以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明が適用される情報処理システムであって、デジタルシネマの分野に適用された場合の情報処理システムの構成例を示している。
図1の例の情報処理システムは、映画館11A乃至11Nに設置される各種装置(詳細については後述する)と、メンテナンスサーバ12とが、インターネット等の所定のネットワーク13を介して相互に接続されて構成されている。ここに、メンテナンスサーバ12とは、例えば、各映画館11A乃至11Nに設置される各種装置のメンテナンスを役務(サービス)として提供している者の用に供する装置をいう。
映画館11Aには、複数の映画を並行して上映できるように、複数の上映場22a乃至22nが存在する。これらの複数の上映場22a乃至22nの統括管理を行うべく、Theater Management装置21(以下、TM装置21と称する)が映画館11Aに設置されている。
上映場22aには、Screen Management装置31a(以下、SM装置31aと称する)乃至スクリーン34aが設けられている。
同様に、上映場22nには、SM装置31n乃至スクリーン34nが設けられている。その他図示せぬ各上映場22k(kは、任意の小文字のアルファベット)にも、SM装置31k乃至スクリーン34kがそれぞれ設けられている。
なお、以下、上映場22a乃至22nを、個々に区別する必要がない場合、それらをまとめて上映場22と単に称する。また、以下、上映場22kを単に上映場22と称している場合には、SM装置31k乃至スクリーン34kのそれぞれも、SM装置31乃至スクリーン34のそれぞれと称する。
SM装置31は、上映場22の統括管理を行う装置であって、上映場22内の他の装置、即ち、素材サーバ32やプロジェクタ33等を制御する。また、SM装置31は、TM装置21と通信を行い、各種情報を適宜授受する。
素材サーバ32は、上映場22にて上映する映画(素材)のデジタルデータをプロジェクタ33に提供する。
プロジェクタ33は、素材サーバ32から提供されたデジタルデータに対応する映像をスクリーン34に投射する。これにより、映画がスクリーン34において上映される。
その他の映画館11B乃至11Nにも、図示はしないが同様に、1以上の上映場22が存在し、各上映場22にはそれぞれ、SM装置31乃至スクリーン34が設けられている。
ここで、図1の情報処理システムは上述したようにデジタルシネマの分野に適用されている。かかるデジタルシネマの分野では、DCI(Digital Cinema Initiatives)と称される団体により、DCI Specと称される規格が規定されている。その規格によれば、参照されるべき映像パラメータとして、「白ピーク輝度はスクリーン中心で、48cd/m2(14ft-L)であること」と明記されている。14ft-L = 48cd/m2、とあるので、大体1m2当たりろうそく48本分の明るさがスクリーン34の中心で必要であるということになる。換言すると、スクリーン34に投影される映像の輝度(照度)は、常に一定に保つ必要がある。
一方、スクリーン34のサイズは、上映場22の容積等に応じて多種多様な種類が存在する。
従って、プロジェクタ33の光源としては、投射対象のスクリーン34のサイズに応じて、DCI Specを満たすことができる最適なランプ、例えばXenonなどのランプをそれぞれ採用する必要がある。
また、映画の画角についても、例えば、アスペクト比が1:1.33の「スタンダードサイズ」、アスペクト比が1:1.66の「ビスタサイズ(ヨーロッパ規格)」、アスペクト比が1:1.85の「ビスタサイズ(アメリカ規格)」、アスペクト比が1:2.35の「シネマスコープサイズ(登録商標)」といった多種多様な種類が存在する。従って、同一の上映場22において、即ち、同一のスクリーン34において、これらの多種多様な画角のうちの所定の1つから別の1つへの切り替えが必要になる場合がある。このような場合には、プロジェクタ33のレンズのズーム倍率を変化させる必要がある。この変化にあわせて、上述したようにスクリーン34上の映像の輝度(照度)を一定に保つべく、ランプのパワー(入力ワット)を変更する必要があり、その結果、そのランプの光量ゲインを一定量に確保する必要がある。このため、入力定格としての最小ワットや最大ワット等(以下、かかる入力定格をランプサイズとも称する)がその変更に対応可能なランプを採用する必要があるとともに、そのランプを駆動する側でも適切な設定を行う必要がある。
また、ランプには寿命があるため、ランプの使用時間等を適切に管理して、適切な時期にランプを交換する必要がある。ランプによっては、年間最高8回程度交換が必要になるときもあるからである。
さらにまた、ランプは所定のランプハウス(例えば本実施の形態では図2のランプハウス57)に装着されるため、その形状自体は機能確保上同一又は類似となるが(例えば本実施の形態では図3の形状が採用されている)、ランプサイズについては明確な規定は存在せず、多種多様のランプサイズのランプが市場に流通する可能性がある。特に、図1の映画館11A乃至11Nが遠隔地に点在するような場合には、各地域におけるランプ製造者(製造メーカ)のランプを採用することが多い。このような場合、各地域によって異なる種類のランプサイズのランプがそれぞれ市場に流通している可能性は一段と高くなっている。従って、映画館11A乃至11Nにおいて、たとえ同一のサイズのスクリーン34に映像を投影するプロジェクタ33であっても、それに搭載させるランプとしては、ランプサイズの異なったランプがそれぞれ採用されることもある。
