JP5299668B2 - 電動工具 - Google Patents

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本発明は、モータにより回転駆動され、油圧によって発生する間欠的な打撃力を利用してボルト等の締結部材を締め付ける電動工具に関する。
ネジやボルト等の締め付けを行うインパクト式工具として、油圧を利用して打撃力を発生させるオイルパルスユニットを用いたインパクト式工具が知られている。オイルパルスユニットを用いた工具は、金属同士の衝突がないため作動音が低いという特徴を有する。オイルパルスユニットを用いたインパクト式工具を開示する例として、例えば特許文献1があり、オイルパルスユニットを駆動する動力としてエアモータが使用され、エアモータの出力軸がオイルパルスユニットに直結される。インパクト式工具を作動させるためのトリガスイッチを引くと、エアモータにエアーが供給される。そして規定の締め付けトルクで締め付けが行われたかを、トルクセンサや回転検出部からの出力を用いて検知し、規定の締め付け値に達したらエアモータの回転が停止される。
特開平6−91552号公報
近年、規定の締め付けトルクで締め付けが行われたかを、トルクセンサからの出力を用いて検知し、工具本体の外部に設けられた制御装置などにその値を出力する装置が知られている。そして、トレーサビリティ管理のために、締め付けトルク等のデータを収集し、記録するシステムが導入されつつある。しかし、トレーサビリティ管理のために、工具を外部の制御装置に接続するようにすると、すべての工具に要するコストが増大してしまうばかりか、工具を変更する際にも外部の制御装置の変更も必要とされることになる。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、締め付けトルクの検出を行い、規定どおりの締め付けが行われたかを工具本体内で判定し、そのデータを工具本体内で保存できる電動工具を提供することにある。
本発明の別の目的は、工具本体内で保存されたトレーサビリティ管理用のデータを簡単な方法で外部の装置に転送できる電動工具を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、トレーサビリティ管理の可能な電動工具をできるだけ安価に提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、ブラシレス直流方式のモータと、モータの回転を制御する回転制御回路と、モータによって駆動されるインパクトユニットと、インパクトユニットのシャフトに連結され先端工具が装着される出力軸を有する電動工具において、出力軸における衝撃トルクの発生を検知するトルク検出手段と、トルク検出手段の出力を用いて先端工具の締め付けを制御するマイコンと、不揮発性メモリを備え、マイコンは、締め付けが行われたごとに、その際の締め付けデータを不揮発性メモリに格納する。締め付けデータは、電動工具において締め付け作業が完了してから次の締め付け作業までに間に不揮発性メモリに格納される。締め付けデータは、例えば締め付けトルク値である。また、格納されたデータを照合し易くするために、マイコンのタイマを用いて、取得したデータの締め付けが行われた日時も含ませて、それを対応させて格納すると良い。
本発明の他の特徴によれば、不揮発性メモリは可搬型であり、電動工具に設けられた読み書き手段に着脱可能に装着される。可搬型の不揮発性メモリとしては、フラッシュメモリを用いた公知のメモリカード、例えばSDメモリカードなどを用いることができる。
本発明のさらに他の特徴によれば、締め付けデータは、電動工具において締め付け作業の完了から次の締め付け作業までに間に不揮発性メモリに格納するように構成した。さらに、不揮発性メモリへの格納が正常に行えなかった場合には、電動工具に設けられた表示装置にてアラーム表示をするようにした。
本発明のさらに他の特徴によれば、不揮発性メモリは内蔵型であり、不揮発性メモリに格納された締め付けデータは、工具に接続される信号ケーブルにより外部装置に送られるように構成した、又は、電動工具に設けられた無線通信装置を経由して外部装置に送られるように構成した。
