JP5303627B2 - 粒子分析装置用シース液 - Google Patents

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Description

本発明は、試料に含まれる粒子を分析する粒子分析装置に用いられるシース液に関する。
尿や血液などの生体試料中の粒子を分析するためには、一般的にフローサイトメトリーを利用した粒子分析装置が用いられている。フローサイトメトリーでは、シース液流により包囲された状態で試料をフローセルに通過させる。試料の通過の際にフローセル中の検出部で電気的或いは光学的情報を検出し、これに基づいて試料に含まれる粒子の分析を行う。
フローサイトメトリーに用いられるシース液としては例えば特許文献1に記載のシース液が知られている。このシース液には、シース液の屈折率を調整するために塩化ナトリウムが多量に含有されている。このシース液を用いると、尿のような屈折率の高い試料を検体として用いた場合でも、正確な粒子分析を行うことができる。
しかしながら、特許文献1のシース液を適用した装置を一定期間使用しない場合、シース液が蒸発することによって装置内部に析出物が蓄積する可能性があった。このため、析出物が蓄積した場合は、装置を分解して析出物を除去する必要があった。また、シース液と接触する装置の金属部分が腐食する可能性があり、腐食に強い材料の選択や定期的な部品交換が必要となり、コストが高くなることがあった。
特開2004−3978
本発明の目的は、析出物が生じにくく、且つ装置の金属部分を腐食させにくいシース液を提供することである。
本発明は、試料中の粒子を分析する装置に用いられる粒子分析装置用シース液であって、グリセリン類、硫酸塩及び塩化ナトリウムを含む屈折率調整剤と、水とを含有し、塩化ナトリウムの濃度が20g/L以下であり、25℃でのナトリウムD線(λ=589.3nm)の波長における屈折率が1.338〜1.345であり、25℃での電気伝導度が40mS以下であることを特徴とする粒子分析装置用シース液を提供する。

本発明によると、析出物が生じにくく、且つ装置の金属部分を腐食させにくいシース液が提供される。
本実施形態のシース液は、フローサイトメトリーを用いた粒子分析装置に用いられる。この装置を用いることにより、試料に含まれる細胞などの粒子の分類や計数などを行うことができる。シース液は、屈折率を調整する物質(以下、屈折率調整剤とする)を水に溶解することにより調製することができる。
シース液の屈折率は、粒子の分析に影響を与えない屈折率であれば特に限定されない。シース液の屈折率は、測定に供される試料の屈折率と近似した値であることが好ましい。ここで、「近似した値」とは、試料の屈折率の±0.5%、好ましくは±0.3%の範囲内の値である。試料として尿を用いる場合、25℃でのナトリウムD線(λ=589.3nm)の波長におけるシース液の屈折率が1.338〜1.345であることが好ましい。
シース液には、屈折率調整剤として硫酸塩、グリセリン類及び塩化ナトリウムが含有される。また、塩化カリウム、尿素、炭酸ナトリウム、スクロース、クエン酸塩、酢酸塩、D−ソルビトール、炭酸水素塩、トリエタノールアミンなどの屈折率調整剤をさらに含有してもよい。屈折率調整剤は、シース液の屈折率が所望の範囲となるよう適宜調整して添加される。シース液に添加する、塩化ナトリウムの濃度は、固体として析出し管のつまりを起こさない程度の濃度である。また、シース液に塩化ナトリウムや塩化カリウムを添加する場合、これらの濃度は装置の金属部分を腐食させない程度の濃度である。塩化ナトリウムの濃度は、20g/L以下が好ましく、10g/L以下がより好ましい。
本明細書における「グリセリン類」とは、グリセリン及びグリセリンの誘導体(以下、グリセリン誘導体とする)を含む。グリセリン誘導体としては、例えばチオグリセロリンやポリグリセリンなどが挙げられる。ポリグリセリンとしては、例えば、ジグリセリン、ポリグリセリン#310(坂本薬品工業)、ポリグリセリン#750(坂本薬品工業)、ポリグリセリン#500(坂本薬品工業)などを用いることができる。
硫酸塩としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウムなどを用いることができる。
粒子分析装置により試料中の粒子分析を行う際に、試料の電気伝導度を測定することがある。例えば、尿の電気伝導度は、尿の浸透圧や比重と相関することが知られており、尿の浸透圧や比重は様々な疾患の指標となる。例えば、低比重尿(1.010以下)や低浸透圧尿(200mOsm/kg・HO以下)は尿崩症などの尿濃縮障害、心因性多飲などに高頻度に見られ、高比重尿(1.030以上)や高浸透圧尿(850mOsm/kg・HO以上)は脱水・腎前性腎不全などに高頻度に見られる。
