JP5297248B2 - レール締結装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道軌道のレールと合成マクラギとを締結するためのレール締結装置に関する。より具体的には、本発明は、合成マクラギに柱状形状の埋込栓を挿入し、該埋込栓の内部に挿入される六角ボルトなどの締結部材によってタイプレートを介して合成マクラギとレールとを締結するレール締結装置に関する。
鉄道軌道は、一般に、レール、レール締結装置、マクラギ、道床、路盤などによって構成される。マクラギは、木マクラギ、PC(プレストレスト・コンクリート)マクラギ、合成マクラギ、鉄マクラギなどの種類がある。それぞれのマクラギの使用箇所は、列車通過頻度、列車の速度、コストなどに応じて決定されるが、近年は、木マクラギに代えてPCマクラギや合成マクラギが用いられることが多い。これらのマクラギは、木マクラギに比べると建設費が高いが、寿命が長い、狂いが生じにくいなどの利点があるため、長期的にはコストは安くなると考えられる。
最も一般的に用いられているPCマクラギは、耐用年数が長い、曲げに対する抵抗力が高いなどの利点があるが、重量が大きいため施工や交換が難しいという欠点がある。PCマクラギは、マクラギをその下面全体で支持することが必要であるため、橋りょう部やピット部、マクラギが長尺となる分岐部での使用例は極めて少ない。これに対して、合成マクラギは、硬質発泡ウレタン中にガラス長繊維を補強材として混入したマクラギであり、木マクラギが使用される交換困難箇所(橋りょう部、分岐部、ピット部)において、木マクラギの代替品として使用されることが多い。合成マクラギは、重さが木マクラギと同程度で施工しやすく、耐久性がPCマクラギと同等であるという利点を有する。
レール締結装置は、これらのマクラギとマクラギの上方に敷設されるレールとを締結し、車両の走行によって生じる荷重や振動に抵抗してレール位置や間隔を保持するための装置である。レール締結装置は、一般に、マクラギ上に設置されるタイプレートと、タイプレートとマクラギとを締結するボルトなどの第1の締結部材と、レールを抑える1対の板バネなどの固定部材と、固定部材とタイプレートとを締結するボルトなどの第2の締結部材とを主な要素として構成される。レールの下面(レールとタイプレートとの境界)及びタイプレート下面(タイプレートとマクラギとの境界)には、必要に応じて、高さ調整及び衝撃吸収のためのパッドが配置される場合もある。
合成マクラギに用いられる従来のレール締結装置に関する技術として、例えば特許文献1(特開2002−161501号公報)に記載の技術がある。特許文献1は、鍔部を有する形状の埋込栓を用いてレール締結装置が構成される技術を開示する。この技術は、鍔部を下端に一体的に設けた埋込栓を埋め込んだ合成マクラギを予め準備し、この合成マクラギを、タイプレートを介してボルトによってレールと締結するものである。この構成により、鍔部が抵抗となって埋込栓が合成マクラギ内に固定され、埋込栓を合成マクラギから引き抜く力に対抗する引抜抵抗力が大きくなるとともに、横圧力及びふく進力に対する強度が向上するとされる。
こういった引抜抵抗力を向上させる技術とは別に、保守作業を容易にするための技術も開示されている。合成マクラギは、前述の通り、橋りょう部、分岐部、又はピット部において用いられることが多い。これらの箇所において、レールの通りや高低狂いの調整を行う場合には、従来は、マクラギ自体を移動させていた。しかしながら、これらの箇所においては、そもそも保守作業を行うこと自体が困難であることが多いため、マクラギを移動させることはコスト面や安全面からできるだけ回避するのが望ましい。このような点に鑑み、特許文献2(特開2007−255034号公報)には、橋りょう部に用いられる橋マクラギについて、高低調整及び通り調整(レールの延長方向と交わる方向への軌道変位の調整)が容易にできるレール締結装置が開示される。