JP5301537B2 - イオントラップ、質量分析計およびその方法、並びにコンピュータ可読媒体 - Google Patents

イオントラップ、質量分析計およびその方法、並びにコンピュータ可読媒体 Download PDF

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Description

本発明は、質量分析計、質量分析の方法、イオントラップ、及びイオンをトラップする方法に関するものである。
中央リング電極と2つのエンドキャップ電極とを含む3DイオントラップすなわちPaulイオントラップがよく知られており、多くのタイプのイオン分析用に強力で尚且つ比較的安価なツールを提供している。
また、イオンをイオントラップ内において軸方向に閉じ込めるために四重極ロッドセットと2つの電極とを含む2Dイオントラップすなわちリニアイオントラップ(「LTI」)もよく知られている。市販のリニアイオントラップの感度及びダイナミックレンジは、近年大幅に向上されている。線形のイオン経路形態を有するハイブリッド型質量分析計に取り入れるには、イオンを(径方向ではなく)軸方向に放出するリニアイオントラップが特に適しているであろう。しかしながら、市販のリニアイオントラップの大半は、イオンを径方向に放出するものであり、これは、深刻な設計上の困難をもたらす。
したがって、イオンがイオントラップから軸方向に放出される改良されたイオントラップを提供することが望まれている。
本発明の一態様にしたがうと、イオントラップであって、
第1の複数の電極を含む第1の電極セットと、
第2の複数の電極を含む第2の電極セットと、
第1の装置であって、
(a)第1の範囲内の径方向変位を有するイオンが、上記イオンの少なくとも一部をイオントラップ内において少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を受けるように、尚且つ
(b)異なる第2の範囲内の径方向変位を有するイオンが、(i)上記イオンの少なくとも一部をイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込められないようにする実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場、並びに/或いは(ii)上記イオンの少なくとも一部を上記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又はイオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場、のいずれかを受けるように、
第1の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応された第1の装置と、
イオントラップ内において少なくとも一部のイオンの径方向変位を変化させる、増加させる、減少させる、又は変更するように構成され適応された第2の装置と、
を含むイオントラップが提供される。
第2の装置は、
(i)第1の時点において第1の範囲内に入る径方向変位を有する少なくとも一部のイオンに、続く第2の時点において第2の範囲内に入る径方向変位を持たせるように、尚且つ/或いは
(ii)第1の時点において第2の範囲内に入る径方向変位を有する少なくとも一部のイオンに、続く第2の時点において第1の範囲内に入る径方向変位を持たせるように、
構成されてよい。
次善に好ましい一実施形態にしたがうと、
(i)第1の電極セット及び第2の電極セットは、同じ電極セットのうちの電気的に隔離されたセクションである、且つ/又は第1の電極セット及び第2の電極セットは、同じ電極セットから機械的に形成される、尚且つ/或いは
(ii)第1の電極セットは、1つの電極セットのうちの誘電体コーティングを有する領域を含み、第2の電極セットは、同じ電極セットのうちの異なる領域を含む、尚且つ/或いは
(iii)第2の電極セットは、1つの電極セットのうちの誘電体コーティングを有する領域を含み、第1の電極セットは、同じ電極セットのうちの異なる領域を含む、いずれかである。
第2の電極セットは、第1の電極セットの下流に配置されることが好ましい。第1の電極セットの下流端と第2の電極セットの上流端との間の軸方向の間隔は、(i)<1mm、(ii)1〜2mm、(iii)2〜3mm、(iv)3〜4mm、(v)4〜5mm、(vi)5〜6mm、(vii)6〜7mm、(viii)7〜8mm、(ix)8〜9mm、(x)9〜10mm、(xi)10〜15mm、(xii)15〜20mm、(xiii)20〜25mm、(xiv)25〜30mm、(xv)30〜35mm、(xvi)35〜40mm、(xvii)40〜45mm、(xviii)45〜50mm、及び(xix)>50mmからなる群より選択されることが好ましい。
第1の電極セットは、第2の電極セットに実質的に隣接して且つ/又は同軸に配置されることが好ましい。
第1の複数の電極は、多重極ロッドセット、四重極ロッドセット、六重極ロッドセット、八重極ロッドセット、又は8を超える数のロッドを有するロッドセットを含むことが好ましい。第2の複数の電極は、多重極ロッドセット、四重極ロッドセット、六重極ロッドセット、八重極ロッドセット、又は8を超える数のロッドを有するロッドセットを含むことが好ましい。
次善に好ましい一実施形態にしたがうと、第1の複数の電極は、使用時にイオンが伝送されるアパーチャを有する複数の電極又は少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、若しくは200の電極を含んでよい。次善に好ましい一実施形態にしたがうと、第2の複数の電極は、使用時にイオンが伝送されるアパーチャを有する複数の電極又は少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、若しくは200の電極を含んでよい。
好ましい実施形態にしたがうと、第1の電極セットは、第1の軸方向長さを有し、第2の電極セットは、第2の軸方向長さを有し、第1の軸方向長さは、第2の軸方向長さより大幅に大きい、尚且つ/或いは第2の軸方向長さに対する第1の軸方向長さの比は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、又は50である。
第1の装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される第1の径方向への径方向変位とともに増加する及び/又は減少する及び/又は変化する電気的ポテンシャルを使用時に第1の電極セット内及び/又は第2の電極セット内に形成するために、第1の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応されることが好ましい。第1の装置は、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される第2の径方向への径方向変位とともに増加する及び/又は減少する及び/又は変化する電気的ポテンシャルを使用時に形成するために、第1の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応されることが好ましい。第2の径方向は、第1の径方向に直交することが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、第1の装置は、少なくとも一部の正イオン及び/又は負イオンを、それらのイオンの有する第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される径方向変位が第1の値より大きい又は小さい場合にイオントラップ内において軸方向に閉じ込めるために、第1の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応されてよい。
好ましい実施形態にしたがうと、第1の装置は、使用時に1つ又は2つ以上の径方向依存性軸方向DCポテンシャル障壁をイオントラップの長さに沿った1つ又は2つ以上の軸方向位置に形成するように構成され適応されることが好ましい。1つ又は2つ以上の径方向依存性軸方向DCポテンシャル障壁は、イオントラップ内の正イオン及び/又は負イオンの少なくとも一部又は少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、若しくは95%が1つ若しくは2つ以上の軸方向DCポテンシャル障壁を軸方向に乗り越えること及び/又はイオントラップから軸方向に抽出されることを実質的に阻止することが好ましい。
第1の装置は、少なくとも一部の正イオン及び/又は負イオンを、それらのイオンの有する第1の電極及び/又は第2の電極の長手方向中心軸から測定される径方向変位が第1の値より大きい又は小さい場合に抽出して又は加速してイオントラップから出す働きをすることが好ましい抽出場を使用時に形成するために、第1の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応されることが好ましい。
第1の装置は、使用時に1つ又は2つ以上の軸方向DC抽出電場をイオントラップの長さに沿った1つ又は2つ以上の軸方向位置に形成するように構成され適応されることが好ましい。1つ又は2つ以上の軸方向DC抽出電場は、イオントラップ内の正イオン及び/又は負イオンの少なくとも一部又は少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、若しくは95%がDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、若しくは障壁場を軸方向に乗り越える及び/又はイオントラップから軸方向に抽出されるようにすることが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、第1の装置は、上記イオンの少なくとも一部を上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を使用時に形成するように構成され適応され、イオンは、(i)0〜0.5mm、(ii)0.5〜1.0mm、(iii)1.0〜1.5mm、(iv)1.5〜2.0mm、(v)2.0〜2.5mm、(vi)2.5〜3.0mm、(vii)3.0〜3.5mm、(viii)3.5〜4.0mm、(ix)4.0〜4.5mm、(x)4.5〜5.0mm、(xi)5.0〜5.5mm、(xii)5.5〜6.0mm、(xiii)6.0〜6.5mm、(xiv)6.5〜7.0mm、(xv)7.0〜7.5mm、(xvi)7.5〜8.0mm、(xvii)8.0〜8.5mm、(xviii)8.5〜9.0mm、(xix)9.0〜9.5mm、(xx)9.5〜10.0mm、及び(xxi)>10.0mmからなる群より選択される範囲内の、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される径方向変位を有することが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、第1の装置は、上記イオンの少なくとも一部がイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込められないように、実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場が少なくとも1つの場所に提供されるように構成され適応され、イオンは、(i)0〜0.5mm、(ii)0.5〜1.0mm、(iii)1.0〜1.5mm、(iv)1.5〜2.0mm、(v)2.0〜2.5mm、(vi)2.5〜3.0mm、(vii)3.0〜3.5mm、(viii)3.5〜4.0mm、(ix)4.0〜4.5mm、(x)4.5〜5.0mm、(xi)5.0〜5.5mm、(xii)5.5〜6.0mm、(xiii)6.0〜6.5mm、(xiv)6.5〜7.0mm、(xv)7.0〜7.5mm、(xvi)7.5〜8.0mm、(xvii)8.0〜8.5mm、(xviii)8.5〜9.0mm、(xix)9.0〜9.5mm、(xx)9.5〜10.0mm、及び(xxi)>10.0mmからなる群より選択される範囲内の、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される径方向変位を有することが好ましい。
第1の装置は、上記イオンの少なくとも一部を上記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又はイオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場を使用時に形成するように構成され適応され、イオンは、(i)0〜0.5mm、(ii)0.5〜1.0mm、(iii)1.0〜1.5mm、(iv)1.5〜2.0mm、(v)2.0〜2.5mm、(vi)2.5〜3.0mm、(vii)3.0〜3.5mm、(viii)3.5〜4.0mm、(ix)4.0〜4.5mm、(x)4.5〜5.0mm、(xi)5.0〜5.5mm、(xii)5.5〜6.0mm、(xiii)6.0〜6.5mm、(xiv)6.5〜7.0mm、(xv)7.0〜7.5mm、(xvi)7.5〜8.0mm、(xvii)8.0〜8.5mm、(xviii)8.5〜9.0mm、(xix)9.0〜9.5mm、(xx)9.5〜10.0mm、及び(xxi)>10.0mmからなる群より選択される範囲内の、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される径方向変位を有することが好ましい。
第1の複数の電極は、内接半径r1及び第1の長手方向軸を有することが好ましく、且つ/又は第2の複数の電極は、内接半径r2及び第2の長手方向軸を有する。
第1の装置は、上記イオンの少なくとも一部をイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を形成するように構成され適応され、DCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場は、第1の長手方向軸及び/又は第2の長手方向軸から第1の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にかけての半径又は変位の増大とともに増加する、及び/又は減少する、及び/又は変化する。
第1の装置は、上記イオンの少なくとも一部をイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を形成するように構成され適応され、DCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場は、第1の長手方向軸及び/又は第2の長手方向軸から第2の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にかけての半径又は変位の増大とともに増加する、及び/又は減少する、及び/又は変化する。第2の径方向は、第1の径方向に直交することが好ましい。
第1の装置は、上記イオンの少なくとも一部がイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込められないように実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場を少なくとも1つの場所に提供するように構成され適応され、実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場は、第1の長手方向軸及び/又は第2の長手方向軸から第1の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にかけての半径又は変位の増大とともに広がる。第1の装置は、上記イオンの少なくとも一部がイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込められないように実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場を少なくとも1つの場所に提供するように構成され適応され、実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場は、第1の長手方向軸及び/又は第2の長手方向軸から第2の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にかけての半径又は変位の増大とともに広がる。第2の径方向は、第1の径方向に直交することが好ましい。