このように、デジタルシネマの分野におけるプロジェクタ用のランプにはその分野特有の事情が存在する。その結果、従来のプロジェクタを採用していた映画館では、次のような種々の問題が生じていた。
例えば、従来においても、複数の種類のランプサイズのランプを駆動可能な電源(以下、ランプ電源部と称する)を有するプロジェクタも存在した。この場合、従来、ランプ交換作業者が、交換対象のランプのランプサイズにあわせてランプ電源部の設定を手動で施していた。或いは、ランプ交換作業者は、ランプ電源部の設定に合わせて、所定のランプサイズのランプを選定していた。この場合、ランプ交換作業者が、作業ミスにより、誤った設定を行ったり、誤ったランプを選定しまうときがあり、このようなときには、定格電流を超える電流がランプに流れ、破裂故障などを起こす危険性があった。ここで、誤ったランプとは、ランプ電源部の設定に合致していないランプサイズのランプを意味する。ただし、合致していない理由としては、ランプサイズの選択自体を誤ってしまったという理由も存在するし、ランプサイズの選択自体は正しかったが、一般的にランプの形状は同一または類似していることから視認だけではランプサイズを判断できずに、選択したランプサイズとは異なるランプサイズのランプを誤って用意してしまったという理由も存在する。また、従来のプロジェクタでは、そもそも、予め用意されたランプ電源部の設定範囲と完全に一致しないランプサイズが搭載された場合、その使用すらできなかった。以下、このような問題を、ランプサイズ問題と称する。
また例えば、上述したように、ランプの使用時間等を適切に管理する必要があることから、ランプ使用時間を計測するタイマ(以下、ランプタイマと称する)が、従来のプロジェクタにも設けられていた。しかしながら、従来、ランプタイマは、上映場22におけるオペレータ等によるリセットが随時可能とされていたため、ランプ保証時間以内でランプ寿命となったとしてもそのことを公式に証明する手段がなかった。即ち、ランプ保証時間以内にランプ寿命となった場合には、ランプの無償交換等をする特約が締結されてランプが譲渡されることもあるが、このような特約を履行すべきか否かを判断する手段が無かった。また、複数種類のランプサイズを搭載可能なプロジェクタにおいては、光量(ランプサイズ)により定期交換時間の差異がある部品が存在するが、かかる部品の交換時期を判断する際、如何なるランプを使用していたのかといった履歴情報を、部品交換者(サービスマン)が確認する手段がなかった。以下、このような問題を、ランプ使用履歴問題と称する。
また例えば、上述したように、従来、ランプタイマは、上映場22におけるオペレータ等によりリセットが随時可能とされていたため、ランプ使用時間の厳密な管理ができていない可能性があった。また、上述したように、従来のプロジェクタにとって認定外のランプであっても、そのプロジェクタにおける使用が容易に可能であったため、そのプロジェクタとの適合性(例えば冷却、駆動電流、メカ寸法等)が不適切となることが多かった。その結果、そのプロジェクタが故障したり、ランプが破裂するなどの危険性があった。以下、このような問題を、ランプ管理問題と称する。
また例えば、デジタルシネマの分野では、各映画館11A乃至11Nは、維持費を下げるために複数のランプ製造者からの購買を希望するため、上述したように、多種多様なランプサイズのランプが市場に混在することになる。一方、例えば「シネマスコープサイズ」と「ビスタサイズ」とを切り替えたとしても、上述したように、スクリーン34に投影される映像の輝度(照度)を常に一定に確保する必要がある。この場合に、輝度を一定に確保するためには、ランプの光量ゲインを1.6に確保する必要がある。しかしながら、従来、予め用意されたランプ電源部の設定範囲では対応が取れない場合があるという問題があった。以下、このような問題を、ランプゲイン問題と称する。
また例えば、従来、複数の種類のランプサイズを駆動可能なランプ電源部を有するプロジェクタにおいて、搭載するランプによって推奨交換時間が違っていたので、上映場22におけるオペレータ等が、そのランプの推奨交換時間とランプタイマとを比較しながら、ランプ交換のタイミングを独自に管理していた。その結果、管理が煩雑になりかつ、管理ミスによる上映トラブルなどが起きる危険性があった。以下、このような問題を、ランプ交換時期問題と称する。
そこで、本発明が適用される図1の情報処理システムおいては、上述した各種問題を解決可能なプロジェクタ33が、各上映場22に設置されているのである。即ち、プロジェクタ33とは、本発明が適用されるプロジェクタの一実施の形態である。かかるプロジェクタ33の構成例が、図2に示されている。
図2の例のプロジェクタ33において、CPU(Central Processing Unit)51は、メモリ52に記録されているプログラム等に従って各種の処理を実行する。メモリ52にはまた、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU51にはまた、入出力部53、I/O部54、および入出力インタフェース55が接続されている。
入出力部53は、例えばタッチパネル等で構成され、ユーザ(図1の上映場22のオペレータ等)が各種操作を行うための入力部71、および、その操作内容等を表示するためのディスプレイなどよりなる表示部72を有している。
I/O部54は、CPU51とランプ電源部56との間で授受される各種情報を中継する。なお、中継される各種情報の具体例については、図5のステップS10の説明の際に後述する。
ランプ電源部56は、複数の種類のランプサイズのランプ58を駆動可能な電源である。即ち、ランプ電源部56は、CPU51からI/O部54を介する制御に基づいて、ランプハウス57に装着されたランプ58に対して適切な駆動電力を提供する。
