JP5302761B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は超音波診断装置に関し、特に、超音波画像上において生体組織の境界線(輪郭線)を自動的に検出する技術に関する。
医療の分野において超音波診断装置が活用されている。超音波診断装置は、生体に対して超音波を送受波し、それにより得られた受信データに基づいて超音波画像を形成する装置である。超音波診断装置は、複数の動作モード(Bモード、ドプラモード等)を有し、また複数の計測機能を有する。そのような計測機構として、NT(Nuchal Translucency)計測機能、及び、IMT(Intima-Media Thickness)計測機能、をあげることができる。それらは断層画像上において2点間(あるいは2つの境界線の間)で距離の計測を行うものである点において共通する。
より詳しく説明すると、NT計測(NT厚計測)では、胎児における後頸部浮腫(NT)の大きさ(厚さ)が計測される。同浮腫は、妊娠10〜14週くらいの胎児における頸部後側において一般的に認め得るものである。通常、断層画像上において同浮腫は細長い袋状の組織として観察される。その輪郭を並走する2本の境界線に大別すると、2つの境界線(輪郭線)の間隔、特に浮腫の長手方向に直交する方向における浮腫(体液部)の最大幅(以下「NT厚」という)は、胎児の状態あるいは疾患を診断する際の1つの指標値となることが知られている。例えば、NT厚が基準値よりも大きい場合には、そうでない場合に比べて、ダウン症等の先天性疾患が多く認められる。そこで、超音波診断を利用してNT厚を調べることが望まれる。NT計測では、胎児に対して超音波の送受波がなされ、これにより断層画像が画面上に表示される。その断層画像上において、胎児後頸部浮腫を示す2つの境界線上に2つのマークをマニュアルで正確に位置決めることがなされる。その際、距離計測を行う方向及び位置は目視により判断される。その後、距離計測が自動的に実行され、すなわち2つのマーク間の距離がNT厚として計測される。必要に応じて、複数の箇所で同様の計測が実行される。
一方、IMT計測では、頸動脈における(プローブから見た)前壁及び後壁の一方又は両方が計測対象となる。血管壁(つまり前壁、後壁)は、血流側から見て、内膜、中膜そして外膜からなり、すなわち三層構造を有する。IMT計測では、内膜及び中膜を併せた複合体の厚さ(IMT)が計測される。断層画像上では、血管壁はかなり薄く表示されるものの、内膜の内側の内側境界線、及び、中膜と外膜との間の外側境界線は、比較的現れやすいためである。2つの境界線の間の距離としてIMTが計測される。動脈硬化が促進すると、IMTが増大することが知られており、IMTを計測すれば被検者における動脈硬化の程度を診断する際の1つの指標値を得られる。具体的には、超音波診断装置を用いたIMT計測では、頸動脈に対する超音波の送受波が行われ、これにより断層画像が表示される。次に、前壁又は後壁における内側境界線上及び外側境界線上にそれぞれマーカーがマニュアルによって位置決めされる。その際、できるだけ血管軸に直交する方向において2つのマーカーが並ぶようにそれらの位置決めがなされる。その後、2つのマーカーの間の距離が自動的に計測され、それがIMTとして取り込まれる。複数の箇所でIMTが計測されることもあり、その場合には最大値、平均値等が演算される。
なお、下記の特許文献1−6にはIMT計測を行う超音波診断装置が開示されている。特許文献7には、ヒストグラムに基づく閾値の段階的設定が記載されている。特許文献8にはヒストグラムについての標準偏差の演算が記載されている。
特開2008−168016号公報 特開2007―319255号公報 特開2000−271117号公報 特開2006−51285号公報 特開2006−122686号公報 特開2005−268号公報 特公平7−32773号公報 特開2008−253379号公報
上記のような手作業による厚さ計測では、検査者の負担が大きく、また再現性があまりよくない。検査者間において計測結果に差が生じやすい。また目視判断によるものなので、境界線が不鮮明な場合には計測の信頼性が極端に低下しやすい。特に距離を求める方向が直感的に判断されて、正確性を欠くおそれがある。そこで、2つの境界線を自動的に計測した上でそれらの間の距離を自動的に計測することが望まれる。
しかしながら、2つの境界線はいずれも直線ではなく、蛇行あるいは湾曲しているので、それらから直ちに距離計測方向を定めることは困難である。ちなみに、一方の境界線だけに基づいて近似直線を生成し、その垂直線として距離計測方向を定めることも考えられるが、そのように定められた方向は他方の境界線の走行形状を何ら考慮しないものであるので、距離計測方向が不適切になり易い。
本発明の目的は、2つの組織境界線の形状に応じて適切な方向に距離計測方向を定められるようにすることにある。
あるいは、本発明の目的は、距離計測における経験則までを考慮して距離計測方向を定められるようにすることにある。
あるいは、本発明の目的は、計算された複数の距離の集団的、統計的な性質を容易に認識できる情報を提供することにある。
(1)本発明に係る超音波診断装置は、超音波の送受波により得られた断層画像に基づいて、対象組織中の第1注目境界線を表す第1トレースライン及び前記対象組織中の第2注目境界線を表す第2トレースラインを生成する境界検出手段と、前記断層画像上において、前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインに基づいて近似直線を生成する近似直線生成手段と、前記近似直線を基準として距離計測方向を定め、前記第1トレースライン及び前記第2トレースライン間において距離を計測する距離計測手段と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、2つのトレースラインの両方に基づいて近似直線が定義された上で、その近似直線を基準として距離計測方向が定められる。よって、距離計測方向の特定に際して、2つのトレースラインの形態が考慮されるので、距離計測方向を望ましい方向に定められる。距離計測方向は基本的に近似直線に直交する方向として定められるのが望ましい。但し、そのような直交方向に参照可能な画素が存在しないような場合には、当該直交方向に最も近い有効画素あるいは他の条件を満たす画素を距離計測対象(計測点)とするのが望ましい。その場合、厳密に言えば、距離計測方向は第1トレースライン上の注目点と第2トレースライン上の計測点とを結ぶ方向となる。近似直線の演算に当たっては、2つのトレースラインを対等に考慮するようにしてもよいが、それぞれに重みを与えるようにしてもよい。実験によれば、平坦に近い方のトレースラインに大きな重みを与えれば、経験則から見て良好な方向に実際の距離計測方向を定められる。また、そのような構成によれば、平坦でない方のトレースラインの形状変化に過度に応答してしまい、距離計測方向が区々になり過ぎるあるいは錯綜してしまう問題を回避できる。なお、重み配分を動的に変化させることも可能である。
望ましくは、前記断層画像上において前記第1注目境界線及び前記第2注目境界線を含む関心領域を設定する関心領域設定手段を含み、前記関心領域により定義される基準方向の各位置において、前記第1トレースラインの中から第1ライン部分が参照され、且つ、前記第2トレースラインの中から第2ライン部分が参照され、前記近似直線生成手段は、前記基準方向の各位置において、前記第1ライン部分及び前記第2ライン部分に基づいて前記近似直線を逐次的に生成する。この構成によれば、2つのトレースライン間において単一の近似直線が定義されるのではなく、基準方向の各位置において2つのライン部分の形態が反映された近似直線が定義されるので、2つのトレースラインが蛇行、湾曲等していても、各位置において距離計測方向を適切に定めることができる。第1ライン部分及び第2ライン部分の大きさは各ラインの非直線性や屈曲度等に応じて可変設定してもよい。基準方向は、関心領域の水平方向であるのが望ましいが、表示座標系に従う方向であってもよい。
