JP5301977B2 - 非接触超音波探傷検査方法及び非接触超音波探傷検査装置 - Google Patents
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Description
E12=(2Z2/(Z1+Z2))2・(Z1/Z2)
4Z1Z2/(Z1+Z2)2 式(1)
本発明に係る非接触超音波探傷検査方法のように、送信側探触子からの超音波を空間を介して被検査体にあて、この被検査体を透過する送信側探触子からの超音波を空間を介して受信側探触子で受ける場合において、上記空間に存在する気体を空気とすると共に探触子を構成する振動子をセラミックス製とし、被検査体を鋼とすると、空気の音響インピーダンスZair、振動子(セラミックス)の音響インピーダンスZceramics及び鋼の音響インピーダンスZsteelは、それぞれ式(2)〜(4)で表される。
Zair=1.3(kg・m−3)×340(m・s−1)
=4.42×102(kg・m−2.s−1) 式(2)
Zceramics=7400(kg・m−3)×4000(m・s−1)
=2.96×107(kg・m−2.s−1) 式(3)
Zsteel=7800(kg・m−3)×5920(m・s−1)
=4.62×107(kg・m−2.s−1) 式(4)
振動子と空気との界面での伝達エネルギ効率は、
式(1)においてZ1=Zair,Z2=Zceramicsとすれば、
5.97×10−5になるので、振動子→空気→振動子の伝達は、式(5)で表され、
(5.97×10−5)2=3.57×10−9 式(5)
同じく空気と鋼との界面での伝達エネルギ効率は、
式(1)においてZ1=Zair,Z2=Zsteelとすれば、
3.83×10−5になるので、振動子→空気→鋼→空気→振動子の伝達は、式(6)で表される。
(5.97×10−5)2×(3.83×10−5)2=5.23×10−18
式(6)
そこで、例えば、空気を5気圧に加圧すると、音速がほぼ不変なので密度が5倍になることから、振動子と空気との界面での伝達エネルギ効率は、2.99×10−4となり、空気と鋼との界面での伝達エネルギ効率は1.91×10−4となって、
振動子→空気→振動子の伝達は、式(7)で表される。
(2.99×10−4)2=8.92×10−8 式(7)
つまり、式(5),式(7)を比較して判るように、空間に存在する空気を5気圧に加圧すると、大気圧中に比べて、約25倍のエネルギが伝達されることとなり、この際、音圧はエネルギ倍数の平方根、すなわち、(25)1/2=5(倍)=14dBになる。
(2.99×10−4)2×(1.91×10−4)2=3.27×10−15
式(8)
式(6),式(8)を比較して判るように、空間に存在する空気を5気圧に加圧すると、大気圧中に比べて、約625倍のエネルギが伝達されることとなり、この際も、音圧はエネルギ倍数の平方根なので、(625)1/2=25(倍)=27dBになる。
ZFRP=1510(kg・m−3)×2900(m・s−1)
=4.38×106(kg・m−2.s−1) 式(9)
空気とFRPとの界面での伝達エネルギ効率は、
式(1)においてZ1=Zair,Z2=ZFRPとすれば、
4.04×10−4になるので、
振動子→空気→FRP→空気→振動子の伝達は、式(10)で表され、
(5.97×10−5)2×(4.04×10−4)2=5.81×10−16
式(10)
上記と同じく、空気を5気圧に加圧すると、密度が5倍になることから、空気とFRPとの界面での伝達エネルギ効率は、2.02×10−3となり、
振動子→空気→FRP→空気→振動子の伝達は、式(11)で表される。
(2.99×10−4)2×(2.02×10−3)2=3.63×10−13
式(11)
この場合も、式(10),式(11)を比較して判るように、空間に存在する空気を5気圧に加圧すると、大気圧中に比べて、約625倍のエネルギが伝達され、音圧はエネルギ倍数の平方根なので、(625)1/2=25(倍)=27dBになる。
E12=4Z1Z2/(Z1+Z2)2 = 4Z1/Z2
式(12)
空間に存在する気体、例えば、空気を5気圧に加圧すると、伝達エネルギ効率は5倍となって、超音波の伝播特性が高まることとなり、境界面が二つのときは伝達エネルギ効率が52=25倍となり、境界面が四つのときは、54=625倍となる。
ここで、送信側空間及び受信側空間に存在する気体の加圧にあたっては、使用する加圧手段の加圧能力によって圧力の上限が定まるが、10dB(3倍)以上のSN比を得るために、少なくとも2気圧以上に加圧することが望ましく、また、傷の検出能力を高めるべく1MHzの超音波を発した際に、その周波数近傍に有意なピークを周波数分析データ上で出現させるために、少なくとも3気圧以上に加圧することが望ましい。
このとき、送信側探触子と被検査体との間の空間、及び、受信側探触子と被検査体との間の空間は、いずれも高密度雰囲気としてあるので、音響インピーダンス的に音が透過し易くなって、すなわち、超音波の伝播特性が高まって、SN比が向上することとなる。
