JP5304462B2 - サンプル分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、多数のタンパク質を2次元電気泳動により分離する際に用いられるサンプル分離装置に関するものである。
ヒトゲノムプロジェクトが終了した後、プロテオーム研究が盛んに行われている。この「プ
ロテオーム」とは、特定の細胞、器官、臓器の中で翻訳生産されているタンパク質の総体を意味し、該プロテオームの研究としてはタンパク質のプロファイリングなどが挙げられる。
タンパク質をプロファイリングする手法の1つとして、タンパク質の2次元電気泳動が知られている。この2次元電気泳動は、タンパク質を電荷に依存して分離する等電点電気泳動と分子量に依存して分離するスラブゲル電気泳動( 特に、SDS−PAGE)との計2つの電気泳動ステップから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
上記2次元電気泳動を行うサンプル分離装置の一例が、特許文献2に開示されている。このサンプル分離装置は、等電点電気泳動によって分離が行なわれる1次チップと、スラブゲル電気泳動を行う2次チップとを備えている。
第1チップは、支持板と該支持板に支持された第1ゲル(1次元目のゲル)とから構成されている。この第1チップにおいては、第1ゲルにサンプルが導入され、第1ゲルを膨潤させる工程を経た後、第1ゲルに電圧が印加されることでサンプルを第1方向に分離させる。そして、第1チップは、分離されたサンプルを染色する工程、第2チップの環境に平衡化する工程が施された後、第2チップに移送される。
第2チップは基板内に第2ゲル(2次元目のゲル)が収納されることで構成されており、該第2ゲルに第1チップの第1ゲルが接続される。この状態で第2ゲルに対して電圧を印加することでサンプルが上記第1方向とは異なる第2方向に分離される。
特開平11−30605号公報 特開2007−64848号公報
ところで、上記等電点電気泳動を行う第1ゲルは、非常に薄い形状をしているため、ゲルの表裏やpH勾配の方向の識別が困難であるのみならず、反りや捩れが発生しやすく形状を一定に保つことが困難である。したがって、第1ゲルを支持した1次チップの移動操作は容易でなく、該第1チップを第2チップに移送して第1チップの第1ゲルを第2チップの第2ゲルに接続する際の位置精度を向上させることは困難であり、作業者の熟練した技術を要していた。
その一方で、第1ゲルを第2ゲルに対して常に定位置で接続できなければ、再現性よく定量的なデータを取得することができず、試験精度の低下を招いてしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、2次元電気泳動の作業者依存を回避するとともに結果の再現性を高めることでき、精度向上を図ることが可能なサンプル分離装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係るサンプル分離装置は、第1ゲル中で第1方向に分離したサンプルを、基板内に収納された第2ゲル中で第2方向にさらに分離するサンプル分離装置あって、基板に設けられて電気泳動に使用される泳動バッファーが注入可能な容器形状をなすバッファー槽と、前記基板内外を連通する開口部が前記バッファー槽に形成され、前記サンプルを含む前記第1ゲルが前記開口部を介して前記第2ゲルに接続される際に、前記第1ゲルと前記第2ゲルとの相対位置を規制する位置決め手段と、前記第1ゲルを下端側にて支持して前記開口部に挿入される支持部材と、を備え、前記位置決め手段が、前記支持部材と前記基板とのいずれか一方に備えられた突起部と、他方に備えられ、前記支持部材を前記開口部に挿入する際に前記突起部が嵌り込む差込孔とから構成され、前記突起部が前記支持部材の前記開口部への挿入方向に沿った方向である上下方向に突出し、前記支持部材に前記突起部又は前記差込孔が複数備えられ、これら前記突起部又は前記差込孔にそれぞれ対応するようにして、前記基板に前記差込孔又は前記突起部が複数備えられ、前記突起部と該突起部が嵌り込む前記差込孔との少なくとも一方が、テーパ状をなしていること特徴とする。
このような特徴のサンプル分離装置によれば、位置決め手段によって第1ゲルが第2ゲルに対して定位置にて接続されるため、作業者の熟練度にかかわらず再現性高く2次元目の電気泳動を行なうことができる。
また、第1ゲルを支持する支持部材と、第2ゲルが収納された基板に備えられた突起部及び差込孔が嵌り合うことにより、第1ゲルと第2ゲルとの相対位置を規制し、第1ゲルを常に定位置にて第2ゲルに接続することが可能となる。
さらに、第1ゲルとともに支持部材を開口部に挿入する動作をもって突起部と差込孔とが嵌り合うことになるため、より簡便に第2ゲルに対する第1ゲルの位置合わせを行うことができる。
また、複数の突起部及び差込孔が嵌り合うことで、より確実に位置合わせを行うことができる。
さらに、突起部を差込孔に嵌め込む際に多少のずれが生じていても突起部を差込孔に容易に挿入することができる。したがって、より位置合わせを容易に行なうことができる。
なお、突起部がテーパ状をなすとは、該突起部の外周面が先端側に向かうに連れて漸次縮径する形状をなしていることをいい、差込孔がテーパ状をなすとは、差込孔の内周面が突起部の挿入方向に向かうに連れて漸次縮径する形状をなしていることをいう。
