JP5294237B2 - 排気ガス処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスを排出する設備、例えば真空浸炭炉から排出されるガスに含まれるタールなどの粘着性物質を分離・回収する装置に関する。
従来から歯車や軸受等の機械部品の表面強化処理として、部品表面のみの炭素濃度を上げる処理、いわゆる浸炭処理が行われている。その浸炭処理を行う設備の1つであるガス浸炭炉では、炉外よりプロパンガスやブタンガス等を原料とする吸熱型ガスおよびエンリッチガスが浸炭ガスとして炉内へ導入されることにより、炉内にて浸炭反応を促進させて浸炭処理を行っている。
最近では、技術の発展と共に浸炭反応を減圧雰囲気で行うことのできる、いわゆる真空浸炭炉が開発されたため、導入されるガスが吸熱型ガスおよびエンリッチガスから炭化水素系ガス等に変わった。それに伴って炉内で残留した未反応の余剰ガスは、浸炭反応により生じた水素等のガスと共に炉外の真空ポンプへ吸い込まれる。
しかし、真空ポンプへ吸い込まれる未反応の余剰ガスは、高温状態にあった真空浸炭炉内から排気管内を通る過程で冷却されて、ガス内に含有される炭素分がタールなどの粘着性物質として発生し、排気管内に付着・堆積して、遂には管内閉塞に至るという問題が生じた。また、管内閉塞により真空浸炭炉の真空排気が困難になり、排気管内の定期清掃が必要である。
このため、タールなどの粘着性物質を含む排気ガスの処理において、タール等による付着や堆積およびそれに伴う管内閉塞、そして排気管の定期清掃などの問題があった。
そこで、特許文献1ではタールを含有する排気ガスをシャワー等の噴霧方式によりアルカリ性溶液からなる鹸化液と接触させて、鹸化反応により石鹸固形分と成ることを利用してタールを除去する方法が開示されている。
具体的には、焼却施設等から発生する排気ガスを、シャワー等の噴霧によりアルカリ性溶液からなる鹸化液と直接接触させると、排気ガス中のタールと鹸化液とが鹸化反応を起こして石鹸固形分として分離できるため、効率的なタール除去が可能となる。また、タールが残留する排気ガスに対しては、慣性集塵機などに排気ガスとの衝突壁面を設けて、その面上にスプレー等で付着防止液を散布することにより、残留したタールの追加的な分離・除去を行っている。
また、特許文献2ではガスに含まれるタールなどの付着物質を除去する方法として、ガスを通す配管内壁に水膜を形成し、水槽内へ排気ガスを通すことにより、付着物質による管内閉塞を防止して、メンテナンス回数を削減している。
具体的には、ガス成分の分析装置などにおいて、分析に供せられるガスが冷却されて発生する凝縮タール等が配管内面に付着するため、その内面に水膜を形成することで凝縮タール等による付着を防止する。また、ガスを水槽内へ通すことで、凝縮タール等を水面に浮上させるか、もしくは水槽底部で堆積させて、最終的には装置外へ排出し、タールなどの付着物質を含まない清浄なガスのサンプリング等を行っている。
さらに、特許文献3では植物油が保有する親和特性による液面吸着作用を活用して、ディーゼルエンジンから発生する排気ガスと植物油との接触、撹拌等により、排気ガス中の粒子状物質を吸着・捕捉する装置が開示されている。
具体的には、ディーゼルエンジンから発生する排気ガスを、植物油などの化石燃料以外の油脂が混合された燃料と接触させることで、排気ガス中の粒子状物質と上記油脂との接触面積を広めるとともに、植物油が保有する親和特性による液面吸着作用も利用して、排気ガスに含まれる粒子状物質の捕集を行っている。また、ガス排出路に設けられた多層網状のストレーナにより、ガス中に混在した植物油を捕捉してガスのみを排出している。
特許第3856394号公報 特開平10−165740号公報 特開2005−113817号公報
しかし、特許文献1による方法では、鹸化液等をシャワーで噴霧させているため、排気ガス中に含まれるタール等の粘着性物質が噴霧口に目詰まりした結果、噴霧箇所に偏りが生じて、タール除去の効率が低下するという問題があった。また、排気ガス中のタールを除去するタール鹸化除去装置や残留タール分をさらに追加除去する慣性集塵機などの複数の装置が必要となり、ランニングコストの増加にもつながる。
また、特許文献2による装置では、装置外へ排出されない残りの凝縮タールは、水と混在した状態で存在し、凝縮タールの分離・回収が困難であるという欠点があった。また、不測の故障等により、水膜形成が断続的になる場合、配管内壁にタールなどの粘着性物質が付着・堆積して、管内閉塞を引き起こすという問題もあった。