請求項1の発明によれば、電動工具において、出力軸における衝撃トルクの発生を検知するトルク検出手段と、トルク検出手段の出力を用いて先端工具の締め付けを制御するマイコンと、不揮発性メモリとを備え、マイコンは締め付けが行われたごとにその際の締め付けデータを不揮発性メモリに格納するようにしたので、外部に接続される機器無しにトレーサビリティ管理を行えるインパクト工具を提供することができる。また、不揮発性メモリは可搬型であり、電動工具に設けられた読み書き手段に着脱可能に装着されるので、簡単な構成の追加と変更だけで、安価にトレーサビリティ管理が可能な電動工具を実現することができる。さらに、締め付けデータは、電動工具において締め付け作業が完了してから次の締め付け作業までに間に、不揮発性メモリに格納するようにしたので、締め付け作業中のマイコンの動作に影響を及ぼすことが無く、性能が比較的低いマイコンであっても本発明の構成を実現することができる。
請求項2の発明によれば、締め付けデータは、締め付けトルク値を含むので、管理の対象となるネジ、ボルト、ナットなどが設定されたトルク値で確実に締め付けられたかトレースすることができる。
請求項の発明によれば、締め付けデータは、締め付けトルク値に対応させて、締め付けが行われた日時を含むので、組立ラインにおける組立物の管理データと照合することにより、どの製品の何番目の締め付けデータなのかを容易にトレースすることができる。
請求項の発明によれば、電動工具に表示装置を設け、不揮発性メモリへの格納が正常に行えなかった場合には表示装置にてアラーム表示をするので、例えば、メモリの容量が一杯になった場合に、その旨を作業者に知らせることができる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。尚、本明細書の説明において電動工具の例としてインパクト式工具1を用いて説明し、インパクト式工具1の上下及び前後の方向は、図1中に示した方向として説明する。図1は本発明の実施形態に係るインパクト式工具及びそれに接続される電源ボックス30の全体を示す図であり、インパクト式工具1については断面図を示す。
インパクト式工具1は、電源ボックス30からケーブル2により供給される電力を利用してモータ3を駆動し、モータ3によってオイルパルスユニット4を駆動し、オイルパルスユニット4に連結された出力軸5に回転力と打撃力を与えることによって六角ソケット等の図示しない先端工具に回転打撃力を連続的又は間欠的に伝達してナット締めやボルト締め等の作業を行う。
ケーブル2により供給される電源は、例えば、直流140Vであり、この直流電源は、工具本体の外部に設けられた電源ボックス30内において、例えばAC100V等の商用電源29から生成される。電源ボックス30内においては、さらに制御系電源のために絶縁された直流12V電源が商用電源29から生成されケーブル2を介してインパクト式工具1に供給される。ケーブル2は、図示していないが内部に直流140V用の電源コードと、直流12V用の電源コードを含んで構成され、電源コードとインパクト式工具1及び/又は電源ボックス30は、図示しないコネクタを用いて脱着可能に構成しても良いし、脱着不能に構成しても良い。
モータ3は、内周側に永久磁石を有する回転子3bを有し、外周側に鉄心に巻かれた巻き線を有する固定子3aとからなるブラシレス直流モータであって、2つのベアリング10a、10bによってその回転軸20が固定され、ハウジングの筒状の胴体部6a内に収容される。ハウジングは、胴体部6aとグリップ部6bと回路基板収納部6cが、絶縁体たるプラスチック等により一体的に製造される。モータ3の後方側には、モータ3を駆動するための駆動回路基板7bが配設され、この回路基板上にはFETなどの半導体素子により構成されるインバータ回路及び回転子3bの回転位置を検出するための回転位置検出素子42が搭載される。回転位置検出素子42としては、例えば、ホール素子、ホールICを用いることができる。ハウジングの胴体部6a内部の最後端には、モータ3及びオイルパルスユニット4を冷却するための冷却ファン17が設けられる。