ランプ58は、例えば本実施の形態では、図3に示される形状を有している。即ち、本実施の形態では、プロジェクタ33にランプ58として搭載される可能性(交換可能性)があるランプは、何れも図3の形状と同一の形状を有している。ただし、かかるランプは、多種多様のランプサイズを有し得る。其れゆえに、オペレータ等は、ランプ58として交換すべきランプについて、その形状(図3の形状)を単に視認しただけでは、そのランプサイズを判別することは困難である。その結果、上述したランプサイズ問題等の各種問題が発生する可能性がある。そこで、これらの問題の発生を回避すべく、プロジェクタ33は、後述する図5のプロジェクタランプ交換時処理を実行するのである。
ただし、ランプ58の形状は、図3の例に限定されず、ランプハウス57に装着可能な形状であれば足りる。換言すると、ランプ58の形状は、ランプハウス57の構造に依存する。即ち、本実施の形態のランプハウス57がたまたま、図3の形状のランプ58を搭載可能な構造を有しているのである。
このように、プロジェクタ33は、多種多様なランプサイズのランプをランプ58として搭載する可能性がある。そこで、ランプ電源部56は、最大出力ワット、最小出力ワット、および最大電流といった出力定格として、複数のモード(以下、ランプモードと称する)が設定可能なように構成されている。具体的には例えば本実施の形態では、図4に示されるような4つのランプモードA乃至Dのそれぞれが、ランプ電源部56に対して設定可能とされている。かかるランプモードA乃至Dのうちの何れか1つを設定するためのスイッチとして、例えば本実施の形態では、図2に示される設定SW73がランプ電源部56に設けられている。具体的には例えば、設定SW73によってランプモードAが設定されている場合には、図4によると、ランプ電源部56は、最大出力ワットとして4.6kW、最小出力ワットとして2.0kW、および最大電流として167Aの範囲内で駆動することになる。
なお、以下、このようにランプモードで規定される定格出力範囲、即ち、最小出力ワットから最大出力ワットまでの範囲を、モード範囲と称する。換言すると、モード範囲とは、最小出力ワットを最小リミットとして出力制限し、最大出力ワットを最高リミットとして出力制限する範囲、即ち、ランプ電源部56の駆動の制限範囲であるといえる。具体的には例えば、ランプモードAのモード範囲とは、2.0kW乃至4.6kWの範囲(後述する図9参照)を意味する。
図2の入出力インタフェース55には、通信部59とドライブ60とが接続されている。通信部59は、外部のSM装置31や素材サーバ32(図1参照)を含む他の装置との間の通信処理を制御する。この場合の通信の形態は特に限定されず、有線であってもよいし無線であってもよい。また、直接接続による通信であってもよいし、インターネットを含むネットワークを介在する通信であってもよい。
また、通信部59は、このような通信制御により外部からプログラムを取得し、メモリ52に記憶させることもできる。
ドライブ60は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア74が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じてメモリ52に転送され、記憶される。
次に、図5のフローチャートを参照して、かかる構成のプロジェクタ33が実行する処理のうちの、所定ランプがランプ58として交換される際に実行する処理(以下、プロジェクタランプ交換時処理と称する)の一例について説明する。
なお、適宜、図6乃至図9の具体例を参照して説明する。
ステップS1において、CPU51は、ランプタイマリセットボタンが押下されたか否かを判定する。
ランプタイマリセットボタンが押下されるまでの間、ステップS1の処理でNOであると判定されて、再びステップS1の処理が実行される、という処理が繰り返される。
ここで、図6を参照して、ランプタイマリセットボタンの一例について説明する。
図6は、プロジェクタ33の設定や管理等を行うためのGUI(Graphical User Interface)画像の一例を示している。このGUI画像は、例えば本実施の形態では、表示部72に表示される。例えば本実施の形態では、このGUI画像のうちの「RESET」と記述されたソフトウエアボタン101に、ランプタイマリセットボタンとしての機能が割り当てられている。
従って、ランプ交換作業者がランプ58として所定ランプを交換をした際に、入力部71を操作して、例えば入出力部53がタッチパネルで構成されている場合には自身の指等を接触させる操作をして、かかるランプタイマリセットボタン101を押下することができる。この場合、図5のステップS1の処理でYESであると判定されて、処理はステップS2に進む。
ステップS2において、CPU51は、ランプシリアルコード入力画面を表示部72にポップアップ表示させる。そして、ステップS3において、CPU51は、ランプシリアルコードが入力されたか否かを判定する。
ここで、図7と図8を参照して、ランプシリアルコードと、ランプシリアルコード入力画面とについて説明する。
ランプシリアルコードとは、ランプ製造者(製造メーカ)が、ランプ58となり得る所定ランプを製造した場合、その所定ランプに関する1以上のランプ情報等が所定の順番で配置されて構成される情報をいう。ランプ情報等と「等」を付属させたのは、後述するようにチェックサム(「Check sum」/「check sum」)等ランプ情報以外の情報がランプシリアルコードに含まれる可能性があるからである。また、ランプ情報自体は、その所定ランプに関する情報であれば特に限定されない。例えば、所定ランプを唯一特定するための情報(ID等)や、所定ランプについての管理情報等をランプ情報として採用できる。
