JP5294614B2 - エンジン油組成物 - Google Patents

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本発明は、エンジン油組成物に関する。
近年、大型ディーゼルエンジンの排気ガス規制が厳しくなり、低エミッション、低燃費が求められている。また、高出力、高性能および長期間の耐久性も求められているため、従来のエンジンより熱負荷が増大している。
ところで、大型ディーゼルエンジンに使用するエンジン油においては、高硫黄燃料がエンジンで燃焼した際に発生する硫酸による腐食摩耗を懸念し、硫酸分を速やかに中和する研究が行われてきた(例えば、特許文献1、2参照)。硫酸分の中和のために、エンジン油中にカルシウム系清浄剤を配合したエンジン油があるが、この中和反応ではカルシウム系清浄剤中の炭酸カルシウムと硫酸分とが反応し、硫酸カルシウム、すなわち石膏が生成する。エンジン燃焼室内で石膏が生成しても、従来の熱負荷の低いエンジンであれば、カルシウム系清浄剤由来の石けん分の皮膜がエンジン燃焼室内の各部品表面に形成されているためにエンジン室内に石膏が付着することはほとんどない。
特開平11−61166号公報 特許第3947936号公報
しかし、清浄剤由来の石けん分の皮膜は、熱により破壊されやすい。そのため、近年の熱負荷の高いエンジンでは、従来の熱負荷の低いエンジンに比べ、清浄剤由来の石けん分の皮膜が熱で破壊されやすく、エンジン燃焼室内に石膏が堆積しやすい傾向にある。具体的には三百数十度を超すような高温となる個所では石けん皮膜が破壊されやすく、石膏が堆積しやすい。エンジン燃焼室内に石膏が堆積すると、オイル消費が増大し、運転状態や排出ガスに影響する場合がある。
そのため、熱負荷の高いエンジンに用いられるエンジン油には、エンジン燃焼室内でカルシウム系清浄剤と硫酸との反応を抑えて石膏が生成し難く、なおかつ堆積しづらい性能が求められる。それとともに、環境面及び経済面の観点から長寿命、すなわち、できるだけ長期間にわたって塩基価の保持、摩耗防止、汚れ防止などの性能を維持することも求められる。
本発明は、上記課題に鑑み、エンジン燃焼室内に生じる堆積物の低減に優れ、かつ、長寿命のエンジン油組成物を提供することを目的とする。
<1> エンジン油組成物であって、
カルシウム系清浄剤をカルシウム換算で0.2〜0.8質量%含有し、該カルシウム系清浄剤が過塩素酸法塩基価50mgKOH/g以上のカルシウムサリシレート及び前記塩基価150mgKOH/g以上のカルシウムフェネートの両方を含有し、かつ前記カルシウムサリシレートと前記カルシウムフェネートの合計量に占める前記カルシウムサリシレートの配合量が前記塩基価換算で50〜90%であり、
下記式(1)で表されるジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン換算で0.02〜0.2質量%含有し、
さらに該エンジン油組成物の硫酸中和初期速度がガス発生圧力で1.0kPa以下であり、
硫黄分が0.1質量%〜1質量%であるA重油を燃料油とするディーゼルエンジン用であることを特徴とするエンジン油組成物。
式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ炭素数4〜12の第1級アルキル基であって、その1つ以上が炭素数8〜12の第1級アルキル基であり、それぞれが同一であっても異なっていてもよい。
本発明によれば、エンジン燃焼室内に生じる堆積物の低減に優れ、かつ、長寿命のエンジン油組成物が提供される。
本発明者は、前記したような熱負荷の高いエンジンで生じ易い堆積物等の問題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、カルシウム系清浄剤と特定の第1級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛を含有し、かつ硫酸中和初期速度が一定値以下のエンジン油組成物を採用することにより、エンジン燃焼室内への石膏の堆積を効果的に抑制することができることを見出し、さらに、カルシウム系清浄剤としてカルシウムサリシレートとカルシウムフェネートを特定比率とすることにより塩基価保持性能及びすす分散性能が向上し長寿命となることを見出した。また、さらに有機モリブデン化合物と硫黄化合物を組合わせることにより、摩耗防止性能が向上してより一層長寿命化をはかることができることを見出した。