一方、本発明に係るサンプル分離装置によれば、前記位置決め手段が、前記開口部に近接した閉塞位置と前記開口部から離間した開放位置との間で変位可能とされる蓋部材であって、前記閉塞位置に変位した前記蓋部材が、前記第1ゲルの前記第2ゲルに対する相対位置を規制することを特徴としている。
このような特徴のサンプル分離装置によれば、蓋部材が開放位置から閉塞位置に変位する動作をもって、第1ゲルを常に定位置にて第2ゲルに接続することが可能となる。
また、本発明に係るサンプル分離装置においては、前記蓋部材が前記基板に対して回動可能に連結されることにより、前記閉塞位置と前記開放位置との間で変位可能とされていることを特徴とする。
これにより、蓋部材を閉塞位置と開放位置との間で容易かつ正確に変位させることができるため、より簡便かつ確実に第1ゲルを定位置にて第2ゲルに接続することが可能となる。
さらに、本発明に係るサンプル分離装置においては、前記第1ゲルが前記開口部を介して前記第2ゲルに接続された状態において、前記蓋部材が前記開放位置から前記閉塞位置に変位した際に前記固定溝が前記支持部材を挟み込むことにより、該支持部材に支持された前記第1ゲルの前記第2ゲルに対する相対位置が規制されることを特徴とする。
このような構成によれば、固定溝に支持部材が挟み込まれることにより、閉塞位置に位置する蓋部材と支持部材との相対位置が一義的に定まるため、該支持部材に支持された第1ゲルを第2ゲルに対して、より精度高く定位置にて接続することができる。
さらにまた、本発明に係るサンプル分離装置においては、前記開放位置に位置する前記蓋部材における前記固定溝に前記支持部材が挟み込まれ、前記蓋部材が前記開放位置から前記閉塞位置に変位した際に、前記支持部材に支持された前記第1ゲルが前記第2ゲルに接続されるとともに前記第1ゲルの前記第2ゲルに対する相対位置が規制されるものであってもよい。
これによって、固定溝に挟み込まれる支持部材と蓋部材との相対位置が一義的に定まるため、該支持部材に支持された第1ゲルを第2ゲルに対して、より精度高く定位置にて接続することができる。
本発明に係るサンプル分離装置によれば、第1方向への分離を行う第1ゲルと第2方向への分離を行う第2ゲルとが位置決め手段によって常に定位置にて接続されるため、作業者の熟練度にかかわらず再現性高く2次元目の電気泳動を行なうことができ、試験精度を向上させることが可能となる。
第1実施形態に係るサンプル分離装置の概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る第1チップの正面図である。 第1実施形態に係る第2チップの平面図である。 図3のA−A断面図である。 図3のB−B断面図である。 図3のA−A断面図における第2チップに第1チップを挿入した状態を示す図である。 図3のB−B断面図における第2チップに第1チップを挿入した状態を示す図である。 第2実施形態に係るサンプル分離装置おいて第1ゲルを第2ゲルに接続する前の状態を示すX1方向における縦断面図である。 図8のA−A断面図である。 第2実施形態に係るサンプル分離装置おいて第1ゲルを第2ゲルに接続した後の状態を示すX1方向における縦断面図である。 図10のA−A断面図である。 第3実施形態に係るサンプル分離装置の正面図である。 図12のA−A断面図である。 第3実施形態に係るサンプル分離装置において蓋部材の回動する様子を示す正面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1から図7を参照して詳細に説明する。
図1は第1実施形態に係るサンプル分離装置の概略構成を示す斜視図である。本実施形態のサンプル分離装置40は、蛋白質などのサンプルを解析する際に使用される2次元電気泳動法における2次元目の泳動に好適に適用可能な構成を有している。
サンプル分離装置40は、第1ゲル11を備えた第1チップ10と、第2ゲル21を収納した第2チップ20と、第1チップ10を第2チップに20に移送する搬送手段30とを備えている。
このサンプル分離装置40は、サンプルが第1チップ10の第1ゲル11内にて第1方向X1に分離された後に、第1ゲル11内のサンプルを第2チップ20の第2ゲル21にて第1方向X1とは異なる第2方向Y1に分離する際に使用される。
なお、本実施形態においては、第1方向X1と第2方向Y1とは水平面に沿った互いに直交する方向とされている。
第1チップ10は、図1及び図2に示すように、支持板12と第1ゲル11とから構成されている。
支持板12は、第1方向X1を長手方向とするとともに鉛直面に沿って配置される略板状をなす部材であって、下端側に位置して長手方向の寸法が後述する第2スリット23bの長手方向と略同一に形成された挿入部12aと、上端側に位置して挿入部12aよりも長手方向の寸法が大きく形成された幅広部12bとを備えている。これによって支持板12は、その正面視において、挿入部12aの上端から幅広部12bが長手方向に張り出す略T字状をなしている。
上記挿入部12aの下端面は、第1方向に沿って延びるゲル接着面12cとされている。また、幅広部12bにおける挿入部12aとの段差となる段差面12d,12d、即ち、幅広部12bにおける挿入部12aの長手方向両側に位置して下方を臨む面12d,12dにはそれぞれ突起部12e,12eが備えられている。これら突起部12e,12eは下方に向かって突出しており、突起部12e,12eの外周面は上下方向Z1に沿った軸線k.kを中心として下方に向かうに従って漸次縮径するテーパ状をなしている。