ちなみに、第1ライン部分に対応する第2ライン部分を定める際には関心領域の座標系を利用するのが望ましい。すなわち、関心領域の水平軸上における同じ水平区間において、2つのトレースラインから2つのライン部分が切り出されるのが望ましい。但し、2つのトレースラインについての大凡の走行方向が事前に既知であるなら、当該走行方向に直交する方向において、第1ライン部分と第2ライン部分を対応付けることも可能である。あるいは、絶対的な表示座標系に従って第1ライン部分と第2ライン部分の対応付けを行うことも可能である。
望ましくは、前記第1ライン部分は、前記基準方向の注目位置の両側に広がる部分であり、前記第2ライン部分は、前記第1ライン部分に対応する部分である。基準方向は、望ましくは関心領域の上辺又は下辺として定義される方向である。望ましくは、注目位置を中心として広がりをもった範囲として各ライン部分が定められる。その範囲を大きくすれば距離計測方向が2つのトレースラインの曲がりにあまり影響されなくなる(関心領域の垂直方向に対してあまり傾斜変動しなくなる)。それとは逆にその範囲を小さくすれば距離計測方向が2つのトレースラインの曲がりに大きく影響されることになる(関心領域の垂直方向に対して傾斜変動し易くなる)。
望ましくは、前記近似直線生成手段は、前記第1ライン部分と前記第2ライン部分とに基づいて重み付け合成処理を実行する合成処理手段と、前記重み付け合成処理の結果に基づいて前記近似直線を演算する演算手段と、を含む。経験則上、比較的平坦なトレースラインとそうではない変動の大きなトレースラインとが並走している場合、前者を基準として距離計測方向が定められる傾向にある。仮に後者を基準として距離計測方向を定めると、トレースラインの曲率が大きい部分では距離計測方向がバラバラになってしまい、時には相互に複雑にクロスしてしまい、いずれにしても視覚的に捉えられる自然な距離計測方向の感覚とのずれが大きくなる。そこで、上記のように平坦なトレースラインをより重視して近似直線を定めるのが望ましく、それを実現するのが重み付け合成処理である。但し、目的に応じて変動がより大きなトレースラインの方により大きな重みを与えることも可能である。更に、重み付けの配分を自動的に適応的に定めることも可能である。
望ましくは、前記第1トレースラインは前記第2トレースラインよりも直線に近い形態を有し、前記合成処理手段は、前記第1ライン部分に大きな重みを与え、前記第2ライン部分に小さな重みを与える。望ましくは、前記合成処理手段は、前記第1ライン部分についての参照密度を前記第2ライン部分についての参照密度よりも高める。近似直線の演算に当たって、2つのトレースラインについての参照密度(単位距離当たりの参照画素数)を異ならせれば、簡便に重み付けを実現できる。すなわち、単位長さ当たりの参照密度を変動させるものである。これは間引き率を異ならせることにも相当する。
望ましくは、前記距離計測方向は、前記近似直線に直交する直交方向又は当該直交方向に近似する近似直交方向である。近似直交方向は、直交方向に有効なサンプル点が存在しない等の理由から、それを若干修正することにより定められる方向である。よって、両者合わせて直交方向と観念してもよい。
望ましくは、前記断層画像上に、前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインと共に、前記基準方向における複数の位置について求められた複数の距離計測方向を表す複数のラインを表示する表示処理手段を含む。この構成によれば計測状況の確認を行える。複数の距離計測方向の全部について表示を行う場合には画面内容が複雑になるので、間引き等により代表的な複数の方向を表示するようにしてもよい。
望ましくは、前記基準方向における複数の位置について求められた複数の距離に基づいて距離ヒストグラムを生成する手段を含み、前記距離ヒストグラムが表示される。望ましくは、前記距離ヒストグラムの横軸は距離の大きさを示し、前記距離ヒストグラムの縦軸は相対頻度を示す。この構成によれば、距離分布あるいは統計的な状況を直感的に理解することができる。また、縦軸が規格化されていれば、距離ヒストグラムの比較が容易となる。
(2)本発明に係る超音波診断装置は、超音波の送受波により得られた断層画像に基づいて、血管壁中の外側境界線を表す第1トレースライン及び前記血管壁中の内側境界線を表す第2トレースラインを生成する境界検出手段と、前記断層画像上において、前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインに基づいて近似直線を生成する近似直線生成手段と、前記近似直線を基準として距離計測方向を定め、前記第1トレースライン及び前記第2トレースライン間において前記血管壁の厚みとしての距離を計測する距離計測手段と、を含むことを特徴とする。
(3)本発明に係る超音波診断装置は、超音波の送受波により得られた断層画像に基づいて、胎児後頸部浮腫の下側境界線を表す第1トレースライン及び前記胎児後頸部浮腫の上側境界線を表す第2トレースラインを生成する境界検出手段と、前記断層画像上において、前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインに基づいて近似直線を生成する近似直線生成手段と、前記近似直線を基準として距離計測方向を定め、前記第1トレースライン及び前記第2トレースライン間において前記胎児後頸部浮腫の厚みとしての距離を計測する距離計測手段と、を含むことを特徴とする。
(4)本発明に係るプログラムは、超音波診断装置又は超音波画像を処理する情報処理装置において実行されるプログラムであって、断層画像に基づいて、対象組織中の第1注目境界線を表す第1トレースライン及び前記対象組織中の第2注目境界線を表す第2トレースラインを生成する機能と、前記断層画像上において、前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインに基づいて近似直線を生成する機能と、前記近似直線を基準として距離計測方向を定め、前記第1トレースライン及び前記第2トレースライン間において距離を計測する機能と、を含む。
本発明によれば、2つの組織境界線の形状に応じて適切な方向に距離計測方向を定められる。あるいは、計算された複数の距離の集団的、統計的な性質を容易に認識できる情報を提供できる。
本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。 血管の断層画像上におけるIMT計測を示す図である。 胎児の断層画像上におけるNT計測(NT厚計測)を示す図である。 IMT計測における各探索ライン上の3つの区間点の設定を示す図である。 IMT計測における3つの区間点の他の設定方法を示す図である。 IMT計測における関心領域内に設定された2つの帯領域を示す図である。 2つのトレースライン間における距離計測(IMT計測)を示す図である。 IMT計測における動作例を説明するためのフローチャートである。 NT計測における各探索ライン上の区間設定を説明するための図である。 NT計測における各サブ関心領域内に設定された帯領域を示す図である。 2つのトレースライン間における距離計測(NT厚計測)を示す図である。 NT厚計測における動作例を説明するためのフローチャートである。 2つのトレースラインに基づく距離計測方向の決定方法を説明するための図である。 2つのトレースラインの他の合成方法を説明するための図である。 2つのトレースライン間におけるデータ列の合成を説明するための図である。 2つのトレースライン間における距離計測の具体例を説明するためのフローチャートである。 IMT計測を説明するための図である。 NT厚計測を説明するための図である。 相対頻度として表された距離ヒストグラムの生成を説明するための図である。 相対頻度として表された距離ヒストグラムの一例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)超音波診断装置の構成
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。プローブ10は体表面上に当接される超音波探触子であり、生体に対して超音波を送波し、生体内からの反射波を受波する。プローブ10は図示されていない1Dアレイ振動子を有している。1Dアレイ振動子は複数の振動素子により構成され、それによって超音波ビームBが形成される。超音波ビームBが電子的に走査され、これによって二次元データ取込領域である走査面Sが構成される。電子走査方式としては、電子リニア走査、電子セクタ走査等が知られている。三次元データ取込領域を形成するための2Dアレイ振動子をプローブ10に設けるようにしてもよい。本実施形態において、IMT計測を行う場合には、頸部に対してプローブ部10が当接され、それによって頸動脈の断層画像情報が取得される。一方、NT計測を行う場合には、妊婦における腹部にプローブ10が当接され、それによって胎児の断層画像情報が取得される。