以上のことにより、エンジン室内に生じる堆積物(主に、石膏)の防止性能に優れ、かつ長寿命のエンジン油が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明に係るエンジン油組成物について詳細に説明する。
〔1〕基油
本発明のエンジン油組成物において、基油としては鉱油系潤滑油基油および合成系潤滑油基油の中から選ばれる1種以上の基油を用いることができる。
鉱油系基油としては、例えば原油の潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製、水素化分解精製など適宜組合せて精製したものが挙げられる。
合成系潤滑油基油としては、たとえばα−オレフィンオリゴマー、ジアルキルジエステル類、ポリオール類、アルキルベンゼン類、ポリグリコール類、フェニルエステル類などが挙げられる。
〔2〕エンジン油組成物の性状(硫酸中和初期速度)
本発明のエンジン油は、硫酸中和初期速度がガス発生圧力で1.0kPa以下であることを必須とする。この「硫酸中和初期速度」は、測定対象であるエンジン油99gを容積が200mlの反応容器に入れて60℃に加熱後、容器を開放した状態の圧力を0とし、これに硫酸1gを添加して容器を密閉して攪拌した際、硫酸添加後1分間に発生したガスにより上昇した圧力で定義される。なお、攪拌速度は、硫酸がサンプルと迅速に均一混合され、かつ、サンプルが飛び散らない速度とする。すなわち、本発明のエンジン油は、上記条件で測定した中和反応開始後1分間(すなわち中和初期)に発生するガスによる反応前後の圧力差が1.0kPa以下であることが必須となる。なお、本発明のエンジン油は、後述するように清浄剤として、炭酸カルシウムで過塩基化したカルシウム系清浄剤が使用されるため、硫酸中和時に発生するガスのほとんどは炭酸ガスである。
上記のような硫酸中和初期速度をガス発生圧力で1.0kPa以下とすることで、エンジン内部での硫酸中和反応を抑制することができ、その結果、エンジン燃焼室内へ堆積する石膏の発生を抑制することができる。この硫酸中和初期速度は遅いほど好ましく、ガス発生圧力は0kPaであることが最も好ましい。なお、0kPaでは、一見、硫酸の中和が起こらずにエンジン内の硫酸が中和できずに不都合が生じるようにみえる。しかし、本発明における硫酸中和初期速度は、上記のようにあくまでも中和反応開始後1分間の中和反応の初期速度をみているものであり、中和反応開始後1分間は中和反応がほとんど進行しなくても、後述する硫酸中和能を有する清浄剤が配合された本発明のエンジン油では、その後硫酸分を含んだエンジン油がエンジン燃焼室の外に出てからオイルパンに至るまでの間やオイルパンなどで中和反応が生じるため、エンジンで発生した硫酸分を十分に中和することができ、性能には特に支障はない。
本発明のエンジン油の硫酸中和能は、主に後述のカルシウム系清浄剤が有しているため、硫酸中和初期速度はカルシウム系清浄剤に依存する。ただし、カルシウム系清浄剤の硫酸中和速度はその種類によって異なり、例えばサリシレートやフェネートよりはスルホネートの方が硫酸中和速度が速い傾向にある。しかし、硫酸中和初期速度とカルシウム系清浄剤の構造や製造方法との関係は現時点で明らかではない。
したがって、本発明の硫酸中和初期速度を有するエンジン油を製造するにあたっては、あらかじめ本発明のエンジン油に適合するカルシウム系清浄剤を選定する必要がある。すなわち、最終製品に含有させる量と塩基価換算で同量のカルシウム系清浄剤を基油に添加したものの硫酸中和初期速度を上記の方法で測定し、硫酸中和初期速度が本発明のエンジン油の範囲内であるものを選定すればよい。
例えば、最終製品の塩基価を15mgKOH/gとするのであれば、基油に15mgKOH/gとなるようにカルシウム系清浄剤を配合し、この配合物99gを60℃に加熱後、硫酸1gを添加・攪拌し、硫酸添加後1分間に発生するガスの圧力を測定し、ガス圧力が1.0kPa以下であれば、本発明のエンジン油に配合するのに適していることになる。なお、カルシウム系清浄剤などの金属型清浄剤を除けば、エンジン油に一般的に用いられる基油や、本発明で用いることができるジアルキルジチオリン酸亜鉛や有機モリブデン化合物や硫黄化合物をはじめ多くの添加剤は、通常硫酸中和能を有さないため、硫酸中和初期速度にはほとんど影響しない。ただし、例えばさび止め剤として用いられるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどの含酸素系界面活性剤は硫酸中和初期速度を促進するため、使用しないことが好ましい。