ハウジングの胴体部6aから略直角に下方向に延びるグリップ部6bの取り付け部付近にはトリガスイッチ8が配設され、その直下に設けられるスイッチ回路基板14によりトリガスイッチ8を引いた量に比例する信号が、モータ制御用基板7aに伝達される。グリップ部6bの下側、回路基板収納部6cには、モータ制御用基板7a、制御用基板9が設けられる。制御用基板9には、複数の発光ダイオード(LED)18が設けられ、発光ダイオード18の光は図示しないハウジングの透過窓を透過して又は貫通孔を通して外部から識別できるように配置される。
ハウジングの胴体部6a内に内蔵されたオイルパルスユニット4は、公知のものを用いることができ、主に、モータ3と同期して回転する駆動部分と、先端工具が取り付けられる出力軸5と同期して回転する出力部分の2つの部分により構成される。モータ3と同期して回転する駆動部分は、モータ3の回転軸20に直結されるライナプレート23と、その外周側で前方に延びるように固定される外径が略円柱形のライナ22を含む。出力軸5と同期して回転する出力部分は、メインシャフト24と、メインシャフト24の外周側に180度隔てて形成された溝にバネを介して取付けられるブレード(図示せず)を含んで構成される。メインシャフト24は一体成型されたライナ22に貫通されて、ライナ22とライナプレート23により形成される閉空間内で回転できるように保持され、この閉空間内には、トルクを発生するためのオイル(作動油)が充填される。
トリガスイッチ8が引かれてモータ3が起動されると、モータ3の回転力はオイルパルスユニット4に伝達される。オイルパルスユニット4の内部にはオイルが充填されていて、出力軸5に負荷のかかっていないとき、又は、負荷が小さい際には、オイルの抵抗のみで出力軸5はモータ3の回転にほぼ同期して回転する。出力軸5に強い負荷がかかると出力軸5及びメインシャフト24の回転が止まり、オイルパルスユニット4の外周側のライナ22のみが回転を続け、1回転に1箇所あるオイルを密閉する位置にてオイルの圧力が急激に上昇して衝撃パルスを発生し、尖塔状の強いトルクによりメインシャフト24を回転させ、出力軸5に大きな締付トルクが伝達される。以後、同様の打撃動作が数回繰り返され、締結対象が設定トルクで締め付けられる。
出力軸5は、後方側端部がベアリング10cにより保持され、前方がメタルベアリング16によりケース15に保持される。本実施形態のベアリング10cはボールベアリングであるが、ニードルベアリング等の他の軸受を用いることができる。
ケース15の内周側においては、出力軸5の径が細くなっており、その細くなった部分に、トルク検出センサである歪ゲージ12が取り付けられる。歪ゲージ12が取り付けられる箇所の前方側においては、出力軸5の径は太くなっており、その箇所に歪ゲージ12へ電圧を供給する入力用トランス11aと、歪ゲージ12からの出力を伝達する出力用トランス11bが設けられる。入力用トランス11aと出力用トランス11bは、それぞれ内周側と外周側に配置されるコイルを含んで構成される。内周側のコイルは出力軸5に固定され、外周側のコイルはケース15に固定される。入力用トランス11aと出力用トランス11bへの入出力電圧は、コネクタ11cを介して制御用基板9に伝達される。出力軸5に取り付けられる上述した各部分は、円筒形のケース15に組み込まれ、ケース15はハウジングの胴体部6aに取り付けられる。また、ケース15の下部には、接続用の配線等をカバーするための配線カバー19が設けられる。
ここで、図2を用いて歪ゲージ12の取り付け構造を説明する。図2は、図1のA−A部の断面図である。回転子3aの内周側の空間には、出力軸5が位置する。ここで、図2にて理解できるように、円柱形の出力軸5において、歪ゲージ12が取り付けられる位置だけが、その径が細くなっていて、断面が略四角形になっている。そして断面の外周に位置する4つの平面それぞれに歪ゲージ12を設けた。これによりトルクの検出精度を向上させることができる。