第1の装置は、上記イオンの少なくとも一部を上記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又はイオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場を形成するように構成され適応され、DC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場は、第1の長手方向軸及び/又は第2の長手方向軸から第1の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にかけての半径又は変位の増大とともに増加する、及び/又は減少する、及び/又は変化する。第1の装置は、上記イオンの少なくとも一部を上記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又はイオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場を形成するように構成され適応され、DC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場は、第1の長手方向軸及び/又は第2の長手方向軸から第2の径方向へ第1の内接半径r1及び/又は第2の内接半径r2の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%にかけての半径又は変位の増大とともに増加する、及び/又は減少する、及び/又は変化する。第2の径方向は、第1の径方向に直交することが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、上記イオンの少なくとも一部をイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場は、イオントラップの長さに沿って、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの軸方向中心から上流及び/又は下流の少なくとも距離xmmにある1つ又は2つ以上の軸方向位置に形成され、xは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、(xi)10〜15、(xii)15〜20、(xiii)20〜25、(xiv)25〜30、(xv)30〜35、(xvi)35〜40、(xvii)40〜45、(xviii)45〜50、及び(xix)>50からなる群より選択されることが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、ゼロDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場は、イオントラップの長さに沿って、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの軸方向中心から上流及び/又は下流の少なくとも距離ymmにある1つ又は2つ以上の軸方向位置に提供され、yは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、(xi)10〜15、(xii)15〜20、(xiii)20〜25、(xiv)25〜30、(xv)30〜35、(xvi)35〜40、(xvii)40〜45、(xviii)45〜50、及び(xix)>50からなる群より選択されることが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、上記イオンの少なくとも一部を上記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又はイオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場は、イオントラップの長さに沿って、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの軸方向中心から上流及び/又は下流の少なくとも距離zmmにある1つ又は2つ以上の軸方向位置に形成され、zは、(i)<1、(ii)1〜2、(iii)2〜3、(iv)3〜4、(v)4〜5、(vi)5〜6、(vii)6〜7、(viii)7〜8、(ix)8〜9、(x)9〜10、(xi)10〜15、(xii)15〜20、(xiii)20〜25、(xiv)25〜30、(xv)30〜35、(xvi)35〜40、(xvii)40〜45、(xviii)45〜50、及び(xix)>50からなる群より選択されることが好ましい。
第1の装置は、
(i)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、DCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場の径方向位置及び/又は軸方向位置が実質一定にとどまるように、尚且つ/或いは
(ii)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場の径方向位置及び/又は軸方向位置が実質一定にとどまるように、尚且つ/或いは
(iii)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、DC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場の径方向位置及び/又は軸方向位置が実質一定にとどまるように、
第1の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に上記1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応されることが好ましい。
第1の装置は、
(i)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、DCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場の径方向位置及び/又は軸方向位置を変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように、尚且つ/或いは
(ii)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場の径方向位置及び/又は軸方向位置を変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように、尚且つ/或いは
(iii)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、DC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場の径方向位置及び/又は軸方向位置を変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように、
第1の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に上記1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応されることが好ましい。
第1の装置は、
(i)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、DCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場の振幅が実質一定にとどまるように、尚且つ/或いは
(ii)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場の振幅が実質一定にとどまるように、尚且つ/或いは
(iii)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、DC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場の振幅が実質一定にとどまるように、
第1の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に上記1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応されることが好ましい。
一実施形態にしたがうと、第1の装置は、
(i)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、DCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場の振幅を変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように、尚且つ/或いは
(ii)一動作モードにおいて、イオントラップからイオンが軸方向に放出されている間に、DC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場の振幅を変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように、
第1の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に上記1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応されることが好ましい。
第2の装置は、第1の電極セット内及び/又は第2の電極セット内において少なくとも一部のイオンを少なくとも1つの径方向に励起するために、尚且つ少なくとも一部のイオンが引き続き上記少なくとも1つの軸方向に追い立てられるように及び/又はイオントラップから軸方向に放出されるように及び/又はDCトラップ場、DCポテンシャル、若しくは障壁場を通過させられるように、第1の複数の電極の少なくとも一部に及び/又は第2の複数の電極の少なくとも一部に、第1の位相及び/又は第2の逆位相の1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧を印加するように構成され適応されることが好ましい。上記少なくとも1つの軸方向に追い立てられる及び/又はイオントラップから軸方向に放出される及び/又はDCトラップ場、DCポテンシャル、若しくは障壁場を通過させられるイオンは、第2の電極セット内に形成されたイオン経路に沿って移動することが好ましい。
第2の装置は、第1の電極セット内及び/又は第2の電極セット内において少なくとも一部のイオンを質量選択方式又は質量対電荷比選択方式で径方向に励起して、第1の電極セット内及び/又は第2の電極セット内における少なくとも一部のイオンの径方向運動を質量選択方式又は質量対電荷比選択方式で少なくとも1つの径方向に増大させるために、第1の複数の電極の少なくとも一部に及び/又は第2の複数の電極の少なくとも一部に、第1の位相及び/又は第2の逆位相の1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧を印加するように構成され適応されることが好ましい。
好ましくは、1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧は、(i)<50mV、(ii)50〜100mV、(iii)100〜150mV、(iv)150〜200mV、(v)200〜250mV、(vi)250〜300mV、(vii)300〜350mV、(viii)350〜400mV、(ix)400〜450mV、(x)450〜500mV、及び(xi)>500mVからなる群より選択されるピーク・ツー・ピーク振幅を有する。好ましくは、1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧は、(i)<10kHz、(ii)10〜20kHz、(iii)20〜30kHz、(iv)30〜40kHz、(v)40〜50kHz、(vi)50〜60kHz、(vii)60〜70kHz、(viii)70〜80kHz、(ix)80〜90kHz、(x)90〜100kHz、(xi)100〜110kHz、(xii)110〜120kHz、(xiii)120〜130kHz、(xiv)130〜140kHz、(xv)140〜150kHz、(xvi)150〜160kHz、(xvii)160〜170kHz、(xviii)170〜180kHz、(xix)180〜190kHz、(xx)190〜200kHz、(xxi)200〜250kHz、(xxii)250〜300kHz、(xxiii)300〜350kHz、(xxiv)350〜400kHz、(xxv)400〜450kHz、(xxvi)450〜500kHz、(xxvii)500〜600kHz、(xxviii)600〜700kHz、(xxix)700〜800kHz、(xxx)800〜900kHz、(xxxi)900〜1000kHz、及び(xxxii)>1MHzからなる群より選択される周波数を有する。
好ましい実施形態にしたがうと、第2の装置は、第1の複数の電極の少なくとも一部及び/又は第2の複数の電極の少なくとも一部に印加される1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は位相を実質一定に維持するように構成され適応されることが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、第2の装置は、第1の複数の電極の少なくとも一部及び/又は第2の複数の電極の少なくとも一部に印加される1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は位相を変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように構成され適応されることが好ましい。
第1の電極セットは、第1の長手方向中心軸を含むことが好ましく、
(i)第1の長手方向中心軸に沿って真直ぐ見通せ、尚且つ/或いは
(ii)第1の長手方向中心軸に沿って軸方向の物理的障害が実質何もなく、尚且つ/或いは
(iii)使用時に第1の長手方向中心軸に沿って伝送されるイオンは、実質100%のイオン伝送効率で伝送される。
第2の電極セットは、第2の長手方向中心軸を含むことが好ましく、
(i)第2の長手方向中心軸に沿って真直ぐ見通せ、尚且つ/或いは
(ii)第2の長手方向中心軸に沿って軸方向の物理的障害が実質何もなく、尚且つ/或いは
(iii)使用時に第2の長手方向中心軸に沿って伝送されるイオンは、実質100%のイオン伝送効率で伝送される。
好ましい実施形態にしたがうと、第1の複数の電極は、個々で及び/又はあわせて第1の断面積及び/又は断面形状を有し、第2の複数の電極は、個々で及び/又はあわせて第2の断面積及び/又は断面形状を有し、第1の断面積及び/又は断面形状は、第1の電極セット及び第2の電極セットの軸方向長さに沿った1つ又は2つ以上の地点において第2の断面積及び/又は断面形状と実質同じである、尚且つ/或いは第1の複数の電極の下流端における第1の断面積及び/又は断面形状は、第2の複数の電極の上流端における第2の断面積及び/又は断面形状と実質同じである。
次善に好ましい実施形態にしたがうと、第1の複数の電極は、個々で及び/又はあわせて第1の断面積及び/又は断面形状を有し、第2の複数の電極は、個々で及び/又はあわせて第2の断面積及び/又は断面形状を有し、第1の電極セット及び第2の電極セットの軸方向長さに沿った1つ又は2つ以上の地点並びに/或いは第1の複数の電極の下流端及び第2の複数の電極の上流端において、第2の断面積及び/又は断面形状に対する第1の断面積及び/又は断面形状の比は、(i)<0.50、(ii)0.50〜0.60、(iii)0.60〜0.70、(iv)0.70〜0.80、(v)0.80〜0.90、(vi)0.90〜1.00、(vii)1.00〜1.10、(viii)1.10〜1.20、(ix)1.20〜1.30、(x)1.30〜1.40、(xi)1.40〜1.50、及び(xii)>1.50からなる群より選択される。
好ましい実施形態にしたがうと、イオントラップは、第1の電極セット間に配置された第1の複数のヴェーン電極若しくは補助電極、及び/又は第2の電極セット間に配置された第2の複数のヴェーン電極若しくは補助電極を更に含むことが好ましい。
第1の複数のヴェーン電極若しくは補助電極及び/又は第2の複数のヴェーン電極若しくは補助電極は、それぞれ、第1の平面内に配置された第1のヴェーン電極群若しくは補助電極群及び/又は第2の平面内に配置された第2の電極群を含むことが好ましい。第2の平面は、第1の平面に直交することが好ましい。
第1のヴェーン電極群又は補助電極群は、第1の電極セットの第1の長手方向軸及び/又は第2の電極セットの第2の長手方向軸の片側に配置された第1のヴェーン電極セット又は補助電極セットと、第1の長手方向軸及び/又は第2の長手方向軸の反対側に配置された第2のヴェーン電極セット又は補助電極セットとを含むことが好ましい。第1のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット及び/又は第2のヴェーン電極セット若しくは補助電極セットは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100のヴェーン電極又は補助電極を含むことが好ましい。
第2のヴェーン電極群又は補助電極群は、第1の長手方向軸及び/又は第2の長手方向軸の片側に配置された第3のヴェーン電極セット又は補助電極セットと、第1の長手方向軸及び/又は第2の長手方向軸の反対側に配置された第4のヴェーン電極セット又は補助電極セットとを含むことが好ましい。第3のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット及び/又は第4のヴェーン電極セット若しくは補助電極セットは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100のヴェーン電極又は補助電極を含むことが好ましい。
好ましくは、第1のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット及び/又は第2のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット及び/又は第3のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット及び/又は第4のヴェーン電極セット若しくは補助電極セットは、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットを構成する異なる電極対の間に配置される。