なお、本発明のエンジン油は、JIS K2501の過塩素酸法によって測定される塩基価が12mgKOH/g〜25mgKOH/gであることが好ましい。塩基価をこの範囲内とすることで、重油などの高硫黄分の燃料より発生する硫酸分をより確実に中和することができる。なお、本願明細書記載の「塩基価」とは、上記も含め、全てJIS K2501の過塩素酸法によって測定される塩基価である。
〔3〕カルシウム系清浄剤
本発明のエンジン油は、所定のカルシウム系清浄剤を、カルシウム換算として0.2質量%以上0.8質量%以下、好ましくは、0.4質量%以上0.6質量%以下で含有する。カルシウム系清浄剤の含有量を0.2質量%以上、好ましくは0.4質量%以上とすることで、高硫黄分のA重油を燃料とした場合でも、エンジン内の燃焼で発生する硫酸分を効果的に中和することができる。また、本発明に係るカルシウム系清浄剤の配合量を0.8質量%以下、好ましくは0.6質量%以下とすれば十分な効果を得ることができる上に、過剰なカルシウムによるエンジン各部での堆積物を抑制することもできる。
本発明のエンジン油に配合されるカルシウム系清浄剤としては、塩基価50mgKOH/g以上のカルシウムサリシレートと塩基価150mgKOH/g以上のカルシウムフェネートを併用し、かつ前記カルシウムサリシレートの配合比が塩基価換算でカルシウムサリシレートとカルシウムフェネートの合計塩基価の50%〜90%である。
カルシウムサリシレートとカルシウムフェネートがそれぞれ上記の塩基価のものを用いることで、カルシウム系清浄剤の配合量を適当な配合量に抑えることができる。なお、清浄性の性能と経済性の観点から、カルシウムサリシレートの塩基価は好ましくは150〜300mgKOH/gであり、カルシウムフェネートの塩基価は好ましくは200〜300mgKOH/gである。
また、カルシウムサリシレートとカルシウムフェネートの配合比を上記範囲内とする理由は以下の通りである。カルシウムサリシレートは、塩基価保持能力が高いため、カルシウムサリシレートとカルシウムフェネートの合計量に占めるカルシウムサリシレートの配合量を塩基価換算で50%以上とすることで、長期にわたって塩基価を維持することができる。一方、カルシウムサリシレートの上記配合比を90%以下とすることで、すなわち、カルシウムフェネートの配合比を塩基価換算で10%以上とすることで、すすの分散性に優れるカルシウムフェネートの効果で、フィルタ閉塞やエンジン各部の汚れをより効果的に抑制することができる。
本発明で用いられるカルシウム系清浄剤は、エンジン油の硫酸中和初期速度をガス発生圧力で1.0kPa以下とできるものであれば、上記のカルシウムサリシレートとカルシウムフェネートのほかに、カルシウムスルホネートを含んでいてもよいが、本発明者の研究によれば、エンジン油の硫酸中和初期速度が上記を満たすためのカルシウム系清浄剤は、カルシウムサリシレートとカルシウムフェネ−トに存在する。一方、カルシウムスルホネートを必要以上に配合すると、硫酸中和初期速度が1.0kPaを超えてしまう場合がある。なお、上記「〔2〕エンジン油組成物の性状」でも記載したように、硫酸中和初期速度を塩基価や構造等で予測することは難しく、製造方法などの影響もあると考えられるが、詳細は不明である。したがって、本発明のエンジン油に用いる清浄剤を選定する際には、前記したように、あらかじめ基油に所定量の清浄剤を配合した試料を用いた測定により、硫酸中和初期速度を満たすことを確認することが望ましい。
〔4〕ジアルキルジチオリン酸亜鉛
本発明のエンジン油は、下記式(1)で表される炭素数8〜12の第1級アルキル基を分子中に有するジアルキルジチオリン酸亜鉛を含有する。
式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ炭素数4〜12の第1級アルキル基であって、その1つ以上が炭素数8〜12の第1級アルキル基であり、それぞれが同一であっても異なっていてもよい。
