JP5296240B1 - 受信装置および受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信側でサブ変調信号間の振幅を一定にする振幅補償を行い、信号伝送特性を改善する。
【解決手段】受信側における複数Nのサブ変調信号を平滑化し、その振幅特性が平坦となる帯域の振幅平均値Sk (kは1〜Nの整数)を算出し、さらに各サブ変調信号の振幅平均値Sk から基準となる振幅基準値Sを算出し、各サブ変調信号の振幅を振幅基準値Sに揃えるための振幅補償値αk =S/Sk を推定する振幅補償値推定回路と、受信側における複数Nのサブ変調信号の振幅を振幅補償値αk を用いてそれぞれ一定になるように振幅補償する振幅補償回路とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、送信装置から周波数帯域を分割して送信された信号を受信し、帯域合成して復調処理を行う受信装置および受信方法に関する。
図3は、送信装置の構成例を示す(非特許文献1参照) 。
図3において、送信装置は、変調回路1と送信フィルタバンク10を備える。変調回路1は、送信するデータ信号をQPSKなどの変調方式で変調し、波形整形した変調信号を送信フィルタバンク10に入力する。
送信フィルタバンク10は、直並列変換回路11、FFT(高速フーリエ変換) 回路12、分割回路13、周波数シフタ141 〜14N (Nは2以上の整数)、加算回路15、IFFT(高速逆フーリエ変換) 回路16、並直列変換回路17を備え、変調信号の帯域をN分割して送信する構成である。変調信号の帯域を3分割(N=3)する例を図5に示す。
送信フィルタバンク10の直並列変換回路11は変調信号を直並列変換し、FFT回路12で高速フーリエ変換し、時間領域の信号から周波数領域の信号へ変換する。分割回路13は、周波数領域に変換された変調信号に対して、図5(a) の破線で示す信号帯域をN分割する係数を周波数ごとに乗算し、図5(b) に示すN個のサブ変調信号1〜Nを生成する。周波数シフタ141 〜14N は、サブ変調信号1〜Nを周波数軸上の所望の帯域に分散配置し、加算回路15で足し合わせることにより、図5(c) に示すような分散配置されたサブ変調信号が生成される。この分散配置後の送信サブ変調信号は、IFFT回路16で高速逆フーリエ変換により周波数領域の信号から時間領域の信号へ変換され、並直列変換回路17で並直列変換して出力される。
図4は、受信装置の構成例を示す(非特許文献1参照) 。
図4において、受信装置は、受信フィルタバンク20と復調回路2を備える。受信フィルタバンク20は、直並列変換回路21、FFT回路22、抽出回路23、周波数シフタ241 〜24N 、加算回路25、IFFT回路26、並直列変換回路27を備え、帯域をN分割されたサブ変調信号を分割前の変調信号に合成する構成である。帯域が3分割(N=3)された変調信号を合成する例を図6に示す。
受信フィルタバンク20の直並列変換回路21は受信信号を直並列変換し、FFT回路22で高速フーリエ変換し、時間領域の信号から周波数領域の受信信号へ変換する。抽出回路23は、周波数領域に変換された受信信号に対して、図6(a) の破線で示す係数を周波数ごとに乗算し、送信側で周波数シフトされたサブ変調信号1〜Nを抽出する。周波数シフタ241 〜24N は、図6(b) に示すように、受信サブ変調信号1〜Nを送信側で周波数シフトされる前の帯域に戻し、加算回路25で足し合わせることにより、図6(c) に示すような合成された変調信号が生成される。この合成後の変調信号は、IFFT回路26で高速逆フーリエ変換により周波数領域の信号から時間領域の信号へ変換され、並直列変換回路27で並直列変換して出力される。復調回路2は受信フィルタバンク20から出力された変調信号を復調し、送信装置から送信されたデータ信号を復元する。
このような送信装置および受信装置を用いることにより、変調信号の占有帯域を分割して生成された各サブ変調信号を周波数軸上の任意の場所に分散配置できるため、不連続な空き周波数帯域等を有効利用することができる。