シース液の電気伝導度が高いと、次の検体の測定に影響を与える(キャリーオーバーが生じる)ことがあるため、シース液の電気伝導度はできるだけ低いことが好ましい。尿の電気伝導度は、25℃で5〜30mSであることが多いため、シース液の電気伝導度は25℃で40mS以下であることが好ましい。これにより、試料の電気伝導度測定におけるキャリーオーバーを抑制することができる。
シース液のpHは、6.0〜8.5であることが好ましく、より好ましくは7.0〜8.0である。シース液のpHを調整するために緩衝剤をシース液に含有させることが好ましい。緩衝剤の種類は、pHを適切な範囲に調整するものであれば特に限定されない。例えば、グッド緩衝剤(具体的には、トリス緩衝剤、MES,Bis−Tris,ADA,PIPES,ACES,MOPSO,BES,MOPS,TES,HEPES,DIPSO,TAPSO,POPSO,HEPPSO,EPPS,Tricine,Bicine,TAPSなど)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、ベロナールナトリウム−塩酸、コリジン−塩酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−マレイン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸などが挙げられ、これらを単独又は組み合わせて用いることができる。上記のうち、特にトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−マレイン酸を用いることが好ましい。
シース液を装置のフローセルに導入するとシース液中に気泡が発生し、測定に悪影響を及ぼす可能性がある。この気泡の発生を抑えるためにシース液に界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤の種類は気泡の発生を抑制できるものであれば特に限定されず、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の何れを用いてもよい。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤(例えば、ニッサンノニオンNS−240(日本油脂、登録商標))、ポリオキシエチレンスルビタンアルキルエステル型界面活性剤(例えば、レオドールTW−0120(花王、登録商標))、ポリオール共重合体(例えば、プルロニックP−105,P−84,P−85,P−87,P−75など(BASFコーポレーション、登録商標))、MEGA−8、シュクロースモノカプレート、デオキシ−BIGCHAP、n−オクチル−β−D−チオグルコシド、n−ノニル−β−D−チオマルトシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−オクチ−β−D−チオグルコシド、CHAPS、CHAPSOなどを用いることができる。シース液中の界面活性剤の濃度は、気泡の発生を抑制し、試料中の細胞などの粒子に影響を与えない程度であることが好ましい。具体的には、5〜5000mg/Lであることが好ましく、100〜3000mg/Lであることがより好ましい。
粒子分析装置により試料に含まれる粒子を分析する際、試料中に無晶性塩類(例えば、リン酸アンモニウム、リン酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)が析出することがある。この無晶性塩類を溶解するためにシース液にキレート剤を添加してもよい。これによって、無晶性塩類を溶解できるだけでなく、シース液の酸化を抑制することもできる。キレート剤としては、例えば、EDTA塩、CyDTA、DHEG、DPTA−OH、EDDA、EDDP、GEDTA、HDTA、HIDA、Methyl−EDTA、NTA、NTP,NTPO,EDDPOなどを用いることができる。シース液中のキレート剤の濃度は、0.05〜5g/Lであることが好ましい。
シース液にバクテリアや真菌などの微生物が繁殖すると、試料の粒子分析に影響を与えることがある。バクテリアや真菌の繁殖を抑制するため、シース液に防カビ作用を有する物質(防カビ剤)及び/又は防菌作用を有する物質(防菌剤)を添加してもよい。防カビ剤・防菌剤としては、市販のものを用いることができる。例えば、トリアジン系抗菌剤、チアゾール系防菌剤(例えば、ベンズイソチアゾロンなど)、ピリチオン、ピリジン系防菌剤(例えば、1−ヒドロキシピリジン−2−チオナトリウムなど)、2−フェノキシエタノールなどが挙げられる。具体的には、ProxelGXL(Avecia社)、トミサイドS(エーピーアイコーポレーション)などを用いることができる。