次に、前記モータ3の駆動制御系の構成と作用を図3に基づいて説明する。図3はモータ3の駆動制御系の回路構成を示すブロック図である。本実施形態では、モータ3は3相のブラシレス直流モータで構成される。このブラシレス直流モータは、いわゆるインナーロータ型であって、複数組のN極とS極を含む永久磁石(マグネット)を含んで構成される回転子(ロータ)3bと、スター結線された3相の固定子巻線U、V、Wからなる固定子3a(ステータ)と、回転子3bの回転位置を検出するために周方向に所定の間隔毎、例えば角度60°毎に配置された3つの回転位置検出素子42を有する。これら回転位置検出素子42からの位置検出信号に基づいて固定子巻線U、V、Wへの通電方向と時間が制御され、モータ3が回転する。
駆動回路基板7b上には、3相ブリッジ形式に接続されたFET(Field effect transistor)等の6個のスイッチング素子Q1〜Q6からなるインバータ回路を含んで構成される。ブリッジ接続された6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートは、回転制御回路51に接続され、6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ドレイン又は各ソースは、スター結線された固定子巻線U、V、Wに接続される。これによって、6個のスイッチング素子Q1〜Q6は、回転制御回路51から入力されたスイッチング素子駆動信号(H1〜H6の駆動信号)によってスイッチング動作を行い、インバータ回路に印加される140V直流を3相(U相、V相及びW相)電圧Vu、Vv、Vwとして固定子巻線U、V、Wに電力を供給する。
6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートを駆動するスイッチング素子駆動信号(3相信号)のうち、3個の負電源側スイッチング素子Q4、Q5、Q6をパルス幅変調信号(PWM信号)H4、H5、H6として供給し、トリガスイッチ8の操作量(ストローク)を印加電圧設定回路49で検出し、この操作量に基づいた設定信号をモータ制御用の第1のマイコン50に出力する。マイコン50は、PWM(Pulse Width Modulation)信号のパルス幅(デューティ比)を変化させることによってモータ3への電力供給量を調整し、モータ3の起動/停止と回転速度を制御する。
ここで、PWM信号は、インバータ回路の正電源側スイッチング素子Q1〜Q3又は負電源側スイッチング素子Q4〜Q6の何れか一方に供給され、スイッチング素子Q1〜Q3又はスイッチング素子Q4〜Q6を高速スイッチングさせることによって結果的に140V直流を各固定子巻線U、V、Wに供給する電力を制御する。尚、本実施の形態では、負電源側スイッチング素子Q4〜Q6にPWM信号が供給されるため、このPWM信号のパルス幅を制御することによって各固定子巻線U、V、Wに供給する電力を調整してモータ3の回転速度を制御することができる。このように本実施形態においては、スイッチング素子Q1〜Q6に供給される直流電流は140Vであり、二次電池を使う場合に比べて5〜15倍の高電圧であるので、モータ3の回転トルクを極めて高くすることができる。
マイコン50は、図示していないが、処理プログラムとデータに基づいて駆動信号を出力するための中央処理装置(CPU)、処理プログラムや制御データを記憶するためのROM、データを一時記憶するためのRAM、時計機能をもつタイマ等を含んで構成される。尚、詳細は後述するが、図3で示す回路には、絶縁されていない140V直流が直接又は減圧されて供給される。
次に図4を用いて、本発明の実施形態に係るインパクト式工具1の回路の全体構成を説明する。本実施形態によるインパクト式工具1においては、モータ3及びモータ制御回路の電源となるモータ系電源と、その他の制御機器への制御用電源の2系統に分け、モータ系電源を非絶縁電源で、制御系電源を絶縁された電源で駆動されるように構成したことに特徴がある。