上記ジアルキルジチオリン酸亜鉛の配合量は、リン換算で0.02質量%〜0.2質量%である。上記ジアルキルジチオリン酸亜鉛を上記範囲内の量で配合することにより、エンジン各部の摩耗を防止するとともに、エンジン燃焼室内に形成されたカルシウム系清浄剤中の石けん分の皮膜が破壊されることを抑制し、エンジン燃焼室内への石膏の付着を抑制する効果を得ることができる。
上記ジアルキルジチオリン酸亜鉛の中でも、石けん分皮膜の保護効果の高い炭素数8〜12の直鎖のアルキル基を有するものが好ましく用いられ、R、R、R及びRのうち少なくとも1つは特に効果の高い炭素数12の直鎖のアルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛が最も好ましく用いられる。なお、この石けん分皮膜の保護効果は、炭素数8よりも小さい第1級アルキル基でも有効であるが、その効果を長期間維持することができない。また、第2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛では、石けん分皮膜の保護効果を得ることはできない。
〔5〕摩耗防止剤
一般に、エンジン油には、摩耗防止剤として炭素数8未満の第2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛を配合されることが多い。しかし、本発明のエンジン油では、上記のように、ジアルキルジチオリン酸亜鉛として炭素数8〜12の第1級のアルキル基を有するものを使用しており、炭素数8未満の第2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛を配合したエンジン油に比べ、摩耗防止効果が低くなる場合がある。そのため、より摩耗防止効果を高めるために、有機モリブデン化合物と硫黄化合物を配合することができる。
(A)有機モリブデン化合物
有機モリブデン化合物としては、モリブデン酸アミンコンプレックス、ジアルキルジチオリン酸モリブデン(以下、MoDTPともいう)、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(以下、MoDTCともいう)等が挙げられる。
ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンの好適な具体例としては下記一般式(2)の化合物が挙げられ、ジアルキルジチオリン酸モリブデンの好適な具体例としては下記一般式(3)の化合物が挙げられ、モリブデン酸アミンコンプレックスの好適な具体例としては下記一般式(4)の化合物が挙げられる。
ただし、上記式(2)〜(4)中、R12〜R21は炭素数6〜18の炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。X及びYは、硫黄原子又は酸素原子を示す。また、式(4)中、xは1〜3、yは4〜11、zは0〜6、nは1〜4のそれぞれ整数である。
なお、有機モリブデン化合物の配合割合は、いずれの化合物であっても、エンジン油中にモリブデン換算で0.03質量%〜0.10質量%とすることが好ましい。このような配合割合であれば、摩耗防止効果を確実に向上させることができる。
(B)硫黄化合物
硫黄化合物としては、分子中に硫黄原子を3つ以上有するチアジアゾール化合物、硫化油脂、硫化エステル、分子中に硫黄原子を2つ以上有する有機ポリサルファイド化合物等を挙げることができる。
分子中に3つ以上の硫黄原子を有するチアジアゾール化合物の具体例の1つとして、下記一般式(5)の1,3,4−チアジアゾール誘導体が挙げられる。
式(5)中、R及びRは、炭化水素基又は硫黄原子を含有する炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なってもよい。
ここで、R、Rが炭化水素基の場合は、例えば、炭素数6〜18の炭化水素基が挙げられる。
また、硫黄原子を含有する炭化水素基としては、例えば、5−チアノニル基、2,5−ジチアノニル基、3,4−ジチアヘキシル基、4,5−ジチアヘキシル基、3,4,5−トリチアヘプチル基、3,4,5,6−テトラチアオクチル基、5−チア−2−ヘプテニル基、4−チアシクロヘキシル基、1,4−ジチアナフチル基、5−(メチルチオ)オクチル基、4−(エチルチオ)−2−ペンテニル基、4−(メチルチオ)シクロヘキシル基、4−メルカプトフェニル基、4−(メチルチオ)フェニル基、4−(ヘキシルチオ)ベンジル基、ステアリルジチオ基、ラウリルジチオ基、オクチルジチオ基、ステアリルチオ基、ラウリルチオ基、オクチルチオ基、N,N−ジアルキルジチオカルバモイル基等が挙げられるが、なかでも2〜4個の硫黄原子が連続した構造を含む基が特に好ましい。