本実施形態のシース液を用いた粒子分析装置で分析に供される試料は特に限定されないが、生体から採取した試料(生体試料)又はこの生体試料に対して希釈、精製、染色などの処理を施した試料を用いることができる。具体的には、尿、血液、精液、髄液などを挙げることができる。本実施形態のシース液は、尿中の粒子(赤血球、白血球、細菌など)を分析する際に好適に用いられる。
本実施形態のシース液を用いて試料中の粒子を分析するために、図1のようなフローサイトメータを用いることができる。
試料を流すためのフローセル42は、レーザ光が照射される部分であり、内部流路が細く絞られているオリフィス部43、測定用試料をオリフィス部に向かって上方へ噴射するノズル44、シース液供給口45、廃液口46を有する。このフローサイトメータ41は、レーザ光源47から照射されたレーザ光をフローセル42へ集光するコンデンサレンズ48、レーザ光を照射された試料中の粒子から発せられた前方散乱光を受光して電気信号に変換するフォトダイオード49、フォトダイオード49へ前方散乱光を集光するためのコレクタレンズ50とピンホール51、レーザ光を照射された試料中の粒子から発せられた蛍光を受光して電気信号に変換するフォトマルチプライヤチューブ52、フォトマルチプライヤチューブ52へ蛍光を集光するためのコレクタレンズ53、フィルタ54、ピンホール55、フォトダイオード49やフォトマルチプライヤチューブ52から出力された電気信号を増幅し、前方散乱光信号及び蛍光信号として解析部56へ出力するアンプ57、及びアンプ58を有する。フローセル42に試料が流されると、試料に含まれる粒子がレーザ光源47によるレーザ光の照射領域を横切る度に、蛍光や散乱光が生じる。フォトマルチプライヤチューブ52によって側方蛍光が、フォトダイオード49によって前方散乱光が、それぞれ受光・光電変換され、側方蛍光信号や前方散乱光信号といった光検出信号として解析部56に出力される。
解析部56は、フローサイトメータ41で検出された粒子毎の光検出信号を増幅したり、ノイズを除去する回路や、 CPU、ROM、RAMなどからなるコンピューターによって構成されている。解析部56は、検出部41で検出された粒子毎の光検出信号を解析し、二次元分布図を作成して、試料に含まれる粒子を計数する。解析部56は、前方散乱光信号から前方散乱光強度及び前方散乱光幅を算出し、側方蛍光信号から蛍光強度を算出する。これらのパラメータを組み合わせて二次元分布図を作成し、試料中の各粒子の種類や数を分析する。
(実施例1)
精製水1kgに以下の物質を溶解し、シース液を調製した。
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン 1.51g
塩酸 6mol
EDTA−2K 0.2g
レオドールTW0120V 0.75g
トミサイドS 0.2g
ProxelGXL 0.2g
上記のシース液に種々の屈折率調整剤を添加し、シース液の屈折率を1.342に調整するためには屈折率調整剤をどのくらい添加すればよいかを検討した。屈折率の測定には、デジタル屈折計RX−5000α(アタゴ社)を用いた。屈折率は25℃で測定した。
検討の結果、屈折率調整剤としてグリセリンを用いた場合、シース液に79g/Lの濃度で添加すれば屈折率が1.342に調整されることが判った。
屈折率調整剤としてチオグリセリンを用いた場合、シース液に57g/Lの濃度で添加すればよいことが判った。
屈折率調整剤としてジグリセリンを用いた場合、シース液に69g/Lの濃度で添加すれば屈折率が1.342に調整されることが判った。
屈折率調整剤としてポリグリセリン#310を用いた場合、シース液に71g/Lの濃度で添加すれば屈折率が1.342に調整されることが判った。
屈折率調整剤としてポリグリセリン#750を用いた場合、シース液に73g/Lの濃度で添加すれば屈折率が1.342に調整されることが判った。
屈折率調整剤としてポリグリセリン#500を用いた場合、シース液に75g/Lの濃度で添加すれば屈折率が1.342に調整されることが判った。
屈折率調整剤として硫酸ナトリウムを用いた場合、シース液に62g/Lの濃度で添加すれば屈折率が1.342に調整されることが判った。
屈折率調整剤として塩化ナトリウムとグリセリンとを用いた場合、塩化ナトリウムを7.1g/L、グリセリンを69.1g/Lの濃度で添加すれば屈折率が1.342に調整されることが判った。