このレール締結装置は、スタッドボルトによってタイプレートと橋マクラギとを締結する。このレール締結装置は、タイプレートにスタッドボルトが通る楕円形の開口が設けられており、この開口に装着される調節座金によって通りを調整するものである。調節座金は、スタッドボルトが通る開口の位置を偏芯させたものを予め用意しておき、通りの調整量に応じて開口の偏芯位置が異なるものを用いる。このような構成によって、スタッドボルトの打ち換え作業の回数が少なくなるため、橋マクラギに不要なスタッドボルト穴が残らず、橋マクラギの劣化を抑制することができる。
特開2002−161501号公報 特開2007−255034号公報
特許文献1に記載の技術については、鍔部が一体的に形成された凸形状の埋込栓を用いるため、この埋込栓を埋め込むことができる同形状の埋込孔を合成マクラギに形成しなければならないこと、埋込栓を埋め込む工程で合成マクラギの上下から孔を開けなければならないことから、埋込孔の加工にコストと手間を要する。また、この技術は、予め埋込孔を合成マクラギに穿設しておくことが必要となるため、既設の合成マクラギに適用することは難しい。さらに、レール締結装置が一旦設置された後に埋込栓の劣化などが生じた場合に、埋込栓自体を交換することが難しい。すなわち、レール締結装置を設置した後に埋込栓を交換する場合には、既に敷設された合成マクラギを軌道から外し、裏返して埋込栓を交換する必要があるため、交換時間が長くなり、保守コストが上昇することになる。
一方、特許文献2に記載の技術は、マクラギの交換が困難な箇所における通り調整及び高低調整を容易に行うことができるものであるが、タイプレートとマクラギとを締結する手段としてスタッドボルトを用いることに起因する以下のような課題が存在する。まず、スタッドボルトを用いるレール締結装置は、現場施工で設置されるため、スタッドボルトをマクラギに挿入する孔をマクラギに対して垂直に穿孔することが困難であり、スタッドボルトをねじ込む際の施工精度が低くなる。また、スタッドボルトをマクラギにねじ込む方法は、マクラギのねじ山の経年劣化によって定期的に締め直しが必要となるため、そのための保守作業が必要となる。さらに、スタッドボルトをマクラギにねじ込む方法は、一度緩めると、マクラギのねじ山及び孔壁が弛緩した状態となるため、再締結時の締結力が低下する可能性がある。
本発明は、従来技術における上述の欠点を解決するためのものであり、埋込栓と六角ボルトを用いるため保守の際の再締結によっても締結力が低下せず、埋込栓の交換が可能であり、埋込栓を工場だけでなく保守現場でも合成マクラギに容易に精度良く埋め込むことができるとともに、高低及び通りの調整が容易な、合成マクラギに用いられるレール締結装置を提供することを目的とする。
本発明は、鉄道軌道のレールと該レールの下方に敷設される合成マクラギとを締結するためのレール締結装置を提供するものである。本発明に係るレール締結装置は、内面の少なくとも一部にネジ部が形成された穴が内部に設けられており、少なくともその穴の一端が露出された状態で合成マクラギに設けられた埋込孔に挿入され、外側面が接着剤によって合成マクラギと接着された、柱状形状の埋込栓と、該埋込栓の穴に挿入され、該埋込栓のネジ部と螺着するネジ部が少なくとも一部に形成された締結部材と、レールの少なくとも一部を押圧してレールを固定するための固定部材と締結部材が通る開口部とが設けられ、合成マクラギ上に配置された、タイプレートと、を備え、締結部材と埋込栓との間に生じる締結力によってタイプレートと合成マクラギとが密着するようになったことを特徴とするものである。締結部材は六角ボルトであることが好ましい。
本発明の一実施形態においては、埋込栓は、各々が独立した1つ又は複数の突起部又は連続した突起部を外側面に有することを特徴とする。1つ又は複数の突起部は、埋込栓の外測面に螺旋状に形成することができる。