第1ゲル11は、1次元目の分離、即ち、サンプルの電荷に依存した等電点電気泳動による分離を行うゲルであって、サンプルにおいて注目する電荷の幅に合わせて適切な濃度・pHを有する周知の組成のゲルを適宜採用することができる。この第1ゲル11は、上記支持板12のゲル接着面12cに、例えば接着剤等を用いて接着されており、これによって、第1ゲル11が支持板12の下端側にて第1方向に沿って延在するように支持されている。
搬送手段30は、図1に示すように、上記第1チップ10の上端側の面を例えば吸着することにより保持するチャック31と、該チャック31に接続されたアーム32とを備えている。このアーム32は図示しない駆動手段に連結されており、これにより、チャック31に保持された第1チップが、第1ゲル11を第1方向X1に沿わせた状態で、第1方向X1、第2方向Y1及び上下方向Z1に移動可能とされる。
第2チップ20は、2次元目泳動用の第2ゲル21が予め充填されて供給されるプレキャストゲルチップ、あるいは実験者自らが充填したゲルチップである。この第2チップ20は、図1及び図3〜図5に示すように、合成樹脂からなる基板22a及び基板22bを組み合わせて構成された本体22を備えている。基板22aと基板22bとは接着あるいは溶着によって一体化されている。基板22aと基板22bとの間には、略直方体形状のキャビティCが生じており、このキャビティCには2次元目電気泳動に使用される第2ゲル21が充填されている。
この第2ゲル21は、2次元目の分離、即ち、分子量に基づいたサンプルの分離を行なうゲルであって、例えばポリアクリルアミドの重合体によって構成されたゲルを採用することができる。また、サンプルにおいて注目する分子量の幅に合わせて適切な濃度・pHを有する周知の組成のゲルを適宜採用することができる。
基板22aには、第2方向Y1の手前側に位置するバッファー槽23と、奥側に位置するバッファー槽24とが設けられている。バッファー槽23,24は、電気泳動に使用される泳動バッファー(ランニングバッファー)が注入可能な容器形状を有している。
一方のバッファー槽23には、それぞれ第2ゲル21が露出可能な第1スリット23a及び第2スリット(開口部)23bが形成されている。
第1スリット23aは第1方向X1に沿って延びる矩形状の開口であって、バッファー槽23に供給されるランニングバッファーを介して第2ゲル21に通電させるために形成されている。
また、第2スリット23bは、バッファー槽23における第1スリット23aよりも第2方向Y1の奥側に近い位置に形成された第1方向X1に沿って延びる矩形状の開口であって、搬送手段30によって搬送される第1チップ10がその下端側、即ち、挿入部12a側から挿入される。このように第1チップ10が第2スリット23bに挿入されることで、第1チップ10の第1ゲル11が第2チップ20の第2ゲル21に接続される。
バッファー槽24には、上述の第1スリット23aと同様な形状を有する第3スリット24aが形成されている。第3スリット24aは、バッファー槽24に供給されるランニングバッファーを介して第2ゲル21に通電させるために形成されている。
バッファー槽23とバッファー槽24とのそれぞれには、図示しない直流電源装置の一対の電極が接続可能とされている。これら電極により直流電圧を印加することで、第2ゲル21においてサンプルを電気泳動させることができる。
そして、本実施形態においては、図1、図3及び図5に示すように、上側の基板22aに一対の差込孔25,25が形成されている。
この差込孔25,25は、基板22aの上面22cにおける第2スリット23bの両側に対応する箇所に形成された凹部であって、その内周面は、底部側に向かうに従って漸次縮径するテーパ状をなしており、そのテーパ角度は上記第1チップ10の突起部12e,12eのテーパ角度と略同一とされている。また、この差込孔25,25の中心軸線m,m同士の間隔は、上記第1チップ10の突起部12e,12eの軸線k,k同士の間隔と略同一とされている。さらに、この差込孔25,25の深さは、上記突起部12e,12eの突出長さと略同一寸法に形成されている。
即ち、これら差込孔25,25は第1チップ10の突起部12e,12eとそれぞれ嵌合可能な構成とされ、これら差込孔25,25と突起部12e,12eとによって本実施形態の位置決め手段が構成されている。
次に、以上のような構成のサンプル分離装置40によってサンプルに2次元目の電気泳動分離を施す手順について説明する。サンプル分離装置40により2次元目の電気泳動分離を施す前段階として、1次元目の電気泳動分離が行なわれる。具体的には、
第1チップ10の第1ゲル11にサンプルを導入して膨潤化させた後、該第1ゲル11に対して第1方向X1に沿って直流電圧を印加することで、サンプルの電荷に依存した等電点電気泳動による分離が行われる。これによりサンプルは、電荷に応じて第1方向に分離させられる。そして、このような分離サンプルを含む第1ゲル11に対して染色・洗浄・平衡化の処理が施された後、第1チップ10は搬送手段30によって第2チップ20へと移送される。
搬送手段30は、そのアーム32が駆動手段により第1方向X1又は第2方向Y1に駆動されることによって、第1チップ10を第2チップの上方に移送する。そして、図6及び図7に示すように、第1チップ10が第2チップ20の第2スリット23bの直上に移送された時点で、第1方向X1又は第2方向Y1へ搬送手段30の移動が停止する。次いで、第1チップ10の挿入部12aを第2スリット23bに挿入すべく、搬送手段30が第1チップ10を上下方向Z1に沿って降下させる。