さらに、特許文献3による装置では、油を循環させるポンプの故障等で油の供給が断たれた場合、排気ガスのみが流入するので油面が微粒子で覆いつくされて、微粒子の捕捉効果が減少するという問題があった。
本発明の課題は、前述した問題点に鑑みて、タールなどの粘着性物質の分離・回収を効率良く行える排気ガス処理装置を提供することにある。また、不測の故障等においてもタールなどの粘着性物質による管内閉塞を防止できる排気ガス処理装置を提供することにある。
本発明においては、排気ガスを液体と接触させることで粘着性物質を分離・回収する排気ガス処理装置であって、排気ガス処理装置に設けられた拡張室と、拡張室内部へ排気ガスを流入させる排気ガス取入口と、排気ガス取入口の下方に設置された傾斜板と、傾斜板の表面に油を流下させることのできる第1溢流口と、傾斜板の表面から流下する油を貯留する油受けと、油受けの反傾斜板側に配置された油吸入口と、油受けの上方に設けられた上部拡張室と、上部拡張室の出口に接続された排気ガス通路において、少なくとも排気ガス通路の一部を形成する直立面と、直立面上に油を流下させることのできる第2溢流口と、第1溢流口を上部開口とする第1貯留部と、第2溢流口を上部開口とする第2貯留部を有し、第1貯留部および第2貯留部は絞り又は開閉バルブを介して連通され、第2溢流口が第1溢流口よりも高い位置に設けられていることを特徴とする排気ガス処理装置を提供することにより前述した課題を解決した。
すなわち、本発明は、排気ガス処理装置の排気ガス取入口より流入された排気ガスを、本発明に係る排気ガス処理装置(以下、「本装置」という)内に設けられた第1溢流口から傾斜板の表面に溢流させた油と接触させることにより、排気ガスに含まれるタールなどの粘着性物質を分離し、油受けにてその油と共に貯留する。
詳述すれば、本装置内に流入した排気ガスは、拡張室および上部拡張室にて膨張し、傾斜板表面に衝突することでガス温度が低下する。また、本装置の外気温や油との接触によってもガス温度が低下する。その結果、本装置は排気ガス中に含まれるタールなどの粘着性物質の液化もしくは固化を促進させて、分離させる。すなわち、前述の上部拡張室を通過した排気ガスを、さらに直立面を有する排気ガス通路に通すことで、本装置は排気ガスの流れの変化とガス温度の低下を再度引き起こす。また、その排気ガスと直立面上を流れる油とを接触させることにより、残存するタール等の粘着性物質やススなどの微粉末を追加して分離・回収する。なお、排気ガスと油との接触効率を高める点から、排気ガス通路の全ての壁面上に油を流下させることが好ましい。
また、第1溢流口から溢流された油は、前述の特許文献1に示すような噴霧口で目詰まりすることなく油膜を形成して、分離されたタールなどの粘着性物質と共に傾斜板表面に沿って徐々に流下し、油受けにて貯留される。なお、第1貯留部および第2貯留部を絞り又は開閉バルブを介して連通して、第2溢流口を第1溢流口よりも高くしたので、本装置は不測の故障等で油の供給が断たれた場合でも、第2貯留部から第1貯留部へ油を供給し、傾斜板表面上を油で覆うことができる。さらに、前述の特許文献2で示されている垂直配管内の水膜形成は、単にタール等の付着を防止するものであり、分離・回収する機能まで持ち合わせていない点で本発明とは異なる。
なお、油は蒸気圧の低い油種であることが好ましく、油を安定して傾斜板上に溢流させる観点から、傾斜板は曲面もしくは30度以上70度以下の一定の角度で傾斜していることが好ましい。
また、請求項2に記載の発明においては、上部拡張室にフィルターが設置されている排気ガス処理装置とした。
すなわち、フィルターが設置された上部拡張室内に排気ガスを通過させることにより、本装置は排気ガス中に残留するタール等の粘着性物質を分離する。また、フィルターに付着したタール等の粘着性物質の一部を油受けにて回収する。さらに、溢流する油との接触のみでは分離・回収することが困難であるススなどの微粉末も分離・回収し、前述した特許文献3と同様のフィルターを使用することで、タール等の粘着性物質の分離・回収効率も向上する。
なお、本発明に用いるフィルターは板状や筒状のものが好ましく、筒状のものについては、排気ガスとの接触効率を高める点で、その断面形状が円形状、楕円形状もしくは多角形状のものが好ましい。フィルターの設置については、各フィルターを積層させても良い。また、各フィルターを全て同一方向に積層させることによって、フィルター毎の状況確認や清掃・交換などのメンテナンスが容易になる。
