JP5299393B2 - 光スキャナ - Google Patents

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本発明は、ミラーが駆動され、ミラーに入射される光を走査する光スキャナに関する。
従来、反射ミラーが梁を介して基体に取り付けられ、基体と台座とが接合されて形成された光スキャナがある。基体には、圧電素子が取り付けられており、圧電素子が駆動されることにより、振動が梁に伝わって反射ミラーが振動され、反射ミラーに入射される光が走査される。特許文献1には、光スキャナの共振周波数を調整する方法として、光スキャナの基体と接合される台座に対して、目標の共振周波数に応じたレーザ加工を行う技術が記載されている。
特開2007−94146号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光スキャナは、各個体に決められた目標の共振周波数に調整するために、各々の台座に対して、共振周波数ごとに定められた加工を行い、加工された台座と基体とが接合されて、作製される。そのため、各々の台座に対して、目標の共振周波数に応じた加工を行うことが必要となるため、光スキャナの共振周波数の調整に手間がかかるという問題がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ミラーを支持する部材と、その部材が接合される台座との接合状態を調整することにより、共振周波数を手間がかかることなく調整可能な光スキャナを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1記載の光スキャナは、入射する光を反射するミラーを支持する弾性構造体と、前記弾性構造体を支持する台座とからなる光スキャナであって、前記弾性構造体は、前記ミラーを駆動する駆動部が載置された弾性梁部と、前記弾性梁部に連結され、弾性梁部の駆動する範囲を調整する調整部と、前記調整部の両端から延出する固定部と、から構成され、前記弾性構造体は、前記固定部及び前記調整部が前記台座と接合固定されており、前記調整部は、前記ミラーから延出し前記ミラーを揺動させる揺動軸に対し、交差する方向に延びる駆動部の駆動軸を中心として、線対称の位置で前記台座と溶接接合されることを特徴とする。
また、請求項記載の光スキャナは、前記光スキャナの目標の共振周波数に応じた接合面積で、前記調整部と前記台座とが接合固定されていることを特徴とする。
また、請求項記載の光スキャナは、前記調整部において、前記駆動軸と直交する方向に沿って、複数列が、前記台座と溶接接合されることを特徴とする。
また、請求項記載の光スキャナの製造方法は、入射する光を反射するミラーを支持する弾性構造体と、前記弾性構造体を支持する台座とからなる光スキャナであって、前記弾性構造体は、前記ミラーを駆動する駆動部が載置された弾性梁部と、前記弾性梁部に連結される調整部と、前記調整部の両端から延出する固定部と、から構成される光スキャナを製造する製造方法であって、予測される前記光スキャナの共振周波数に基づいて前記調整部と前記台座との接合位置を決定する接合位置決定工程と、前記接合位置決定工程により決定された接合位置において、前記調整部と前記台座とを溶接する溶接工程と、から成ることを特徴とする。
また、請求項記載の光スキャナの製造方法は、前記接合位置決定工程は、前記弾性構造体の厚さを測定する板厚測定工程と、前記板厚測定工程による測定結果に基づいて、前記共振周波数を予測する前記周波数予測工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項記載の光スキャナの製造方法は、前記弾性梁部に、前記ミラーを支持する支持梁部を更に備える光スキャナの製造方法であって、前記接合位置決定工程は、前記支持梁部の梁幅を測定する梁幅測定工程を備え、前記周波数予測工程は、前記梁幅測定工程により測定される前記支持梁部の梁幅に基づいて、前記共振周波数を予測することを特徴とする。
また、請求項記載の光スキャナの製造方法は、前記溶接工程は、前記駆動部に連結される前記調整部の第1位置に溶接接合を行う第1溶接工程と、前記調整部の前記第1位置に隣接し、前記駆動部との距離が、前記駆動部と前記第1位置との距離より近い第2位置に溶接接合を行う第2溶接工程と、から構成されることを特徴とする。
請求項1記載の光スキャナにおいては、台座と、弾性構造体の構成を、共振周波数に応じて工夫する必要がないため、共振周波数を調整するための手間が少ない光スキャナとすることができる。また、台座と、弾性構造体とに、共振周波数を調整するための領域を特別に設ける必要がないため、光スキャナを小型化することができる。
また、動部が、駆動軸を中心として対称に、ミラーを均等に揺動させるため、ミラーに入射する光を、所定の共振周波数で、駆動軸を中心に、偏りなく走査することができる。
また、請求項記載の光スキャナにおいては、光スキャナを、所定の値より高い共振周波数とする場合には、接合面積を大きくすることで、共振周波数が高い光スキャナとすることができる。よって、台座と弾性構造体との接合面積を大きくするのみで手間を要さずに作成できる高い共振周波数の光スキャナを提供することができる。
また、請求項記載の光スキャナにおいては、複数の位置に溶接接合を行うことで、共振周波数を調整することができ、共振周波数の微調整をすることができる。よって、目標の共振周波数にするための手間を要することなく、誤差が少ない光スキャナを提供することができる。