送信部12は送信ビームフォーマーとして機能するものである。送信部12は、送信時において、複数の送信信号を上記1Dアレイ振動子に供給する。これによって送信ビームが形成される。一方、生体内から反射波がプローブ10において受波されると、1Dアレイ振動子から複数の受信信号が並列的に出力され、それらが受信部14において処理される。受信部14は受信ビームフォーマーとして構成されており、複数の受信信号に対して整相加算処理を実行し、これにより整相加算後の受信信号(ビームデータ)を出力する。
信号処理部16は、ビームデータに対して幾つかの信号処理を実行する。そのような信号処理には、検波、対数圧縮、ノイズ除去等の処理が含まれ得る。信号処理部16から出力されるビームデータは画像形成部17に送られている。画像形成部17は本実施形態においてデジタルスキャンコンバータ(DSC)により構成されている。画像形成部17は座標変換機能、補間処理機能等を有している。画像形成部17で、複数のビームデータに基づいて断層画像が構築される。その画像データは表示処理部18に送られる他、計測部22に対しても送られている。
表示処理部18は画像合成機能等を有し、表示部20に対して表示画像データを出力するものである。表示処理部18においては、断層画像に対してグラフィックイメージを合成する処理等が実行される。表示部20には超音波画像としての断層画像が表示される。断層画像以外の超音波画像(二次元カラードプラ画像等)が表示されてもよい。
制御部24は、図1に示される各構成の動作制御を行っており、制御部24はCPU及び動作プログラムにより構成される。制御部24には操作パネル26が接続されている。操作パネル26は、キーボードやトラックボール等を含み、ユーザー入力装置として機能する。操作パネル26を利用してユーザーは関心領域(ROI)の設定を行うことができ、具体的には、画面表示された断層画像を見ながら、当該断層画像上に任意の位置、任意の回転角度及び任意のサイズをもって、関心領域を指定することが可能である。このユーザー入力に基づいて制御部24が関心領域を設定(認識)している。
計測部22は、本実施形態おいてIMT計測部及びNT計測部として機能している。具体的には、計測部22は、関心領域内における2つの境界線(輪郭線)をトレースして2つのトレースラインを生成し、それらの間において距離すなわち厚みを計測する。ちなみに、計測部22に対して制御部24から関心領域の座標情報が与えられている。計測部22は、実際にはソフトウェアの演算機能として実現されており、それは制御部24の一部を構成するものであってもよい。計測部22の計測結果及び必要なグラフィックデータが計測部22から表示処理部18に送られている。
図2には、IMT計測の様子が示されている。画像28は血管の断層画像(Bモード画像)である。断層画像28上には血管の断面が表されており、血管は前壁30及び後壁32を有している。ちなみにプローブ側から見て近い方が前壁30であり、プローブ側から見て遠い方が後壁32である。前壁30と後壁32との間は血流部34である。前壁30は、周知のように、血流部34側から見て、内膜36、中膜38及び外膜40により構成されている。ここで、内膜36は非常に薄い層であり、それは実質的に一本の線として画像上に現れる。IMT計測においては内側境界線42と外側境界線44との間、すなわち内膜36及び中膜38を合わせた複合体の厚みが計測される。後壁32は、前壁30と同様、血流部34から見て、内膜46、中膜48及び外膜50により構成されている。符号52は内側境界線を表し、符号54は外側境界線を表している。
以上のような断層画像上において、前壁30に対してIMT計測を行う場合には演算範囲を限定するために前壁30を含むように関心領域(ROI)56が設定される。同様に、後壁32に対してIMT計測を行う場合にはその後壁32を含むように関心領域(ROI)60が設定される。関心領域56内においては、符号58で示されるように、内膜境界線42と外膜境界線44の間の距離がIMT58として計測される。同様に、関心領域60内においては、内側境界線52と外側境界線54との間の距離がIMT62として計測される。
本実施形態においては、関心領域56,60の指定はユーザーにより行われており、その際に、関心領域56,60の水平線(上辺,下辺)が各境界線とできるだけ平行になるように、関心領域の傾き角度が指定されている。本実施形態においては、関心領域56については下辺がベースライン56Aとされており、当該ベースライン56Aは複数の探索ラインを設定する場合におけるスタートラインとして機能する。一方、関心領域60においては上辺がベースライン60Aとして定められており、そのベースライン60Aも複数の探索ラインを定める際のスタートラインとして機能する。ちなみに、IMT計測を行う場合には、関心領域56,60内に内側境界線及び外側境界線の両者が含まれるように当該関心領域56,60がユーザーにより指定される。もちろん、そのような設定を自動化することも可能である。なお、図2において、X方向は表示画面上における水平方向を表しており、Y方向は表示画面上における垂直方向を表している。後に説明するx方向は関心領域の水平方向であり、y方向は関心領域の垂直方向である。前者が絶対的な表示座標系であるのに対し、後者は関心領域を基準とする相対的な座標系である。
図3にはNT計測(すなわちNT厚計測)を行う場合の様子が示されている。断層画像164は胎児166の断面を表すものである。符号168は胎盤を表している。符号170は胎児後頸部浮腫を表している。当該浮腫170は断層画像164上において細長い空洞部として現れている。具体的には、当該浮腫は断層画像上において並走する上側境界線174及び下側境界線176によって囲まれた領域であり、その内部172が体液部である。
本実施形態において、NT計測を行う場合には、関心領域178が図示のようにユーザーにより指定される。関心領域178は2つのサブ関心領域180,182の結合体として構成されており、それらのサブ関心領域180,182の間が中間線としてのベースライン178Aである。上側サブ関心領域180内において上側境界線174のトレース処理が実行され、これと同様に、下側サブ関心領域182内において下側境界線176に対するトレース処理が実行される。それらの処理により2つのトレースラインが描かれると、それらの間がNT厚184として計測される。このようなNT計測にあたっては、上記IMT計測と同様に、ユーザーが関心領域178を指定すると、その指定以後においては基本的に全て自動的に演算処理が進行するので、ユーザーの負担が軽減される。また、主観によらないので、客観性あるいは再現性を高められる。ちなみに、ユーザーによる関心領域178の指定にあたっては、各サブ関心領域180,182内に各境界線174,176が含まれるように、複合化された関心領域178の位置及び傾きが指定される。特に、中間線をなすベースライン178Aが2つの境界線174,176の間に丁度位置するように、関心領域178が定められる。ここでベースライン178Aは、それぞれのサブ関心領域180,182において複数の探索ラインを設定する場合におけるスタートラインをなすものである。よって、ベースライン178Aができる限り2つの境界線174,176と平行になるように関心領域178を定めるのが望ましい。
(2)IMT計測の具体例
次に、図4乃至図8を用いてIMT計測の具体例について説明する。
図4には、関心領域56が示されている。その関心領域56内には内側境界線42の一部と外側境界線44の一部が含まれている。図4においてはそれらの境界線42,44が便宜上、直線として表されている。ちなみに、符号30は前壁を表しており、符号34は血流部を表している。すなわち関心領域56は前壁30に対して設定された関心領域である。