さらに、請求項3に記載の発明において、油受けに貯留された油を、油吸入口より吸入した後、第1溢流口または第2溢流口の少なくとも1つへ供給することにより、油を循環させる排気ガス処理装置とした。
すなわち、油受けに貯留された油を油吸入口より吸入させた後、再度第1溢流口および第2溢流口へ供給させることで油を循環するので、本装置は、外部に設置したポンプなどを経由させて油温の上昇を抑制する。また、フィルターを通過させて油に混合したタールやスス等の不純物を分離する。
以上述べたように、本発明においては、排気ガスを液体と接触させることで粘着性物質を分離・回収する排気ガス処理装置であって、排気ガス処理装置に設けられた拡張室と、拡張室内部へ排気ガスを流入させる排気ガス取入口と、排気ガス取入口の下方に設置された傾斜板と、傾斜板の表面に油を流下させることのできる第1溢流口と、傾斜板の表面から流下する油を貯留する油受けと、油受けの反傾斜板側に配置された油吸入口と、油受けの上方に設けられた上部拡張室と、上部拡張室の出口に接続された排気ガス通路において、少なくとも排気ガス通路の一部を形成する直立面と、直立面上に油を流下させることのできる第2溢流口と、第1溢流口を上部開口とする第1貯留部と、第2溢流口を上部開口とする第2貯留部を有し、第1貯留部および第2貯留部は絞り又は開閉バルブを介して連通され、第2溢流口が第1溢流口よりも高い位置に設けられていることを特徴とする排気ガス処理装置を用いることにより、排気ガスに含まれるタール等の粘着性物質が分離・貯留されるので、効率的に回収・蓄積される。
よって、特許文献2に示すタールなどの粘着性物質と油との分離工程は不要となり、凝集したタールなどの粘着性物質を装置外へ取り出したり、タールなどの粘着性物質による管内閉塞を防止できる。さらに、第2溢流口から直立面上に油を流下させることにより、残存するタール等の粘着性物質やススなどの微粉末が追加して分離・回収されるので、その回収効率を高めることができる。また、第1貯留部および第2貯留部は絞り等を介して連通し、第2溢流口が第1溢流口よりも高い位置に設けられることにより、不測の故障等で油の供給が断たれた場合でも、第2貯留部から第1貯留部へ油を供給し、傾斜板表面上を油で覆うことができるのでタールなどの粘着性物質やススなどの微粉末による付着・堆積の防止を継続できる。
また、油の表面層は反傾斜板側に配置されている油吸入口からの吸入によって、反傾斜板側へ流されて、油のみが本装置外へ排出されるので、タール等の粘着性物質は油面もしくは油中にて凝集した状態で浮遊し、油受け内部にて効率的に回収・蓄積される。
さらに、蒸気圧の低い油を用いる場合、油は揮発し難いため、傾斜板の表面上に油膜が残留し、不測の故障等によりタールなどの粘着性物質が堆積しても、その自重により油受けへ滑り落ちる。その結果、傾斜板表面上におけるタールなどの粘着性物質の付着・堆積を防止することで分離・回収効率を維持し、定期清掃の工数削減によりメンテナンスを容易にできる。
また、単独の装置で排気ガスに含まれるタールなどの粘着性物質を分離・貯留できるので、前述の特許文献1および3に示すような複数の装置は不要となり、ランニングコストの低減を図ることもできる。
また、請求項2に記載の発明においては、フィルターが設置された上部拡張室内に排気ガスを通過させることにより、排気ガス中に残留するタール等の粘着性物質を分離し、その一部を油受けにて回収するので、タール等の粘着性物質によるフィルターの目詰まりを防止できる。それと同時に、溢流する油との接触のみでは分離・回収困難なススなどの微粉末も分離・回収するので、ススなどの微粉末による管内閉塞を防止できる。よって、本発明は、フィルターの設置を単に植物油の捕捉を目的とした前述の特許文献3とは異なり、フィルターに付着したタール等の粘着性物質も利用して、ススなどの微粉末を分離・回収できる。