インパクト式工具の内部に組み込まれる全体回路1Aには、外部に設けられる電源ボックス30からケーブル2を介して2つの直流が供給される。一つはAC電源29に対して絶縁されていない140V直流と、AC電源29に対して絶縁されている12V直流である。140V直流は、電源ボックス30内の全波整流平滑回路31により生成される。全波整流平滑回路31は、例えば、整流素子4個をブリッジ状に接続した整流回路とコンデンサによる平滑回路を組み合わせたもので、本実施形態ではトランスを利用しないので、AC電源29に対して非絶縁の状態にある。これは、モータ3に大電流が流れるため、仮にAC電源29に対して絶縁しようとすると巨大なトランスが必要になるので、電源ボックス30を実用上差し障りがない程度に小型化するのが難しくなるからである。また、140V直流の供給先が図3で示す回路部分、特に、モータ3とモータ制御用の回路のみであるため、絶縁対策が比較的容易であるので、140V直流として絶縁されていない電源を用いた。12V直流は、電源ボックス30内に配置されるAC/DCコンバータ32により生成され、本実施形態ではAC/DCコンバータ32は、その出力が絶縁された公知の機器を用いる。
回路1A内において、140V直流はモータ3の駆動回路基板7bに供給される。これは、図3のインバータ回路への供給電源である。駆動回路基板7bに搭載されたインバータ回路により、所定のモータ3の固定子巻線に駆動電源が供給される。140V直流はさらに、18V定電圧回路53にも供給される。18V定電圧回路53は絶縁されておらず、直流140Vの電源から18Vの直流電圧を作成するもので、公知のチョッパー回路で構成しても良いし、ツエナーダイオードとトランジスタを組み合わせた公知の定電圧回路で構成しても良い。次に、18V定電圧回路53から出力された非絶縁18V直流は、第2の定電圧回路52に入力され、第2の定電圧回路52によって、マイコン50が動作するための動作電圧Vcc、例えば5V直流と3.3V直流が生成される。ここで、18V定電圧回路53と第2の定電圧回路52の二段構成にしたのは、設計上の便宜のためであり、可能ならば140V直流から直接マイコン50が動作するための動作電圧を作成しても良い。また、マイコン50を動作させるための信号を、絶縁された12V電源からでなく、絶縁されていない140V電源から作成するようにしたのは、マイコン50に接続される回路が絶縁されていないため、ここに絶縁された12V電源を用いると絶縁状態でなくなってしまうからである。図4から明らかなように、モータ3及びモータ制御用の回路はすべて非絶縁の直流140Vを利用して駆動される。
電源ボックス30で生成された絶縁された12V直流電源は、モータ3の制御用の回路以外の部分に入力される。まず、12V直流電源は定電圧回路64に入力され、そこでマイコン60の動作用の電圧、例えば5V、3.3Vが生成され、マイコン60に入力される。また。±12V電源71に入力される。±12V電源71では、+12Vに加えて−12Vの電圧をも生成する。−12Vは歪ゲージ12の駆動用に用いられる。なお、±12V電源71から歪ゲージ12に至る電源ラインは図示していない。
12V直流は、さらに冷却ファン17にも供給される。冷却ファン17は、マイコン60の制御により、ドライブ回路72によりON/OFFが制御される。ここで、冷却ファン17を絶縁された12V直流で駆動するようにしたのは、それを制御するマイコン60が絶縁された電源で駆動されるからである。尚、マイコン50によって冷却ファン17を制御するならば、非絶縁系の定電圧回路53の電源を使うことも可能である。但し、冷却ファン17には、空気流入口や空気流出口などが形成されており、内部に埃やゴミが入ったりすることがありうる。また、冷却ファン17の取り付け位置がハウジング6の本体部6aの後端部に位置していることから、誤って触れてしまう恐れを極力さけるためにも、冷却ファン17は絶縁された電源によって駆動される方が好ましい。
歪ゲージ12には、トルク検出回路70の発回路70aからの発信号が入力用トランス11aを介して供給される。同時に発回路70aからの基準振幅はマイコン60にも送られる。この基準振幅の入力がないとマイコン60はトルク波形から歪みを検出できないからである。出力軸5にオイルパルスユニット4による締め付けトルクが生ずると、歪ゲージ12の抵抗値が変化し、この抵抗値の変化により変化した基準振幅信号は出力用トランス11bを介して検波回路70bに伝達され検波される。検波回路70bには、マイコン60からオフセット調整用の信号が送られているので、オフセット補正された検波信号をマイコン60に出力する。マイコン60は、角度センサ13と歪ゲージ12の出力値を用いて、どのくらいのトルク値で締め付けが行われたかを算出する。
