JP5295413B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
本発明は、撮像装置に関する。
オートフォーカス(以下、「AF」と略す)においては、撮影レンズの合焦位置からのずれ量(デフォーカス量)を相殺するように撮影レンズに含まれるフォーカスレンズを移動する。従来、撮影レンズのデフォーカス量を検出する焦点検出手段を複数備え、かつ、各焦点検出手段が1回のサーチにおいてデフォーカス量を検出可能な範囲の幅が異なる撮像装置は知られている。なお、「デフォーカス量を検出可能な範囲」とは、フォーカスレンズが駆動される範囲に対応する。
例えば、特許文献1は、位相差検出方式を使用した焦点検出(以下、「位相差AF」と略す)を適用し、基線長(位相差AFに使用される一対の像検出センサの間隔)が異なる2つのセンサを有するデジタル一眼レフカメラを開示している。特許文献1は、撮影レンズが合焦位置から離れている場合、デフォーカス量を検出可能な範囲の広い(基線長の短い)センサの出力を用いて撮影レンズを合焦位置近傍まで移動した後で合焦精度が高い(基線長の長い)センサの出力を用いて撮影レンズを合焦させる。
また、位相差AFとコントラスト検出方式を使用したAF(以下、「コントラストAF」又は「TV−AF」と略す)を併用したハイブリッド方式も知られている。例えば、特許文献2は、瞳時分割位相差AFによる第1のフォーカス制御と、TV−AFを使用してピッチの異なる第2及び第3のフォーカス制御と、を開示している。特許文献2は、撮影レンズがデフォーカス量を検出可能な範囲外に位置している場合には、第2及び第3のフォーカス制御により撮影レンズの合焦動作を行なう。
しかし、特許文献1は、タイミングによっては合焦精度の高いセンサが使われない場合があり、この場合には合焦精度が低下する。また、2つのセンサが使用する光束は撮影レンズの異なる部分を通過して異なる収差や製造誤差の影響を受けるため、出力差が生じる場合がある。このため、合焦精度の高いセンサに切り替わった時には通常は撮影レンズが合焦位置へ近づいているはずであるが、上記問題によりデフォーカス量が増加すると撮影レンズが逆方向に駆動される場合があり、この場合には合焦精度が低下する。また、特許文献2は、ライブビュー時に、撮影レンズが、デフォーカス量を検出可能な範囲外に位置している場合にはTV−AFを使用するために合焦速度が遅くなり、デジタル一眼レフカメラの連写性能や動画追従性を満足することができない。また、ライブビュー時における合焦と撮影時における合焦のそれぞれでユーザーは同じ操作感を受けたい(例えば、どちらかの合焦は時間がかかる(これは「レリーズタイムラグ」とも呼ばれる)ことのないようにしたい)という需要がある。
そこで、本発明は、1回のサーチにおいて撮影レンズのデフォーカス量を検出する範囲がそれぞれ異なる複数の焦点検出手段を有する撮像装置において、合焦精度、合焦速度及び操作感の少なくとも一つに優れた撮像装置を提供することを例示的な目的とする。
本発明の一側面としての撮像装置は、フォーカスレンズを有する撮影光学系の異なる射出瞳を通過した光束を受光して位相差検出に用いられる焦点検出信号を出力する複数の画素を有する撮像素子と、前記焦点検出信号に基づいて前記フォーカスレンズを移動させる制御部と、を有する撮像装置であって、前記撮像素子の撮像面における輝度が閾値以下の場合、前記撮像素子の撮像面の光軸を含む中央部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度を前記撮像面の中央部よりも像高が大きい周辺部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度よりも大きくし、前記撮像素子の撮像面における輝度が閾値よりも大きい場合に、前記撮像面の周辺部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度を前記撮像面の中央部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度よりも大きくしたことを特徴とする。
本発明によれば、1回のサーチにおいて撮影レンズのデフォーカス量を検出する範囲がそれぞれ異なる複数の焦点検出手段を有する撮像装置において、合焦精度、合焦速度及び操作感の少なくとも一つに優れた撮像装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図1及び2は本実施例のデジタル一眼レフカメラ(撮像装置)の断面図である。
1はカメラ本体、2は後述の撮影レンズ3をカメラ本体1に着脱可能とするためのマウントであり、各種信号を通信したり、駆動電源を供給したりするためのインターフェース部を有する。3は交換可能な撮影レンズであり、内部にフォーカスレンズ群3a、ズームレンズ群3b、絞り17、後述する絞り駆動回路25を含む絞り駆動装置18である。また、13はフォーカスレンズ群3aを駆動するためのフォーカス駆動用モータ、14は駆動ギア等からなるフォーカス駆動部材、15はフォトカプラ、16はフォーカス駆動部材14に連動するパルス板である。フォトカプラ15及びフォーカス駆動部材14は、位置検出部として機能する。
図1及び図2は各レンズ群を便宜上1枚のレンズで図示しているが、実際には多数のレンズにより複雑なレンズ群の組み合わせで構成されている。なお、図1及び図2はフォーカスレンズ群3aを撮影レンズ3の前側のレンズに限定する趣旨ではない。本実施例のデジタル一眼レフカメラには様々な焦点距離や開放F値の撮像光学系を有する撮影レンズ(所謂、交換レンズ)が装着可能である。
4はハーフミラーで構成された主ミラーであり、カメラの動作状態に応じて回動可能となっている。主ミラー4は、被写体をファインダーで観察する時は撮影光路へ斜設され、撮影レンズ3からの光束を折り曲げて後述のファインダー光学系へ導く(図1)。主ミラー4は、撮影時やライブビュー時は撮影光路から退避して、撮影レンズ3からの光束を後述の撮像素子6へ導く(図2)。5は撮影レンズ3からの光束を後述の撮像素子6に入射制御するためのシャッターで、通常は閉じた状態(図1)で、撮影時やライブビュー時に開いた状態(図2)となる。
6はCMOSイメージセンサとその周辺回路で構成された撮像素子である。撮像素子6は、全画素独立出力が可能なように構成されている。
7は主ミラー4と共に回動するサブミラーであり、主ミラー4が撮影光路へ斜設されている時に主ミラー4を透過した光束をAFセンサ8に向かって折り曲げて後述のAFセンサ8へ導く(図1)。サブミラー7は、撮影時やライブビュー時は主ミラー4と共に回動して撮影光路から退避する(図2)。サブミラー7はハーフミラーではなく撮像素子6を遮光することができる。
8はAFセンサであり、反射ミラー8a、2次結像レンズ8b、複数のCCD又はCMOSからなるエリアセンサ8cを有し、位相差検出方式の焦点検出(位相差AF)を行うことができる焦点検出手段である。位相差AFでは、撮像面と略等価な面にラインセンサ等の像検出部(像検出センサ)を一対又は複数対配置して撮像光束のうち、異なる部位の光束を異なる像検出センサに導くように構成された測距装置(AFセンサ)を使用する。そして、対を成す像検出センサから出力される被写体像の像間距離(位相差)に基づいて被写体像の焦点状態を検出して撮像光学系の合焦位置を調節する方式である。
本実施例のデジタル一眼レフカメラには様々な焦点距離や開放F値の撮像光学系を有する撮影レンズ(所謂、交換レンズ)が装着可能である。このため、AFセンサ8は全ての撮影レンズで位相差AFができるように、最も開放F値の大きい撮影レンズ(例えば、F5.6)に対応するように構成されている。また、被写界深度が浅くなる開放F値の小さい撮影レンズを使用した際の焦点検出精度を高めるために、より小さい開放F値(例えば、F2.8)にも対応している。このように、AFセンサ8は、複数の開放F値の撮影レンズ3に対応するように構成されている。
図29は、AFセンサが対応する開放F値と焦点検出精度との関係を示す光路図であり、図29(a)はF5.6光束、図29(b)はF2.8光束に対応している。Oは被写体面、Lは合焦位置にある撮影レンズ、L’は前ピン位置にある撮影レンズ、Cは撮像面、Dはデフォーカス量、A1、A2はAFセンサで、それぞれ内部に一対の像検出センサR1、L1、R2、L2を有している。T1、T2は像検出センサR1〜L1、R2〜L2の間隔を示す基線長を示している。
撮影レンズが合焦位置にある時、被写体面Oからの光束が撮像面Cに合焦しているとすると、F5.6光束はF5.6対応AFセンサA1の像検出センサR1、L1に入射し、F2.8光束はF2.8対応AFセンサA2の像検出センサR2、L2に入射する。撮影レンズLの瞳を通過した各々の光束が像検出センサRLに到達する範囲はF5.6よりもF2.8の方が広くなるため、像検出センサ上の被写体像の像間距離もF2.8の時の像間距離d2はF5.6の時の像間距離d1よりも大きくなる。
一方、撮影レンズが前ピン位置に移動すると、被写体面Oからの光束は撮像面Cよりも被写体側にデフォーカス量Dほどズレた位置に合焦する。この時、像検出センサ上に入射した被写体像の像間距離はF5.6の時にd1’となり、F2.8の時にd2’になる。デフォーカス量Dを一定とすると、像検出センサ上の被写体像の移動量は、F2.8の時の移動量(d2−d2’)がF5.6の時の移動量(d1−d1’)よりも大きくなる。従って、AFセンサの基線長が長い(対応する開放F値が小さい)方が被写体の移動量をAFセンサ上でより拡大して検知可能なため焦点検出精度が高い。
しかし、AFセンサの基線長を長くすると焦点検出精度が向上する反面、像検出センサ上の被写体像移動量が大きくなるため、像検出センサの画素数を一定とすると、基線長の長いAFセンサほど1回のサーチにおいてデフォーカス量を検出可能な範囲が狭くなる。そのため、撮影レンズ3を合焦させるには、焦点検出及びフォーカスレンズ群3aの移動を頻繁に繰り返さなければならず、合焦動作が遅くなるという問題が発生する。また、長焦点レンズやマクロレンズ等のような撮像光学系の移動量の大きな撮影レンズを装着した場合にはスムーズな合焦動作ができず、操作感が悪くなるという問題がある。
図3は、AFセンサ8の対応光束を概念的に説明する斜視図である。図3は、AFセンサ8が2つのAFセンサ8A及び8Bを有することを示している。AFセンサ8Aは、レンズ部8b5.6とセンサ部8c5.6を有する。AFセンサ8Bは、レンズ部8b2.8とセンサ部8c2.8を有する。本実施例のAFセンサ8は、上下方向の焦点検出領域(AFセンサ8A)はデフォーカス量を検出可能な範囲が広いF5.6光束に対応しており、左右方向の焦点検出領域(AFセンサ8B)は基線長が長く焦点検出精度が高いF2.8光束に対応している。もちろんこの対応する開放F値やその配置方向は一例であり、この数値や配置方向に限定するものではない。このように、本実施例のデジタル一眼レフカメラは、異なる開放F値に対応し、デフォーカス量を検出可能な範囲の異なる2つのAFセンサ8A及び8Bを有する。