なお、以下、ランプシリアルコードが付される対象のランプを、対象ランプと称する。
このランプシリアルコードは、例えば対象ランプとともに譲渡される。具体的には例えば本実施の形態では、このランプシリアルコードが紙媒体に印刷され、その紙媒体が対象ランプとともに梱包されて出荷される。
図7は、ランプシリアルコードの構造例を示している。図7に示されるように、ランプシリアルコードは、「Check sum/manufacturer code/max watt/min watt/life hour/lamp serial/check sum」という各テキスト情報が配列されて構成される。
「Check sum」/「check sum」とは、プロジェクタ33においてランプ58として対象ランプが交換された際に、後述する図5のステップS3の処理でランプシリアルコードとして所定のテキスト情報がランプ交換作業者によって入力された場合に、その所定のテキスト情報が正当なランプシリアルコードとなっているのか否かをチェックするために利用される情報である。
従って、ランプ製造者(製造メーカ)が、上述したように、対象ランプを製造した際に併せてランプシリアルコードを作成する必要があるが、そのランプシリアルコードの作成の際、「Check sum」/「check sum」は演算される。なお、ランプシリアルコードの作成方法については、図12を参照して後述する。
「manufacturer code」とは、ランプ情報の1つであって、対象ランプのランプ製造者(製造メーカ)を特定するためのコード、いわゆるメーカIDである。
「max watt」とは、ランプ情報の1つであって、対象ランプのランプサイズ(入力定格)のうちの最大ワットを示す情報である。
「min watt」とは、ランプ情報の1つであって、対象ランプのランプサイズ(入力定格)のうちの最小ワットを示す情報である。
「life hour」とは、ランプ情報の1つであって、対象ランプの公称寿命時間を示す情報である。
「lamp serial」とは、ランプ情報の1つであって、対象ランプを唯一に特定できる情報、即ちいわゆるシリアル番号である。
かかるランプシリアルコードをプロジェクタ33に対して入力するためのGUI画像が、ランプシリアルコード入力画面であって、例えば図8に示されるような画像102が、同図に示されるように表示部72にポップアップ表示される。
そこで、ランプ交換作業者は、対象ランプをランプ58としてランプハウス57に取り付けた場合、即ち、ランプ58が対象ランプに交換された場合、対象ランプのランプシリアルコードを、ランプシリアルコード入力画面102のうちのボックス111、即ち、「Serial Code」という表示の右方のボックス111に入力することができる。この入力については、例えば本実施の形態では、入力部71が利用される。
この間、図5のプロジェクタランプ交換時処理においては、ステップS3の処理でNOであると判定されて、再びステップS3の処理が実行される、という処理が繰り返されている。
図8のボックス111に、対象ランプのランプシリアルコード候補が入力され、その右方の「CHECK」と記述されているソフトウエアボタン112の押下操作がなされると、入力が確定し、ボックス111の入力内容がCPU51に通知される。すると、図5のプロジェクタランプ交換時処理においては、ステップS3の処理でYESであると判定されて、処理はステップS4に進む。
ステップS4において、CPU51は、Check sum確認処理を実行する。
即ち、上述した表現では、ステップS3の処理時点において、ボックス111に入力されたテキスト情報を、ランプシリアルコードと直ちに表現せずに、ランプシリアルコード候補と表現した。この表現の理由は、ボックス111に入力されたテキスト情報は、ランプ交換作業者の入力操作ミスも含めて、ランプ58として交換された対象ランプの正当なランプシリアルコードであるのか否か、ステップS3の処理時点、即ち入力時点ではまだ判断できないからである。
そこで、CPU51は、上述したように、ボックス111に入力されたテキスト情報のうちの「Check sum」/「check sum」に相当する部分を用いて、そのテキスト情報が、正当なランプシリアルコードとなっているのか否かをチェックする処理を実行する必要がある。かかる処理が、ステップS4でいう「Check sum確認処理」である。
ステップS5において、CPU51は、この「Check sum確認処理」の結果が、正当なコードであるという結果であったのか否かを判定する。
ボックス111に入力されたテキスト情報(ランプシリアルコード候補)が不正なコードであった場合、ステップS5においてNOであると判定されて、処理はステップS6に進む。ステップS6において、CPU51は、表示部72にエラー表示を行う。ここでいうエラー表示とは、例えば、ボックス111に入力されたテキスト情報(ランプシリアルコード候補)は不正なコードであるという通知、其れゆえ再入力を促す通知等を表示することを指す。かかるエラー表示は、例えば図8の領域114への表示により実現可能である。これにより、プロジェクタランプ交換時処理は終了となる。
これに対して、ボックス111に入力されたテキスト情報(ランプシリアルコード候補)が正当なコードであった場合、ステップS5においてYESであると判定されて、処理はステップS7に進む。
即ち、この時点では、ボックス111に入力されたテキスト情報(ランプシリアルコード候補)は正当なコードであったと判断されているので、以下の処理では、ボックス111に入力されたテキスト情報が、ランプシリアルコードとして取り扱われることになる。