硫化油脂としては、動植物油の硫化物である硫化油脂、例えば、硫化ラード、硫化ナタネ油、硫化ひまし油、硫化大豆油、硫化魚油、硫化鯨油などが挙げられる。
硫化エステルとしては、炭素数8〜22の硫化脂肪酸の炭素数1〜12のアルキルエステル等が好ましく挙げられ、具体例としては、硫化オレイン酸アルキルエステルなどが挙げられる。
分子中に硫黄原子を2つ以上有する有機ポリサルファイド化合物としては、例えば、下記の一般式(6)で表されるジアルキルポリサルファイドが挙げられる。
−S−R (6)
ただし、式(6)中、R及びRは、それぞれ炭素数2〜18のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。xは2〜10の整数である。
このような硫黄化合物の配合量としては、0.2質量%〜0.6質量%配合することが、摩耗防止効果向上の面から好ましい。
本発明においては、有機モリブデン化合物としてモリブデン酸アミンコンプレックスと、硫黄化合物として分子中に硫黄原子を3つ以上有するチアジアゾール化合物であるビスアルキルポリサルファニルチアジアゾールとを配合することが特に好ましい。ビスアルキルポリサルファニルチアジアゾールとモリブデン酸アミンコンプレックスとが相互作用を起こし、摩耗防止性能に寄与するとともに、モリブデン酸アミンコンプレックスは酸化安定性にも優れるためである。また、ビスアルキルポリサルファニルチアジアゾールは、非鉄金属の油中への溶出を防止することでも長寿命化に寄与する。
〔6〕その他の添加剤
本発明のエンジン油組成物には、さらに所望により各種添加剤を配合することができる。具体的には、分散剤、無灰型酸化防止剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、泡消剤など、エンジン油性能を付与するのに効果的な添加剤を必要に応じて配合することができる。ただし、前述の通り、本発明のエンジン油は、硫酸中和初期速度がガス発生圧力で1.0kPa以下となることを保つ必要があるため、そのように各種添加剤の種類及び量を選択する必要がある。例えば、さび止め剤として用いられるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどの含酸素系界面活性剤を配合することは好ましくない。
具体的には、分散剤として、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化合物誘導体等が挙げられる。長寿命化をはかるため、アルケニルコハク酸イミドとアルケニルコハク酸イミドのホウ素化合物誘導体との配合割合は、窒素換算量でアルケニルコハク酸イミドを40%未満、アルケニルコハク酸イミドのホウ素化合物誘導体を60%以上とすることが好ましい。
また、無灰型酸化防止剤として、例えばフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、流動点降下剤として、例えばポリメタクリレート、粘度指数向上剤として、例えばポリメタクリレート、オレフィンコポリマー、ポリメタクリレートとオレフィンコポリマーの化学混合物などが挙げられる。
〔7〕用途
以上のような構成による本発明のエンジン油は、例えば硫黄分が0.1質量%〜1質量%であるA重油を燃料油とし、熱負荷の高いディーゼルエンジンに適するものであるが、その他、軽油を燃料とする、熱負荷の低いディーゼルエンジンなどにおいても十分使用することができる。
次に、本発明に係るエンジン油の実施例及び比較例について説明するが、本発明は、下記の実施例及び比較例に限定されるものではない。
<使用した基油と試薬>
表1〜3に示す評価・実施例・比較例で用いた基油と試薬(添加物)は下記の通りである。
1)基油:水素化精製した鉱油系基油(グループI)及び高粘度指数基油(グループIII)の混合油
2)サリシレート:塩基価225mgKOH/gカルシウムサリシレート
(インフィニアム社製)
3)フェネートA:塩基価250mgKOH/gカルシウムフェネート
(ルーブリゾール社製)
4)フェネートB:塩基価250mgKOH/gカルシウムフェネート
