JP5299247B2 - ボール型等速ジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、車両の駆動力伝達軸部に使用されるボール型等速ジョイントに関する。
従来のボール型等速ジョイントとして、例えば、特開平11−190354号公報(特許文献1)などに記載されているものが知られている。このボール型等速ジョイントは、軸方向一方に開口部を有する筒状に形成されて内周面に軸方向に延びる複数の外輪ボール溝を有する外輪と、外輪の内側に配設され、外周面に軸方向に延びる複数の内輪ボール溝を有する内輪と、外輪ボール溝および内輪ボール溝を転動し、外輪と内輪との間でトルクを伝達する複数のボールと、環状に形成されて周方向にボールをそれぞれ収容する複数の窓部を有し、外輪と内輪との間に配設された保持器と、を備えている。
そして、外輪と内輪との間に介在する保持器は、外輪の凹球面状内周面および内輪の凸球面状外周面とそれぞれ球面接触するように配設されている。即ち、保持器の外周面は凸球面状に形成され、保持器の内周面は凹球面状に形成されている。また、外輪ボール溝および内輪ボール溝は、円弧状に形成されており、それらの曲率中心は、ジョイント中心から逆方向に等距離、軸方向にオフセットされている。これにより、外輪ボール溝および内輪ボール溝は、外輪の開口部側から奥側に向かって深さが徐々に浅くなっている。
特開平11−190354号公報
ところで、上記のボール型等速ジョイントは、車両においてドライブシャフトのアウトボードジョイントとして使用されており、通常、車両のフロント側に設置されるボール型等速ジョイントは、前輪の操舵に対応可能なように、最大ジョイント作動角が45°〜50°程度に大きく設定されている。そのため、大きなジョイント作動角が付与された際には、特に内輪ボール溝のボールが位置する浅い方の端部付近でボールの接触楕円がはみ出し、内輪ボール溝のエッジの応力が高くなる。このとき、車両のステアリング据え切り時に過大入力が負荷した場合、内輪ボール溝が変形して、図5に示すように、内輪30aの外周面31aに盛り上がり部37が発生する。この盛り上がり部37が発生すると、保持器50aの内周面52aと内輪30aの外周面31aとの間で保持器の摺動不良が発生し、図6に示すように、保持器50aの窓部53a間にある柱部54aの応力が増加するため、保持器50aの寿命が低下することとなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内輪の外周面に盛り上がり部が発生した場合においても、保持器と内輪との摺動不良の発生を回避して、保持器の長寿命化を図り得るようにしたボール型等速ジョイントを提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決する請求項1に係る発明の構成上の特徴は、
軸方向一方に開口部を有する有底筒状に形成されて内周面に軸方向に延びる複数の外輪ボール溝を有する外輪と、
該外輪の内側に配設され、外周面に軸方向に延びる複数の内輪ボール溝を有する内輪と、
前記外輪ボール溝および前記内輪ボール溝を転動し、前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達する複数のボールと、
環状に形成されて周方向に前記ボールをそれぞれ収容する複数の窓部を有し、前記外輪と前記内輪との間に配設された保持器と、
を備えたボール型等速ジョイントにおいて、
前記保持器は、外輪奥側の端面と前記窓部との間の内周面に、トルク伝達時に前記内輪の外周面に発生する盛り上がり部との干渉を回避するための凹部が設けられていることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載のボール型等速ジョイントにおいて、前記凹部は、前記保持器の内周面に周方向に連続して形成されていることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載のボール型等速ジョイントにおいて、前記凹部は、前記保持器の内周面に周方向に断続的に形成されていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のボール型等速ジョイントにおいて、前記保持器の内周面は、外輪軸線と内輪軸線との交点Oを中心とする凹状球面により形成され、前記凹部は、前記凹状球面の曲率半径R1と異なる曲率半径R2の湾曲面により形成されていることである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のボール型等速ジョイントにおいて、前記外輪ボール溝は、外輪開口側から見てアンダカットフリーの状態に形成されていることである。