イオントラップは、更に、(i)ヴェーン電極若しくは補助電極の少なくとも一部、及び/又は(ii)第1のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット、及び/又は(iii)第2のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット、及び/又は(iv)第3のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット、及び/又は(v)第4のヴェーン電極セット若しくは補助電極セットのいずれかに、1つ若しくは2つ以上の第1のDC電圧及び/又は1つ若しくは2つ以上の第2のDC電圧を印加するように構成され適応された第4の装置を含む。
1つ若しくは2つ以上の第1のDC電圧及び/又は1つ若しくは2つ以上の第2のDC電圧は、1つ若しくは2つ以上の過渡DC電圧若しくは過渡DCポテンシャル及び/又は1つ若しくは2つ以上の過渡DC電圧波形若しくは過渡DCポテンシャル波形を含むことが好ましい。
1つ若しくは2つ以上の第1のDC電圧及び/又は1つ若しくは2つ以上の第2のDC電圧は、
(i)イオンが、イオントラップの軸方向長さの少なくとも一部に沿って、軸方向に及び/又はイオントラップの入口若しくは第1の領域に向かって、追い立てられる、方向付けられる、加速される、若しくは駆り立てられるようにする、尚且つ/或いは
(ii)少なくとも1つの径方向に励起されているイオンが、イオントラップの軸方向長さの少なくとも一部に沿って、反対の軸方向に及び/又はイオントラップの入口若しくは第2の領域に向かって、追い立てられる、方向付けられる、加速される、若しくは駆り立てられるようにする
ことが好ましい。
1つ若しくは2つ以上の第1のDC電圧及び/又は1つ若しくは2つ以上の第2のDC電圧は、実質的に同じ振幅又は異なる振幅を有することが好ましい。1つ若しくは2つ以上の第1のDC電圧及び/又は1つ若しくは2つ以上の第2のDC電圧の振幅は、(i)<1V、(ii)1〜2V、(iii)2〜3V、(iv)3〜4V、(v)4〜5V、(vi)5〜6V、(vii)6〜7V、(viii)7〜8V、(ix)8〜9V、(x)9〜10V、(xi)10〜15V、(xii)15〜20V、(xiii)20〜25V、(xiv)25〜30V、(xv)30〜35V、(xvi)35〜40V、(xvii)40〜45V、(xviii)45〜50V、及び(xix)>50Vからなる群より選択されることが好ましい。
第2の装置は、第1の電極セット内及び/又は第2の電極セット内において少なくとも一部のイオンを少なくとも1つの径方向に励起するために、尚且つ少なくとも一部のイオンが引き続き上記少なくとも1つの軸方向に追い立てられるように及び/又はイオントラップから軸方向に放出されるように及び/又はDCトラップ場、DCポテンシャル、若しくは障壁場を通過させられるように、(i)ヴェーン電極若しくは補助電極の少なくとも一部、及び/又は(ii)第1のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット、及び/又は(iii)第2のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット、及び/又は(iv)第3のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット、及び/又は(v)第4のヴェーン電極セット若しくは補助電極セットのいずれかに、第1の位相及び/又は第2の逆位相の1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧を印加するように構成され適応されることが好ましい。
上記少なくとも1つの軸方向に追い立てられる及び/又はイオントラップから軸方向に放出される及び/又はDCトラップ場、DCポテンシャル、若しくは障壁場を通過させられるイオンは、第2の電極セット内に形成されたイオン経路に沿って移動することが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、第2の装置は、第1の電極セット内及び/又は第2の電極セット内において少なくとも一部のイオンを質量選択方式又は質量対電荷比選択方式で径方向に励起して、第1の電極セット内及び/又は第2の電極セット内における少なくとも一部のイオンの径方向運動を質量選択方式又は質量対電荷比選択方式で少なくとも1つの径方向に増大させるために、(i)ヴェーン電極若しくは補助電極の少なくとも一部、及び/又は(ii)第1のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット、及び/又は(iii)第2のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット、及び/又は(iv)第3のヴェーン電極セット若しくは補助電極セット、及び/又は(v)第4のヴェーン電極セット若しくは補助電極セットのいずれかに、第1の位相及び/又は第2の逆位相の1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧を印加するように構成され適応される。
好ましくは、1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧は、(i)<50mV、(ii)50〜100mV、(iii)100〜150mV、(iv)150〜200mV、(v)200〜250mV、(vi)250〜300mV、(vii)300〜350mV、(viii)350〜400mV、(ix)400〜450mV、(x)450〜500mV、及び(xi)>500mVからなる群より選択されるピーク・ツー・ピーク振幅を有する。
好ましくは、1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧は、(i)<10kHz、(ii)10〜20kHz、(iii)20〜30kHz、(iv)30〜40kHz、(v)40〜50kHz、(vi)50〜60kHz、(vii)60〜70kHz、(viii)70〜80kHz、(ix)80〜90kHz、(x)90〜100kHz、(xi)100〜110kHz、(xii)110〜120kHz、(xiii)120〜130kHz、(xiv)130〜140kHz、(xv)140〜150kHz、(xvi)150〜160kHz、(xvii)160〜170kHz、(xviii)170〜180kHz、(xix)180〜190kHz、(xx)190〜200kHz、(xxi)200〜250kHz、(xxii)250〜300kHz、(xxiii)300〜350kHz、(xxiv)350〜400kHz、(xxv)400〜450kHz、(xxvi)450〜500kHz、(xxvii)500〜600kHz、(xxviii)600〜700kHz、(xxix)700〜800kHz、(xxx)800〜900kHz、(xxxi)900〜1000kHz、及び(xxxii)>1MHzからなる群より選択される周波数を有する。
第2の装置は、複数のヴェーン電極又は補助電極の少なくとも一部に印加される1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は位相を実質一定に維持するように構成され適応されてよい。
第2の装置は、複数のヴェーン電極又は補助電極の少なくとも一部に印加される1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は位相を変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように構成され適応されてよい。
第1の複数のヴェーン電極又は補助電極は、個々で及び/又はあわせて第1の断面積及び/又は断面形状を有することが好ましい。第2の複数のヴェーン電極又は補助電極は、個々で及び/又はあわせて第2の断面積及び/又は断面形状を有することが好ましい。第1の断面積及び/又は断面形状は、第1の複数のヴェーン電極又は補助電極及び第2の複数のヴェーン電極又は補助電極の長さに沿った1つ又は2つ以上の地点において第2の断面積及び/又は断面形状と実質同じであることが好ましい。
第1の複数のヴェーン電極又は補助電極は、個々で及び/又はあわせて第1の断面積及び/又は断面形状を有してよく、第2の複数のヴェーン電極又は補助電極は、個々で及び/又はあわせて第2の断面積及び/又は断面形状を有する。第1の複数のヴェーン電極又は補助電極及び第2の複数のヴェーン電極又は補助電極の長さに沿った1つ又は2つ以上の地点において、第2の断面積及び/又は断面形状に対する第1の断面積及び/又は断面形状の比は、(i)<0.50、(ii)0.50〜0.60、(iii)0.60〜0.70、(iv)0.70〜0.80、(v)0.80〜0.90、(vi)0.90〜1.00、(vii)1.00〜1.10、(viii)1.10〜1.20、(ix)1.20〜1.30、(x)1.30〜1.40、(xi)1.40〜1.50、及び(xii)>1.50からなる群より選択される。
イオントラップは、第1の電極セットに第1のAC電圧若しくはRF電圧を且つ/又は第2の電極セットに第2のAC電圧若しくはRF電圧を印加するように構成され適応された第3の装置を更に含むことが好ましい。第1のAC電圧若しくはRF電圧及び/又は第2のAC電圧若しくはRF電圧は、イオンをイオントラップ内において径方向に閉じ込める働きをする擬ポテンシャル井戸を第1の電極セット内及び/又は第2の電極セット内に形成することが好ましい。
第1のAC電圧若しくはRF電圧及び/又は第2のAC電圧若しくはRF電圧は、(i)<50V、(ii)50〜100V、(iii)100〜150V、(iv)150〜200V、(v)200〜250V、(vi)250〜300V、(vii)300〜350V、(viii)350〜400V、(ix)400〜450V、(x)450〜500V、及び(xi)>500Vからなる群より選択される振幅を有することが好ましい。
第1のAC電圧若しくはRF電圧及び/又は第2のAC電圧若しくはRF電圧は、(i)<100kHz、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、及び(xxv)>10.0MHzからなる群より選択される周波数を有することが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、第1のAC電圧若しくはRF電圧及び/又は第2のAC電圧若しくはRF電圧は、実質的に同じ振幅及び/又は同じ周波数及び/又は同じ位相を有する。
次善に好ましい実施形態にしたがうと、第3の装置は、第1のAC電圧若しくはRF電圧及び/又は第2のAC電圧若しくはRF電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は位相を実質一定に維持するように構成され適応されてよい。
次善に好ましい実施形態にしたがうと、第3の装置は、第1のAC電圧若しくはRF電圧及び/又は第2のAC電圧若しくはRF電圧の周波数及び/又は振幅及び/又は位相を変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように構成され適応される。
一実施形態にしたがうと、第2の装置は、共振放出によって、及び/又は質量選択不安定性によって、及び/又はパラメトリック励振によって、イオンを励起させるように構成され適応される。
第2の装置は、第1の複数の電極及び/又は第2の複数の電極の少なくとも一部に、1つ又は2つ以上のDCポテンシャルを印加することによって、イオンの径方向変位を増加させるように構成され適応されることが好ましい。
イオントラップは、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットの上流及び/又は下流に配置された1つ又は2つ以上の電極を更に含むことが好ましく、少なくとも一部のイオンをイオントラップ内において軸方向に閉じ込めるために、一動作モードにおいて、上記1つ又は2つ以上の電極に、1つ又は2つ以上のDC電圧及び/又はAC電圧又はRF電圧が印加される。
一動作モードにおいて、少なくとも一部のイオンは、イオントラップの1つ又は2つ以上の上流領域及び/又は中間領域及び/又は下流領域においてトラップされる又は隔離されるように配置されることが好ましい。
一動作モードにおいて、少なくとも一部のイオンは、イオントラップの1つ又は2つ以上の上流領域及び/又は中間領域及び/又は下流領域においてフラグメント化されるように配置されることが好ましい。イオンは、(i)衝突誘起解離(「CID」)、(ii)表面誘起解離(「SID」)、(iii)電子移動解離、(iv)電子捕獲解離、(v)電子衝突又は電子衝撃解離、(vi)光誘起解離(「PID」)、(vii)レーザ誘起解離、(viii)赤外線放射誘起解離、(ix)紫外線放射誘起解離、(x)熱解離又は温度解離、(xi)電場誘起解離、(xii)磁場誘起解離、(xiii)酵素消化解離又は酵素分解解離、(xiv)イオン−イオン反応解離、(xv)イオン−分子反応解離、(xvi)イオン−原子反応解離、(xvii)イオン−準安定イオン反応解離、(xviii)イオン−準安定分子反応解離、(xix)イオン−準安定原子反応解離、及び(xx)電子イオン化解離(「EID」)によってフラグメント化されるように配置されることが好ましい。
一実施形態にしたがうと、イオントラップは、一動作モードにおいて、(i)>100ミリバール、(ii)>10ミリバール、(iii)>1ミリバール、(iv)>0.1ミリバール、(v)>10-2ミリバール、(vi)>10-3ミリバール、(vii)>10-4ミリバール、(viii)>10-5ミリバール、(ix)>10-6ミリバール、(x)<100ミリバール、(xi)<10ミリバール、(xii)<1ミリバール、(xiii)<0.1ミリバール、(xiv)<10-2ミリバール、(xv)<10-3ミリバール、(xvi)<10-4ミリバール、(xvii)<10-5ミリバール、(xviii)<10-6ミリバール、(xix)10〜100ミリバール、(xx)1〜10ミリバール、(xxi)0.1〜1ミリバール、(xxii)10-2〜10-1ミリバール、(xxiii)10-3〜10-2ミリバール、(xxiv)10-4〜10-3ミリバール、及び(xxv)10-5〜10-4ミリバールからなる群より選択される圧力に維持される。
一動作モードにおいて、少なくとも一部のイオンは、イオントラップの長さの少なくとも一部分に沿って通過するにつれて、それらのイオン移動度、又は電場強度によるそれらのイオン移動度の変化率にしたがって、時間的に分離されるように配置されることが好ましい。
一実施形態にしたがうと、イオントラップは、イオンをイオントラップにパルス入力するための、及び/又は実質的に連続したイオンビームをパルスイオンビームに変換するための、装置又はイオンゲートを更に含むことが好ましい。
一実施形態にしたがうと、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットは、複数の軸方向分割片に、又は少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20の軸方向分割片に、軸方向に分割される。一動作モードにおいて、複数の軸方向分割片の少なくとも一部は、異なるDCポテンシャルに維持されることが好ましく、尚且つ/或いは少なくとも一部のイオンが1つ又は2つ以上の軸方向DCポテンシャル井戸内にトラップされるように、複数の軸方向分割片の少なくとも一部に、1つ若しくは2つ以上の過渡DCポテンシャル若しくは過渡DC電圧又は1つ若しくは2つ以上の過渡DCポテンシャル波形若しくは過渡DC電圧波形が印加され、尚且つ/或いは少なくとも一部のイオンは、第1の軸方向及び/又は第2の反対の軸方向に追い立てられる。
一動作モードにおいて、(i)イオンは、イオントラップから軸方向に実質断熱的に、及び/又はイオンに軸方向エネルギを大きく付与することなく放出され、尚且つ/或いは(ii)イオンは、(i)<1eV、(ii)1〜2eV、(iii)2〜3eV、(iv)3〜4eV、(v)4〜5eV、(vi)5〜6eV、(vii)6〜7eV、(viii)7〜8eV、(ix)8〜9eV、(x)9〜10eV、(xi)10〜15eV、(xii)15〜20eV、(xiii)20〜25eV、(xiv)25〜30eV、(xv)30〜35eV、(xvi)35〜40eV、及び(xvii)40〜45eVからなる群より選択される範囲内の平均軸方向運動エネルギによって、軸方向にイオントラップから軸方向に放出され、尚且つ/或いは(iii)イオンは、軸方向にイオントラップから軸方向に放出され、軸方向運動エネルギの標準偏差は、(i)<1eV、(ii)1〜2eV、(iii)2〜3eV、(iv)3〜4eV、(v)4〜5eV、(vi)5〜6eV、(vii)6〜7eV、(viii)7〜8eV、(ix)8〜9eV、(x)9〜10eV、(xi)10〜15eV、(xii)15〜20eV、(xiii)20〜25eV、(xiv)25〜30eV、(xv)30〜35eV、(xvi)35〜40eV、及び(xvii)40〜45eVからなる群より選択される範囲内である。
一実施形態にしたがうと、一動作モードにおいて、異なる質量対電荷比を有する複数の異なる種のイオンは、実質同じ軸方向に及び/又は実質異なる軸方向に、イオントラップから軸方向に同時に放出される。