(シェブロン社製)
5)スルホネートC:塩基価300mgKOH/gカルシウムスルホネート
(ルーブリゾール社製)
6)スルホネートD:塩基価300mgKOH/gカルシウムスルホネート
(インフィニアム社製)
7)スルホネートE:塩基価300mgKOH/gカルシウムスルホネート
(シェブロン社製)
8)ジアルキルジチオリン酸亜鉛A:炭素数12の直鎖アルキル基を4つ含有
9)ジアルキルジチオリン酸亜鉛B:炭素数3〜6の第2級アルキル基含有
10)ジアルキルジチオリン酸亜鉛C:炭素数8の第1級アルキル基を1つ、炭素数4の第1級アルキル基を2つ、炭素数5の第1級アルキル基を1つ含有
11)ジアルキルジチオリン酸亜鉛D:炭素数8の第1級アルキル基を4つ含有
12)コハク酸イミド:ポリブテニル基の分子量PIB換算2100
13)B(ホウ素)含有コハク酸イミド:ポリブテニル基の分子量PIB換算1300
14)モリブデンアミンコンプレックス:式(4)で、R20及びR21がトリデシル基のもの(x=1、y=2、z=0、n=2)
15)チアジアゾール:式(5)で、2,5−ビス(第三オクチルジチオ)1,3,4−チアジアゾール
1.カルシウム系清浄剤の評価
下記表1に記載された成分をその含有割合(質量%)で混合し、下記の硫酸中和初期速度測定方法により、各配合比のカルシウム系清浄剤の硫酸中和初期速度を求めた。
‐カルシウム系清浄剤の硫酸中和速度測定法‐
各清浄剤を塩基価が15mgKOH/gとなるように配合した基油99gを200mlの三口フラスコに加え、恒温槽にて60℃に加熱した。その後、硫酸を1g添加・攪拌し、硫酸添加後1分間に発生するガスの圧力を測定し、硫酸中和初期速度(単位:kPa/1分後)とした。なお、硫酸添加直前に三口フラスコの口を開放し、圧力計の圧力表示を0kPaとした。なお、攪拌速度、使用した圧力計及び記録計は以下の通りである。
・攪拌速度:350回転/分
・圧力計:サヤマトレーディング製 マノエース、記録計:横河電機製 μR1000
表1の評価では、評価1及び2のサリシレートとフェネートAを用いた系のみが、ガス発生圧力は0.3kPa/1分後となり硫酸と反応し難い組成物となった。一方、同じサリシレートを用いても、フェネートBやスルホネートを組み合わせた系では(評価3〜6)、いずれもガス発生圧力は1.0kPa以上/1分後となり、硫酸と反応し易い組成物となった。
2.エンジン油の各種性能評価
下記表2に記載された成分をその含有割合(質量%)で混合し、下記方法でエンジン油の硫酸中和初期速度を測定するとともに、下記の試験を実施し、性能評価を行った。
‐エンジン油の硫酸中和初期速度測定方法‐
エンジン油99gを200mlの三口フラスコに加え、恒温槽にて60℃に加熱した。その後、硫酸を1g添加・攪拌し、硫酸添加後1分間に発生するガスの圧力を測定し、硫酸中和初期速度(単位:kPa/1分後)とした。ここでも、上記エンジン油を三口フラスコに入れてフラスコの口を開放した状態の圧力をゼロ(0kPa)とし、硫酸を1g添加してフラスコの口を塞いで攪拌して反応させたときの反応前後の圧力差を測定した。攪拌速度、使用した圧力計及び記録計は以下の通りである。
・攪拌速度:350回転/分
・圧力計:サヤマトレーディング製 マノエース、記録計:横河電機製 μR1000
<銅材適合性試験>
この試験は、清浄剤由来の石けんを保護する効果のあるジアルキルジチオリン酸亜鉛が、高温下に長時間置いても、分解を起こさずにエンジン油に存在できるか否か確認するための試験である。下記試験条件で銅板が腐食し、供試エンジン油中に10質量ppm以上の銅の溶出が確認された場合には、ジアルキルジチオリン酸亜鉛が熱分解し銅を腐食したことを示し、そのジアルキルジチオリン酸亜鉛では、高温下のエンジン内では石けん分の保護効果が十分でないことを示す。
なお、有機モリブデン化合物および硫黄化合物はこの試験の妨害となるため、これらの化合物は添加せずに試験した。
‐試験条件‐
試験管に銅板を入れ、供試エンジン油80gで浸し、140℃の恒温槽にて72時間保持した。試験後、供試エンジン油中の銅濃度を測定した。
<酸化安定度>
JIS K2514「潤滑油−酸化安定度試験方法」に基づき、165.5℃、96時間での塩酸法にて残存塩基価(mgKOH/g)を測定した。
<すす分散性試験>