請求項1に係る発明によれば、保持器は、外輪奥側の端面と前記窓部との間の内周面に、トルク伝達時に内輪の外周面に発生する盛り上がり部との干渉を回避するための凹部が設けられている。そのため、内輪の外周面に盛り上がり部が発生した場合においても、保持器と内輪との摺動不良の発生を回避して、保持器の長寿命化を図ることができる。さらに、窓部の幅方向中央よりも外輪奥側の内周面に凹部を設けることで、隣り合う窓部の間に位置する柱部の強度を確保することができる。
請求項2に係る発明によれば、凹部は、保持器の内周面に周方向に連続して形成されているので、凹部を形成する際の削り加工等を簡単且つ容易に行うことができる。また、周方向に連続した1つの凹部を形成することで、周方向の複数箇所に発生する盛り上がり部の全てに対して対応可能となる。さらに、等速ジョイントの正回転時と逆回転時とで異なる箇所に発生する盛り上がり部の全てに対しても対応可能となる。
請求項3に係る発明によれば、凹部は、前記保持器の内周面に周方向に断続的に形成されている。この場合、内輪の外周面に発生する盛り上がり部と対応する所定箇所にのみ、部分的に凹部を形成すればよいため、保持器の強度低下を最小限に抑えることができる。さらに、保持器の内周面のうち、内輪の外周面に摺接する面積を十分に確保することができるので、等速ジョイントの作動安定性を確保し易くなる。
請求項4に係る発明によれば、保持器の内周面は、外輪軸線と内輪軸線との交点Oを中心とする凹状球面により形成され、凹部は、前記凹状球面の曲率半径R1と異なる曲率半径R2の湾曲面により形成されている。これにより、保持器の内周面の所定箇所に、凹部を簡単且つ容易に形成することができる。
請求項5に係る発明によれば、外輪ボール溝は、外輪開口側から見てアンダカットフリーの状態に形成されているので、より大きな最大ジョイント作動角を有するボール型等速ジョイントを容易に実現することができる。そのため、大きな最大ジョイント作動角を有するボール型等速ジョイントにおいて特に発生し易い、保持器と内輪との摺動不良の問題を、本願発明により解決することができる。即ち、大きな最大ジョイント作動角を有するボール型等速ジョイントに対して、保持器の内周面に凹部を設けることで、保持器と内輪との摺動不良の発生を、より効果的に回避することができる。これにより、保持器の長寿命化をより有利に達成することができる。
実施形態のボール型等速ジョイントの軸方向に沿う断面図である。 実施形態のボール型等速ジョイントに係る保持器の軸方向に沿う部分断面図である。 保持器の内周面に凹部を設定するに際して調べた内輪外周面盛り上がり量と保持器柱部応力増加値との関係を示すデータである。 実施形態の変形例に係る保持器の軸方向に沿う部分断面図である。 従来のボール型等速ジョイントに係る内輪の軸方向に沿う部分断面図である。 従来のボール型等速ジョイントに係る保持器の軸方向に沿う部分断面図である。
以下、本発明のボール型等速ジョイントを具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態のボール型等速ジョイント10(以下、単に「等速ジョイント」と称す)の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る等速ジョイント10の最大のジョイント角θをとった状態の軸方向断面図である。図2は、本実施形態における保持器50の軸方向に沿う部分断面図である。なお、以下の説明において、外輪20の開口側(外輪開口側)とは、図1の右側を意味し、外輪20の奥側(外輪奥側)とは、図1の左側を意味する。
本実施形態の等速ジョイント10は、図1に示すように、ジョイント中心固定式ボール型等速ジョイント(「ツェッパ形等速ジョイント」とも称す)であって、車両においてフロント側に設置されるドライブシャフトのアウトボードジョイントとして好適に使用されるものである。そのため、等速ジョイント10の最大ジョイント作動角は、50°以上の大きい角度範囲となるように設定されている。この等速ジョイント10は、複数の外輪ボール溝23を有する外輪20と、複数の内輪ボール溝32を有する内輪30と、複数のボール40と、保持器50と、から構成されている。以下、各構成部品について詳細に説明する。