マイコン60には、メモリカードR/W(Reader/Writer)が接続され、メモリカードR/W80には、可搬型のメモリカード81が着脱可能にセットされ、このメモリカード81には、例えばフラッシュメモリを用いたSDカードが用いられる。マイコン60によって算出された締め付けトルクのデータは、一つの締め付け対象の締め付けが完了するごとに、メモリカード81に格納される。メモリカード81に格納されたデータは、メモリカード81を他のパーソナルコンピュータ等にセットすることによって、他の装置で読み出し可能である。
第1のマイコン50と、第2のマイコン60は、信号ラインにて接続されて双方でデータのやりとりを行うが、双方の絶縁関係を保つために信号ラインはフォトカプラ65を介して接続される。第2のマイコン60から第1のマイコン50に送られる信号は、モータ3の回転駆動力を設定するための信号68及びモータ3の回転をOFFさせるためのON/OFF制御信号69である。第1のマイコン50から第2のマイコン60に送られるデータは、トリガ8がONされたか否かの信号66と、モータ3の回転駆動力を設定するための信号68に対するAcknowledge信号67である。もちろん、信号の種類はこれだけに限られず、その他の信号のやりとりをすることは任意である。
次に、本実施形態のインパクト式工具1を用いたボルトの締め付け時の動作を図5のフローチャートを用いて説明する。まず事前準備として作業者は、工具本体の操作ボタン(図示せず)を操作して、締め付けトルク値を設定する。締め付けトルク設定手段62は、入力されたトルク値を認識してマイコン60に出力する。作業者が先端工具にボルト等をセットし、被締付材に位置決めした後にトリガスイッチ8を引くと(ステップ101)、トリガの引かれたストロークに応じてマイコン50はモータ3を回転させるように制御する(ステップ102)。この際、マイコン60は設定された締め付けトルクに応じて、モータ3の回転速度を制限することがあり、例えば、締め付けトルクが低い場合は、マイコン60はマイコン50に対して低い締め付けトルクに対応するモータ3の最大回転数を指示しておく。マイコン50は、そのようにモータ3の回転数が制限されているときは、トリガスイッチ8のストロークがそれ以上の回転数に対応している場合でも、モータ3の回転が指示された最大回転数に保たれるように制御する。
次に、マイコン60は歪ゲージ12の出力をモニターし、所定の締め付けトルクで締め付けが行われたかをモニターする(ステップ103)。マイコン60は設定された締め付けトルク値で正常に締め付けが完了したかを算出し(ステップ104)、設定値に到達したと判定したら(ステップ105)、信号線69を介してモータ3をOFFさせる信号をマイコン50に送る。設定値に到達していないと判定したらステップ101に戻り、ステップ102から105を繰り返す。
マイコン50は、そのモータOFFの指示を受けると、トリガスイッチがONになっているにも関わらずにモータ3の回転を停止させる。作業者は、モータ3が自動停止したことにより作業が完了したことを認識できる。この際、マイコン60は締め付けデータを、メモリカード81に格納する(ステップ106)。格納される締め付けデータには、連続番号、トルク値を含む。尚、外部装置によりメモリカード81に格納された締め付けデータが読み出された後に、締め付け対象との照合を容易にするために、連続番号だけでなく日時のデータも含めて格納しても良い。この日時は、マイコン60に内蔵されたタイマを用いれば容易に実現できる。次に、締め付けデータがメモリカード81に正常に判断され、正常に格納されていたら次の締め付け作業に進むべくステップ101に戻り、正常に格納されていなかったら、LED18を使って格納エラーを示すアラームを表示して(ステップ108)、終了する。ここで、アラーム表示には、メモリカード81の容量が一杯になったことと、読み書き動作異常になったことで、表示方法がそれぞれ異なるようにすると使い勝手が良く好ましい。
尚、詳細の説明は省略するが、マイコン60は送受信機61を有し、メモリカード81に格納された締め付けデータを、上位装置などの外部の機器に送信することも可能である。この場合、送受信機61と上位装置は、図示しないケーブルを用いて接続される。また、有線方式を用いずに、公知の無線通信方式を用いても良い。