また、請求項記載の光スキャナの製造方法においては、共振周波数に基づいて決定された調整部の接合位置を、台座と接合するのみで、所定の共振周波数の光スキャナが製造され、共振周波数を調整するための手間が少なく、光スキャナを製造することができる。また、予測される共振周波数から、接合位置を決定するため、目標の共振周波数の光スキャナへ近似するための測定の手間を抑えることができ、手間を要することなく効率よく光スキャナを製造することができる。
また、請求項記載の光スキャナの製造方法においては、弾性構造体の板厚に基づいて共振周波数が予測されることにより、光スキャナの共振周波数の測定等を行うことなく、手間を要することなく、所定の共振周波数とした精度が良い光スキャナを製造することができる。
また、請求項記載の光スキャナの製造方法においては、弾性構造体の梁幅に基づいて共振周波数が予測されることにより、光スキャナの共振周波数の測定等を行うことなく、手間を要することなく、所定の共振周波数とした精度が良い光スキャナを製造することができる。
また、請求項記載の光スキャナの製造方法においては、第1位置を接合する工程と第2位置を接合する工程との2工程にわたり接合されるため、第1位置のみで溶接接合を行う場合と比較して、溶接を行う位置が追加されることにより、共振周波数の微調整をすることができる。よって、目標の共振周波数に対する誤差が少ない光スキャナを、手間を要することなく製造することができる。
本実施形態1に係る光スキャナ1の概略を示す斜視図である。 前記光スキャナ1の調整部の溶接位置と、共振周波数との関係を示すグラフである。 実施形態1に係る前記光スキャナ1の共振周波数を調整する方法を説明するフローチャートである。 光スキャナ1の共振周波数の測定方法を示す図である。 光スキャナ1の共振周波数を調整する方法において、光スキャナ1の接合状態を示す斜視図である。 本実施形態2に係る光スキャナ100の概略を示す斜視図である。 本実施形態3に係る前記光スキャナ1の共振周波数を調整する方法を説明するフローチャートである。 本実施形態3に係る前記光スキャナ1の板厚と梁幅とから求められる共振周波数の予測値を示す表である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1を用いて、本発明の実施形態1に係る光スキャナ1の構造を説明する。図1は、前記光スキャナ1を示す斜視図である。尚、本実施形態1の光スキャナ1においては、図1に示すように上下方向、左右方向、前後方向を設定し、以下を説明する。
図1に示すように、前記光スキャナ1は、台座10と、前記台座10の上方に固定される弾性構造体20とで構成される。
前記台座10は、上下方向にやや厚みを有し、後述する前記弾性構造体20の形状と対応して、四方に枠を備えた形状である。前記台座10には、枠の上面に、前記弾性構造体20が接合され、前記光スキャナ1が構成されている。
前記弾性構造体20は、弾性を有する導電性材料により構成される。弾性を有する導電性材料とは、具体的には、SUS等のステンレス、チタン及び鉄等の金属材料が挙げられる。また、Si単結晶などの半導体材料を用いてもよい。前記弾性構造体20は、平板且つ長方形状の基板である。本実施形態1において、前記弾性構造体20は、例えば厚さが約100〜200μmであり、長手方向である左右方向の長さが約21mmであり、前後方向の長さが約12mmである。前記弾性構造体20は、ミラー載置部21、弾性梁部22、駆動載置部23、調整部24、固定部25を有し、前記各構成部21〜25は、一枚の基板に形成されている。以下、前記弾性構造体20の各構成要素について、順を追って詳細に説明する。
前記ミラー載置部21は、ほぼ長方形状であり、その長手方向が、前記弾性構造体20の長手方向と平行に位置するように、前記弾性構造体20のほぼ中央に設けられる。前記ミラー載置部21の上面には、入射した光を反射する反射ミラー21Aが設けられる。反射ミラー21Aは、透明な誘電体で形成された薄板の表面に、スパッタリングや蒸着等でAlやAg等の金属薄膜をコーティングして形成される。そして、前記反射ミラー21Aが、前記ミラー載置部21の上面に貼り付けられる。前記ミラー載置部21は、後述する揺動軸線ARを中心として揺動され、光を反射する。前記反射ミラー21Aは、長方形状に限らず、多角形状、円形状であってもよい。
前記弾性梁部22は、捻れ梁部22Aと、撓み梁部22Bとを有する。前記捻れ梁部22Aは、前記ミラー載置部21の長手方向である左右方向の中心から、前方向と後方向とに一対で延出する。また、前記撓み梁部22Bは、前記捻れ梁部22Aが中央に位置するように、一対の前記捻れ梁部22Aの端部のそれぞれから左右方向に延出する。前記撓み梁部22Bは、前記ミラー載置部21を中心とする前方及び後方に、前記ミラー載置部21の長手方向に平行して、左右方向に一対で設けられる。前記捻れ梁部22Aは、前記撓み梁部22Bより、やや細い梁幅で形成されており、その幅は、3.0×10[μm]程度である。
前記駆動載置部23は、前記弾性梁部22を介して、前記ミラー載置部21を揺動させるように駆動する。前記駆動載置部23は、ほぼ正方形状であり、一辺の両端部に前記撓み梁部22Bが接続されている。具体的には、1つの前記駆動載置部23Aが、一対の前記撓み梁部22Bの左方の端部に接続され、もう1つの前記駆動載置部23Bが、一対の前記撓み梁部22Bの右方の端部に接続される。前記各駆動載置部23の上面には、ほぼ正方形に形成された圧電素子と、前記圧電素子の上下方向の両面に形成された金属膜などの電極層とを含むアクチュエータ30が設けられる。前記駆動載置部23Aの上面には、アクチュエータ30Aが設けられる。前記駆動載置部23Bの上面には、アクチュエータ30Bが設けられる。