すると、図6及び図7に示すように、第1チップ10が第2スリット23bに挿入されると同時に、第1チップ10の一対の突起部12e,12eがそれぞれ基板22aの差込孔25に挿入される。そして、さらに第1チップ10を降下させると、第1チップ10の下端に位置する第1ゲル11が第2スリット23bを介してキャビティC内に入り込み、該第1ゲル11が第2ゲル21に適切に接続された時点で、突起部12e,12eと差込孔25,25とが嵌合する。また、この際、本実施形態においては、第1チップ10の段差面12dが第2チップ20の基板22aの上面22cに密着する。
これにより、第1チップ10の第2チップ20に対する第1方向X1、第2方向Y1及び上下方向Z1の相対位置が規制され、第1ゲル11が第2ゲル21に対して定位置にて接続させられる。
そして、この状態において、バッファー槽23、24内のランニングバッファーに直流電圧が印加され、第1スリット23a及び第3スリット24aを介してこれらランニングバッファーに接触する第2ゲル21に対して、第2方向Y1に沿った通電が施される。これにより、第2ゲル21に接続された第1ゲル11内のサンプルが第2ゲル21内を第2方向Y1に移動し、分子量に基づいたサンプルの分離が行なわれる。
以上のように、本実施形態のサンプル分離装置50によれば、第1チップ10を第2チップ20の第2スリット23bに挿入して第1ゲル11を第2ゲル21に接触させた際に、第1チップ10側の突起部12e,12eが第2チップ20の差込孔25,25に嵌め込まれるため、第1ゲル11と第2ゲル21との相対位置が規制され、第1ゲル11を常に定位置にて第2ゲル21に接続することが可能となる。
また、突起部12e,12e及び差込孔25,25は、第1チップ10における第2スリット23bへの挿入方向、即ち、上下方向Z1に沿って形成されているため、第1ゲル11を支持した第1チップ10を第2スリット23bに挿入する動作をもって突起部12e,12e及び差込孔25,25とを嵌り合わせることができる。したがって、極めて簡便に第2ゲル21に対する第1ゲル11の位置合わせを行うことが可能となる。
さらに、本実施形態においては、一対の突起部12e,12eに対し一対の差込孔25,25を備え、これらがそれぞれ嵌り合う構成、即ち、複数の突起部12e及び差込孔25同士が嵌り合う構成のため、第1チップ10の第2チップ20に対する相対位置をより確実に規制することができる。
さらにまた、突起部12e,12e及び差込孔25,25がテーパ状をなしているため、突起部12e,12eを差込孔に嵌め込む際に多少ずれが生じていても、突起部12e,12eを差込孔25,25に容易に挿入することができる。したがって、より位置決めを容易に行うことができる。また、突起部12e,12e及び差込孔25,25が隙間なく嵌合するため、第2チップ20に対する第1チップ10の相対位置が一義的に定まり、位置合わせをより精密に行なうことができる。よって、第1ゲル11を確実に定位置において第2ゲル21に接触させることが可能となる。
以上のように、本実施形態のサンプル分離装置40によれば、第1方向X1への分離を行う第1ゲル11と第2方向Y2への分離を行う第2ゲル21とが突起部12eと差込孔25とからなる位置決め手段によって常に定位置にて接続されるため、作業者の熟練度にかかわらず再現性高く2次元目の電気泳動を行なうことができ、試験精度をより向上させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、突起部12e,12e及び差込孔25,25の両方がテーパ状であったが、突起部12eと差込孔25との少なくともいずれか一方がテーパ状であるものであってもよい。これによって、突起部12e,12eを差込孔に嵌め込む際に多少ずれが生じていても、突起部12e,12eを差込孔25,25に容易に挿入することができる。
また、突起部12e,12e及び差込孔25,25の形状は、互いに嵌り合うことが可能な限り、いかなる形状であってもよく、例えば、水平断面形状が円形のみならず、多角形状であってもよい。
さらに、第1チップ10を第2チップ20に移送する際には、必ずしも搬送手段30によって移送する必要はなく、作業者が手動でもって第1チップ10を移送してもよい。この場合であっても、突起部12eと差込孔25を嵌合させることでもって位置合わせを行うことができるため、容易かつ確実に第1ゲル11を第2ゲル21に接続させることが可能となる。
また、突起部12e,12e及び差込孔25,25はテーパ状でなくてもよい。即ち、突起部12e,12e及び差込孔25,25とが嵌り合う形状ならばいかなる形状であってもよい。さらに、差込孔25は凹部ではなく、基板22aを貫通する貫通孔であってもよい。
また、第1実施形態においては、第1チップ10が第2スリット23bに挿入されると同時に、第1チップ10の一対の突起部12e,12eがそれぞれ基板22aの差込孔25に挿入される構成としたが、第1チップ10が第2スリット23bに挿入される前後において第1チップ10の一対の突起部12e,12eがそれぞれ基板22aの差込孔25に挿入される構成であってもよい。
第1参考例
次に、本発明の第1参考例について図8から図11を参照して詳細に説明する。