さらに、請求項3に記載の発明においては、油受けに貯留された油を第1溢流口等へ供給することで油を循環させることにより、油温の上昇を抑制したり、不純物を分離するので、良好な油を供給できて、メンテナンス期間の延長を図ることができる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る排気ガス処理装置の断面図である。本装置20は、排気ガスを装置20内へ取込む排気ガス取入口1と、排気ガス取入口1から取り込まれた排気ガスが最初に流入する拡張室2と、装置20外へ排気ガスを排出する排気口15とを有しており、排気ガス取入口1の直下には傾斜板3が設置されている。傾斜板3の上部には、その表面に油を流下させることのできる第1溢流口4が配置されて、第1溢流口4を上部開口とする第1貯留部11を形成している。傾斜板3の下部には、その表面から流下する油を貯留できる油受け5があり、油受け5の反傾斜板3側には油吸入口6が配置されている。また、油受け5の上方には上部拡張室8が形成されて、その内部にはフィルター7が積層されている。上部拡張室8の出口には、排気ガス通路23が接続されて、その一部に直立面9が形成されており、その面上には、第2溢流口10から油を流下させるとともに、第2溢流口10を上部開口とする第2貯留部12を形成している。
また、第1貯留部11にはバルブ13を有した供給管17が、第2貯留部12にはバルブ13´を有した供給管17´が接続されている。油受け5にはバルブ13´´を有した吸入管18が油吸入口6を介して接続されている。ポンプ21により吸入された油受け5内の油は、油吸入口6からバルブ13´´、ポンプ21および逆止弁22を通過した後に分岐されて、それぞれバルブ13および13´を経由して第1貯留部11および第2貯留部12へ供給するようにされている。
本装置20の排気ガス取入口1から流入した排気ガスは、拡張室2に取り込まれて、傾斜板3と衝突すると同時に、第1溢流口4から傾斜板3の表面に流れる油と接触する。次に、傾斜板3との衝突によって流れの向きが変えられた排気ガスは、フィルター7が積層されている上部拡張室8内を通過した後、第2溢流口10から直立面9上を流れる油と再度接触して、排気口15を介して本装置20外部へ排出される。以下、主要な構成品について詳細に説明する。
排気ガス取入口1は、本装置20内への排気ガスの取込み箇所であるため、その取付位置は本装置20の鉛直上方に取付けることが好ましい。排気ガスに含まれるタールなどの粘着性物質が、外部からの排気管内に付着・堆積している場合でも、重力落下により本装置20内で回収できるためである。
拡張室2は、本装置20内の一定体積を持った空間であり、外部から取り込まれた排気ガスは膨張するため、ガス温度が低下し、排気ガスに含まれるタール等の粘着性物質の液化もしくは固化が促進される。
傾斜板3は、後述の第1溢流口4から溢流する油を表面上に流すことができるので、排気ガス取入口1からの排気ガスの流入方向が、傾斜板3表面上で変化する。そのため、ガス温度が低下し、排気ガスに含まれるタールなどの粘着性物質を液化もしくは固化させる役割を果たす。
第1溢流口4は、前述した液化もしくは固化したタール等の粘着性物質を、第1溢流口4から溢流させた油と接触させることで、排気ガス中からタール等の粘着性物質を効率的に分離・回収する役割を担う。さらに、前述の特許文献1に示す噴霧方式による目詰まり等の問題もないため、傾斜板3の表面上に安定した油膜を形成させる役割も果たす。
油受け5は、第1溢流口4から溢流した油14およびその油14により分離・回収されたタールなどの粘着性物質16を回収・貯留できる。また、後述する第2溢流口10から溢流する油14およびその油14により分離・回収されたタールなどの粘着性物質16等も同様に回収・貯留できる。
油吸入口6は、油受け5の反傾斜板3側に配置されて、ポンプ21などにより油受け5内の油14を吸入して、吸入管18を通って本装置20外部へ油14を排出する接続口の役割を果たす。また、油吸入口6を介して油14が吸い込まれるため、油受け5内部には油14の流れが形成されて、分離・回収されたタールなどの粘着性物質16は、油面もしくは油中で固まりとして浮遊して逐次油吸入口6に向けて移動する。そのため、油受け5のスペースを有効活用して、タールなどの粘着性物質16が効率的に回収できる構造となっている。
上部拡張室8は、内部にフィルター7が設置できるため、第1溢流口4から溢流した油14と接触しても排気ガス中に残存するタール等の粘着性物質を追加して分離・回収する役割を果たす。また、設置されたフィルター7表面がタール等の粘着性物質により湿潤すると、排気ガス中に含まれるススなどの微粉末の分離・回収効率も向上する。