アクチュエータ30A、30Bが駆動されることによって、前記ミラー載置部21が揺動される。このとき、前記捻れ梁部22Aが、前記ミラー載置部21の揺動軸となり、前記ミラー載置部21の中心から揺動軸に直交する前後方向が、前記駆動載置部23の駆動軸となる。尚、図1において、前記ミラー載置部21の揺動軸を揺動軸線ARと示し、前記駆動載置部23の駆動軸を駆動軸線BRと示す。
前記調整部24は、前記駆動載置部23に隣接して設けられる。前記調整部24は、前後方向に長手方向を有する長方形状であり、前記駆動載置部23それぞれの前記撓み梁部22Bが接続されない辺の全体と接続している。1つの前記調整部24Aは、前記撓み梁部22Bが右辺側に接続される前記駆動載置部23Aにおいて、左辺側の全体と接続している。また、もう1つの前記調整部24Bは、前記撓み梁部22Bが左辺側に接続される前記駆動載置部23Bにおいて、右辺側の全体と接続している。また、前記調整部24は、前後方向の長さが、前記駆動載置部23の一辺よりやや長く形成され、前記駆動載置部23の辺に対して前後方向に等しい長さが突出している。尚、本実施形態1における前記調整部24は、前記駆動軸線BRを中心として、前方向及び後方向とにそれぞれ5.0×10[μm]の長さで延出しており、その全長は1.0×10[μm]である。
以上の構成により、前記光スキャナ1の前記弾性梁部22と、前記駆動載置部23と、前記調整部24は、前記ミラー載置部21を中心として、左右方向及び前後方向に対称に設けられる。本実施形態1において、前記光スキャナ1の前記調整部24は、後述のように、前記台座10と溶接接合される。図1においては、前記調整部24に行われた溶接接合を、四角により示している。
前記固定部25は、2つの前記調整部24A及び24Bと隣接し、前記調整部24A、24Bそれぞれの端部と接続した一対の構成である。前記固定部25は、それぞれ左右方向の長さが、前記撓み梁部22Bと、2つの前記駆動載置部23と、2つの前記調整部24のそれぞれの左右方向の長さの和と等しい長方形状である。1つの前記固定部25Aは、前記調整部24A及び前記調整部24Bのそれぞれの後端と接続している。もう1つの前記固定部25Bは、前記調整部24A及び前記調整部24Bのそれぞれの前端と接続している。これにより、前記固定部25は、前記撓み梁部22Bの前方および後方において、前記撓み梁部22Bと平行に設けられる。光スキャナ1において、前記固定部25は、後述するように調整される共振周波数に関わらず、前記固定部25A及び前記固定部25Bの全面が前記台座10と固定される。
前記弾性構造体20には、前記台座10の外形と等しい大きさを有する金属板が用いられる。金属板において、前記ミラー載置部21、前記弾性梁部22、前記駆動載置部23、前記調整部24及び前記固定部25に対応する部分に、マスキングのためのレジスト膜が形成される。レジスト膜が形成された金属板に対して、エッチングがされると、前記各構成部21〜25を有した前記弾性構造体20の外形が形成される。その後、金属板のレジスト膜が除去される。
前記弾性構造体20の前記駆動載置部23の位置には、予め圧電素子と電極層とが接合された前記アクチュエータ30が、接着される。前記アクチュエータ30は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等のバルク圧電デバイスが用いられる。接着には、銀フィラを含むエポキシ製樹脂接着剤等の導電性接着剤を用いる。その後、前記弾性構造体20が、前記台座10の上面において、その外周が互いに一致するように載置される。そして、前記弾性構造体20の前記調整部24及び前記固定部25と、前記台座10とが溶接方法により接合されて、前記光スキャナ1が作製される。
また、前記光スキャナ1は、前記駆動載置部23に載置された前記アクチュエータ30の電極層と非図示の交流電源とが電気的に接続され、駆動可能となる。この電気的な接続は、例えばワイヤボンディング方法で行われる。
前記光スキャナ1は、前記駆動載置部23に載置された前記アクチュエータ30の圧電素子に対し、電極層を介して交流電圧が印加されて駆動する。前記駆動載置部23Aの前記アクチュエータ30Aに印加される交流電圧の位相と、前記駆動載置部23Bの前記アクチュエータ30Bに印加される交流電圧の位相とは、逆位相である。逆位相の交流電圧が印加されることにより、前記駆動載置部23Aと前記駆動載置部23Bとは、左右方向において、逆位相にて伸縮をする。例えば、前記駆動載置部23Aが、左右方向に伸びると、前記駆動載置部23Bは、左右方向に縮む。前記駆動載置部23Aが、左右方向に縮むと、前記駆動載置部23Bは、左右方向に伸びる。この動作により、前記撓み梁部22Bには、左右方向の両端を固定端とし、揺動軸線ARで示される揺動軸を節とする定常波が生じる。この定常波により、前記捻れ梁部22Aは、揺動軸を中心に捻れ振動する。これにより、前記ミラー載置部21は、揺動軸線ARで示す揺動軸周りに揺動する。尚、前記光スキャナ1の動作の詳細は、特開2009−186652号公報等に開示されている。
前記調整部24と前記台座10との接合条件と、前記光スキャナ1の共振周波数との関係をシミュレーションによって調べた結果を、図2を用いて説明する。本実施形態1においては、前記調整部24と前記台座10とにおける溶接接合する位置が、前記接合条件と関係する。図2に示す原点0においては、前記固定部25と前記台座10とが固定され、前記調整部24と前記台座10とが接合されていない前記光スキャナ1を示している。本実施形態1における前記光スキャナ1は、前記固定部25と前記台座10とが固定された状態で、前記調整部24と前記台座10とが、後述する各位置において、スポット溶接方法が用いられることで接合される。尚、本実施形態1において、前記調整部24は、駆動軸線BRを境界として、前後方向に対称な位置が溶接される。