阿部、山下、小林、"スペクトラム編集技術を用いた帯域分散伝送の提案"、電子情報通信学会ソサイエティ大会 B-3-11 2009年9月
一般に、伝送路や送受信局の増幅器などのRF機器により、伝送帯域内の振幅特性が変動するため、伝送信号に振幅歪みが生じる。
ここで、図3の送信装置で帯域分割されたサブ変調信号を伝送する際に生じる振幅歪みについて、図7を参照して説明する。図7(a),(b) に示すように、変調信号を帯域分割および分散配置した送信サブ変調信号の平均振幅レベルは全てほぼ等しいが、図7(c) に示すように、伝送された受信サブ変調信号には伝送路の周波数特性に応じた振幅歪みが生じる。この振幅歪みが生じた各受信サブ変調信号をそのまま図4の受信装置で合成すると、図7(d) に示すように、合成後の変調信号の帯域内に歪みが生じる。一般に信号を伝送するには、振幅特性が一定、かつ位相特性が直線となる無歪み条件が理想的であり、復調前の信号に振幅歪みがあれば伝送特性が劣化する。
このように、各サブ変調信号を周波数軸上に分散配置する場合、各サブ変調信号が広帯域に分散して伝送されるため、伝送路における周波数特性により各サブ変調信号に独立の振幅歪みが生じ、信号伝送特性が大きく劣化する課題がある。
本発明は、受信側でサブ変調信号間の振幅を一定にする振幅補償を行い、信号伝送特性を改善することができる受信装置および受信方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、送信側において変調信号を周波数軸上で複数の帯域に分割して複数Nのサブ変調信号を生成し、各サブ変調信号を互いに不連続な帯域に周波数シフトして送信し、受信側において受信信号から複数Nのサブ変調信号を抽出し、各サブ変調信号の帯域を送信側の周波数シフト前の帯域に戻して合成した変調信号を復調する無線通信システムの受信装置において、受信側における複数Nのサブ変調信号を平滑化し、その振幅特性が平坦となる帯域の振幅平均値Sk (kは1〜Nの整数)を算出し、さらに各サブ変調信号の振幅平均値Sk から基準となる振幅基準値Sを算出し、各サブ変調信号の振幅を振幅基準値Sに揃えるための振幅補償値αk =S/Sk を推定する振幅補償値推定回路と、受信側における複数Nのサブ変調信号の振幅を振幅補償値αk を用いてそれぞれ一定になるように振幅補償する振幅補償回路とを備える。
第1の発明の受信装置において、振幅補償値推定回路は、各サブ変調信号の振幅平均値Sk の平均値を振幅基準値Sとする。
第1の発明の受信装置において、振幅補償値推定回路は、各サブ変調信号の振幅平均値Sk の最小値または最大値を振幅基準値Sとする。
第2の発明は、送信側において変調信号を周波数軸上で複数の帯域に分割して複数Nのサブ変調信号を生成し、各サブ変調信号を互いに不連続な帯域に周波数シフトして送信し、受信側において受信信号から複数Nのサブ変調信号を抽出し、各サブ変調信号の帯域を送信側の周波数シフト前の帯域に戻して合成した変調信号を復調する無線通信システムの受信方法において、受信側における複数Nのサブ変調信号を平滑化し、その振幅特性が平坦となる帯域の振幅平均値Sk (kは1〜Nの整数)を算出し、さらに各サブ変調信号の振幅平均値Sk から基準となる振幅基準値Sを算出し、各サブ変調信号の振幅を振幅基準値Sに揃えるための振幅補償値αk =S/Sk を推定し、受信側における複数Nのサブ変調信号の振幅を振幅補償値αk を用いてそれぞれ一定になるように振幅補償する。
第2の発明の受信方法において、振幅基準値Sは、各サブ変調信号の振幅平均値Sk の平均値である。
第2の発明の受信方法において、振幅基準値Sは、各サブ変調信号の振幅平均値Sk の最小値または最大値である。
本発明は、複数の帯域に分割して送信された各サブ変調信号を合成する前に、各サブ変調信号の振幅が振幅基準値Sに揃うように振幅補償を行うことができるので、信号伝送特性を改善することができる。また、本発明では、特別なパイロット信号やフレームフォーマットが不要なため、伝送効率を低下させるためなく信号伝送特性の改善が可能である。