図4において、関心領域56の下辺がベースライン56Aとして機能する。すなわち、ベースライン56Aはx方向に伸長したラインであり、当該x方向における各位置においてy方向に探索ライン58が形成される。具体的には、各探索ライン58はベースライン56A上の各点(各画素)を開始点として当該ベースライン56Aに直交するy方向へ伸びるラインである。すなわち当該方向が探索方向となる。ROIが矩形であれば、探索方向は関心領域56の左辺及び右辺と平行になる。図4に示されるように、各探索ライン上においてスタート点58Aから探索方向(前方)に向けて画素値の参照及びエッジ検出が順次実行される。すなわち、対象画素の画素値が参照され、当該画素値が所定の閾値(仮閾値)と比較され、もし閾値よりも画素値が大きいならば、それがエッジ点(立ち上がり点)として特定され、当該地点が基準エッジ点となる。図中においては、符号60によって基準エッジ点が示されている。この基準エッジ点60は本実施形態において第1区間点として機能するものであり、その基準エッジ点60が基準となって、第2区間点62及び第3区間点64が定められる。仮閾値は固定値であってもよいが、関心領域の全体を参照することにより形成されるヒストグラムから決定される閾値であるのが望ましい。ヒストグラムから閾値を決定する方法としては従来から各種の手法が知られている。
より詳しく説明すると、基準エッジ点60は、内側境界線42よりも手前側において検出された点であり、換言すれば、そのような手前側の立ち上がり点が検出されるように仮閾値が設定されている。基準エッジ点60は、2つの区間を定める際の基準点すなわち原点となるものであり、基準エッジ点60に対して探索方向前方へ一定の距離W1を加えた地点として第2区間点62が定められ、第2区間点62に対して探索方向前方へ一定の距離W2を加えた地点として第3区間点64が定められる。なお、基準エッジ点60に対して距離W2を加えて第3区間点64を定めるようにしてもよい。W1よりもW2の方が大きい。第1区間点60と第2区間点62の間が第1区間であり、第2区間点62と第3区間点64の間が第2区間である。第1区間は後に説明する第1帯領域の要素をなすものであり、第2区間は後に説明する第2帯領域の要素をなすものである。結果として、各第1区間は内側境界線42を跨ぐように設定され、すなわちそのような条件が満たされるように基準エッジ点60及びW1の大きさが定められる。同様に、各第2区間が外側境界線44を跨ぐように、第3区間点64の位置すなわちW2の大きさが定められる。
図4に示した具体例においては、内側境界線の手前側に基準エッジ点60が検出されていたが、それに代えて、図5に示すような手法を採用することもできる。図5に示す手法では、探索ライン58に沿ってスタート点から順次エッジ検出処理が実行される。ここで仮閾値は本来のエッジである内側境界線42又はそれに近い位置を検出できるような値に設定されており、その結果、内側境界線40上あるいはその近傍に仮エッジ点66が見出される。仮エッジ点66の手前側所定距離の地点に第1区間点68が設定され、仮エッジ点66の奥側所定距離の地点に第2区間点70が設定される。そして、第1区間点68と第2区間点70との間が第1区間として定められる。一方、仮エッジ点66から探索方向前方へ再度探索が開始される。その場合、外側境界線44又はその近傍が検出されるように別の仮閾値が設定されており、そのような別の仮閾値と各画素値との比較を繰り返すことにより、仮エッジ点72が検出される。それを基準としてその手前側に第1区間点74が定められ、仮エッジ点72の奥側すなわち前方側に第2区間点76が定められる。第1区間点74と第2区間点76の間が第2区間となる。以上のように、検出対象となるエッジ又はそれに近い点を検出して、それを基準として区間を定めるようにしてもよい。ただし、図4に示した手法によれば、スタート点から比較的近い位置にある基準エッジ点を検出するだけで、第2区間点62及び第3区間点64を直ちに設定できるので、演算量を削減して迅速な処理を達成できるという利点が得られる。
図6において、x方向における各座標において探索ライン58上で基準エッジ点の検出及びそれに基づく2つの区間点の設定を行うことにより、まず複数の探索ライン58上における複数の第1区間点の並びとして第1区間点ライン78が構成される。これと同様に複数の探索ライン58上における第2区間点の並びとして第2区間点ライン80が構成される。更に複数の探索ライン58上における複数の第3区間点の並びとして第3区間点ライン82が構成される。そして、第1区間点ライン78と第2区間点ライン80との間の領域が内側帯領域84と定義される。同じく、第2区間点ライン80と第3区間点ライン82との間が外側帯領域86と定義される。
内側帯領域84はその内部に内側境界線42を含んでおり、それは内側境界線近傍領域である。外側帯領域86はその内部に外側境界線44を含んでおり、それは外側境界線近傍領域である。内側帯領域84は内側境界線42を検出する際に利用される閾値(本閾値)を決定するために参照される局所領域であり、また同時に、内側帯領域84は内側境界線42の探索領域でもある。外側帯領域86は、外側境界線44を検出する際に利用される閾値(本閾値)を決定するために参照される局所領域であり、また外側帯領域86は外側境界線44の探索領域をなすものである。
具体的には、帯領域84の参照により、そこに含まれている複数の画素値に基づいてヒストグラムが作成され、そのヒストグラムから直接的にあるいは間接的にエッジ検出用の閾値(本閾値)が定められる。帯領域86についても、その内部の画素値群の参照によりヒストグラムが作成され、それに基づいて閾値(本閾値)が定められる。ヒストグラムに基づいて閾値を決定する手法としては従来から各種の手法が提案されている。内側帯領域84の参照により決定された閾値を利用して、各探索ライン58上において内側境界点88の検出が行われる。その場合においては、各探索ライン上において、内側帯領域84における第1区間点ライン78をスタートラインとして、そこから第2区間点ライン80側へ閾値を利用したエッジ検出処理が順次実行される。同様に、外側帯領域86内においては、各探索ライン上において、外側帯領域86の参照により決定された閾値を利用して外側境界点90の検出が実行される。この場合においても、第2区間点ライン80をスタートラインとして、各探索ライン上において第3区間点ライン82側へエッジ検出が順次実行される。
図7には、以上のようにして形成された内側トレースライン92及び外側トレースライン94が示されている。内側トレースライン92は、内側境界線に対するエッジ検出により得られた複数の内側境界点88の並びによって構成されるものである。外側トレースライン94は、外側境界線に対するエッジ検出により得られた複数の外側境界点の並びにより構成されるものである。もちろん、複数の境界点の並びに対して補間処理やスムージング処理などを適用して、滑らかなトレースラインを構成するようにしてもよい。以上のように2つのトレースライン92,94が自動的に抽出、描画されると、2つのトレースライン92,94間においてIMT計測が実行される。具体的には、x方向における1又は複数の地点においてIMT計測が実行される。ここでは符号96によりIMTが表されている。この場合において厚みすなわち距離を計測する方向は図7に示す例においてy方向である。距離計測方向を2つのトレースラインの形状に基づいて適応的に定めるようにしてもよい。
上述した手法によれば、2つの帯領域の探索的設定により、それぞれの帯領域について適切な閾値を決定した上で、内側境界線及び外側境界線を精度よくしかも的確に検出できるので、2つのトレースラインを精度よく描けるという利点がある。従来においては、閾値の設定にあたって常に関心領域の全体が参照されていたが、そのような手法によると注目する境界線付近の情報以外の多くの情報を参照してしまい、場合によってはノイズによる影響をかなり受けて不適切な閾値の設定がなされてしまうという問題があったが、本実施形態においては、そのような問題を大幅に緩和又は回避できることが実験により確かめられている。特に、本実施形態においては、2つの境界線に対してそれぞれ帯領域を定義したので、それぞれの境界線にふさわしい閾値を設定して境界線検出の信頼性を極めて高めることができる。