一動作モードにおいて、第1の複数の電極の少なくとも一部及び/又は第2の複数の電極の少なくとも一部に、付加的AC電圧が印加されてよい。1つ又は2つ以上のDC電圧は、少なくとも一部の正イオン及び負イオンがイオントラップ内に同時に閉じ込められるように且つ/又はイオントラップから軸方向に同時に放出されるように、付加的AC電圧に基づいて変調されることが好ましい。好ましくは、付加的AC電圧は、(i)<1V、(ii)1〜2V、(iii)2〜3V、(iv)3〜4V、(v)4〜5V、(vi)5〜6V、(vii)6〜7V、(viii)7〜8V、(ix)8〜9V、(x)9〜10V、及び(xi)>10Vからなる群より選択される振幅を有する。好ましくは、付加的AC電圧は、(i)<10kHz、(ii)10〜20kHz、(iii)20〜30kHz、(iv)30〜40kHz、(v)40〜50kHz、(vi)50〜60kHz、(vii)60〜70kHz、(viii)70〜80kHz、(ix)80〜90kHz、(x)90〜100kHz、(xi)100〜110kHz、(xii)110〜120kHz、(xiii)120〜130kHz、(xiv)130〜140kHz、(xv)140〜150kHz、(xvi)150〜160kHz、(xvii)160〜170kHz、(xviii)170〜180kHz、(xix)180〜190kHz、(xx)190〜200kHz、(xxi)200〜250kHz、(xxii)250〜300kHz、(xxiii)300〜350kHz、(xxiv)350〜400kHz、(xxv)400〜450kHz、(xxvi)450〜500kHz、(xxvii)500〜600kHz、(xxviii)600〜700kHz、(xxix)700〜800kHz、(xxx)800〜900kHz、(xxxi)900〜1000kHz、及び(xxxii)>1MHzからなる群より選択される周波数を有する。
イオントラップは、
(i)イオンがイオンガイド内において軸方向に閉じ込められないRF専用イオンガイド又はイオンガイドとしてイオントラップが動作するように、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットにDC電圧及び/又はAC電圧又はRF電圧が印加される、尚且つ/或いは
(ii)その他のイオンを大幅に減衰させつつ一部のイオンを質量選択的に伝送するためにイオントラップが質量フィルタ又は質量分析器として動作するように、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットに、DC電圧及び/又はAC電圧又はRF電圧が印加される
いずれかである、少なくとも1つの非トラップ動作モードにおいて動作されるように構成され適応されることも好ましい。
次善に好ましい一実施形態にしたがうと、一動作モードにおいて、とある瞬間において軸方向に放出されることを望まれないイオンは、径方向に励起されてよく、尚且つ/或いはとある瞬間において軸方向に放出されることを望まれるイオンは、これ以上径方向に励起されない、又は径方向への励起の程度が低い。
とある瞬間にイオントラップから軸方向に放出されることを望まれるイオンは、イオントラップから質量選択的に放出されることが好ましく、尚且つ/或いはとある瞬間において軸方向に放出されることを望まれないイオンは、イオントラップから質量選択的に放出されないことが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、第1の電極セットは、第1の多重極ロッドセット(例えば四重極ロッドセット)を含むことが好ましく、第2の電極セットは、第2の多重極ロッドセット(例えば四重極ロッドセット)を含むことが好ましい。イオンを第1の多重極ロッドセット内及び/又は第2の多重極ロッドセット内に径方向に閉じ込めるために、第1の多重極ロッドセット及び第2の多重極ロッドセットには、実質同じ振幅及び/又は周波数及び/又は位相のAC電圧又はRF電圧が印加されることが好ましい。
本発明の一態様にしたがうと、
第1の径方向変位を有するイオンをイオントラップ内において軸方向に閉じ込める働きをする第1のDC電場及び第2の径方向変位を有するイオンをイオントラップから抽出する又は軸方向に加速する働きをする第2のDC電場を形成するように構成され適応された第1の装置と、
その他のイオンがイオントラップ内において軸方向に閉じ込められたままの間に少なくとも一部のイオンがイオントラップから軸方向に放出されるように、上記少なくとも一部のイオンの径方向変位を質量選択的に変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように構成され適応された第2の装置と、
を含むイオントラップが提供される。
本発明の一態様にしたがうと、上記のイオントラップを含む質量分析計が提供される。
質量分析計は、
(a)イオントラップの上流に配置されたイオン源であって、(i)エレクトロスプレイイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコン上脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝撃(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレイイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオン源、及び(xviii)サーモスプレイイオン源からなる群より選択されるイオン源、並びに/或いは
(b)イオントラップの上流及び/又は下流に配置された1つ又は2つ以上のイオンガイド、並びに/或いは
(c)イオントラップの上流及び/又は下流に配置された1つ若しくは2つ以上のイオン移動度分離装置及び/又は1つ若しくは2つ以上の電界非対称イオン移動度分析計装置、並びに/或いは
(d)イオントラップの上流及び/又は下流に配置された1つ若しくは2つ以上のイオントラップ又は1つ若しくは2つ以上のイオントラップ領域、並びに/或いは
(e)イオントラップの上流及び/又は下流に配置された1つ又は2つ以上の衝突、フラグメンテーション、又は反応のセルであって、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーション装置、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーション装置、(iii)電子移動解離フラグメンテーション装置、(iv)電子捕獲解離フラグメンテーション装置、(v)電子衝突解離又は電子衝撃解離フラグメンテーション装置、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーション装置、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーション装置、(viii)赤外線放射誘起解離装置、(ix)紫外線放射誘起解離装置、(x)ノズル−スキマ界面フラグメンテーション装置、(xi)インソースフラグメンテーション装置、(xii)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーション装置、(xiii)熱源又は温度源フラグメンテーション装置、(xiv)電場誘起フラグメンテーション装置、(xv)磁場誘起フラグメンテーション装置、(xvi)酵素消化又は酵素分解フラグメンテーション装置、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーション装置、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーション装置、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーション装置、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーション装置、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーション装置、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーション装置、(xxiii)イオンを反応させて付加イオン又は生成イオンを形成するためのイオン−イオン反応装置、(xxiv)イオンを反応させて付加イオン又は生成イオンを形成するためのイオン−分子反応装置、(xxv)イオンを反応させて付加イオン又は生成イオンを形成するためのイオン−原子反応装置、(xxvi)イオンを反応させて付加イオン又は生成イオンを形成するためのイオン−準安定イオン反応装置、(xxvii)イオンを反応させて付加イオン又は生成イオンを形成するためのイオン−準安定分子反応装置、(xxviii)イオンを反応させて付加イオン又は生成イオンを形成するためのイオン−準安定原子反応装置、及び(xxix)電子イオン化解離(「EID」)フラグメンテーション装置からなる群より選択される1つ又は2つ以上の衝突、フラグメンテーション、又は反応のセル、並びに/或いは
(f)(i)四重極質量分析器、(ii)2D又はリニア四重極質量分析器、(iii)Paul又は3D四重極質量分析器、(iv)Penningトラップ質量分析器、(v)イオントラップ質量分析器、(vi)磁場セクタ型質量分析器、(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析器、(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析器、(ix)静電型又はオービトラップ質量分析器、(x)フーリエ変換静電型又はオービトラップ質量分析器、(xi)フーリエ変換質量分析器、(xii)飛行時間型質量分析器、(xiii)直交加速方式飛行時間型質量分析器、及び(xiv)リニア加速方式飛行時間型質量分析器からなる群より選択される質量分析器、並びに/或いは
(g)イオントラップの上流及び/又は下流に配置された1つ又は2つ以上のエネルギ分析器又は静電エネルギ分析器、並びに/或いは
(h)イオントラップの上流及び/又は下流に配置された1つ又は2つ以上のイオン検出器、並びに/或いは
(i)イオントラップの上流及び/又は下流に配置された1つ又は2つ以上の質量フィルタであって、(i)四重極質量フィルタ、(ii)2D又はリニア四重極イオントラップ、(iii)Paul又は3D四重極イオントラップ、(iv)Penningイオントラップ、(v)イオントラップ、(vi)磁場セクタ型質量フィルタ、及び(vii)飛行時間型質量フィルタからなる群より選択される1つ又は2つ以上の質量フィルタ、
のいずれかを更に含むことが好ましい。
本発明の一態様にしたがうと、デュアルモード装置であって、
第1の電極セット及び第2の電極セットと、
デュアルモード装置が第1の動作モードにおいて動作されるときに、第1の径方向変位を有するイオンをイオントラップ内において軸方向に閉じ込めるとともに第2の径方向変位を有するイオンをイオントラップから抽出する働きをするDCポテンシャル場をイオントラップに沿った位置に形成するように構成され適応された第1の装置と、
デュアルモード装置が上記第1の動作モードにおいて動作されるときに、その他のイオンがイオントラップ内において軸方向に閉じ込められたままの間に少なくとも一部のイオンがイオントラップから軸方向に放出されるように、上記少なくとも一部のイオンの径方向変位を質量選択的に変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように構成され適応された第2の装置と、
デュアルモード装置が第2の動作モードにおいて動作されるときに、デュアルモード装置が質量フィルタ若しくは質量分析器として、又はイオンが軸方向に閉じ込められることなく前方へ伝送されるRF専用イオンガイドとして動作するように、第1の電極セット及び/又は第2の電極セットに、DC電圧及び/又はRF電圧を印加するように構成され適応された第3の装置と、
を含むデュアルモード装置が提供される。
本発明の一態様にしたがうと、イオンをトラップする方法であって、
第1の複数の電極を含む第1の電極セット及び第2の複数の電極を含む第2の電極セットを提供することと、
第1の範囲内の径方向変位を有するイオンが、上記イオンの少なくとも一部をイオントラップ内において少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を受けるように、第1の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数の電極の1つ若しくは2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加することであって、異なる第2の範囲内の径方向変位を有するイオンは、
(i)上記イオンの少なくとも一部がイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込められないように、実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場、尚且つ/或いは
(ii)上記イオンの少なくとも一部を上記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又はイオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場
のいずれかを受ける、ことと、
イオントラップ内において少なくとも一部のイオンの径方向変位を変化させる、増加させる、減少させる、又は変更することと、
を含む方法が提供される。
本発明の一態様にしたがうと、上述されたイオンをトラップする方法を含む質量分析の方法が提供される。
本発明の一態様にしたがうと、イオントラップを含む質量分析計の制御システムによって実行可能なコンピュータプログラムであって、制御システムに
(i)イオントラップ内において第1の範囲内の径方向変位を有するイオンが、上記イオンの少なくとも一部をイオントラップ内において少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を受けるように、イオントラップの1つ又は2つ以上の電極に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加することであって、異なる第2の範囲内の径方向変位を有するイオンは、(a)上記イオンの少なくとも一部がイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込められないように、実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場、尚且つ/或いは(b)上記イオンの少なくとも一部を上記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又はイオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場、のいずれかを受ける、ことと、
(ii)イオントラップ内において少なくとも一部のイオンの径方向変位を変化させる、増加させる、減少させる、又は変更することと、
を行わせるように構成されたコンピュータプログラムが提供される。
本発明の一態様にしたがうと、コンピュータ実行可能命令を格納されたコンピュータ可読媒体であって、上記コンピュータ実行可能命令は、イオントラップを含む質量分析計の制御システムに、
(i)イオントラップ内において第1の範囲内の径方向変位を有するイオンが、上記イオンの少なくとも一部をイオントラップ内において少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を受けるように、イオントラップの1つ又は2つ以上の電極に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加することであって、異なる第2の範囲内の径方向変位を有するイオンは、(a)上記イオンの少なくとも一部がイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込められないように、実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場、尚且つ/或いは(b)上記イオンの少なくとも一部を上記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又はイオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場、のいずれかを受ける、ことと、
(ii)イオントラップ内において少なくとも一部のイオンの径方向変位を変化させる、増加させる、減少させる、又は変更することと、
を行わせるために、制御システムによって実行可能であるように構成される、コンピュータ可読媒体が提供される。
コンピュータ可読媒体は、(i)ROM、(ii)EAROM、(iii)EPROM、(iv)EEPROM、(v)フラッシュメモリ、及び(vi)光ディスクからなる群より選択されることが好ましい。
本発明の一態様にしたがうと、イオントラップであって、
第1の長手方向軸を有する第1の複数の電極を含む第1の電極セットと、
第2の長手方向軸を有する第2の複数の電極を含む第2の電極セットであって、第1の電極セットの下流に配置された第2の電極セットと、
第2の長手方向軸から第1の径方向への半径又は変位の増大とともにポテンシャルを減少させる障壁場を使用時に形成するために、第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応された第1の装置と、
第1の電極セット内において少なくとも1つの径方向に少なくとも一部のイオンを励起させるように尚且つ/或いは第1の電極セット内において少なくとも1つの径方向への少なくとも一部のイオンの径方向変位を増大させるように構成され適応された第2の装置と
を含むイオントラップが提供される。
本発明の一態様にしたがうと、イオントラップであって、