本発明の受信装置の実施例構成を示す図である。 本発明における振幅補償手順を説明する図である。 送信装置の構成例を示す図である。 受信装置の構成例を示す図である。 送信装置における帯域分割を説明する図である。 受信装置における帯域合成を説明する図である。 サブ変調信号に生じる振幅歪みを説明する図である。
図1は、本発明の受信装置の実施例構成を示す。
図1において、受信装置は、受信フィルタバンク20、復調回路2、振幅補償値推定回路30を備える。受信フィルタバンク20を構成する直並列変換回路21、FFT回路22、抽出回路23、周波数シフタ241 〜24N 、加算回路25、IFFT回路26、並直列変換回路27は、図4に示す従来の受信装置と同様の機能を有する。本実施例の受信回路における受信フィルタバンク20では、周波数シフタ241 〜24N と加算回路25との間に、乗算回路281 〜28N で構成される振幅補償回路29が配置される。振幅補償値推定回路30は、振幅平均値算出回路311 〜31N 、振幅基準値生成回路32、振幅補償値算出回路331 〜33N により構成される。
受信フィルタバンク20の周波数シフタ241 〜24N で送信側の周波数シフト前の帯域に戻された各サブ変調信号は、振幅補償回路29に入力されるとともに、振幅補償値推定回路30の振幅平均値算出回路311 〜31N にそれぞれ入力される。振幅補償値推定回路30は、以下に説明する方法により、各サブ変調信号の振幅を揃えるための振幅補償値α1 〜αN を算出し、振幅補償回路29の乗算器281 〜28N で各サブ変調信号に乗算して振幅補償を行い、加算回路25で合成する。
以下、図2を参照して、振幅補償値推定回路30で各サブ変調信号の振幅を補償するための振幅補償値α1 〜αN を算出する手順について説明する。なお、振幅補償値推定回路30に入力する各サブ変調信号1〜Nは、周波数シフタ241 〜24N で送信側の周波数シフト前の帯域に戻されているため、図6(b) に示すように隣接するサブ変調信号の一部の帯域は重なるが、図2(a),(b),(c) では便宜的に各サブ変調信号1〜Nを周波数軸上で離して表記している。これは、周波数シフト前の各サブ変調信号1〜Nに相当するが、振幅補償値推定回路30に入力する各サブ変調信号1〜Nは周波数シフタ241 〜24N の手前から分岐する構成であってもよい。
振幅平均値算出回路311 〜31N は、周波数シフタ241 〜24N から出力される各サブ変調信号1〜Nを入力し、周波数軸上および時間軸上で平滑化した平坦域の振幅値からそれぞれの振幅平均値S1 〜SN を算出し(図2(a))、振幅基準値生成回路32に入力する。振幅基準値生成回路32では、振幅平均値S1 〜SN の平均値から振幅基準値S(=(S1+S2+…+SN)/N)を算出する。
振幅補償値算出回路331 〜33N は、振幅平均値算出回路311 〜31N から出力される各サブ変調信号1〜Nの振幅平均値S1 〜SN と、振幅基準値生成回路32から出力される振幅基準値Sとを入力し、各サブ変調信号1〜Nに対する振幅補償値α1 〜αN を次式により算出し、振幅補償回路29の乗算回路281 〜28N に出力する。
αk =S/Sk (k=1,2,…,N)
図2(b),(c) は、振幅平均値S1 〜SN の平均値から振幅基準値Sを算出し、得られた振幅補償値α1 〜αN を各サブ変調信号1〜Nに乗算することにより、各サブ変調信号1〜Nの振幅が振幅基準値S(振幅平均値S1 〜SN の平均値)に揃えられた状態を示す。
なお、振幅基準値Sとして、各サブ変調信号1〜Nの振幅平均値S1 〜SN の最小値を用いれば、各サブ変調信号1〜Nの振幅をその最小値に揃えることができる。また、振幅基準値Sとして、各サブ変調信号1〜Nの振幅平均値S1 〜SN の最大値を用いれば、各サブ変調信号1〜Nの振幅をその最大値に揃えることができる。
このような振幅平均値S1 〜SN と振幅基準値Sから算出された振幅補償値α1 〜αN を用いて、各サブ変調信号1〜Nが占有する全ての帯域の振幅値を補償することより、全てのサブ変調信号1〜Nの振幅特性が平坦となる帯域の振幅値が一定になる。そのため、加算回路25では、図2(d) に示すように振幅歪みが生じない変調信号を合成することができるので、信号伝送特性を改善することができる。