外輪20は、図1の右側に開口部を有するカップ状(有底筒状)に形成されている。この外輪20のカップ底部の外方(図1の左側)には、連結軸21が外輪軸方向に延びるように一体形成されている。この連結軸21は、他の動力伝達軸に連結される。外輪20の内周面22は、凹球面状に形成されている。具体的には、外輪20の凹球面状内周面22は、外輪軸線L1と内輪軸線L2との交点Oを曲率中心として描かれる球面の一部により形成されており、外輪軸方向に切断した断面で見た場合に円弧凹状に形成されている。
外輪20の凹球面状内周面22には、外輪軸直交方向断面がほぼ円弧凹状の複数の外輪ボール溝23が、ほぼ外輪軸方向に延びるように円弧状に形成されている。これら複数(本実施形態では6本)の外輪ボール溝23は、径方向に切断した断面で見た場合に、周方向に等間隔(本実施形態においては60°間隔)に形成されている。ここで、外輪軸方向とは、外輪20の中心軸を通る方向、すなわち、外輪20の回転軸方向を意味する。
外輪ボール溝23の外輪奥側の溝底23aは、外輪軸線L1上で交点Oから外輪20の開口側へ所定距離オフセットした点aを曲率中心として描かれる円弧状の曲線により形成されている。そして、外輪ボール溝23の外輪開口側の端部の溝底23bは、外輪奥側の溝底23aから連続して外輪開口側へ外輪軸線L1とほぼ平行に延びる直線により形成されている。よって、外輪ボール溝23の溝底は、外輪開口側の端部が最も径方向外方に位置する状態、すなわち、外輪開口側から見てアンダカットフリーの状態に形成されている。これにより、最大ジョイント作動角を大きく設定できるようにされている。また、この外輪ボール溝23は、外輪開口側から外輪奥側に向かって深さが徐々に浅くなっている。
内輪30は、環状に形成され、外輪20の内側に配置されている。この内輪30の外周面31は、凸球面状に形成されている。具体的には、内輪30の凸球面状外周面31は、外輪軸線L1と内輪軸線L2との交点Oを曲率中心として描かれる球面の一部により形成されており、内輪軸方向に切断した断面で見た場合に一様な円弧、つまり凸状の部分球面状に形成されている。
また、内輪30の外周面には、内輪軸直交方向断面がほぼ円弧凹状の複数の内輪ボール溝32が、ほぼ内輪軸方向に延びるように円弧状に形成されている。これら複数(本実施形態では6本)の内輪ボール溝32は、径方向に切断した断面で見た場合に、周方向に等間隔(本実施形態では60度間隔)に、且つ、外輪20に形成される外輪ボール溝23と同数形成されている。つまり、それぞれの内輪ボール溝32が、外輪20のそれぞれの外輪ボール溝23に対向するように位置する。
内輪ボール溝32の外輪開口側の溝底32aは、内輪軸線L2上で交点Oから外輪20の奥側へ所定距離オフセットした点bを曲率中心として描かれる円弧状の曲線により形成されている。なお、点bの交点Oからのオフセット距離は、点aの交点Oからのオフセット距離と同じである。そして、内輪ボール溝32の外輪奥側の溝底32bは、外輪開口側の溝底32aから連続して外輪奥側へ内輪軸線L2とほぼ平行に延びる直線により形成されている。これにより、内輪ボール溝32は、外輪20の開口側から奥側に向かって深さが徐々に浅くなっている。
隣り合う内輪ボール溝32の間には、径方向外方に突出する突部33がそれぞれ形成されている。また、内輪30の内周面には、内輪軸方向に延びる内周スプライン35が形成されている。この内周スプライン35は、動力伝達軸36の外周スプラインに嵌合(噛合)されている。ここで、内輪軸方向とは、内輪30の中心軸を通る方向、すなわち、内輪30の回転軸方向を意味する。
複数のボール40は、それぞれ、外輪20の外輪ボール溝23と、当該外輪ボール溝23に対向する内輪30の内輪ボール溝32に挟まれるように配置されている。そして、それぞれのボール40は、それぞれの外輪ボール溝23およびそれぞれの内輪ボール溝32に対して、転動自在で周方向(外輪軸回りまたは内輪軸回り)に係合している。従って、ボール40は、外輪20と内輪30との間でトルクを伝達する。
保持器50は、円環状に形成され、外輪20の凹球面状内周面22と内輪30の凸球面状外周面31との間に配置されている。保持器50の外周面51は、外輪20の凹球面状内周面22にほぼ対応する部分球面状、すなわち凸球面状に形成されている。一方、保持器50の内周面52は、内輪30の凸球面状外周面31にほぼ対応する部分球面状、すなわち凹球面状に形成されている。保持器50の外周面51および内周面52は、外輪軸線L1と内輪軸線L2との交点Oを中心とする球面により形成されている。
