JP5303203B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
タイヤのトレッドに水膜除去能を持たせるには、新品時のタイヤの表面に深さ、幅共に100μm程度のミクロな排水溝(サイプ)を多数設け、このミクロな排水溝により水膜を排除し、タイヤの氷雪路面上での摩擦係数を大きくする。しかし、この場合、タイヤの使用初期における氷上性能を向上させることはできるものの、タイヤの摩耗に伴い、徐々に氷上性能が低下してしまうという問題がある。そこで、タイヤが摩耗しても氷上性能が低下しないようにするため、ミクロな水膜除去効果を狙ってトレッド内に気泡を形成しておくことが考えられ、この気泡には球状のものに加えて、トレッド表面に出現したときは、ミクロサイプとして働く有機繊維樹脂による筒状のものが考えられている。
また、上記の有機繊維についても微粒子を含有させ、より引っ掻き効果を加味させることにより氷雪路面上での摩擦係数を更に大きくすることが提案されている(例えば、特許文献1、及び特許文献2を参照)。
また、トレッドに用いられる充填剤成分としては、カーボン及びシリカが主に用いられ、上記WET性能の改良が可能な充填剤としてシリカが用いられている。しかしながら、シリカと高シスポリブタジエンを混合した場合、作業性が悪く、カーボンブラックのように組成物の力学的性能を高めることは難しいという問題がある。
しかし、これらの多くは重合体末端のリビング性が容易に確保できるポリマーへの適用であり、スタッドレスタイヤ用トレッドゴムに特に重要なシス−1,4−ポリブタジエンについての変性改良は少なく、また、シリカやカーボンブラックを配合したゴム組成物における変性効果は必ずしも十分なものは得られていない。特にシス−1,4−ポリブタジエンについては、カーボンブラック配合ゴムにおける変性効果は殆ど得られていないのが実状である。
一方、希土類触媒を用いて得られたシス含量の高い共役ジエン重合体の活性末端とアルコキシシラン化合物とを反応させることにより、シラン変性された共役ジエン重合体を得る試みもあるが、この方法によれば、コールドフローの改良効果は大きいものの、シラン変性によるムーニーの上昇は多くの場合で著しく、また単離された共重合体中には可視的サイズのゲルが生成する場合が多く、加工性・物性の観点からは未だ改良の余地が残されていた。
本出願人は、上記活性末端を有する重合体にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応後、続いて特定の化合物で第2次反応させることで上記問題点を改善できることを提案した(例えば、特許文献4参照)。
すなわち本発明は、
[1] 舗装路3000km走行後のJIS B0671−1の規定に基づいて測定された前記路面に接地したトレッド部表面粗さ曲線のRmr(c)の25〜75%における切断レベル差(Rδc)が10〜80μmであり、かつ該トレッド表面の接地面積1cm2当たりの全サイプ長さが0.1〜0.4cmであることを特徴とする空気入りタイヤ、
[2] 前記トレッドを構成するトレッドゴム組成物のゴム成分(A)が天然ゴム及び/又は合成共役ジエン系ゴムからなり、窒素吸着比表面積(N2SA)が120m2/g以上のカーボンブラック(B)を該ゴム成分(A)100質量部当たり2〜90質量部含む上記(1)の空気入りタイヤ、
[3] トレッドゴム組成物に含まれる総充填材量のうち、シリカ(C)の占める割合が30〜100質量%である上記(1)又は(2)の空気入りタイヤ、
[4] 前記シリカ(C)の窒素吸着比表面積(N2SA)が120〜220m2/gであり、かつCTAB吸着比表面積が130〜170m2/gである上記(1)〜(3)いずれかの空気入りタイヤ、
[5] ゴム成分(A)100質量部に対して、シリカ(C)以外の無機充填材(D)及び/又は非補強性の有機充填材(E)を3〜50質量部含む上記(1)〜(4)いずれかの空気入りタイヤ、
[6] 前記無機充填材(D)又は非補強性の有機充填材(E)のゴム組成物中における平均粒径が0.1〜100μmである上記(5)の空気入りタイヤ、
[7] 無機充填材(D)が下記一般式(I)
M・xSiO2・yH2O ………(I)
〔式中のMは、Al、Mg、Ti、Caから選ばれる少なくとも一つの金属酸化物又は金属水酸化物であり、x,yは共に0〜10の整数である。〕で表される平均粒径が100μm以下である上記(5)又は(6)の空気入りタイヤ、
[8] ゴム成分(A)を構成する合成共役ジエン系ゴムの少なくとも一種が、シス−1,4結合含有量が90モル%以上のポリブタジエンゴム(F)である上記(1)〜(7)いずれかの空気入りタイヤ、
[9] ゴム成分(A)に占める前記(F)成分の割合が10〜90質量%である上記(8)の空気入りタイヤ、
[11] 前記末端変性共役ジエン系ゴム(G)が、ヒドロカルビルオキシシラン化合物Iを反応させる第一次変性の後に、縮合促進剤を加えて、導入されたヒドロカルビルオキシシラン化合物残基と未反応のヒドロカルビルオキシシラン化合物との縮合反応を行なう第二次変性工程(a)を含む方法で製造されたものである上記(10)の空気入りタイヤ、
[12] 前記末端変性共役ジエン系ゴム(G)が、ヒドロカルビルオキシシラン化合物I及び/又はその部分縮合物を反応させる第一次変性後に、さらにヒドロカルビルオキシシラン化合物を加え、縮合促進剤の存在下で反応させる第二次変性を行う工程(b)を含む方法で製造されたものであることを特徴とする、上記(11)の空気入りタイヤ、
[13] 前記末端変性共役ジエン系ゴム(G)が、前記第二次変性工程(b)に用いるヒドロカルビルオキシシラン化合物として、前記一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物I及び/又はその部分縮合化合物、下記一般式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物II及び/又はその部分縮合物、並びに下記一般式(IV)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物III及び/又はその部分縮合物の中から選ばれる少なくとも一種を用いて製造されたものである上記(12)の空気入りタイヤ、
[14] 前記末端変性共役ジエン系ゴム(G)が、前記縮合促進剤として下記(1)から(3)で表わされる金属化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種、及び水の双方を用いて製造されたものである上記(10)〜(13)いずれかの空気入りタイヤ、
(1)酸化数2のスズの炭素数3から30のカルボン酸塩
Sn(OCOR10)2
〔式中、R10は、炭素数2から19の有機基であり、複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。〕
(2)酸化数4のスズの化合物で次の一般式を満足するもの
R11 rSnA4 tB1 (4-t-r)
〔式中、rは1から3の整数,tは1又は2の整数であり、かつt+rは3又は4の整数である。R11は炭素数1から30の脂肪族炭化水素基、B1はヒドロキシ基又はハロゲンである。A4は、(a)炭素数2から30のカルボキシル基、(b)炭素数5から30の1,3−ジカルボニル含有基、(c)炭素数3から30のヒドロカルビルオキシ基、及び(d)炭素数1から20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1から20のヒドロカルビルオキシ基で合計三置換(同一でも異なっていてもよい)されたシロキシ基から選ばれる基であり、A4が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。〕
(3)酸化数4のチタン化合物で、次の一般式を満足するもの
A5 xTiB2 (4-x)