図2の縦軸は、前記調整部24の溶接される位置を示したものである。具体的には、図1に破線により示す前記調整部24の前記固定部25と接続される、前後方向の両端部における位置24Cを基点とし、前記固定部25の前後方向の中心である駆動軸線BRに向かう方向への距離を示したものである。尚、単位はμmである。図2の横軸は、前記調整部24の各位置に溶接接合が行われた場合における、前記光スキャナ1の共振周波数を示したものであり、単位はHzである。前記調整部24の溶接接合される位置が、前記基点から遠く、前記駆動軸線BRに近いほど、共振周波数は上昇する。従って、前記光スキャナ1は、前記調整部24と前記台座10との溶接接合を行う接合位置の前記基点からの距離を変化させることで、共振周波数の調整が可能である。また、前記調整部24における基点である前記固定部25に接続される前後方向の両端部24Cからの距離と、前記光スキャナ1の共振周波数の高さとは、ほぼ一次比例する。従って、共振周波数の高さと、前記調整部24の溶接接合が行われる位置、即ち前記調整部24の前後方向の両端部24Cからの距離とは、容易に対応付けられる。
次に、図2〜図4を用いて、前記光スキャナ1の共振周波数を調整する工程を説明する。
前述したように、図2は、本工程を用いて前記光スキャナ1の共振周波数を調整する場合における、前記弾性構造体20の前記調整部24の接合位置と、共振周波数との関係を示すグラフである。図3は、前記台座10と前記弾性構造体20との接合条件である接合位置を決定し、接合する工程を示すフローチャートである。図4A〜図4Cは、本工程に用いる前記光スキャナ1の共振周波数の測定方法を説明する前記光スキャナ1の概略説明図である。
ステップS1では、前記弾性構造体20の前記固定部23と、前記台座10とが、溶接接合される。前記固定部23A及び23Bのそれぞれにおいて、左右方向の全面が、前記台座10と接合される。
ステップS2では、ステップS1において前記弾性構造体20が前記台座10に接合された前記光スキャナ1の共振周波数値fが測定される。具体的には、図4Aに示すように、前記駆動載置部23に載置された前記アクチュエータ30に交流電圧が印加されることで、前記ミラー載置部21の揺動が開始される。揺動する前記ミラー載置部21に対し、レーザダイオード1000からのレーザ光が入射される。前記ミラー載置部21により、レーザ光が走査されると、その走査光はBDセンサ2000に入射する。前記BDセンサ2000は、走査光が通過する軌跡上の所定の位置に配置され、前記ミラー載置部21の光学振れ角が所定の角度になったとき、走査光を受光する。前記BDセンサ2000からの信号は、解析装置3000によって解析される。
具体的には、前記ミラー載置部21の揺動を単振動と仮定したときの、前記光スキャナ1の駆動周波数fと、振幅θとが決定される。図4Bに示すように、前記BDセンサ2000に走査光が入射したタイミング(t、t、t、・・・)と、前記BDセンサ2000に走査光が入射したとき前記ミラー載置部21の光学振れ角(θBD)とに基づいて決定される。そして、図4Cに示すように、前記アクチュエータ30に印加される交流電圧の周波数を変化させることで、振幅θと駆動周波数fとの関係が調べられる。振幅θが最大となる共振周波数fが、前記光スキャナ1の共振周波数として決定される。共振周波数の測定後、ステップS3が実行される。
ステップS3では、ステップS2で測定された前記光スキャナ1の共振周波数が、所望する仕様の範囲に収まるか否かが判断される。具体的には、前記光スキャナ1の目標とする共振周波数をFとし、仕様の範囲を±dfとすると、F−df≦f≦F+dfであるか否かが判断される。目標とする共振周波数は例えば3.4kHz程度であり、仕様の範囲は例えば±約3%、即ち±118Hz程度である。共振周波数が、仕様値の範囲に収まる場合(ステップS3:Yes)、共振周波数の調整を行う必要が無いため、ステップS10が実行される。一方、共振周波数が仕様値の範囲に収まらない場合(ステップS3:No)、ステップS4が実行される。
ステップS4では、前記光スキャナ1の目標とする共振周波数Fと、ステップS2で測定された共振周波数fとの差が求められる。具体的には、両者の差であるΔf=F−fが算出される。Δfが算出されると、続いてステップS5が実行される。
ステップS5では、必要な共振周波数の調整量Δfが調整可能な範囲に収まっているか否かが判断される。調整可能な範囲とは、前記ステップS3において判断される共振周波数の仕様値の範囲より、共振周波数が低い範囲である。具体的には、fが前記光スキャナ1の目標の共振周波数Fに対する仕様の下限である−dfより小さく、前記共振周波数Fに対する調整可能な周波数以上の範囲に存在するか否かにより、Δfが調整可能な範囲であるか否かが判断される。調整可能な周波数の下限とは、一例として、Fに対して−236[Hz]である。即ち、ステップS5においては、F−236≦f≦F−dfを満たすか否かが判断される。
尚、前記光スキャナ1において、共振周波数を高くする調整は、前記固定部25と前記台座10との接合に加え、前記調整部23と前記台座10とを溶接接合することで行われる。即ち、共振周波数を減少させる方向への調整は、前記調整部23と前記台座10との接合によっては、不可能である。そのため、fが、前記光スキャナ1の共振周波数の仕様の上限であるF+df以上の場合(F+df<f)、Δfが調整可能な範囲に存在しないと判断される。また、前記光スキャナ1の目標の共振周波数Fに対する調整可能な周波数以下の場合(f<F−236)においても、Δfが調整可能な範囲に存在しないと判断される。Δfが、調整可能な共振周波数の範囲にある場合(ステップS5:Yes)、ステップS6が実行される。一方、Δfが調整可能な周波数範囲に無い場合(ステップS5:No)、ステップS10が実行される。
