果
耐火物A(アルミナグラファイト)からなる棒状耐火物に通電した場合には、棒状耐火物の表面に付着したREM系介在物の厚さは3〜5mm程度であった。実験aで通電しなかった場合と比較して、付着したREM系介在物の厚さにはほとんど差異はなく、通電による顕著な付着抑制効果は得られなかった。これは、耐火物Aと溶鋼中のREMとの反応を抑制することができず、耐火物の表面で生成したREM酸化物を起点として、介在物の付着が進行したものと推定される。
一方、耐火物B(マグネシアグラファイト)からなる棒状耐火物に通電した場合には、肉眼で観察できるようなREM系介在物の付着は全く認められなかった。しかしながら、棒状耐火物の浸漬部の全面が、ほぼ均一に厚さ0.5mm程度のメタルで覆われていた。通常、アルミナやマグネシアのような物質は、溶鋼との濡れ性が悪い。ところがこの結果から、マグネシアグラファイト質の耐火物に通電したことによって、溶鋼‐耐火物間の界面物性に変化が生じ、耐火物と溶鋼との濡れ性が向上したと推定される。
2−3−3.考察
一般に、耐火物および介在物は、双方とも溶鋼との濡れ性が悪い。そのため、溶鋼中を浮遊する介在物には、浸漬ノズルの内壁表面へ排斥する力が作用し、浸漬ノズルの閉塞が生じる。しかしながら、溶鋼‐耐火物間の濡れ性が向上し、互いによく濡れ合うようになれば、濡れない場合に比べ、溶鋼中の介在物は浸漬ノズルの内壁側に移動しにくくなる。これは、溶鋼‐耐火物間が濡れると、浸漬ノズルの内壁側へ排斥する力が溶鋼中の介在物に作用しないためである。その結果、耐火物の表面に対する外来性のREM系介在物の接触・付着頻度が大幅に低減され、浸漬ノズルの閉塞防止に繋がる。
以上の実験結果および考察に基づいて、本発明者らは、REMを含有する鋼の連続鋳造において、少なくとも浸漬ノズルの溶鋼流路稼働面にマグネシアグラファイト質の耐火物を適用し、かつ耐火物が負極となるように、溶鋼‐耐火物間に通電すれば、耐火物と溶鋼の反応に起因した反応性介在物および溶鋼中を浮遊する外来性介在物の双方について、同時に付着を抑制できる新たな方法を見出した。
2−4.平均電流密度の範囲
浸漬ノズルの構成材料としてマグネシアグラファイト質耐火物を適用した場合、マグネシアグラファイトの溶損を抑制するとともに、溶鋼‐耐火物間の濡れ性を向上させるには、0.5mA/cm2以上の平均電流密度を確保することが好ましい。
平均電流密度が増加するにつれ、電荷キャリアである電子およびイオンの移動量が増大する。特に、電荷キャリアの一つであるO2-(酸素イオン)が、耐火物の内部から浸漬ノズルと溶鋼の界面に到達すると、溶鋼中のREMと反応し、浸漬ノズルの内壁においてREM酸化物が生成するため、浸漬ノズルの閉塞を助長する一因となる。このような、電荷キャリアの一つであるO2-の移動に起因したREM酸化物の浸漬ノズル内壁における生成が顕在化するのを抑制する観点から、平均電流密度は20mA/cm2未満とすることが好ましい。
以上のことから、耐火物と溶鋼との間に直流電流を印加する場合、平均電流密度は0.5〜20mA/cm2の範囲で制御することとする。平均電流密度は0.8〜15mA/cm2の範囲で制御することがより好ましい。
2−5.電流を印加する場合の耐火物の極性
以上、棒状耐火物を負極として棒状耐火物と溶鋼との間に直流電流を印加した場合について説明した。一方、棒状耐火物を正極として、溶鋼‐耐火物間に通電を付与した場合、電気化学反応を通じて、下記(2)式の反応により、マグネシアグラファイト中のCからCO(g)が生成する。すなわち、耐火物が溶損する方向に電気化学反応が進行し、生産効率の改善を目的とした連々数の増加が見込めなくなる。
C+O2- → CO(g)+2e- ・・・(2)