図8は第1参考例に係るサンプル分離装置おいて第1ゲルを第2ゲルに接続する前の状態を示すX1方向における縦断面図、図9は図8のA−A断面図、図10は第1参考例に係るサンプル分離装置おいて第1ゲルを第2ゲルに接続した後の状態を示すX1方向における縦断面図、図11は図10のA−A断面図である
第1参考例のサンプル分離装置50は第1実施形態同様、蛋白質などのサンプルを解析する際に使用される2次元電気泳動法における2次元目の泳動に好適に適用可能な構成を有している。なお、第1参考例において上述した第1実施形態のサンプル分離装置40と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
サンプル分離装置50は、第1ゲル11を備えた第1チップ60と、第2ゲル21を収納した第2チップ70とを備えている。このサンプル分離装置50においては、サンプルが第1チップ60の第1ゲル11内にて第1方向X1に分離された後、第2チップ70の第2ゲル21内にて第1方向X1とは異なる第2方向Y1に分離される。なお、第1参考例においても第1実施形態同様、第1方向X1と第2方向Y1とは水平面に沿った互いに直交する方向とされている。
第1チップ60は、図8及び図9に示すように、支持板62と第1ゲル11とから構成されている。
支持板62は、第1方向X1を長手方向とするとともに鉛直面に沿って配置される矩形板状をなす部材であって、その長手方向の寸法は、後述する挿入孔75の長手方向の寸法と略同一に形成されている。この支持板62の下端には、第1方向に沿って延びる第1ゲル11が、例えば接着等されることによって支持されている。
第2チップ70は、2次元目泳動用の第2ゲル21が予め充填されて供給されるプレキャストゲルチップ、あるいは実験者自らが充填したゲルチップである。この第2チップ70は、図8及び図9に示すように、合成樹脂からなる基板72a及び基板72bを組み合わせて構成された本体72を備えている。基板72aと基板72bとは接着あるいは溶着によって一体化されている。基板72aと基板72bとの間には、略直方体形状のキャビティCが生じており、このキャビティCには2次元目電気泳動に使用される第2ゲル21が充填されている。
基板72aの上面側には、第2方向Y1の手前側に位置するバッファー槽73と、第2方向Y1の奥側に位置するバッファー槽74とが設けられている。バッファー槽73,74は、電気泳動に使用される泳動バッファー(ランニングバッファー)が注入可能な容器形状を有している。
一方のバッファー槽73には、第2ゲル21が露出可能な第1スリット73aが形成されている。第1スリット73aは第1方向X1に沿って延びる矩形状の開口であって、バッファー槽73に供給されるランニングバッファーを介して第2ゲル21に通電させるために形成されている。
他方のバッファー槽74には、上述の第1スリット73aと同様の形状を有する第2スリット74aが形成されている。第2スリット74aは、バッファー槽74に供給されるランニングバッファーを介して第2ゲル21に通電させるために形成されている。
また、上記一方のバッファー槽73の第2方向Y1奥側には、基板72aの上面72cとキャビティC内を連通させる挿入孔75が形成されている。この挿入孔75は、第1スリット73a及び第2スリット74aと同様に第1方向X1に沿って延びる鉛直孔であって、その水平断面形状は第1チップ60の水平断面形状と略同一とされている。これにより、挿入孔75に対して第1チップ60を隙間なく、あるいは、僅かな隙間を介して挿入することができる。
そして、第1参考例の第2チップ70には、挿入孔75を開放、閉塞自在とする蓋部材76が設けられている。本実施形態においてはこの蓋部材76が、第1ゲル11の第2ゲル21に対する相対位置を規制する位置決め手段として機能する。
この蓋部材76は、第2チップ70の基板72aの第1方向X1一端側に連結部材78を介して回動可能に取り付けられている。これにより、蓋部材76は、挿入孔75に近接して閉塞状態する閉塞位置と、挿入孔75から離間して開放状態とする開放位置との間で変位可能とされている。
また、この蓋部材76における挿入孔75を臨む面は、基板72aの挿入孔75周りの上面72cと当接可能な当接面76aとされており、さらに、この当接面76aには、第1チップ60の支持板62上端側を挟み込んで固定可能な固定溝77が形成されている。この固定溝77は、第1チップ60における支持板62の上端側の形状に応じて略矩形状に形成されており、これによって、蓋部材76の固定溝77内の定位置に第1チップ60を固定可能とされている。
さらに、この固定溝77は、蓋部材76が閉塞位置にある場合においては挿入孔75と連通状態にあり、固定溝77の長手方向寸法及び溝幅は、挿入孔75の長手方向寸法及びスリット幅と略同一とされている。これにより、挿入孔75に第1チップ60を挿入した状態において蓋部材76を開放位置から閉塞位置に変位させると、蓋部材76の固定溝77が挿入孔75に挿入された第1チップ60の上端側を挟み込むことになる。
次に、以上のような構成の第1参考例のサンプル分離装置50によってサンプルに2次元目の電気泳動分離を施す手順について説明する。
サンプル分離装置50により2次元目の電気泳動分離を施す前段階として、第1実施形態と同様の1次元目の電気泳動分離が行なわれる。次いで、分離サンプルを含む第1ゲル11に対して染色・洗浄・平衡化の処理が施された後、図示しない搬送手段又は作業者によって、第1チップ60を第2チップ70に搬送する。そして、蓋部材76を開放位置とした状態で、第1チップ60をその下端側、即ち第1ゲル11側から、第2チップ70の挿入孔75に挿入し、第1ゲル11をキャビティC内の第2ゲル21に接触させる。