図8には、IMT計測方法の一例がフローチャートとして示されている。S100においては、血管を表す断層画像上において関心領域(ROI)がユーザーにより指定される。その場合においては関心領域における水平軸が2つの境界線にできる限り平行になるように、ROIが設定されるのが望ましい。S102においては、仮閾値を定めるために、関心領域の全体が参照され、そこに含まれる複数の画素値に基づいてヒストグラム(全体ヒストグラム)が作成される。S104において、ヒストグラムに基づいて仮閾値a0が演算される。仮閾値a0は上述したように基準エッジ点を定めるためのものであり、厳密な境界検出が要求されるものではないために、仮閾値a0の決定にあたって関心領域の全体を参照しても基本的に問題は生じない。
S106においては、順番に指定されるいずれかの探索ライン上において基準エッジ点の探索が開始される。S108では、参照した画素値が仮閾値a0と比較され、画素値が仮閾値a0以上であるならばS110移行が実行される。ちなみに、関心領域の上辺すなわちエンドラインまで至っても基準エッジ点を検出できなかった場合にはエラー処理を適用すればよい。そのようなエラー処理には、例えば、隣接探索ライン上において検出された基準エッジ点を利用して補間処理により当該探索ライン上において基準エッジ点を定める方法等を挙げることができる。
S110においては、基準エッジ点すなわち第1区間点が特定される。S112においては基準エッジ点に基づいて第2区間点が特定され、更にS114においては基準エッジ点に基づいて第3区間点が特定される。これにより現在処理対象となっている探索ライン上において3つの区間点が定まることになる。S116においては、未処理の探索ラインがあるか否かが判断され、それがあればS106からの工程が繰り返し実行される。一方、S116において最後の探索ラインまで処理が進行したことが判断されると、以下に説明するS118以降の工程及びS130以降の工程が実行される。
S118〜S128までの一連の工程とS130〜S140までの一連の工程は順番に実行するようにしてもよいし並列的に実行するようにしてもよい。S118〜S128までの一連の工程が内側境界線に対するトレース処理に相当し、S130〜S140までの一連の工程が外側境界線に対するトレース処理に相当する。
S118においては、第1帯領域内が参照され、そこに含まれる画素群に基づいて第1部分ヒストグラムが作成される。S120において、第1部分ヒストグラムに基づいて閾値a1が決定される。S122において、その閾値a1を利用して、探索ライン上において探索が開始され、S124において閾値a1以上の画素値が見つかれば、S126において当該画素値が内側境界点であると特定される。S128において未処理の探索ラインが無くなると判断されるまで、S122以降の工程が繰り返し実行される。
その一方、S130においては第2帯領域内が参照され、そこに含まれる画素群に基づいて第2部分ヒストグラムが作成される。S132においては第2部分ヒストグラムに基づいて閾値a2が決定され、S134において、指定された探索ライン上での探索が開始される。S136において閾値a2以上の画素値が見つかった場合には、S138において当該画素値を有する地点が外側境界点であると特定され、S140においては最後の探索ラインまで処理が進行したか否かが判断される。最後の探索ラインまで処理が到達していなければS134以降の工程が繰り返し実行される。
第1帯領域内において複数の内側境界点が検出され、第2帯領域内において複数の外側境界線が検出されると、すなわち内側トレースライン及び外側トレースラインが形成されると、S142において、それらの2つのトレースライン間においてIMT計測が実行される。その場合、x方向の複数の箇所でIMT計測が実行され、それらの計測結果から、最大値、最小値、平均値等が求められる。
(3)NT計測の具体例
次に、図9乃至図12を用いてNT計測の具体例を説明する。
図9には断層画像上に設定された関心領域178が示されている。関心領域178は胎児後頸部浮腫(NT)170の断面を含むものであり、関心領域178内には上側境界線174及び下側境界線176が含まれている。より具体的には、関心領域178は中間ラインをなすベースライン178Aを連結線として上側サブ関心領域180と下側サブ関心領域182とに区分されており、上側サブ関心領域180内に上側境界線174が含まれており、下側サブ関心領域182内に下側境界線176が含まれている。
関心領域178内において、ベースライン178Aが2つのサブ関心領域180,182共通のスタートラインとして機能する。すなわち上側サブ関心領域180においては、x方向における各座標において探索ライン100がy方向に設定され、各探索ライン100上においてベースライン178A上のスタート点100Aから上辺に向けてエッジ探索が繰り返し実行される。その場合において用いられる閾値は仮閾値である。仮閾値を画素値が越えた場合、その地点が基準エッジ点(第1区間点)102として定められる。そして、基準エッジ点102を基準として所定距離W3だけ離れた点として第2区間点104が定められる。これによって探索ライン100上においては第1区間点102と第2区間点104が定められる。これと同様に、下側サブ関心領域182においても、x方向における各座標毎に探索ライン106がy方向に設定され、ベースライン178A上のスタート点からエンドラインである下辺に向けてエッジ検出が繰り返し実行される。仮閾値を画素値が上回った地点においてそれが基準エッジ(第1区間点)108として定められ、それを基準として所定距離W4だけ離れた点として第2区間点110が特定される。これにより各探索ライン106上において第1区間点108及び第2区間点110が定められることになる。上側サブ関心領域180における各第1区間は上側境界線174を跨いで設定されており、下側サブ関心領域182における各第2区間は下側境界線176を跨いて設定されている。
図10に示すように、x座標毎(X方向に並ぶ画素毎)に上記の処理を行うならば、上側サブ関心領域180において、帯領域120を定義することが可能となる。すなわち帯領域120は第1区間点ライン112と第2区間点ライン114との間の領域として定義されており、ここで、第1区間点ライン112は複数の第1区間点102の並びとして構成され、第2区間点ライン114は複数の第2区間点104の並びとして構成されている。これと同様に、下側サブ関心領域内においては、帯領域122が定義されており、すなわち帯領域122は第1区間点ライン116と第2区間点ライン118とにより挟まれた領域である。第1区間点ライン116は複数の第1区間点108の並びとして構成されており、第2区間点ライン118は複数の第2区間点110の並びとして構成されている。
帯領域120が定められると、帯領域120内の画素が参照され、複数の画素値に基づいてヒストグラムが生成される。そのヒストグラムに基づいて上側境界線検出のための閾値(本閾値)が演算される。これと同様に、帯領域122内の画素が参照され、複数の画素値に基づいてヒストグラムが生成され、そのヒストグラムから下側境界線を検出するための閾値(本閾値)が演算される。そして、帯領域120内において、上記のように求められた閾値を利用して、各探索ライン110上において上側境界点124の検出が実行される。これにより複数の上側境界点124の並びとして上側トレースライン126が構成される。一方、帯領域122内においては、上記のように決定された閾値を利用して、各探索ライン上においてエッジ検出が実行され、これにより複数の下側境界点128が検出される。それらの並びとして下側トレースライン130が構成されている。もちろん複数の上側境界点124の並び、及び、複数の下側境界点128の並びに対して、補間処理やスムージング処理を適用することにより、より滑らかなトレースライン126,130を構成するようにしてもよい。
図11において、上側トレースライン126及び下側トレースライン130の間においてNT厚132が計測される。x方向における複数の座標においてNT厚132が計測されるのが望ましい。厚み計測方向は図11に示す実施形態においてy方向と平行であるが、各トレースライン126,130の形態に応じて適切な方向に距離計測方向を適応的に定めるのが望ましい。
以上説明したNT計測法によれば、2つのサブ関心領域内において独立して閾値を設定して各境界線を精度よく検出できるという利点がある。その上で、関心領域全体内においてNT厚を計測できるという利点がある。以上説明したNT計測法においても、それぞれの境界線の検出にあたっては局所領域である帯領域が定義され、その帯領域内において参照された画素値群に基づいて閾値が決定されているため、閾値を最適化することが可能である。しかもその帯領域内において境界線の検出が行われるのでノイズ等による影響を極力排除できるという利点が得られる。