なお、本発明では、特別なパイロット信号やフレームフォーマットが不要なため、伝送効率を低下させるためなく信号伝送特性の改善が可能である。
また、連続信号を処理する受信フィルタバンク20としてオーバーラップ加算を用いる構成とした場合、オーバーラップ加算を行う2つのFFT回路のそれぞれにおいて生成したサブ変調信号の振幅平均値を平滑化し、振幅平均値S1 〜SN と振幅基準値Sを生成するようにしてもよい。
1 変調回路
2 復調回路
10 送信フィルタバンク
11 直並列変換回路
12 FFT回路
13 分割回路
141 〜14N 周波数シフタ
15 加算回路
16 IFFT回路
17 並直列変換回路
20 受信フィルタバンク
21 直並列変換回路
22 FFT回路
23 抽出回路
241 〜24N 周波数シフタ
25 加算回路
26 IFFT回路
27 並直列変換回路
281 〜28N 乗算回路
29 振幅補償回路
30 振幅補償値推定回路
311 〜31N 振幅平均値算出回路
32 振幅基準値生成回路
331 〜33N 振幅補償値算出回路

Claims (6)

  1. 送信側において変調信号を周波数軸上で複数の帯域に分割して複数Nのサブ変調信号を生成し、各サブ変調信号を互いに不連続な帯域に周波数シフトして送信し、受信側において受信信号から複数Nのサブ変調信号を抽出し、各サブ変調信号の帯域を送信側の周波数シフト前の帯域に戻して合成した変調信号を復調する無線通信システムの受信装置において、
    前記受信側における前記複数Nのサブ変調信号を平滑化し、その振幅特性が平坦となる帯域の振幅平均値Sk (kは1〜Nの整数)を算出し、さらに前記各サブ変調信号の振幅平均値Sk から基準となる振幅基準値Sを算出し、前記各サブ変調信号の振幅を振幅基準値Sに揃えるための振幅補償値αk =S/Sk を推定する振幅補償値推定回路と、
    前記受信側における前記複数Nのサブ変調信号の振幅を前記振幅補償値αk を用いてそれぞれ一定になるように振幅補償する振幅補償回路と
    を備えたことを特徴とする受信装置。
  2. 請求項1に記載の受信装置において、
    前記振幅補償値推定回路は、前記各サブ変調信号の振幅平均値Sk の平均値を前記振幅基準値Sとする
    ことを特徴とする受信装置。
  3. 請求項1に記載の受信装置において、
    前記振幅補償値推定回路は、前記各サブ変調信号の振幅平均値Sk の最小値または最大値を前記振幅基準値Sとする
    ことを特徴とする受信装置。
  4. 送信側において変調信号を周波数軸上で複数の帯域に分割して複数Nのサブ変調信号を生成し、各サブ変調信号を互いに不連続な帯域に周波数シフトして送信し、受信側において受信信号から複数Nのサブ変調信号を抽出し、各サブ変調信号の帯域を送信側の周波数シフト前の帯域に戻して合成した変調信号を復調する無線通信システムの受信方法において、
    前記受信側における前記複数Nのサブ変調信号を平滑化し、その振幅特性が平坦となる帯域の振幅平均値Sk (kは1〜Nの整数)を算出し、さらに前記各サブ変調信号の振幅平均値Sk から基準となる振幅基準値Sを算出し、前記各サブ変調信号の振幅を振幅基準値Sに揃えるための振幅補償値αk =S/Sk を推定し、
    前記受信側における前記複数Nのサブ変調信号の振幅を前記振幅補償値αk を用いてそれぞれ一定になるように振幅補償する
    ことを特徴とする受信方法。
  5. 請求項4に記載の受信方法において、
    前記振幅基準値Sは、前記各サブ変調信号の振幅平均値Sk の平均値である
    ことを特徴とする受信方法。
  6. 請求項4に記載の受信方法において、
    前記振幅基準値Sは、前記各サブ変調信号の振幅平均値Sk の最小値または最大値である
    ことを特徴とする受信方法。
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