屈折率調整剤として塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムとを用いた場合、塩化ナトリウムを7.1g/L、硫酸ナトリウムを54.44g/Lの濃度で添加すれば屈折率が1.342に調整されることが判った。
屈折率調整剤として塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムとグリセリンとを用いた場合、塩化ナトリウムを7.1g/L、硫酸ナトリウムを28.45g/L、グリセリンを34g/Lの濃度で添加すれば屈折率が1.342に調整されることが判った。
(実施例2)
実施例1のシース液に種々の屈折率調整剤を添加してシース液の屈折率を1.342に調整し、電気伝導度を測定した。電気伝導度の測定には、電気伝導度計DS−8F(堀場製作所)を用いた。
上記シース液に屈折率調整剤として7.1g/Lの塩化ナトリウムと69.1g/Lのグリセリンとを添加し、シース液Aを調整した。シース液Aの電気伝導度は、11mSであった。
上記シース液に屈折率調整剤として7.1g/Lの塩化ナトリウムと28.45g/Lの硫酸ナトリウムと34g/Lのグリセリンとを添加してシース液Bを調整した。シース液Bの電気伝導度は、35mSであった。
上記シース液に屈折率調整剤として79g/Lのグリセリンを添加してシース液Cを調整した。シース液Cの電気伝導度は、1.1mSであった。
以上より、シース液A〜Cは、屈折率が何れも1.342であり電気伝導度が何れも40mS以下であるため、測定のキャリーオーバーが生じにくいと考えられる。
(実施例3)
実施例2で調整したシース液Aを用いて、塩の析出が見られるか否かを検討した。
対照として、実施例1のシース液に屈折率調整剤として塩化ナトリウムを55g/Lの濃度で添加してシース液Dを調製した。
100μLのシース液A及び100μLのシース液Dをそれぞれスライドガラス上に滴下し、25℃で乾燥させた。
乾燥後のスライドガラスの写真を図2(a)及び(b)に示す。図2(a)に示されるように、シース液Dを乾燥させると、塩の析出が確認された。図2(b)に示されるように、シース液Aを乾燥させても析出物は殆ど見られなかった。以上より、シース液Aを粒子分析装置に用いると塩の析出による管のつまりが起こりにくいと考えられる。
(実施例4)
実施例2で調整したシース液Bを用いて、塩の析出が見られるか否かを検討した。対照として、実施例3で調製したシース液Dを用いた。
100mLのシース液A及び100mLのシース液Dをそれぞれメジウムビンに収容し、全ての水分が蒸発するまで60℃で乾燥させた。
乾燥後のメジウムビンの写真を図3及び図4に示す。図3(a)は、シース液Bを蒸発させた後のメジウムビンの側面からの写真である。図3(b)は、シース液Dを蒸発させた後のメジウムビンの側面からの写真である。図4(a)は図3(a)のメジウムビンの内部の写真であり、図4(b)は図3(b)のメジウムビンの内部の写真である。図3及び図4より、シース液Bを乾燥させても僅かの量しか塩の析出が確認されなかったが、シース液Dを乾燥させると、塩の析出が大量に確認された。以上より、シース液Bを粒子分析装置に用いると塩の析出による管のつまりが起こりにくいと考えられる。
(実施例5)
実施例2で調製したシース液Bを細菌分析装置BACSYS-40i(シスメックス製)に適用し、精度管理物質であるバクトチェック(シスメックス製)を試料として、試料中の細菌に相当する疑似粒子(以下、疑似細菌とする)と白血球に相当する疑似粒子(以下、疑似白血球とする)を測定した。
バクトチェック50μLと、細菌分析装置に用いられる測定試薬「バクトキャッチ」(シスメックス製)の染色液10μL及び希釈液340μLとを混合した。この混合液を粒子分析装置のフローセルに導入し、試料に含まれる粒子の側方蛍光信号及び前方散乱光信号を取得した。側方蛍光信号からは蛍光強度を算出し、前方散乱光信号からは前方散乱光強度1及び前方散乱光強度2と前方散乱光幅を算出した。前方散乱光強度1と前方散乱光強度2とは信号増幅の度合いが異なり、前方散乱光強度1は疑似細菌の測定に用いられ、前方散乱光強度2は疑似白血球の測定に用いられる。
得られた前方散乱光幅及び前方散乱光強度1を二軸とする二次元分布図を作成し、疑似細菌数を計数した。この二次元分布図を図5に示す。また、蛍光強度及び前方散乱光強度2を二軸とする二次元分布図を作成し、疑似白血球数を計数した。この二次元分布図を図6に示す。この測定は8回行われた。測定結果は下記表1に示される。
Figure 0005303627