図12には上述したNT計測法がフローチャートして示されている。S200においては、断層画像上において、複合化された関心領域がユーザーにより指定される。この場合においては、2つのサブ関心領域内にそれぞれ境界線が含まれるように関心領域の位置や傾きが定められる。関心領域が適切に定められると、2つの境界線の間に中間ラインであるベースラインが位置することになる。次に、第1トレースライン生成処理S202及び第2トレースライン生成処理S204が実行される。それらは並列的に実行されてもよいし、順番に実行されてもよい。図12においては第1トレースライン生成処理S202について具体的な内容が表されている。第2トレースライン生成処理S204においても第1トレースライン生成処理と同様の構成が採用されている。第2ライントレース生成処理S204の説明を省略する。
S206においては、上側サブ関心領域内すなわち半ROI内の画素値群が参照され、それによって全体ヒストグラムが作成される。すなわち、局所領域として帯領域の参照ではなく、サブ関心領域全体が参照される。
S208では、S206で生成された全体ヒストグラムに基づいて仮閾値a0が演算される。S210においては、順番に指定される探索ライン上においてエッジ検出が実行される。S212において、参照した画素値が仮閾値a0以上であると判断された場合、S214において、当該地点が基準エッジ点(第1区間点)であると特定される。S216において、基準エッジ点すなわち第1区間点に基づいて第2区間点が特定される。このような処理がS218において最終ラインの処理が完了したと判断されるまで繰り返される。
S220では、以上のようにして構成される複数の第1区間からなる帯領域内において画素値群が参照され、これによって部分ヒストグラムが作成される。S222において、部分ヒストグラムに基づいて閾値a1が決定される。S224においては、順次指定される探索ライン上においてエッジ探索が開始され、S226において、参照した画素値が閾値a1以上であると判断された場合には、S228において当該地点が境界点であると特定される。このような処理が最終の探索ラインまで繰り返される。
以上のような第1トレースライン生成処理S202により、上側境界線に対して第1トレースラインを生成することが可能であり、一方、上記同様の手法を利用して第2トレースライン生成処理S204によって下側境界線に対して第2トレースラインを生成することが可能となる。S232においては、以上のように形成された上側トレースライン及び下側トレースラインの間においてNT厚の計測が実行される。その場合には、x方向における1又は複数の位置でNT厚が計測され、必要に応じて、複数のNT厚の中から最大値、最小値、平均値等が演算される。
(4)距離計測方向の設定方法
次に、図13乃至図18を用いて、2つのトレースラインに基づく距離計測方向の適応的設定方法について説明する。
図13には第1トレースライン200及び第2トレースライン202が示されている。図13においては、第1トレースライン200が便宜上直線として表されている。この第1トレースライン200はIMT計測における外側トレースラインに相当し、NT計測における下側トレースラインに相当するものである。一方、第2トレースライン202は、IMT計測における内側トレースラインに相当し、NT計測における上側トレースラインに相当するものである。本実施形態においては、経験則上、より平坦な第1トレースライン200が基準トレースラインと定められている。
第1トレースライン200上に存在する注目点Piについて距離計測を行う場合、注目点Piを中心とした合成範囲204が定められる。合成範囲204の一方端はPi-nで表されており、他方端がPi+nで表されている。ちなみにnは例えば100であり、すなわち注目点を中心として右側及び左側のそれぞれにおいて100ポイントが参照されている。第1トレースライン200における参照範囲が第1トレースライン部分200Aである。
一方、第2トレースライン202においては第2トレースライン部分202Aが参照される。第2トレースライン部分202Aは上述した合成範囲204に対応した範囲内のライン部分である。すなわち、x方向において、第1トレースライン部分200Aと第2トレースライン部分202Aは、同一の範囲から抜き出されたものである。第2トレースライン部分202Aの一方端がQi-nで表されており、他方端がQi+nで表されている。注目点Piに対応する点が対応点Qiである。注目点Piのx方向座標と対応点Qiのx方向座標は互いに同一である。ちなみ、x方向は関心領域の水平方向であり、y方向は関心領域の垂直方向である。関心領域は対象組織の形態を見ながらユーザーにより指定される領域であり、2つのトレースラインの切り出しに当たっては、その指定が尊重されている。
注目点についてPiについて(あるいはx方向のアドレスxiについて)距離計測方向を定める場合、本実施形態においては、第1トレースライン部分200Aと第2トレースライン部分202Aが重み付け合成処理された上で、その合成処理結果から近似直線が生成される。
具体的に説明すると、符号206で示されるように、第1トレースライン部分202Aがy方向(下側)にシフトされ、第1トレースライン部分200Aと重ね合わされる。シフト後の第2トレースライン部分が符号202Bで示されている。当該第2トレースライン部分202Bはその一方端(左端)において第1トレースライン部分200Aの一方端と一致している。但し、これは必須条件ではなく便宜上のものである。このような重ね合わせが行われた後(あるいは重ね合わせと同時に)、2つのトレースライン部分に基づいて公知手法を用いて近似直線(一次近似直線)Lが生成される。その演算にあたっては、第1トレースライン部分200Aを構成する全ての画素値が参照される一方において、第2トレースライン部分202Bについては一定の比率での間引きされた上で一部の画素値が参照されている。具体的には図において白丸で示される画素206のみが合成処理において参照されている。図13においては2つおきで画素が参照されているが、それは例示である。後述の演算例では1つおきで画素が参照されている。図示の例では、第1トレースライン部分200Aの重みが1.0であるのに対し、第2トレースライン部分202Bの重みは0.33(後述の演算例では0.5)である。すなわち前者については全点がサンプル点となるが、後者については3つの画素うち1つの画素のみが参照される(後述の演算例では2つの画素のうち2つの画素のみが参照される)。
以上のような重み付け合成処理により生成されたデータ列に基づいて、公知の一次近似直線の生成処理(補間処理)を適用することにより、図示のように、近似直線Lを得ることができる。近似直線Lは2つのトレースライン部分200A及び202Bの両方に基づくものであり(両方を反映させた傾きをもつものであり)、より詳しくは、第1トレースライン部分200Aの形態の影響を大きく受けながらも、一定割合において第2トレースライン部分202Bの形態が考慮されている。
したがって、本実施形態では、注目点Piを通過し、かつ近似直線Lに直交する方向に、直交線Mが描かれ、当該方向が距離計測方向と定められる。ただし、当該直交線M上に第2トレースライン202上の画素が該当しない場合もあるため、本実施形態においては、直交線Mに最も近い画素が計測点Riとして定められている。注目点Piと計測点Riとを結ぶ方向が厳密な意味において計測方向線Rである。
なお、計測点Riを決定するにあたっては、たとえば注目点Piと対応点Qiとの間の距離Zを利用して、直交線Mにおいて注目点PiからZの距離だけ離れた仮想点を定め、当該仮想点にもっとも近い第2トレースライン点として計測点Riを定めるようにしてもよい。また適当な計測点を特定できないような場合には、エラー処理を適用するようにしてもよい。たとえば当該注目点Piについては計測点を定めず、近傍において求められた複数の計測点から補間処理により計測点を補填するようにしてもよい。