ステップS7において、CPU51は、ランプシリアルコードに含まれる最小ワット(min watt)から最大ワット(max watt)までの範囲(以下、コード範囲と称する)と、設定されたランプモードにおける最小出力ワットから最大出力ワットまでの範囲(即ちモード範囲)とを比較する。
ステップS8において、CPU51は、ステップS7の比較結果に基づいて、コード範囲とモード範囲とで重なる範囲が存在するか否かを判定する。
コード範囲とモード範囲とで重なる範囲が存在しなかった場合、ステップS8においてNOであると判定されて、処理はステップS9に進む。ステップS9において、CPU51は、表示部72にエラー表示を行う。ここでいうエラー表示とは、例えば、ランプ58として交換された対象ランプではランプ電源部56による制御が現状不可能であるので、ランプ58として適切な別のランプに再交換するか、或いは、対象ランプをそのまま使用する場合には、ランプ電源部56のランプモードの設定変更をする必要があるという通知、其れゆえ、それらの交換や変更を促す通知等を表示することを指す。かかるエラー表示も、例えば図8の領域114への表示により実現可能である。これにより、プロジェクタランプ交換時処理は終了となる。
これに対して、コード範囲とモード範囲とで重なる範囲が存在する場合、ステップS8においてYESであると判定されて、処理はステップS10に進む。
ステップS10において、CPU51は、コード範囲とモード範囲との重なる範囲を、ランプ駆動制御範囲に決定する。
具体的には例えば、この時点で設定されているランプモードが図4のランプモードAである場合には、モード範囲は、2.0kW乃至4.2kWの範囲となる。また例えば、ランプシリアルコードに含まれる最小ワット(min watt)が1.8kWであって、最大ワット(max watt)が3.6kWであった場合には、コード範囲は、1.8kW乃至3.6kWとなる。このような場合、図9に示されるように、コード範囲とモード範囲との重なる範囲、即ち、2.0kW乃至3.6kWが、ランプ駆動制御範囲に決定される。
ここで、ランプ駆動制御範囲とは、図2のCPU51がI/O部54を介してランプ電源部56に出力するコマンドのうち、指示コマンドとして与える出力電力の範囲をいう。即ち、ランプ電源部56は、CPU51からの指示コマンドで指定されている出力電力をランプ58に提供するように駆動する。従って、ランプ駆動制御範囲(図9の例では、2.0kW乃至3.6kW)内の所定電力が、出力電力の指示コマンドとしてCPU51から発行されることになる。その結果、ランプ電源部56は、ランプ駆動制御範囲(図9の例では、2.0kW乃至3.6kW)内で駆動することになる。これにより、ランプ58(ランプシリアルコードに対する対象ランプ)には、適切な範囲内の電力が提供されることになる。
このようにして、図5のステップS10の処理でランプ駆動制御範囲が決定されると、処理はステップS11に進む。
ステップS11において、CPU51は、ランプタイマTを自動的にリセットする(T=0)。ここに、自動的とは、ステップS11の処理時点において、入力部71等からの外部の指示に頼ることなく、CPU51自身の判断で処理を実行することをいう。以下でいう「自動的」も基本的に同様の意味である。
そして、ステップS12において、CPU51は、ログ設定(公称寿命時間T(life)の記録等)を行い、ランプタイマ運用処理を開始する。
これにより、プロジェクタランプ交換時処理は終了となる。
ここで、ログ設定(公称寿命時間T(life)の記録等)について説明する。
ログ設定とは、ステップS3の処理で入力されたランプシリアルコードの内容を、今回ランプ58として交換された対象ランプについてのログ履歴情報に含めてメモリ52に格納することをいう。具体的には、「manufacturer code」、「max watt」、「min watt」、「life hour」、および「lamp serial」の内容がログ履歴情報に含まれる。なお、以下、「life hour」の内容を、公称寿命時間T(life)と称する。
このようにして、メモリ52にログ履歴情報は格納されるので、CPU51は、メモリ52からログ履歴情報を適宜読み出して、表示部72に表示させたり、通信部59を介して別の装置、例えば図1のSM装置31、ひいてはTM装置21やメンテナンスサーバ12に提供することができる。
なお、ログ履歴情報は、例えば本実施の形態では、上述した図8のランプシリアルコード入力画面102の領域113等に表示可能とされている。
このログ履歴情報に含める情報は、ランプ58として今回交換された対象ランプに関する情報であれば特に限定されず、例えば本実施の形態では、その他、対象ランプのランプ使用時間を示す情報として、ランプタイマTの計測値が採用されている。
このランプタイマTの計測値を逐次更新する処理が、図5のステップS12でいう「ランプタイマ運用処理」である。そこで、以下、図10を参照して、ランプタイマ運用処理の一例について説明する。
ステップS31において、CPU51は、処理の終了が指示されたか否かを判定する。
ステップS31の判断処理自体は、特に限定されないが、例えば本実施の形態では、図5のステップS11の処理が実行されたとき、即ち、ランプタイマTが自動的にリセットされたとき、処理の終了が指示されたと判定するとする。
即ち、本実施の形態では、ランプタイマTが自動的にリセットされたとき、ステップS31において、処理の終了が指示されたと判定されて、交換前のランプ58についてのランプタイマ運用処理は終了となる。そして、図5のステップS12が実行されることで、交換後のランプ58についてのランプタイマ運用処理が新たに開始される。