そのため、耐火物の溶損の抑制と、浸漬ノズル内壁へのREM系酸化物の付着の防止とを両立させる観点から、上述のように、耐火物を負極にすることを提案する。
以上、上述した2−3〜2−5の検討結果に基づいて、本発明第2の鋳造方法を規定した。
2−6.介在物の付着抑制効果を持続的に得る方法
耐火物を長時間溶鋼中に浸漬した場合に、介在物の付着抑制効果を持続的に得るには、耐火物と溶鋼との間に印加する電流の実効電流が大きくすることが好ましい。実効電流を大きくする方法としては、適正な平均電流密度を保ったまま、実効電流値を高める方法が挙げられる。
2−7.パルス状の電位差を印加する場合の適正条件
周期的に極性が正と負に切り替わるパルス状の電位差(ここでは耐火物の電位の基準を溶鋼とする。)を、浸漬ノズルを構成する耐火物と溶鋼との間に印加し、その電圧波形におけるパルス周期、および電位の大きさを適正化することによって、REM系化合物を含む介在物の付着をより効果的に防止できる。
パルス状の電位差を印加する場合、耐火物側が負極となるパルス周期の時間を長くすること、もしくは耐火物側が負極となる期間における耐火物の電位の絶対値を大きくすること、または、耐火物側が正極となるパルス周期の時間を短くすること、もしくは耐火物側が正極となる期間における耐火物の電位の絶対値を小さくすることによって、1周期分のパルスにおける、耐火物側が負極となる期間における耐火物の電位の絶対値を時間で積分した値を耐火物側が正極となる期間における耐火物の電位の絶対値を時間で積分した値よりも大きくすること、すなわち耐火物の時間平均電位を負極側とすることができるとともに、平均電流密度の絶対値を0.5〜20mA/cm2の適正な範囲に制御することができる。
2−8−1.パルス周期
パルス周期は3〜200msの範囲とする。3ms未満の場合、安定して電流を流すことが難しい。200msを超えると、O2-の移動に起因して耐火物の表面にREM系酸化物が生成するとともに、耐火物が正極に偏倚した期間においては耐火物の溶損が進行する。さらに、パルス周期は、5〜100msの範囲とするのが好ましい。
2−8−2.電流密度の絶対値
耐火物が負極となる期間における電流密度の絶対値は、10〜200mA/cm2の範囲とする。電流密度の絶対値が10mA/cm2未満では、耐火物‐溶鋼間の濡れ性を十分に高めることが困難である。一方、200mA/cm2を超える電流密度では、大容量の電源装置が必要となり、コスト増が見込まれ、また、配線ケーブルが発熱しやすく、通電中に断線する等の種々の弊害が生じ、安定した通電を確保することが困難である。
以上の検討結果に基づき、本発明第3の鋳造方法を規定した。電流密度の絶対値は、13〜150mA/cm2の範囲とするのが好ましい。
以下に、本発明の効果を確認するために行った試験について説明する。
1.実施例1
1−1.試験方法
前記図1に示した連続鋳造装置を用いて鋳造試験を行った。鋳造試験に用いた鋼種は、溶鋼としてC:0.03〜0.08%、Si:0.20〜0.40%、Mn:0.70〜0.80%、P:0.035%以下、S:0.0010%以下、Cr:20〜25%、Ni:10〜12%、sol.Al:0.005〜0.08%、REM:0.004〜0.07%の範囲の組成を有する鋼とした。連続鋳造時のタンディッシュ内の溶鋼の過熱度(溶鋼の温度からこの組成の鋼の液相線温度を減じた値)は10〜60℃の範囲であった。溶鋼のスループット(単位時間あたりの鋳造溶鋼量)は0.6〜0.9ton/minの範囲であった。また、三層構成のスライディングノズルプレートの上プレート部から、5L/minの流量でアルゴンガスを吹き込んだ。