この保持器50は、周方向(保持器軸心の周方向)に等間隔に配置された、ほぼ矩形の貫通孔である複数の窓部53を有する。この窓部53は、ボール40と同数形成されている。そして、それぞれの窓部53に、ボール40が1つずつ収容されている。それぞれの窓部53の4箇所の角部には円弧凹状Rが設けられている。これにより、隣り合う窓部53の間に位置するそれぞれの柱部54(図2参照)の強度向上が図られている。
そして、保持器50の内周面52には、図2に示すように、トルク伝達時において内輪30の凸球面状外周面31に発生する盛り上がり部37(図5参照)との干渉を回避するための凹部55が設けられている。具体的には、この凹部55は、保持器50の内周面52の、外輪20奥側の端面と窓部53との間に、所定の幅で周方向に1周するよう連続して形成されている。この凹部55は、保持器50の内周面52を形成する球面の曲率半径R1と異なる曲率半径R2の湾曲面により形成されている。この場合の曲率半径は、R1>R2とされているが、R1<R2とすることも可能である。
この凹部55は、窓部53の幅方向中央よりも外輪20の奥側であって、内輪30の凸球面状外周面31に発生する盛り上がり部37と対向する対向部位57a、57bを含むように形成されている。ここでの対向部位57a、57bは、窓部53よりも外輪奥側であって、かつ窓部53の周方向両端に位置している。なお、一方の対向部位57aは、等速ジョイント10の正回転(車両が前進する方向への回転)時に発生する盛り上がり部37と対向する部位であり、他方の対向部位57bは、等速ジョイント10の逆回転時に発生する盛り上がり部37と対向する部位である。これらの対向部位57a、57bは、内輪30および保持器50の軸方向長さや径方向の大きさ等の変更により、盛り上がり部37の発生する位置が異なる場合には、位置がずれることもある。

なお、保持器50の内周面52に凹部55を設定するに際して、等速ジョイント10の作動時における内輪30の外周面31盛り上がり量と保持器50の柱部54の応力増加値との関係を調べたところ、図3に示す結果が得られた。図3から明らかなように、保持器50の柱部54の応力は、内輪30の外周面31盛り上がり量が0.08mm以上で増加する。よって、内輪30の外周面31と保持器50の内周面52とのクリアランスを0.08mm以上確保することにより、柱部54の応力増加を抑えることができる。また、柱部54の応力を100MPa以下に抑えるには、上記のクリアランスを0.14mm以下にすればよい。
以上のように構成された本実施形態の等速ジョイント10は、車両においてフロント側に設置されるドライブシャフトのアウトボードジョイントとして使用される。そして、車両の走行中等において、大きなジョイント作動角θが付与された状態で、ステアリング据え切り時に過大入力が負荷した場合には、内輪ボール溝32が変形して、内輪30の凸球面状外周面31aに盛り上がり部37(図5参照)が発生する。このとき、内輪30の凸球面状外周面31aと摺動する保持器50の内周面には、内輪30の凸球面状外周面31aに発生した盛り上がり部37と対向する対向部位57a、57bを含むように凹部55が設けられていることにより、保持器50と内輪30との摺動不良の発生が回避される。これにより、保持器50の長寿命化が可能となる。
以上のように、本実施形態の等速ジョイント10によれば、保持器50の内周面52の所定箇所に、トルク伝達時に内輪30の凸球面状外周面31に発生する盛り上がり部37との干渉を回避するための凹部55が設けられているので、内輪30の凸球面状外周面31に盛り上がり部37が発生した場合においても、保持器50と内輪30との摺動不良の発生を回避して、保持器50の長寿命化を図ることができる。さらに、凹部55は、窓部53の幅方向中央よりも外輪20の奥側の内周面52に設けられているので、柱部54の強度を確保することができる。
また、本実施形態における凹部55は、保持器50の内周面52に周方向に連続して形成されているので、凹部55を形成する際の削り加工等を簡単且つ容易に行うことができる。また、周方向に連続した1つの凹部55を形成することで、周方向の複数箇所(本実施形態では6箇所)に発生する盛り上がり部37の全てに対して対応することができる。さらに、等速ジョイント10の正回転時と逆回転時とで異なる箇所に発生する盛り上がり部37に対しても対応可能となる。等速ジョイント10の正回転時と逆回転時とで異なる箇所に発生する全ての盛り上がり部37に対して対応可能となる。
また、本実施形態における凹部55は、保持器50の内周面52を形成する凹状球面の曲率半径R1と異なる曲率半径R2の湾曲面により形成されていることから、保持器50の内周面52の所定箇所に、凹部55を簡単且つ容易に形成することができる。