従って、本実施の形態では、ランプタイマTが自動的にリセットされない限り、ステップS31の処理でNOであると判定されて、処理はステップS32に進む。
ステップS32において、CPU51は、ランプ58が点灯されたか否かを判定する。
ランプ58が点灯されていない場合、ステップS32においてNOであると判定されて、処理はステップS31に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、ランプタイマTが自動的にリセットされず、かつ、ランプ58が消灯している間は、ステップS31とS32のループ処理が繰り返し実行される。従って、この間、ランプタイマTは現在値を維持し続ける。
その後、ランプ58が点灯すると、ステップS32において、YESであると判定されて、処理はステップS33に進む。ステップS33において、CPU51は、ランプ58が消灯したか否かを判定する。
ランプ58が点灯され続けている場合には、ステップS33の処理でNOであると判定されて、処理はステップS34に進む。
ステップS34において、CPU51は、ランプタイマTを加算する(T=T+1)。
このとき、例えば本実施の形態では、メモリ52に格納されているログ履歴情報におけるランプタイマTの計測値が書き換えられ、ランプ58として現在使用されている対象ランプの正確な使用時間が管理されるのである。
ステップS35において、CPU51は、ランプタイマTが公称寿命時間T(life)に到達していないか(T < T(life))否かを判定する。
ランプタイマTが公称寿命時間T(life)に到達していない場合には、ステップS35においてYESであると判定されて、処理はステップS33に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
即ち、ランプ58が点灯され続けている間には、ランプタイマTが公称寿命時間T(life)に到達しない限り、ステップS33乃至S35のループ処理が繰り返し実行され、1回のループ処理につき、ランプタイマTの計測値が1つずつインクリメントされていく。
その後、ランプ58が消灯すると、次のステップS33においてYESであると判定され、処理はステップS31に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
即ち、ランプ58が次に点灯するか、または、ランプタイマTが自動的にリセットされるまでの間は、ステップS31とS32のループ処理が繰り返し実行される。従って、この間、ランプタイマTは現在値を維持し続ける。
また、ランプ58の点灯中、即ち、ステップS33乃至S35のループ処理の繰り返し実行中に、ランプタイマTが公称寿命時間T(life)に到達すると、ステップS35においてNOであると判定されて、処理はステップS36に進む。
ステップS36において、CPU51は、表示部72にランプ交換アラームを表示する。ランプ交換アラームとは、ランプ58として現在使用している対象ランプの使用時間が公称寿命時間に到達したので(或いは後述するようにもうすぐ到達するので)、別のランプに交換することを促すメッセージ等をいう。
従って、かかるメッセージの提示形態は、画像表示に特に限定されず、その他音声出力等どのような提示形態でも構わない。即ち、ランプ交換時期が到来したことをランプ交換作業者(オペレータ等)に提示できる形態であれば特に限定されない。
また、図10の例では、ランプタイマTが公称寿命時間T(life)に到達すると、ランプ交換アラームが表示されることになる。ただし、ランプ交換アラームの表示(提示)タイミングは、必ずしも、ランプタイマTが公称寿命時間T(life)に到達した時点に限定されず、公称寿命時間T(life)に基づくタイミング(例えば、公称寿命時間T(life)よりも一定時間前等)であれば、設計者等が任意の時間を採用できる。即ち、ステップS35の処理として、CPU51は、ランプタイマTが、その採用時間に到達していないか否かを判定するだけで、上述したランプタイマ運用処理を全く同様に実行できるようになる。
なお、ステップS36の処理後も、処理はステップS33に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
以上説明したように、プロジェクタ33は、図5のプロジェクタランプ交換時処理や図10のランプタイマ運用処理を実行できるので、上述した各種問題を解決できるようになる。以下、このことについて、さらに詳しく説明する。
上述したようにプロジェクタ33側で図5のステップS7乃至S10を実行することで、適切なランプ駆動制御範囲が自動的に決定され、その結果、ランプ58として今回交換された対象ランプが適切に駆動されるようになる。これにより、予め用意されたランプ電源部56の設定範囲(本実施の形態でいうモード範囲)と完全に一致しない対象ランプが、ランプ58として交換された場合であっても、安全に使用することができるようになる。対象ランプに付されたランプシリアルコードで特定されるコード範囲と、モード範囲との重なった範囲がランプ駆動制御範囲とされるからである。さらに本実施の形態では、ステップS4の処理でCheck sum確認処理が行われて正当性が確認された上で、ランプ駆動制御範囲が決定されるので、オペレータの入力ミスによるランプ破裂や故障の危険性も回避できるようになる。即ち、ランプサイズ問題を解決できるようになる。
なお、ランプ駆動制御範囲の決定手法は、上述した例に限定されず、安全性の確保だけに着目すれば、ランプシリアルコードに含まれる最大ワット(max watt)を超えない範囲をランプ駆動制御範囲として決定する手法であれば足りる。ただし、後述するランプゲイン問題の解決等様々な点を考慮すると、上述した手法の例、即ち、モード範囲とコード範囲とが重なる範囲をランプ駆動制御範囲として決定する決定手法を採用すると好適である。