表3には、本発明例1〜3ならびに比較例1および2の試験条件として、試験に用いた浸漬ノズルの溶鋼流路稼働面を構成する耐火物の組成、溶鋼中のsol.Al含有率[%Al]およびREM含有率[%REM]、ならびに[%Al]/[%REM]×(%MgO)の値を示す。
Figure 0005304716
表3に示すように、本発明例1〜3は、耐火物がマグネシアグラファイト質からなり、本発明第1の鋳造方法の規定を満足する実施例である。比較例1は耐火物がアルミナグラファイト質からなる実施例であり、比較例2は耐火物がマグネシアグラファイト質からなるものの、前記(1)式、すなわち[%Al]/[%REM]×(%MgO)≧13を満足しない実施例であり、いずれも前記(1)の本発明の方法の規定を満足しない実施例である。
1−2.試験結果
表3には、試験条件と併せて、評価項目として浸漬ノズル内の介在物付着速度指数を示す。浸漬ノズル内の介在物付着速度指数とは、鋳造後の浸漬ノズル内の平均介在物付着厚さを鋳造時間で除した介在物付着速度を、比較例1の場合を10として指数化したものである。浸漬ノズル内の平均介在物付着厚さとは、浸漬ノズルの上端から吐出口上端までの、介在物付着厚さの溶鋼流れ方向の平均値である。
本発明例1〜3は、鋳造中に浸漬ノズル内壁の平滑さが保たれ、かつ溶鋼中のREMと耐火物との間の反応を防止できるため、REM系介在物を含む全ての介在物の付着が抑制された。
比較例1は、耐火物中にMgOを含有しないため、浸漬ノズル内壁の平滑さを保つことができず、さらに、溶鋼中のREMと耐火物が反応し、REM系介在物の付着が進行した。
比較例2は、溶鋼中のREM含有率に対してsol.Al含有率が低く、介在物の付着による浸漬ノズルの閉塞が容易に生じる溶鋼組成であった。そのため、前記(1)式を満足せず、浸漬ノズルの内壁へのREM系介在物の付着を抑制することが困難であった。
2.実施例2
2−1.試験方法
前記実施例1の本発明例1と同様の条件に加えて、浸漬ノズルと溶鋼との間に電位差を与えて連続鋳造試験を行った。表4には、本発明例4〜8および比較例3〜5の試験条件として、与えた電位差の条件を示す。
Figure 0005304716
2−1−1.直流電流を付与した場合
表4に示すように、本発明例4および5は、浸漬ノズルが負極となるように直流電流を流した実施例であり、平均電流密度を含めて本発明第2の鋳造方法の規定を満足する。比較例3は、浸漬ノズルが負極となるように直流電流を流したものの、平均電流密度の絶対値が大きく、本発明第2の鋳造方法の規定を満足しない実施例である。平均電流密度とは、実効電流値を、浸漬ノズルの溶鋼に接触する部位の総面積で除した値である。
2−1−2.パルス状の電位差を付与した場合
図2は、本発明例6〜8ならびに比較例4および5に付与したパルス状の電位差を示す図である。本発明例6〜8は、図2に示すパルス状に浸漬ノズル‐溶鋼間に電位差を付与した実施例であり、電流密度を含めて本発明第3の鋳造方法の規定を満足する。
比較例4および5も、図2に示すパルス状に浸漬ノズル‐溶鋼間に電位差を付与した実施例である。しかし、比較例4はパルス周期が長く、比較例5は浸漬ノズルが負極となる期間の電流密度の絶対値が小さく、いずれも本発明第3の鋳造方法の規定を満足しない実施例である。
本発明例6〜8ならびに比較例4および5は、いずれも浸漬ノズルが負極となる期間と正極となる期間での電流密度の絶対値が同じであり、パルスの1周期において浸漬ノズルが負極となる期間が正極となる期間よりも長いため、パルスの1周期における時間平均電流は、浸漬ノズルが負極となる方向に流れた。すなわち浸漬ノズルの時間平均電位は負極側であった。
2−2.試験結果
表4には、試験条件と併せて、評価項目として浸漬ノズル内の介在物付着速度指数を示す。浸漬ノズル内の介在物付着速度指数は、前記実施例1と同様の評価指数である。