このように第1チップ60が第2チップ70の挿入孔75に挿入された状態では、第1チップ60における第1ゲル11の位置精度は、挿入時の搬送手段の位置制御、あるいは、作業者の熟練度に依存し、精密な位置合わせは施されていない。
そこで、このように第1チップ60が挿入孔75に挿入された状態において蓋部材76を開放位置から閉塞位置へと変位させると、上述のように蓋部材76の固定溝77が第1チップ60の上端側を挟み込む。ここで、固定溝77は、第1チップ60の支持板62の上端側形状と略同一形状に形成されているため、第1チップ60と蓋部材76との相対位置は一義的に定まり、即ち、蓋部材76の固定溝77内の定位置に第1チップ60を固定される。また、この際、蓋部材76の挿入孔75を臨む側の面である当接面76aが基板72aの挿入孔75周りの上面72cに当接し、蓋部材76と基板72aの相対位置も一義的に定まる。
したがって、第1チップ60と第2チップ70との相対位置も一義的に定まり、これによって、第1チップ60に支持された第1ゲル11と第2チップ70に収納された第2ゲル21とが定位置にて接触する。
そして、この状態において、バッファー槽73、74内のランニングバッファーに直流電圧が印加され、第1スリット73a及び第3スリット74aを介してこれらランニングバッファーに接触する第2ゲル21に対して、第2方向Y1に沿った通電が施される。これにより、第2ゲル21に接触する第1ゲル11内のサンプルが第2方向Y1に移動し、分子量に基づいたサンプルの分離が行なわれる。
以上のように、第1参考例のサンプル分離装置50によれば、第2チップ70の挿入孔75に挿入された第1チップ60が蓋部材76の固定溝77に挟み込まれることにより、第1チップ60と第2チップ70との相対位置も一義的に定まり、第1ゲル11と第2ゲル21とを定位置にて接続させることができる。
即ち、蓋部材76によって、第1ゲル11と第2ゲル21との相対位置を規制することができるため、第1ゲル11を常に定位置にて第2ゲル21に接続することが可能となる。
また、蓋部材76が基板72aに対して回動可能に取り付けられているため、蓋部材76が開放位置から閉塞位置に回動させる動作をもって、第1チップ60と第2チップ70との位置合わせを行うことができる。よって、極めて容易かつ簡単に第1ゲル11の位置決めを行なうことが可能となる。
なお、第1参考例においては、第1チップ60を挿入孔75に挿入して第1ゲル11が第2ゲル21に接続された状態において、蓋部材76を開放位置から閉塞位置に変位させて第1チップ60を挟み込んで位置合わせをする構成とされているが、これに限定されることはなく、例えば、まず開放位置に位置する蓋部材76の固定溝77に第1チップ60を挟み、その後、蓋部材76を閉塞位置に変位させることで第1チップ60を挿入孔75に挿入させる構成であってもよい。これによっても、第1チップ60の第2チップ70に対する相対位置を規制することができるため、第1ゲル11を定位置において第2ゲル21に接続することが可能となる。
また、支持板62に第1ゲル11が支持された第1チップ60としてではなく、第1ゲル11単独で用いてもよい。この場合、該第1ゲル11を直接的に蓋部材76に例えば接着等により固定すればよい。これによって第1ゲル11と第2ゲル21との相対位置を規制することができるため、第1ゲル11を定位置において第2ゲル21に接続することが可能となる。
第2参考例
次に、本発明の第2参考例について図12〜図14を参照して詳細に説明する。
図12は第2参考例に係るサンプル分離装置の正面図、図13は図12のA−A断面図、図14は第2参考例に係るサンプル分離装置において蓋部材の回動する様子を示す正面図である。
第2参考例のサンプル分離装置80も第1実施形態及び第1参考例同様、蛋白質などのサンプルを解析する際に使用される2次元電気泳動法における2次元目の泳動に好適に適用可能な構成を有している。なお、第2実施形態において上述した第2実施形態のサンプル分離装置50と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
サンプル分離装置80は、第1ゲル11を備えた第1チップ60と、第2ゲル21を収納した第2チップ90とを備えている。このサンプル分離装置80においては、サンプルが第1チップ60の第1ゲル11内にて第1方向X2に分離された後、第2チップ70の第2ゲル21にて第1方向X1とは異なる第2方向Z2に分離される。なお、本実施形態のサンプル分離装置80は、縦型の分離装置であって、第1方向X2は水平方向に沿った図12における左右方向(図13における紙面奥行き方向)、第2方向Z2は上下方向とされている。また、これら第1方向X2及び第2方向Z2に直交する方向が厚み方向Y2とされている。
第2チップ90は、2次元目泳動用の第2ゲル21が予め充填されて供給されるプレキャストゲルチップ、あるいは実験者自らが充填したゲルチップである。この第2チップ90は、図12及び図13に示すように、合成樹脂からなる基板92a及び基板92bを組み合わせて構成された本体92を備えている。基板92aと基板92bとは接着あるいは溶着によって一体化されている。裏面側の基板92bの方が表側の基板92aよりも上方に延びた構成とされている。また、基板92aと基板92bとの間には、略直方体形状のキャビティCが生じており、このキャビティCには2次元目電気泳動に使用される第2ゲル21が充填されている。