図1は、本発明に係る非接触超音波探傷検査装置の一実施形態を示しており、この実施形態では、被検査体がCFRP製の平板である場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、この非接触超音波探傷検査装置1は、被検査体Wの表面(図示上面)に所定の距離をおいて配置されたセラミックス製の振動子2を有する送信側探触子3と、被検査体Wを間にして送信側探触子3と対向し且つこの被検査体Wの裏面(図示下面)に所定の距離をおいて配置されたセラミックス製の振動子4を有する受信側探触子5と、送信側探触子3に出力信号を送って振動子2を振動させて超音波を送信させると共に、受信側探触子5の振動子4から送られる被検査体Wを透過した超音波の信号を受ける超音波送受信器6と、受けた信号を増幅する信号増幅器7と、増幅された信号を表示する信号表示器8を備えており、この非接触超音波探傷検査装置1では、送信側探触子3から超音波を被検査体Wに入射させ、これにより被検査体Wを透過した超音波を受信側探触子5で受けさせて、この透過した超音波の振幅値により被検査体W内部の傷の有無を判別するようになっている。
次いで、送信側空間及び受信側空間内を高密度雰囲気に保ったまま、被検査体Wの表面に所定の距離をおいて配置した送信側探触子3に対して、超音波送受信器6から出力信号を送って振動子2を振動させて超音波を送信させると、この超音波は被検査体Wに入射してそして透過し、この被検査体Wを透過した超音波は、被検査体Wの裏面に所定の距離をおいて配置した受信側探触子5の振動子4に到達する。
このとき、耐圧壁10,11で囲まれた送信側空間及び受信側空間はいずれも高密度雰囲気としてあるので、送信側探触子3から発せられた超音波が音響インピーダンス的に透過し易くなって、すなわち、超音波の伝播特性が高まって、信号表示器8で表示される信号のSN比が向上することとなる。
したがって、水やグリセリンを接触媒質とする接触超音波探傷検査方法と同等ないしそれ以上の傷の検出精度及び検出能力が得られることとなる。
なお、耐圧壁10,11で囲まれた送信側空間及び受信側空間の両空間内をそれぞれ2気圧の高密度雰囲気に保ちつつ、超音波として0.33MHzのバースト波3波を被検査体Wにあてたところ、図4の結果が得られ、この結果から、送信側空間及び受信側空間の両空間内の圧力を少なくとも2気圧程度に上げれば、被検査体Wを透過する超音波の波形が鮮明に表れて、傷の検出精度が向上することが実証できた。
この実施形態における非接触超音波探傷検査装置1では、図6に示すように、加圧する毎に音圧(エコー高さ)が上昇し、送信側空間及び受信側空間の両空間内をそれぞれ5気圧の高密度雰囲気にしたときには、大気圧雰囲気での超音波の送信時、すなわち、従来の非接触超音波探傷検査方法による超音波の送信時と比べて、音圧が約25dBにまで上昇することが判る。
次いで、耐圧壁10,11で囲まれた送信側空間及び受信側空間の両空間内の圧力を大気圧雰囲気から5気圧まで1気圧ずつ上昇させる毎に、超音波として1MHzのバースト波3波を被検査体Wにあてたところ、図8の結果を得た。
さらに、この実施形態に係る非接触超音波探傷検査装置1では、送信側探触子3と被検査体Wとの間の空間及び受信側探触子5と被検査体Wとの間の空間を高密度雰囲気にするにあたって、送信側空間及び受信側空間に存在する気体を加圧するようにしているが、これに限定されるものではなく、送信側空間及び受信側空間に存在する接触媒質としてアルゴンガスや炭酸ガスなどの密度の高い気体を採用したり、送信側空間及び受信側空間の雰囲気温度を全体的に下げたりする手法を採用することができる。
3 送信側探触子
5 受信側探触子
10,11 耐圧壁
13 加圧器(加圧手段)
W 被検査体
Claims (4)
- 被検査体を挟んで送信側探触子及び受信側探触子を該被検査体の両側に所定の距離をおいてそれぞれ配置し、前記送信側探触子から超音波を被検査体に向けて送信すると共に、この被検査体を透過した超音波を前記受信側探触子で受信させて、この透過した超音波の振幅値により前記被検査体内部の傷の有無を判別するに際して、
前記送信側探触子と前記被検査体との間の送信側空間を耐圧壁で覆うと共に、前記受信側探触子と前記被検査体との間の受信側空間を耐圧壁で覆い、これらの耐圧壁で覆われた前記送信側空間及び前記受信側空間に存在する気体をそれぞれ加圧することで、該送信側空間及び該受信側空間を高密度雰囲気にして、前記送信側探触子から超音波を被検査体に向けて送信させる
ことを特徴とする非接触超音波探傷検査方法。 - 前記気体として高密度の気体を用いる請求項1に記載の非接触超音波探傷検査方法。
- 被検査体に所定の距離をおいて配置されて、前記被検査体に向けて超音波を発する送信側探触子と、
前記被検査体を間にして前記信側探触子に対向し且つ前記被検査体に所定の距離をおいて配置されて、該被検査体を透過した超音波を受ける受信側探触子を備えた非接触超音波探傷検査装置において、
前記送信側探触子と前記被検査体との間の空間を覆う耐圧壁及び前記受信側探触子と前記被検査体との間の空間を覆う耐圧壁を設けると共に、前記耐圧壁で覆われた送信側空間及び受信側空間に存在する気体をそれぞれ加圧して高密度雰囲気を形成する加圧手段を設けた
ことを特徴とする非接触超音波探傷検査装置。 - 前記気体として高密度の気体を用いる請求項3に記載の非接触超音波探傷検査装置。
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