本発明の一実施形態においては、レール締結装置は、タイプレートの前記開口部の形状が前記レールの横断方向に長軸を有する略楕円形状であり、さらに、上面プレートと締結部材が通る開口部を有する下部部材とを備え、下部部材がタイプレートの略楕円形状の開口部に嵌るように構成され、締結部材と埋込栓との間に生じる締結力によって上面プレートの少なくとも一部がタイプレートに密着するようになった略楕円形状の調節部材をさらに備えることを特徴とする。
調節部材は複数準備され、複数の調節部材の各々には、締結部材が通る開口部が長軸方向の複数の異なる位置に設けられており、タイプレートの位置が、該タイプレートと複数の調節部材の各々との組み合わせを変えることによって合成マクラギに対して移動可能であることを特徴とする。
本発明に係るレール締結装置は、合成マクラギの下面の一部のみが該合成マクラギの下方の構造体によって支持される鉄道軌道において用いられることを特徴とする。
本発明に係るレール締結装置は、上述のとおりの構成とすることによって、以下のような効果を奏する。
(1)埋込栓を用いることによって、何度でも締結部材を締結することが可能である。したがって、埋込栓を用いない場合に形成されるような不要な穴が合成マクラギに増えることがなく、マクラギの劣化が抑制できる。
(2)埋込栓を埋め込むための埋込孔の形状が単純であるため、合成マクラギの加工が容易である。
(3)合成マクラギの製造時に埋込栓を合成マクラギに埋め込むことも可能であるが、合成マクラギの施工現場で埋込栓を埋め込むもできる。したがって、既設の合成マクラギにも施工現場で埋め込むことができる。
(4)締結部材の締め直しによるゆるみが改善される。
(5)埋込栓を交換する場合でも交換が容易であり、交換後も交換前と同等の引き抜き抵抗力を有する。
(6)引き抜き抵抗力は、実用上問題ないレベルである。このことは、実験により確認された。
本発明の一実施形態に係るレール締結装置を示す。 本発明の一実施形態に係る埋込栓を示す。 本発明の別の実施形態に係る埋込栓を示す。 本発明の一実施形態に係るタイプレートを示す。 タイプレートが合成マクラギ上に設置された状態を示す。 本発明の一実施形態に係る調整座金を示す。 分岐器用融雪ピットを示す。 ポリアミド樹脂製埋込栓を用いた場合の引き抜き試験結果を示す。 鋼製埋込栓を用いた場合の引き抜き試験結果を示す。 引き抜き試験において埋込栓と合成マクラギとの接着に用いた接着剤を示す。 引き抜き試験に用いたレール締結装置の設計荷重を示す。 引き抜き試験に用いたレール締結装置の仕様を示す。 引き抜き試験に用いた引き抜き試験機及び計測機器を示す。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る合成マクラギ用レール締結装置100の一実施形態を、レールを横切る平面で見た断面図である。合成マクラギMは、硬質発泡ウレタン中にガラス長繊維を補強材として混入したマクラギである。図1に示されるように、合成マクラギMには、2つの埋込栓7を埋め込むための2つの埋込孔9が設けられている。埋込孔9は、合成マクラギMの製造時に穿設することも、施工現場に合成マクラギMを施工する際に穿設することもできる。施工精度の観点からは、埋込孔9は、合成マクラギMの製造時に設けることがより好ましい。