第2参考例においては、第2ゲル21は、サンプルをその分子量に基づいて分離する分離ゲル21aと、サンプルを濃縮するための濃縮ゲル(スタッキングゲル)21bとから構成されており、サンプルが濃縮ゲル21b端面から分離ゲル21a側へ向かって泳動されるにしたがってサンプルが濃縮され、分離ゲル21aに移動すると、濃縮されたサンプルが分子量にしたがって泳動、分離されるものである。なお、キャビティC内の第2ゲル21において、上部が濃縮ゲル21b、下部が分離ゲル21aとされている。
分離ゲル21a及び濃縮ゲル21bとしては、例えばポリアクリルアミドの重合体によって構成されたゲルを採用することができる。また、サンプルにおいて注目する分子量の幅に合わせて適切な濃度・pHを有する周知の組成のゲルを適宜採用することができる。
表側の基板92aには、図13に破線で示すように、上方に向かって延びるバッファー受部材93が取り付けられる。これにより、該バッファー受部材93の内側に、電気泳動に使用される泳動バッファー(ランニングバッファー)が注入可能な容器形状を有するバッファー槽94が形成される。なお、上記バッファー受部材93の大きさは任意に選択することができ、これによりバッファー受部材93の内側に形成されるバッファー層94の大きさも任意に設定することができる。
キャビティCの上端は、上記バッファー槽94内に臨むとともに第1方向に向かって延びる開口部95とされている。これによって、キャビティC内の濃縮ゲル21bがバッファー槽94内に露呈することになる。また、バッファー槽94には、図示しない直流電源装置の電極が接続可能とされている。さらに、キャビティCの下端側には、図示しないバッファー槽が設けられており、該バッファー槽に直流電源装置の電極が接続可能とされている。
これら電極により直流電圧を印加することで、分離ゲル21aと濃縮ゲル21bとからなる第2ゲル21において第2方向Z2に沿ってサンプルを電気泳動させることができる。
なお、上記バッファー槽は自作、あるいは市販されているものいずれを用いても差し支えない。
そして、第2参考例の第2チップ90には、開口部95に近接、離間可能とされた蓋部材96が設けられている。本実施形態においては、この蓋部材96が、第1ゲル11の第2ゲル21に対する相対位置を規制する位置決め手段として機能する。
この蓋部材96は、第2チップ70の基板92aに回動可能に取り付けられており。これによって、開口部95に近接した閉塞位置と、開口部95から離間した開放位置との間で変位可能とされている。
蓋部材96は、閉塞位置において第1方向X2に直交する断面形状が略L字状をなして第1方向X2に延びるガイド部材97と、該ガイド部材97を保持する挟持部材98とから構成されている。
ガイド部材97は第2チップ90の基板92bの第1方向X2一端側に連結部材99を介して回動可能に連結されている。これにより、ガイド部材97は第1方向X2及び第2方向Z2を含む面に沿って回動可能とされ、この回動の際、ガイド部材97の一部が裏側の基板92bに摺接することで、当該回動がガイドされるようになっている。
また、挟持部材98は、該ガイド部材97と同様に第1方向X2に延在しており、ガイド部材97の断面L字の内側に配置されている。さらに、この挟持部材98における開口部95側を臨む面は、蓋部材96の閉塞位置において基板92bに当接する当接面98aとされており、該当接面98aには、第1チップ60の支持板62上端側を挟み込んで固定する固定溝98bが形成されている。この固定溝98bは、第1チップ60の支持板62の上端側の形状に応じて略矩形状に形成されており、これによって、挟持部材98における固定溝98b内の定位置に第1チップ60を固定可能とされている。
この固定溝98bは、蓋部材96が閉塞位置にある状態においては開口部95と対向状態にあり、固定溝98bの第1方向X2の寸法及び溝幅は、開口部95の第1方向X2の寸法及び開口幅(厚み方向Y2の幅)と略同一とされている。
次に、以上のような構成の第2参考例のサンプル分離装置80によってサンプルに2次元目の電気泳動分離を施す手順について説明する。
サンプル分離装置50により2次元目の電気泳動分離を施す前段階として、第2実施形態と同様の1次元目の電気泳動分離が行なわれる。次いで、分離サンプルを含む第1ゲル11に対して染色・洗浄・平衡化の処理が施された後、図示しない搬送手段又は作業者によって、第1チップ60を第2チップ90に搬送する。
そして、図14(a)に示すように、蓋部材96を開放位置とした状態で、第1チップ60をその上端側、即ち、支持板62側から蓋部材96における挟持部材98の固定溝98bに挟み込ませる。ここで、固定溝98bは、第1チップ60の支持板62の上端側形状と略同一形状に形成されているため、上記のように固定溝98bに第1チップ60を挟み込ませることで、第1チップ60と蓋部材96との相対位置は一義的に定まる。
次いで、図14(b)に示すように、蓋部材96を開放位置から閉塞位置に回動させ変位させる。すると、図12及び図13に示すように、第1チップ60の下端の第1ゲル11が、開口部95を介して第1方向X2全体にわたって第2ゲル21に接続される。また、この際、挟持部材98の当接面98aが基板92bの上端に接触し、蓋部材96と基板92bとの相対位置が一義的に定まる。