以上、説明したように本実施形態によれば、締め付けトルクの検出を行い、規定どおりの締め付けが行われたかを工具本体内で判定し、そのデータを工具本体内で保存できるインパクト式工具を実現できたので、トレーサビリティ管理の可能なインパクト式工具を安価に提供することができる。
尚、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、メモリカードとしてSDメモリカードを用いたが、これに限定されるものではなく、他の規格によるメモリカードであっても良い。また、格納されたデータの読み出しを送受信機を用いて行う場合には、着脱可能なメモリである必要はなく、工具内部に設けられたフラッシュメモリあるいは任意の不揮発性メモリ装置であっても良い。さらに、メモリカードに格納するデータは、上述したものだけに限られず、他の公知のセンサや検出手段からのデータを併せて格納するようにしても良い。
本発明の実施形態に係るインパクト式工具の全体を示す断面図である。 図1のA−A部の断面図である。 モータ3の駆動制御系の回路構成を示すブロック図である。 本発明に係るインパクト式工具1の回路の全体構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るインパクト式工具1を用いたボルトの締め付け時の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 インパクト式工具 1A (内部に組み込まれる)全体回路
2 ケーブル 3 モータ
3a モータの固定子 3b モータの回転子
4 オイルパルスユニット
5 出力軸 6a (ハウジングの)胴体部
6b (ハウジングの)グリップ部
6c (ハウジングの)回路基板収納部
7 モータ系基板 7a モータ制御用基板 7b 駆動回路基板
8 トリガスイッチ 9 制御系基板
10a、10b、10c ベアリング
11a 入力用トランス 11b 出力用トランス 11c コネクタ
12 歪ゲージ 14 スイッチ回路基板 15 ケース
16 メタルベアリング 17 冷却ファン 18 発光ダイオード
19 配線カバー 20 回転軸 22 ライナ
23 ライナプレート 24 メインシャフト 29 商用電源
30 電源ボックス 31 全波整流平滑回路 34 コネクタ
41 演算部 42 回転位置検出素子
47 インバータ回路 49 印加電圧設定回路
50 マイコン 51 回転制御回路 52 定電圧回路
53 18V定電圧回路 60 マイコン 61 送受信機
64 定電圧回路 65 フォトカプラ
66、67、68、69 信号線
70 トルク検出回路 71 ±12V電源
80 メモリカードR/W 81 メモリカード

Claims (4)

  1. ブラシレス直流方式のモータと、該モータの回転を制御する回転制御回路と、前記モータによって駆動されるインパクトユニットと、該インパクトユニットのシャフトに連結され先端工具が装着される出力軸を有する電動工具において、
    前記出力軸における衝撃トルクの発生を検知するトルク検出手段と、該トルク検出手段の出力を用いて先端工具の締め付けを制御するマイコンと、前記電動工具に設けられた読み書き手段に着脱可能に装着される可搬型の不揮発性メモリを備え、
    前記マイコンは、締め付け作業が完了して前記モータが停止した後であって次の締め付け作業までの間に、その際の締め付けデータを前記不揮発性メモリに格納することを特徴とする電動工具。
  2. 前記締め付けデータは、締め付けトルク値を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記マイコンはタイマを有し、前記締め付けデータは、締め付けトルク値と、その締め付けが行われた日時を含むことを特徴とする請求項に記載の電動工具。
  4. 前記電動工具に表示装置を設け、前記不揮発性メモリへの格納が正常に行えなかった場合には前記表示装置にてアラーム表示をすることを特徴とする請求項に記載の電動工具。
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