〔式中、xは2又は4の整数である。A5は(e)炭素数3から30のヒドロカルビルオキシ基、(f)炭素数1から30のアルキル基及び/又は炭素数1から20のヒドロカルビルオキシ基で合計三置換されたシロキシ基であり、A5が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。B2は、炭素数5から30の1,3−ジカルボニル含有基である。〕
[15] 前記活性末端を有する共役ジエン系ゴム(G)が、下記(i)、(ii)、(iii)の各要素それぞれから選ばれる少なくとも一種の化合物を組み合わせてなる重合触媒を用いて、1,3−ブタジエンを主体とする共役ジエン系モノマーを重合させることにより製造されたものである上記(10)〜(14)いずれかの空気入りタイヤ、
(i)成分;周期律表の原子番号57〜71にあたる希土類元素含有化合物、又は、これらの化合物とルイス塩基との反応物
(ii)成分;アルモキサン及び/又はAlR12R13R14(式中、R12及びR13は同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子、R14は炭素数1〜10の炭化水素基であり、ただし、R14は上記R12又はR13と同一又は異なっていてもよい)に対応する有機アルミニウム化合物
(iii)成分;ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物
[16] 前記活性末端を有する共役ジエン系ゴム(G)が、シス−1,4結合含有量が90モル%以上の末端変性ポリブタジエンゴムである上記(10)〜(15)いずれかの空気入りタイヤ、
[17] ゴム成分(A)に占める(G)成分の割合が10〜90質量%である上記(16)の空気入りタイヤ、
[18] ゴム成分(A)を構成する合成共役ジエン系ゴムの少なくとも一種がハロゲン化ブチルゴム(H)である上記(1)〜(17)いずれかの空気入りタイヤ、
[19] ゴム成分(A)に占める(H)成分の割合が10〜90質量%である上記(18)の空気入りタイヤ、
[20] トレッドゴム組成物の−20℃での貯蔵弾性率(E’)が5〜40MPaである上記(1)〜(19)いずれかの空気入りタイヤ、及び
[21] トレッド部の路面と実質的に接する面に発泡ゴム用いた上記(1)〜(20)いずれかの空気入りタイヤ、
を提供するものである。
JIS B0632に規定するフィルターによって処理された粗さの曲線は望ましくないゆがみの影響をうける。本規格(JIS B0671−1)はこのゆがみを大幅に減少させる方法について規定し、ゆがみの影響を最小限にすることによって、本発明のパラメーターである切断レベル差Rδcを用いることで精度の高い評価が可能である。
尚、上記切断レベル差Rδcは下記式
Rδc=c(Rmr1)−c(Rmr2):Rmr1<Rmr2
によって求められる。上記式でRmrは基準とする切断レベルと輪郭曲線の差を表す相対負荷長さ率である。
上記、トレッドゴムは主に、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)、シリカ(C)、シリカ以外の無機充填材(D)、非補強性の有機充填材(E)成分を含むゴム組成物から構成されることが好ましい。これらの成分は必要に応じて、適宜組み合わせて用いることができる。
ゴム成分(A)としては、天然ゴムのみを含んでも、ジエン系合成ゴムのみを含んでも、両者を含んでいてもよい。前記合成共役ジエン系ゴムとしては、シス1−4結合含有量が90モル%以上のポリブタジエンゴム(F)、末端変性共役ジエン系ゴム(G)、及びブチルゴム特にハロゲン化ブチルゴム(H)、及び合成ポリイソプレンゴム等が好ましく用いられる。
氷上性能を向上させるためには低温領域の剛性を下げることが好ましく、これらのゴム成分のガラス転移温度は、いずれも−60℃以下であり、天然ゴムが−69〜−74℃、シス−1,4−ポリブタジエンが−95〜−110℃、ブチルゴムが−67〜−75℃程度である。このようなガラス転移温度を有するゴム成分を用いると、トレッドゴム組成物は、低温域においても十分なゴム弾性を維持し、良好な氷上性能を示す点で有利である。
ゴム成分(A)を構成する合成共役ジエン系ゴムの少なくとも1種がシス1−4結合が90モル%以上のポリブタジエンゴム(F)が好ましく、該(F)成分のゴム成分(A)に占める割合が10〜90質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、
30〜70質量%である。(F)成分は上述のゴム成分の中では最もガラス転移温度が低く低温領域においても剛性が低く、良好な氷上性能を得ることができる。また、耐摩耗性、低発熱性に優れる特徴を有している。
シス1−4結合が90モル%以上のポリブタジエンゴムは、Ni,Co、Ti化合物を用いたチーグラー型触媒、Nd系触媒で得られる。中でも、Nd系触媒で得られるポリブタジエンゴムのシス1−4結合の割合が最も高い。
また、ゴム成分(A)を構成する合成共役ジエン系ゴムの少なくとも1種としてガラス転移温度の低い、末端変性共役ジエン系ゴム(G)を用いることが好ましい。末端変性をすることによって充填剤との補強性を更に高めることができる。
前記(G)成分は、シス−1,4結合含量が75モル%以上の活性末端を有する共役ジエン系ゴムの該末端にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させた後、さらに末端に導入されたヒドロカルビルオキシシラン化合物残基を特定化合物と反応させる。
〈(G)成分の製造方法〉
シス−1,4結合含量が75モル%以上の活性末端を有する重合体の製造方法については特に制限はなく、溶液重合方法,気相重合方法,バルク重合方法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合方法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれでもよい。
〈重合モノマー〉
重合モノマーとしての共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン;イソプレン;1,3−ペンタジエン;2,3−ジメチルブタジエン;2−フェニル−1,3−ブタジエン;1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
また、これらの共役ジエンモノマーに少量の他の炭化水素モノマーを少量共存せさてもよいが、共役ジエンモノマーは、全モノマー中80モル%以上であることが好ましい。
前記シス結合が75モル%の共役ジエン系ゴムの中間体の製造方法は特に限定されず公知のものを用いることができるが、重合触媒としては下記(i)、(ii)、(iii)の各成分それぞれから選ばれる少なくとも一種の化合物を組み合わせてなるものが好ましい。すなわち、
(i)成分
本発明において、末端活性重合体の重合に用いる触媒系の(i)成分は、周期律表の原子番号57〜71の希土類元素を含有する化合物、又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物である。ここで、原子番号57〜71の希土類元素の中でも、ネオジム、プラセオジウム、セリウム、ランタン、ガドリニウム等、又はこれらの混合物が好ましく、ネオジムが特に好ましい。
ここで、炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
上記希土類元素のカルボン酸塩としては、次の一般式を満足するもの
(R15−CO2)3M
(式中、R15は炭素数1〜20の炭化水素基で、Mは周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である)で表される化合物が挙げられる。ここで、R15は、飽和又は不飽和でもよく、アルキル基及びアルケニル基が好ましく、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでもよい。また、カルボキシル基は、1級、2級又は3級の炭素原子に結合している。該カルボン酸塩として、具体的には、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸[シェル化学(株)製の商品名であって、カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸]等の塩が挙げられ、これらの中でも、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、バーサチック酸の塩が好ましい。