埋込孔9の各々には、埋込栓7が挿入される。埋込栓7の詳細は、図2及び図3を用いて後述する。埋込孔9と埋込栓7との間に形成される隙間には、両者を固定する接着剤8が充填される。接着剤8は、例えばウレタン系又はエポキシ系の接着剤を用いることができるが、これらに限定されるものではない。接着剤8は、埋込栓7と合成マクラギMとの接着性を高め引き抜き強度を向上させるために、ポリアミド樹脂製埋込栓7を用いる場合には、硬化剤を埋込栓7と同系の樹脂であるポリアミドアミンとし、主剤を合成マクラギMとの接着性がよいエポキシ系樹脂とすることが好ましい。同様に、鋼製埋込栓7を用いる場合には、接着剤8の主剤は、鋼材との付着性を考慮してエポキシ系樹脂とするとともに、硬化剤は100%硬化し収縮のないものを選択することが好ましい。また、接着剤8は、埋込栓7と合成マクラギMとの間に形成される隙間の隅々まで行き渡るように、低粘度で、硬化までの時間が長いものが好ましい。接着剤8が隙間の隅々まで行き渡るようにすることによって、空気溜まりを除去することができ、これが引き抜き強度向上に寄与する。埋込栓7は、合成マクラギMの製造時に予め埋込孔9内に挿入し接着剤8で固定することもできるし、施工現場において合成マクラギMを施工する際に埋め込むこともできる。施工精度の観点からは、埋込栓7は、合成マクラギM製造時に埋め込むことがより好ましい。
このようして合成マクラギMに埋め込まれた2つの埋込栓7の各々には、内部にねじ穴が設けられており、このねじ穴に六角ボルト1が挿入される。六角ボルト1は、全ねじ又は半ねじのいずれであってもよい。六角ボルト1の雄ねじ部は、埋込栓7のねじ穴の内面に設けられた雌ねじ部と螺合する。この結果として得られる六角ボルト1と埋込栓7との間の締結力によって、合成マクラギM上に配置されるタイプレート5と合成マクラギMとが密着し、両者が固定される。
図2及び図3は、本発明の一実施形態に係る埋込栓7を示す。本発明においては、埋込栓7として、例えばポリアミド樹脂製の埋込栓又は鋼製の埋込栓を用いることができる。図2はポリアミド樹脂製埋込栓の一例を示し、図3は鋼製埋込栓の一例を示す。埋込栓7が埋め込まれる合成マクラギMと、埋込栓7と埋込孔9との間の隙間に充填される接着剤8との接着性の観点からは、ポリアミド樹脂製埋込栓がより好ましい。
埋込栓7は、円筒形状を有するが、形状はこれに限るものではなく、三角柱や四角柱形状などの多角柱形状とすることもできる。埋込栓7の内部には、ねじ穴71が設けられている。ねじ穴71の内面の少なくとも一部には、六角ボルト1の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部71aが設けられている。ねじ穴71の長軸方向の長さは、埋込栓7の長さより短いことが好ましい。埋込栓7の外側面には、突起部72を設けることが好ましく、この突起部72によってもたらされる接着剤8に対する抵抗力(すなわち、突起部72に生じるせん断力)によって、埋込栓7の引き抜き抵抗力が向上する。埋込栓7の外側面には、その一部に又は外側面を一周するように螺旋状に複数の突起部72を設けることもできるし、一本の突起部72を埋込栓7の下端近くから上端近くまで連続して設けることもできる。
埋込栓7は、図2に示されるように、その上面74が合成マクラギMの上面と面一になるように埋込孔9に挿入され、その状態で埋込栓7と埋込孔9との間の隙間に接着剤8が充填される。接着剤8が硬化する際に目やせが発生する場合があり、その場合には必要に応じて、目やせの修正のために埋込栓7の上面74に接着剤を塗布することもある。
図3は、本発明の別の実施形態に係る鋼製埋込栓の一例である。この鋼製埋込栓は、外側面に設けられた突起部の形状が異なっていること以外は、図2に記載のポリアミド樹脂製埋込栓と同様である。この鋼製埋込栓も、外表面の突起部によってもたらされる接着剤に対する抵抗力によって、引き抜き抵抗力が向上する。