複数の電極と、
第1の径方向変位を有する少なくとも一部のイオンを軸方向に閉じ込める働きをするとともに第2の径方向変位を有する少なくとも一部のイオンを軸方向に抽出する働きをするDC場を形成するために、複数の電極の1つ又は2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応された第1の装置と、
を含むイオントラップが提供される。
イオントラップは、少なくとも一部のイオンを、上記イオンの少なくとも一部の径方向変位が変化され、増加され、減少され、又は変更され上記イオンの少なくとも一部がイオントラップから軸方向に抽出されるように励起させるように構成され適応された第2の装置を更に含むことが好ましい。
本発明の一態様にしたがうと、イオントラップであって、
複数の電極と、
イオントラップの第1の領域内の正イオンがイオントラップから軸方向に出て行くことを阻止するように、上記第1の領域にかかる正のDC電場を維持するように構成され適応された装置であって、イオントラップの第2の領域内の正イオンがイオントラップから軸方向に自由に出て行く又はイオントラップから軸方向に追い立てられる、引き付けられる、若しくは抽出されるように、上記第2の領域にかかるゼロ又は負のDC電場を維持するように構成され適応された装置と、
を含むイオントラップが提供される。
本発明の一態様にしたがうと、イオントラップであって、
複数の電極と、
イオントラップの第1の領域内の負イオンがイオントラップから軸方向に出て行くことを阻止するように、上記第1の領域にかかる負のDC電場を維持するように構成され適応された装置であって、イオントラップの第2の領域内の負イオンがイオントラップから軸方向に自由に出て行く又はイオントラップから軸方向に追い立てられる、引き付けられる、若しくは抽出されるように、上記第2の領域にかかるゼロ又は正のDC電場を維持するように構成され適応された装置と、
を含むイオントラップが提供される。
本発明の一態様にしたがうと、一動作モードにおいて、イオンは、イオントラップから軸方向に実質断熱的に放出される、イオントラップが提供される。
好ましい実施形態にしたがうと、軸方向への放出直前におけるイオントラップ内のイオンは、第1の平均エネルギE1を有し、イオントラップからの軸方向への放出直後におけるイオンは、第2の平均エネルギE2を有し、E1は、E2に実質等しい。好ましくは、軸方向への放出直前におけるイオントラップ内のイオンは、第1のエネルギ範囲を有し、イオントラップからの軸方向への放出直後におけるイオンは、第2のエネルギ範囲を有し、第1のエネルギ範囲は、第2のエネルギ範囲に実質等しい。好ましくは、軸方向への放出直前におけるイオントラップ内のイオンは、第1のエネルギの広がりΔE1を有し、イオントラップからの軸方向への放出直後におけるイオンは、第2のエネルギの広がりΔE2を有し、ΔE1は、ΔE2に実質等しい。
本発明の一態様にしたがうと、一動作モードにおいて、イオントラップの出口領域に径方向依存性の軸方向DC障壁が形成され、DC障壁は、第1の径方向変位において非ゼロ、正、又は負であるとともに、第2の径方向変位において実質ゼロ、負、又は正である、イオントラップが提供される。
本発明の一態様にしたがって、イオントラップであって、
第1の装置であって、
(i)第1の径方向変位を有するイオンをイオントラップ内において軸方向に閉じ込める働きをする第1の軸方向DC電場、及び
(ii)第2の径方向変位を有するイオンをイオントラップから抽出する又は軸方向に加速する働きをする第2の軸方向DC電場
を形成するように構成され適応された第1の装置と、
その他のイオンがイオントラップ内において軸方向に閉じ込められたままの間に、少なくとも一部のイオンがイオントラップから軸方向に放出されるように、上記少なくとも一部のイオンの径方向変位を質量選択的に変化させる、増加させる、減少させる、又はスキャンするように構成され適応された第2の装置と、
を含むイオントラップが提供される。
本発明の一態様にしたがうと、軸方向の物理的障害を実質有さないRFイオンガイドを含む装置を含む質量分析計であって、上記装置は、使用時に、印加される電場が少なくとも2つの動作モード又は状態の間で切り替わるように構成され、第1の動作モード又は状態において、装置は、とある質量範囲内又は質量対電荷比範囲内のイオンを前方へ伝送し、第2の動作モード又は状態において、装置は、1つ又は2つ以上の径方向依存性の軸方向DC障壁によってイオンが少なくとも1つの径方向に質量選択的に変位されるとともに軸方向に断熱的に放出されるリニアイオントラップとして働く、質量分析計が提供される。
本発明の一態様にしたうと、イオントラップであって、一動作モードにおいて、イオンは、(i)<1eV、(ii)1〜2eV、(iii)2〜3eV、(iv)3〜4eV、(v)4〜5eV、(vi)5〜6eV、(vii)6〜7eV、(viii)7〜8eV、(ix)8〜9eV、(x)9〜10eV、(xi)10〜15eV、(xii)15〜20eV、(xiii)20〜25eV、(xiv)25〜30eV、(xv)30〜35eV、(xvi)35〜40eV、及び(xvii)40〜45eVからなる群より選択される範囲内の平均軸方向運動エネルギによって軸方向にイオントラップから軸方向に放出される、イオントラップが提供される。
本発明の一態様にしたがうと、イオントラップであって、一動作モードにおいて、イオンは、軸方向にイオントラップから軸方向に放出され、軸方向運動エネルギの標準偏差は、(i)<1eV、(ii)1〜2eV、(iii)2〜3eV、(iv)3〜4eV、(v)4〜5eV、(vi)5〜6eV、(vii)6〜7eV、(viii)7〜8eV、(ix)8〜9eV、(x)9〜10eV、(xi)10〜15eV、(xii)15〜20eV、(xiii)20〜25eV、(xiv)25〜30eV、(xv)30〜35eV、(xvi)35〜40eV、及び(xvii)40〜45eVからなる群より選択される範囲内である、イオントラップが提供される。
本発明の一態様にしたがうと、イオントラップであって、
第1の複数のロッド電極を含む第1の多重極ロッドセットと、
第2の複数のロッド電極を含む第2の多重極ロッドセットと、
第1の装置であって、
(a)第1の範囲内の径方向変位を有するイオンが、上記イオンの少なくとも一部をイオントラップ内において少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を受けるように、尚且つ
(b)異なる第2の範囲内の径方向変位を有するイオンが、(i)上記イオンの少なくとも一部がイオントラップ内において上記少なくとも1つの軸方向に閉じ込められないようにする実質ゼロのDCトラップ場、無DCポテンシャル障壁、又は無障壁場、並びに/或いは(ii)上記イオンの少なくとも一部を上記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又はイオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場、のいずれかを受けるように、
第1の複数のロッド電極の1つ若しくは2つ以上に及び/又は第2の複数のロッド電極の1つ若しくは2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応された第1の装置と、
イオントラップ内において少なくとも一部のイオンの径方向変位を変化させる、増加させる、減少させる、又は変更するように構成され適応された第2の装置と、
を含むイオントラップが提供される。
イオントラップは、
第1の多重極ロッドセットを構成するロッド間に配置された第1の複数のヴェーン電極又は補助電極と、
第2の多重極ロッドセットを構成するロッド間に配置された第2の複数のヴェーン電極又は補助電極と、
を更に含むことが好ましい。
本発明の一実施形態にしたがうと、質量分析計であって、比較的高伝送のRFイオンガイド又はイオントラップを含む質量分析計が提供される。イオンガイド又はイオントラップは、イオントラップの長手方向中心軸が電極によって遮られないという点で有利である。これは、イオントラップの長手方向中心軸を跨ぐ十字型の電極が提供され、それゆえにイオントラップを通るイオンの伝送が大幅に低減される、既知のイオントラップと対照的である。
好ましい装置は、デュアルモード装置として動作されてよく、少なくとも2つの異なる動作モード又は状態の間で切り替えられてよい。例えば、第1の動作モード又は状態において、好ましい装置は、特定の質量若しくは質量対電荷比を有するイオンのみ又は特定の範囲内の質量対電荷比を有するイオンのみが前方へ伝送されるように、従来の質量フィルタ又は質量分析器として動作されてよい。その他のイオンは、大幅に減衰されることが好ましい。第2の動作モード又は状態においては、好ましい装置は、イオンが少なくとも1つの径方向に質量選択的に変位され、引き続き径方向依存性の軸方向DCポテンシャル障壁を断熱的に軸方向に通過して質量選択的に放出されることが好ましい、リニアイオントラップとして動作されてよい。
好ましいイオントラップは、RFイオンガイド又はRFロッドセットを含むことが好ましい。イオントラップは、同軸的に且つ互いにごく接近して又は隣接して配置された2つの四重極ロッドセットを含むことが好ましい。第1の四重極ロッドセットは、第2の四重極ロッドセットの上流に配置されることが好ましい。第2の四重極ロッドセットは、第1の四重極ロッドセットより大幅に短いことが好ましい。
好ましい実施形態にしたがうと、好ましい装置の少なくとも一端に、1つ又は2つ以上の径方向依存性の軸方向DCポテンシャル障壁が形成されることが好ましい。1つ又は2つ以上のDCポテンシャル障壁は、第2の四重極ロッドセットを構成する1つ又は2つ以上のロッドに、1つ又は2つ以上のDCポテンシャルを印加することによって形成されることが好ましい。1つ又は2つ以上の径方向依存性のDCポテンシャル障壁の軸方向位置は、イオンがイオントラップから放出されている間、実質固定されたままであることが好ましい。しかしながら、1つ又は2つ以上の径方向依存性のDCポテンシャル障壁の軸方向位置が経時的に変化されえるような、次善に好ましいその他の実施形態も考えられる。
好ましい実施形態にしたがうと、1つ又は2つ以上の軸方向DCポテンシャル障壁の振幅は、実質固定されたままであることが好ましい。しかしながら、1つ又は2つ以上の軸方向DCポテンシャル障壁の振幅が経時的に変化されえるような、次善に好ましいその他の実施形態も考えられる。
障壁場の振幅は、軸方向DCポテンシャル障壁の振幅が、好ましくは第1の径方向への半径の増大とともに減少するように、第1の径方向に変化することが好ましい。軸方向DCポテンシャル障壁の振幅は、また、軸方向DCポテンシャル障壁の振幅が、好ましくは第2の異なる(直交する)径方向への半径の増大とともに増加するように、第2の径方向にも変化することが好ましい。
好ましいイオントラップ内のイオンは、イオンガイド内又はイオントラップ内に追加時間変動場を印加する又は形成することによって、少なくとも1つの径方向に質量選択的に変位されることが好ましい。追加時間変動場は、RFイオンガイド又はRFイオントラップを構成する電極対の1つに追加AC電圧を印加することによって形成されることが好ましい電場を含むことが好ましい。
一実施形態にしたがうと、1つ又は2つ以上のイオンは、追加時間変動場の周波数をイオンガイド内の1つ又は2つ以上のイオンの質量依存性の特性振動周波数に近くなるように又は実質対応するように選択する又は設定することによって、質量選択的に径方向に変位されることが好ましい。
質量依存性の特性周波数は、イオントラップ内の1つ又は2つ以上のイオンの永年周波数に関連する、対応する、又は実質等しいことが好ましい。好ましい装置内のイオンの永年周波数は、イオンの質量対電荷比の関数である。永年周波数は、RF専用四重極について、以下の等式によって近似されてよい。
Figure 0005301537
ここで、m/zは、イオンの質量対電荷比であり、eは、電子電荷であり、Vは、ピークRF電圧であり、R0は、ロッドセットの内接半径であり、Ωは、RF電圧の角周波数である。
次に、添付の図面を参照にして、本発明の様々な実施形態がほんの一例として説明される。
本発明の好ましい一実施形態にしたがったイオントラップの概略を示す図である。 本発明の実施形態にしたがったイオントラップの出口に配置された出口電極間のポテンシャルエネルギをグラフ化したものであり、径方向依存性の軸方向DCポテンシャルの一例を示す図である。 図2に示されたポテンシャルエネルギのグラフを、y=0の線に沿って2つのy電極間の中間地点で切り取って示した断面である。 軸方向に分割されたヴェーン電極を隣り合うロッド電極間に提供された別の一実施形態にしたがったイオントラップの概略を示す図である。 図4に示された実施形態を(x=y)、z平面で示したものであり、ヴェーン電極が軸方向にどのように好ましく分割されるかを示す図である。 (x=−y)、z平面に配置された個々のヴェーン電極に好ましく印加されるDCポテンシャルシーケンスを示す図である。 (x=−y)、z平面に配置された個々のヴェーン電極にやはり好ましく印加される続きのDCポテンシャルシーケンスを示す図である。 (x=y)、z平面に配置された個々のヴェーン電極に好ましく印加されるDCポテンシャルシーケンスを示す図である (x=y)、z平面に配置された個々のヴェーン電極にやはり好ましく印加される続きのDCポテンシャルシーケンスを示す図である。 イオントラップについて、質量対電荷比300を有するイオンを励起させるためにロッド電極対の1つに周波数69.936kHzの追加AC電圧を印加された場合のSIMION(RTM)シミュレーションを、x、z平面で示す図である。 イオントラップについて、質量対電荷比299を有するイオンを励起させるためにロッド電極対の1つに周波数70.170kHzの追加AC電圧を印加された場合のSIMION(RTM)シミュレーションを、x、z平面で示す図である。 ヴェーン電極を含むイオントラップについて、AC電圧をヴェーン電極間に印加されるとともに振幅の等しい2つのDCポテンシャルシーケンスをヴェーン電極に印加された場合のSIMION(RTM)シミュレーションを、x、z平面で示す図である。 ヴェーン電極を含むイオントラップについて、AC電圧をヴェーン電極間に印加されるとともに振幅の異なる2つのDCポテンシャルシーケンスをヴェーン電極に印加された場合のSIMION(RTM)シミュレーションを、x、z平面で示す図である。 好ましいイオントラップ及びイオン検出器を含む、一実施形態にしたがった質量分析計を示す図である。 好ましいイオントラップ及びイオン検出器の上流に質量フィルタ又は質量分析器を配置された、一実施形態にしたがった質量分析計を示す図である。 質量フィルタ又は質量分析器の上流に好ましいイオントラップを配置された、一実施形態にしたがった質量分析計を示す図である。 一部の実験データを示す図である。
次に、図1を参照にして、本発明の一実施形態が説明される。1つ又は2つ以上の入口電極1と、2つの双極電極対2,3を含む第1の主四重極ロッドセットと、主四重極ロッドセットの下流に配置された短い第2の四重極ロッドセット(又はポストフィルタ)と、を含むイオントラップが提供されることが好ましい。より短い第2の四重極ロッドセットは、2つの双極電極対4,5を含むことが好ましく、これは、2つの放出電極対4,5を形成しているものと見なすことができる。短い第2の四重極ロッドセット4,5又はポストフィルタは、イオントラップからのイオンの軸方向の放出をサポートするように構成されることが好ましい。
一動作モードにおいて、イオンは、入口電極を又はイオントラップの上流に配置されることが好ましいイオンゲート(不図示)などの別のイオン光学部品をパルス駆動することによって、イオントラップに周期的にパルス入力されることが好ましい。イオントラップにパルス入力されるイオンは、第1の主四重極ロッドセットを構成することが好ましい2つの電極対2,3に対するRF電圧の印加によって、イオントラップ内において径方向に閉じ込められることが好ましい。イオンは、イオントラップ内において、擬ポテンシャル井戸内に径方向に閉じ込められることが好ましい。とある位相の印加RF電圧が、第1の主四重極ロッドセットを構成する1つのロッド電極対2に好ましく印加される一方で、やはり第1の主四重極ロッドセットを構成するもう1つのロッド電極対3には、逆位相の印加RF電圧が好ましく印加される。イオンは、イオンがイオントラップに入ったら入口電極1にDC電圧を印加することによって、そしてイオントラップの出口に配置された放出電極対4,5の少なくとも1対にDC電圧を印加することによって、イオントラップ内において軸方向に閉じ込められることが好ましい。2つの放出電極対4,5は、主四重極ロッドセットを構成するロッド電極2,3と同じRF電圧に維持されることが好ましい。主ロッド電極2,3に印加されるRF電圧の振幅及び周波数と、出口電極4,5に印加されるRF電圧の振幅及び周波数とは、同じであることが好ましい。イオンは、したがって、イオントラップ内において径方向に尚且つ軸方向に閉じ込められることが好ましい。
イオントラップ内のイオンは、一定時間の経過後に熱エネルギ状態にあるものと見なすことができるように、イオントラップ内に存在する背景ガスとの衝突によって、運動エネルギを失うことが好ましい。その結果、イオンは、イオントラップの中心軸に沿ってイオン雲を形成することが好ましい。