(R16O)3M
(式中、R16は炭素数1〜20の炭化水素基で、Mは周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である)で表される化合物が挙げられる。R16Oで表されるアルコキシ基としては、2−エチル−ヘキシルアルコキシ基、オレイルアルコキシ基、ステアリルアルコキシ基、フェノキシ基、ベンジルアルコキシ基等が挙げられる。これらの中でも、2−エチル−ヘキシルアルコキシ基、ベンジルアルコキシ基が好ましい。
以上に述べた(i)成分としての希土類元素含有化合物又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明において、末端活性重合体の重合に用いる触媒系の(ii)成分は、有機アルミニウムオキシ化合物及び/又は次の一般式を満足するもの
AlR12R13R14
(式中、R12及びR13は同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R14は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R14は上記R12又はR13と同一又は異なっていてもよい)で表される有機アルミニウム化合物である。
本発明において、末端活性重合体の重合に用いる触媒系の(iii)成分は、ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物からなる群から選択される少なくとも一種のハロゲン化合物である。
上記ルイス酸は、ルイス酸性を有し、炭化水素に可溶である。具体的には、二臭化メチルアルミニウム、二塩化メチルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、二臭化ブチルアルミニウム、二塩化ブチルアルミニウム、臭化ジメチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジブチルアルミニウム、塩化ジブチルアルミニウム、セスキ臭化メチルアルミニウム、セスキ塩化メチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化ジブチルスズ、三臭化アルミニウム、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン、四塩化スズ、四塩化ケイ素等が例示できる。これらの中でも、塩化ジエチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、及び二臭化エチルアルミニウムが好ましい。
また、トリエチルアルミニウムと臭素の反応生成物のようなアルキルアルミニウムとハロゲンの反応生成物を用いることもできる。
上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる。
また、(i)成分と(ii)成分の有機アルミニウム化合物の割合は、モル比で、(i)成分:(ii)成分有機のアルミニウム化合物が1:1〜1:700、好ましくは1:3〜1:500である。
更に、(i)成分と(iii)成分中のハロゲンの割合は、モル比で、1:0.1〜1:30、好ましくは1:0.2〜1:15、更に好ましくは1:2.0〜1:5.0である。
また、上記の(i)〜(iii)成分以外に、重合体の分子量を調節する目的で、水素ガスを共存させて重合反応を行ってもよい。
触媒成分として、上記の(i)成分、(ii)成分、(iii)成分以外に、必要に応じて、1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物を少量、具体的には、(i)成分の化合物1モル当り0〜1000モルの割合で用いてもよい。触媒成分としての1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物体は必須ではないが、これを併用すると、触媒活性が一段と向上する利点がある。
その際、各成分の添加順序は、特に限定されず、重合活性の向上、重合開始誘導期間の短縮の観点からは、これら各成分を、予め混合して、反応させ、熟成させることが好ましい。ここで、熟成温度は、0〜100℃程度であり、20〜80℃が好ましい。0℃未満では、充分に熟成が行われにくく、100℃を超えると、触媒活性の低下や、分子量分布の広がりが起こる場合がある。
また、熟成時間は、特に制限なく、重合反応槽に添加する前にライン中で接触させることでも熟成でき、通常は、0.5分以上あれば充分であり、数日間は安定である。
この重合においては、触媒、溶媒、モノマー等、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものを用いることが望ましい。
本発明に係わる、第1次変性の反応において、使用する重合体は、少なくとも10質量%のポリマー鎖がリビング性を有するものが好ましい。
この第1次変性反応方法において、重合体の活性末端との反応に用いられるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、好ましくは一般式(II)
ここで、部分縮合物とは、ヒドロカルビルオキシシラン化合物のSiORの一部(全部ではない)が縮合によりSiOSi結合したものをいう。
R1のうちの二価の不活性炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基を好ましく挙げることができる。このアルキレン基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。この直鎖状のアルキレン基の例としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられる。
また、該アリール基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、その例としては、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等が挙げられる。さらに該アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、その例としては、ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基等が挙げられる。
nは0〜2の整数であるが、0が好ましく、また、この分子中には活性プロトン及びオニウム塩を有しないことが必要である。
これらのヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
上記第1次変性において、活性末端を有する重合体該端末とヒドロカルビルオキシシラン化合物とがまず反応するが、導入された残基は、続いて、(1)多価アルコールのカルボン酸部分エステルと反応させて安定化を行うか、或いは、(2)縮合促進剤の存在下において、残存又は新たに加えられたヒドロカルビルオキシシラン化合物と反応させるかのいずれかの方法が必要とされる。後者の方法(2)としては、さらに下記(2−1)〜(2−3)の態様がある。すなわち、
(2−1);第1次変性の後、さらにヒドロカルビルオキシシラン化合物及び縮合促進剤を加えて第2次変性を行なう方法、
(2−2);第1次変性の後、縮合促進剤を加えて、末端に導入されたヒドロカルビルオキシシラン化合物残基と未反応ヒドロカルビルオキシシラン化合物との縮合反応を行なう方法、及び
(2−3);前記の(2−1)及び(2−2)の各反応に続いて、さらに多価アルコールのカルボン酸部分エステルと反応させ安定化を行う方法である。