図4はタイプレート5を示し、図5は合成マクラギM上に設置されたレール締結装置を上から見た図を示す。マクラギM上に設置されるタイプレート5は、図4に示されるように、上面から見て長方形の形状を有しており、六角ボルト1が通る2つの略楕円形状の開口部51と、レールを抑える固定部材としての2つの板バネ16をタイプレートに締結する板バネ固定用ボルト13を位置決めするとともにレールRを保定する、2つのスタッド52と、板バネ16を係止する2組の係止用突起53とを有する。六角ボルト1を締結する際には、図1に示されるように、六角ボルト1とタイプレート5との間に、平座金2及びバネ座金3を装着することが好ましい。図1に示されるように、タイプレート5上において板バネ固定用ボルト13及びロックナット14によって固定される2つの板バネ16の一端がレールRの両側の基部に当接し、レールRを抑える。板バネ固定用ボルト13と板バネ16との間には、平座金15を装着することが好ましい。なお、本実施形態においては、タイプレート5と板バネ16とは別の部材として説明されているが、板バネ16は、タイプレート5と一体的に形成されていてもよい。この場合には、板バネ13をタイプレート5に固定するのに必要な他の部材、例えば係止用突起53などは用いないようにすることもできる。
タイプレート5と合成マクラギMとの間には、レールの高さを調節するための調整パッド6を配置することもできる。また、レールRの下に配置される軌道パッド11の下に、レールRの高さを調節するための調整パッド12を配置することもできる。
既に述べたように、鉄道軌道においては、レールを横切る方向へのレールの変位を調整(通り調整)することが必要な場合がある。レールの通り調整は、従来は、マクラギ自体を移動することによって行われていた。しかしながら、本発明に係る合成マクラギ用レール締結装置においては、図6に示されるような調節座金4を用いることによって、容易に通り調整を行うことができる。調節座金4は、上部プレート42と、六角ボルト1の軸部が通る開口部41を有する、上面の径が上部プレート42より小さい下部部材43とから形成されている。調節座金4の下部部材43は、タイプレート5の略楕円形状の開口部51に嵌るように、レールを横切る向きに長軸を有し、レールの延長方向に短軸を有する略楕円形状に形成されている。上部プレート42の縁部下面は、開口部41を通る六角ボルト1と埋込栓7との間の締結力によって、タイプレート5に密着するようになる。調節座金4は複数の種類が用意され、各々の調節座金の開口41の位置は、調節座金4の中心位置から所定の距離だけ偏芯した位置に設けられている。調節座金4は、開口部41の偏芯量が異なるものをそれぞれ少なくとも1つずつ用意される。
レールの通り調整は、以下のように行う。まず、調節座金4の開口部41とタイプレート5の開口部51とを通る六角ボルト1を緩めて、該六角ボルト1を埋込栓7、タイプレート5、及び調節座金4から抜き取る。次いで、調節座金4をタイプレート5の開口部51から取り外す。次に、必要な通り調整量(すなわち、タイプレート移動量)に応じた偏芯量を持つ別の調節座金4をタイプレート5の開口部51に装着する。通り調整量によっては、調節座金4を、長軸が180度回転するように向きを変えて装着してもよい。次に、タイプレートを必要な通り調整量だけ移動させる。最後に、調節座金4の開口部41及びタイプレートの開口部51を通して六角ボルト1を埋込栓7に挿入し、適切な締付トルクで六角ボルト1を締め付ける。本発明に係るレール締結装置は、合成マクラギMに埋込栓7を埋め込み、埋込栓7の内部に六角ボルト1が挿入され、六角ボルト1と埋込栓7とが螺着されるように構成することによって、このようなレール通り調整が必要になった場合でも、合成マクラギMを劣化させることなく何度でも六角ボルト1の再締結が可能になる。
本発明に係る合成マクラギ用レール締結装置100は、例えば図7に示されるような分岐器用融雪ピット(具体的には、特開2001−214404号公報、特開2008−240449号公報に開示されている公知の分岐器融雪ピット)などのコの字型路盤コンクリート、分岐部、又は橋りょう部などにおいて用いられることが特に好ましい。これらの箇所では、マクラギの下面全体が支持されるのではなく、下面の一部のみが支持された状態でマクラギを設置しなければならない。したがって、これらの箇所では、下面全体が支持される必要があるPCマクラギを用いることは難しく、合成マクラギと本発明に係る合成マクラギ用レール締結装置とをこれらの箇所において用いることによって、六角ボルトの引き抜き抵抗力を確保しつつ、保守コストを低減させることが可能になる。