ステップS6では、ステップS4において算出されたΔfの値に基づいて、前記調整部24における前記台座10と溶接接合する位置が決定される。ステップS6の工程は、図
2に示すグラフを用いて行う。尚、前述のとおり、図2の横軸は、ステップS4において算出されたΔfの絶対値を示し、縦軸は、前記調整部24の溶接する位置を示している。図2の縦軸に示す前記調整部24の溶接する位置とは、前記調整部24の前記固定部25と接続される位置を基点とし、駆動軸線BRに向かう方向への基点からの距離を示すものである。
ステップS6では、それぞれの前記調整部24において、駆動軸線BRに対して、前方向及び後方向が、線対称になるように、接合位置が決定される。さらに、前記調整部24A及び24Bは、右方向及び左方向が、揺動軸線ARに対して互いに線対称になるように、接合位置が決定される。すなわち、前記光スキャナ1は、揺動軸線ARと駆動軸線BRとが交わる点を中心として、前記調整部24において、点対称の位置が溶接接合を行う接合位置と決定される。尚、図2のグラフにおいては、2種類の溶接方法に対応する前記調整部24の溶接位置を記載した。2種類の溶接方法とは、図2内の方法Aに示す全溶接型と、方法Bに示す地点溶接型である。方法Aの全溶接型とは、前記調整部24の基点と図2の縦軸に示す調整したい周波数に対応する溶接位置との間の領域を、揺動軸線ARと平行するように直線で溶接を行う方法である。具体的には、図5(A)に示す光スキャナ1のように、基点と、図2の縦軸に示す溶接位置との間の領域を、数箇所にわたってスポット溶接を行う方法である。方法Bの地点溶接型とは、図2の縦軸に示す調整したい量に対応して示される溶接位置に基づいて、前記調整部24の基点からの所定の距離における一ヶ所に、溶接を行う方法である。具体的には、図5(B)に示す光スキャナ1のように、基点に対して、図2の縦軸に示す溶接位置の一箇所に、スポット溶接を行う方法である。ステップS6においては、図2に基づいて、溶接位置を領域または箇所で決定する。このとき、図2によれば、特にΔfの絶対値が150Hzより大きい場合には、全溶接型での溶接位置を決定することが望ましい。
ステップS7においては、ステップS6において決定された溶接位置に基づいて、前記弾性構造体20の前記調整部24と、前記台座10との溶接接合が実行される。具体的には、前記調整部24の上面から、スポット溶接を行うことにより、溶接が行われた前記調整部24の箇所の金属が溶け、前記台座10と接合する。尚、全溶接型により、前記調整部24の所定の領域に対して、スポット溶接を行う場合には、所定の間隔ごとに数ヶ所を圧着させる処理を行うことにより、前記調整部24の所定の領域と、前記台座10とが接合される。
特に、ステップS7において、全溶接型の溶接方法で前記弾性構造体20と、前記台座10とが接合される場合は、ステップS6において決定された溶接位置と、前記調整部24の基点とを繋ぐ直線上に、溶接接合される。図2によれば、調整する共振周波数が高いほど、基点から長い距離が接合される。
即ち、ステップS6においては、図2に示すグラフに従って、必要な共振周波数の調整量Δfに基づいて、前記調整部24と前記台座10との接合位置が決定される。そして、ステップS7において、共振周波数の調整量Δfに基づく位置が溶接接合される。ステップS7において、全溶接型で溶接接合が行われるとき、前記光スキャナ1には、前記調整部24A及び24Bに、前後方向の一列にわたって溶接接合が行われる。例えば、図5Aに示すように、前記調整部24A及び24Bの、前記駆動載置部23A及び23Bに隣接する領域に、前後方向の一列にわたって溶接接合が行われる。
ステップS8において、溶接接合が行われた後の前記光スキャナ1の共振周波数が、仕様の範囲内に収まるか否かが判断される。具体的には、ステップS2における共振周波数の測定工程が、再度実行される。そして、ステップS3と同様に、再度測定された前記光スキャナ1の共振周波数が、所望する仕様の範囲に収まるか否かが判断される。再度測定された共振周波数が仕様値の範囲に収まる場合(ステップS8:Yes)、ステップS9が実行される。一方、再度測定された共振周波数が、仕様値の範囲に収まらない場合(ステップS8:No)、ステップS10が実行される。
ステップS9において、前記光スキャナ1は、共振周波数が仕様の範囲内に収まる良品であるというOK判定がなされる。OK判定がなされた前記光スキャナ1は、例えばプリンタなどの他の装置に組み込まれるなど、後工程において利用される。OK判定の後、一連の前記光スキャナ1の製造工程が完了する。
ステップS9において、前記光スキャナ1は、共振周波数が仕様の範囲内に収まらないと不良品であるというNG判定がなされる。NG判定がなされた前記光スキャナ1は、不良品として後工程では利用されないように区別される。NG判定の後、一連の前記光スキャナ1の製造工程が完了する。
また、上述したような本実施形態1の前記光スキャナ1の共振周波数を調整する一連の工程において、ステップS8において、共振周波数が仕様の範囲内に収まると判断される場合(ステップS8:Yes)には、再度ステップS7の工程を実行してもよい。このとき、1回目のステップS7において行われた前記調整部24の溶接位置に隣接する第2位置に、前記調整部24と、前記台座10とが溶接接合されてもよい。前記調整部24と前記台座10の溶接接合が2回に分けて行われることにより、2回目の溶接接合によって前記光スキャナ1の共振周波数の微調整が可能であり、より正確な目標の共振周波数に近づけることができる。