被写体OBJからのF5.6光束L5.6は、撮影レンズ3の瞳EP5.6を通過してピント面(1次結像面)Pで結像する。光束L5.6を2次結像レンズ8bのF5.6対応レンズ部8b5.6で分割し、エリアセンサ8cのF5.6対応センサ部8c5.6に再結像させ、その上下2つの被写体像を相関演算することでデフォーカス量を求める。同様に、F2.8光束L2.8は、撮影レンズ3の瞳EP2.8を通過してピント面(1次結像面)Pで結像する。光束L2.8を2次結像レンズ8bのF2.8対応レンズ部8b2.8で分割し、エリアセンサ8cのF2.8対応センサ部8c2.8に再結像させ、その左右2つの被写体像を相関演算することでデフォーカス量を求めている。
9は撮影レンズ3の一次結像面に配置されたピント板であり、入射面にはフレネルレンズ(集光レンズ)が設けられ、射出面には被写体像(ファインダー像)が結像している。10はファインダー光路変更用のペンタプリズムであり、ピント板9の射出面に結像した被写体像を正立正像に補正する。11は接眼レンズである。ここで、ピント板9、ペンタプリズム10、接眼レンズ11により構成されている光学系をファインダー光学系と称する。
12は撮影した画像や各種の撮影情報を表示する液晶モニタ(表示部)である。液晶モニタ12は、ライブビューモード時に撮像素子6が撮像した被写体の像(被写体像)を表示すると共に後述するAF枠設定部としてのマルチコントローラー34が設定可能なAF枠とマルチコントローラー34が設定したAF枠を表示する。
図4はデジタル一眼レフカメラの制御系のブロック図である。
20はカメラ部の制御とカメラ全体の制御を行う制御部であり、マイクロコンピュータ(中央処理装置;以下、「MPU」と称す)によって実現される。フォーカスレンズ群3aの現在位置はフォトカプラ15とパルス板16を含む位置検出部が検出する。MPU(制御部)20は、焦点検出時間を計時するタイマを内蔵している。
21は画像データの各種制御を行うメモリコントローラ、22は各種制御を行うための設定、調整データ等を格納しているEEPROMである。
23は撮影レンズ3内にあるレンズ制御回路であり、マウント2を介してMPU20と接続されている。レンズ制御回路23は、撮影レンズ3の開放F値を格納している不図示のメモリを内蔵しており、MPU20に撮影レンズ3の開放F値を知らせることができる。レンズ制御回路23は、MPU20からの信号に基づいて焦点調節回路24と絞り駆動回路25の制御を行う。焦点調節回路24は、フォトカプラ15で検知されたパルス板16の回転情報と、レンズ制御回路23からのフォーカスレンズ駆動量の情報に基づいて、フォーカス駆動用モータ13を所定量駆動させ、フォーカスレンズ群3aを駆動する。絞り駆動回路25は、レンズ制御回路23からの絞り情報に基づいて絞り17を駆動する。
26は焦点検出回路であり、AFセンサ8のエリアセンサ8cの蓄積制御と読み出し制御とを行って、各焦点検出点の画素情報をMPU20に出力する。MPU20は各焦点検出点の画素情報に対して位相差AFを行い、検出した焦点検出情報をレンズ制御回路23へ送出してフォーカスレンズ群3aの焦点調節を行う。この焦点検出から焦点調節までの一連の動作をAF動作と称する。
27はモータ駆動回路であり、主ミラー4を駆動する不図示のモータやシャッター5のチャージを行う不図示のモータを制御する。28はシャッター駆動回路であり、シャッター5を開閉するための不図示のコイルへの電力供給制御を行う。29は電源30の電圧を各回路に必要な電圧に変換するDC/DCコンバータである。
31はレリーズボタンであり、SW1とSW2の信号をMPU20へ出力する。SW1は、第1ストローク(半押し)操作でONし、測光(AE)、AF動作を開始させるためのスイッチである。SW2は、レリーズボタン31の第2ストローク(全押し)操作でONし、露光動作を開始させるためのスイッチである。32はモードボタンであり、操作したまま後述の電子ダイヤル33を操作すると、そのカウントに応じて撮影モードが変更され、操作を止めると決定される。33は電子ダイヤルであり、ダイヤルの回転クリックに応じたON信号がMPU20内の不図示のアップダウンカウンタに出力され、その数がカウントされる。このカウントに応じて各種の数値やデータ等の選択が行われる。
34はマルチコントローラーであり、後述するライブビュー時に液晶モニタ12に表示されるAF枠(焦点検出枠)や各種モード(ライブビューモードや撮影モード)を選択、決定するために用いられる入力装置である。マルチコントローラー34は、上下左右、斜め右上、斜め右下、斜め左上、斜め左下の8方向の入力と、押し操作による入力を行うことができる。マルチコントローラー34は、ライブビューモードを設定するモード設定部として機能する。また、マルチコントローラー34は、焦点検出の対象であるAF枠を撮像素子6の撮像領域の任意の位置に設定する枠設定部としても機能する。35はAFボタンであり、操作するとAF動作のON/OFFを制御できる。36は電源ボタンであり、操作するとカメラの電源がON/OFFされる。
40は撮像素子6から出力される画像信号をサンプルホールド及び自動ゲイン調整するCDS(相関2重サンプリング)/AGC(自動ゲイン調整)回路である。41はCDS/AGC回路40のアナログ出力をデジタル信号に変換するA/D変換器である。42はTG(タイミング発生)回路であり、撮像素子6に駆動信号を、CDS/AGC回路40にサンプルホールド信号を、A/D変換器41にサンプルクロック信号を供給する。ここでメモリコントローラ21は、撮像素子6から出力される画像信号をCDS/AGC回路40、A/D変換器41を経て受けて、TV−AFにより被写体像の焦点検出を行うことが可能である。
43はA/D変換器41でデジタル変換された画像等を一時的に記録するためのSDRAM(メモリ)である。SDRAM43は、撮像素子6の撮像領域の全域の焦点検出用画素の出力信号を記録することができる。あるいは、SDRAM43は、撮像素子6の撮像領域の全域に対して位相差AFを行って焦点ずれ量を算出して記録する。
44は画像をY/C(輝度信号/色差信号)分離、ホワイトバランス補正、γ補正等を行う画像処理回路である。45は画像をJPEG等の形式に従って圧縮したり、圧縮された画像の伸張を行う画像圧縮/伸張回路である。ここでメモリコントローラ21は、撮像素子6から出力される画像信号を画像処理回路44で画像処理することにより、被写体の測光情報を得ることが可能である。46はSDRAM43やメディア48に記録された画像を液晶モニタ12に表示するために、画像をアナログ信号に変換するD/A変換器である。47は画像を記録保存するためのメディア48とのI/F(インターフェース)である。
以下、図5〜図7を参照して、本実施例のデジタル一眼レフカメラの動作を説明する。なお、これらの図及びその他のフローチャートにおいて「S」はステップの略である。
図5は、デジタル一眼レフカメラの基本動作ルーチンを示すメインフローである。
S101では、MPU20は、ユーザーが電源ボタン36を操作してカメラの電源をONしたことを認識する。電源がONされると、MPU20は、カメラ内の各アクチュエータや撮像素子6の動作確認を行う。そして、メモリ内容や実行プログラムの初期化状態を検出すると共に、撮影準備動作を実行する。S102では、MPU20は、ユーザーが各種ボタンを操作してカメラの各種設定を行ったことを認識する。例えば、モードボタン32を操作して撮影モード選択したり、電子ダイヤル33を操作してシャッター速度や絞りの設定を行ったりする。S103では、MPU20は、レリーズボタン31が半押しされてSW1がONされたことを認識する。S104では、MPU20は、SW1がONされたことに対応してAF動作ルーチンを実行する。
図6は、図5に示すAF動作(S104)ルーチンの詳細を説明するためのフローチャートである。
S110では、MPU20は、レンズ制御回路23から撮影レンズ3の開放F値を通知され、カメラに装着されている撮影レンズ3の開放F値がF2.8より大きいか否かを判断する。MPU20は、開放F値がF2.8よりも大きいと判断すれば(例えば、F4、F5.6等)、F5.6光束を使用した焦点検出(以下、「F5.6焦点検出」と称す)を行なうためにS111へ進む。一方、MPU20は、開放F値がF2.8以下であると判断すれば(例えばF1.4、F2.8等)F2.8光束を使用した焦点検出(以下、「F2.8焦点検出」と称す)を行なうためにS121へ進む。
S111では、MPU20は、焦点検出回路26を介してエリアセンサ8cのF5.6対応センサ部8c5.6の蓄積制御を行なう。また、MPU20は、焦点検出回路26を介して、蓄積されたデータから相関量を演算し、相関量及び撮影レンズ3の焦点距離、フォーカスレンズ群3aの敏感度等の光学データに基づいてデフォーカス量を演算する。
S112では、MPU20は、F5.6焦点検出の結果、焦点検出回路26がデフォーカス量を検出(演算)できたか否かを判断し、検出できていると判断すればS113へ進む。一方、MPU20は、デフォーカス量を検出できていないと判断すれば(S112のNO)、焦点検出時のフォーカスレンズ群3aの停止位置がデフォーカス量を検出可能な範囲外であるため、フォーカスレンズ群3aのサーチを行なうためにS115へ進む。サーチでは、MPU20は、フォーカスレンズ群3aを一定範囲内で駆動してデフォーカス量を検出できるかどうかを判断する。
S113では、MPU20は、検出されたデフォーカス量に従って、焦点調節回路24を介してフォーカスレンズ群3aを合焦位置に駆動する。S114では、MPU20は、焦点検出回路26を介して再度焦点検出を行って合焦しているか否かの判断を行い、合焦していると判断すればS131へ進み、合焦していないと判断すればS112へ進む。
S115では、MPU20は、撮影レンズ3の焦点距離、開放F値等のデータに基づいてデフォーカス量を検出可能な範囲の幅を演算し、S111でのエリアセンサ8cの蓄積時間、デフォーカス量の演算時間等から最短の焦点検出間隔を演算する。そして、MPU20は、デフォーカス量を検出可能な範囲の幅と焦点検出間隔(焦点検出を行う時間の間隔)が一致するフォーカスレンズ群3aの駆動速度を演算する。実際には、MPU20は、合焦位置の検出を見逃さないように、焦点検出間隔毎にデフォーカス量を検出可能な範囲の幅がある程度重なるようにフォーカスレンズ群3aの駆動速度を調節する。
S116では、MPU20は、S115で求めた駆動速度に従って、焦点調節回路24を介してフォーカスレンズ群3aの駆動を開始する。S117では、S115で求めた焦点検出間隔を計測するためのタイマのカウントを開始する。上述したように、タイマはMPU20に内蔵されている。S118では、MPU20は、焦点検出間隔を計測するためのタイマのカウントが終了したか否かを判断し、終了していると判断すればS119へ進み、終了していないと判断すれば終了するまで判断を繰り返す。
S119では、MPU20は、焦点検出回路26を介してエリアセンサ8cのF5.6対応センサ部8c5.6の蓄積制御を行なう。また、MPU20は、焦点検出回路26を介して、蓄積されたデータから相関量を演算し、相関量及び撮影レンズ3の焦点距離、フォーカスレンズ群3aの敏感度等の光学データに基づいてデフォーカス量を演算する。