図8及び図9は、本発明に係るレール締結装置の引き抜き試験結果を示す。図8はポリアミド樹脂製埋込栓を用いた結果であり、図9は鋼製埋込栓を用いた結果である。ポリアミド樹脂製埋込栓はポリアミドMXD6を用いた埋込栓であり、鋼製埋込栓はSD345(JIS規格)棒鋼を用いた埋込栓である。図10は、引き抜き試験において埋込栓と合成マクラギとの接着に用いた接着剤を示す。また、図11及び図12は、それぞれ、引き抜き試験に用いたレール締結装置設計荷重及びレール締結装置仕様を示す。
引き抜き試験は、合成マクラギ(230×140×500mm)内に穿孔した埋込孔(φ50mm)に埋込栓を挿入し、該埋込栓を図10に示される接着剤を用いて埋込孔に固定し、引き抜き試験機を用いて引き抜き荷重を載荷することによって行った。引き抜き荷重は、初期荷重を5kNとし、さらに5kNを載荷した10kNから5kNずつ加え、埋込栓の破壊又は合成マクラギと埋込栓との剥離が確認されるまで載荷した。引き抜き試験には、図13に示される引き抜き試験機及び計測機器を用いた。引き抜き試験機は、油圧シリンダーによってM24全ネジボルトを押し上げ、埋込栓の引き抜き力を上方へ作用させるように構成された。合成マクラギ上面には、中心に埋込栓外径より大きい孔(φ65)を有する平鋼を設置することによって、合成マクラギ自体の変位が抑制されるようにした。
引き抜き試験結果によれば、ポリアミド樹脂製埋込栓については、六角ボルトの緊締トルクとボルト回転角の関係は、緊締トルク20〜40kN程度で変化点を持つ2段線形であり、80N・m程度を超えた時点でタイプレートと合成マクラギとが密着しているものと考えられる。緊締トルク120N・mで18.7〜21.2kN程度の六角ボルト軸力が発生し、そのときの六角ボルト回転角は9/6回転程度であった。六角ボルトのネジピッチが3mmであることから、六角ボルトの締込量は4.5mm程度であった。六角ボルト緊締部に挿入されたバネ座金のストローク量は6mm程度であった。したがって、緊締状態は適正であった。図8に示されるように、引き抜き荷重は、約100kN〜約120kNで最大値となっており、この値は、「JIS E1203 合成まくらぎ 表2 物性値」に示される「ねじくぎ引抜強さ」の値である「30kN以上」を十分に上回るものであった。したがって、本発明に係るポリアミド樹脂製埋込栓を用いたレール締結装置の引き抜き抵抗力(すなわち、引き抜き強さ)は、実用上問題ないレベルであることが分かる。ボルト軸力21.2kNの時の引き抜き量は、0.6mm程度であり、十分小さな、実用上問題ない値であった。なお、供試ボルト1及び2と3及び4とで引き抜き荷重60kN以降の結果が異なるが、これは接着剤の養生期間の違いによると考えられる(供試ボルト1及び2の養生期間は44時間、供試ボルト3及び4の養生期間は68時間である)。
鋼製埋込栓については、六角ボルトの緊締トルクとボルト回転角の関係は、緊締トルク20kN程度で変化点を持つ2段線形であり、60N・m程度を超えた時点でタイプレートと合成マクラギとが密着しているものと考えられる。緊締トルク120N・mで15.9〜17.6kN程度の六角ボルト軸力が発生した。ボルト軸力17.6kNの時の引き抜き量は、0.6mm程度であり、十分小さな、実用上問題ない値であった。ポリアミド樹脂製埋込栓の場合と同様に、緊締状態は適正であった。図9に示されるように、引き抜き荷重は、約80kN〜約115kNで最大値となっており、この値は、「JIS E1203 合成まくらぎ 表2 物性値」に示される「ねじくぎ引抜強さ」の値である「30kN以上」を十分に上回るものであった。したがって、本発明に係る鋼製埋込栓を用いたレール締結装置の引き抜き抵抗力(すなわち、引き抜き強さ)は、実用上問題ないレベルであることが分かる。図8と図9の比較から、ポリアミド樹脂製埋込栓を用いた場合の方が引き抜き抵抗力の限界値は大きいことが分かる。なお、供試ボルト1及び2と3及び4とで引き抜き荷重40kN以降の結果が異なるが、これは接着剤の養生期間の違いによると考えられる(供試ボルト1及び2の養生期間は44時間、供試ボルト3及び4の養生期間は68時間である)。