また、本実施形態の等速ジョイント10は、外輪20の開口端部の内周面がアンダカットフリーの状態に形成されていることにより、最大ジョイント作動角をより大きく設定することができる。そのため、大きな最大ジョイント作動角を有するボール型等速ジョイントにおいて特に発生し易い保持器50と内輪30との摺動不良を、保持器50の内周面52に凹部55を設けることで、より効果的に回避することができる。これにより、保持器50の長寿命化をより有利に達成することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
例えば、上記の実施形態においては、凹部55は、保持器50の内周面52に周方向に連続して形成されているが、図4に示す変形例のように、凹部56を、保持器50の内周面52に、周方向に断続的に形成するようにしてもよい。本変形例の凹部56は、等速ジョイント10の正回転時において、内輪30の凸球面状外周面31に発生する盛り上がり部37と対向する対向部位57aを含むようにして、周方向に距離を隔てて6箇所に形成される。この凹部56は、保持器50の内周面52を形成する凹状球面の曲率半径R1と異なる曲率半径R3の湾曲面により形成されている。この場合の曲率半径は、R1>R3とされている。
本変形例によれば、凹部56は、保持器50の内周面52に周方向に断続的に形成されていることから、内輪30の凸球面状外周面31に発生する盛り上がり部37と対応する所定箇所にのみ、部分的に凹部56を形成すればよいため、保持器50の強度低下を最小限に抑えることができる。さらに、保持器50の内周面52のうち、内輪30の凸球面状外周面31に摺接する面積を十分に確保することができるので、等速ジョイント10の作動安定性を確保し易くなる。
なお、本変形例では、凹部56は、等速ジョイント10の正回転時に発生する盛り上がり部37と対向する対向部位57aに対してのみ設けられているが、等速ジョイント10の逆回転時に発生する盛り上がり部37と対向する対向部位57bにも設けるようにしてもよい。
10:ボール型等速ジョイント、 20:外輪、 21:連結軸、 22:凹球面状内周面、 23:外輪ボール溝、 30:内輪、 31:凸球面状外周面、 32:内輪ボール溝、 33:突部、 35:内周スプライン、 36:動力伝達軸、 40:ボール、 50:保持器、 51:外周面、 52:内周面、 53:窓部、 54:柱部、 55、56:凹部、 57a、57b:対向部位、 L1:外輪軸線、 L2:内輪軸線。

Claims (5)

  1. 軸方向一方に開口部を有する有底筒状に形成されて内周面に軸方向に延びる複数の外輪ボール溝を有する外輪と、
    該外輪の内側に配設され、外周面に軸方向に延びる複数の内輪ボール溝を有する内輪と、
    前記外輪ボール溝および前記内輪ボール溝を転動し、前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達する複数のボールと、
    環状に形成されて周方向に前記ボールをそれぞれ収容する複数の窓部を有し、前記外輪と前記内輪との間に配設された保持器と、
    を備えたボール型等速ジョイントにおいて、
    前記保持器は、外輪奥側の端面と前記窓部との間の内周面に、トルク伝達時に前記内輪の外周面に発生する盛り上がり部との干渉を回避するための凹部が設けられていることを特徴とするボール型等速ジョイント。
  2. 請求項1において、
    前記凹部は、前記保持器の内周面に周方向に連続して形成されていることを特徴とするボール型等速ジョイント。
  3. 請求項1において、
    前記凹部は、前記保持器の内周面に周方向に断続的に形成されていることを特徴とするボール型等速ジョイント。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、
    前記保持器の内周面は、外輪軸線と内輪軸線との交点Oを中心とする凹状球面により形成され、前記凹部は、前記凹状球面の曲率半径R1と異なる曲率半径R2の湾曲面により形成されていることを特徴とするボール型等速ジョイント。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、
    前記外輪ボール溝は、外輪開口側から見てアンダカットフリーの状態に形成されていることを特徴とするボール型等速ジョイント。
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