S120では、MPU20は、F5.6焦点検出の結果、焦点検出回路26がデフォーカス量を検出(演算)できたか否かを判断し、検出できたと判断すればS113へ進む。MPU20は、デフォーカス量を検出できていないと判断すれば(S120のNO)、フォーカスレンズ群3aの位置が未だデフォーカス量を検出可能な範囲外であるため、引き続きサーチを行なうためにS117へ進む。
S121では、MPU20は、焦点検出回路26を介してエリアセンサ8cのF2.8対応センサ部8c2.8の蓄積制御を行なう。また、MPU20は、焦点検出回路26を介して、蓄積されたデータから相関量を演算し、相関量及び撮影レンズ3の焦点距離、フォーカスレンズ群3aの敏感度等の光学データに基づいてデフォーカス量を演算する。
S122では、MPU20は、F2.8焦点検出の結果、焦点検出回路26がデフォーカス量を検出(演算)できたか否かを判断し、検出できたと判断すればS123へ進む。MPU20は、デフォーカス量を検出できていないと判断すれば、焦点検出時のフォーカスレンズ群3aの停止位置がデフォーカス量を検出可能な範囲外であるため、フォーカスレンズ群3aのサーチを行なうためにS125へ進む。
S123では、検出されたデフォーカス量に従って、焦点調節回路24はフォーカスレンズ群3aを合焦位置に駆動する。S124では、焦点検出回路26は、再度焦点検出を行って合焦しているか否かの判断を行い、合焦していればS131へ進み、合焦していなければS122へ進む。
S125では、MPU20は、撮影レンズ3の焦点距離、開放F値等のデータに基づいて、デフォーカス量を検出可能な範囲の幅を演算し、S121でのエリアセンサ8cの蓄積時間、デフォーカス量の演算時間等から最短の焦点検出間隔を演算する。そして、MPU20は、デフォーカス量を検出可能な範囲の幅と焦点検出間隔が一致するフォーカスレンズ群3aの駆動速度を演算する。実際には、MPU20は、合焦位置の検出を見逃さないように、焦点検出間隔毎にデフォーカス量を検出可能な範囲の幅がある程度重なるようにフォーカスレンズ群3aの駆動速度を調節する。
S126では、S125で求めた駆動速度に従って、MPU20は、焦点調節回路24を介してフォーカスレンズ群3aの駆動を開始する。S127では、MPU20は、S125で求めた焦点検出間隔を計測するためのタイマのカウントを開始する。S128では、MPU20は、焦点検出間隔を計測するためのタイマのカウントが終了したか否かを判断し、終了していると判断すればS129へ進み、終了していないと判断すれば終了するまで判断を繰り返す。
S129では、MPU20は、焦点検出回路26を介してエリアセンサ8cのF2.8対応センサ部8c2.8の蓄積制御を行なう。また、MPU20は、焦点検出回路26を介して蓄積されたデータから相関量を演算し、相関量及び撮影レンズ3の焦点距離、フォーカスレンズ群3aの敏感度等の光学データに基づいてデフォーカス量を演算する。
S130では、MPU20は、F2.8焦点検出の結果、焦点検出回路26がデフォーカス量を検出(演算)できたか否かを判断し、検出できたと判断すればS123へ進む。一方、MPU20は、デフォーカス量を検出できていないと判断すれば、フォーカスレンズ群3aの位置が未だデフォーカス量を検出可能な範囲外であるため、引き続きサーチを行なうためにS127へ進む。
S131では、MPU20はファインダー内に合焦表示を行う。そして、図5の基本動作ルーチン内のS105に戻る。
図5に戻って、S105では、MPU20は、不図示のAEセンサを用いた所定のAE動作を行い、ファインダー内に測光値を表示する。S106では、MPU20は、レリーズボタン31が全押しされてSW2がONされたか否かの判断を行い、SW2がONされたと判断すればユーザーが現状の合焦状態と測光値を容認しているとみなして通常撮影ルーチンを実行する(S107)。一方、MPU20は、SW2がONされていないと判断すればS108へ進む。
図7は、図5に示す通常撮影(S107)ルーチンのフローである。
S141では、MPU20は、モータ駆動回路27により不図示のミラー駆動用モータを制御し、主ミラー4とサブミラー7を撮影光路から退避(ミラーアップ)させる(図2)。S142では、MPU20は、AE結果により演算された撮影露出又はユーザーの設定値に従って、絞り駆動回路25が撮影レンズ3内の絞り17を駆動する。S143では、MPU20は、AE結果により演算された撮影露出又はユーザーの設定値に従って、シャッター駆動回路28によりシャッター5を開閉する。S144では、MPU20は、メモリコントローラ21により撮像素子6で受光された画像を読み込んでSDRAM43に一時記録する。S145では、MPU20は、メモリコントローラ21で読み出した画像信号の欠損画素補間を行なう。欠陥画素の位置情報は製造工程でEEPROM22に記録されており、周囲の撮像用画素の情報から補間により画像信号を生成する。
S146では、MPU20は、画像処理回路44で画像のホワイトバランス補正、γ補正、エッジ強調等の画像処理を行ない、画像圧縮/伸張回路45で画像をJPEG等の形式に従って圧縮する。S147では、MPU20は、画像処理した撮影画像をメディア48に記録する。S148では、MPU20は、モータ駆動回路27により不図示のミラー駆動用モータを制御し、撮影光路から退避している主ミラー4とサブミラー7を、撮影光束をファインダーへと反射し導く観察位置へ駆動(ミラーダウン)する(図1)。S149では、MPU20は、モータ駆動回路27により不図示のチャージ用モータを通電制御し、シャッター5をチャージする。そして図5の基本動作ルーチン内のS109に戻る。
図5に戻って、S108では、MPU20は、レリーズボタン31が半押しされ続けてSW1がONされ続けているか否かを判断する。MPU20は、SW1がONされていると判断すればユーザーが撮影を続けようとしているとみなしてS104へ進み、SW1がONされていないと判断すればS109へ進む。S109では、MPU20は、ユーザーが電源ボタン36を操作してカメラの電源がOFFされたか否かを判断し、OFFされていないと判断すればS102へ進んで次の撮影に備え、OFFされていると判断すれば一連のカメラ動作を終了する。
図8は、図6に示すAF動作(S110〜S131)のサーチの詳細を説明するための説明図である。図8は、縦軸が時間で上に行くほど時間が経過し、横軸がフォーカスレンズ群3aの位置で左側が至近、右側が無限である。矢印はフォーカスレンズ群3aの駆動を示しており、F5.6焦点検出を下側の矢印、F2.8焦点検出を上側の矢印に示す。これらの矢印の傾きがフォーカスレンズ群3aの駆動速度を表し、傾きが小さい方が駆動速度が速い。即ち、F5.6焦点検出におけるフォーカスレンズ群3aの駆動速度はF2.8焦点検出におけるそれよりも大きい。
また、図8において、最上部の左右方向の矢印は、F2.8光束を使用して焦点検出を行った場合の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲(「F2.8焦点検出:デフォーカス検出範囲」と示す)である。同様に、最下部の左右方向の矢印は、F5.6光束を使用して焦点検出を行った場合の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲(「F5.6焦点検出:デフォーカス検出範囲」と示す)である。合焦位置の検出を見逃さないために隣接するデフォーカス量を検出可能な範囲は僅かに重なっており、フォーカスレンズ群3aの駆動速度を演算する際に調節している。図8から理解されるように、F2.8焦点検出の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲よりもF5.6焦点検出の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲のほうが長い。
サーチにおいて、まず、MPU20は、フォーカスレンズ群3aの現在の停止位置で焦点検出1を行ない(F5.6焦点検出はS111、F2.8焦点検出はS121)、停止位置でデフォーカス量が検出できないとサーチを行なう。図8において、焦点検出1では、F5.6焦点検出、F2.8焦点検出のいずれにおいても被写体が検出できないためMPU20は焦点検出2以降でもサーチを行なっている。MPU20は、サーチを行なうために、フォーカスレンズ群3aの現在位置におけるデフォーカス量を検出可能な範囲の幅、焦点検出間隔、フォーカスレンズ群3aの駆動速度をMPU20で演算する(F5.6焦点検出はS115、F2.8焦点検出はS125)。
フォーカスレンズ群3aの現在位置におけるデフォーカス量を検出可能な範囲の幅は、撮影レンズ3の焦点距離、開放F値等のデータに基づいて演算する。焦点検出間隔は、焦点検出1における各センサの蓄積時間とデフォーカス量の演算時間等から最短の焦点検出間隔を演算する。ここではF5.6焦点検出、F2.8焦点検出による最短の焦点検出間隔(焦点検出を行う時間の間隔)が同じとする。焦点検出を行う時間(焦点検出1、焦点検出2、・・・など)に対応するフォーカスレンズ群3aの位置は、各光束を使用して焦点検出を行った場合の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲の中心に対応している。なお、実際には、エリアセンサ8cの各光束に対応した各センサ部の数や、各々のセンサ部の画素数や画素サイズにより蓄積時間や演算時間が変わるため、焦点検出間隔が同じになるとは限らない。更に、蓄積時間は被写体輝度により大きく異なるため、焦点検出間隔は様々である。また、フォーカスレンズ群3aの駆動速度には限界があり、最速で駆動した時に合焦位置の検出を見逃さないようにデフォーカス量を検出可能な範囲の幅分の駆動時間よりも早く焦点検出できれば良いため、必ずしも最短の焦点検出間隔で焦点検出を行なう必要はない。フォーカスレンズ群3aの駆動速度は、デフォーカス量を検出可能な範囲の幅と焦点検出間隔が一致するように演算する。
従来は、F2.8光束を使用して焦点検出を行う場合にフォーカスレンズ群3aを駆動する駆動速度とF5.6光束を使用して焦点検出を行う場合にフォーカスレンズ群3aを駆動する駆動速度は同じであった。このため、F5.6光束を使用して焦点検出を行う場合のフォーカスレンズ群3aの駆動速度が遅かった。これに対して、本実施例では、F5.6光束を使用して焦点検出を行う場合のフォーカスレンズ群3aの駆動速度を従来よりも速めており、合焦速度が向上している。また、本実施例では、F2.8光束を使用して焦点検出を行う場合には図8の上側の駆動制御を行うので、特許文献1のように、タイミングによっては合焦精度の高いセンサが使われない場合がなくなり、合焦精度を維持することができる。また、本実施例では、AFセンサ8AをAFセンサ8Bには切り換えないので切り換えに伴ってフォーカスレンズ群が逆方向に駆動されることはなくなり、合焦精度を維持することができる。