イオントラップは、様々に異なる動作モードにおいて動作されてよい。装置は、質量選択的又は質量対電荷比選択的なイオントラップとして動作するように構成されることが好ましい。この動作モードにおいては、イオントラップの出口に配置された出口電極対又は放出電極対4,5の少なくとも1対に、1つ又は2つ以上のDC電圧が印加されることが好ましい。放出電極対4,5の少なくとも1対に対する1つ又は2つ以上のDC電圧の印加は、結果として、イオントラップの出口領域に径方向依存性の軸方向DCポテンシャル障壁を生成させる又は形成させることが好ましい。次に、図2を参照にして、径方向依存性の軸方向DCポテンシャルの形態について、より詳しく説明される。
図2は、主ロッド電極2,3に印加されるDCバイアスに対して+4Vの電圧が一方のエンド電極対4に印加された一実施形態にしたがって2つの出口電極対4,5間に生成されるポテンシャル面を示している。もう一方のエンド電極対5には、主ロッド電極2,3に印加されるDCバイアスに対して−3Vの電圧が印加された。
2つのエンド電極対又は出口電極対4,5に印加された2つの異なるDC電圧の組み合わせは、その結果、イオントラップの出口に長手方向中心軸に沿って+0.5Vの軸上ポテンシャル障壁を形成させることが好ましい。DCポテンシャル障壁は、正電荷を帯びたイオン(すなわちカチオン)をイオンガイド内において熱エネルギ状態で軸方向にトラップするのに十分であることが好ましい。図2に示されるように、軸方向トラップポテンシャルは、y径方向には半径とともに増加するがx径方向には半径とともに減少することが好ましい。
図3は、x方向への半径とともに径方向依存性のDCポテンシャルがどのように変化するかを、標準座標系においてyがゼロに等しい場合について(すなわちy電極間の中間の線に沿って)示している。x=1、y=0における軸上ポテンシャルは、+0.5Vであり、ポテンシャルは、xの絶対値の増加とともに二次関数的に減少することが明らかである。イオンが、x径方向におよそ2mmより大きく径方向に移動しない限り、ポテンシャルは、正にとどまり、したがって、正電荷を帯びたイオンをイオントラップ内において軸方向に閉じ込める効果を有する。半径2mmの地点において、DCポテンシャルは、主四重極ロッドセットを構成する2つの双極ロッド電極対2,3に印加されたDCバイアスポテンシャルより低くなる。その結果、x方向に2mmを超える径方向運動を有するイオンは、イオントラップの出口領域に配置された抽出電極又は出口電極4,5の近くにあるときに抽出場を受けるようになる。抽出場は、2mmを超える径方向運動を有するイオンを加速してイオントラップから軸方向に追い出す働きをすることが好ましい。
イオントラップ内におけるx方向へのイオンの径方向運動を増大させ(て引き続きそれらのイオンに軸方向抽出場をかけ)る方法の1つは、主四重極ロッドセット2,3を構成する1つのロッド電極対3間に小さいAC電圧(又はティックル電圧)を印加することである。電極対3に印加されたAC電圧は、2つのロッド電極3間にx方向の電場を生成することが好ましい。電場は、電極3間におけるイオンの運動に作用することが好ましく、印加AC場の周波数でイオンをx方向に振動させることが好ましい。印加AC場の周波数が、好ましい装置内におけるイオンの永年周波数に一致する場合は(上記の式1を参照せよ)、これらのイオンは、印加された場と共鳴しあうようになることが好ましい。x方向へのイオン運動の振幅が、x方向の軸方向ポテンシャル障壁の幅より大きくなると、イオンは、これ以上イオントラップ内において軸方向に閉じ込められなくなる。その代わり、イオンは、抽出場を受けてイオントラップから軸方向に放出される。
イオントラップから軸方向に放出される際のイオンが径方向に閉じ込められたままにするために、エンド電極4,5には、RF電圧が印加されることが好ましい。
径方向依存性の軸方向DCポテンシャル障壁の位置は、固定されたままであることが好ましい。しかしながら、特定の質量対電荷比又は一定の範囲内の質量対電荷比を有するイオンの放出又は前方への移送をもたらすために、径方向依存性の軸方向障壁の位置が経時的に変化しえるような、次善に好ましいその他の実施形態も考えられる。
本発明の別の一実施形態にしたがったイオントラップが、図4に示されている。この実施形態にしたがうと、イオントラップは、軸方向に分割された複数のヴェーン電極6,7を更に含むことが好ましい。図4は、イオントラップのx、y平面を通る断面であり、イオントラップを構成する主ロッド電極2,3間に2つのヴェーン電極対6,7がどのように提供されてよいかを示している。ヴェーン電極6,7は、双極ロッド電極2,3間の2つの異なるゼロポテンシャル面内にあるように位置決めされることが好ましい。ヴェーン電極6,7は、イオントラップ内に最小変形のみを生じることが好ましい。
1つのヴェーン電極対6は、x=y平面にあるように配置されることが好ましく、もう1つのヴェーン電極対7は、x=−y平面にあるように配置されることが好ましい。ヴェーン電極対6,7は、ともに、イオントラップの中心軸より内接半径4手前の地点で終結することが好ましい。したがって、イオントラップの長手方向中心軸に沿った軸方向イオン誘導領域は、制限されない又は遮られない状態にとどまることが好ましい(すなわち、イオントラップの中心軸に沿ってクリアに見通せることが好ましい)。これに対して既知のイオントラップは、イオントラップの長手方向中心軸を跨ぐ十字型の電極を有しており、その結果、イオントラップを通るイオンの伝送が低減される。
図5は、図4に示されたイオントラップを(x=y)、z平面で示している。イオントラップに入るイオンは、主ロッド電極2,3に対するRF電圧の印加の結果として得られる擬ポテンシャル場によって、径方向に閉じ込められることが好ましい。イオンは、1つ又は2つ以上の入口電極8に及び出口電極9に好ましく印加されるDCポテンシャルによって、軸方向に閉じ込められることが好ましい。1つ又は2つ以上の入口電極8は、イオントラップの入口に配置されることが好ましく、出口電極9は、イオントラップの出口に配置されることが好ましい。
x=y平面に配置されたヴェーン電極6及びx=−y平面に配置されたヴェーン電極7は、x軸に沿って分割されることが好ましい。図5に示された特定の実施形態にしたがうと、ヴェーン電極6,7は、好ましい装置の長さに沿って20の個々の分割電極が配置されるように軸方向に分割されてよい。しかしながら、ヴェーン電極が異なる数の電極に軸方向に分割されえるような、その他の実施形態も考えられる。
1番目のヴェーン電極(#1)は、イオントラップの入口端に配置されることが好ましく、20番目のヴェーン電極(#20)は、イオントラップの出口端に配置されることが好ましい。
一実施形態にしたがうと、DCポテンシャルは、所定の順序にしたがってヴェーン電極6,7に好ましく印加される。図6A及び図6Bは、x=−y平面に配置された分割ヴェーン電極7に対して時刻T=T0からその後の時刻T=T21までの期間にわたって好ましく順次印加されるDC電圧シーケンスを例示している。初期時刻T=T0では、全ての分割ヴェーン電極7が、主ロッド電極2,3に印加されるDCバイアス(例えばゼロ)と同じであることが好ましい同じDCバイアスポテンシャルに維持されることが好ましい。続く時刻T1では、x=−y平面に配置された1番目のヴェーン電極(#1)に、正のDCポテンシャルが好ましく印加される。続く時刻T2では、x=−y平面に配置された1番目及び2番目のヴェーン電極(#1、#2)の両方に、正のDCポテンシャルが好ましく印加される。このシーケンスは、のちの時刻T20において、x=−y平面に配置された全てのヴェーン電極7にDCポテンシャルが好ましく印加されるまで、更なるヴェーン電極7へと次第にDCポテンシャルが好ましく印加されていくように、展開され繰り返されることが好ましい。最後に、続く時刻T21では、x=−y平面に配置されたヴェーン電極7に印加されたDCポテンシャルが、全てのヴェーン電極7から実質同時に排除されることが好ましい。負電荷を帯びたイオン(すなわちアニオン)の分析の場合は、正のDCポテンシャルではなく負のDCポテンシャルがヴェーン電極7に印加されることが好ましい。
x=−y平面に配置されたヴェーン電極7に正のDCポテンシャルが好ましく印加されるのと同時に、x=y平面に配置されたヴェーン電極6にも正のDCポテンシャルが好ましく印加される。図7A及び図7Bは、x=y平面に配置された分割ヴェーン電極6に時刻T=T0からその後の時刻T=T21までの期間にわたって好ましく順次印加されるDC電圧シーケンスを例示している。初期時刻T=T0では、全ての分割ヴェーン電極6が、主ロッド電極2,3に印加されたDCバイアス(すなわちゼロ)と同じであることが好ましい同じDCバイアスポテンシャルに維持されることが好ましい。続く時刻T1では、x=y平面に配置された20番目のヴェーン電極(#20)に、正のDCポテンシャルが好ましく印加される。続く時刻T2では、x=y平面に配置された19番目及び20番目のヴェーン電極(#19、#20)の両方に、正のDCポテンシャルが好ましく印加される。このシーケンスは、のちの時刻T20において、x=y平面に配置された全てのヴェーン電極6にDCポテンシャルが好ましく印加されるまで、更なるヴェーン電極6へと次第にDCポテンシャルが好ましく印加されていくように、展開され繰り返されることが好ましい。最後に、続く時刻T21では、x=y平面に配置されたヴェーン電極6に印加されたDCポテンシャルが、全てのヴェーン電極6から実質同時に排除されることが好ましい。負電荷を帯びたイオン(すなわちアニオン)の分析の場合は、正のDCポテンシャルではなく負のDCポテンシャルがヴェーン電極6に印加されることが好ましい。
平均してイオントラップの中心軸に対してランダムに分布されている正電荷を帯びたトラップイオンについて、図6A〜6B及び図7A〜6Bを参照にして上述された順序にしたがって、x=−y平面に配置された分割ヴェーン電極7にDCポテンシャルを印加すると同時にx=y平面に配置された分割ヴェーン電極6にDCポテンシャルを印加することの効果は、イオントラップの中心軸沿いに位置しているイオンを、イオントラップの入口に向かう方向及び好ましい装置の出口に向かう方向に追い立てることにある。その結果、イオントラップの中心軸沿いに位置しているイオンは、正味ゼロの力を受け、平均して、いずれの方向にもエネルギを得ないことになる。
しかしながら、x=y平面に配置されたヴェーン電極6及びx=−y平面に配置されたヴェーン電極7に、順次に尚且つ同時に2つのDCポテンシャルシーケンスが印加されるにつれて、ヴェーン電極6,7のいずれかに向かって中心軸から径方向に変位されたイオンは、好ましいことに、1つの方向にエネルギを得るようになる。したがって、径方向に励起されたイオンは、好ましいことに、ヴェーン電極6,7に印加された過渡DCポテンシャルによって、イオントラップの出口に向かって伝送される又は追い立てられる。
一実施形態にしたがうと、x=−y平面に配置されたヴェーン電極7の全ての対向する分割片間に、小さいAC電圧又はティックル電圧が印加されることも好ましい。この実施形態にしたがうと、とある位相のAC電圧が、中心軸の一方の側に配置された全てのヴェーン電極に好ましく印加される一方で、中心軸のもう一方の側に配置された全てのヴェーン電極には、逆位相のAC電圧が好ましく印加される。ヴェーン電極7に印加されるAC電圧又はティックル電圧の周波数は、好ましい装置内にあってイオントラップから軸方向に放出されることを望まれている1つ又は2つ以上のイオンの永年周波数(式1を参照せよ)に一致する又は対応することが好ましい。AC電圧の印加は、x=−y平面における(すなわち1つの径方向における)イオンの振動振幅を増大させることが好ましい。したがって、これらのイオンは、好ましいことに、好ましい装置の出口に向かう加速をもたらす場を、好ましい装置の入口に向かう加速をもたらす対応する場よりも、平均して強く受けることになる。ひとたび十分な軸方向エネルギを得たイオンは、好ましいことに、出口電極9によって提供される径方向依存性のDCポテンシャル障壁を乗り越える。出口電極9は、上述のような形で径方向依存性のDCポテンシャル障壁を形成するように構成されることが好ましい。第1の範囲内の質量対電荷比を有するイオンが第1の軸方向に追い立てられる、方向付けられる、加速される、又は駆り立てられる一方で、第2の異なる範囲内の異なる質量対電荷比を有するその他のイオンが第2の異なる軸方向に同時に又はその他の形で追い立てられ、方向付けられ、加速され、又は駆り立てられえるような、その他の実施形態も考えられる。第2の軸方向は、第1の軸方向に直交することが好ましい。
分割ヴェーン電極6,7を含むイオントラップであって、1つ又は2つ以上のDC電圧シーケンスがヴェーン電極6,7に順次印加されるイオントラップは、径方向に励起されたイオンが、好ましいことに、ヴェーン電極6,7に対する過渡DC電圧又は過渡DCポテンシャルの印加によって次いでイオントラップの出口領域へ活発に移送される、という利点を有する。イオンは、次いで、好ましいことに、イオントラップのz軸沿いにおけるそれらの初期位置に無関係に、遅延することなくイオントラップから軸方向に放出される。
図6A〜6B及び図7A〜7Bを参照にして上述されたようにヴェーン電極6,7に好ましく印加されるDC電圧シーケンス又はDCポテンシャルシーケンスは、ひとたび径方向に励起されたイオンをイオントラップの長さに沿って追い立てる又は平行移動させるために分割ヴェーン電極6,7に印加されえる特定の組み合わせのDCポテンシャルシーケンスを例示しているに過ぎない。しかしながら、1つ又は2つ以上のヴェーン電極セット6,7に異なるDCポテンシャルシーケンスを印加することによって同様の結果が得られる、その他の実施形態も考えられる。
上述のような分割ヴェーン電極6,7を含むイオントラップは、様々に異なる動作モードにおいて動作されてよい。例えば、一動作モードにおいては、x=y平面に配置された分割ヴェーン電極6に印加される過渡DC電圧の振幅が、x=−y平面に配置された分割ヴェーン電極7に印加される過渡DC電圧の振幅より大きくされてよい。平均してイオントラップの中心軸に対してランダムに分布されたイオンは、その結果、イオントラップの入口領域に向けて追い立てられることになる。イオンは、入口電極8に好ましく印加される適切なDC電圧の印加によって、イオントラップの局所にトラップされてよい。x=−y平面に配置されたヴェーン電極7の両端に好ましく印加される追加AC電圧又はティックル電圧の印加によって、x=−y平面内において十分に変位されたイオンは、好ましいことに、好ましい装置の出口に向けて加速される。イオンは、次いで、好ましいことに、イオントラップから軸方向に放出される。
イオンの共振質量対電荷比に関連する1つ又は2つ以上のパラメータを経時的に変化させる又はスキャンすることによって、異なる質量対電荷比を有するイオンがイオントラップから順次解放されえる又は放出されえるような、本発明の更なる実施形態が考えられる。例えば、式1を参照にすると、ロッド電極2,3に印加される主RF電圧の振幅V及び/又は周波数Ωが、(イオンをイオントラップ内において径方向に閉じ込めるために)実質一定に維持される一方で、ロッド電極対2,3の1つ及び/又はヴェーン電極セット6,7の1つに印加される追加AC電圧又はティックル電圧の周波数は、時間の関数として変化されてよい。
別の一実施形態にしたがうと、追加AC電圧若しくはティックル電圧の周波数及び/又は主ロッド電極2,3に印加される主RF電圧の周波数Ωが、実質一定に維持される一方で、主ロッド電極2,3に印加される主RF電圧の振幅Vは、時間の関数として変化されてよい。
別の一実施形態にしたがうと、追加AC電圧若しくはティックル電圧の周波数及び/又は主ロッド電極2,3に印加される主RF電圧の振幅Vが、実質一定に維持される一方で、主ロッド電極2,3に印加される主RF電圧の周波数Ωは、時間の関数として変化されてよい。
別の一実施形態にしたがうと、ロッド電極2,3に印加される主RF電圧の周波数Ω、及び/又は追加AC電圧若しくはティックル電圧の周波数、及び/又は主RF電圧の振幅Vは、任意の組み合わせで変化されてよい。
図8は、図1を参照にして図示及び説明されたように構成された好ましいイオントラップ内におけるイオン挙動のSIMION8(RTM)シミュレーションの結果を示している。ロッド電極2,3の内接半径R0は、5mmであるものとしてモデル化された。入口電極1は、+1Vの電圧でバイアスされるものとしてモデル化され、ロッドセット電極2,3は、0Vの電圧でバイアスされるものとしてモデル化された。ロッド電極2,3及び出口電極4,5に印加される主RF電圧は、150V(ゼロ・ツー・ピーク振幅)及び1MHzの周波数に設定された。一方の主ロッドセット電極対3及び一方のエンド電極対5には、同位相のRF電圧が印加された。他方の主ロッド電極対2及び他方のエンド電極対4には、逆位相のRF電圧が印加された。yエンド電極対4が、+4Vの電圧にバイアスされたのに対し、xエンド電極対5は、−3Vにバイアスされた。背景ガス圧力は、10-4トール(1.3×10-4ミリバール)のヘリウムであるものとしてモデル化された(抗力がイオン速度に線形比例する抗力モデル)。初期の軸方向イオンエネルギは、0.1eVに設定された。
初期時刻ゼロにおいて、イオントラップ内に5つのイオンが提供されるものとしてモデル化された。イオンは、質量対電荷比298、299、300、301、及び302を有するものとしてモデル化された。イオンは、次いで、xロッド電極対3間に周波数69.936kHzで30mV(ピーク・ツー・ピーク)の正弦波ACポテンシャル差を印加することによって生成された追加AC場又は励起AC場を直ちに受けた。これらのシミュレーション条件下では、質量対電荷比300を有するイオンの径方向運動が増大され、イオントラップの出口に配置された軸方向DCポテンシャル障壁の幅より大きくなった。その結果、質量対電荷比300を有するイオンは、1.3ms後にイオントラップから抽出された又は軸方向に放出された。シミュレーションは、その後10msに相当する期間にわたって同様に継続されたが、イオントラップから更なるイオンが抽出される又は放出されることはなかった。