また、対照として上記の装置に用いられるシース液であるバクトシース(シスメックス製)を用い、上記と同様にして疑似細菌数及び疑似白血球数を計数した。前方散乱光幅及び前方散乱光強度1を二軸とする二次元分布図は図7に示される。蛍光強度及び前方散乱光強度2を二軸とする二次元分布図は図8に示される。この測定は8回行われた。測定結果は下記表1に示される。
Figure 0005303627
表1及び表2より、シース液B及びバクトシースの何れを用いても、8回の測定の疑似細菌数、疑似白血球数、信号強度及び信号幅のCV(coefficient of variation:変動係数)が非常に低い値を示した。また、バクトシースを用いて測定した疑似細菌数及び疑似白血球数と、シース液Bを用いて測定した疑似細菌数及び疑似白血球数とは非常に近似した値を示した。以上より、シース液Bを用いると、従来用いられているシース液と同様に検体中の粒子を正確に且つ再現性良く測定できることが確認された。
(実施例6)
シース液Bを用い、実施例5と同様にして尿試料116検体(検体番号1〜116)の細菌数及び白血球数を測定した。また、対照としてバクトシースを用い、116検体の細菌数及び白血球数を測定した。
シース液Bを用いて測定された細菌数と、バクトシースを用いて測定された細菌数との相関グラフを図9に示す。また、シース液Bを用いて測定された白血球数と、バクトシースを用いて測定された白血球数との相関グラフを図10に示す。
図9より、シース液Bを用いて測定された細菌数と、バクトシースを用いて測定された細菌数とが非常に良く相関していることが分かった。また、図10より、シース液Bを用いて測定された白血球数と、バクトシースを用いて測定された白血球数とが非常に良く相関していることが分かった。以上より、シース液Bを用いると、従来用いられているシース液と同様に検体中の粒子を正確に測定できることが確認された。
フローサイトメータである。 (a)はシース液Dを滴下して乾燥させた後のスライドガラスの写真であり、(b)はシース液Aを滴下して乾燥させた後のスライドガラスの写真である。 (a)はシース液Bを蒸発させた後のメジウムビンの側面からの写真であり、(b)はシース液Dを蒸発させた後のメジウムビンの側面からの写真である。 (a)は図3(a)の側面からの写真であり、(b)は図3(b)の側面からの写真である。 シース液Bを用いて疑似細菌を計数する際に用いた二次元分布図である。 シース液Bを用いて疑似白血球を計数する際に用いた二次元分布図である。 バクトシースを用いて疑似細菌を計数する際に用いた二次元分布図である。 バクトシースを用いて疑似白血球を計数する際に用いた二次元分布図である。 シース液Bを用いて測定された細菌数と、バクトシースを用いて測定された細菌数との相関グラフである。 シース液Bを用いて測定された白血球数と、バクトシースを用いて測定された白血球数との相関グラフである。
41:フローサイトメータ 42:フローセル 43:オリフィス部 44:ノズル 45:シース液供給口 46:廃液口 47:レーザ光源 48:コンデンサレンズ 49:フォトダイオード 50:コレクタレンズ 51:ピンホール 52:フォトマルチプライヤチューブ 53:コレクタレンズ 54:フィルタ 55:ピンホール 56:解析部 57:アンプ 58:アンプ

Claims (7)

  1. 試料中の粒子を分析する装置に用いられる粒子分析装置用シース液であって、
    グリセリン類、硫酸塩及び塩化ナトリウムを含む屈折率調整剤と、水とを含有し、
    塩化ナトリウムの濃度が20g/L以下であり、
    25℃でのナトリウムD線(λ=589.3nm)の波長における屈折率が1.338〜1.345であり、
    25℃での電気伝導度が40mS以下である、ことを特徴とするシース液。
  2. 前記グリセリン類が、グリセリン、チオグリセリン及びポリグリセリンからなる群より選択される、請求項1記載のシース液。
  3. 前記試料が尿である、請求項1又は2記載のシース液。
  4. 10g/L以下の塩化ナトリウムを含む、請求項1〜の何れかに記載のシース液。
  5. シース液のpHを6.0〜8.5に調整するための緩衝剤をさらに含有する、請求項1〜の何れかに記載のシース液。
  6. 前記緩衝剤が、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−マレイン酸からなる群より選択される、請求項記載のシース液。
  7. 界面活性剤と、キレート剤と、防カビ剤又は防菌剤とをさらに含む、請求項1〜の何れかに記載のシース液。
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