図8において、MPU20は、焦点検出1でデフォーカス量を検出できないために、フォーカスレンズ群3aを演算された駆動速度で駆動開始する(F5.6焦点検出はS116、F2.8焦点検出はS126)。MPU20は、不図示のタイマを介して焦点検出1から焦点検出間隔が経過したと判断すると(F5.6焦点検出はS117〜S118、F2.8焦点検出はS127〜S128)、焦点検出2を行なう(F5.6焦点検出はS119、F2.8焦点検出はS129)。焦点検出2でも被写体がデフォーカス量を検出可能な範囲内にないため、MPU20は引き続きサーチを行なう(F5.6焦点検出はS120のNO、F2.8焦点検出はS130のNO)。MPU20は、不図示のタイマを介して焦点検出2から焦点検出間隔が経過したと判断すると(F5.6焦点検出はS117〜S118、F2.8焦点検出はS127〜S128)、焦点検出3を行なう(F5.6焦点検出はS119、F2.8焦点検出はS129)。
F5.6焦点検出の場合は焦点検出3において被写体がデフォーカス量を検出可能な範囲内にあるため(S120のYES)、MPU20は焦点検出3を行なったフォーカスレンズ群3aの位置から被写体までのデフォーカス量が検出できる。その結果に従って、フォーカスレンズ群3aを合焦駆動する(S113)。なお、フォーカスレンズ群3aが停止状態から合焦駆動する時とは異なり、焦点検出3で焦点検出を開始してからデフォーカス量を検出するまでの間もフォーカスレンズ群3aがしているため、その分を差し引いたデフォーカス量分の駆動を行なう。
一方、F2.8焦点検出の場合は焦点検出3の段階でも被写体がデフォーカス量を検出可能な範囲内にないため、MPU20は引き続きサーチを行なう(S130のNO)。MPU20は、焦点検出3から更に焦点検出間隔が経過したと判断すると(S127〜S128)、焦点検出4を行なう(S129)。ここで被写体がデフォーカス量を検出可能な範囲内に現れてデフォーカス量が検出され(S130のYES)、以後、F5.6焦点検出の場合と同様に、合焦駆動を行なう(S123)。
以上説明したように、本実施例は、1回のサーチにおいてデフォーカス量を検出可能な範囲の幅が異なる複数のAFセンサ8A、8Bを有するデジタル一眼レフカメラを使用する。そして、本実施例は、被写体のデフォーカス量を検出するためのサーチを開放F値に対応したいずれかのAFセンサのみを利用して(即ち、切り換えずに)行い、切り換えに伴う合焦精度の低下を防止している。また、F5.6焦点検出時のフォーカスレンズ群3aの駆動速度をF2.8焦点検出時のフォーカスレンズ群3aの駆動速度よりも高めて合焦速度を高めている。また、以上の説明は、デジタル一眼レフカメラで行なったが、これに限定されるものではなく、一眼レフカメラでもよい。
以下、図9〜図25を参照して、実施例2について説明する。実施例2は実施例1のデジタル一眼レフカメラと類似の構成を有しており、以下、実施例1と異なる部分を中心に説明する。本実施例のデジタル一眼レフカメラは、AFセンサ8による位相差AFと撮像素子6による撮像面位相差AFのデフォーカス量を検出可能な範囲の異なる複数の焦点検出手段を備えている。
本実施例の撮像素子6は、一部の画素が焦点検出用画素となっており、撮像面で位相差AFが可能となっている。より具体的には、撮像素子6は、被写体の像を形成する撮影レンズ3の射出瞳(後述するEP)の全域を通る光を各々が受光して被写体の像を生成する複数の撮影用画素を有する。また、撮像素子6は、各々が撮影レンズ3の射出瞳EPの一部の領域(後述するEPHA及びEPHB)を通る光を受光する複数の焦点検出用画素を更に有する。複数の焦点検出用画素は全体として撮影レンズ3の射出瞳の全域を通る光を受光することができる。
続いて、撮像素子6による撮像面位相差AFについて説明する。本実施形態においては、画素ピッチが8μm、有効画素数が縦3000行×横4500列=1350万画素、撮像画面サイズが横36mm×縦24mmの撮像素子を一例として説明を行なう。更に、撮像素子6は、受光画素上にベイヤー配列の原色カラーモザイクフィルタがオンチップで形成された、2次元単板カラーセンサとなっている。
図9〜図11は、撮像用画素と焦点検出用画素の構造を説明する図である。本実施例は、2行×2列の4画素のうち、対角2画素にG(緑色)の分光感度を有する画素を配置し、他の2画素にR(赤色)とB(青色)の分光感度を有する画素を各1個配置した、ベイヤー配列が採用している。そして、このベイヤー配列の間に、後述する構造の焦点検出用画素が所定の規則にて分散配置される。
図9に撮像用画素の配置と構造を示す。図9(a)は、2行×2列の撮像用画素の平面図である。周知のように、ベイヤー配列では対角方向にG画素が、他の2画素にRとBの画素が配置される。そして2行×2列の構造が繰り返し配置される。図9(a)におけるA−A断面図を図9(b)に示す。MLは各画素の最前面に配置されたオンチップマイクロレンズ、CFRはR(赤色)のカラーフィルタ、CFGはG(緑色)のカラーフィルタである。PD(Photo Diode)はCMOSイメージセンサの光電変換素子を模式的に示したものである。CL(Contact Layer)は、CMOSイメージセンサ内の各種信号を伝達する信号線を形成するための配線層である。TL(Taking Lens)は撮影レンズ3の撮像光学系を模式的に示したものである。
ここで、撮像用画素のオンチップマイクロレンズMLと光電変換素子PDは、撮像光学系TLを通過した光束を可能な限り有効に取り込むように構成されている。換言すると、撮像光学系TLの射出瞳EP(Exit Pupil)と光電変換素子PDは、マイクロレンズMLにより共役関係にあり、かつ光電変換素子の有効面積は大面積に設計される。また、図9(b)ではR画素の入射光束について説明したが、G画素及びB(青色)画素も同一の構造となっている。従って、撮像用のRGB各画素に対応した射出瞳EPは大径となり、被写体からの光束(光量子)を効率よく取り込んで画像信号のS/Nを向上させている。
図10は、撮像光学系の水平方向(左右方向又は横方向)に瞳分割を行なうための焦点検出用画素の配置と構造を示す。ここで「水平方向」とは、撮像光学系の光軸と撮像領域の長辺とが地面に平行となるように撮像装置を構えたとき、この光軸に直交し、かつ水平方向に伸びる直線に沿った方向をいう。図10(a)は、焦点検出用画素を含む2行×2列の画素の平面図である。記録又は観賞のための画像信号を得る場合、G画素で輝度情報の主成分を取得する。そして人間の画像認識特性は輝度情報に敏感であるため、G画素が欠損すると画質劣化が認知されやすい。一方でR画素又はB画素は、色情報(色差情報)を取得する画素であるが、人間の視覚特性は色情報には鈍感であるため、色情報を取得する画素は多少の欠損が生じても画質劣化は認識され難い。そこで本実施例は、2行×2列の画素のうち、G画素は撮像用画素として残し、R画素とB画素を焦点検出用画素に置き換えている。この焦点検出用画素を図10(a)においてSHA及びSHBと示す。
図10(a)におけるA−A断面図を図10(b)に示す。マイクロレンズMLと、光電変換素子PDは図9(b)に示した撮像用画素と同一構造である。本実施例は、焦点検出用画素の信号を画像生成には用いないため、色分離用カラーフィルタの代わりに透明膜CFW(白色)を配置する。また撮像素子6で瞳分割を行なうため、配線層CLの開口部はマイクロレンズMLの中心線に対して一方向に偏倚している。具体的には、画素SHA及の開口部OPHAは右側に偏倚して撮像光学系TLの左側の射出瞳EPHAを通過した光束を受光する。画素SHBの開口部OPHBは左側に偏倚して撮像光学系TLの右側の射出瞳EPHBを通過した光束を受光する。画素SHAを水平方向に規則的に配列し、これらの画素群で取得した被写体像をA像とする。また画素SHBも水平方向に規則的に配列し、これらの画素群で取得した被写体像をB像とする。すると、A像とB像の相対位置を検出することで被写体像のデフォーカス量が検出することができる。なお、画素SHA及びSHBでは、撮像領域の横方向に輝度分布を有した被写体、例えば縦線に対しては焦点検出可能だが、縦方向に輝度分布を有する横線は焦点検出不能である。そこで、本実施例は、後者についても焦点状態を検出できるよう、撮像光学系の垂直方向(縦方向)にも瞳分割を行なう画素も備えるように構成している。
図11は、撮像光学系の垂直方向(上下方向又は縦方向)に瞳分割を行なうための焦点検出用画素の配置と構造を示す。ここで「垂直方向」とは、撮像光学系の光軸と撮像領域の長辺とが地面に平行となるように撮像装置を構えたとき、この光軸に直交し、鉛直方向に伸びる直線に沿った方向をいう。図11(a)は、焦点検出用画素を含む2行×2列の画素の平面図であり、図10(a)と同様に、G画素は撮像用画素として残し、R画素とB画素を焦点検出用画素としている。この焦点検出用画素を図11(a)においてSVC及びSVDと示す。
図11(a)のA−A断面図を図11(b)に示す。図10(b)の画素が横方向に瞳分離する構造であるのに対して、図11(b)の画素は瞳分離方向が縦方向になっているが、その他の画素の構造は同様である。画素SVCの開口部OPVCは下側に偏倚して撮像光学系TLの上側の射出瞳EPVCを通過した光束を受光する。同様に、画素SVDの開口部OPVDは上側に偏倚して撮像光学系TLの下側の射出瞳EPVDを通過した光束を受光する。画素SVCを垂直方向に規則的に配列し、これらの画素群で取得した被写体像をC像とする。また画素SVDも垂直方向に規則的に配列し、これらの画素群で取得した被写体像をD像とする。するとC像とD像の相対位置を検出することで、垂直方向に輝度分布を有する被写体像のデフォーカス量が検出することができる。
図12〜図14は、図9〜図11に示した撮像用画素及び焦点検出用画素の配置規則を説明する図である。図12は撮像用画素の間に焦点検出用画素を離散的に配置する場合の最小単位の配置規則を説明するための図である。
図12において、10行×10列=100画素の正方形領域を1つのブロックと定義する。左上のブロックBLKH(1,1)において、一番左下のR画素とB画素を、水平方向に瞳分割を行なう1組の焦点検出用画素SHA及びSHBで置き換える。その右隣りのブロックBLKV(1,2)においては、同じく一番左下のR画素とB画素を、垂直方向に瞳分割を行なう1組の焦点検出用画素SVC及びSVDで置き換える。また最初のブロックBLKH(1,1)の下に隣接したブロックBLKV(2,1)の画素配列は、ブロックBLKV(1、2)と同一とする。そしてその右隣りのブロックBLKH(2,2)の画素配列は、先頭のブロックBLKH(1,1)と同一とする。この配置規則を一般化すると、ブロックBLK(i,j)において、i+jが偶数であれば水平瞳分割用の焦点検出画素を配置し、i+jが奇数であれば垂直瞳分割用の焦点検出画素を配置することになる。そして図12の2×2=4ブロック、即ち、20行×20列=400画素の領域をブロックの上位の配列単位としてクラスタと定義する。