また、上述したようにプロジェクタ33は、図5のステップS11の処理でランプタイマTを自動的にリセットした後、ステップS12の処理で、ログ設定を行い、ランプタイマ運用処理(図10参照)を開始することができる。これにより、ランプ58として今回交換された対象ランプについてのログ履歴情報が適切に保存され、ランプ使用時間(ランプタイマT)が適切に更新される。これにより、かかるログ履歴情報は適宜表示可能となり、また、外部出力も可能となる。さらに、ステップS1の処理でランプタイマリセットボタンが押下されても、ランプタイマTは直ちにリセットされるわけではなく、ステップS4のCheck sum確認処理による正当性が確認された後にはじめて、ステップS11の処理でランプタイマTが自動的にリセットされる。これにより、対象ランプがランプ保証時間内にランプ寿命となった場合でも、その公式な証明手段としてログ履歴データが利用できるようになる。即ち、ログ履歴データを、対象ランプが不良であることを立証するための資料のひとつとして利用できるようになる。また、ログ履歴情報を、光量(ランプサイズ)により定期交換時間の差異のある部品の交換時間を判断する資料として利用できるようになる。即ち、ランプ使用履歴問題を解決できるようになる。
また、繰り返しになるが、上述したように、図5のステップS1の処理でランプタイマリセットボタンが押下されても、ランプタイマTは直ちにリセットされるわけではなく、ステップS2の処理でランプシリアルコード入力画面が明示的にポップアップ表示され、そのランプシリアルコード入力画面に対して正当なランプシリアルコードが入力されてはじめて、即ち、ステップS4のCheck sum確認処理による正当性が確認された後にはじめて、ステップS11の処理でランプタイマTが自動的にリセットされる。これにより、ランプタイマTの正確な管理が期待できるようになる。また、ランプ58として今回交換された対象ランプがプロジェクタ33にとって認定外である場合には、運用上ランプシリアルコードは付されていないはずであるので、正確なランプシリアルコードが入力されるという事態は発生せず、ステップS4のCheck sum確認処理結果が不当であるとして、ステップS5の処理でNOであると判定されてステップS6の処理でエラー表示が行われる。これにより、認定外の対象ランプをランプ58として使用することによる危険性、即ち、プロジェクタ33が故障したりランプ58が破裂するなどの危険性を回避できるようになる。このように、ランプ管理問題を解決できる。
また、上述した図5のステップS7乃至S10の処理から明らかなように、ランプ駆動制御範囲は、予めプロジェクタ33側で設定されているモード範囲がそのまま利用されているわけではなく、外部から与えられるランプシリアルコードから特定されるコード範囲も考慮されて適切に決定される。即ち、設計時には想定しきれない複数のランプ製造者(ランプメーカ)の多種多様なランプサイズの対象ランプをランプ58としてプロジェクタ33に搭載させる上で、その対象ランプに付属のランプシリアルコードによってコード範囲が外部から入力されるので、ランプ駆動制御範囲の最適化が容易に図れるようになる。その結果、最大限のランプゲインを安全に確保することができるようになる。即ち、ランプゲイン問題を解決できるようになる。
また、ランプの公称寿命時間は、ランプ製造者(製造メーカ)やランプサイズ(入力定格)により多種多様であり、また、同一ランプであっても寿命改善を図る場合がある。このような場合、本実施の形態では、上述したように、ランプ58として交換された対象ランプの公称寿命時間は、ランプシリアルコードに「life hour」として含まれており、この「life hour」が、上述した図10のランプタイマ運用処理でランプタイマTと比較される公称寿命時間T(life)として利用される。そして、ランプタイマTが公称寿命時間T(life)に到達した場合には、図10のステップS36の処理でランプ交換アラームが表示される。このことは、多種多様な公称寿命時間を有する対象ランプのうちの何れのものがランプ58として交換された場合であっても、その公称寿命時間に対応したランプ交換アラームの自動的な提示が可能となったこと、即ち、ランプ交換時期問題を解決できることを意味する。
さらにまた、図10のランプタイマ運用処理で逐次更新されるランプタイマTの計測値と、公称寿命時間T(life)とは、ランプ58として使用されている対象ランプについてのログ履歴情報の一部として、何時でも読出し可能なように図2のメモリ52に格納されている。従って、例えば図11に示されるように、対象ランプの現状の使用時間(ランプタイマTの計測値)が、公称寿命時間T(life)に対してどの程度の割合となっているのかを表示部72等に簡単に表示させることができる。ここで注目すべき点は、固定時間(Hr等)ではなく割合(%)で表示してあるので、多種多様な公称寿命時間を有する対象ランプのうちの何れのものがランプ58として交換された場合であっても、図11の表示形態そのままで表示部72等に表示させることができるようになる点である。
さらにまた、図1の構成から明らかなように、プロジェクタ33は、外部装置と直接的または間接的に接続可能であり、これらの外部装置と直接的または間接的に通信を行うことで、各種情報の授受を外部の装置とやり取りできる。
従って、情報の入力としては、図2のプロジェクタ33の入力部71を必ずしも利用する必要は無く、外部装置の入力機能を利用すること、例えば、SM装置31や図示せぬパーソナルコンピュータ等の入力機能を利用することができる。同様に、情報の提示としては、図2のプロジェクタ33の表示部72を必ずしも利用する必要は無く、外部装置の表示機能や音声出力機能等各種提示機能を利用することができる。具体的には例えば、SM装置31や図示せぬパーソナルコンピュータの表示機能等を利用してもよい。