M 合成マクラギ
R レール
1 六角ボルト
2 平座金
3 バネ座金
4 調整座金
5 タイプレート
6 調整パッド
7 埋込栓
8 接着剤
9 埋込孔
11 軌道パッド
12 調整パッド
13 板バネ固定用ボルト
14 ロックナット
15 平座金
16 板バネ
71 ねじ穴
71a 雌ねじ部
72 突起部
74 埋込栓の上面

Claims (7)

  1. 鉄道軌道のレールと該レールの下方に敷設された合成マクラギとを締結するためのレール締結装置であって、
    内面の少なくとも一部にネジ部が形成された穴が内部に設けられており、少なくとも前記穴の一端が露出された状態で前記合成マクラギに設けられた埋込孔に挿入され、少なくとも外側面の形状が前記埋込孔の形状に対応しない形状である、柱状形状の埋込栓と、
    前記埋込栓の前記ネジ部と螺着するネジ部が少なくとも一部に形成された、前記埋込栓の前記穴に挿入される、締結部材と、
    前記レールの少なくとも一部を押圧して前記レールを固定するための固定部材と前記締結部材が通る開口部とが設けられ、前記合成マクラギ上に配置された、タイプレートと、
    を備え、
    前記締結部材と前記埋込栓との間に生じる締結力と、前記埋込栓の材質に応じて選択された接着剤の硬化により前記埋込栓の前記外側面と前記合成マクラギとの間に生じる接着力とによって前記タイプレートと前記合成マクラギと密着させるように構成され、前記埋込栓を前記マクラギから引き抜く力に対抗する引抜抵抗力が30kNより大きいものであることを特徴とする、レール締結装置。
  2. 前記埋込栓は、各々が独立した1つ又は複数の突起部、又は、連続した突起部を外側面に有することを特徴とする、請求項1に記載のレール締結装置。
  3. 前記突起部は、前記埋込栓の外面に螺旋状に形成されたことを特徴とする、請求項2に記載のレール締結装置。
  4. 前記締結部材は六角ボルトであることを特徴とする、請求項1に記載のレール締結装置。
  5. 前記タイプレートの前記開口部の形状が、前記レールの横断方向に長軸を有する略楕円形状であり、
    上面プレートと前記締結部材が通る開口部を有する下部部材とを備え、前記下部部材が前記タイプレートの略楕円形状の前記開口部に嵌るように構成され、前記締結部材と前記埋込栓との間に生じる締結力によって前記上面プレートの少なくとも一部が前記タイプレートに密着するようになった、略楕円形状の調節部材、
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1から請求項の4のいずれか1項に記載のレール締結装置。
  6. 前記調節部材は複数準備され、前記複数の調節部材の各々には、前記締結部材が通る開口部が長軸方向の複数の異なる位置に設けられており、前記タイプレートの位置が、前記タイプレートと前記複数の調節部材の各々との組み合わせを変えることによって前記合成マクラギに対して移動可能であることを特徴とする、請求項5に記載のレール締結装置。
  7. 前記合成マクラギの下面の一部のみが前記合成マクラギの下方の構造体によって支持される鉄道軌道において用いられることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレール締結装置。
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