図13はクラスタを単位とした配置規則を説明するための図である。図13において、20行×20列=400画素で構成された一番左上のクラスタをCST(u,w)=CST(1,1)とする。クラスタCST(1,1)においては、各ブロックの一番左下のR画素とB画素を、焦点検出用画素SHA及びSHB又はSVC及びSVDで置き換える。その右隣りのクラスタCST(1,2)においては、ブロック内における焦点検出用画素の配置を、クラスタCST(1,1)に対して上方向に2画素分シフトした位置に配置する。また最初のクラスタCST(1,1)の下に隣接したクラスタCST(2,1)においては、ブロック内における焦点検出用画素の配置を、クラスタCST(1,1)に対して右方向に2画素分シフトした位置に配置する。以上の規則を適用すると図13に示す配置が得られる。
この配置規則を一般化すると以下のようになる。なお焦点検出用画素の座標は、図10又は図11に示すG画素を含む4画素を一つの単位(ペア)とし、そのうちの左上の画素の座標で規定する。また各ブロック内の座標は左上を(1、1)とし、下方向と右方向を正とする。クラスタCST(u,w)において、各ブロック内の焦点検出用画素ペアの水平座標は2×u−1となり、垂直座標は11−2×wとなる。そして、図13の5×5=25クラスタ、即ち、100行×100列=1万画素の領域をクラスタの上位の配列単位としてフィールドと定義する。
図14はフィールドを単位とした配置規則を説明するための図である。図14において、100行×100列=1万画素で構成された一番左上のフィールドをFLD(q,r)=FLD(1,1)とする。本実施例では、全てのフィールドFLD(q,r)は、先頭フィールドFLD(1,1)と同様の配列となっている。そこで、フィールドFLD(q,r)を水平方向に45個、垂直方向に30個配列すると、3000行×4500列=1350万画素の撮像領域は1350個のフィールドFLD(q,r)で構成される。そして撮像領域全面に渡って焦点検出用画素を均一に分布させることができる。
次に、図15〜図18を参照して、焦点検出時の画素のグループと信号加算方法について説明する。焦点検出画素は、撮像素子6の撮像領域の全域に等間隔かつ等密度で配置された横ずれ検出用画素と縦ずれ検出用画素を有する。
図15は撮像光学系によって形成された被写体像の横ずれ方向の焦点検出を行なう場合の画素グループ化方法を説明する図である。横ずれ方向の焦点検出とは、図10で説明した、撮像光学系の射出瞳を横方向(水平方向または左右方向)に分割するための焦点検出用画素を用いて、位相差式焦点検出を行なうことを指す。
図15に示す画素配列は図8で説明したものであるが、焦点検出の際には、横方向に1ブロック、縦方向に10ブロックの合計10ブロックを1つのグループとし、これをセクションと定義する。そして横方向に配列されたセクションSCTH(k)を複数連結して1つの焦点検出領域を構成する。本実施例では一例として1つの焦点検出領域は、セクションSCTH(1)からセクションSCTH(10)までの10個のセクションを連結して構成している。即ち、100行×100列=1万画素の領域が1つの焦点検出領域となる。これは1フィールドと同一領域であり、図14で説明したように撮像領域で1350個の固定焦点検出領域となるように設定している。もちろん設定方法は様々で、被写体に応じて撮像領域の任意位置のセクションSCTH(k)を複数連結することで撮像領域の任意位置に可変焦点検出領域を設定することも可能である。
ここで1つのセクションには、横方向における一方の瞳分割を行なう画素SHAが5個、他方の瞳分割を行なう画素SHBも5個含まれている。そこで、本実施例においては、5個のSHAの出力を加算して1画素の信号とし、位相差演算用の一方の画像信号(A像と称する)の1AF画素を得る。同様に、5個のSHBの出力を加算して1画素の信号とし、位相差演算用の他方の画像信号(B像と称する)の1AF画素を得る。
図16は一つのセクションにおける被写体像の捕捉能力を説明するための図である。図16は図15の左端のセクションSCTH(1)を切り出したものである。そして下端に示された水平線PRJHは、焦点検出用画素SHA及びSHBの瞳分割方向に延伸した第1の射影軸(Projection Line)、右端に示された垂直線PRJVは、瞳分割方向と直交する方向に延伸した第2の射影軸である。ここで1つのセクション内の画素SHAは全て加算され、SHBも加算される。そこで1つのセクションを1つのAF画素と見なした場合、1つのAF画素に含まれる受光部を瞳分割方向の射影軸PRJHに射影すると、画素SHAとSHBが交互に緻密に並ぶことがわかる。このときの瞳分割方向の射影軸PRJHにおける画素SHAの配列ピッチをP1とすると、P1=PHH=2(単位は画素)となる。ピッチの代わりに空間周波数F1で表わすと、F1=0.5(単位は画素/画素)となる。同様に、射影軸PRJHにおける画素SHBの配列ピッチもP1=2(単位は画素)、空間周波数表記ではF1=0.5(単位は画素/画素)となる。
一方、1つのAF画素に含まれる受光部を瞳分割方向と直交方向の射影軸PRJVに射影すると、画素SHAとSHBはまばらに並ぶことがわかる。このときの射影軸PRJVにおける画素SHAの配列ピッチをP2とすると、P2=PHV=20(単位は画素)となる。ピッチの代わりに空間周波数F2で表わすとF2=0.05(単位は画素/画素)となる。同様に、射影軸PRJVにおける画素SHBの配列ピッチも、P2=20(単位は画素)、空間周波数表記ではF2=0.05(単位は画素/画素)となる。
即ち、本実施例におけるAF画素は、グループ化前の分散特性については、瞳分割方向とこれに直交する方向の配置上のピッチが等しい。しかしながら、グループ化する際のグループ形状を長方形とすることで瞳分割方向のサンプリング誤差を低減している。具体的には、1セクションの瞳分割方向の最大寸法L1は10画素、瞳分割と直交する方向の最大寸法L2は100画素としている。即ち、セクション寸法をL1<L2とすることで、瞳分割方向のサンプリング周波数F1を高周波(密)に、これと直交する方向のサンプリング周波数F2を低周波(疎)としている。
図17は撮影光学系によって形成された被写体像の縦ずれ方向の焦点検出を行なう場合の画素グループ化方法を説明する図である。縦ずれ方向の焦点検出とは、図11で説明した、撮像光学系の射出瞳を縦方向(垂直方向又は上下方向)に分割するための焦点検出用画素を用いて、位相差式焦点検出を行なうことをいう。即ち、図15を90度回転したものに相当する。
図17に示す画素配列も図13で説明したものであるが、焦点検出の際には、横方向に10ブロック、縦方向に1ブロックの合計10ブロックを1つのグループとし、これをセクションと定義する。そして縦方向に配列されたセクションSCTV(k)を複数連結して1つの焦点検出領域を構成する。本実施例では一例として1つの焦点検出領域は、セクションSCTV(1)からセクションSCTV(10)までの10個のセクションを連結して構成している。即ち、100行×100列=1万画素の領域が1つの焦点検出領域となる。これは1フィールドと同一領域であり、図14で説明したように撮像領域で1350個の固定焦点検出領域となるように設定している。もちろん設定方法は様々で、被写体に応じて撮像領域の任意位置のセクションSCTV(k)を複数連結することで撮像領域の任意位置に可変焦点検出領域を設定することも可能である。
ここで1つのセクションには、縦方向における一方の瞳分割を行なう画素SVCが5個、他方の瞳分割を行なう画素SVDも5個含まれている。そこで本実施例においては、5個のSVCの出力を加算して1画素の信号とし、位相差演算用の一方の画像信号(C像と称する)の1AF画素を得る。同様に、5個のSVDの出力を加算して1画素の信号とし、位相差演算用の他方の画像信号(D像と称する)の1AF画素を得る。
図18は一つのセクションにおける被写体像の捕捉能力を説明するための図であり、図16を90度回転したものと等価である。図18は図17の上端のセクションSCTV(1)を切り出したものである。そして右端に示された垂直線PRJVは、焦点検出用画素SVC及びSVDの瞳分割方向に延伸した第3の射影軸、下端に示された水平線PRJHは、瞳分割方向と直交する方向に延伸した第4の射影軸である。図17においても、1つのセクション内の画素SVCは全て加算され、SVDも加算される。そこで1セクションを1AF画素と見なした場合、1AF画素に含まれる受光部を瞳分割方向の射影軸PRJVに射影すると、画素SVC及びSVDが交互に緻密に並ぶことがわかる。このときの瞳分割方向の射影軸PRJVにおける画素SVCの配列ピッチをP1とすると、P1=PVV=2(単位は画素)となる。ピッチの代わりに空間周波数F1で表わすと、F1=0.5(単位は画素/画素)となる。同様に、射影軸PRJVにおける画素SVDの配列ピッチもP1=2(単位は画素)、空間周波数表記ではF1=0.5(単位は画素/画素)となる。
一方、1つのAF画素に含まれる受光部を瞳分割方向と直交方向の射影軸PRJHに射影すると、画素SVCとSVDはまばらに並ぶことがわかる。このときの射影軸PRJHにおける画素SVCの配列ピッチをP2とすると、P2=PVH=20(単位は画素)となる。ピッチの代わりに空間周波数F2で表わすと、F2=0.05(単位は画素/画素)となる。同様に、射影軸PRJVにおける画素SVDの配列ピッチも、P2=20(単位は画素)、空間周波数表記ではF2=0.05(単位は画素/画素)となる。
以上のように、図18におけるAF画素のサンプリング特性は、瞳分割方向を基準に考えると、図16と同様の特性、即ち、F1>F2となっている。これは、図18のセクションにおいても、瞳分割方向のセクション寸法L1と、これと直交する方向の寸法L2がL1<L2を満足するからである。これにより、空間周波数の高い被写体に対しても瞳分割方向の輝度情報を正確に検出することができると共に被写体輝度が低くても複数画素の加算によって焦点検出信号のS/N比を向上させることができる。
図19は本実施例における撮像素子の瞳分割機能を概念的に説明する図である。OBJは被写体、IMGは被写体像である。撮像用画素は図9で説明したように、撮像光学系TLの射出瞳全域EPを通過した光束を受光する。一方、焦点検出用画素は図10及び図11で説明したように、瞳分割機能を有している。具体的には、図10の画素SHAは撮像面からレンズ後端を見て左側の瞳を通過した光束LHA、即ち、図19の瞳EPHAを通過した光束を受光する。同様に、画素SHB、SVC及びSVDはそれぞれ瞳EPHB、EPVC及びEPVDを通過した光束LHB、LHC、LHDをそれぞれ受光する。そして焦点検出用画素は、図14で説明したように、撮像素子6の全領域に亘って分布しているため、撮像領域全域で焦点検出も可能となっている。
以下、図20〜図24を参照して、実施例2のデジタル一眼レフカメラの動作について説明する。図20は、実施例2のデジタル一眼レフカメラの基本動作ルーチンを示すメインフローである。
S201では、MPU20は、ユーザーが電源ボタン36を操作してカメラの電源をONしたことを認識する。電源がONされるとMPU20はカメラ内の各アクチュエータや撮像素子6の動作確認を行い、メモリ内容や実行プログラムの初期化状態を検出すると共に撮影準備動作を実行する。S202では、MPU20は、ユーザーが各種ボタンを操作してカメラの各種設定を行ったことを認識する。例えば、モードボタン32を操作して撮影モード選択したり、電子ダイヤル33を操作してシャッター速度や絞りの設定を行ったりする。