第2のシミュレーションが実施され、その結果が図9に示された。xロッド電極対3に印加される追加AC電圧又は励起AC電圧又はティックル電圧の周波数が、69.936kHzから70.170kHzまで増大されたことを除き、全てのパラメータは、図8を参照にして上述された先のシミュレーションと同じに維持された。このシミュレーションでは、今度は質量対電荷比299を有するイオンが放出される一方で、その他のイオンは全て、イオントラップ内に閉じ込められたままであった。これは、式1と十分に一致している。
図10は、図5に示されたものと同様の分割ヴェーン電極6,7を含むイオントラップの性能をモデル化された別のSIMION8(RTM)シミュレーションの結果を示している。イオントラップは、図6A〜図6B及び図7A〜図7Bの両方を参照にして図示され説明されたのと実質同様な形でヴェーン電極6,7にDCポテンシャルシーケンスを印加されるモードにおいて動作されるものとしてモデル化された。
ヴェーン電極6,7は、2つの電極セットを含むものとしてモデル化された。一方のヴェーン電極セット6は、x=y平面に配置され、他方のヴェーン電極セット7は、x=−y平面に配置された。各ヴェーン電極セットは、2本の電極帯で構成され、中心のイオン誘導領域の一方の側に第1の電極帯を配置され、中心のイオン誘導領域のもう一方の側に第2の電極帯を配置された。第1及び第2の電極帯は、同一平面内に配置された。各電極帯は、20の個々のヴェーン電極で構成された。個々の各ヴェーン電極は、z軸に沿って(すなわち軸方向に)1mmに及んだ。隣り合うヴェーン電極の間は、1mmの間隔に維持された。四重極ロッドセットの内側の内接半径R0は、5mmに設定され、2つのヴェーン電極対6,7によってもたらされる内側の内接半径は、2.83mmに設定された。
入口電極8に+2VのDCバイアスが印加されるものとしてモデル化され、出口電極9にも+2VのDCバイアスが印加されるものとしてモデル化された。主ロッド電極2,3に印加されるDCバイアスは、0Vに設定された。ロッド電極2,3及び出口電極9に印加されるRFポテンシャルの振幅は、ゼロ・ツー・ピークが450Vであるように設定され、このRFポテンシャルの周波数は、1MHzに設定された。背景ガス圧力は、10-4トール(1.3×10-4ミリバール)のヘリウムにモデル化された(抗力モデル)。初期の軸方向イオンエネルギは、0.1eVに設定された。ヴェーン電極6,7には、分割ヴェーン電極6,7に対するDC電圧の印加間の時間ステップを0.1μsとして、過渡DC電圧が印加された。両分割ヴェーン電極セット6,7に印加されるDC電圧の振幅は、4Vに設定された。
時刻ゼロにおいて、イオントラップ内に6つのイオンが提供されるものとしてモデル化された。イオンは、質量対電荷比327、328、329、330、331、及び332を有するものとしてモデル化された。イオンは、次いで、x=−y平面に配置されたヴェーン電極7間に160mV(ピーク・ツー・ピーク)の正弦波ACポテンシャル差を印加することによって生成された追加AC場又は励起AC場を直ちに受けた。追加AC電圧又は励起AC電圧の周波数は、208.380kHzに設定された。これらのシミュレーション条件下では、質量対電荷比329を有するイオンの径方向運動がx=−y平面において増大され、その結果、イオンは、ヴェーン電極6,7に印加された過渡DC電圧によってz軸方向の軸方向エネルギを得た。質量対電荷比329を有するイオンは、出口電極9に向けて加速された。イオンは、出口電極9によって課されたDC障壁を乗り越えるのに十分な軸方向エネルギを得た。その結果、質量対電荷比329を有するイオンは、およそ0.65ms後にイオントラップから抽出された又は軸方向に放出された。その他のイオンは、イオントラップ内にトラップされたままであった。
図11は、分割ヴェーン電極6,7を有するイオントラップの第2のSIMION8(RTM)シミュレーションの結果を示している。イオントラップは、図10を参照にして上述されたのと同様に構成され、同様のモードにおいて動作された。しかしながら、このシミュレーションによると、出口電極9に印加されるDCバイアスは、0Vに引き下げられた。x=−y平面に配置されたヴェーン電極7に次第に印加されたDC電圧の振幅は、3.5Vに設定され、その一方で、x=y平面に配置されたヴェーン電極6に次第に印加されたDC電圧の振幅は、4.0Vに設定された。x=−y平面に配置されたヴェーン電極7間に印加された追加AC電圧又は励起AC電圧の振幅は、120mV(ピーク・ツー・ピーク)に設定され、207.380kHzの周波数を有した。
異なる質量対電荷比を有する6つのイオンは、最初、入口電極8に近いイオントラップの上流端に閉じ込められた。質量対電荷比329を有するイオンの径方向運動は、このイオンを好ましい装置の出口に向かって加速させる平均の力がこのイオンを好ましい装置の入口に向かって加速させる平均の力を超えるまで、x=−y平面において増大した。質量対電荷比329を有するイオンは、およそ0.9ms後に好ましい装置から出て行くことを示された。
本発明の一実施形態にしたがうと、好ましい装置は、複数の異なるモードにおいて動作されてよい。例えば、一動作モードにおいては、好ましい装置は、リニアイオントラップとして動作されてよい。別の一動作モードにおいては、好ましい装置は、適切なRF電圧及び分解DC電圧をロッド電極に印加することによって、従来の四重極ロッドセット質量フィルタ又は質量分析器として動作されてよい。Brubakerレンズ又はポストフィルタとしても知られる遅延DCランプを提供するために、出口電極にDC電圧が印加されてよい。
別の一実施形態にしたがうと、好ましい装置は、アイソレーションセル及び/又はフラグメンテーションセルとして動作されてよい。好ましい装置に入るように、イオンの集団が配置されてよい。次いで、分離イオンに、追加AC電圧又はティックル電圧が印加されてよい。追加AC電圧又はティックル電圧は、様々な質量対電荷比を有するイオンの永年周波数に対応する周波数を含むがイオントラップ内において最初に分離され保持されるべきイオンに対応する永年周波数は含まないことが好ましい。追加AC電圧又はティックル電圧は、不要な又は望まれていないイオンを共鳴励起させそれらのイオンをロッド又はシステムから失わせる働きをすることが好ましい。残っている分離イオンは、次いで、軸方向に放出される、且つ/又は好ましい装置内において1つ若しくは2つ以上のフラグメンテーションプロセスを経ることが好ましい。
一実施形態にしたがうと、イオンは、好ましい装置内において、衝突誘起解離(「CID」)、電子移動解離(「ETD」)、又は電子捕獲解離(「ECD」)を含む1つ又は2つ以上のフラグメンテーションプロセスを経てよい。これらのプロセスは、MSn実験を促進するために繰り返されてよい。結果として得られるフラグメントイオンは、下流に配置された更なる好ましい装置へ質量選択方式又は非質量選択方式で解放されてよい。
例えば図12に示されるように、好ましい装置が独立型装置として動作されえるような、その他の実施形態が考えられる。この実施形態にしたがうと、好ましい装置10の上流には、イオン源11が配置されてよく、好ましい装置10の下流には、イオン検出器12が配置されてよい。イオン源11は、レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、又はシリコン上脱離イオン化(「DIOS」)イオン源などのパルスイオン源を含むことが好ましい。
或いは、イオン源11は、連続イオン源を含んでよい。連続イオン源が提供される場合は、好ましい装置10の上流に、更なるイオントラップ13が提供されてよい。イオントラップ13は、好ましくは、イオンを蓄えて次いで好ましい装置10内に向けてイオンを周期的に解放する働きをする。連続イオン源は、エレクトロスプレイイオン化(「ESI」)イオン源、大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、電子衝撃(「EI」)イオン源、大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、化学イオン化(「CI」)イオン源、脱離エレクトロスプレイイオン化(「DESI」)イオン源、大気圧MALDI(「AP−MALDI」)イオン源、高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、電界イオン化(「FI」)イオン源、又は電界脱離(「FD」)イオン源を含んでよい。或いは、その他の連続イオン源又は擬似連続イオン源が使用されてよい。
一実施形態にしたがうと、好ましい装置は、ハイブリッド型質量分析計を形成するために組み入れられてよい。例えば、図13に示された一実施形態にしたがうと、好ましい装置10の上流に、フラグメンテーション装置13とともに質量分析器又は質量フィルタ14が提供されてよい。好ましい装置10の上流には、イオンを蓄え次いで好ましい装置10内に向けてイオンを周期的に解放するために、イオントラップ(不図示)も提供されてよい。フラグメンテーション装置13は、特定の動作モードにおいてイオントラップ又はイオンガイドとして動作するように構成されてよい。図13に示された実施形態にしたがうと、質量分析器又は質量フィルタ14によって先ず質量選択的に伝送されたイオンは、次いで、フラグメンテーション装置13内においてフラグメント化されてよい。結果として得られたフラグメントイオンは、次いで、好ましい装置10によって質量分析されることが好ましく、好ましい装置10から軸方向に放出されたイオンは、次いで、下流のイオン検出器12によって検出されることが好ましい。
図13に示されたような質量分析器又は質量フィルタ14は、四重極ロッドセット質量フィルタ又は別のイオントラップを含むことが好ましい。質量分析器又は質量フィルタ14は、磁場型の質量フィルタ若しくは質量分析器、又は軸方向加速飛行時間型質量分析器を含んでよい。
フラグメンテーション装置13は、衝突誘起解離(「CID」)、電子捕獲解離(「ECD」)、電子移動解離(「ETD」)、又は表面誘起解離(「SID」)によってイオンをフラグメント化するように構成されることが好ましい。
別の一実施形態にしたがった質量分析計が、図14に示されている。この実施形態にしたがうと、好ましい装置10は、フラグメンテーション装置13及び質量分析器15の上流に配置されることが好ましい。フラグメンテーション装置13は、好ましい装置10の下流に且つ質量分析器15の上流に配置されることが好ましい。好ましい装置10の上流には、イオンを蓄え次いでイオンを好ましい装置10内に向けて周期的に解放するために、イオントラップ(不図示)が配置されてよい。図14に示された幾何学的配置は、好ましい装置10からイオンを質量依存方式で軸方向に放出可能にすることが好ましい。好ましい装置10から軸方向に放出されるイオンは、次いで、フラグメンテーション装置13内においてフラグメント化されることが好ましい。結果として得られたフラグメントイオンは、次いで、質量分析器15によって分析されることが好ましい。
図14を参照にして示され上述された実施形態は、好ましい装置から質量依存方式で出て行くイオンが次いで好ましくはフラグメント化されるような、並列MS/MS実験の実施を促進することが好ましい。これは、フラグメントイオンから前駆イオンへの割り当てが高デューティサイクルで達成されることを可能にする。フラグメンテーション装置13は、衝突誘起解離(「CID」)、電子捕獲解離(「ECD」)、電子移動解離(「ETD」)、又は表面誘起解離(「SID」)によってイオンをフラグメント化するように構成されてよい。フラグメンテーション装置13の下流に配置された質量分析器15は、飛行時間型質量分析器又は別のイオントラップを含むことが好ましい。その他の実施形態にしたがうと、質量分析器15は、磁場型質量分析器、四重極ロッドセット質量分析器、又はオービトラップ質量分析計などフーリエ変換をベースにした質量分析器を含んでよい。
共振追加AC電圧又はティックル電圧を印加する以外の手段によってイオンがイオントラップ内において径方向に変位されえるような、本発明の更なる実施形態が考えられる。例えば、イオンは、質量選択不安定性によって、尚且つ/或いはパラメトリック励振によって、尚且つ/或いは1つ若しくは2つ以上のロッド電極2,3及び/又は1つ若しくは2つ以上のヴェーン電極6,7にDCポテンシャルを印加することによって、径方向に変位されてよい。
次善に好ましい実施形態にしたがうと、イオンは、イオントラップの一端又は両端から順次に尚且つ/或いは同時的に軸方向に放出されてよい。
一実施形態にしたがうと、好ましい装置は、異なる特定の質量対電荷比を有する複数の異なる種のイオンが実質同時に尚且つゆえに実質並列的にイオントラップから軸方向に放出されえるように、構成されてよい。
好ましい装置は、一動作モードにおいて、イオンが好ましい装置を通過する又は好ましい装置から放出されるとともに自身のイオン移動度にしたがって時間的に分離されえるように、より高圧で動作されてよい。
図13及び図14を参照にして上述されたハイブリッド型実施形態は、イオン移動度に基づく分離段階も含んでよい。イオンは、好ましい装置10内において、尚且つ/或いは例えば好ましい装置10の上流及び/又は下流に位置しえる1つ又は2つ以上の個々のイオン移動度装置内において、自身のイオン移動度にしたがって分離されてよい。
一実施形態にしたがうと、更なるヴェーン電極を提供するのではなく主四重極ロッド電極を分割することによって、位置を経時的に変化させる1つ又は2つ以上の径方向依存性DC障壁が提供されてよい。DCポテンシャルは、実質上述されたように順次に個々の電極分割片に印加されてよい。一方の又は両方の四重極ロッド対に跨るACティックル電圧励起は、質量選択的な軸方向への放出をもたらすことになる。
一実施形態にしたがうと、異なる径方向依存性障壁の位置は、経時的に変化されてよい。
一実施形態にしたがうと、径方向依存性障壁の位置の経時的変化を記述する異なる順序が実現されてよい。
一実施形態にしたがうと、障壁場の軸方向位置は、好ましい装置の長さの全部又は一部に沿って可変であってよい。
好ましい装置内において異なる電極分割片にDCポテンシャルを印加する間の時間間隔は、好ましい装置の動作時の任意の時点において可変であってよい。
異なる時間に異なる電極分割片に印加されるDC電圧の振幅は、好ましい装置の動作時の任意の時点において可変であってよい。
好ましい実施形態にしたがうと、同じ面内にある相対するヴェーン電極に対して同じDCポテンシャルが同時に印加されてよい。しかしながら、その他の実施形態にしたがうと、動作の原理を変更することなくより複雑なその他の順序で1つ又は2つ以上のDC電圧が印加されてよい。
1つ又は2つ以上の径方向依存性DC障壁が位置を経時的に変化させるように構成された実施形態に関しては、好ましい装置は、好ましい実施形態の下流に位置するエネルギ分析器とあわせて使用されてよい。エネルギ分析器は、例えば、静電分析器(「ESA」)又は適切なDCポテンシャルを印加されたグリッドを含んでよい。
1つ又は2つ以上の径方向依存性DC障壁が位置を経時的に変化させるように構成された実施形態に関しては、好ましい装置は、正イオン及び負イオンを実質同時に閉じ込める及び/又は分離するために使用されてもよい。
一実施形態にしたがうと、RF四重極は、更なるDCポテンシャルを追加されてよく、これは、式1の変更につながる。
好ましい実施形態の利点の1つは、装置又はイオントラップから出て行くイオンのエネルギの広がりが、好ましいことに、比較的低く尚且つ範囲が明確であることにある。これは、好ましい実施形態にしたがうと、放出プロセス時において、主径方向閉じ込めRFポテンシャルからイオンに対して軸方向エネルギが付与されない、という事実による。これは、閉じ込めRFポテンシャルから閉じ込めイオンに対する軸方向エネルギの移動が放出プロセスに不可欠であるような、その他の既知のイオントラップと対照的である。この軸方向エネルギの移動は、主RFポテンシャルとDC障壁電極との相互作用によって、装置出口のフリンジ場領域において発生しえる。
好ましい実施形態は、したがって、下流の質量分析器又は衝突セル若しくは反応ガスセルなどの下流装置にイオンが引き渡される場合に、特に有利である。下流装置の受け入れ基準は、入ってくるイオンの運動エネルギの広がりが大きいと、装置全体の伝送及び/又は性能が悪影響を受けることであってよい。
実質図1を参照にして上述されたように構成されたイオントラップから出て行くイオン群の運動エネルギは、図8を参照にして上述されたのと同様に、SIMION8(RTM)を使用して記録された。ロッド電極2,3の内接半径R0は、4.16mmであるものとしてモデル化された。入口電極1は、+1Vの電圧でバイアスされるものとしてモデル化され、ロッドセット電極2,3は、0Vの電圧でバイアスされるものとしてモデル化された。ロッド電極2,3及び出口電極4,5に印加される主RF電圧は、800V(ゼロ・ツー・ピーク振幅)及び1MHzの周波数に設定された。一方の主ロッドセット電極対3及び一方のエンド電極対5には、同位相のRF電圧が印加された。他方の主ロッド電極対2及び他方のエンド電極対4には、逆位相のRF電圧が印加された。yエンド電極対4が、+4Vの電圧にバイアスされたのに対し、xエンド電極対5は、−2Vにバイアスされた。背景ガス圧力は、10-4トール(1.3×10-4ミリバール)のヘリウムであるものとしてモデル化された(抗力がイオン速度に線形比例する抗力モデル)。初期の軸方向のイオンエネルギは、0.1eVに設定された。