第1貯留部11と第2貯留部12は、それぞれ装置20外部から供給管17、17´を通って油14が供給されて、第1溢流口4および第2溢流口10より油14を溢流できる。そのため、供給管17、17´と吸入管18とをポンプ21等を介して接続することにより、油受け5内の油14を第1貯留部11および第2貯留部12と油受け5との間で循環できる。
供給管17、17´と吸入管18とは、装置20外部にてバルブ13、13´が取付けられているため、その開度を調整することにより、第1貯留部11および第2貯留部12への油14の供給量と油受け5内の油14の吸入量を調整できる。同時に、第2溢流口10の位置を第1溢流口4よりも高くすることにより、ポンプ21の故障等で第1貯留部11への油14の供給が断たれた場合でも、第1溢流口4と第2溢流口10の高低差のため、第2貯留部12内部の油14を第1貯留部11へ送ることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図2(a)乃至(c)は、本発明に係る排気ガス処理装置20内における傾斜板3の各種形態を示す斜視図である。図2(a)は、直立面を含んだ三方向から油の溢流が行える形態を示す斜視図であり、直立面からの溢流が可能となると同時に、タール等の粘着性物質による直立面への付着を防止できる。図2(b)は、三方向の傾斜面から油の溢流を行う形態を示す斜視図であり、傾斜面により異なる速度で溢流できる。また、油の合流箇所となる各傾斜板3の接合部にて、タール等の粘着性物質を集めることができる。図2(c)は、曲面上で油の溢流を行う形態を示す斜視図であり、初期の溢流速度を大きくできる点で有効である。また、曲面上の油の合流箇所にて、タール等の粘着性物質を集めることができる。
本発明の実施形態に示した図1の排気ガス処理装置20を、真空浸炭炉のガス排出口に接続して、真空浸炭炉を連続運転させた場合の排気ガスに含まれるタール等の粘着性物質やスス等の微粉末の分離・回収効率について説明する。図3は、本発明に係る排気ガス処理装置20を真空浸炭炉30のガス排出口と真空ポンプ31との間に設置した場合の配置図を示す。
図1に示すとおり、本発明に係る排気ガス処理装置20に接続されている供給管17および17´と吸入管18は、ポンプ21を介して連結されており、第1貯留部11および第2貯留部12と油受け5との間で油14の循環が可能な構成となっている。
次に、真空浸炭炉30の運転方法について説明する。まず、浸炭雰囲気の準備として、炉内を850〜980℃、1〜5KPaに保持した状態でエチレンガス(C2H4)を30〜100L/minとなるよう炉内へ導入し、ついで真空浸炭炉30内の雰囲気を真空ポンプ31で排気しながら浸炭処理を行い、浸炭処理終了後は真空浸炭炉30内を急速排気し、炉内圧力を20〜130Paまで減圧させた。
以上の運転を連日繰り返し行い、真空浸炭炉30からの排気ガスに含まれるタールなどの粘着性物質やススなどの微粉末を本装置20にて分離・回収しながら、排気口15および真空ポンプ31における排気系統の能力低下を測定した。
排気系統の能力低下の評価については、例えば、配管内がタール等により閉塞し始めると、管内が狭小化するため、所定の到達真空度までに要する時間が所定時間よりも長くなった場合等をもって、排気口15の管内閉塞と判断した。また、真空ポンプ31内の油が汚れると、真空浸炭炉30内の最高到達真空度が低下するため、到達真空度が100Paなど通常よりも極端に低くなった場合等をもってタール等の回収効率の低下と判断した。これらいずれかの判断がなされると、真空浸炭炉30の連続運転を一旦停止して、真空ポンプ31の油交換もしくは排気口15の定期清掃を行った後、再度運転を続けた。
油の溢流の有無によるタール等の粘着性物質やスス等の微粉末の分離・回収効果の比較例として、比較例1では、本装置20を付帯しない場合、比較例2では、図1に示す一定量の油14を貯留する油受け5のみが備え付けられている排気ガス処理装置を用いた場合の運転も行った。
なお、図1に示す第1貯留部11、第2貯留部12および油受け5の内容積は、それぞれ約2L、4Lおよび12Lであり、第1油貯留部11は、水平面に対して40度の角度を保っている。
また、本実施例で使用した油は、株式会社松村石油研究所製のネオバック(登録商標)MR−200(カタログ値:動粘度71.0(40℃、mm2/S)、蒸気圧0.0013以下(50℃、Pa))であり、JIS(日本工業規格)のK2001に規定されるISO粘度グレード番号 ISO VG 68 相当の工業用潤滑油である。