ここで、多価アルコールのカルボン酸部分エステルとは、多価アルコールとカルボン酸とのエステルであり、かつ水酸基を一つ以上有する部分エステルを意味する。
具体的には、炭素数4以上の糖類又は変性糖類と脂肪酸とのエステルが好ましく用いられる。このエステルは、さらに好ましくは、(a)多価アルコールの脂肪酸部分エステル、特に炭素数10〜20の飽和高級脂肪酸又は不飽和高級脂肪酸と多価アルコールとの部分エステル(モノエステル,ジエステル,トリエステルのいずれでもよい)、(b)多価カルボン酸と高級アルコールの部分エステルを、多価アルコールに1ないし3個結合させたエステル化合物等が挙げられる。
多価アルコールの脂肪酸部分エステルの中ではソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、具体的には、ソルビタンモノラウリン酸エステル,ソルビタンモノパルミチン酸エステル,ソルビタンモノステアリン酸エステル,ソルビタントリステアリン酸エステル,ソルビタンモノオレイン酸エステル及びソルビタントリオレイン酸エステル等が挙げられる。
また、市販品としては、ICI社の商標としてのSPAN60(ソルビタンステアリン酸エステル),SPAN80(ソルビタンモノオレイン酸エステル),SPAN85(ソルビタントリオレイン酸エステル)等がある。
該部分エステルの添加量は、重合体に付与されたヒドロカルビルオキシシリル基の1モルに対して0.2〜10モル、特に1〜10モルが好ましい。
また、前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物I及び/又はその部分縮合物とともに、さらに、下記一般式(III)
で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物II及び/又はその部分縮合物、並びに下記一般式(IV)
前記一般式(III)において、A2のうちの非環状第三アミノ基は、N,N−(二置換)アニリン等のN,N−(二置換)芳香族アミンの残基を含有し、また環状第三アミノ基は、環の一部として(チオ)エーテルを含むことができる。R4のうちの二価の不活性炭化水素基、R5及びR6については、それぞれ前記一般式(I)におけるR1、R2及びR3について説明したとおりである。この分子中には活性プロトン及びオニウム塩は有しないことが必要である。
また、環状第三アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン,(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン,(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン,2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン,2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン,3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン,3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン,3−(1−ヘプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン,3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン,3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシランを好ましく挙げることができる。特に3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シランが好適である。
さらに、その他のヒドロカルビルオキシシラン化合物として、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、4−エチルピリジン等を挙げることができる。
これらのヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種の単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらのヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
この一般式(IV)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、オクタデシルジメチル(3−トリメチルシリルプロピル)アンモニウムクロリド、オクタデシルジメチル(3−トリエチルシリルプロピル)アンモニウムクロリド、シアノメチルトリメトキシシラン、シアノメチルトリエトキシシラン、スルホニルメチルトリメトキシシラン、スルホニルメチルトリエトキシシラン、スルフィニルメチルトリメトキシシラン、スルフィニルメチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
このヒドロカルビルオキシシラン化合物IIIは、一種を単独で用いてよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、縮合促進剤の存在下において、残存又は新たに加えられたヒドロカルビルオキシシラン化合物と反応させる前記方法(2)の場合には、まず活性末端を有する重合体と、反応系に加えられた実質上化学量論的量のヒドロカルビルオキシシランIとが反応して、実質的に該末端の全てにヒドロカルビルオキシシリル基が導入され(第1次変性)、さらに上記で導入されたヒドロカルビルオキシシリル基にヒドロカルビルオキシル基含有化合物を反応させることにより、該活性末端に当量より多くのヒドロカルビルオキシシラン化合物残基が導入される。このため、低発熱性や加工性に一層の効果が得られるので、前記方法(2)は前記方法(1)より好ましい。
本発明において、ヒドロカルビルオキシシラン化合物がアルコキシシリル化合物である場合、前記方法(2)におけるアルコキシシリル基同士の縮合反応は、(残存又は新たに加えられた)遊離アルコキシシランと重合体末端のアルコキシシリル基の間で起こることが、また場合によっては重合体末端のアルコキシシリル基同士で起こることが好ましく、遊離アルコキシシラン同士の反応は不必要である。したがって、アルコキシシラン化合物を新たに加える場合は、そのアルコキシシリル基の加水分解性が、重合体末端のアルコキシシリル基の加水分解性を凌駕しないようにすることが効率の点から好ましい。たとえば、アルコキシシランIには加水分解性の大きなトリメトキシシリル基含有化合物を用い、新たに添加するアルコキシシランIIにはこれより加水分解性の劣るアルコキシシリル基(たとえばトリエトキシシリル基)を含有する化合物を用いる組み合わせは、好適である。逆に例えば、アルコキシシランIをトリエトキシシリル基含有、かつ同IIをトリメトキシシリル基含有とすることは、本発明の範囲に含まれるものの、反応効率の観点からは好ましくない。
本発明における変性反応は、溶液反応及び固相反応のいずれも用いることができるが、溶液反応(重合時に使用した未反応モノマーを含んだ溶液でもよい)が好適である。また、この変性反応の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いて行ってもよく、多段連続式反応器やインラインミキサ等の装置を用いて連続式で行ってもよい。また、該変性反応は、重合反応終了後、脱溶媒処理、水処理、熱処理、重合体単離に必要な諸操作等を行う前に実施することが肝要である。
前記変性反応の温度は、共役ジエン系ゴムの重合温度をそのまま用いることができる。具体的には20から100℃が好ましい範囲として挙げられる。温度が低くなると重合体の粘度が上昇する傾向があり、温度が高くなると重合活性末端が失活し易くなるので好ましくない。
このような前記縮合促進剤としては、下記(1)から(3)で表わされる金属化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種と水とからなるものであることが好ましい。