S203では、MPU20は、マルチコントローラー34によりMPU20はライブビュー(LV)モードが設定されているか否かを判断し、ライブビューモードに設定されていると判断すればライブビューモードルーチンのS210へ進む。また、MPU20は、ライブビューモードに設定されていないと判断すれば(例えば、モード設定部が撮影モードを設定した場合には)通常モードルーチンのS204へ進む。
まず、通常モード(ユーザーがファインダーを覗いて撮影する一眼レフカメラの通常使用モード)の動作ルーチンを説明する。S204では、MPU20は、レリーズボタン31が半押しされてSW1がONされたかどうかを認識する。S205では、MPU20は、図6に示すAF動作ルーチンを実行する。但し、実施例2では装着されている撮影レンズ3の開放F値がF4であるとし、AFセンサ8での焦点検出はF5.6焦点検出が選択されているとする。従って、図6のS121〜S130は行われない。S206では、MPU20は、不図示のAEセンサを用いたAE動作を行い、ファインダー内に測光値を表示する。S207では、MPU20は、レリーズボタン31が全押しされてSW2がONされたか否かを判断する。MPU20はSW2がONされていると判断すれば、ユーザーが現状の合焦状態と測光値を容認しているとみなしてS208へ進む。一方、MPU20は、SW2がONされていないと判断すればS209へ進む。S208では、MPU20は、図7に示す通常撮影ルーチンを実行する。S209では、MPU20は、レリーズボタン31が半押しされ続けてSW1がONされ続けているか否かを判断する。MPU20は、SW1がONされていると判断すればユーザーが撮影を続けようとしているとみなしてS205へ進む。一方、MPU20は、SW1がONされていないと判断すればS218へ進む。
次に、ライブビューモード(ユーザーがライブビューを使用して撮影するモード)の動作ルーチンを説明する。S210では、MPU20は、ライブビュー表示ルーチンを実行する。
図21はライブビュー表示ルーチンのフローである。S221では、MPU20は、モータ駆動回路27により不図示のミラー駆動用モータを制御し、主ミラー4とサブミラー7を撮影光路から退避(ミラーアップ)させる。S222では、MPU20は、シャッター駆動回路28によりシャッター5を開放状態にする(図2の状態となる)。S223では、MPU20は、メモリコントローラ21により撮像素子6で受光された動画像の読み込みを開始する。S224では、MPU20は、読み出した動画像を液晶モニタ12に表示する。ユーザーはこのライブビュー画像を目視して撮影時の構図決定を行なう。そして、MPU20は、図20の基本動作ルーチン内のS211に戻る。
図20に戻って、S211では、MPU20は、マルチコントローラー34によりライブビュー画像に重ねてAF枠を設定する。まずは撮影画面中央に表示を行なうが、ユーザーによりマルチコントローラー34が操作されると、撮影画面内の任意の位置にAF枠を移動することができる。ここではAF枠は撮影画面中央に設定されたとする。S212では、MPU20は、レリーズボタン31が半押しされてSW1がONされたことを認識する。S213では、MPU20は撮像面位相差AF動作ルーチンを実行する。
図22は、撮像面位相差AF動作ルーチンのフローである。
S231では、MPU20は、撮像面焦点検出ルーチンを実行する。図23は撮像面焦点検出ルーチンのフローである。S251では、MPU20は、メモリコントローラ21により撮像素子6から設定された各焦点検出領域に含まれる各焦点検出用画素を読み出す。S252では、MPU20は、メモリコントローラ21により図15又は図17で説明したセクション構造に基づき、各セクション内の焦点検出画素を加算し、その加算結果により各セクションのAF画素信号を得る。S253では、MPU20は、AF画素信号から相関演算用の2像の信号を生成する。S254では、MPU20は、得られた2像の相関演算を行ない、2像の相対的な位置ずれ量を演算する。S255では、MPU20により相関演算結果の信頼性を判断する。S256では、MPU20は、信頼性の高い検出結果からデフォーカス量を演算する。そして、図22の撮像面位相差AF動作ルーチン内のS232に戻る。
図22に戻って、S232では、MPU20は、撮像面焦点検出の結果、デフォーカス量が検出(演算)できたか否かを判断する。MPU20は、デフォーカス量を検出できたと判断すればS233へ進む。一方、MPU20は、デフォーカス量を検出できていないと判断すれば、フォーカスレンズ群3aの現在の停止位置がデフォーカス量を検出可能な範囲外であるため、フォーカスレンズ群3aのサーチを行なうためにS235へ進む。S233では、MPU20は、検出されたデフォーカス量に従って、焦点調節回路24によりフォーカスレンズ群3aを合焦位置に駆動する。S234では、MPU20は、再度、撮像面焦点検出を行って合焦しているか否かの判断を行い、合焦していると判断すればS241へ進み、合焦していないと判断すればS232へ進む。
S235では、MPU20は、撮影レンズ3の焦点距離、開放F値、撮像素子6における焦点検出エリア等のデータに基づいて、デフォーカス量を検出可能な範囲の幅を演算する。焦点検出に用いる撮像素子6の中央部の焦点検出用画素では撮影レンズ3の開放F値のF4光束も受光しており、AFセンサ8のF5.6焦点検出に比べて焦点検出に使用している光束が広くなっているため、焦点検出に用いる像のボケ具合が大きい。従って、デフォーカス量を検出可能な範囲は、AFセンサ8のF5.6焦点検出に比べて撮像素子6の撮像面焦点検出の方が狭い。また、MPU20は、S231での撮像面焦点検出時間から最短の焦点検出間隔を演算し、デフォーカス量を検出可能な範囲の幅と撮像面焦点検出間隔が一致するフォーカスレンズ群3aの駆動速度を演算する。実際には、MPU20は、合焦位置の検出を見逃さないように、撮像面焦点検出間隔毎にデフォーカス量を検出可能な範囲の幅がある程度重なるようにフォーカスレンズ群3aの駆動速度を調節する。
S236では、MPU20は、S235で求めた駆動速度に従って、焦点調節回路24によりフォーカスレンズ群3aのサーチ駆動を開始する。S237では、MPU20は、S235で求めた焦点検出間隔を計測するためのタイマのカウントを開始する。S238では、MPU20は、焦点検出間隔を計測するためのタイマのカウントが終了したか否かを判断し、終了したと判断すればS239へ進み、終了していないと判断すれば終了するまで判断を繰り返す。S239では、MPU20は、図23に示す撮像面焦点検出ルーチンを実行する。S240では、MPU20は、撮像面焦点検出の結果、デフォーカス量が検出(演算)できたか否かを判断し、検出できたと判断すればS233へ進み、検出できていないと判断すれば引き続きサーチを行なうためにS237へ進む。
S241では、MPU20は、ファインダー内に合焦表示を行い、図20のS213に戻る。
図20に戻って、S214では、MPU20は、メモリコントローラ21を介して、撮像素子6から画像信号を読み込み、合焦している主被写体及びその周りの測光情報を得る撮像面AE動作を行なう。S215では、MPU20は、レリーズボタン31が全押しされてSW2がONされたか否かの判断を行う。MPU20は、SW2がONされていると判断すれば、ユーザーが現状の合焦状態と測光値を容認していると判断してS216へ進み、ONされていないと判断すればS217へ進む。S216では、MPU20は、ライブビュー撮影ルーチンを実行する。
図24は、ライブビュー撮影ルーチンのフローである。
S261では、MPU20は、S213の撮像面AE結果により演算された撮影露出に従って絞り駆動回路25により撮影レンズ3内の絞り17を駆動する。S262では、MPU20は、メモリコントローラ21により撮像素子6に受光されている画像をリセットして撮像素子6の受光状態を初期状態、即ち、何も撮像されていない状態に戻す。S263では、MPU20は、再びメモリコントローラ21により撮像素子6の受光を行い、画像を読み込んでSDRAM43に一時記録する。
S264では、MPU20は、メモリコントローラ21で読み出した画像信号の欠損画素補間を行なう。欠陥画素の位置情報は製造工程でEEPROM22に記録されており、周囲の画素の情報から補間により画像信号を生成する。本実施例では、撮像素子6の全撮像領域に離散的に配置された焦点検出用画素自体が欠陥画素となる。この位置情報も予めEEPROM22に記録されており、通常の欠陥画素同様に周囲の画素の情報から補間により画像信号を生成する。
S265では、MPU20は、画像処理回路44で画像のホワイトバランス補正、γ補正、エッジ強調等の画像処理を行ない、画像圧縮/伸張回路45で画像をJPEG等の形式に従って圧縮する。S266では、MPU20は、画像処理した撮影画像をメディア48に記録する。S267では、MPU20は、シャッター駆動回路28によりシャッター5を閉じる。S268では、MPU20は、モータ駆動回路27により不図示のミラー駆動用モータを制御し、主ミラー4とサブミラー7をミラーダウンする(図1)。S269では、MPU20は、モータ駆動回路27により不図示のチャージ用モータを通電制御し、シャッター5をチャージする。その後、図20のS218に戻る。
再び図20に戻って、S217では、MPU20は、レリーズボタン31が半押しされ続けてSW1がONされ続けているか否かを判断する。MPU20は、SW1がONされていると判断すればユーザーが撮影を続けようとしているとみなしてS213へ進み、SW1がONされていないと判断すればS218へ進む。S218では、MPU20は、ユーザーが電源ボタン36を操作してカメラの電源がOFFされたか否かを判断する。MPU20は、電源がOFFされていなければS202へ進んで次の撮影に備え、電源がOFFされていれば一連のカメラ動作を終了する。
以下、図25を参照して、AFセンサ8によるAF動作(S205)および撮像素子6による撮像面位相差AF動作(S213)のサーチについて説明する。図25は、図8と同様に、縦軸が時間で上に行くほど時間が経過し、横軸がフォーカスレンズ群3aの位置で左側が至近、右側が無限である。矢印はフォーカスレンズ群3aの駆動を示しており、AFセンサ8によるF5.6焦点検出と撮像面焦点検出とは重なっている。即ち、F5.6焦点検出におけるフォーカスレンズ群3aの駆動速度と撮像面焦点検出におけるフォーカスレンズ群3aの駆動速度は等しい。
また、図25において、最上部の左右方向の矢印は、撮像面焦点検出による1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲(「撮像面焦点検出:デフォーカス検出範囲」と示す)である。同様に、最下部の左右方向の矢印は、F5.6光束を使用して焦点検出を行った場合の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲(「F5.6焦点検出:デフォーカス検出範囲」と示す)である。合焦位置の検出を見逃さないために隣接するデフォーカス量を検出可能な範囲は僅かに重なっており、フォーカスレンズ群3aの駆動速度を演算する際に調節している。図25から理解されるように、撮像面焦点検出の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲よりもF5.6焦点検出の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲のほうが長い。
F5.6焦点検出でのサーチは図8のそれと同一である。即ち、フォーカスレンズ群3aの現在の停止位置で焦点検出1を行なう(S111)。MPU20は、焦点検出1ではデフォーカス量が検出できないため(S112のNO)、サーチを行なうための諸条件を演算する(S115)。MPU20は、演算された駆動速度でフォーカスレンズ群3aの駆動し(S116)、演算された焦点検出間隔で(S117〜S118)焦点検出2を行なう(S119)。MPU20は、焦点検出2でもデフォーカス量が検出できないため(S120のNO)、引き続きサーチを行なう。MPU20は、焦点検出3でデフォーカス量が検出でき(S120のYES)、その結果に従ってフォーカスレンズ群3aを合焦駆動する。
続いて、撮像面焦点検出でのサーチについて説明する。まず、MPU20は、フォーカスレンズ群3aの現在の停止位置で焦点検出1を行なう(S231)。MPU20は、フォーカスレンズ群3aの停止位置でデフォーカス量が検出できないために焦点検出2以降でサーチを行なう。このため、MPU20は、フォーカスレンズ群3a位置におけるデフォーカス量を検出可能な範囲の幅、焦点検出間隔、フォーカスレンズ群3aの駆動速度をMPU20で演算する(S235)。
フォーカスレンズ群3aの現在位置におけるデフォーカス量を検出可能な範囲の幅は、撮影レンズ3の焦点距離、開放F値、撮像素子6における焦点検出エリア等のデータに基づいて演算する。焦点検出間隔は、焦点検出1における撮像面焦点検出時間(S231の撮像面焦点検出ルーチン)等から最短の焦点検出間隔を演算する。ここではAFセンサ8によるF5.6焦点検出に比べて撮像面焦点検出の方が最短の焦点検出間隔が早い(焦点検出時間が短い)とする。もちろんこの条件は一例であるため焦点検出間隔が逆であっても構わない。焦点検出を行う時間(焦点検出1、焦点検出2、・・・など)に対応するフォーカスレンズ群3aの位置は、撮像面焦点検出又はF5.6光束焦点検出の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲の中心に対応している。上述したように、フォーカスレンズ群3aの駆動速度は、デフォーカス量を検出可能な範囲の幅と焦点検出間隔が一致するように演算する。
焦点検出1でデフォーカス量の検出ができなかったため(S232のNO)、MPU20は、フォーカスレンズ群3aを演算された駆動速度で駆動を開始する(S236)。焦点検出1から焦点検出間隔が経過したら(S237〜S238)、焦点検出2’を行なう(S239)。焦点検出2’の段階でも被写体がデフォーカス量を検出可能な範囲内にないため、MPU20は引き続きサーチを行なう(S240のNO)。MPU20は、焦点検出2’から更に焦点検出間隔が経過したら焦点検出3’を行なう。焦点検出3’の段階でも被写体がデフォーカス量を検出可能な範囲内にないため、MPU20は引き続きサーチを行なう(S240のNO)。焦点検出3’から更に焦点検出間隔が経過したら、MPU20は焦点検出4’を行なう。ここで被写体がデフォーカス量を検出可能な範囲内に現れてMPU20はデフォーカス量を検出する(S240のYES)。その結果に従って、フォーカスレンズ群3aを合焦駆動する(S233)。なお、フォーカスレンズ群3aが停止状態から合焦駆動する時とは異なり、焦点検出3’で焦点検出を開始してからデフォーカス量を検出するまでの間もフォーカスレンズ群3aは駆動しているため、その分を差し引いたデフォーカス量分の駆動を行なう。
以上説明したように、本実施例は、AFセンサ8による位相差AFと撮像素子6による撮像面位相差AFのデフォーカス量を検出可能な範囲の異なる複数の焦点検出手段を備えたデジタル一眼レフカメラを使用する。従来は、撮像面焦点検出時のフォーカスレンズ群3aの駆動については提案がなされていなかった。このため、ユーザーにとっては、ライブビュー時の合焦と撮影時の合焦においてどちらか一方に時間がかかり、操作感が悪かった。これに対して、本実施例では、図25に示すように、焦点検出間隔を異ならせることによって撮像面焦点検出のフォーカスレンズ群3aの駆動速度とF5.6光束焦点検出のフォーカスレンズ群3aの駆動速度を等しくすることによって操作感を同一にしている。また、駆動速度を高めることによって合焦速度が高いAF制御を実現することができる。更に、本実施例は、ライブビュー時に特許文献2のようなTV−AFは使用せずに位相差AFを使用しているので、一眼レフカメラに要求される合焦速度が高いAF制御を実現することができる。なお、F5.6焦点検出における合焦速度を高めるために、図8のように、デフォーカス検出範囲の広いF5.6焦点検出におけるフォーカスレンズ群3aの駆動速度を撮像面焦点検出時のそれよりも大きく設定してもよい。
以下、図26〜図28を参照して、実施例3について説明する。実施例3は実施例2のデジタル一眼レフカメラと類似の構成を有しており、以下、実施例2と異なる部分を中心に説明する。本実施例のデジタル一眼レフカメラは実施例2と同様に撮像素子6による撮像面位相差AFを使用する。但し、撮像面の中央部を利用した焦点検出(以下、「中央焦点検出」と称す)と撮像面の周辺部を利用した焦点検出(以下、「周辺焦点検出」と称す)においてデフォーカス量を検出可能な範囲の幅が異なっている。また、撮像素子6は、輝度情報や像高情報をMPU20に通知することができる。
図26は、撮像素子6の像面上の各点から撮影レンズ3の瞳を見た平面図である。撮影画面の中央、即ち、光軸OAから瞳PUを見ると、撮影レンズ3の開放F値に応じた光束が遮光されることなく真円であるが、光軸OAから撮影画面の周辺(像高が大きい)に向かうに従って瞳PUが遮光されて変形して小さくなる。従って、焦点検出画素の撮影画面における位置(像高)によって焦点検出に使用する光束が異なることになり、中央部の焦点検出画素と周辺部の焦点検出画素ではデフォーカス量を検出可能な範囲の幅が異なることになる。焦点検出に使用する光束は中央の焦点検出画素に比べて周辺の焦点検出画素の方が狭くなるため、周辺の焦点検出画素のデフォーカス量を検出可能な範囲の方が広くなるが、合焦精度は低下する。また、瞳が小さくなると光束の光量も少なくなるため、同一被写体を焦点検出する時に中央の焦点検出画素と周辺の焦点検出画素で蓄積時間も異なる。
本実施例のデジタル一眼レフカメラの動作は、基本的には図20と同様であり、図20におけるS213が図22に示すフローとは異なり、図27に示すフローを使用する。
S301では、MPU20は、S211で設定された撮像面焦点検出に使用する焦点検出点が像高10mmよりも大きいか否かを撮像素子6から得た像高情報に基づいて判断する。MPU20は、焦点検出点が像高10mmよりも大きいと判断すれば中央焦点検出を行なうためにS302へ進み、焦点検出点が像高10mm以下であると判断すれば周辺焦点検出を行なうためにS312へ進む。もちろんこの像高の数値は一例であり、この値に限定されない。
S302では、MPU20は、図23に示す撮像面中央焦点検出ルーチンを実行する。S303では、MPU20は、撮像面中央焦点検出の結果、デフォーカス量が検出できたか否かを判断する。MPU20は、デフォーカス量が検出できたと判断すればS304へ進む。一方、MPU20は、デフォーカス量を検出できていないと判断すれば、焦点検出時のフォーカスレンズ群3aの停止位置がデフォーカス量を検出可能な範囲外であるため、フォーカスレンズ群3aのサーチを行なうためにS306へ進む。S304では、MPU20は、検出されたデフォーカス量に従って、焦点調節回路24によりフォーカスレンズ群3aを合焦位置に駆動する。S305では、MPU20は、再度焦点検出を行い、合焦しているか否かを判断し、合焦していると判断すればS322へ進み、合焦していないと判断すればS303へ進む。
S306では、MPU20は、撮影レンズ3の焦点距離、開放F値、撮像素子6における焦点検出エリア等のデータに基づいてデフォーカス量を検出可能な範囲の幅を演算し、S305での撮像面焦点検出時間から最短の焦点検出間隔を演算する。また、MPU20は、デフォーカス量を検出可能な範囲の幅と撮像面焦点検出間隔が一致するフォーカスレンズ群3aの駆動速度を演算する。実際には、MPU20は、合焦位置の検出を見逃さないように撮像面焦点検出間隔毎にデフォーカス量を検出可能な範囲の幅がある程度重なるようにフォーカスレンズ群3aの駆動速度を調節する。S307では、MPU20は、S306で求めた駆動速度に従って焦点調節回路24によりフォーカスレンズ群3aのサーチ駆動を開始する。S308では、MPU20は、S306で求めた焦点検出間隔を計測するためのタイマのカウントを開始する。S309では、MPU20は、焦点検出間隔を計測するためのタイマのカウントが終了したか否かを判断し、終了していると判断すればS310へ進み、終了していないと判断すれば終了するまで判断を繰り返す。S310では、MPU20は、図23に示す撮像面中央焦点検出ルーチンを実行する。S311では、MPU20は、撮像面中央焦点検出の結果、デフォーカス量が検出できたか否かを判断する。MPU20は、デフォーカス量が検出できたと判断すればS304へ進む。一方、MPU20は、デフォーカス量が検出できていないと判断すれば、まだフォーカスレンズ群3aの位置がデフォーカス量を検出可能な範囲外であるため、引き続きサーチを行なうためにS308へ進む。
S312では、MPU20は、図23に示す撮像面周辺焦点検出ルーチンを実行する。S313では、MPU20は、撮像面周辺焦点検出の結果、デフォーカス量が検出できたか否かを判断する。MPU20は、デフォーカス量が検出できたと判断すればS314へ進む。一方、MPU20は、デフォーカス量が検出できていないと判断すれば、焦点検出時のフォーカスレンズ群3aの停止位置がデフォーカス量を検出可能な範囲外であるために、フォーカスレンズ群3aのサーチを行なうためにS316へ進む。S314では、MPU20は、検出されたデフォーカス量に従って焦点調節回路24によりフォーカスレンズ群3aを合焦位置に駆動する。S315では、MPU20は、再度焦点検出を行い、合焦しているか否かを判断し、合焦していると判断すればS322へ進み、合焦していないと判断すればS313へ進む。