第1トレースライン200上における各点を注目点として以上のような処理を行うことにより、xにおける各座標において適切な方向に距離計測方向を定めることが可能となる。もちろん、x方向において適当な間隔で注目点を定めるようにしてもよい。複数の地点において計測された複数の距離計測方向が2つのトレースラインと共に表示画面上にラインとして表示されるのが望ましい。かかる構成によれば距離計測方向の演算結果をユーザーにおいて確認できるので計測の信頼性を向上できる。その場合にはすべての距離計測方向ではなく一定割合で間引いたものを表示するのが望ましい。
図14には変形例が示されている。第1トレースライン部分200Aに対して第2トレースライン部分202Aを重ね合わせる際に、符号208で示されるように、注目点Piに対応点Qiが重なるように合成処理を行うようにしてもよい。そのようにシフトされた第2トレースライン部分が符号202Cで示されている。そのような場合において、重み付け合成処理を行った上で、直線近似演算を行うと、符号L1で示す直線が定義される。そのような近似直線L1を利用して直交線M1が定められる。あるいは、以上のような重ね合わせを行うことなく、第2トレースライン部分202Aをそのまま利用して、それと第1トレースライン部分202Aとを重み付け合成を行うようにしてもよい。そのような処理により生成される近似直線が図においてL2で示されている。そのような近似直線L2を利用して注目点Piについて直交方向を定めるようにしてもよい。
図15には、重み付け合成処理における、具体的なデータ演算方法が概念図として示されている。符号210は第1トレースライン部分を構成するデータ列を示している。各データ要素はX座標とY座標とにより特定されている。すなわち、ここでは関心領域に基づくx座標及びy座標ではなく、表示座標系に従うX座標及びY座標により、各データ要素の二次元座標が特定されている。データ列210はデータ要素a1〜a8を含む。一方、符号212は、第2トレースライン部分を構成するデータ列を示している。具体的には、データ要素b1〜b8により構成されている。符号216及び符号218で示される丸記号は、重み付け合成処理において採用(利用)されるデータ要素を表している。データ列210においては全てのデータ要素が採用されるのに対し、データ列212においては1つおきのデータ要素のみが採用される。
符号214は合成データ列を示している。合成データ列214の生成、すなわち重み付け合成処理にあたっては、データ列210を構成するデータ要素a1〜a8はそのまま合成データ列214内に組み込まれている。一方、データ列212については、上述したように1つおきのデータ要素のみがサンプリングされており、ここではb1,b3,b5,b7が取り出されている。各データ要素のX座標に対してはΔXが加算されており、Y座標についてはΔYが加算されている。ちなみに、この例では、ΔXは−10.618でありΔYは−46.726である。ΔX及びΔYは上述した重ね合わせ合成におけるシフト量に相当するものである。以上のような重み付け合成処理により、合成データ列214が構成される。符号220は第2トレースライン部分を構成するデータ列212から取り出されたデータ要素を示している。合成データ列214に基づいて一次近似直線が公知の手法により生成され、それによって距離演算方向を定める基準となる直線が定義される。図15に示す演算方法は一例であって、もちろん他の方法を採用し得る。
図16には距離計測方向の決定法がフローチャートとして示されている。まずS700においては、第1トレースライン上において注目点が特定される。S702においては、第1トレースラインに含まれる第1トレースライン部分に対し、第2トレースラインに含まれる第2トレースライン部分が合成される。望ましくは両者が重み付け合成される。もちろん1対1で合成処理を行うようにしてもよいし、いずれかに大きな重みを与えてもよい。S704では重み付け合成処理後のデータ列に基づいて直線近似演算が実行され、その結果として近似直線が導出される。
S706においては、近似直線に基づいて直交線が算出される。S708においては直交線上においてあるいは直交線に最近傍の点として計測点が特定される。そのような計測点は第2トレースライン上における何れかの点である。S710においては注目点と計測点との間における距離が算出される。S712においては第1トレースライン上における最終点まで処理が行われたか否かが判断され、そこに到達していない場合にはS714において、注目点特定用のカウント値をインクリメントさせた上で、S700以降の各工程が繰り返し実行される。S716においては描画処理が実行される。すなわち以上のように計測された複数の距離が数値あるいはグラフとして表示され、また断層画像上において2つのトレースラインとともに代表的な複数の距離計測ラインが表示される。
図17にはIMT計測の例が示されている。関心領域216には内側トレースライン218及び外側トレースライン220が含まれている。上述した手法を適用することにより、2つのトレースライン218,220の形態に従ってx方向の各位置において適切な方向に距離計測方向を設定することができる。符号222はそのような距離計測方向を示している。
図18にはNT計測(NT厚計測)の例が示されている。関心領域224内には上側トレースライン230及び下側トレースライン232が含まれている。符号224Aは中間ラインを表している。上述した手法を適用することにより、x方向における各座標において適切な方向に距離計測方向を設定することが可能である。符号234はそのような距離計測方向を表している。上述した実施形態によれば、2つのトレースラインの形態に応じて2つの近似直線を定義した上でそれに基づいて距離計測方向を的確に定められるという利点がある。したがって、再現性を良好にでき、また距離計測結果の信頼性を極めて向上可能である。本実施形態においては、2つのトレースラインの合成にあたって重み付け合成を用いたため、基準となるトレースラインすなわち平坦に近いトレースラインをより考慮した形で距離計測方向を定めることができるので、経験則に合致した違和感のない方向設定が可能である。もちろん重み付け合成にあたっての重み配分についてはユーザーにより可変設定できるように設定してもよいし、あるいは各トレースラインの曲率や屈曲度に応じて適応的に定めるようにしてもよい。なお、NT計測において、上側トレースライン及び下側トレースラインいずれも同程度に湾曲しているとみなされるような場合には、重み付け合成ではなく通常の1対1の比率での合成を行うのが望ましい。
図19及び図20を用いて距離ヒストグラムの演算について説明する。以上のような手法によりx方向における各座標において距離の演算を行うことが可能であるが、それらにより得られた多数の距離の情報をユーザーにとってわかりやすい形式で表現することが望まれる。このため本実施形態においては、相対頻度による距離ヒストグラムを作成するようにしている。図19において、符号236は、各x座標上において計測された距離すなわち厚みを示している。そのデータの並びはx方向に相当している。このデータ列に対して、符号238で示すように、ヒストグラム処理を適用することにより、符号240で示すように距離ヒストグラムを生成できる。すなわち各厚みすなわち各距離ごとのデータ数のカウント結果を生成可能である。ただし、そのような生の距離ヒストグラムを表示した場合、他の距離ヒストグラムとの比較を行うのが困難となることも予想されるので、本実施形態においては、符号242で示すように相対頻度への変換を行っている。すなわち符号244で示されるように、各頻度値が規格化されて相対頻度としての数値に変換されている。ここでピークとなるデータ数が相対頻度100%である。
図20には相対頻度として表された距離ヒストグラムの例246が示されている。横軸は厚みすなわち距離を表しており、縦軸は相対頻度を表している。ピークが100%すなわち1.0に相当している。このようなグラフを画面上に表示することにより、ユーザーにおいて、どのような距離が支配的でありまた距離がどのように分布しているのかを直感的に容易に把握できるという利点がある。したがって、疾病診断上新しい情報を提供できるという利点がある。
10 プローブ、12 送信部、14 受信部、16 信号処理部、17 画像形成部、18 表示処理部、22 計測部、30 前壁、32 後壁、34 血流部、56,60 関心領域、170 胎児後頸部浮腫(NT)、178 複合化された関心領域。

Claims (13)