この場合には、例えば、1回目のステップS7において、図5(A)に示すように、前記調整部24と前記台座10とが全溶接型で接合され、2回目のステップS7の工程が前後方向の一列にわたって接合が行われる。2回目は、図5(C)に示すように、1回目の溶接接合された列に平行して、前記調整部24A及び24Bにおいて、1回目の列より、前記駆動載置部23A及び23Bから近い領域、即ち、前記調整部24Aにおいては右方側、及び前記調整部24Bにおいては左方側が、接合されても良い。前記調整部24と前記台座10の溶接接合が2回にわたり行われる場合は、1回目の溶接接合を予備溶接として、前記光スキャナ1を、目標の共振周波数へ近づける。そして、2回目の溶接接合を本溶接として、所定の共振周波数とする前記光スキャナ1を作成してもよい。
また、ステップS7の工程が行われ、ステップS8において、共振周波数が仕様の範囲内であると判断されない場合(ステップS8:No)には、ステップS10を実行する前に、ステップS5を実行してもよい。ステップS5では、共振周波数が調整可能な範囲に収まっているか否かを判断してもよい。ステップS8において、共振周波数が仕様の範囲であると判断されない場合(ステップS8:No)であっても、ステップS5において、共振周波数が調整可能な範囲に収まっていると判断されれば(ステップS5:Yes)、再度ステップS6以降を繰り返し実行する。これにより、光スキャナを目標の共振周波数に調整することができる。
<実施形態2>
図6を用いて、本発明の実施形態2に係る光スキャナ101を説明する。前記光スキャナ101は、台座110及び弾性構造体120の形状及び構造が、実施形態1における前記光スキャナ1と相違する。具体的には、実施形態1の前記光スキャナ1は、前記ミラー載置部21及び前記弾性梁部22の前記捻れ梁部22Aが、前記撓み梁部22Bによって両持ち固定されている。しかしながら、本実施形態2の前記光スキャナ101は、前記ミラー載置部21及び前記捻れ梁部22Aが、片持ち支持されている構成である。本実施形態2の前記光スキャナ101において、実施形態1の前記光スキャナ1と同一の構成に対しては、前記光スキャナ1と同一の図番を付与し、説明を省略する。
前記光スキャナ101の前記弾性構造体120においては、1つのミラー載置部21を揺動させるため、前記ミラー載置部21に前記弾性梁部122が接続される。前記弾性梁部122は、2つの前記捻れ梁部22Aと、1つの前記撓み梁部22Bとから構成される。前記弾性梁部22の前記撓み梁部122Bは、前記ミラー載置部21の中央から前方向と後方向とへそれぞれ延出される前記捻れ梁部22Aの端部に接続される。前記撓み梁部122Bは、前記捻れ梁部22Aの端部から、左方向にのみ延出される。前記撓み梁部122Bの左方端部には、駆動載置部23Aが接続される。実施形態1の前記光スキャナ1に存在した前記撓み梁部122Bの右方端部に接続される駆動載置部は、前記光スキャナ101には存在しない。
また、前記駆動載置部23Aの左方には、調整部24Aが接続される。前記調整部24Aの前端及び後端には、固定部125が接続される。前記固定部125は、その左端が、前記撓み梁部122Bの左端とほぼ同位置であるように、左右方向の長さが形成されている。
また、前記光スキャナ101においては、前記弾性構造体120の下方に、前記台座110が設けられる。前記台座110は、前記弾性構造体120の前記調整部24A及び前記固定部125により形作られる外枠と、同一の形状である。即ち、前記台座110は、左方と、前方と、後方との三方の枠からなる形状である。
前記駆動載置部23Aには、前記アクチュエータ30Aが載置される。前記アクチュエータ30Aが駆動されることにより、前記反射ミラー21Aが揺動される。このとき、前記捻れ梁部22Aが、前記ミラー載置部21の揺動軸となり、前記ミラー載置部21の中心から揺動軸に直交する前後方向に、前記駆動載置部23Aの駆動軸となる。尚、図6において、前記ミラー載置部21の揺動軸を揺動軸線ARと示し、前記駆動載置部23Aの駆動軸を駆動軸線BRと示す。
前記光スキャナ101は、前記弾性構造体120が前記台座110に溶接固定された状態で、前記アクチュエータ30が駆動され、前記ミラー載置部21が揺動される。前記光スキャナ101は、前記光スキャナ1の場合と同様に、前記弾性構造体120の前記調整部24Aにおける、前記台座110との接合位置に対応して、共振周波数が決定される。即ち、前記調整部24Aにおいて、前記駆動軸線BRに近い位置が、前記台座110と溶接接合されるほど、共振周波数が高い光スキャナを作成することが可能である。
<実施形態3>
本実施形態3においては、光スキャナの構成は、実施形態1の前記光スキャナ1と同様である。しかしながら、前記光スキャナ1を製造する場合における、前記光スキャナ1の共振周波数を調整する工程の手順及び方法が異なる。図2、図7および図8を用いて、実施形態3における前記光スキャナ1の共振周波数を調整する工程を説明する。
図7は、前記台座10と前記弾性構造体20との接合条件である接合位置を決定し、接合する工程を示すフローチャートである。尚、本実施形態3における前記光スキャナ1の共振周波数の測定方法は、実施形態1と同様であるため説明を省略する。また、本工程を用いて前記光スキャナ1の共振周波数を調整する場合における、前記弾性構造体20前記調整部24の接合位置と、共振周波数との関係は、実施形態1と同じであるため、図2に示すグラフを用いて以下を説明する。