(1)酸化数2のスズの炭素数3から30のカルボン酸塩
Sn(OCOR10)2
〔式中、R10は、炭素数2から19の有機基であり、複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。〕
(2)酸化数4のスズの化合物で次の一般式を満足するもの
R11 rSnA4 tB1 (4-t-r)
〔式中、rは1から3の整数,tは1又は2の整数であり、かつt+rは3又は4の整数である。R11は炭素数1から30の脂肪族炭化水素基、B1はヒドロキシ基又はハロゲンである。A4は、(a)炭素数2から30のカルボキシル基、(b)炭素数5から30の1,3−ジカルボニル含有基、(c)炭素数3から30のヒドロカルビルオキシ基、及び(d)炭素数1から20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1から20のヒドロカルビルオキシ基で合計三置換(同一でも異なっていてもよい)されたシロキシ基から選ばれる基であり、A4が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。〕
(3)酸化数4のチタン化合物で、次の一般式を満足するもの
A5xTiB2 (4-x)
〔式中、xは2又は4の整数である。A5は、(a)炭素数3から30のアルコキシ基、(b)炭素数1から30のアルキル基及び/又は炭素数1から20のアルコキシ基で合計三置換されたシロキシ基であり、A5が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。B2は、炭素数5から30の1,3−ジカルボニル含有基である。〕
水としては、単体やアルコール等の溶液、炭化水素溶媒中の分散ミセル等の形態が好適に用いられるほか、必要ならば固体表面の吸着水や水和物の水和水等の、反応系中で水を放出し得る化合物が潜在的に含んだ水分も有効に用いることが出来る。
この縮合促進剤の使用量として、前記金属化合物の金属及び反応に有効な水のモル数が、反応系内に存在するヒドロカルビルオキシシリル基総量に対するモル比が、共に0.1以上が好ましい。上限は目的や反応条件によっても異なるが、縮合処理以前の段階で重合体末端に結合されたヒドロカルビルオキシシリル基総量に対するモル比が0.5〜3程度の有効な水が存在することが好ましい。前記金属化合物の金属及び反応に有効な水のモル比は求められる反応条件によっても異なるが、1/0.5−1/20程度が好適である。
本発明においては、この変性反応時に、所望により、公知の老化防止剤やショートストップ剤を、重合体の活性末端にヒドロカルビルオキシシラン化合物残基を導入した後の工程において、添加することができる。
上記の如く変性処理したのち、脱溶媒等の従来公知の後処理を行い、目的の変性重合体を得ることができる。この変性重合体の重合鎖末端変性基の分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC),薄層クロマトグラフィー等の液体をキャリアとしたクロマトグラフィーや、核磁気共鳴分光(NMR)を用いて行うことができる。
前記末端変性共役ジエン系ゴムの変性前に単離した重合体の分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜3.5、1.5〜2、6がより好ましい。また、100℃におけるムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜150、より好ましくは15〜70である。
主鎖の共役ジエン部分におけるシス−1,4−結合の含有量が75モル%以上、より好ましくは90モル%以上でありことが望ましく、また、ビニル結合の含有量は低いことが望ましく1.5モル%以下が好ましく、より好ましくは1.0モル%以下であり、かつ該共役ジエン系ゴムを構成する単量体が、実質的に1,3−ブタジエンのみからなるポリブタジエンゴムが好ましい。該(G)成分のゴム成分(A)に占める割合が10〜90質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、30〜70質量%である。
上記未変性前の共役ジエン系ゴムの諸特性及び配合量を上記範囲にすることによって上記変性剤、縮合促進剤を用いて変性された変性後の重合体は、優れた作業性を有し、充填剤との補強性を高めると共に、DRY性能を維持し、極低温から0℃近傍までの優れた氷上性能を有するゴム組成物を得ることができる。
また、ゴム成分(A)を構成する合成共役ジエン系ゴムの少なくとも1種として、ハロゲン化ブチルゴム(H)用いることができる。該(H)成分のゴム成分(A)に占める割合が10〜90質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、
15〜50質量%である。(H)成分の配合量を上記範囲にすることによって、氷上性能を維持し耐摩耗性、DRY操縦安定性を改良することができ、(H)成分を用いた場合はさらに、耐ウェットスキッド特性を向上させると共に、転がり抵抗を低減させることができる。
(H)成分のハロゲン化ブチルゴムは、ブチル系ゴムの中では、加硫速度が速く、耐熱性、接着性、他の不飽和ゴムとの相溶性に優れる点から、ハロゲン化ブチルゴムが好ましい。前記ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、その変性ゴム等が含まれる。例えば塩素化ブチルゴムとしては「Enjay Butyl HT10−66」(エンジェイケミカル社製、商標)があり、臭素化ブチルゴムとしては「ブロモブチル2255」(エクソン社製、商標)がある。また、変性ゴムとしてイソモノオレフィンとパラメチルスチレンとの共重合体の塩素化又は臭素化変性共重合体を用いることができ、例えば「Expro50」(エクソン社製、商標)等として入手可能である。ハロゲン化ブチルゴムとしては、イソモノオレフィンとパラメチルスチレンとの共重合体の塩素化又は臭素化変性共重合体が好ましい。
これら、ゴム成分である、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、末端変性ポリブタジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴムの各成分は、必要に応じて適宜組み合わせて用いることができる。
さらに、ガラス転移温度が−60℃以下のゴム成分としてはスチレン含有量の低い低スチレン−ブタジエンゴムを用いることができる。
本発明の空気入りタイヤは優れた氷上性能を得るために舗装路を走行後のトレッド表面の表面粗さ(Ra75)やトレッド表面の接地面積当りの全サイプの長さを制御する必要があるが、このようにトレッド表面にミクロな水路ができた状態での耐摩耗性は、通常のトレッド表面を有するものと比較して劣る。従って耐摩耗性を確保するためには、カーボンブラック(B)やシリカ(C)といった微粒径で高補強性の充填材が必要であるが、上記ミクロ水路をトレッド表面に形成し易くするためにシリカ以外の無機充填材(D)及び非補強性の有機充填材(E)を添加することが好ましい。
カーボンブラックは、そのゴム層の力学的性能を高め、加工性等を改善させるものである限り、I2吸着量、CTAB吸着比表面積、N2吸着比表面積、DBP吸着量等の範囲を適宜選択した公知のカーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックの種類としては、例えば、SAF、ISAF−LS、HAF、HAF−HS等の公知のものを適宜選択して使用することができる。耐摩耗性を考慮するとISAF及びSAF級のカーボンブラックが好ましく、窒素吸着比表面積が120m2/g以上の、例えばSAF級のカーボンブラックが更に好ましく、窒素吸着比表面積が120〜160m2/gのカーボンブラックが特に好ましい。
特に本発明に用いられるトレッドゴム組成物においては、ゴム成分(A)100質量部対してカーボンブラックを2〜90質量部含有することが好ましく、10〜60質量部することが更に好ましい。