初期時刻ゼロにおいて、イオントラップ内に質量対電荷比が609である300個のイオンが提供されるものとしてモデル化された。xロッド電極対3間に、周波数が240kHzで200mV(ピーク・ツー・ピーク)の正弦波ACポテンシャル差が印加された。ロッド電極に印加されたRF電圧は、次いで、その初期値から1000V(ゼロ・ツー・ピーク振幅)へ引き上げられた。これらのシミュレーション条件下では、イオンの径方向運動が増大され、イオントラップの出口に配置された軸方向DCポテンシャル障壁の幅より大きくなった。その結果、イオンは、イオントラップから軸方向に放出された。エンド電極5の端から4mmの距離において、イオンの運動エネルギが測定された。イオンの平均運動エネルギは2eVであり、運動エネルギの標準偏差は2.7eVであった。
比較のため、SIMION8(RTM)を使用して、別の既知の軸方向放出技術がモデル化された。使用された関連パラメータは、上述されたものと同じであり、装置の出口端にあるフリンジ場レンズは、+2VのDC電圧に設定された。この場合、イオンの平均運動エネルギは49.1eVであり、運動エネルギの標準偏差は56.7eVであった。
好ましい実施形態にしたがった実験的イオントラップからのデータが、図15に示されている。実験的イオントラップは、改良された三連四重極質量分析計に装着された。牛のインスリンの試料が、正イオンエレクトロスプレイイオン化を使用して導入され、4+荷電状態を形成するイオンが、イオントラップの上流の四重極質量フィルタを使用して選択された。2Da毎秒のスキャン速度で主閉じ込めRF振幅の分析スキャンが実施される前に、イオントラップは、およそ2秒にわたってイオンで満たされた。径方向依存性の障壁を生成するために、一方の出口電極対は+20ボルトのDCを、もう一方の出口電極セットは−14ボルトのDCを供給された。4+荷電状態の同位体エンベロープを内包する狭い質量対電荷比範囲のマススペクトルが示されている。これらの条件下において、およそ23,800の質量分解力が実現された。一実施形態にしたがうと、リニアイオントラップとして1つの多重極ロッドセットが用いられてよい。幾つかの特定の機械的構成が考えられる。
一実施形態にしたがうと、ロッドの少なくとも1つ又は2つ以上の領域に導電性コーティングで覆われた誘電体コーティングを更に含む固体金属ロッドが提供されてよい。コーティングは、ロッドの外径が実質増大しないような厚さであることが好ましい。導電性コーティングを施された領域には、次いで、1つ又は2つ以上の軸方向DC障壁を形成するためにDC電圧が印加されてよく、その一方で、主ロッドに印加されるRF電圧は、RF四重極場を形成するために、わずかな減衰のみでコーティングを通して働きかけることを意図される。
固体金属ロッドの代わりに、導電性コーティングを伴うセラミック、石英、又は類似のロッドが使用されえることを除き、上記の実施形態と実質同様であるような、別の一実施形態が考えられる。
最後に、誘電体コーティング及び導電性コーティングに代えて、ロッドの周囲に又はロッド表面内に作成された溝に薄い電気絶縁線を巻かれることを除き、上記2つの実施形態と実質同様であるような、更なる一実施形態が考えられる。
本発明は、好ましい実施形態を参照にして説明されてきたが、当業者ならば、添付の特許請求の範囲に定められた本発明の範囲から逸脱することなく各種の変更を形態及び詳細に加えられることが明らかである。

Claims (15)

  1. イオントラップであって、
    第1の複数の電極を含む第1の電極セットと、
    第2の複数の電極を含む第2の電極セットであって、前記第1の電極セットの下流に配置された第2の電極セットと、
    第1の装置であって、(a)第1の範囲内の径方向変位を有するイオンが、前記イオンの少なくとも一部を前記イオントラップ内において少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を受けるように、尚且つ(b)異なる第2の範囲内の径方向変位を有するイオンが、前記イオンの少なくとも一部を前記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又は前記イオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場を受けるように、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応され、前記第1の装置は、更に、少なくとも一部の正イオン及び/又は負イオンを、前記イオンの有する前記第1の電極セット及び/又は前記第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される径方向変位が第1の値より小さい場合に前記イオントラップ内において軸方向に閉じ込めるために、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に、前記1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応され、前記第1の装置は、少なくとも一部の正イオン及び/又は負イオンを、前記イオンの有する前記第1の電極及び/又は前記第2の電極の前記長手方向中心軸から測定される径方向変位が前記第1の値より大きい場合に抽出して又は加速して前記イオントラップから出す働きをする抽出場を使用時に形成するために、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に、前記1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応される、第1の装置と、
    前記イオントラップ内において少なくとも一部のイオンの径方向変位を変化させる、増加させる、減少させる、又は変更するように構成され適応された第2の装置と
    を備えるイオントラップ。
  2. 請求項1に記載のイオントラップであって、
    前記第1の電極セットは、第1の長手方向中心軸を含み、
    (i)前記第1の長手方向中心軸に沿って真直ぐ見通せ、尚且つ/或いは
    (ii)前記第1の長手方向中心軸に沿って軸方向の物理的障害が実質何もなく、尚且つ/或いは
    (iii)使用時に前記第1の長手方向中心軸に沿って伝送されるイオンは、実質100%のイオン伝送効率で伝送されるイオントラップ。
  3. 請求項1または請求項2記載のイオントラップであって、
    前記第2の電極セットは、第2の長手方向中心軸を含み、
    (i)前記第2の長手方向中心軸に沿って真直ぐ見通せ、尚且つ/或いは
    (ii)前記第2の長手方向中心軸に沿って軸方向の物理的障害が実質何もなく、尚且つ/或いは
    (iii)使用時に前記第2の長手方向中心軸に沿って伝送されるイオンは、実質100%のイオン伝送効率で伝送されるイオントラップ。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れかに記載のイオントラップであって、
    前記第2の装置は、
    (i)第1の時点において前記第1の範囲内に入る径方向変位を有する少なくとも一部のイオンに、続く第2の時点において前記第2の範囲内に入る径方向変位を持たせるように、尚且つ/或いは
    (ii)第1の時点において前記第2の範囲内に入る径方向変位を有する少なくとも一部のイオンに、続く第2の時点において前記第1の範囲内に入る径方向変位を持たせるように、
    構成されるイオントラップ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のイオントラップであって、
    (a)前記第1の複数の電極は、多重極ロッドセット、四重極ロッドセット、六重極ロッドセット、八重極ロッドセット、又は8を超える数のロッドを有するロッドセットを含み、尚且つ/或いは
    (b)前記第2の複数の電極は、多重極ロッドセット、四重極ロッドセット、六重極ロッドセット、八重極ロッドセット、又は8を超える数のロッドを有するロッドセットを含むイオントラップ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のイオントラップであって、
    前記第1の装置は、前記第1の電極セット及び/又は前記第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される第1の径方向への径方向変位とともに増加する及び/又は減少する及び/又は変化する電気的ポテンシャルを使用時に前記第1の電極セット内及び/又は前記第2の電極セット内に形成するために、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応され、尚且つ、
    前記第1の装置は、前記第1の電極セット及び/又は前記第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される第2の径方向への径方向変位とともに増加する及び/又は減少する及び/又は変化する電気的ポテンシャルを使用時に形成するために、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加するように構成され適応され、前記第2の径方向は、前記第1の径方向に直交する、イオントラップ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のイオントラップであって、
    前記第2の装置は、前記第1の電極セット内及び/又は前記第2の電極セット内において少なくとも一部のイオンを質量選択方式又は質量対電荷比選択方式で径方向に励起して、前記第1の電極セット内及び/又は前記第2の電極セット内における少なくとも一部のイオンの径方向運動を質量選択方式又は質量対電荷比選択方式で少なくとも1つの径方向に増大させるために、前記第1の複数の電極の少なくとも一部に及び/又は前記第2の複数の電極の少なくとも一部に、第1の位相及び/又は第2の逆位相の1つ又は2つ以上の励起電圧、AC電圧、又はティックル電圧を印加するように構成され適応されるイオントラップ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のイオントラップであって、更に、
    前記第1の電極セット間に配置された第1の複数のヴェーン電極若しくは補助電極、及び/又は前記第2の電極セット間に配置された第2の複数のヴェーン電極若しくは補助電極を備えるイオントラップ。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のイオントラップであって、
    前記第2の装置は、前記第1の複数の電極及び/又は前記第2の複数の電極の少なくとも一部に、1つ又は2つ以上のDCポテンシャルを印加することによって、イオンの径方向変位を増加させるように構成され適応される、イオントラップ。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のイオントラップであって、
    一動作モードにおいて、
    (i)イオンは、前記イオントラップから軸方向に実質断熱的に、及び/又は前記イオンに軸方向エネルギを大きく付与することなく放出され、尚且つ/或いは
    (ii)イオンは、(i)<1eV、(ii)1〜2eV、(iii)2〜3eV、(iv)3〜4eV、(v)4〜5eV、(vi)5〜6eV、(vii)6〜7eV、(viii)7〜8eV、(ix)8〜9eV、(x)9〜10eV、(xi)10〜15eV、(xii)15〜20eV、(xiii)20〜25eV、(xiv)25〜30eV、(xv)30〜35eV、(xvi)35〜40eV、及び(xvii)40〜45eVからなる群より選択される範囲内の平均軸方向運動エネルギによって、軸方向に前記イオントラップから軸方向に放出され、尚且つ/或いは
    (iii)イオンは、軸方向に前記イオントラップから軸方向に放出され、軸方向運動エネルギの標準偏差は、(i)<1eV、(ii)1〜2eV、(iii)2〜3eV、(iv)3〜4eV、(v)4〜5eV、(vi)5〜6eV、(vii)6〜7eV、(viii)7〜8eV、(ix)8〜9eV、(x)9〜10eV、(xi)10〜15eV、(xii)15〜20eV、(xiii)20〜25eV、(xiv)25〜30eV、(xv)30〜35eV、(xvi)35〜40eV、及び(xvii)40〜45eVからなる群より選択される範囲内である、イオントラップ。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のイオントラップであって、
    前記第1の電極セットは、第1の多重極ロッドセットを含み、前記第2の電極セットは、第2の多重極ロッドセットを含み、イオンを前記第1の多重極ロッドセット内及び/又は前記第2の多重極ロッドセット内に径方向に閉じ込めるために、前記第1の多重極ロッドセットに及び第2の多重極ロッドセットに、実質同じ振幅及び/又は周波数及び/又は位相のAC電圧又はRF電圧が印加される、イオントラップ。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のイオントラップを備える質量分析計。
  13. イオンをイオントラップにトラップする方法であって、
    第1の複数の電極を含む第1の電極セット及び第2の複数の電極を含む第2の電極セットを提供することであって、前記第2の電極セットは、前記第1の電極セットの下流に配置されることと、
    第1の範囲内の径方向変位を有するイオンが、前記イオンの少なくとも一部を前記イオントラップ内において少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を受けるように、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加することであって、異なる第2の範囲内の径方向変位を有するイオンは、前記イオンの少なくとも一部を前記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又は前記イオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場を受け、前記1つ又は2つ以上のDC電圧は、少なくとも一部の正イオン及び/又は負イオンを、前記イオンの有する前記第1の電極セット及び/又は前記第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される径方向変位が第1の値より小さい場合に前記イオントラップ内において軸方向に閉じ込めるために、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に印加され、前記1つ又は2つ以上のDC電圧は、少なくとも一部の正イオン及び/又は負イオンを、前記イオンの有する前記第1の電極及び/又は前記第2の電極の長手方向中心軸から測定される径方向変位が前記第1の値より大きい場合に抽出して又は加速して前記イオントラップから出す働きをする抽出場を使用時に形成するために、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に印加される、ことと、
    前記イオントラップ内において少なくとも一部のイオンの径方向変位を変化させる、増加させる、減少させる、又は変更することと、
    を備える方法。
  14. 請求項13に記載のイオンをトラップする方法を備える質量分析の方法。
  15. コンピュータ実行可能命令を格納たコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、第1の複数の電極を含む第1の電極セットと、第2の複数の電極を含む第2の電極セットであって前記第1の電極セットの下流に配置された第2の電極セットと、を含むイオントラップを含む質量分析計の制御システムに、
    (i)(a)第1の範囲内の径方向変位を有するイオンが、前記イオンの少なくとも一部を前記イオントラップ内において少なくとも1つの軸方向に閉じ込める働きをするDCトラップ場、DCポテンシャル障壁、又は障壁場を受けるように、尚且つ(b)異なる第2の範囲内の径方向変位を有するイオンが、前記イオンの少なくとも一部を前記少なくとも1つの軸方向に抽出する若しくは加速する及び/又は前記イオントラップから出す働きをするDC抽出場、加速DCポテンシャル差、又は抽出場を受けるように、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に、1つ又は2つ以上のDC電圧を印加することであって、前記1つ又は2つ以上のDC電圧は、少なくとも一部の正イオン及び/又は負イオンを、前記イオンの有する前記第1の電極セット及び/又は前記第2の電極セットの長手方向中心軸から測定される径方向変位が第1の値より小さい場合に前記イオントラップ内において軸方向に閉じ込めるために、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に印加され、前記1つ又は2つ以上のDC電圧は、少なくとも一部の正イオン及び/又は負イオンを、前記イオンの有する前記第1の電極及び/又は前記第2の電極の長手方向中心軸から測定される径方向変位が前記第1の値より大きい場合に抽出して又は加速して前記イオントラップから出す働きをする抽出場を使用時に形成するために、前記第2の複数の電極の1つ又は2つ以上に印加される、ことと、
    (ii)前記イオントラップ内において少なくとも一部のイオンの径方向変位を変化させる、増加させる、減少させる、又は変更することと、
    を行わせるために、前記制御システムによって実行可能であるように構成される、コンピュータ可読媒体。
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