本実施形態3における前記光スキャナ1の共振周波数の調整工程は、実施形態1において説明した調整工程にてまず初めに行われた前記弾性構造体20と前記台座10とが固定される工程の前に行われる処理が異なる。具体的には、前記弾性構造体20の性質に基づいて、前記光スキャナ1の作成時に予測される共振周波数が推定され、その後、種々の手順を経て、前記弾性構造体20と前記台座10とが溶接接合される点において、実施形態1とは異なる。以下において、本実施形態3における前記光スキャナ1の共振周波数を調整する工程の詳細を説明する。
ステップS101では、前記弾性構造体20の基板の厚さと、前記捻れ梁部22Bの梁幅が測定される。ステップS101が行われると、続いて、ステップS102が行われる。
ステップS102では、ステップS101において測定された前記弾性構造体20の板厚と、前記捻れ梁部22Bの梁幅とから、この前記弾性構造体20が前記台座10に接合されてなる前記光スキャナ1の共振周波数が、予測される。
具体的には、前記光スキャナ1の共振周波数の予測値fは、図8に示す前記弾性構造体20の板厚と梁幅との対応表に従って求められる。図8の縦軸は、前記弾性構造体の前記捻れ梁部22Bの梁幅を示したものであり、単位はμmである。図8の横軸は、前記弾性構造体20の基板の厚さを示したものであり、単位はμmである。図8によって、縦軸に示される前記捻れ梁部22Bの梁幅の特定の値の行と、横軸に示される前記弾性構造体20の板厚の特定の値の列とが交差する場所の値が、前記弾性構造体20を前記台座10に接合したときの前記予測値fと求められる。これにより、前記ステップS101で測定された前記捻れ梁部22Bの梁幅の値と、前記弾性構造体20の板厚の値とに基づいて、前記光スキャナ1の共振周波数の予測値fが求められる。
ステップS103では、ステップS102で求められた前記光スキャナ1の共振周波数の予測値fが、所望する仕様の範囲に収まるか否かが判断される。具体的には、前記光スキャナ1の目標とする共振周波数をFとし、仕様の範囲を±dfとすると、F−df≦f≦F+dfであるか否かが判断される。目標とする共振周波数は例えば3.4kHz程度であり、仕様の範囲は例えば±約3%、即ち±118Hz程度であり、図8において、破線で囲われる領域2A内に含まれる範囲である。共振周波数fが、仕様の範囲に収まる場合(ステップS103:Yes)、前記弾性構造体20は、共振周波数の予測値fが仕様の範囲内に収まる良品であるというOK判定がなされる。このとき、共振周波数の調整を行う必要が無いため、ステップS107が実行される。一方、共振周波数が仕様の範囲に収まらない場合(ステップS103:No)、ステップS104が実行される。
ステップS104では、ステップS102において予測された共振周波数の予測値fが調整可能な範囲に収まっているか否かが判断される。具体的には、fが前記光スキャナ1の目標の共振周波数Fに対する仕様の上限である−dfより小さく、前記光スキャナ1の目標の共振周波数Fに対する調整可能な周波数以上の範囲に存在するか否かが判断される。調整可能な周波数の下限とは、一例として、Fに対して−236[Hz]である。
具体的には、ステップS101において測定される前記捻れ梁部22Bの梁幅の値と、前記弾性構造体20の板厚の値とに基づいて判断される。図8に示す表に従って求められた前記光スキャナ1の共振周波数の予測値fが、F−236≦f≦F−dfの条件を満たす調整可能範囲内であるか否かが判断される。この調整可能範囲は、図8において、二点鎖線で囲われる領域2B内に含まれる範囲である。共振周波数fが、調整可能範囲内である場合(ステップS104:Yes)、ステップS105が実行される。共振周波数fが調整可能範囲に収まらない場合(ステップS104:No)、前記弾性構造体20は、範囲内に収まらないと不良品であるという、NG判定がなされる。NG判定がなされた光スキャナ1は、不良品として後工程では利用されないように区別される。
ステップS105では、前記光スキャナ1の目標とする共振周波数Fと、ステップS102で測定された共振周波数の予測値fとの差が求められる。具体的には、両者の差であるΔf=F−fが算出される。Δfが算出されると、続いてステップS106が実行される。
ステップS106では、ステップS4において算出されたΔfの値に基づいて、前記調整部24における前記台座10と溶接接合する位置が決定される。ステップS106の工程は、実施形態1における前記光スキャナ1の周波数調整工程の場合と同様に、図2に示すグラフを用いて行う。本実施形態3の場合において、図2の横軸は、ステップS104において算出されたΔfの絶対値と対応し、縦軸は、前記調整部24の溶接する位置と対応している。尚、図2の縦軸に示す前記調整部24の溶接する位置とは、前記調整部124の前記固定部25と接続される位置を基点とし、前記駆動軸線BRに向かう方向への距離を示すものである。
ステップS106では、前記調整部24において、駆動軸線BRに対して、線対称になるように、接合位置が決定される。また、前記調整部24A及び24Bは、揺動軸線ARに対して互いに線対称になるように、接合位置が決定される。前記調整部24A及び24Bの溶接接合は、図2のグラフに示す前記方法Aの全溶接型または、前記方法Bの位置溶接型とのいずれかの方法を用いて行われる。ステップS106においては、図2に基づいて、溶接位置を領域または箇所で決定する。このとき、図2によれば、実施形態1の場合と同様に、特にΔfの絶対値が150Hzより大きい場合には、全溶接型での溶接位置を決定することが望ましい。