また、C成分のシリカは、狭義の二酸化珪素のみを示すものではなく、ケイ酸系充填剤を意味し、具体的には、無水ケイ酸の他に、含水ケイ酸(湿式シリカ)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩を含む。
前記トレッドゴム組成物に含まれる補強性充填材の(B)成分のカーボンブラックや(C)成分のシリカ及び(D)成分のシリカ以外の無機充填材、(E)成分の非補強性充填材の有機充填材からなる総充填材量のうち、シリカ(C)の占める割合が30〜100質量%であることが好ましい。その結果として優れた氷上性能及びWET性能を得ることができる。特に、WET性能を重視した場合にはシリカの配合比率を増すことが好ましい。
また、トレッドゴムとして上記性能の他に、耐摩耗性を得るためにシリカ(C)の窒素吸着比表面積(N2SA)が120〜220m2/gであり、かつCTAB吸着比表面積が130〜170m2/gである微粒系の湿式シリカが好ましい。
シリカの含有量は(A)ゴム成分の100質量部に対して5〜95質量部、好ましくは15〜80質量部である。シリカの含有量を上記範囲とすることにより、上記同様優れた氷上性能及びWET性能を得ることができる。
尚、シランカップリング剤の配合量は、前記(C)成分のシリカの配合量に対して、4〜15質量%の割合で添加することが好ましい。
さらに、ゴム成分(A)100質量部に対して、シリカ(C)以外の無機充填材(D)及び/又は非補強性の有機充填材(E)を3〜50質量部含むことが好ましく、前記無機充填材(D)又は非補強性の有機充填材(E)のゴム組成物中における平均粒径は、タイヤの走行中に(D)成分や(E)成分のトレッドからの離脱により上述のミクロ水路をトレッド表面に形成し易くするために0.1〜100μmであることが好ましく、より好ましくは1〜90μmである。
(D)成分の無機充填材は下記一般式(I)
M・xSiO2・yH2O ………(I)
〔式中のMは、Al、Mg、Ti、Caから選ばれる少なくとも一つの金属酸化物又は金属水酸化物であり、x,yは共に0〜10の整数である。〕で表され、その平均粒径が100μm以下であることが好ましい。上記一般式(I)で表される無機化合物粉体は、x,yが共に0である場合には、Al、Mg、Ti、Caから選ばれる少なくとも一つの金属酸化物又は金属水酸化物となる。
上記一般式(I)で表される無機化合物の具体例としては、アルミナ(Al2O3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、酸化マグネシウム(MgO2)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)等が挙げられる。なお、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO3)も本発明の無機化合物と同等の効果を発揮するものとなる。
Al2O3・mSiO2・nH2O ・・・・・・(V)
式(V)中のmは1〜4の整数であり、nは0〜4の整数である。
上記一般式(V)で表される無機化合物の具体例としては、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)等が挙げられる。また、本発明で用いる水酸化アルミニウムは、アルミナ水和物も含むものである。
本発明で用いる好ましい(B)成分としては、クレー(Al2O3・2SiO2)、水酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕、アルミナ(Al2O3)である。また、本発明で用いる上記特性を有する(B)成分は、単独で又は2以上を混合して用いることができる。中でも水酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕が特に好ましい。
なお、上記の条件を満足しない無機化合物粉体、例えば、Al、Mg、Ti、Caから選ばれる硫化物、硫酸塩及び炭酸塩等の他の構造のものはウェットスキッド性能向上に効果がない。
(E)成分の非補強性有機充填材としては、木粉、果実殻粉、セルロース系等の有機充填材や(メタ)アクリル系樹脂微粒子、エポキシ樹脂微粒子、等が挙げられる。
本発明においては、主に未発泡ゴム組成物を用いたトレッドに関したものであるが従来技術であるの発泡ゴムとの組み合わせについても有効である。発泡ゴム組成物としては、発泡剤を配合した球状独立気泡や発泡剤と有機短繊維及び/又は微粒子含有有機短繊維を組合した球状の独立気泡と筒型発泡が混合したものが挙げられる。
上記発泡ゴム組成物は、路面と実質接する発泡層を有するトレッドゴムとして好ましく用いられる。前記発泡ゴム層は、その発泡率が3〜50%の範囲、より好ましくは15〜40%である。前記発泡率を上記範囲にすることによって、耐摩耗性及びDRY性能を維持しトレッドにおける凹部の体積を確保することにより、優れた氷上性能を確保することができる。
本発明に係るゴム組成物は、加硫ゴム物性として、トレッドゴム組成物の−20℃での貯蔵弾性率(E’)が5〜40MPaであることが好ましい。より好ましくは5〜35MPaである。−20℃での貯蔵弾性率(E’)を上記範囲にすることによって本発明の優れた効果を奏することができる。
上記に詳述した組成物により得られたトレッドを有する空気入りタイヤは氷上性能に関係するトレッドゴムの剛性の部分及びそれ以外の性能は組成物を構成するゴムの特性により確保し、氷上性能については、走行により得られた表面の粗さを上述の種々の添加剤、例えば、大粒径の(D)成分である無機充填材により確保することで従来の発泡ゴムのみでは得られない特徴的な表面状態が得られ、非発泡組成物であるにもかかわらず、従来の発泡ゴムにも勝る氷上性能を得ることができる。
このように表面にミクロな水路ができた状態では、耐摩耗性は通常のゴム組成物に比べると不利な方向であり微粒系の補強性充填材との併用が必要となる。同時に氷上性能を向上させるためにはミクロの水路から水を排出するため、サイプが蜜に入ったパターンとの組み合わせを行うことでその効果が顕著となる。
上記空気入りタイヤは詳述した上記トレッドゴム組成物を用いて常法により製造することができる。
本発明に係るタイヤは、いわゆる乗用車用のみならず、トラック・バス用等の各種の乗物に好適に適用できる。氷雪路面上でのスリップを抑えることが必要な構造物に好適に使用でき、タイヤのトレッドは、上記氷上でのスリップを抑えることが必要な限り、例えば、更生タイヤの貼り替え用のトレッド、中実タイヤ、等に使用できる。 また、タイヤが空気入りタイヤである場合、内部に充填する気体としては空気のほかに窒素等の不活性ガスを用いることができる。
本発明に使用するその他の成分としては、通常ゴム業界で用いる各種配合剤等を目的に応じて適宜選択して使用することができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<触媒の調製>
乾燥・窒素置換された、ゴム詮付容積100ミリリットルのガラスびんに、以下の順番に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(15.2重量%)7.11g、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(0.56M)0.59ミリリットル、メチルアルミノキサンMAO(東ソ−アクゾ製PMAO)のトルエン溶液(アルミニウム濃度として3.23M)10.32ミリリットル、水素化ジイソブチルアルミ(関東化学製)のヘキサン溶液(0.90M)7.77ミリリットルを投入し、室温で2分間熟成した後、塩素化ジエチルアルミ(関東化学製)のヘキサン溶液(0.95M)1.45ミリリットルを加え室温で、時折攪拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液中のネオジムの濃度は、0.011M(モル/リットル)であった。