したがって、第1チップ60と第2チップ90との相対位置も一義的に定まり、これによって、第1チップ60に支持された第1ゲル11と第2チップ90に収納された第2ゲル21とが定位置にて接触する。
そして、この状態において、キャビティCの上方のバッファー槽94及びキャビティCの下方の図示しないバッファー槽に直流電圧が印加され、第2ゲル21に対して、第2方向Z2に沿った通電が施される。これにより、第2ゲル21に接触する第1ゲル11内のサンプルが第2方向Z2に移動し、分子量に基づいたサンプルの分離が行なわれる。
以上のように、第2参考例のサンプル分離装置80によれば、蓋部材96の固定溝98bに第1チップ60を挟み込ませることにより蓋部材96と第1チップ60との相対位置が一義的に定まり、蓋部材96を閉塞位置に変位させることで該蓋部材96と基板92bとの相対位置も一義的に定まるため、第1ゲル11と第2チップ90に収納された第2ゲル21とを定位置にて接続させることができる。
即ち、蓋部材96によって、第1ゲル11と第2ゲル21との相対位置を規制することができるため、第1ゲル11を常に定位置にて第2ゲル21に接続することが可能となる。
また、蓋部材96が基板92bに対して回動可能に取り付けられているため、蓋部材96が開放位置から閉塞位置に変位する動作をもって、第1チップ60と第2チップ90との位置合わせを行うことができる。よって、極めて容易かつ簡単に第1ゲル11の位置決めを行なうことが可能となる。
なお、第2参考例においては、第1チップ60を挿入孔95に挿入して第1ゲル11が第2ゲル21に接続された状態において、蓋部材96を開放位置から閉塞位置に変位させて第1チップ60を挟み込んで位置合わせをする構成とされているが、これに限定されることはなく、例えば、まず開放位置に位置する蓋部材96の固定溝97に第1チップ60を挟み、その後、蓋部材96を閉塞位置に変位させることで第1チップ60を挿入孔95に挿入させる構成であってもよい。これによっても、第1チップ60の第2チップ90に対する相対位置を規制することができるため、第1ゲル11を定位置において第2ゲル21に接続することが可能となる。
また、支持板62に第1ゲル11が支持された第1チップ60としてではなく、第1ゲル11単独で用いる場合には、第2実施形態と同様にして、該第1ゲル11を直接的に蓋部材96に例えば接着等により固定すればよい。これによっても、第1ゲル11と第2ゲル21との相対位置を規制することができるため、第1ゲル11を定位置において第2ゲル21に接続することが可能となる。
以上、本発明の第1実施形態、第1変形例、及び第2変形例について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく多少の設計変更等も可能である。即ち、第1ゲル11と第2ゲル21との相対位置を規制する位置決め手段を備えたものであれば、実施形態に示された構成のサンプル分離装置40,50,80に限定されず、他の構成の位置決め手段を備えたものであってもよい。
10 第1チップ
11 第1ゲル
12 支持板(支持部材)
12d 段差面
12e 突起部(位置決め手段)
20 第2チップ
21 第2ゲル
22a 基板
22b 基板
23b 第2スリット(開口部)
25 差込孔(位置決め手段)
30 搬送手段
40 サンプル分離装置
50 サンプル分離装置
60 第1チップ
62 支持板(支持部材)
70 第2チップ
72a 基板
72b 基板
75 挿入孔(開口部)
76 蓋部材(位置決め手段)
76a 当接面
77 固定溝
80 サンプル分離装置
90 第2チップ
92a 基板
92b 基板
95 開口部
96 蓋部材(位置決め手段)
97 ガイド部材
98 挟持部材
98a 当接面
98b 固定溝
C キャビティ
X1 第1方向
Y1 第2方向
X2 第1方向
Z2 第2方向

Claims (1)

  1. 第1ゲル中で第1方向に分離したサンプルを、基板内に収納された第2ゲル中で第2方向にさらに分離するサンプル分離装置あって、
    基板に設けられて電気泳動に使用される泳動バッファーが注入可能な容器形状をなすバッファー槽と、
    前記基板内外を連通する開口部が前記バッファー槽に形成され、
    前記サンプルを含む前記第1ゲルが前記開口部を介して前記第2ゲルに接続される際に、前記第1ゲルと前記第2ゲルとの相対位置を規制する位置決め手段と、
    前記第1ゲルを下端側にて支持して前記開口部に挿入される支持部材と、を備え、
    前記位置決め手段が、
    前記支持部材と前記基板とのいずれか一方に備えられた突起部と、
    他方に備えられ、前記支持部材を前記開口部に挿入する際に前記突起部が嵌り込む差込孔とから構成され、
    前記突起部が前記支持部材の前記開口部への挿入方向に沿った方向である上下方向に突出し、
    前記支持部材に前記突起部又は前記差込孔が複数備えられ、
    これら前記突起部又は前記差込孔にそれぞれ対応するようにして、前記基板に前記差込孔又は前記突起部が複数備えられ、
    前記突起部と該突起部が嵌り込む前記差込孔との少なくとも一方が、テーパ状をなしていること特徴とするサンプル分離装置。
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