S316では、MPU20は、撮影レンズ3の焦点距離、開放F値、撮像素子6における焦点検出エリア等のデータに基づいてデフォーカス量を検出可能な範囲の幅を演算し、S315での撮像面焦点検出時間から最短の焦点検出間隔を演算する。また、MPU20は、デフォーカス量を検出可能な範囲の幅と撮像面焦点検出間隔が一致するフォーカスレンズ群3aの駆動速度を演算する。実際には、MPU20は、合焦位置の検出を見逃さないように、撮像面焦点検出間隔毎にデフォーカス量を検出可能な範囲の幅がある程度重なるようにフォーカスレンズ群3aの駆動速度を調節する。S317では、MPU20は、S316で求めた駆動速度に従って焦点調節回路24によりフォーカスレンズ群3aのサーチ駆動を開始する。S318では、MPU20は、S316で求めた焦点検出間隔を計測するためのタイマのカウントを開始する。S319では、MPU20は、焦点検出間隔を計測するためのタイマのカウントが終了したか否かを判断し、終了していると判断すればS320へ進み、終了していないと判断すれば終了するまで判断を繰り返す。S320では、MPU20は、図23に示す撮像面周辺焦点検出ルーチンを実行する。S321では、MPU20は、撮像面中央焦点検出の結果、デフォーカス量が検出できたか否かを判断する。MPU20は、デフォーカス量が検出できたと判断すればS314へ進む。一方、MPU20は、デフォーカス量が検出できていないと判断すれば、まだフォーカスレンズ群3aの位置がデフォーカス量を検出可能な範囲外であるため、引き続きサーチを行なうためにS318へ進む。
S322では、MPU20は、ファインダー内に合焦表示を行い、図20のS214に戻る。
以下、図28を参照して、撮像面位相差AF動作(S301〜S322)のサーチについて説明する。図28は、図25と同様に、縦軸が時間で上に行くほど時間が経過し、横軸がフォーカスレンズ群3aの位置で左側が至近、右側が無限である。矢印はフォーカスレンズ群3aの駆動を示しており、中央焦点検出を下側の矢印、周辺焦点検出を上側の矢印に示す。これらの矢印の傾きがフォーカスレンズ群3aの駆動速度を表し、傾きが小さい方が駆動速度が速い。即ち、中央焦点検出におけるフォーカスレンズ群3aの駆動速度は周辺焦点検出におけるそれよりも大きい。
また、図28において、最上部の左右方向の矢印は、周辺焦点検出の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲(「周辺焦点検出:デフォーカス検出範囲」と示す)である。同様に、最下部の左右方向の矢印は、中央焦点検出の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲(「中央焦点検出:デフォーカス検出範囲」と示す)である。合焦位置の検出を見逃さないために隣接するデフォーカス量を検出可能な範囲は僅かに重なっており、フォーカスレンズ群3aの駆動速度を演算する際に調節している。図28から理解されるように、中央焦点検出の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲よりも周辺焦点検出の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲のほうが長い。
このように、本実施例では、1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲が大きい周辺焦点検出のフォーカスレンズ群3aの駆動速度を中央焦点検出のそれよりも小さくしており、図8と逆の駆動制御を行っている。これは、撮像面における輝度が閾値以下であるためで、撮像面における輝度が閾値よりも高ければ、図28に示すグラフは図8と同様になる。即ち、1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲が大きい周辺焦点検出のフォーカスレンズ群3aの駆動速度が中央焦点検出のそれよりも大きくなる。
中央焦点検出でのサーチは、図25と同様であるために簡単に説明する。MPU20は、フォーカスレンズ群3aの現在の停止位置で焦点検出1を行なう(S302)。焦点検出1ではデフォーカス量が検出できないために(S303のNO)、MPU20は、サーチを行なうための諸条件を演算する(S306)。MPU20は、演算された駆動速度でフォーカスレンズ群3aの駆動し(S307)、演算された焦点検出間隔(S308〜S309)で焦点検出2を行なう(S310)。焦点検出2、焦点検出3でもデフォーカス量が検出できないため(S311のNO)、引き続きサーチを行ない、焦点検出4でデフォーカス量が検出でき(S311のYES)、その結果に従ってフォーカスレンズ群3aを合焦駆動する(S304)。
周辺焦点検出でのサーチにおいて、MPU20は、フォーカスレンズ群3aの現在の停止位置で焦点検出1を行なう(S312)。焦点検出1ではデフォーカス量が検出できないために(S313のNO)、MPU20は、サーチを行なうための諸条件を演算する(S316)。
フォーカスレンズ群3a位置におけるデフォーカス量を検出可能な範囲の幅は、撮影レンズ3の焦点距離、開放F値、撮像素子6における焦点検出エリア等のデータに基づいて演算する。前述の通り、中央焦点検出よりも使用する光束が狭いためデフォーカス量を検出可能な範囲は広くなる。焦点検出間隔は、焦点検出1における撮像面焦点検出時間(S312の撮像面周辺焦点検出ルーチン)等から最短の焦点検出間隔を演算する。ここでは被写体が低輝度として、前述の通り、中央焦点検出に比べて焦点検出に必要な最低光量を得るための蓄積時間が長くなり、焦点検出間隔が長くなるとする。もちろんこの条件は一例であるため焦点検出間隔が逆であっても構わない。焦点検出を行う時間(焦点検出1、焦点検出2、・・・など)に対応するフォーカスレンズ群3aの位置は、各焦点検出位置を使用して焦点検出を行った場合の1回の検出でデフォーカス量を検出可能な範囲の中心に対応している。フォーカスレンズ群3aの駆動速度は、デフォーカス量を検出可能な範囲の幅と焦点検出間隔が一致するように演算する。
焦点検出1でデフォーカス量の検出ができないため、MPU20は、フォーカスレンズ群3aを演算された駆動速度で駆動を開始する(S317)。焦点検出1から焦点検出間隔が経過したら(S318〜S319)、MPU20は焦点検出2’を行なう(S320)。焦点検出2’の段階でも被写体がデフォーカス量を検出可能な範囲内にないため、MPU20は引き続きサーチを行なう(S321)。焦点検出2’から更に焦点検出間隔が経過したらMPU20は焦点検出3’を行なう。ここで被写体がデフォーカス量を検出可能な範囲内に現れてデフォーカス量が検出される。その結果に従って、MPU20はフォーカスレンズ群3aを合焦駆動する(S314)。実際には、サーチ時に合焦駆動する場合は、フォーカスレンズ群3aが停止状態から合焦駆動する時とは異なり、焦点検出3’で焦点検出を開始してからデフォーカス量を検出するまでの間もフォーカスレンズ群3aがサーチ駆動している。このため、その分を差し引いたデフォーカス量分の駆動を行なう。
以上説明したように、本実施例は、撮像素子による撮像面位相差AFにおいて、撮像面の中央部での焦点検出と撮像面の周辺部での焦点検出のようにデフォーカス量を検出可能な範囲の異なる複数の焦点検出点を備えたデジタル一眼レフカメラを使用する。そして、本実施例は、被写体のデフォーカス量を検出するためのサーチを中央部と周辺部で変更し、フォーカスレンズ群3aの駆動速度と、各焦点検出手段における焦点検出間隔の両方を異ならせて、合焦精度と合焦速度が高いAF制御を実現している。なお、本実施例は、2種類の像高でサーチを変更しているが、3種類以上の像高でサーチを変更してもよい。
3 撮影レンズ
3a フォーカスレンズ群
6 撮像素子
8、8A、8B AFセンサ(焦点検出手段)
20 MPU(制御部)
34 マルチコントローラー(モード設定部)
3a フォーカスレンズ群
6 撮像素子
8、8A、8B AFセンサ(焦点検出手段)
20 MPU(制御部)
34 マルチコントローラー(モード設定部)
Claims (5)
- フォーカスレンズを有する撮影光学系の異なる射出瞳を通過した光束を受光して位相差検出に用いられる焦点検出信号を出力する複数の画素を有する撮像素子と、前記焦点検出信号に基づいて前記フォーカスレンズを移動させる制御部と、を有する撮像装置であって、
前記撮像素子の撮像面における輝度が閾値以下の場合、前記撮像素子の撮像面の光軸を含む中央部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度を前記撮像面の中央部よりも像高が大きい周辺部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度よりも大きくし、
前記撮像素子の撮像面における輝度が閾値よりも大きい場合に、前記撮像面の周辺部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度を前記撮像面の中央部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度よりも大きくしたことを特徴とする撮像装置。 - 前記撮像素子を構成する複数の画素は、前記フォーカスレンズを有する撮影光学系の射出瞳を通過した光束を受光して被写体像を生成する複数の撮影用画素と、前記撮影光学系の異なる射出瞳を通過した光束を受光して位相差検出に用いられる焦点検出信号を出力する複数の焦点検出用画素から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記焦点検出信号に基づいて前記フォーカスレンズを移動させる制御は、ライブビューモードにて行われることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- フォーカスレンズを有する撮影光学系の異なる射出瞳を通過した光束を受光して位相差検出に用いられる焦点検出信号を出力する複数の画素を有する撮像素子と、前記焦点検出信号に基づいて前記フォーカスレンズを移動させる制御部と、を有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像素子の撮像面における輝度が閾値以下の場合、前記撮像素子の撮像面の光軸を含む中央部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度を前記撮像面の中央部よりも像高が大きい周辺部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度よりも大きくし、
前記撮像素子の撮像面における輝度が閾値よりも大きい場合に、前記撮像面の周辺部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度を前記撮像面の中央部を利用して焦点検出する際の前記フォーカスレンズの駆動速度よりも大きくしたことを特徴とする撮像装置の制御方法。 - 前記撮像素子を構成する複数の画素は、前記フォーカスレンズを有する撮影光学系の射出瞳を通過した光束を受光して被写体像を生成する複数の撮影用画素と、前記撮影光学系の異なる射出瞳を通過した光束を受光して位相差検出に用いられる焦点検出信号を出力する複数の焦点検出用画素から構成されていることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置の制御方法。
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