約900ミリリットル容積のゴム栓付きガラスびんを乾燥・窒素置換し、乾燥精製されたブタジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロヘキサンを各々投入し、ブタジエン12.5質量%のシクロヘキサン溶液が400g投入された状態とした。次に、前記調製した触媒溶液2.28ミリリットル (ネオジム換算0.025mmol)を 投入し、50℃温水浴中で1.0時間重合を行った。
第1次変性剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPMOS)をヘキサン溶液(1.0M)として、23.5ミリモルを投入し、50℃で60分間処理した。
<第2次変性処理>
続いて、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5ジヒドロイミダゾール(TEOSIPDI)(第2次変性剤)をヘキサン溶液(1.0M)として、23.5ミリモルを投入し、50℃で30分間攪拌した後、縮合促進剤として、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズのシクロヘキサン溶液(1.01M)を1.76ミリリットル (70.5 eq / Nd相当)と、イオン交換水32ul (70.55eq / Nd相当)を投入し、50℃温水浴中で1.0時間処理した。その後、重合系に老化防止剤2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール5質量%溶液2ミリリットルを加えて反応の停止を行い、さらに微量のNS−5を含むイソプロパノール中で再沈殿を行ない、ドラム乾燥することにより末端変性ポリブタジエンゴムを得た。
なお、重合体のシス−1,4−結合の含量が94モル%、ビニル結合の含量が1.0モル%、分子量分布Mw/Mnが1.85及びムーニー粘度(ML1+4、100℃)が48であった。
第1表に示す各配合内容に基づいて常法により、実施例1〜17及び比較例1のゴム組成物を製造した。
得られた各ゴム組成物をトレッドに用い常法によって試験用の乗用車用ラジアルタイヤ、タイヤサイズ185/70R15を製造した。
<カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)>
JIS K6217−2:2001に基づき測定した。
<シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)>
ISO 5794/1に基づき測定した。
<シリカのCTAB吸着比表面積>
JIS K6217−3:2001に準拠して測定した。
<ミクロ構造の分析法>
赤外法(モレロ法)により、ビニル結合含有量(モル%)を測定した。
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定>
GPC[東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
<−20℃での貯蔵弾性率(E’)の測定>
タイヤトレッドから切り出した加硫ゴム試料を上島製作所のスペクトロメーターを初期歪160μm、振動数52Hz、1%歪の測定条件により温度分散から−20℃での貯蔵弾性率(E’)を測定した。測定結果を第1表に示す。
<切断レベル差(Rδc)の測定>
JIS B0671−1の規定に基づいて、超深度カラー3D形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス製、商品名「VK−9500」、408nmバイオレットレーザ使用)を用いて舗装路3000km走行後のタイヤの表面形状を測定範囲横1.3mm×縦1.4mmにて評価した。フィルタ設定は、カットオフ値(λs=0.8μm、λcは無し)であった。
舗装路3000km走行の代表的な舗装路としてはコンクリート舗装、アスファルトが挙げられるが、アスファルトを用いた。測定結果を第1表に示す。
<トレッド表面の接地面積1cm2当たりの全サイプ長さの測定>
舗装路3000km走行後のトレッド表面から1cm2の試料をランダムに10個採取しそれぞれの全サイプ長さを測定し10個平均値として全サイプ長さを表した。測定結果を第1表に示す。
<氷上性能>
前記試験用のタイヤ(タイヤサイズ185/70R15)を国産1600CCクラスの乗用車に4本を装着し、氷温−1℃の氷上制動性能確認し、下記式により指数表示した。
氷上性能=(比較例1のタイヤの制動距離/実施例タイヤの制動距離)×100
数値の大きい方が氷上性能に優れていることを示す。評価結果を第1表に示す。
乾燥路面での操縦安定性をテストドライバーによるフィーリングにより5点法により評価した。数値が大きくなるほどDRY操縦安定性に優れていることを示す。
<耐摩耗性能>
実車にて舗装路面を1万km走行後、残溝を測定し、トレッドが1mm摩耗するのに要する走行距離を相対比較し、比較例1を100(8000km/mmに相当)として下記式により指数表示した。
耐摩耗性能=(実施例タイヤのトレッドが1mm摩耗するのに要する走行距離/比較例1のタイヤのトレッドが1mm摩耗するのに要する走行距離)×100
指数が大きい程、耐摩耗性が良好なことを示す。評価結果を第1表に示す。
*1.シス−1,4−ポリブタジエンゴム:(商品名「UBEPOL 150L」、宇部興産社製、シス−1,4−結合の含量:98モル%、ムーニー粘度(ML1+4、100℃):43)
*2.末端変性ブタジエンの製造例1によって製造されたものを用いた
*3.カーボンブラック:(HAF:東海カーボン社製、N2SA:79m2/g)
*4.カーボンブラック:(ISAF:東海カーボン社製、N2SA:118m2/g)
*5.カーボンブラック:([N134(N2SA:146m2/g)]:旭カーボン社製)
*6.シリカ:(Nipsil AQ:東・ソーシリカ社製、窒素吸着比表面積(N2SA):190m2/g、CTAB吸着比表面積:150m2/g)
*7.シランカップリング剤:商品名「Si69」、デグッサ社製
*8.ハイジライト:商品名「H−100−ME」、平均粒径73μm、昭和電工社製
*9.老化防止剤:(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
*10.加硫促進剤:(MBTS:ジベンゾチアジルジスルフィド)
*11.加硫促進剤:(CBS:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド)
*12.発泡剤:(DNPT:ジニトロソペンタメチレンテトラミン)
*13.微粒子含有有機繊維:繊維を構成する樹脂(ポリエチレン融点132℃)、微粒子含有量15質量%、微粒子平均粒径20μm、繊維平均直径32μm、繊維平均長さ2mm
Claims (20)
- 舗装路3000km走行後のJIS B0671−1の規定に基づいて測定された前記路面に接地したトレッド部表面粗さ曲線のRmr(c)の25〜75%における切断レベル差(Rδc)が10〜80μmであり、
前記トレッドを構成するトレッドゴム組成物は、下記一般式(I)
M・xSiO 2 ・yH 2 O ………(I)
〔式中のMは、Al、Mg、Ti、Caから選ばれる少なくとも一つの金属酸化物又は金属水酸化物であり、x,yは共に0〜10の整数である。〕