2−2−1.直流電流を付与した場合
本発明例4および5は、平均電流密度が本発明第2の鋳造方法の規定を満足するため、通電を行わない場合に比べてREM系介在物を主体とした全ての付着が抑制された。
比較例3は、平均電流密度の絶対値が本発明第2の鋳造方法の規定よりも大きいため、O2-の移動に起因すると推定されるREM酸化物の付着量が多かった。そのため、本発明例4および5と比較して、浸漬ノズルの閉塞が容易に生じると考えられる。
2−2−2.パルス状の電位差を付与した場合
本発明例6〜8は、パルス周期および浸漬ノズルが負極となるパルス期間の電流密度の絶対値が本発明第3の鋳造方法の規定を満足するため、比較例4および5と比較してREMを含む介在物の付着の抑制効果が大きかった。
比較例4は、パルス周期が本発明第3の鋳造方法の規定よりも長いため、O2-の移動に起因すると推定されるREM酸化物の付着量が多かった。そのため、本発明例6〜8と比較して、浸漬ノズルの閉塞が容易に生じると考えられる。
比較例5は、浸漬ノズルが負極となるパルス期間の電流密度の絶対値が本発明第3の鋳造方法の規定よりも小さいため、耐火物の溶鋼との接触面での濡れ性を十分に高めることができなかった。そのため、本発明例6〜8と比較して、浸漬ノズルの閉塞が容易に生じると考えられる。
本発明の希土類金属含有鋼の連続鋳造方法によれば、長期間に渡って安定して、高融点かつ高比重のREM系介在物が浸漬ノズルの内壁に付着するのを防止でき、高品質の鋳片を高い生産効率で連続鋳造することができる。
1:取鍋、 2:溶鋼、 3:タンディッシュ、 4:対極、 5:絶縁用耐火物、 6a:ケーブル、 6b:ケーブル、 7:電源装置、 8:浸漬ノズル、 9:鋳型、 10:凝固シェル

Claims (3)

  1. 連続鋳造装置において浸漬ノズルを用いて鋳型に溶鋼を注入する希土類金属含有鋼の連続鋳造方法であって、
    前記浸漬ノズルの少なくとも溶鋼流路稼働面を、MgO含有率:60〜85mass%および炭素含有率の換算値:15〜40mass%を満たし、MgO含有率と炭素含有率の換算値の和が85mass%を超える耐火物で構成し、
    前記溶鋼中の希土類金属含有率[%REM]およびsol.Al含有率[%Al]と、前記耐火物中のMgO含有率(%MgO)とが、質量分率で下記(1)式を満足する条件で連続鋳造を行い、
    鋳造された希土類金属含有鋼のCe、La、PrおよびNdの合計含有率が0.001〜0.1mass%であることを特徴とする、希土類金属含有鋼の連続鋳造方法。
    [%Al]/[%REM]×(%MgO)≧13 ・・・(1)
  2. 浸漬ノズルが負極、溶鋼が正極となる電圧を付加して、
    2-(酸素イオン)の移動を抑制する平均電流密度の絶対値が0.5〜20mA/cm2となるよう通電することを特徴とする、請求項1に記載の希土類金属含有鋼の連続鋳造方法。
  3. 極性が、パルス周期3〜200msの範囲で周期的に切り替わるパルス状の電圧を、浸漬ノズルと溶鋼との間に印加し、
    浸漬ノズルが負極となるパルス周期の時間または浸漬ノズルが負極となる期間の浸漬ノズルと溶鋼との間の電位差の絶対値を、浸漬ノズルが正極となるパルス周期の時間または浸漬ノズルが正極となる期間の浸漬ノズルと溶鋼との間の電位差の絶対値よりも大きくすることによって、浸漬ノズルの電位をパルス周期の1周期において平均した電位が負極側になるようにし、
    浸漬ノズルが負極となるタイミングの電流密度の絶対値を10〜200mA/cm2とすることを特徴とする、請求項1に記載の希土類金属含有鋼の連続鋳造方法。
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