ステップS107においては、ステップS6において決定された溶接位置に基づいて、前記弾性構造体20の前記調整部24と、前記台座10との溶接接合が実行される。具体的には、前記調整部24の上面から、スポット溶接を行うことにより、溶接が行われた前記調整部24の箇所の金属が溶け、前記台座10と接合する。尚、全溶接型により、前記調整部24の所定の領域に対して、スポット溶接を行う場合には、所定の間隔ごとに数ヶ所のスポット溶接を行うことにより、前記調整部24の所定の領域と、前記台座10とが接合されてもよい。
ステップS108において、溶接接合が行われた後の前記光スキャナ1の共振周波数fが、仕様の範囲内に収まるか否かが判断される。具体的には、ステップS2における共振周波数の測定工程が、再度実行される。そして、測定された前記光スキャナ1の共振周波数fが、所望する仕様の範囲に収まるか否かが判断される。測定された共振周波数fが仕様値の範囲に収まる場合(ステップS108:Yes)、ステップS109が実行される。一方、測定された共振周波数fが、仕様値の範囲に収まらない場合(ステップS108:No)、ステップS110が実行される。
ステップS109において、前記光スキャナ1は、共振周波数の予測値fが仕様の範囲内に収まる良品であるというOK判定がなされる。OK判定がなされた光スキャナ1は、例えばプリンタなどの他の装置に組み込まれるなど、後工程において利用される。OK判定の後、一連の共振周波数調整工程が完了する。
ステップS110において、前記光スキャナ1は、共振周波数が仕様の範囲内に収まらないと不良品であるというNG判定がなされる。NG判定がなされた前記光スキャナ1は、不良品として後工程では利用されないように区別される。NG判定の後、一連の前記光スキャナ1の製造工程が完了する。
また、本実施形態3において、実施形態1の場合と同様に、ステップS108において、共振周波数が仕様の範囲内に収まると判断される場合(ステップS108:Yes)であっても、繰り返し、溶接接合が複数回にわたって行われても良い。複数回にわたって溶接接合が行われることによって、前記光スキャナ1の共振周波数の微調整が可能であり、より正確な目標の共振周波数に近づけることができる。また、複数回の溶接接合が行われる場合には、1回目の溶接接合された接合位置に平行してする位置に、2回目以降の溶接接合が行われても良い。
また、本実施形態3においては、光スキャナ1の共振周波数の調整工程を説明したが、光スキャナ1のかわりに、実施形態2において説明する光スキャナ101に適用してもよい。
1、101 光スキャナ
10 台座
20 弾性構造体
21 ミラー載置部
21A 反射ミラー
22 弾性梁部
23 駆動部
24 調整部
25 固定部
AR 揺動軸線
BR 駆動軸線

Claims (7)

  1. 入射する光を反射するミラーを支持する弾性構造体と、
    前記弾性構造体を支持する台座とからなる光スキャナであって、
    前記弾性構造体は、
    前記ミラーを駆動する駆動部が載置された弾性梁部と、
    前記弾性梁部に連結され、弾性梁部の駆動する範囲を調整する調整部と、
    前記調整部の両端から延出する固定部と、から構成され、
    前記弾性構造体は、前記固定部及び前記調整部が前記台座と接合固定されており、
    前記調整部は、前記ミラーから延出し前記ミラーを揺動させる揺動軸に対し、交差する方向に延びる駆動部の駆動軸を中心として、線対称の位置で前記台座と溶接接合される
    ことを特徴とする光スキャナ。
  2. 前記光スキャナの目標の共振周波数に応じた接合面積で、前記調整部と前記台座とが接合固定されていることを特徴とする請求項に記載の光スキャナ。
  3. 前記調整部において、前記駆動軸と直交する方向に沿って、複数列が、前記台座と溶接接合されることを特徴とする請求項2記載の光スキャナ。
  4. 入射する光を反射するミラーを支持する弾性構造体と、
    前記弾性構造体を支持する台座とからなる光スキャナであって、
    前記弾性構造体は、
    前記ミラーを駆動する駆動部が載置された弾性梁部と、
    前記弾性梁部に連結される調整部と、
    前記調整部の両端から延出する固定部と、から構成される光スキャナを製造する製造方法であって、
    予測される前記光スキャナの共振周波数に基づいて前記調整部と前記台座との接合位置を決定する接合位置決定工程と、
    前記接合位置決定工程により決定された接合位置において、前記調整部と前記台座とを溶接する溶接工程と、から成ることを特徴とする光スキャナの製造方法。
  5. 前記接合位置決定工程は、
    前記弾性構造体の厚さを測定する板厚測定工程と、
    前記板厚測定工程による測定結果に基づいて、前記共振周波数を予測する前記周波数予測工程と、
    を備えることを特徴とする請求項に記載の光スキャナの製造方法。
  6. 請求項5に記載の前記光スキャナは、前記弾性梁部に、前記ミラーを支持する支持梁部を更に備える光スキャナであって、
    前記接合位置決定工程は、前記支持梁部の梁幅を測定する梁幅測定工程を備え、
    前記周波数予測工程は、前記梁幅測定工程により測定される前記支持梁部の梁幅に基づいて、前記共振周波数を予測することを特徴とする請求項またはのいずれかに記載の光スキャナの製造方法。
  7. 前記溶接工程は、前記駆動部に連結される前記調整部の第1位置に溶接接合を行う第1溶接工程と、
    前記調整部の前記第1位置に隣接し、前記駆動部との距離が、前記駆動部と前記第1位置との距離より近い第2位置に溶接接合を行う第2溶接工程と、
    から構成されることを特徴とする請求項のいずれかに記載の光スキャナの製造方法。
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