試験管(JIS K2839)にカーボンブラック1gと供試油99gを入れ、抗乳化性試験器(JIS K2520)を用い、80℃にて10分間混合した。4時間静置後試料の上澄み液を取り、自記分光光度計にて800nmの吸光度を測定し、すす分散性の指標とした。値が大きいほど、カーボンブラック濃度が高く、油中に良く分散している。
<シェル四球式耐荷重能試験>
JPI−5S−40−93「潤滑油の耐荷重能試験方法(シェル四球式)」の修正法により最大非焼付荷重(N)を求めた。
試験機 :シェル四球式耐荷重能試験機
試験条件:毎分1800回転速度で60秒回転させる。試験温度は常温より成り行き。
<エンジン試験>
下記のエンジンと燃料を用い、下記条件で運転後のエンジン燃焼室内堆積物の有無を確認した。
運転時間:250時間
エンジン:6気筒、排気量10Lの高熱負荷、高出力ディーゼルエンジン
燃料:A重油(実施例2、比較例4及び比較例5は硫黄分0.1質量%の、他は0.9質量%のA重油を使用)
実施例1及び2で用いたエンジン油は、いずれもエンジン試験でエンジン燃焼室内に堆積物が生じていない。また、寿命に影響する長時間における酸化安定度試験においても塩基価(塩酸法)が残っており、すす分散性、耐荷重能(摩耗防止性能)も良好である。
一方、比較例1の組成物は、長時間における酸化安定度試験において塩基価(塩酸法)が残っており、エンジン燃焼室内に硫酸カルシウムが堆積しなかったが、カーボン分散性試験における吸光度は明らかに低く、油中に混入するすすを抱きかかえることができず、長期使用においてスラッジ生成の懸念がある。また、耐荷重能(摩耗防止性能)も低く、長期使用においては動弁系部品の摩耗も懸念される。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを配合している組成物(比較例2)およびスルホネートを配合している組成物(比較例3及び4)は、いずれもガス発生圧力が高く、硫酸と反応し易いものであり、エンジン燃焼室内に硫酸カルシウムが堆積していた。
また、比較例5の組成物は炭酸ガス発生圧力が低く硫酸と反応し難いが、銅材適合性試験において油中銅濃度が46質量ppmと高く、耐熱性に劣るため、清浄剤よりの石けん分由来の清浄性を保つ膜の保護効果がなく、同様にエンジン燃焼室内に硫酸カルシウムが堆積していた。
3.実機試験
下記表3に記載された成分をその含有割合で混合し、下記の試験を実施し、性能評価を行った。なお、エンジン油の硫酸中和初期速度の測定は、上記「2.エンジン油の各種性能評価」に記載の試験にしたがって行った。
‐実機試験‐
下記のエンジンと燃料を用い、オイル消費および供試エンジン油の性状(動粘度、中和価、不溶解分、摩耗金属など)より更油時間を求め、運転後のエンジン燃焼室内堆積物の有無を確認した。
エンジン:6気筒、排気量20Lの高熱負荷、高出力ディーゼルエンジン
燃料:硫黄分0.9質量%のA重油使用
本発明の構成を満たす実施例1の組成物は、市販油のほぼ2倍の4300時間の更油時間となった。また、各評価項目とも良好な結果となった。

Claims (1)

  1. エンジン油組成物であって、
    カルシウム系清浄剤をカルシウム換算で0.2〜0.8質量%含有し、該カルシウム系清浄剤が過塩素酸法塩基価50mgKOH/g以上のカルシウムサリシレート及び前記塩基価150mgKOH/g以上のカルシウムフェネートの両方を含有し、かつ前記カルシウムサリシレートと前記カルシウムフェネートの合計量に占める前記カルシウムサリシレートの配合量が前記塩基価換算で50〜90%であり、
    下記式(1)で表されるジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン換算で0.02〜0.2質量%含有し、
    さらに該エンジン油組成物の硫酸中和初期速度がガス発生圧力で1.0kPa以下であり、
    硫黄分が0.1質量%〜1質量%であるA重油を燃料油とするディーゼルエンジン用であることを特徴とするエンジン油組成物。


    (式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ炭素数4〜12の第1級アルキル基であって、その1つ以上が炭素数8〜12の第1級アルキル基であり、それぞれが同一であっても異なっていてもよい。)
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