で表される平均粒径が100μm以下である無機充填剤(D)を含んでいることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記トレッドゴム組成物のゴム成分(A)が天然ゴム及び/又は合成共役ジエン系ゴムからなり、窒素吸着比表面積(N2SA)が120m2/g以上のカーボンブラック(B)を該ゴム成分(A)100質量部当たり2〜90質量部含む請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッドゴム組成物に含まれる総充填材量のうち、シリカ(C)の占める割合が30〜97質量%である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記シリカ(C)の窒素吸着比表面積(N2SA)が120〜220m2/gであり、かつCTAB吸着比表面積が130〜170m2/gである請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム成分(A)100質量部に対して、前記シリカ(C)以外の前記無機充填材(D)及び/又は非補強性の有機充填材(E)を3〜50質量部含む請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記有機充填材(E)のゴム組成物中における平均粒径が0.1〜100μmである請求項5に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム成分(A)を構成する合成共役ジエン系ゴムの少なくとも一種が、シス−1,4結合の含有量が90モル%以上のポリブタジエンゴム(F)である請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム成分(A)に占める前記(F)成分の割合が10〜90質量%である請求項7に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム成分(A)を構成する合成共役ジエン系ゴムの少なくとも一種が、1,3−ブタジエンを主体とする共役ジエン系モノマーを重合して得られ、主鎖の共役ジエン部分におけるシス−1,4−結合の含量が75モル%以上であり、活性末端を有する共役ジエン共重合体の該活性末端と、下記一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物I及び/又はその部分縮合物とを反応させる工程を含む方法で製造された末端変性共役ジエン系ゴム(G)である請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記末端変性共役ジエン系ゴム(G)が、ヒドロカルビルオキシシラン化合物Iを反応させる第一次変性の後に、縮合促進剤を加えて、導入されたヒドロカルビルオキシシラン化合物残基と未反応のヒドロカルビルオキシシラン化合物との縮合反応を行なう第二次変性工程(a)を含む方法で製造されたものである請求項9に記載の空気入りタイヤ。
- 前記末端変性共役ジエン系ゴム(G)が、ヒドロカルビルオキシシラン化合物I及び/又はその部分縮合物を反応させる第一次変性後に、さらにヒドロカルビルオキシシラン化合物を加え、縮合促進剤の存在下で反応させる第二次変性を行う工程(b)を含む方法で製造されたものであることを特徴とする、請求項10に記載の空気入りタイヤ。
- 前記末端変性共役ジエン系ゴム(G)が、前記第二次変性工程(b)に用いるヒドロカルビルオキシシラン化合物として、前記一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物I及び/又はその部分縮合化合物、下記一般式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物II及び/又はその部分縮合物、並びに下記一般式(IV)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物III及び/又はその部分縮合物の中から選ばれる少なくとも一種を用いて製造されたものである請求項11に記載の空気入りタイヤ。
- 前記末端変性共役ジエン系ゴム(G)が、前記縮合促進剤として下記(1)から(3)で表わされる金属化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種、及び水の双方を用いて製造されたものである請求項9〜12のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(1)酸化数2のスズの炭素数3から30のカルボン酸塩
Sn(OCOR10)2
〔式中、R10は、炭素数2から19の有機基であり、複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。〕
(2)酸化数4のスズの化合物で次の一般式を満足するもの
R11 rSnA4 tB1 (4-t-r)
〔式中、rは1から3の整数,tは1又は2の整数であり、かつt+rは3又は4の整数である。R11は炭素数1から30の脂肪族炭化水素基、B1はヒドロキシ基又はハロゲンである。A4は、(a)炭素数2から30のカルボキシル基、(b)炭素数5から30の1,3−ジカルボニル含有基、(c)炭素数3から30のヒドロカルビルオキシ基、及び(d)炭素数1から20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1から20のヒドロカルビルオキシ基で合計三置換(同一でも異なっていてもよい)されたシロキシ基から選ばれる基であり、A4が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。〕
(3)酸化数4のチタン化合物で、次の一般式を満足するもの
A5 xTiB2 (4-x)
〔式中、xは2又は4の整数である。A5は(e)炭素数3から30のヒドロカルビルオキシ基、(f)炭素数1から30のアルキル基及び/又は炭素数1から20のヒドロカルビルオキシ基で合計三置換されたシロキシ基であり、A5が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。B2は、炭素数5から30の1,3−ジカルボニル含有基である。〕 - 前記活性末端を有する共役ジエン系ゴム(G)が、下記(i)、(ii)、(iii)の各要素それぞれから選ばれる少なくとも一種の化合物を組み合わせてなる重合触媒を用いて、1,3−ブタジエンを主体とする共役ジエン系モノマーを重合させることにより製造されたものである請求項9〜13のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(i)成分;周期律表の原子番号57〜71にあたる希土類元素含有化合物、又は、これらの化合物とルイス塩基との反応物
(ii)成分;アルモキサン及び/又はAlR12R13R14(式中、R12及びR13は同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子、R14は炭素数1〜10の炭化水素基であり、ただし、R14は上記R12又はR13と同一又は異なっていてもよい)に対応する有機アルミニウム化合物
(iii)成分;ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物 - 前記活性末端を有する共役ジエン系ゴム(G)が、シス−1,4結合含有量が90モル%以上の末端変性ポリブタジエンゴムである請求項9〜14のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム成分(A)に占める前記(G)成分の割合が10〜90質量%である請求項15に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム成分(A)を構成する合成共役ジエン系ゴムの少なくとも一種がハロゲン化ブチルゴム(H)である請求項1〜16のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム成分(A)に占める(H)成分の割合が10〜90質量%である請求項17に記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッドゴム組成物の−20℃での貯蔵弾性率(E’)が5〜40MPaである請求項1〜18のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド部の路面と実質的に接する面に発泡ゴム用いた請求項1〜19のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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