これにより、例えば、ランプ交換作業者等は、SM装置31や図示せぬパーソナルコンピュータ等を利用して、ランプ58として交換された対象ランプのランプシリアルコードを入力したり、その対象ランプについてのログ履歴情報に基づく各種情報の提示を受けたりすることができるようになる。
また例えば、所定のプロジェクタ33のランプ58として使用されている対象ランプのログ履歴情報は、SM装置31やTM装置21、ひいてはメンテナンスサーバ12にも容易に伝送可能である。従って、上映場22単位、映画館11単位、或いは、複数の映画館11をメンテナンスするサービス単位で、複数のプロジェクタ33の各ランプ58のそれぞれとして利用されている各対象ランプのログ履歴情報を一括管理することもできるようになる。
また、ランプシリアルコードは、上述した例では、ラベルや紙媒体に印字されて利用されたが、上述した例に特に限定されず、その他例えばバーコードやIC(Integrated Circuit)チップなどを用いることで、上述した例と同等以上の効果を奏することが可能になる。同等以上と記述したのは、一般的に、ラベルや紙媒体と比較して、バーコードやICチップなどは様々な用途に応用することが可能であることから、それらをランプシリアルコードに適用することで様々な用途が生まれる可能性が高く、その場合には、上述した例以上の効果を得ることも期待できるからである。
このような様々な可能性のあるランプシリアルコードは、例えば、ランプ製造者(製造メーカ)の用に供する装置(図示せず)に、図12のランプシリアルコード生成処理を実行させることで容易に生成可能である。
即ち、図12は、ランプリシリアルコード生成処理の一例を示している。
ステップS51において、装置は、ランプ製造者(製造メーカ)等によるランプ情報の入力を受け付ける。
ここで、ランプ情報とは、ランプシリアルコードに含まれる情報のうちの、「Check sum」/「check sum」を除く情報、例えば上述した図7の構造のランプシリアルコードが採用されている場合には、図12のステップS51のボックス中に記載されているように、「manufacturer code」,「max watt」,「min watt」,「life hour」,「lamp serial」を指す。この場合の各ランプ情報は、必ずしも同一手法で入力される必要は無く、必ずしも同一タイミングで入力される必要も無く、また、その入力順番も特に限定されない。
いずれにしても、各ランプ情報の全てが入力された段階で、処理はステップS51からステップS52に進む。
ステップS52において、装置は、ランプ情報の並べ替えを行う。この並べ替えは、ランプシリアルコードの構造に従う。従って、上述した図7の構造のランプシリアルコードが採用されている場合には、「manufacturer code」,「max watt」,「min watt」,「life hour」,「lamp serial」の順に並び替えられることになる。
ステップS53において、装置は、このようにして並び替えられた各ランプ情報に対するチェックサムの計算を行う。即ち、「Check sum」/「check sum」が算出されることになる。
ステップS54において、装置は、ランプシリアルコードを生成する。即ち、ステップS52の処理で並び替えられた各ランプ情報に対して、ステップS53の処理で計算されたチェックサムが付加されることで、ランプシリアルコードが生成される。例えば、図7の構造のランプシリアルコードが採用されている場合には、「Check sum/manufacturer code/max watt/min watt/life hour/lamp serial/check sum」という各テキスト情報が配列されて構成される情報が、ランプシリアルコードとして生成されることになる。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、例えば上述した図2のプロジェクタ33に組み込まれているCPU51を含むコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、例えば図2に示されるように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア74、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるメモリ52や、図2には図示せぬハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースである通信部59を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
なお、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置または回路により構成される装置または回路全体を表すものである。
11A,11B,11N 映画館, 12 メンテナンスサーバ, 13 ネットワーク, 21 TM装置, 22a,22n 上映場, 31a,31n SM装置、 32a,32n 素材サーバ, 33,33a,33n プロジェクタ, 34a,34n スクリーン, 51 CPU, 52 メモリ, 53 入出力部, 54 I/O部, 55 入出力インタフェース, 56 ランプ電源部, 57 ランプハウス, 58 ランプ, 59 入出力インタフェース, 60 ドライブ, 71 入力部, 72 表示部, 73 設定SW, 74 リムーバブルメディア