  1. 超音波の送受波により得られた断層画像に基づいて、対象組織中の第1注目境界線を表す第1トレースライン及び前記対象組織中の第2注目境界線を表す第2トレースラインを生成する境界検出手段と、
    前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインの内でより平坦な方に大きな重みを与えつつ前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインに対する重み付け合成処理を実行することにより近似直線を生成する近似直線生成手段と、
    前記近似直線を基準として距離計測方向を定め、前記第1トレースライン及び前記第2トレースライン間において距離を計測する距離計測手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記断層画像上において前記第1注目境界線及び前記第2注目境界線を含む関心領域を設定する関心領域設定手段を含み、
    前記関心領域により定義される基準方向の各位置において、前記第1トレースラインの中から第1ライン部分が参照され、且つ、前記第2トレースラインの中から第2ライン部分が参照され、
    前記近似直線生成手段は、前記基準方向の各位置において、前記第1ライン部分及び前記第2ライン部分に基づいて前記近似直線を逐次的に生成する、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記第1ライン部分は、前記基準方向の注目位置の両側に広がる部分であり、
    前記第2ライン部分は、前記第1ライン部分に対応する部分である、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項2又は3記載の装置において、
    前記近似直線生成手段は、
    前記第1ライン部分と前記第2ライン部分とに基づいて前記重み付け合成処理を実行する合成処理手段と、
    前記重み付け合成処理の結果に基づいて前記近似直線を演算する演算手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 超音波の送受波により得られた断層画像に基づいて、対象組織中の第1注目境界線を表す第1トレースライン及び前記対象組織中の第2注目境界線を表す第2トレースラインを生成する境界検出手段と、
    前記断層画像上において、前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインに基づいて近似直線を生成する近似直線生成手段と、
    前記近似直線を基準として距離計測方向を定め、前記第1トレースライン及び前記第2トレースライン間において距離を計測する距離計測手段と、
    を含み、
    前記断層画像上において前記第1注目境界線及び前記第2注目境界線を含む関心領域を設定する関心領域設定手段を含み、
    前記関心領域により定義される基準方向の各位置において、前記第1トレースラインの中から第1ライン部分が参照され、且つ、前記第2トレースラインの中から第2ライン部分が参照され、
    前記近似直線生成手段は、前記基準方向の各位置において、前記第1ライン部分及び前記第2ライン部分に基づいて前記近似直線を逐次的に生成し、
    前記第1ライン部分は、前記基準方向の注目位置の両側に広がる部分であり、
    前記第2ライン部分は、前記第1ライン部分に対応する部分であり、
    前記近似直線生成手段は、
    前記第1ライン部分と前記第2ライン部分とに基づいて重み付け合成処理を実行する合成処理手段と、
    前記重み付け合成処理の結果に基づいて前記近似直線を演算する演算手段と、
    を含み、
    前記第1トレースラインは前記第2トレースラインよりも直線に近い形態を有し、
    前記合成処理手段は、前記第1ライン部分に大きな重みを与え、前記第2ライン部分に小さな重みを与える、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項5記載の装置において、
    前記合成処理手段は、前記第1ライン部分についての参照密度を前記第2ライン部分についての参照密度よりも高める、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置において、
    前記距離計測方向は、前記近似直線に直交する直交方向又は当該直交方向に近似する近似直交方である、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 請求項2乃至7のいずれか1項に記載の装置において、
    前記断層画像上に、前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインと共に、前記基準方向における複数の位置について求められた複数の距離計測方向を表す複数のラインを表示する表示処理手段を含む、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  9. 請求項2乃至8のいずれか1項に記載の装置において、
    前記基準方向における複数の位置について求められた複数の距離に基づいて距離ヒストグラムを生成する手段を含み、
    前記距離ヒストグラムが表示されることを特徴とする超音波診断装置。
  10. 請求項9記載の装置において、
    前記距離ヒストグラムの横軸は距離の大きさを示し、前記距離ヒストグラムの縦軸は相対頻度を示す、ことを特徴とする超音波診断装置。
  11. 超音波の送受波により得られた断層画像に基づいて、血管壁中の外側境界線を表す第1トレースライン及び前記血管壁中の内側境界線を表す第2トレースラインを生成する境界検出手段と、
    前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインの内でより平坦な方に大きな重みを与えつつ前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインに対する重み付け合成処理を実行することにより近似直線を生成する近似直線生成手段と、
    前記近似直線を基準として距離計測方向を定め、前記第1トレースライン及び前記第2トレースライン間において前記血管壁の厚みとしての距離を計測する距離計測手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  12. 超音波の送受波により得られた断層画像に基づいて、胎児後頸部浮腫の下側境界線を表す第1トレースライン及び前記胎児後頸部浮腫の上側境界線を表す第2トレースラインを生成する境界検出手段と、
    前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインの内でより平坦な方に大きな重みを与えつつ前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインに対する重み付け合成処理を実行することにより近似直線を生成する近似直線生成手段と、
    前記近似直線を基準として距離計測方向を定め、前記第1トレースライン及び前記第2トレースライン間において前記胎児後頸部浮腫の厚みとしての距離を計測する距離計測手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  13. 超音波診断装置又は超音波画像を処理する情報処理装置において実行されるプログラムであって、
    断層画像に基づいて、対象組織中の第1注目境界線を表す第1トレースライン及び前記対象組織中の第2注目境界線を表す第2トレースラインを生成する機能と、
    前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインの内でより平坦な方に大きな重みを与えつつ前記第1トレースライン及び前記第2トレースラインに対する重み付け合成処理を実行することにより近似直線を生成する機能と、
    前記近似直線を基準として距離計測方向を定め、前記第1トレースライン及び前記第2トレースライン間において距離を計測する機能と、
    を含むことを特徴とするプログラム。
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