表1は、本実施例および比較例(前述の2条件)の計3条件にて真空浸炭炉30の連続運転を行った場合の排気口15の閉塞の時期およびタール等の回収効率の低下時期を示す表である。
Figure 0005294237
表1に示すとおり、比較例1および2は、排気口15の閉塞の発生時期は運転開始7〜14日後に現れており、タール等の回収効率の低下時期は21日〜1ヶ月後に確認されている。一方、本発明では、排気口15の閉塞の発生時期およびタール等の回収効率の低下時期は、運転開始2ヵ月後に現れており、排気口15の閉塞の発生時期は比較例の4〜8倍、タール等の回収効率の低下時期については比較例の2〜3倍となり、大幅に延長された。
以上述べたように、本発明に係る排気ガス処理装置は、排気ガス中に含まれるタールなどの粘着性物質やススなどの微粉末を油の溢流によって効率的に分離・回収できるので、タールなどの粘着性物質による管内閉塞などを長期間防止できた。
なお、本実施例においては浸炭ガスとしてエチレンガスを使用したが、他の炭化水素系ガスであるアセチレンガス(C2H2)若しくはプロパンガス(C3H8)、又はメタン(CH4)やエタン(C2H6)などを主成分とする天然ガス等のガスを浸炭ガスとして用いた場合も同様の結果が得られることは言うまでもない。
また、本実施例ではISO粘度グレード番号 ISO VG 68 相当の工業用潤滑油を使用した場合について述べたが、他の工業用潤滑油も使用できることは言うまでもない。使用する油の蒸気圧は1.0Pa以下であることが好ましいが、油の追加・補充の点から、その蒸気圧は0.1Pa以下であることがより好ましい。
さらに、本発明に係る排気ガス処理装置は、真空浸炭炉以外にもタールなどの粘着性物質やススなどの微粉末を含むガスを排出する機械や設備であれば、適用可能であることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係る排気ガス処理装置の断面図である。 本発明に係る排気ガス処理装置内における傾斜板の各種形態を示す斜視図であり、同図(a)は、直立面を含んだ三方向から油の溢流を行う形態を示す斜視図、同図(b)は、三方向の傾斜面から油の溢流を行う形態を示す斜視図、同図(c)は、曲面上で油の溢流を行う形態を示す斜視図である。 本発明に係る排気ガス処理装置を真空浸炭炉のガス排出口と真空ポンプとの間に設置した場合の配置図を示す。
符号の説明
1 排気ガス取入口
2 拡張室
3 傾斜板
4 第1溢流口
5 油受け
6 油吸入口
7 フィルター
8 上部拡張室
9 直立面
10 第2溢流口
11 第1貯留部
12 第2貯留部
13、13´ バルブ
14 油
20 排気ガス処理装置
23 排気ガス通路

Claims (3)

  1. 排気ガスを液体と接触させることで粘着性物質を分離・回収する排気ガス処理装置であって、前記排気ガス処理装置に設けられた拡張室と、前記拡張室内部へ排気ガスを流入させる排気ガス取入口と、前記排気ガス取入口の下方に設置された傾斜板と、前記傾斜板の表面に油を流下させることのできる第1溢流口と、前記傾斜板の表面から流下する油を貯留する油受けと、前記油受けの反前記傾斜板側に配置された油吸入口と、前記油受けの上方に設けられた上部拡張室と、前記上部拡張室の出口に接続された排気ガス通路において、少なくとも前記排気ガス通路の一部を形成する直立面と、前記直立面上に油を流下させることのできる第2溢流口と、前記第1溢流口を上部開口とする第1貯留部と、前記第2溢流口を上部開口とする第2貯留部と、を有し、前記第1貯留部および第2貯留部は絞り又は開閉バルブを介して連通され、前記第2溢流口が前記第1溢流口よりも高い位置に設けられていることを特徴とする排気ガス処理装置。
  2. 前記上部拡張室にフィルターが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス処理装置。
  3. 前記油受けに貯留された油を、前記油吸入口より吸入した後、前記第1溢流口または第2溢流口の少なくとも1つへ供給することにより油を循環させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排気ガス処理装置。
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